説明

岩盤浴システム

【課題】
岩盤浴の雰囲気に加え森林浴の爽快感を得ることができ、また、檜の樹脂成分により、岩盤浴の雰囲気の消臭や脱臭が可能で、より一層、爽快感を高めることができる岩盤浴システムを提供することにある。
【解決手段】
岩盤部材と岩盤部材を暖める熱源とを有する岩盤浴装置と、岩盤浴装置により生じる雰囲気に、檜の樹脂成分を含有する液体をミスト状にして噴霧する霧化装置とを備え、液体が檜の樹脂成分を含有する蒸留水であり、岩盤部材がトルマリン鉱石であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、岩盤浴の雰囲気に係る岩盤浴システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、鉱石を暖めて温浴効果を享受する岩盤浴装置がある。この岩盤浴装置は、小部屋の床面に熱源を設け、その熱源の上に鉱石を配置し、鉱石を暖めて温浴効果を創出させるものである。また、部屋内部全体に温浴効果のある雰囲気を作る他、特許文献1に示されるような簡易的な岩盤浴装置も提案されている。
【0003】
特許文献1に示される簡易的な岩盤用装置である岩盤浴ユニットは、木製の可搬性を有するベッド体およびカバー体により構成され、ベッド体が、ベッド体上面に着脱可能に敷設された多数の岩盤板と、ベッド体端部に設けられ上部が開口し水が張られた水槽と、電熱器と、内部の水を電熱器により温めつつ環流させ、岩盤板及び水槽中の水とを加温する温水導水パイプとから構成される。この従来の岩盤浴ユニットでは、ベッド体に檜の端板や端板を敷設するようにしている。檜を用いることで、高級感が伴い、檜風呂のような独特の香りが室内に充満し、好ましいとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−18076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の岩盤浴ユニットでは、檜を用いても、木材としての檜から放出される程度の香りしかなく、檜の樹脂成分の効能を十分に発揮させることは困難である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、岩盤浴の雰囲気に加え森林浴の爽快感を得ることができ、また、檜の樹脂成分により、岩盤浴の雰囲気の消臭や脱臭が可能で、より一層、爽快感を高めることができる岩盤浴システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の岩盤浴システムは、岩盤部材と岩盤部材を暖める熱源とを有する岩盤浴装置と、岩盤浴装置により生じる雰囲気に、檜の樹脂成分を含有する液体をミスト状にして噴霧する霧化装置とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の岩盤浴システムは、液体が、檜の樹脂成分を含有する蒸留水であることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の岩盤浴システムは、岩盤部材が、トルマリン鉱石であることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の岩盤浴システムは、熱源が、遠赤外線ヒータであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、岩盤部材と岩盤部材を暖める熱源とを有する岩盤浴装置と、岩盤浴装置により生じる雰囲気に、檜の樹脂成分を含有する液体をミスト状にして噴霧する霧化装置とを備え、檜の樹脂成分により岩盤浴の雰囲気に森林浴の雰囲気を形成させることができ、岩盤浴の雰囲気に加え森林浴の爽快感を得ることができる。また、檜の樹脂成分により、岩盤浴の雰囲気の消臭や脱臭が可能で、より一層、爽快感を高めることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、霧化装置でミスト状にして噴霧する液体が、檜の樹脂成分を含有する蒸留水であることから、檜の樹脂成分が凝縮された形で液体に含まれており、森林浴の爽快感をより得ることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、岩盤部材にトルマリン鉱石を用いることで、岩盤部材の衛生管理が容易である。
【0014】
請求項4の発明によれば、熱源が遠赤外線ヒータであり、火を使わないことから、岩盤浴装置により生じる雰囲気の換気が必要ではなく、クリーンな雰囲気を創出することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の形態について具体的に説明する。本実施の形態に係る岩盤浴システムは、後述する岩盤浴装置が設けられた部屋内部全体に温浴効果のある雰囲気を作るものである。そして、岩盤浴システムの設けられた部屋に入って、岩盤浴と共に森林浴をを楽しむものである。
【0016】
岩盤浴システムは、岩盤部材と岩盤部材を暖める熱源とを有する岩盤浴装置と、岩盤浴装置により生じる雰囲気に、檜の樹脂成分を含有する液体をミスト状にして噴霧する霧化装置とを備える。岩盤浴装置における岩盤部材は、例えば、ゲルマニウム鉱石、溶岩石、ラジウム鉱石、トルマリン鉱石等である。そして、この岩盤部材は、略板状で、部屋の床面に敷設された熱源の上に敷き詰められる。ここで、岩盤浴装置の熱源としては、例えば、ガス式や電気式がある。ガス式は、ガスを燃料にするボイラー熱源を利用するもので温水を岩盤部材の下面に循環させる。また、電気式は、電熱線ヒータを岩盤部材の下面に設けて熱源として利用するものである。
【0017】
岩盤浴システムは、岩盤浴装置に加え、霧化装置を備えている。霧化装置は、岩盤浴装置により部屋内に生じた雰囲気に、檜の樹脂成分を含有する液体をミスト状にして噴霧するものである。霧化装置は、液体をミスト状にして噴霧できるものであればよく、例えば、一般家庭向けの加湿器である。霧化装置として用いる加湿器の種類としては、液体を檜の樹脂成分を含有するミストとして噴霧可能なスチーム式や超音波式等がある。尚、一般家庭向けの加湿器としては、ヒートレスファン式やハイブリッド式(加熱気化式)等の加湿器があるが、これらの加湿器は、液体を含んだフィルタに風をあてて加湿するもので、本実施の形態における霧化装置としては、不向きである。
【0018】
霧化装置により岩盤浴装置により部屋内に生じた雰囲気に、ミスト状にして噴霧する液体は、檜の樹脂成分を含有する液体で、殺菌力を持つ揮発性物質であるフィトンチッドに分類される成分を多く含んでいるものを使用する。特に、国内産檜は、フィトンチッドに分類される成分の発散量が多く、本実施の形態の岩盤浴システムには適している。
【0019】
檜の樹脂成分を含有する液体の製法としては、例えば、水蒸気蒸留法や直接蒸留法がある。水蒸気蒸留法では、釜に檜(チップ状にして)を入れて火を焚き、蒸気を発生させ加熱し、檜の成分を蒸気の中に放出させる。そして、檜の成分を含んだ蒸気をパイプに集めて、そのパイプを冷却することで中の水蒸気を液体に変える。また、直接蒸留法は、檜を直接煮て水蒸気を集め、樹脂成分を水と共に冷却捕集する方法である。
【0020】
岩盤浴システムでは、岩盤浴装置により部屋内に生じた雰囲気を形成させた上で、霧化装置により檜の樹脂成分を含有する液体をミスト状にして噴霧するようにする。
【0021】
上述のような本実施の形態における岩盤浴システムによれば、岩盤部材と岩盤部材を暖める熱源とを有する岩盤浴装置と、岩盤浴装置により生じる雰囲気に、檜の樹脂成分を含有する液体をミスト状にして噴霧する霧化装置とを備え、檜の樹脂成分により岩盤浴の雰囲気に森林浴の雰囲気を形成させることができ、岩盤浴の雰囲気に加え森林浴の爽快感を得ることができる。また、檜の樹脂成分により、岩盤浴の雰囲気の消臭や脱臭が可能で、より一層、爽快感を高めることができる。そして、岩盤浴と森林浴との相乗効果を期待することができる。
【0022】
さらに、檜の樹脂成分の抗菌や防虫の効果により、岩盤浴装置の岩盤部材にカビやダニ等が生じることを防止することも可能である。さらに、檜の樹脂成分により、人体に悪影響を及ぼす黄色ブドウ球菌や枯葉菌の活性化も抑制することができる。特に、本件のように檜の樹脂成分を含有する液体をミスト状にして噴霧することで、一層の効果が期待できる。
【0023】
また、霧化装置でミスト状にして噴霧する液体に、水蒸気蒸留法で得た蒸留水を用いることで、檜の樹脂成分が凝縮された形で液体に含まれており、森林浴の爽快感をより得ることができる。他の消臭や脱臭や抗菌や防虫の効果も、より期待することができる。
【0024】
岩盤部材としては、上述したようにいくつかの種類を用いることができるが、特に、トルマリン鉱石を用いることで、岩盤部材の衛生管理が容易である。トルマリン鉱石は、抗菌や防虫の効果があり、檜の樹脂成分を含有する液体をミスト状にして噴霧することと相まって、一層の効果が期待される。
【0025】
また、岩盤浴装置の熱源としては、いくつか考えられるが、熱源を遠赤外線ヒータにすることで、火を使わず、岩盤浴装置により生じる雰囲気の換気が必要ではなく、クリーンな雰囲気を創出することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように、岩盤浴の雰囲気に加え森林浴の爽快感を得ることができ、また、檜の樹脂成分により、岩盤浴の雰囲気の消臭や脱臭が可能で、より一層、爽快感を高めることができる岩盤浴システムを提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
岩盤部材と該岩盤部材を暖める熱源とを有する岩盤浴装置と、
該岩盤浴装置により生じる雰囲気に、檜の樹脂成分を含有する液体をミスト状にして噴霧する霧化装置とを備えることを特徴とする岩盤浴システム。
【請求項2】
前記液体が、檜の樹脂成分を含有する蒸留水であることを特徴とする請求項1記載の岩盤浴システム。
【請求項3】
前記岩盤部材が、トルマリン鉱石であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の岩盤浴システム。
【請求項4】
前記熱源が、遠赤外線ヒータであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の岩盤浴システム。

【公開番号】特開2013−94610(P2013−94610A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243124(P2011−243124)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(309040929)有限会社天翔 (2)
【Fターム(参考)】