説明

岩盤浴用ベッド

【課題】岩盤浴用ベッドの使い勝手や清掃を容易なものとすること。
【解決手段】横臥台2の上面に岩盤を敷設するとともに、横臥台2の内部に前記岩盤を加熱するためのヒーターを収容した岩盤浴用ベッド1において、横臥台2を被覆するドーム型のカバー3の端部に使用者Pの顔を露出させるための切欠部13を形成するとともに、切欠部13の両端でカバー3を横臥台2に起倒自在に枢着することにした。また、前記カバー3と横臥台2との枢着部19を横臥台2の上面よりも下方に形成することにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、岩盤浴用ベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、麦飯石や電気石などの岩盤を加熱することによって岩盤から放出される遠赤外線やマイナスイオンを利用した岩盤浴が注目を集めている。
【0003】
この岩盤浴では、入浴施設などの専用施設において、特殊構造の部屋内に架台を設置し、架台の上面に岩盤を敷設するとともに、架台の内部に岩盤を加熱するヒーターを収容したものが広く利用されてきているが、特に最近では、病院や介護施設や一般家庭においても岩盤浴を行うことができるようにするために、岩盤浴用ベッドも考案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
この従来の岩盤浴用ベッドでは、前後の支持体の間に横臥台を架設し、横臥台の上面に岩盤を敷設するとともに、横臥台の内部に岩盤を加熱するためのヒーターを収容しており、しかも、横臥台の後側上部にドーム型の固定カバーを取付けるとともに、横臥台の前側上部にドーム型のスライドカバーを取付けて、スライドカバーを前後にスライド移動させることで、スライドカバーを開閉するようにしていた。
【0005】
【特許文献1】特開2006−230814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記従来の岩盤浴用ベッドでは、横臥台の上部に固定カバーとスライドカバーとを取付けた構造となっていたために、スライドカバーを開放した状態にしても、横臥台の後側上部が固定カバーで被覆されており、横臥台の上面全体を露出させることができない構造となっていた。
【0007】
そのため、上記従来の岩盤浴用ベッドでは、固定カバーが障害となって、横臥台への昇降が困難であり、使い勝手が悪く、また、横臥台の後側上部の清掃が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る本発明では、横臥台の上面に岩盤を敷設するとともに、横臥台の内部に前記岩盤を加熱するためのヒーターを収容した岩盤浴用ベッドにおいて、横臥台を被覆するドーム型のカバーの端部に使用者の顔を露出させるための切欠部を形成するとともに、切欠部の両端でカバーを横臥台に起倒自在に枢着することにした。
【0009】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記カバーと横臥台との枢着部を横臥台の上面よりも下方に形成することにした。
【発明の効果】
【0010】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0011】
すなわち、本発明では、横臥台の上面に岩盤を敷設するとともに、横臥台の内部に前記岩盤を加熱するためのヒーターを収容した岩盤浴用ベッドにおいて、横臥台を被覆するドーム型のカバーの端部に使用者の顔を露出させるための切欠部を形成するとともに、切欠部の両端でカバーを横臥台に起倒自在に枢着しているために、カバーを横臥台に対して起立させれば、横臥台の上面全体を開放させることができ、横臥台への昇降が容易となって岩盤浴用ベッドの使い勝手を向上させることができるとともに、横臥台の上面を容易に清掃することができて岩盤浴用ベッドの清潔感を向上させることができる。
【0012】
特に、カバーと横臥台との枢着部を横臥台の上面よりも下方に形成した場合には、横臥台の上面を清掃する際にカバーと横臥台との枢着部が邪魔にならず、横臥台の上面をより一層容易に清掃することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明に係る岩盤浴用ベッドの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1〜図5に示すように、岩盤浴用ベッド1は、矩形箱型状の横臥台2の頭側端部に横臥台2の上面を被覆するドーム型のカバー3を起倒自在に枢着している。
【0015】
横臥台2は、矩形枠状のフレーム4の内側下部に網状の鉄筋5を左右一対のアングル6,6を介して着脱自在に取付けるとともに、鉄筋5の上部に断熱材7(発泡スチロール)を敷設し、断熱材7の上部にヒーター8を敷設し、ヒーター8の上部にマット9を敷設し、マット9の上部に岩盤10をモルタルを用いて接着している。ここで、ヒーター8は、岩盤10を加熱するためのものであり、岩盤10は、加熱により遠赤外線やマイナスイオンを発生する鉱石からできている。
【0016】
カバー3は、FRPで形成しており、略半円形断面を有する前側カバー11の足側端部に略半円形状の足側カバー12を接続するとともに、前側カバー11の頭側端部を45度の傾斜で切除して前側カバー11の頭側端部に切欠部13を形成してカバー3の頭側端部を左右二股状に形成している。
【0017】
この切欠部13は、横臥台2に横臥する使用者Pの顔を露出させるためのものであり、カバー3の切欠部13よりもやや内側に外部と区画するカーテン14を取付けている。
【0018】
岩盤浴用ベッド1では、カバー3の切欠部13の左右両端にブラケット15,15を連設し、各ブラケット15の内側に横長筒状の軸支持体16を取付け、一方、横臥台2のフレーム4の頭側端部に横長筒状の軸受体17を取付け、これら軸支持体16,16と軸受体17とにスプリングシャフト18を挿通して、カバー3を横臥台2に切欠部13の両端で起倒自在に枢着している。
【0019】
ここで、岩盤浴用ベッド1では、軸支持体16,16と軸受体17とスプリングシャフト18から構成されるカバー3と横臥台2との枢着部19をフレーム4の頭側端部の側壁面に形成し、枢着部19を横臥台2の上面よりも下方に形成している。
【0020】
なお、岩盤浴用ベッド1は、横臥台2の足側端部に加湿器20を載置するとともに、横臥台2の底面四隅にキャスター21を取付けている。
【0021】
また、岩盤浴用ベッド1は、カバー3の足側左右端部に把手22,22を取付けるとともに、カバー3の切欠部13の近傍に操作パネル23を支持アーム24を介して上下回動自在に取付けている。
【0022】
岩盤浴用ベッド1は、以上に説明したように構成しており、把手22を持ってカバー3を下方へ向けて倒伏(回動)させると、図6(a)に示すように、横臥台2や使用者Pをカバー3で覆うことができ、横臥台2とカバー3とで使用者Pを囲み、岩盤浴による温熱効果を向上させることができるとともに、加湿器20により湿度調整を行うことができるようになっている。また、岩盤浴用ベッド1は、把手22を持ってカバー3を上方へ向けて起立(回動)させると、図6(b)に示すように、横臥台2の上面全体を開放させることができ、使用者Pの横臥台2への昇降を容易なものとすることができるとともに、横臥台2の上面の清掃作業を容易なものとすることができる。
【0023】
以上に説明したように、上記岩盤浴用ベッド1では、横臥台2の上面に岩盤10を敷設するとともに、横臥台2の内部に岩盤10を加熱するためのヒーター8を収容し、しかも、横臥台2を被覆するドーム型のカバー3の端部に使用者Pの顔を露出させるための切欠部13を形成するとともに、切欠部13の両端でカバー3を横臥台2に起倒自在に枢着した構成となっている。
【0024】
そのため、上記構成の岩盤浴用ベッド1では、カバー3を横臥台2に対して起立させれば、横臥台2の上面全体を開放させることができ、横臥台2への昇降が容易となって岩盤浴用ベッド1の使い勝手を向上させることができるとともに、横臥台2の上面を容易に清掃することができて岩盤浴用ベッド1の清潔感を向上させることができる。
【0025】
特に、上記構成の岩盤浴用ベッド1では、カバー3に形成した切欠部13の両端で横臥台2に枢着しているために、カバー3を起立させた状態では横臥台2の端部にカバー3の切欠部13が位置することになり、横臥台2の上面を清掃する際に上面のゴミを切欠部13を通して外部に排除することができ、横臥台2の清掃が非常に容易になっている。
【0026】
しかも、上記岩盤浴用ベッド1では、カバー3と横臥台2との枢着部19を横臥台2の上面よりも下方に形成しているために、横臥台2の上面を清掃する際にカバー3と横臥台2との枢着部19が邪魔にならず、横臥台2の上面をより一層容易に清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】岩盤浴用ベッドの側面図。
【図2】同平面図。
【図3】同正面図。
【図4】同断面側面図。
【図5】同断面正面図。
【図6】同使用状態説明図。
【符号の説明】
【0028】
1 岩盤浴用ベッド 2 横臥台
3 カバー 4 フレーム
5 鉄筋 6 アングル
7 断熱材 8 ヒーター
9 マット 10 岩盤
11 前側カバー 12 足側カバー
13 切欠部 14 カーテン
15 ブラケット 16 軸支持体
17 軸受体 18 スプリングシャフト
19 枢着部 20 加湿器
21 キャスター 22 把手
23 操作パネル 24 支持アーム
P 使用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横臥台の上面に岩盤を敷設するとともに、横臥台の内部に前記岩盤を加熱するためのヒーターを収容した岩盤浴用ベッドにおいて、
横臥台を被覆するドーム型のカバーの端部に使用者の顔を露出させるための切欠部を形成するとともに、切欠部の両端でカバーを横臥台に起倒自在に枢着したことを特徴とする岩盤浴用ベッド。
【請求項2】
前記カバーと横臥台との枢着部を横臥台の上面よりも下方に形成したことを特徴とする請求項1に記載の岩盤浴用ベッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−295468(P2008−295468A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141192(P2007−141192)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(592235891)
【Fターム(参考)】