説明

岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステム

【課題】 高効率の岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステムを提供する。
【解決手段】 岸辺クレーンのバックリーチの下に配置され、しかもクレーントロリー軌道に並行する低架橋を少なくとも一本備え、各低架橋のトップ部および中部にそれぞれ低架橋長手方向に延在する軌道を少なくとも1セット設置し、トップ部軌道に低架橋リフト台車を設置し、中部軌道に低架橋プラットフォーム台車を設置し、低架橋リフト台車と低架橋プラットフォーム台車は交差時に通り抜けて移動可能であり、低架橋の下で各コンテナ蔵置エリアに対応してそれぞれ配置された低架橋長手方向に垂直した地面軌道がヤードの海側端部の積み下ろしエリアに延在し、各地面軌道にそれぞれ地面用プラットフォーム台車を配置した、岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車制御トランスファシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテナ専用ターミナルの積み下ろし(装卸)技術に関し、特に岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
船で運輸する数多くのコンテナをコンテナヤードからコンテナ運輸船に荷揚げたり、コンテナ船が運輸して来た数多くのコンテナをコンテナ運輸船からコンテナヤードに荷卸するために、コンテナターミナルの岸辺クレーンとヤードクレーンの間にコンテナの引渡しが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術では、この仕事は内燃機関で駆動される水平運輸車(コンテナトラックかAGVかストラドルキャリア)によりなされるが、このような水平運輸車が運輸中、複数の運輸車間の交差干渉が発生しやすく、運輸距離が長すぎる欠点があるので、積み下ろし効率に不良影響がある。積み下ろし効率を向上させるために、運輸車を増やすことが考えられるが、運輸車が多いほど交差干渉の可能性が多くなるので、運輸車を増加することで積み下ろし効率を向上させることには問題がある。コンテナ運輸規模化と高速自動化のターミナル積み下ろし生産率に対する要求を満たすために、高効率のコンテナ積み下ろしシステムの開発設計が期待されている。
【0004】
本発明は高効率の岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステムを開発し、コンテナ運輸規模化と高速自動化のターミナル積み下ろし生産率に対する要求を満たすことを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋台車式クラブトランスファ積み下ろしシステムであって、岸辺クレーンのバックリーチの下に配置され、しかも、クレーントロリー軌道に並行する低架橋を少なくとも一本備え、各低架橋のトップ部と中部にそれぞれ低架橋長手方向に延在する軌道を少なくとも1セット設置し、トップ部軌道に設置された低架橋リフト台車が上記軌道に沿って移動可能で、中部軌道に設置された低架橋プラットフォーム台車が当軌道に沿って移動可能で、低架橋リフト台車と低架橋プラットフォーム台車とが、交差時に通り抜けて移動可能であり、低架橋の下で各コンテナ蔵置エリアに対応して配置され、低架橋長手方向に垂直した地面軌道がヤードの海側端部の積み下ろしエリアに延在し、各地面軌道にそれぞれ地面プラットフォーム台車が配置されたことを特徴とする。
【0006】
上記岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステムにおいて、上記低架橋の長さがヤードのコンテナ蔵置エリアに対応することを特徴とする。
【0007】
上記岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステムにおいて、上記地面プラットフォーム台車のプラットフォームは90度回転できることを特徴とする。
【0008】
上記岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車によるトランスファ積み下ろしシステムにおいて、上記低架橋が一本であることを特徴とする。
【0009】
上記岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステムにおいて、上記低架橋が四本であり、それぞれ緊密に並行して配列することを特徴とする。
【0010】
上記岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステムにおいて、上記低架橋が三本であり、それぞれ緊密に並行して配列することを特徴とする。
【0011】
上記岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステムにおいて、上記低架橋が二本であり、それぞれ緊密に並行して配列することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステムは上記技術案を採用したので、コンテナターミナルの積み下ろし効率を大幅に向上させ、コンテナターミナルの積み下ろしの半自動化と自動化と実現でき、コンテナ自動化ターミナルの建設困難度とコストを大きく減らし、非自動化ターミナルにも適用できるが、自動化ターミナルには特に適する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1を参照し、図2と図3も合わせて参照し、本発明の岸辺クレーン1とヤードクレーン2間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステムは、岸辺クレーン1のバックリーチの下に設置され、クレーントロリー軌道に並行した低架橋3を備え、低架橋3の長さはヤード4のコンテナ蔵置エリアと対応し、幅が移動台車の幅と対応し、低架橋3は一本、二本、三本、四本もしくはそれ以上であってもよい。本実施例では四本である。低架橋3が複数ある場合、各低架橋が緊密に並行して配置される。
【0014】
図4を参照し、図1を合わせて参照し、本発明の各低架橋3のトップ部に低架橋の長手方向に延在した軌道31が1セット設けられ、中部には低架橋長手方向に延在した軌道32が1セット設けられ、2セットの軌道31,32が上下並行に設置されている。低架橋リフト台車5がトップ部軌道31に配置され、当軌道に沿い移動できるとともに、低架橋プラットフォーム台車6が中部軌道32に配置され、当軌道に沿い移動できる。低架橋リフト台車5がトップ部軌道31を移動するとき、低架橋プラットフォーム台車6がコンテナを載せた状態で中部軌道を移動することを干渉することなく、つまり、低架橋リフト台車5とコンテナを載せたまたは載せていない低架橋プラットフォーム台車6とは交差時に通り抜けて移動することができる。低架橋3の下で、各コンテナ蔵置エリアに対応して、それぞれ低架橋長手方向に垂直した地面軌道7が設置され、地面軌道7がヤード4の海側端部積み下ろしエリアまで延在し、地面プラットフォーム台車8がそれぞれ、各地面軌道7に設置され、当軌道を移動でき、地面プラットフォーム台車上のプラットフォームが90度回転できる。したがって、その上に載せられたコンテナも引渡途中で90度回転できることになる。
【0015】
図1を参照して、本発明の岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステムの動作過程を以下に説明する。
【0016】
船からの荷卸すとき、まず岸辺クレーンによってコンテナを船から低架橋プラットフォーム台車に卸し、そして低架橋プラットフォーム台車上方に位置する低架橋リフト台車によりコンテナを指定された地面プラットフォーム台車に移し、地面プラットフォーム台車がコンテナを載せてから、ヤード端部の積み下ろしエリアへ移動すると同時に、コンテナが地面プラットフォーム台車上で90度回転し、最後にヤードクレーンによりコンテナ蔵置エリアに運ばれる。
【0017】
船に荷揚げするときは、まず、ヤードクレーンによりコンテナをコンテナ蔵置エリアから地面プラットフォーム台車に載せ、地面プラットフォーム台車がコンテナを載せてから、低架橋の下へ移動するとともに、コンテナが地面プラットフォーム台車上で90度回転し、低架橋の下まで移動すると、低架橋リフト台車によりコンテナを吊り上げ、その下に位置する低架橋プラットフォーム台車に載せ、低架橋プラットフォーム台車が積み下ろし位置まで移動し、最後に岸辺クレーンによりコンテナを低架橋プラットフォーム台車から船まで吊り上げる。
【0018】
本発明の岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステムは、コンテナターミナル従来の内燃機関で駆動する水平運輸車の積み下ろし技術を破棄し、低架橋と、低架橋に設置され高さ方向に位置ずれた台車と、及び上記台車に対応して配置された地面台車を巧みに利用し、岸辺クレーンとヤードクレーン間に複数のコンテナが水平運輸されるときに発生する水平交差干渉の問題を見事に解決し、岸辺クレーンとヤードコンテナ間の積み下ろし速度を大幅に向上し、岸辺クレーンとヤードクレーン間の速やかな引渡を実現できた。大きな経済利益と社会的利益が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
添付図面に結合した実施例の記述により、本発明の目的、具体的な構造、特徴や利点がさらに明らかになるだろう。添付図面の説明は下記の通りである。
【図1】本発明の岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステムの構成の正面概略図である。
【図2】図面1の上面図である。
【図3】図面1の側面図である。
【図4】本発明の低架橋の概略構造図である。
【符号の説明】
【0020】
1 岸辺クレーン、2 ヤードクレーン、3 低架橋、4 ヤード、5 低架橋リフト台車、6 低架橋プラットフォーム台車、7 地面軌道、8 地面プラットフォーム台車、31 トップ部軌道、32 中部軌道、33 コンテナ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステムであって、
岸辺クレーンのバックリーチの下に配置され、且つ、クレーントロリー軌道に並行する低架橋を少なくとも1本備え、
各低架橋のトップ部と中部にそれぞれ低架橋長手方向に延在する軌道が少なくとも1セット設置され、
トップ部軌道に設置された低架橋リフト台車が上記軌道に沿って移動可能で、
中部軌道に設置された低架橋プラットフォーム台車が当軌道に沿って移動可能で、
低架橋リフト台車と低架橋プラットフォーム台車とが交差時に通り抜けて移動可能であり、
低架橋の下で各コンテナ蔵置エリアに対応して配置され低架橋長手方向に垂直した地面軌道がヤードの海側端部の積み下ろしエリアに延在し、
各地面軌道にそれぞれ地面プラットフォーム台車が配置されたことを特徴とする。
【請求項2】
上記低架橋の長さが、ヤードのコンテナ蔵置エリアに対応することを特徴とする請求項1に記載の岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステム。
【請求項3】
上記地面プラットフォーム台車のプラットフォームは、90度回転できることを特徴とする請求項1に記載の岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステム。
【請求項4】
上記低架橋が一本であることを特徴とする請求項1に記載の岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステム。
【請求項5】
上記低架橋が四本であり、しかも互いに緊密に並行して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステム。
【請求項6】
上記低架橋が三本であり、しかも互いに緊密に並行して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステム。
【請求項7】
上記低架橋が二本であり、しかも互いに緊密に並行して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の岸辺クレーンとヤードクレーン間の低架橋式台車トランスファ積み下ろしシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−161480(P2007−161480A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−46750(P2006−46750)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(506013472)上海振華港口机械(集団)股▲分▼有限公司 (9)