説明

工事写真連携補助装置、工事写真連携サーバ、工事写真連携補助プログラム、及び工事写真連携プログラム

【課題】工事写真を図面データに連携させて容易に整理することができるようにする。
【解決手段】タブレット端末では、工事写真連携サーバ2からダウンロードした図面データを表示し、作業者によって撮影ポイントが画面上で指定されると、撮影ポイントを特定する撮影ポイント情報を生成して二次元バーコード352を表示する。デジタルカメラ4では、二次元バーコード352を撮影し、その後実物(被写体)を撮影して工事写真データを蓄積する。工事写真連携サーバ2は、タブレット端末3から撮影ポイント情報を、デジタルカメラ4から工事写真データを取得し、撮影ポイントとして指定された図面データ上の位置(指定位置)に、撮影した工事写真データを自動的に連携(リンク)させることで、容易に工事写真の整理を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事写真連携補助装置、工事写真連携サーバ、工事写真連携補助プログラム、及び工事写真連携プログラムに関し、例えば、工事現場で撮影した工事写真と、撮影した工事現場の図面とを連係させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、建築や建設の工事や、土木工事の現場では、工事箇所の説明を記載した小黒板とともにその工事箇所を工事写真としてデジタルカメラ等で撮影する。この工事写真は、工事着手前から施工状況及び完成までの一連の工程や進捗状況を記録すると共に、適正になされていることを証明したりするために使用されている。特に、鉄筋の配設状況や地下処理などの、工事完成後に外面から明視できない箇所の工事写真は、後々の重要な証拠写真となる。
このような工事写真は後日パソコンなどに取り込んで整理することになるが、大量に撮影された工事写真の整理は大変な作業であるため、係る作業を軽減するための技術が特許文献1で提案されている。
この特許文献1では、デジタルカメラを用いて撮影された説明用黒板を含む建設現場の工事写真データをセンターサーバに伝送し、サーバにおいて、工事写真の分類整理及びこの工事写真に対する写真説明用情報の入力作業を、表示部に拡大表示された説明用黒板の記載内容を見ながら行うことで、作業軽減をしている。
【0003】
しかし、上記特許文献1記載の技術は、工事写真アルバムの作成作業を軽減するものである。このため、工事写真を施工図面に紐付け(関連付け)をすることはできない。
このため、画面に表示した工事写真と施工図面とを人間が目視で確認しながら、手作業で整理しなければならなかった。しかも、施工図面と工事写真との関連づけは、人間が後日写真だけを見て行うため、施工図面と紐付け整理を行うには高度な知識と経験、時間が必要だった。
また、明視できない箇所の工事写真については、工事担当者でも後日整理することが困難になる場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−094605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、工事写真データを図面データに連携させて容易に整理することができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)請求項1に記載の発明では、工事写真連携サーバから図面データを取得する図面データ取得手段と、前記取得した図面データを表示する図面データ表示手段と、前記図面データの表示画面上において、撮影ポイントを指定する指定手段と、少なくとも前記表示した図面データを特定する図面特定情報と、前記指定された位置に対応する指定位置情報とを含む撮影ポイント情報を作成する撮影ポイント情報作成手段と、前記作成した撮影ポイント情報を特定する特定情報を識別子に変換する変換手段と、前記変換した識別子を表示する識別子表示手段と、を具備することを特徴とする工事写真連携補助装置を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記作成した撮影ポイント情報を前記工事写真連携サーバに対して出力する出力手段、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の工事写真連携補助装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記撮影ポイント情報作成手段は、前記指定手段で撮影ポイントが指定された指定日時と、前記図面特定情報と、前記指定位置情報を撮影ポイント情報として作成し、前記識別子表示手段は、少なくとも前記指定日時を含む特定情報を識別子に変換する、ことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の工事写真連携補助装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記識別子表示手段は、前記図面特定情報と前記指定位置情報の組を特定情報として識別子に変換する、ことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の工事写真連携補助装置を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、前記変換手段は、前記識別子として、前記特定情報をコード化した二次元バーコード又は、カラーバーコードに変換する、ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の工事写真連携補助装置を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、図面データを記憶する図面記憶手段と、請求項1に記載の工事写真連携補助装置に対して、前記図面データを出力する出力手段と、前記工事写真連携補助装置が作成した撮影ポイント情報を取得する撮影ポイント情報取得手段と、前記撮影ポイント情報を特定する特定情報を変換した識別子の撮影データと、被写体の撮像データとを工事写真データとして撮像装置から取得する工事写真データ取得手段と、前記取得した各撮影ポイント情報と、前記取得した各工事写真データとの対応を取ることで、前記図面データに前記工事写真データを連携させる連携手段と、を具備することを特徴とする工事写真連携サーバを提供する。
(7)請求項7に記載の発明では、前記撮影ポイント情報取得手段は、前記工事写真連携補助装置が出力した撮影ポイント情報を取得する、ことを特徴とする請求項6に記載の工事写真連携サーバを提供する。
(8)請求項8に記載の発明では、前記識別子は、全ての撮影ポイント情報が特定情報として変換されており、前記撮影ポイント情報取得手段は、前記取得した工事写真データに含まれる識別子を逆変換することで撮影ポイント情報を取得する、ことを特徴とする請求項6に記載の工事写真連携サーバを提供する。
(9)請求項9に記載の発明では、前記取得した工事写真データに含まれる識別子を逆変換することで特定情報を抽出する特定情報抽出手段を備え、前記連携手段は、前記抽出した特定情報により、各撮影ポイント情報と各工事写真データとの対応を取ることで、前記図面データに前記工事写真データを連携させる、ことを特徴とする請求項6、請求項7、又は請求項8に記載の工事写真連携サーバを提供する。
(10)請求項10に記載の発明では、前記撮影ポイント情報には、前記工事写真連携補助装置において撮影ポイントが指定された指定日時が含まれ、前記連携手段は、各撮影ポイント情報に含まれる指定日時と、各工事写真データの撮影日時との比較により、各撮影ポイント情報と各工事写真データとの対応を取ることで、前記図面データに前記工事写真データを連携させる、ことを特徴とする請求項6、請求項7、又は請求項8に記載の工事写真連携サーバを提供する。
(11)請求項11に記載の発明では、工事写真連携サーバから図面データを取得する図面データ取得機能と、前記取得した図面データを表示する図面データ表示機能と、前記図面データの表示画面上において、撮影ポイントを指定する指定機能と、少なくとも前記表示した図面データを特定する図面特定情報と、前記指定された位置に対応する指定位置情報とを含む撮影ポイント情報を作成する撮影ポイント情報作成機能と、前記作成した撮影ポイント情報を特定する特定情報を識別子に変換する変換機能と、前記変換した識別子を表示する識別子表示機能と、をコンピュータに実現させるための工事写真連携補助プログラムを提供する。
(12)請求項12に記載の発明では、請求項1に記載の工事写真連携補助装置に対して、図面データを記憶する図面記憶手段から前記図面データを出力する出力機能と、前記工事写真連携補助装置が作成した撮影ポイント情報を取得する撮影ポイント情報取得機能と、前記撮影ポイント情報を特定する特定情報を変換した識別子の撮影データと、被写体の撮像データとを工事写真データとして撮像装置から取得する工事写真データ取得機能と、前記取得した各撮影ポイント情報と、前記取得した各工事写真データとの対応を取ることで、前記図面データに前記工事写真データを連携させる連携機能と、をコンピュータに実現させるための工事写真連携プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、図面データを特定する図面特定情報と図面データの表示画面上において指定された位置に対応する指定位置情報とを含む撮影ポイント情報を変換した識別子により、工事写真データを図面データに連携させて容易に整理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図面データに工事写真を連携させる流れを説明するための工事写真連携システムの概要図である。
【図2】工事写真連携サーバの構成図である。
【図3】タブレット端末の構成図である。
【図4】工事写真連携システムによる、図面データに工事写真データを連携させる手順を表したフローチャートである。
【図5】工事写真データを図面データに連携する処理における状態説明図である。
【図6】工事写真データを図面データに連携する処理における他の状態説明図である。
【図7】工事写真データを図面データに連携する処理における更に他の状態説明図である。
【図8】工事写真連携サーバにおける第1のマッチング処理を表したフローチャートである。
【図9】第2のマッチング処理を表したフローチャートである。
【図10】第2のマッチング処理における各情報の状態説明図である。
【図11】第3のマッチング処理における各情報の状態説明図である。
【図12】タブレット端末における撮影ポイントの指定に関する変形例を示した図である。
【図13】撮影ポイント情報をカラーバーコードに変換する場合についての説明図である。
【図14】作業者による撮影ポイントの指定に関する変形例についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)実施形態の概要
この工事写真連携システム1は、図1に示すように、工事写真連携サーバ2と、工事写真連携補助装置として機能するタブレット端末3と、撮像装置として機能するデジタルカメラ4とから構成されている。
タブレット端末3では、工事写真連携サーバ2からダウンロードした図面データを表示し、作業者によって撮影ポイントが画面上で指定されると、撮影ポイントを特定する撮影ポイント情報を生成して二次元バーコード352を表示する。
デジタルカメラ4では、二次元バーコード352を撮影し、その後実物(被写体)を撮影して工事写真データを蓄積する。
工事写真連携サーバ2は、タブレット端末3から撮影ポイント情報を、デジタルカメラ4から工事写真データを取得し、撮影ポイントとして指定された図面データ上の位置(指定位置)に、撮影した工事写真データを自動的に連携(リンク)させることで、容易に工事写真の整理を行うことができる。
【0010】
具体的に説明すると、工事写真の撮影を行う作業者は、工事現場に向かう前に工事写真連携サーバ2から対応する工事現場の図面データをタブレット端末3に取り込み(図1の(1))、タブレット端末3とデジタルカメラ4とを工事現場に持参する。図面データの取り込みは、通信によるダウンロードや、記憶媒体への複写・読み込み等による。
【0011】
作業者は、現場において、タブレット端末3の表示装置35に設計図6Eを表示し、画面上に表示されているポインタ351により撮影ポイントを画面で指定すると(同(2))、指定された撮影ポイントを情報内容とする二次元バーコード352が表示装置35に表示される(同(3))。タブレット端末3では、撮影ポイントが指定された設計図の図面番号(図面特定情報)、指定位置情報、指定日時を撮影ポイント情報として蓄積する。
操作者は、まず先に、タブレット端末3の表示装置35に表示された二次元バーコード352をデジタルカメラ4で撮影する(同(4))。操作者は、引き続いて表示装置35上で指定した位置に対応する位置から、被写体である実物をデジタルカメラ4で撮影する(同(5))。
更に同一図面、別図面を含め別の撮影ポイントがあれば、操作者は、撮影位置指定、二次元バーコード撮影、二次元バーコードの表示、実物撮影(2)〜(5)を繰り返すことで、工事写真データ(Photo01、02、03…)を蓄積する。
【0012】
全ての工事写真の撮影が終わると、工事写真連携サーバ2は、タブレット端末3から操作者が図面上で指定する毎に蓄積した撮影ポイント情報を取得し(同(6))、また、デジタルカメラ4から工事写真データを取得する(同(7))。
工事写真連携サーバ2は、取得した両データの時間軸(指定日時、撮影日時)で工事写真データと撮影ポイント情報とのマッチングにより、両者を連携させる。
【0013】
このように、工事写真連携システム1では、タブレット端末3に表示した設計図面上で撮影ポイントを指定することで、撮影ポイントの情報を二次元バーコード化して画面表示し、デジタルカメラ4では二次元バーコード352を撮影したあとに、撮影ポイントとなる実物(被写体)を撮影することで、設計図面と工事写真とが撮影ポイント情報を介して自動的にマッチングされるので、工事写真の整理が容易になる。
【0014】
(2)実施形態の詳細
図2は、工事写真連携サーバ2の構成を示した図である。
工事写真連携サーバ2は、CPU21、ROM22、RAM23、通信装置24、表示装置25、入力装置26、記憶装置27、時計28を備えている。
CPU21は、記憶装置27に記憶されている図面・工事写真連携プログラム271等の各種プログラムに従って情報処理を行ったり、工事写真連携サーバ2の各部を制御したりする中央処理装置である。
ROM22は、工事写真連携サーバ2が動作するための基本的なプログラムやパラメータを記憶した読み取り専用のメモリである。
RAM23は、CPU21が図面管理処理などを行う際にワーキングメモリを提供する読み書きが可能なメモリである。
【0015】
通信装置24は、工事写真連携サーバ2をインターネットなどのネットワークに接続するインターフェースである。通信装置24は、Wi−FiやWiMAX等の無線LANを使用して直接、又はインターネットを介して工事写真連携サーバ2に接続する構成でもよい。
工事写真連携サーバ2は、通信装置24を介して、撮影する工事現場に対応する図面データをタブレット端末3に送信したり、タブレット端末3で蓄積した撮影ポイントデータをタブレット端末3から受信したりする。
なお、図面には表示していないが、工事写真連携サーバ2とタブレット端末3との間での、図面データと撮影ポイントデータの受け渡しは、ネットワークを介する場合だけでなく、USBメモリ等の半導体メモリなど各種外部記憶媒体への書き込み、読み出しにより行うようにしてもよい。また、工事写真連携サーバ2とタブレット端末3間をUSBケーブル等の通信ケーブルを接続することで、図面データと撮影ポイントデータの受け渡しを行うようにしてもよい。
【0016】
表示装置25は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示デバイスを備えており、図面データから設計図等を表示したり、当該設計図にリンク(連携)されている工事写真を表示したりする。
入力装置26は、例えば、キーボードやマウスなどの入力デバイスを備えており、作業者からの操作を受け付ける。
【0017】
記憶装置27は、ハードディスクなどの大容量の記憶媒体で構成されており、図面・工事写真連携プログラム271、図面DB(データベース)272、連携工事写真データ273、作業者DB274を記憶している。
図面・工事写真連携プログラム271は、図面データと工事写真との連携を行うプログラムである。
図面DB(データベース)272は、建設、建築工事や土木工事などの各種工事を行うための設計図等からなる図面データを記憶する。
連携工事写真データ273は、図面DB272に記憶している各種図面データにリンク(連携)されている工事写真データや撮影ポイントを示す設計図上の指定位置情報、指定日時などの各種情報が記憶される。
作業者DB274には、タブレット端末3及びデジタルカメラ4の操作を行う作業者を認証するための情報が記憶されている。
【0018】
時計28は、年月日及び時刻を出力する。本実施形態では設計図の表示画面上で撮影ポイントを指定した指定日時としてタブレット端末3の時計38(後述)を使用するが、工事写真連携システム1の時計28の日時(サーバ)を図面データと共にタブレット端末3に送信するようにし、タブレット端末3では受信した日時(サーバ)を使用して、自己の時計38で計測した日時(タブレット)を修正して指定日時としてもよい。
【0019】
図3は、タブレット端末3の構成を示した図である。
タブレット端末3は、CPU31、ROM32、RAM33、通信装置34、表示装置35、入力装置36、記憶装置37、時計38などを備えている。
なおタブレット端末3は、これらCPU31等の構成を備えていて、工事現場に携帯することができれば他の携帯端末であってもよい。例えば、ノートパソコンの使用や、携帯電話やスマートフォン(多機能型携帯電話)など、の何れを使用することも可能である。
【0020】
CPU31は、各種プログラムに従って情報処理を行ったり、タブレット端末3の各部を制御したりする中央処理装置である。
ROM32は、タブレット端末3が動作するための基本的なプログラムやパラメータを記憶した読み取り専用のメモリである。
RAM33は、例えば、CPU31が図面データを画面表示したり、表示中の図面番号や、表示画面上で指定された撮影ポイントに対応する表示図面上の位置情報(指定位置情報)や指定日時を撮影ポイント情報として一時記憶したりする際にワーキングメモリを提供する読み書きが可能なメモリである。
【0021】
通信装置34は、タブレット端末3をインターネットなどのネットワークに接続するインターフェースである。
タブレット端末3は、通信装置34を介して、工事写真連携サーバ2から工事現場に対応する設計図の図面データを受信したり、工事写真連携サーバ2に撮影ポイント情報を送信したりすることができる。
なお、上述したように、タブレット端末3と工事写真連携サーバ2との間での、図面データと撮影ポイントデータの受け渡しは、ネットワークを介する場合だけでなく、USBメモリ等の半導体メモリなど各種外部記憶媒体への書き込み、読み出しにより行うようにしてもよい。
【0022】
表示装置35は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示デバイスを備えており、図面データから設計図を画面表示すると共に、撮影ポイントを指定するポインタ351や、撮影ポイントの指定による二次元バーコード352を表示したり、操作用のアイコンなどの各種画像を表示したりする。
入力装置36は、タッチパネルを備えており、作業者からの手書きによる入力を受け付ける。
タッチパネルと表示装置35の表示画面とは、座標軸によって対応づけられており、表示画面上で指定された撮影ポイントに対応する表示図面上の位置情報(指定位置情報)が取得される。
作業者は、タッチパネルを指先やスタイラスペンなどで触れることにより、撮影ポイントを指定したり、タブレット端末3の操作を行ったりすることができる。
【0023】
記憶装置37は、例えば、ハードディスクやEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)などの大容量の記憶媒体を備えており、本実施形態における、設計図を画面表示したり撮影ポインタの指定に対応して二次元バーコード352を表示したりする図面表示プログラム371や、工事写真連携サーバ2に要求することで送信される図面データ372、撮影ポイントが表示画面上で指定される毎に蓄積される撮影ポイント情報373等が記憶される。なお、図面表示プログラム371は、特定の情報を二次元バーコードにエンコード(変換)する機能を備えているが、このエンコード機能についてはサブルーチン化したり、別のプログラムとして保存したりするようにしてもよい。
時計38は、日時(年月日及び時刻)を出力する。撮影ポイントが指定された際に時計38から出力される日時が、撮影ポイント情報373の指定日時として記憶される。
【0024】
デジタルカメラ4の構成については特に図示しないが、静止画像の撮影機能と、撮影日時や撮影順序を知る為の属性情報保存機能、及び、これら撮影した工事写真データを外部に出力する機能を備えていれば、携帯電話やビデオカメラ等の各種撮像機器を使用するようにしてもよい。
工事写真データの出力機能については、USBメモリ等の半導体メモリなど各種外部記憶媒体を介して出力する場合、工事写真連携サーバ2に接続したUSBケーブル等の通信ケーブルを介して出力する場合、Wi−FiやWiMAX等の無線LANを使用して直接、又はインターネットを介して出力する場合等の、何れかの出力機能を備えていればよい。
なお、表示装置については無くてもよいが、撮影が成功したか失敗(ピントズレ等)したかを確認し、失敗の場合に撮り直しをするために備えていることが好ましい。
また、二次元バーコード352の認識機能について、備えていてもよいが、認識は工事写真連携サーバ2が行うため特に備えている必要はない。
本実施形態では、市販されている一般のデジタルカメラ4が使用される。
【0025】
次に、以上の通り構成された工事写真連携システム1による図面データと工事写真データとの連携処理について説明する。
図4は、工事写真連携システム1による、工事写真データを図面データに連携する手順を説明するためのフローチャートである。図5〜図7は、当該処理手順の各段階における処理を説明するための図である。
以下の処理は、各タブレット端末3に関しては、タブレット端末3のCPU31が図面表示プログラムに従って行い、工事写真連携サーバ2に関しては、CPU21が図面・工事写真連携プログラムに従って行うものである。
【0026】
まず、工事写真の撮影を行う作業者は、タブレット端末3とデジタルカメラ4を準備し、工事現場に向かう前に又は工事現場において、これから工事写真を撮影する工事現場に対応する図面データを工事写真連携サーバ2から取得する。
すなわち、タブレット端末3の図面承認プログラムを起動すると、タブレット端末3は、通信装置34を介して工事写真連携サーバ2にアクセスし、工事写真連携サーバ2から認証を受ける。この認証は、作業者のID情報とパスワードを用いて行われ、工事写真連携サーバ2は、タブレット端末3から送信されるID情報とパスワードが、作業者DB274に登録済みのものと一致するか否かにより承認者の認証と特定をし、認証が成功すると、工事写真連携サーバ2は、タブレット端末3からのアクセスを受け付ける。
【0027】
なお、この認証においては、ID情報とパスワードのほかに、使用するタブレット端末3の端末IDを使用するようにしてもよい。
この場合、タブレット端末3は、保存されている自己の端末IDを読み出し、ID情報等と共に工事写真連携サーバ2に送信する。工事写真連携サーバ2では、作業者DB274に加え、端末IDも登録しており、作業者のID情報、パスワード及び端末IDの全てが登録済みのものと一致した場合にだけ認証を成功させる。
【0028】
そして、タブレット端末3が、図面ファイル名(図番)等を指定することで、これから撮影する工事現場に対応する図面データ(設計図)を要求すると(ステップ11)、工事写真連携サーバ2は、図5の処理(1)で示すように、指定された図面ファイル名の図面データを図面DB272から読み出し、タブレット端末3に送信する(ステップ12)。
【0029】
工事写真連携サーバ2から図面データが送信されると、タブレット端末3は、受信した図面データを記憶装置37に図面データ372として保存する(ステップ13)。
そして、工事写真を撮影する工事現場における作業者の画面操作により、タブレット端末3は、図面データ372の中からこれから撮影する工事写真に対応する設計図6Eを表示装置35に表示する(ステップ14、図5参照)。
作業者は、設計図6Eの表示画面と工事現場とを確認し、デジタルカメラ4で撮影する箇所に対応する設計図6E上での位置を撮影ポイントとして、ポインタ351で指定する(ステップ15、図5の処理(2))。
【0030】
ポインタ351で撮影ポイントが指定されると、タブレット端末3は、指定された箇所(指定位置)を認識して撮影ポイント情報を作成し、作成した撮影ポイント情報を特定する特定情報を二次元バーコード352に変換(エンコード)して表示装置35に画面表示する(ステップ16、図5の処理(3))。
作成する撮影ポイント情報は、指定日時(撮影ポイントをポインタ351で指定した日時)、指定された際に表示していた設計図の図面番号(No)、及び指定位置情報(表示装置35に表示した設計図に対する画面上の位置座標値)で構成され、後日図面・工事写真連携処理において、図面番号と指定位置情報とにより図面データ上の指定位置に工事写真がリンク(連携)されることになる。
一方、二次元バーコード352への変換対象である、撮影ポイント情報を特定する特定情報としては、指定日時、図面Noと指定位置情報、各撮影ポイント情報を区別する区別番号のうちの何れか1つでも、複数の組合せでもよいが、本実施形態では、撮影ポイント情報を特定情報として二次元バーコード352に変換する場合を例に説明する。従って、特に区別が必要な場合を除いて、特定情報=撮影ポイント情報として説明し、撮影ポイント情報の二次元バーコード352への変換は特定情報の変換を意味するものとする。
【0031】
ここで、二次元バーコード352を表示する場合、タブレット端末3は、図5に示すように、撮影ポイントを指定した際に表示していた表示画面(設計図6E)の上に重ねて表示する。二次元バーコード352は、ポインタ351で指定された撮影ポイント(指定位置)に表示する。なお、指定位置に二次元バーコード352を表示すると画面からはみ出す場合には、はみ出さない位置までずらして表示する。
このように、指定された撮影ポイントに二次元バーコード352を表示することで、この後作業者が工事写真を撮影する場合において設計図6Eと撮影ポイントとの関係を表示装置35で確認できるので好ましい。
但し、表示する二次元バーコード352の中に撮影ポイントに関する必要な情報が入っているので、必ずしも撮影ポイントに表示する必要はない。例えば、デジタルカメラ4による撮影し易さの観点から、二次元バーコード352を表示装置35の画面中央に表示するようにしてもよい。この場合、設計図6Eは表示したままその上に二次元バーコード352を重ねて表示してもよい。更に認識率を高めるために設計図6Eを表示せず二次元バーコード352だけを画面中央に表示するようにしてもよい。
【0032】
タブレット端末3は、上述の二次元バーコード352を画面表示とともに、作成した撮影ポイント情報を記憶装置37に保存する(ステップ17)。
【0033】
一方、作業者は、表示装置35に表示された二次元バーコード352を、デジタルカメラ4で撮影し(ステップ18、図6の処理(4))、引き続き被写体である実物5を撮影する(ステップ19、図6の処理(5))。
さらに、指定した撮影ポイントに対応する工事写真の撮影が終了すると、作業者は、タブレット端末3を確認し、現在表示中の設計図6Eに対応して他の撮影ポイントがあれば、画面操作により二次元バーコード352の表示をポインタ351に戻し、他の撮影ポイントを指定する。
タブレット端末3は、他の撮影ポイントが指定されると(ステップ20;Y)、ステップ16に戻り、二次元バーコード352の表示(ステップ16)と撮影ポイント情報の蓄積、保存(ステップ17)を行う。
一方、操作者は他の撮影ポイントを指定した場合(ステップ20;Y、ステップ21;Y)、ステップ18に戻り、二次元バーコード352の撮影(ステップ18)と被写体である実物の撮影(ステップ19)を繰り返す。
【0034】
表示装置35に表示している設計図6Eに対応する工事写真の撮影が完了し、他の撮影ポイントが無い場合(ステップ20;N)、ステップ13で取得して図面データ372に保存した図面データに、他の図面(設計図面)があり(ステップ22;Y)、作業者の操作により、他の図面の表示処理が指示されると、タブレット端末3(作業者)は、ステップ14に戻って選択された設計図を表示画面に表示し、以後の処理を繰り返す。
同様に、デジタルカメラ4(作業者)においても、他の図面が有る場合(ステップ22;Y)には他の撮影があると判断し(ステップ21)、表示された二次元バーコード352の撮影(ステップ18)と実物5の撮影(ステップ19)を繰り返す。
このようにデジタルカメラ4では、二次元バーコード352と実物5の撮影を繰り返すことで、図6に示すように、工事写真データが順次蓄積されていく。この工事写真データとしては、撮影日時(写真属性情報)と「ファイル名Photo××.jpg」で保存される工事写真データから構成される。
なお、工事写真データ上は区別できないが、図6に示した例では、Photo01.jpg(以下P01と省略して表記する。他も同じ。)が二次元バーコード352の撮影画像で、それに続くP02、P03が実物の工事写真である。この場合撮影ポイントに対して2回撮影が行われている。そして、P04が二次元バーコード352で、これに続くP05が実物の工事写真である。
【0035】
工事写真連携サーバ2から取得した図面データに対応する全ての工事写真の撮影が終了し、表示する他の図面がなければ(ステップ22;N)、タブレット端末3は記憶装置37に蓄積した撮影ポイント情報373を工事写真連携サーバ2に送信し(ステップ23、図7の処理(6))、処理を終了する。
また、この場合デジタルカメラ4は、他の撮影が無いと判断できるので(ステップ21;N)、撮影した工事写真データを工事写真連携サーバ2に送信し(ステップ24、図7の処理(7))、処理を終了する。なお、工事写真データの送信については、デジタルカメラ4が備える機能により行う。例えば、USBケーブル等の各種ケーブル接続により行う場合、USBメモリやSDカードメモリ等の各種半導体メモリを介して行う場合、無線通信によりインターネットを介して行う場合などがある。
【0036】
工事写真連携サーバ2では、受信した撮影ポイント情報373と工事写真データを受信すると、両者のマッチング処理を行う(ステップ25、図7の処理(8))。マッチング処理については、次に説明する第1のマッチング処理〜第3の各マッチング処理のうちの何れかの方法による。
図8は、工事写真連携サーバ2における第1のマッチング処理の内容を表したフローチャートである。
前提として、図7に示すように、受信した撮影ポイント情報は指定日時が早い順にソートされ、工事写真データは撮影日時が早い順にソートされているものとし、そうでない場合には工事写真連携サーバ2が受信した際にソートするものとし、日時が早いものから順に取得するものとする。また、図7では、撮影ポイント情報と工事写真データの各々に符号a、b、c、を付しているが、これは、説明の都合上付したものであり、タブレット端末3、デジタルカメラ4から受信する撮影ポイント情報、工事写真データを構成するものではない。
以上については、後述する第2、第3のマッチング処理についても同様である。
【0037】
工事写真連携サーバ2は、撮影ポイント情報を2つ取得する(ステップ31)。図7の例では、撮影ポイント情報aとbを取得する。
また工事写真連携サーバ2は、工事写真データを1つ取得する(ステップ32)。図7の例では、工事写真データaを取得する。
【0038】
そして工事写真連携サーバ2は、2つの撮影ポイント情報の指定日時t1、t2と、工事写真データの撮影日時t3を比較する(ステップ33)。
図7の例では、先の撮影ポイント情報aの指定日時t1(=2011/07/14/15:20:45)、次の撮影ポイント情報bの指定日時t2(=2011/07/14/15:27:00)と、工事写真データaの撮影日時t3(=2011/07/14/15:21:50)を比較する。
【0039】
撮影日時t3が、指定日時t1とt2の間にある場合(ステップ34;Y)、工事写真連携サーバ2は、指定日時が先である撮影ポイント情報に工事写真データをリンク(連携)させ、記憶装置27の連携工事写真データ273に保存する(ステップ35)。
図7の例では、工事写真データa、b、cの撮影日時t3は、両指定日時t1とt2の間にあるので、先に指定されている撮影ポイント情報aに工事写真データa、b、cをリンクさせる。この場合、撮影ポイント情報に最初にリンクさせた工事写真データaは、二次元バーコード352を撮影した写真に該当し、その後にリンクさせた工事写真データb、cが被写体である実物5を撮影した写真に該当する。
その後工事写真連携サーバ2は、次の工事写真データがあるか否かを判断し(ステップ36)、ある場合には(ステップ36;Y)、工事写真連携サーバ2は、ステップ32に戻り、工事写真データの取得とリンクを行う。
【0040】
なお、図7では連携工事写真データ273に示すように、撮影ポイント情報(指定日時、図面No、指定位置情報)に全ての工事写真データをリンクさせているのではなく、ファイル名(Photo01.jpg等)をリンクする場合について示しているが、全ての工事写真データをリンクさせるようにしてもよい。
また、撮影ポイント情報の内容としてファイル名(Photo01.jpg等)の画像データそのものを取り込むようにしてもよく、また撮影日時を含めた全ての工事写真データを撮影ポイント情報に取り込むようにしてもよい(以下同じ)。
更に、図7では、二次元バーコード352の写真(Photo01.jpg、Photo04.jpg等)も連携工事写真データ273に保存する場合について表示しているが、二次元バーコード352の写真は保存対象外としてもよい。この場合、後述するステップ37は不要になり、ステップ34;Nに引き続きステップ38の判断を行うことになる。
【0041】
一方、撮影日時t3が、指定日時t1とt2の間にない場合(ステップ34;N)、工事写真連携サーバ2は、指定日時が後である撮影ポイント情報に、工事写真データをリンクさせて、連携工事写真データ273に保存する(ステップ37)。
図7の例では、工事写真データdの撮影日時t3は、撮影ポイント情報a、bの両指定日時t1、t2の間にないので、後の撮影ポイント情報bに工事写真データdをリンクする。このようにステップ37で、後の撮影ポイント情報にリンクさせる工事写真データでは、二次元バーコード352の写真である。
【0042】
なお、本実施形態では、撮影日時t3が、指定日時t1とt2の間にないことを条件に、指定日時が後の撮影ポイント情報に工事写真データをリンクさせているが、正しいリンクかを検証するようにしてもよい。すなわち、工事写真連携サーバ2は、当該工事写真データに対して二次元バーコードのデコード(逆変換)処理を行い、撮影ポイント情報を認識することができ、かつ、認識した撮影ポイント情報が、指定日が後である撮影ポイント情報と一致する場合に、当該工事写真データをリンクさせるようにしてもよい。
【0043】
工事写真データを後の撮影ポイント情報にリンクさせた場合、工事写真連携サーバ2は、次の撮影ポイント情報があるか否かを判断する(ステップ38)。
次の撮影ポイント情報がある場合(ステップ38;Y)、工事写真連携サーバ2は、次の撮影ポイント情報を取得し、比較対象となる撮影ポイント情報を変更する(ステップ39)。
図7の例では、撮影ポイント情報a、bのうち、後の撮影ポイント情報bに工事写真データdをリンクさせた場合、次の撮影ポイント情報cを取得し、比較対象を撮影ポイント情報a、bから、撮影ポイント情報b、cに変更する。これにより、指定日時t1、t2についても、変更後の撮影ポイント情報bの指定日時がt1に、撮影ポイント情報cの指定日時がt2に変更される。
【0044】
比較対象となる撮影ポイント情報を変更(ステップ39)した後、工事写真連携サーバ2は、ステップ36に移行して次の工事写真データがあるか否かを判断する。
次の工事写真データが無い場合(ステップ36;Y)、これはタブレット端末3上で撮影ポイントを指定したが、二次元バーコード352及び対応する実物5の撮影を行わずに作業を終了した場合等が該当し、この場合には撮影済みの全工事写真データについて、リンクによる連携工事写真データ273への保存が終了しているので、メインルーチンにリターンする。
一方、次の工事写真データがあれば(ステップ36;Y)、工事写真連携サーバ2は、ステップ32に戻り次の工事写真データのリンク先の決定及びリンクによる保存を行う。
【0045】
ステップ38において、次の撮影ポイント情報が無い場合(ステップ38;N)、工事写真連携サーバ2は、残りの工事写真データを全て後の撮影ポイント情報にリンクさせて、連携工事写真データ273に保存し(ステップ40)、メインルーチンにリターンする。
以上の処理により、図7の処理(8)に示すように、撮影ポイント情報と工事写真データとのリンクが完了し、連携工事写真データ273が記憶装置27に保存される。
この連携工事写真データ273により、図面Noと指定位置情報を介して、図面データ(各設計図)と各工事写真データ(又は、工事写真のファイル名)とが連携(リンク)されることになる。
【0046】
従って、図面データ(設計図)を表示装置に表示する場合、指定位置情報が指定する表示画面上の位置に、工事写真データがリンクされていることを示す工事写真アイコンを表示するようにしてもよい。
そして、工事写真アイコンがクリック(選択)されると、当該工事写真アイコンにリンクしている工事写真データを読み出し、画面表示する。
なお、以上の図面データへの工事写真アイコンの表示や、リンクした工事写真データの表示処理については、工事写真連携サーバ2で行うだけでなく、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の端末装置においても同様に行うことができる。この場合、工事写真連携サーバ2は、端末装置から要求された図面データに加えて、当該図面データにリンクした連携工事写真データも送信する。
工事写真連携サーバ2及び端末装置では、図面データを表示すると共に、連携工事写真データの図面Noと指定位置情報とから工事写真アイコンを上に重ねて表示し、更に、工事写真アイコンが選択された場合に、リンクした工事写真データを表示するための、図面、工事写真表示プログラムを備える。
【0047】
次に第2のマッチング処理について図9のフローチャート、及び図10の各情報の状態説明図を参照して説明する。
第1のマッチング処理では、指定日時t1、t2と撮影日時t3との関係から撮影ポイント情報と工事写真データとをリンクさせる場合について説明した。
これに対して、第2のマッチング処理では、全工事写真データをデコードすることで二次元バーコード352を認識して指定日時を抽出し、抽出した指定日時と一致する指定日時をもつ撮影ポイント情報にリンクさせるものである。
【0048】
第1のマッチング処理の場合、タブレット端末3から受信した指定日時t1、t2と工事写真データの撮影日時t3とを比較することでマッチングを行っているため、タブレット端末3の時計38とデジタルカメラ4の撮影日時を取得するための時計とが、大きくずれている場合には、マッチングミスを生じてしまうことになる。
これに対して第2のマッチング処理では、撮影ポイント情報の指定日時と比較するのは、二次元バーコード352を認識することで抽出した指定日時であるため、タブレット端末3の時計とデジタルカメラ4の時計とが大きくずれていたとしても、マッチング処理を正確に行うことができる。なお、各工事写真データについては、デジタルカメラ4の時計のずれ量とは関係なく、撮影した順番に撮影時刻が記録される(絶対的な日時はずれていても、撮影した順番に正しく記録される)ので、認識できなかった工事写真データのリンクは正確に行うことが可能になる。
以上の点は後述する第3のマッチング処理についても同様である。
【0049】
工事写真連携サーバ2は、デジタルカメラ4から取得した工事写真データのなかから撮影時間軸順に工事写真データを1つ取得し(ステップ41)、当該工事写真データをデコードして二次元バーコード352を認識する(ステップ42)。
そして工事写真連携サーバ2は、二次元バーコード352の認識に成功した場合(ステップ43;Y)、認識した情報から指定日時を抽出する(ステップ44、図10の処理(8−1)抽出)。
さらに工事写真連携サーバ2は、抽出した指定日時で撮影ポイント情報の指定日時とのマッチングにより、抽出した指定日時と一致する指定日時をもつ撮影ポイント情報を特定する(ステップ45、図10の処理(8−2)マッチング)。
そして工事写真連携サーバ2は、認識に成功した工事写真データ(実際は二次元バーコード352の写真)を、マッチング(特定)した撮影ポイント情報にリンクさせる(ステップ46)。
【0050】
工事写真連携サーバ2は、次の(未だ認識していない)工事写真データがあるか否かを判断し(ステップ47)、ある場合には(ステップ47;Y)、ステップ41に戻り次の工事写真データを取得し、二次元バーコード352の認識を行う(ステップ42)。
そして、二次元バーコード352の認識に失敗した場合(ステップ43;N)、当該工事写真データを、直前に認識が成功した工事写真データと同じ撮影ポイント情報にリンクさせ(ステップ48)、ステップ47に移行する。
次の工事写真データがない場合、すなわち全ての工事写真データに対するリンク処理が終了した場合(ステップ47;N)、工事写真連携サーバ2はメインルーチンにリターンする。
以上の処理により、図10の処理(8)に示すように、撮影ポイント情報と工事写真データとのリンクが完了し、連携工事写真データ273が記憶装置27に保存される。
【0051】
以上説明した第2のマッチング処理では、二次元バーコード352から指定日時を抽出したが、撮影ポイント情報との対応を特定できる情報であれば他の情報であってもよい。例えば、図面Noと指定位置情報の組を抽出して撮影ポイント情報とマッチングするようにしてもよい。
また、タブレット端末3において、撮影ポイント情報を特定する特定情報=撮影ポイント情報とし、指定日時、図面No、指定位置情報の全てを二次元バーコード352への変換対象としたが、第2のマッチング処理及び上記変形例の場合、各撮影ポイント情報のうちの何れかを特定することができる情報だけを特定情報として二次元バーコード化すれば充分である。例えば、指定日時だけ、図面Noと指定位置情報の組だけを特定情報として二次元バーコード352に変換するようにしてもよい。
更に、各撮影ポイント情報を区別する区別情報、例えば、図7、図10に示したa、b、c…等を含めて撮影ポイント情報を作成し、この区別情報を特定情報として二次元バーコード352に変換するようにしてもよい。この場合、工事写真連携サーバ2におけるマッチング処理(図面・工事写真連携処理)では、工事写真データのデコードにより認識した区別情報と撮影ポイント情報の区別情報とを比較することで、対応する撮影ポイント情報の特定とリンクを行う。
【0052】
次に第3のマッチング処理について説明する。
第1及び第2のマッチング処理ではタブレット端末3から受信した撮影ポイント情報と、デジタルカメラ4から受信した工事写真データとをマッチングさせる場合について説明した。
これに対して、第3のマッチング処理では、タブレット端末3から撮影ポイント情報を受信せず、デジタルカメラ4から受信した工事写真データから撮影ポイント情報を抽出することで、工事写真データのマッチングを行うものである。
第3のマッチング処理を採用する場合、撮影ポイント情報の全て(指定日時、図面No、指定位置情報)を二次元バーコード352に変換する。
【0053】
図11は、第3のマッチング処理における各情報の状態を表した図である。
図11に示すように、工事写真連携サーバ2は、第2のマッチング処理におけるステップ41、42と同様にして、工事写真データを1つずつ取得し、二次元バーコード352を認識する。
そして、二次元バーコード352を認識できた場合、工事写真連携サーバ2は、撮影ポイント情報の全て(指定日時、図面No、指定位置情報)を抽出する(図11の処理(8−1)抽出)。
一方、二次元バーコード352を認識できなかった場合、工事写真連携サーバ2は、直前に認識が成功して抽出した撮影ポイント情報にリンクさせる。
以上の処理を全工事写真データに対して行うことにより、図11の処理(8)に示すように、撮影ポイント情報と工事写真データとのリンクが完了し、連携工事写真データ273が記憶装置27に保存される。
なお、第3のマッチング処理を採用する場合、タブレット端末3における、撮影ポイント情報を記憶装置37に保存する処理(図4のステップ17)と、撮影ポイント情報373を工事写真連携サーバ2に送信する処理(同ステップ23)については不要である。
【0054】
次に、タブレット端末3における撮影ポイントの指定に関する変形例について図12を参照して説明する。
説明した実施形態では、ポインタ351で撮影ポイントを指定することで、表示中の図面データ(設計図)上の位置を指定位置情報とした。この場合の指定位置情報は、撮影方向については決められておらず、画面に表示されている設計図(例えば設計図6E)の方向ということになる。
これに対して本変形例では、撮影位置情報に加えて撮影方向も撮影ポイント情報に加えることで、図面データと工事写真データとの関係をより詳細に規定することができる。
【0055】
すなわち、図12(a)に示すように、ポインタ351により画面上で撮影ポイントが指定、又は、撮影ポイントにおいてタッチパネルが長押しされると、タブレット端末3は、図12(b)に示すように、撮影方向を選択するための8本の方向指定矢印353を指定位置に表示する。
作業者は表示された8本の方向指定矢印353の何れかを選択することで、撮影の方向を決定することができる。
タブレット端末3は、方向指定矢印353の何れかが選択されると、図12(c)に示すように、撮影ポイントに対応する二次元バーコード352を重ねて表示する。
また、タブレット端末3は、指定日時、図面No、指定位置情報に加えて、選択された撮影方向を撮影方向情報として撮影ポイント情報373に蓄積する。撮影方向情報としては、図12(b)の方向指定矢印353に合わせて、右回りに、0度(画面上方向)、45度、90度(画面右方向)、135度、180度(画面下方向)、225度、270度(画面左方向)、315度の何れかが撮影ポイント情報373に蓄積される。但し、撮影方向情報として実際の角度を蓄積するのではなく、図12(b)に示した8方向のうちの何れの方向が選択されたかを示す情報(例えば、画面上方向をAとし右回りにB、C、…H)を撮影方向情報として撮影ポイント情報373に蓄積するようにしてもよい。
なお、二次元バーコード352への変換(エンコード)は、この撮影方向情報を含めた撮影ポイント情報の全てを対象としてもよく、第2のマッチング処理における変形例で説明したように一部を変換対象とする場合には、図面No、指定位置情報及び撮影方向の組を変換対象とする。
【0056】
なお、画面への方向指定矢印353の表示と選択によって撮影方向を指定する場合のほか、この変形例に対する更なる変形として、2点を指定することで方向を指定するようにしてもよい。この場合、タブレット端末3は、最初の指定点の位置を指定位置情報とし、最初の指定点から次の指定点の方向に対応する、画面上方向を0度とした場合の角度を求めて撮影方向情報とする。
また、タブレット端末3は、ポインタ351で指定した撮影ポイントから、ポインタ351をドラッグ(画面上を移動)した方向から、画面上方向を0度とした場合の角度を求めて撮影方向情報としてもよい。
この場合任意方向が指定可能であるため、タブレット端末3は、方向に対応した情報ではなく、実際に算出した角度が撮影情報として、撮影ポイント情報373に蓄積する。
【0057】
次に、タブレット端末3において、撮影ポイント情報をコードに変換する場合の変形例について説明する。
説明した実施形態及び変形例では、タブレット端末3において、工事写真データを図面データに連携させるための情報として指定された撮影ポイントから撮影ポイント情報を作成し、これを二次元バーコード352に変換する場合について説明した。
これに対して、撮影によってデジタルカメラ4に取得させたい撮影ポイント情報の量にもよるが、例えば、一次元バーコード等の他の表現方法によりコード化してもよい。
【0058】
図13は、撮影ポイント情報をコード化する他の方法としてカラーバーコード(カメレオンコード)を使用する場合の説明図である。
タブレット端末3は、設計図を表示している画面で撮影ポイントがポインタ351で指定(図12(a)参照)されると、これまでに説明したとの同様にして同様な内容の撮影ポイント情報を作成し、必要な撮影ポイント情報をカラーバーコードに変換して、図13(a)に示すように、表示装置35の表示画面全体に表示する。
このカラーバーコードは、水色、紫、黄、緑、赤、青、オレンジ等の各色素子を二次元の色配列で構成したもので、図13(a)の例では、4色の色素子354を4行8列配置したもので、約15京94兆パターンの組合せが可能になる。
このカラーバーコードの場合、二次元バーコード352の場合と異なり、例えば、190万画素の画像であればその0.1%程度の大きさでコードが含まれていれば認証可能である。
そこで、被写体である実物と小黒板とを一緒に撮影していた従来と同様に、作業者は、表示装置35全体にカラーバーコードが表示されたタブレット端末3を実物5の撮影箇所に置いて一緒に撮影する。
図13(b)は、実物5と共にタブレット端末3を写した撮影画像(工事写真データ)を表示したもので、実物5の実物画像500と、タブレット端末3のカラーバーコード画像300とが一緒に写されている。
【0059】
このように、撮影画像中にカラーバーコード画像300を含めることで、撮影ポイント情報を含んだ工事写真データとすることができる。
従って、説明した実施形態や変形例の場合には、撮影ポイント1箇所に対して最低2回の撮影(二次元バーコード352と工事写真データ)が必要になるが、カラーバーコードを一緒に写すことで撮影ポイント1箇所に対して1回の撮影で完了するため、撮影作業を効率化することができる。
カラーバーコードを使用する場合、撮影ポイント情報のうちの何を特定情報としてカラーバーコードの変換対象とするか、及びマッチング処理をどうするかについては、二次元バーコード352における上述の場合と同様にすることができる。
【0060】
次に、作業者による撮影ポイントの指定に関する変形例について図14を参照して説明する。
説明した実施形態及び各変形例では、タブレット端末3の表示装置35に設計図を表示し、その表示画面上において作業者が撮影ポイントを指定する場合について説明した。
この変形例では、作業者が撮影ポイントを指定するのではなく、タブレット端末3は、撮影位置と撮影方向を予め指定した撮影ポイント情報を図面データと共に、又は撮影ポイント情報を属性情報とする図面データを工事写真連携サーバ2から取得する。
そしてタブレット端末3は、図14に示すように、設計図2Aと共に、矢印で示した撮影ポイントアイコン355を表示装置35に表示する。
【0061】
作業者は、表示された撮影箇所に対応する撮影ポイントアイコン355を選択し、タブレット端末3は選択された撮影ポイントアイコン355に対応する撮影ポイント情報を二次元バーコード352やカラーバーコードに変換する。
ここで撮影ポイント情報のうち、図面No、撮影位置情報、撮影方向は工事写真連携サーバ2から取得しているので、撮影ポイントアイコン355が選択された日時が指定日時として追加、蓄積される。工事写真連携サーバ2はこれらの撮影ポイント情報の全て、又は一部をカラーバーコードに変換する。
なお、タブレット端末3は、選択済みの撮影ポイントアイコン356に示すように(図14参照)、未選択の撮影ポイントアイコン355と色を変更したり、濃度を変える(選択済みを薄く)するなどして識別可能に表示する。なお、選択済みの撮影ポイントアイコン356については、再度の選択ができないようになっているが、再度撮影したい場合もあるので、選択済みであることを識別可能に表示するが再選択を可能にしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 工事写真連携システム
2 工事写真連携サーバ
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 通信装置
25 表示装置
26 入力装置
27 記憶装置
271 図面・工事写真連携プログラム
272 図面DB
273 連携工事写真データ
274 作業者DB
28 時計
3 タブレット端末(工事写真連携補助装置)
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 通信装置
35 表示装置
351 ポインタ
352 二次元バーコード
355 撮影ポイントアイコン(未選択)
356 撮影ポイントアイコン(選択済み)
36 入力装置
37 記憶装置
38 時計
4 デジタルカメラ(撮像装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事写真連携サーバから図面データを取得する図面データ取得手段と、
前記取得した図面データを表示する図面データ表示手段と、
前記図面データの表示画面上において、撮影ポイントを指定する指定手段と、
少なくとも前記表示した図面データを特定する図面特定情報と、前記指定された位置に対応する指定位置情報とを含む撮影ポイント情報を作成する撮影ポイント情報作成手段と、
前記作成した撮影ポイント情報を特定する特定情報を識別子に変換する変換手段と、
前記変換した識別子を表示する識別子表示手段と、
を具備することを特徴とする工事写真連携補助装置。
【請求項2】
前記作成した撮影ポイント情報を前記工事写真連携サーバに対して出力する出力手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の工事写真連携補助装置。
【請求項3】
前記撮影ポイント情報作成手段は、前記指定手段で撮影ポイントが指定された指定日時と、前記図面特定情報と、前記指定位置情報を撮影ポイント情報として作成し、
前記識別子表示手段は、少なくとも前記指定日時を含む特定情報を識別子に変換する、
ことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の工事写真連携補助装置。
【請求項4】
前記識別子表示手段は、前記図面特定情報と前記指定位置情報の組を特定情報として識別子に変換する、
ことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の工事写真連携補助装置。
【請求項5】
前記変換手段は、前記識別子として、前記特定情報をコード化した二次元バーコード又は、カラーバーコードに変換する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の工事写真連携補助装置。
【請求項6】
図面データを記憶する図面記憶手段と、
請求項1に記載の工事写真連携補助装置に対して、前記図面データを出力する出力手段と、
前記工事写真連携補助装置が作成した撮影ポイント情報を取得する撮影ポイント情報取得手段と、
前記撮影ポイント情報を特定する特定情報を変換した識別子の撮影データと、被写体の撮像データとを工事写真データとして撮像装置から取得する工事写真データ取得手段と、
前記取得した各撮影ポイント情報と、前記取得した各工事写真データとの対応を取ることで、前記図面データに前記工事写真データを連携させる連携手段と、
を具備することを特徴とする工事写真連携サーバ。
【請求項7】
前記撮影ポイント情報取得手段は、前記工事写真連携補助装置が出力した撮影ポイント情報を取得する、
ことを特徴とする請求項6に記載の工事写真連携サーバ。
【請求項8】
前記識別子は、全ての撮影ポイント情報が特定情報として変換されており、
前記撮影ポイント情報取得手段は、前記取得した工事写真データに含まれる識別子を逆変換することで撮影ポイント情報を取得する、
ことを特徴とする請求項6に記載の工事写真連携サーバ。
【請求項9】
前記取得した工事写真データに含まれる識別子を逆変換することで特定情報を抽出する特定情報抽出手段を備え、
前記連携手段は、前記抽出した特定情報により、各撮影ポイント情報と各工事写真データとの対応を取ることで、前記図面データに前記工事写真データを連携させる、
ことを特徴とする請求項6、請求項7、又は請求項8に記載の工事写真連携サーバ。
【請求項10】
前記撮影ポイント情報には、前記工事写真連携補助装置において撮影ポイントが指定された指定日時が含まれ、
前記連携手段は、各撮影ポイント情報に含まれる指定日時と、各工事写真データの撮影日時との比較により、各撮影ポイント情報と各工事写真データとの対応を取ることで、前記図面データに前記工事写真データを連携させる、
ことを特徴とする請求項6、請求項7、又は請求項8に記載の工事写真連携サーバ。
【請求項11】
工事写真連携サーバから図面データを取得する図面データ取得機能と、
前記取得した図面データを表示する図面データ表示機能と、
前記図面データの表示画面上において、撮影ポイントを指定する指定機能と、
少なくとも前記表示した図面データを特定する図面特定情報と、前記指定された位置に対応する指定位置情報とを含む撮影ポイント情報を作成する撮影ポイント情報作成機能と、
前記作成した撮影ポイント情報を特定する特定情報を識別子に変換する変換機能と、
前記変換した識別子を表示する識別子表示機能と、
をコンピュータに実現させるための工事写真連携補助プログラム。
【請求項12】
請求項1に記載の工事写真連携補助装置に対して、図面データを記憶する図面記憶手段から前記図面データを出力する出力機能と、
前記工事写真連携補助装置が作成した撮影ポイント情報を取得する撮影ポイント情報取得機能と、
前記撮影ポイント情報を特定する特定情報を変換した識別子の撮影データと、被写体の撮像データとを工事写真データとして撮像装置から取得する工事写真データ取得機能と、
前記取得した各撮影ポイント情報と、前記取得した各工事写真データとの対応を取ることで、前記図面データに前記工事写真データを連携させる連携機能と、
をコンピュータに実現させるための工事写真連携プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−73561(P2013−73561A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214065(P2011−214065)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(395003187)株式会社セイコーアイ・インフォテック (173)