説明

工場診断方法、工場診断装置及び工場診断プログラム

【課題】製造部門と関連部門との部門間連携に関する診断を可能とし、より適切で高精度の診断を実現する工場診断方法、工場診断装置及び工場診断プログラムを提供する。
【解決手段】工場診断の対象とされる製造部門以外の関連部門のうち、前記工場診断の診断項目に関係すると推定される関連部門を、入力することを促す、または、選択するステップと、前記入力または選択された関連部門の評価結果に基づいて、前記製造部門と前記関連部門との部門間連携を解析するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする工場診断方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場診断方法、工場診断装置及び工場診断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会社における企業業績を向上するために、各種の経営指標による企業診断が行われている。この企業診断は、例えば財務諸表などの経営情報を基にして経営リスクの指摘を行う。
【0003】
製造業においては、企業診断とは別に製造工場の製造現場(例えば生産ライン)の現状評価を基にして生産性の向上や効率化を図るために改善案を立案し、この改善案を実施して経営指標や企業実績を向上させる工場診断が行われている。
例えば、特許文献1には、定量的評価項目と定性的評価項目を用いて工場の評価を行う工場診断方法に関する技術が開示されている。
【0004】
工場の状態は、工場の製造部門だけではなく、例えば、営業部門、調達部門、設計部門、製造技術部門など、製造部門以外の各種の関連部門と製造部門との部門間連携の状態に大きく左右される場合がある。すなわち、製造部門内の活動の改善だけでは解決しない問題がある。
しかしながら、従来の工場診断では、製造部門のみに着目した診断を行うものであり、製造部門と関係する関連部門と製造部門との部門間連携に着目した診断は行われておらず、製造部門内の活動だけでは解決しない問題に関して適切な診断を行うことができなかった。
【特許文献1】特開2004−102325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、製造部門と関連部門との部門間連携に関する診断を可能とし、より適切で高精度の診断を実現する工場診断方法、工場診断装置及び工場診断プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、工場診断の対象とされる製造部門以外の関連部門のうち、前記工場診断の診断項目に関係すると推定される関連部門を、入力することを促す、または、選択するステップと、前記入力または選択された関連部門の評価結果に基づいて、前記製造部門と前記関連部門との部門間連携を解析するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする工場診断方法が提供される。
【0007】
本発明の他の一態様によれば、工場診断の対象とされる製造部門以外の関連部門のうち、前記工場診断の診断項目に関係すると推定される関連部門を、入力することを促す、または、選択するステップと、前記入力または選択された関連部門の評価結果に基づいて、前記製造部門と前記関連部門との部門間連携を解析するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする工場診断プログラムが提供される。
【0008】
本発明の他の一態様によれば、工場診断の対象とされる製造部門以外の関連部門のうち、前記工場診断の診断項目に関係すると推定される関連部門を入力するための入力装置、及び、前記診断項目に関係すると推定される関連部門を記憶する記憶装置の少なくともいずれかと、前記入力または記憶された関連部門の評価結果に基づいて、前記製造部門と前記関連部門との部門間連携を解析する演算装置と、を備えたことを特徴とする工場診断装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製造部門と関連部門との部門間連携に関する診断を可能とし、より適切で高精度の診断を実現する工場診断方法、工場診断装置及び工場診断プログラムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
(第1の実施の形態)
本発明の実施形態に係る工場診断装置、工場診断方法及び工場診断プログラムは、全ての業種における工場の工場診断に適用できるものであり、例えば食品業、建築業、石油業、化学業、鉱工業、製糸業、窯業、機械業、電気業、輸送業、その他の種々の鉱業などを含めた幅広い業種の工場の診断に適用できる。
以下、本発明の実施形態に係る工場診断装置を、電化製品の組立検査工程に適用した場合として説明する。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る工場診断装置の構成を例示する模式図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る工場診断装置が適用される工場の関連部門を例示する模式図である。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る工場診断装置における診断項目データベースを例示する模式図である。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る工場診断装置における定量評価項目の入力画面を例示する模式図である。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る工場診断装置における定性評価項目の入力画面を例示する模式図である。
【0013】
図1に表したように、本発明の第1の実施形態に係る工場診断装置50は、工場診断の対象とされる製造部門以外の関連部門のうち、工場診断の診断項目に関係すると推定される関連部門を入力するための入力装置2、及び、診断項目に関係すると推定される関連部門を記憶する記憶装置(この例では外部記憶装置3)の少なくともいずれかと、入力または記憶された関連部門の評価結果に基づいて、製造部門と関連部門との部門間連携を解析する演算装置1と、を備える。
図1に例示した工場診断装置50の場合は、演算装置1と、入力装置2と、外部記憶装置3と、内部記憶装置4と、表示装置5と、を備えており、これら、入力装置2、外部記憶装置3、内部記憶装置4及び表示装置5は演算装置1に接続されている。
【0014】
演算装置1には、例えば、コンピュータ等を用いることができる。
【0015】
表示装置5には、例えばCRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等の各種情報ディスプレイを用いることができ、工場診断の結果及び改善策を表示することができる。さらに、表示装置5は、工場診断の結果及び改善策を印刷出力したり、音声等により報知する機能を備えても良い。さらに、表示装置5は、必ずしも設けなくても良く、工場の診断結果等を使用者に実質上呈示できれば良く、ここでは便宜上表示装置として説明する。
【0016】
また、入力装置2には、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等を用いることができる。なお、入力装置2は必要に応じて設ければ良く、入力装置2によって入力されるべきデータは、演算装置1に接続されていない別の入力装置によって入力され、外部記憶装置3及び内部記憶装置4の少なくともいずれかに格納されていても良い。
なお、演算装置1、入力装置2、外部記憶装置3、内部記憶装置4及び表示装置5は、インターネット回線や、LAN(Local Area Network)回線、無線回線等の各種の通信回線で接続されていても良い。
【0017】
以下、本実施形態に係る工場診断装置50が適用される工場のシステムの一例を説明する。
図2に例示したように、本実施形態に係わる工場診断装置が適用される工場の生産活動では、例えば、まず、営業部門、生産管理部門及び調達部門(物流部門を含む)から製造部門へ向けての各種の材料、物品及び製造設備等、製造に係わる種々の物品及びそれらに関する各種の情報の流れがある。なお、調達部門には、例えば外部のサプライヤからの流れがある。一方、例えば、企画部門、設計部門及び製造技術部門から製造部門に向けての各種の情報等の流れがある。さらに、製造部門から、物流部門(例えば出荷物流部門)を経て顧客への、製品及びサービスの流れがある。さらに、品質部門と製造部門との間の各種情報等の流れがある。このように、工場の製造部門には、その上流方向、下流方向、及び、水平方向(例えば品質部門)の各種の関連部門がある。
【0018】
このように、本実施形態に係る工場診断装置50、後述の工場診断方法及び工場診断プログラムにおいては、これら、工場の製造部門を取り巻く全ての部門と製造部門との部門間関連を診断の対象とすることができる。以下では、一例として、工場(の製造部門)との部門間連携を診断する関連部門を、営業、設計、生産管理、調達、品質、生産技術、物流の各部門とした場合について説明する。
【0019】
図1に表したように、本実施形態に係る工場診断装置50においては、入力装置2によって、例えば、工場の従事者の操作によって、診断対象となる工場の現状情報6が入力される。
この工場の現状情報6は、定量評価項目と定性評価項目と関係部門項目とを含むことができる。すなわち、工場診断装置50においては、診断項目は、定量評価項目と定性評価項目と関係部門項目とを含むことができる。
【0020】
定量評価項目の入力では、評価を行う際に必要となる数値データが入力される。すなわち、定量評価項目は、例えば、「工数能率」のように数値データとして入力可能なものである。
なお、定量評価項目では、後述するように、数値が入力されると、演算装置1により指標値を計算し、外部記憶装置3に予め記憶されている診断項目データベース7の評価基準と比較して評価点を求めることができる。
【0021】
一方、定性評価項目の入力では、数値データではなく、定性的な評価の結果が例えば評価点として入力される。定性評価項目は、「多能工化の体制」や「作業の標準化」等であり、これらに関して、工場の現状を定性的に評価した結果を入力する。この際、各種の定性評価項目における定性的な評価は、例えば5段階(0〜4点)にランク分けして評価することにより、定量化して入力する。これにより、この後の解析を容易化する。例えば、各定性評価項目のそれぞれに対して、評価した結果を点数として入力する。例えば、0点が評価として最も低く、4点が最も高い評価とすることができる。なお、工場の現状情報6の評価点数は、5段階(0〜4点)に限らず、任意の段階の点数にしても良い。
【0022】
関係部門項目の入力では、例えば、部門データベース31に格納された「営業部門」、「設計部門」、「生産管理部門」、「調達部門」、「品質部門」、「生産技術部門」、「製造部門」について、定量評価項目と定性評価項目のそれぞれの診断項目に対して、関係があると推定される部門と関係がないと推定される部門を識別して入力する。例えば、上記の各部門名を表示しておき、それに対して、関係があると推定される部門については、例えば「1」を入力し、関係がないと推定される部門には、例えば「0」を入力する。このように、フラグとして、「1」及び「0」の少なくともいずれかを入力することで、各診断項目と関係がある部門と関係がない部門とを明確にすることができる。
【0023】
なお、この入力には、このような「1」や「0」などのフラグをキーボードから入力する方法の他、マウスのクリックによる入力やタッチパネルでの入力など方法の他、音声入力など、各種の入力方法を使用することができる。このような入力方法の場合は、予め例えば部門データベース31に格納された部門名のデータから、各診断項目に対して関係があると推定される部門名を選択することにより入力することができる。
【0024】
さらに、各診断項目に対して関係があると推定される部門の入力は、上記のように部門名を表示し、それを選択するのではなく、入力者(診断者や工場の従業者等)が任意の名称を入力し、それを、例えば予め部門データベース31に格納された部門名に置き換えて集約しても良い。すなわち、例えば、「北地区営業課」や「第2営業部」等と、その工場に関係する部門の具体的な名称を入力し、その入力結果を、演算装置1によって、部門データベース31に格納した部門名である「営業」と置き換えて、これ以降の手順を実施するようにしても良い。
【0025】
さらに、各診断項目に対して関係があると推定される部門は、入力者によって入力されるだけでなく、各診断項目に対して関係があると推定される部門を、予め、例えば部門データベース31にデータとして格納しておき、そのデータに基づいて、各診断項目に対して関係があると推定される部門を選択しても良い。すなわち、各診断項目に対して関係があると推定される部門は、人によって入力(選択も含む)される、または、工場診断装置50内において選択される。
以下では、各診断項目に対して関係があると推定される部門が、入力者によって入力される場合として説明する。
【0026】
一方、図1に例示した内部記憶装置4には、本発明の別の実施形態である工場診断プログラム18を格納することができる。なお、外部記憶装置3及び内部記憶装置4は、互いに兼用されても良く、また省略可能である。
【0027】
一方、外部記憶装置3には、診断項目データベース7と部門データベースと改善策データベース8とが設けられている。
【0028】
すなわち、部門データベース31には、上記の営業、設計、生産管理、調達、品質、生産技術、物流の各関連部門の部門名が記憶されている。また、上記のように、各診断項目に関係すると推定される関連部門を記憶することもできる。さらに、関連部門に関する各種のデータを格納することができる。
【0029】
そして、診断項目データベース7には、例えば「組立作業の効率化」等の診断項目に係わるデータが記憶されている。すなわち、工場診断は、定量評価項目と定性評価項目と関連部門項目との各診断項目に基づいて行われ、これら診断項目は、いくつかの診断カテゴリに類型化されて記憶することができる。ただし、これらの診断項目は、診断カテゴリに類型化されていなくても良い。以下では、これらの診断項目が診断カテゴリに類型化される場合として説明する。
すなわち、図3に表したように、診断カテゴリ11の1つとして、「組立作業の効率化」が挙げられる。この診断カテゴリ11には、この他、図示しないが例えば「スペース生産性の効率」、「ラインスペースの効率」などの各種の診断項目が含まれ、診断項目データベース7には、これらに関するデータが記憶されている。
【0030】
図3に表したように、これら診断カテゴリ11には、それぞれ診断項目12の定量評価項目13である例えば「工数能率」と、定性評価項目14である例えば「多能工化の体制」と「作業の標準化」とが記憶されている。さらに、診断項目12に対して、それぞれの評価方法15と、評価指標と評価点16と、係数(重み)17との各情報が記憶されている。この係数は、各診断項目の重要度とすることができる。なお、これら定量評価項目13、定性評価項目14、評価方法15、評価指標、評価点16及び係数17は、階層構造を成して記憶されることができる。
【0031】
例えば、上記「組立作業の効率化」の診断カテゴリ11には、定量評価項目13として「工数能率」が、評価方法15、評価指標と評価点16、及び、係数17と共に記憶されている。そして、定性評価項目14である「多能工化の体制」及び「作業の標準化」が、評価方法15、評価指標と評価点16、及び、係数17と共に記憶されている。
【0032】
また、係数17は、各診断カテゴリ11あたりの係数の合計点数が、例えば1となるように設定することができる。さらに、例えば、定量評価項目13に分配された係数17よりも、各定性評価項目14に分配された係数17の合計が大きくならないように分配することができる。
例えば、図3に表したように診断カテゴリ11の「組立作業の効率化」では、定量評価項目13の「工数能率」に「0.7」、定性評価項目14の「多能工化の体制」に「0.2」、「作業の標準化」に「0.1」が記憶されている。定性評価項目14の合計点数「0.3」は、定量評価項目13の点数「0.7」よりも小さな点数(値)となっている。
【0033】
そして、図1に表したように、改善策データベース8には、診断した工場(例えば、電化製品の組立検査工程)の現状の評価結果に応じた改善策が記憶されている。さらに、改善策データベースには、後述する製造部門との部門間連携についての現状の評価結果に応じた改善策を記憶することもできる。
【0034】
そして、内部記憶装置4に記憶されている工場診断プログラム18は、工場の診断のための各種のステップをコンピュータ(演算装置1)に実行させる。
【0035】
そして、演算装置1は、工場診断プログラム18を実行することにより以下の機能を有することができる。
【0036】
すなわち、演算装置1は、表示装置5に診断項目12及び部門データベース31に記憶されている部門名を表示する機能を有すことができる。さらに、例えば、入力装置2から入力された診断項目12毎の工場の現状情報6と、外部記憶装置3に設けられている診断項目データベース7に予め記憶されている診断項目12毎の係数17の点(重み付け点)とに基づいて、診断項目12毎の評価を行う機能を有することができる。そして、製造部門と関係する関連部門のうち、製造部門が改善を進めるために、部門間連携の強化が必要な関連部門を評価して抽出する機能を有することができる。さらに、これらの評価結果に基づいて改善策を呈示する機能を有することができる。
すなわち、演算装置1は、以下説明する診断項目評価システム9と、部門間連携評価システム30と、改善策抽出システム10と、を有す。
【0037】
診断項目評価システム9は、工場の評価を定量的に表した定量評価項目と、定性的に表した定性評価項目とを用いて工場の評価を行う機能を有する。そして、1つの定量評価項目に対して1つ以上の定性評価項目を組み合わせて工場の評価を行う機能と、定性評価項目の評価値の合計が定量評価項目の評価値の合計を超えないように定性評価項目または定量評価項目のいずれか一方または両方に対して重み付けを行う機能を有することができる。
【0038】
例えば、診断項目評価システム9は、定量評価項目13に対し、診断項目データベース7に記憶されている定量評価項目13及び部門データベース31から部門名41を読み出す。
そして、図4に表したように、定量評価項目13及び部門名41を表示装置5に表示する。これにより、工場診断装置を操作する診断者は、定量評価項目13及び部門名41を確認することができる。ただし、この表示は必要に応じて実行されれば良い。
そして、診断項目評価システム9は、入力装置2から入力される複数の数値データに基づいて評価値を計算し、その結果を予め記憶されている診断項目データベース7の評価指標と評価点16に照らし合わせ、例えば5段階評価された工場の現状情報6を受け取る。
そして、診断項目データベース7に記憶されている診断項目12毎の係数17による重み付け点を読み出し、診断項目12毎に評価を行うとともに、入力装置2から入力される診断項目の内容を製造部門が改善する際に関係する部門を記憶させる。
【0039】
また、例えば、診断項目評価システム9は、定性評価項目14に対し、診断項目データベース7に記憶されている定性評価項目14及び部門データベース31から部門名41を読み出す。
そして、図5に表したように、定性評価項目14及び部門名41を表示装置5に表示する。これにより、工場診断装置を操作する診断者は、定性評価項目14及び部門名41を確認することができ、便利である。ただし、この表示は必要に応じて実行されれば良い。
【0040】
そして、診断項目評価システム9は、入力装置2から直接各診断項目12の例えば5段階評価された工場の現状情報6を受け取る。
そして、診断項目評価システム9は、診断項目データベース7に記憶されている診断項目12毎の係数17による重み付け点を読み出し、診断項目12毎の評価を行う。そして、入力装置2から入力される診断項目の内容を製造部門が改善する際に関係する部門を記憶させる機能を有する。
【0041】
そして、図1に例示した部門間連携評価システム30は、各診断項目12と関係する部門の記憶に基づき、製造現場を担当する製造部門と製造部門に関係する各種の関連部門との部門間連携の評価を行い、改善のために部門間連携を強化する必要がある関連部門を抽出する機能を有する。
【0042】
そして、図1に例示した改善策抽出システム10は、診断項目評価システム9により決定された各診断項目12の評価結果及び部門間連携評価システム30により評価し抽出された結果応じて、例えば外部記憶装置3に設けられた改善策データベース8に記憶されている複数の改善策から該当する改善策を抽出し、必要に応じてその改善策を呈示する機能を有する。
【0043】
次に、上記の如く構成された本実施形態に係る工場診断装置50の作用について説明する。
入力装置2からは、工場診断装置の操作者の操作によって、診断対象となる工場の現状情報6として、定量評価項目と定性評価項目と関係部門項目とが入力される。
定量評価項目では、図4に例示したように、評価となる際に必要となる複数の数値が入力される。
【0044】
定性評価項目では、図5に例示したように、評価点が直接入力される。この評価点は、例えば工場の現状を例えば5段階(0〜4点)で評価した点数として入力されるもので、ここでは0点が評価として最も低く、4点が最も高い評価である。この工場の現状情報6の評価点数は、5段階(0〜4点)に限らず、任意の段階の点数にしてよい。
【0045】
なお、定量評価項目では、後述するように複数の数値が入力されると、演算装置1により指標値を計算し、外部記憶装置3に予め記憶されている診断項目データベース7の評価基準と比較して評価点が求められる。
【0046】
関係部門項目では、図4及び図5に例示したように、部門データベース31に記憶された部門名41、例えば、「設計」、「生産技術」、「生産管理」、「調達」などを、入力する。これにより、関係すると推定される部門と関係しないと推定される部門とを明確にできる。
以上の定量評価項目、定性評価項目及び関係部門項目の入力は、後述するように、表示装置5と連動させて入力することができる。ただし、本発明は、これには制限されず、入力する際の方法は、表示装置5と連動しない、例えば、記入用紙に記載した内容を自動読み取りする方法や、音声入力する方法など、各種の方法を用いることができる。
【0047】
例えば、図4に表したように、診断項目評価システム9は、定量評価項目13に対し、診断項目データベース7に記憶されている定量評価項目13及び部門データベース31に記憶されている部門名41を順次読み出し、定量評価項目13を表示装置5に順次表示させることができる。
【0048】
ここで、表示装置5には、例えば、図3に例示した診断カテゴリ11の「組立作業の効率」における診断項目「工数能率」に対する評価方法15及び評価指標と評価点16が表示されている。
【0049】
また、表示装置5は、例えば、図4に例示するように、定量評価項目に対して入力者が評価点(数値データ)を入力するためのデータ入力欄W1を表示する。そして、入力者はこれを見ながら、例えば、「標準工数(半年の平均)」と「実績工数(半年の平均)」とを入力することができる。
【0050】
さらに、図4に表したように、表示装置5は、関係部門項目に対して、W3として部門データベースに記憶された部門名41を表示することができる。そして、この例では、診断項目である「工数能率」を改善するために関係すると推定される部門に対しては1を入力し、関係しないと推定される部門に対しては0を入力することができる。すなわち、例えば、「工数能率」には、実績工数が関係するが、このとき、作業者の作業内容、手順を定めている作業標準の合理性によって実績工数は変わってくる。従って、「工数能率」の改善のためには作業標準の手順の見直しが必要と推定される。この場合、「生産技術」部門が作業標準を作成しているとすれば、「生産技術」部門に1を入力する。なお、この入力には、上記の入力装置2を用いることができる。
【0051】
このように、定量評価項目のそれぞれを改善するにあたり、それぞれの定量評価項目に関係すると推定される部門と、関係しないと推定される部門とを入力することができる。なお、これに限らず、関係すると推定される部門のみ、または、関係しないと推定される部門のみを入力しても良い。
【0052】
次に、診断項目評価システム9は、入力装置2から入力された定量評価項目に関する複数の数値データに基づいて評価値を計算し、その結果を予め記憶されている診断項目データベース7の評価指標と評価点16に照らし合わせ、例えば5段階評価された工場の現状情報6を受け取り、診断項目12毎に評価を行う。
【0053】
すなわち、例えば、診断カテゴリ11における「組立作業の効率」の項目では、例えば定量評価項目「工数能率」において評価値は例えば標準工数「0.5」、実績工数「0.55」を入力すると、工数能率が定義式「標準工数/実績工数×100(半年の平均)」に従って計算され、0.52/0.5×100=104(%)となり、診断項目データベース7に記憶されている評価指標と評価点16と比較して評価点は「3」とし、さらに係数「0.7」を乗算して「2.1」点となる。
【0054】
そして、それぞれの診断項目に関する評価の結果(評価点)及び、上記の「関係すると推定される部門」に対して入力されたフラグを記憶する。この時、例えば外部記憶装置3の診断項目データベース7と部門データベース31に記憶することができる。
【0055】
さらに、図5に表したように、診断項目評価システム9は、定性評価項目14に対し、診断項目データベース7に記憶されている定性評価項目14及び部門データベース31に記憶されている部門名41を読み出し、定性評価項目14を表示装置5に表示させることができる。
【0056】
例えば、図5に表したように、表示装置5は、診断カテゴリ11の定性評価項目の1つである「多能工化の体制」における評価方法「多能工化の規定があり実行されている。多能工を生かす仕組み(多能工マップなど)ができている。」に対する評価指標を表示する。また、表示装置5は、入力者が評価結果を入力するためのデータ入力欄W2を表示する。さらに、表示装置5は、図4に例示した定量評価項目の入力の時と同様に、W4として部門データベース31に記憶された部門名41を表示することができる。これにより、例えば、診断項目「多能工化の体制」を改善するために関係すると推定される部門に対しては1を入力し、関係しないと推定される部門に対しては0を入力する。
【0057】
次に、診断項目評価システム9は、入力装置2から直接各診断項目12の例えば5段階評価された工場の現状情報6を受け取ると共に、診断項目データベース7に記憶されている診断項目12毎の係数17による重み付け点を読み出し、診断項目12毎の現状評価を行うことができる。
【0058】
例えば、定性評価項目「多能工化の体制」において評価点は、入力者が、評価結果として、例えば「3」を入力すると、係数「0.2」を乗算した「0.6」点となる。
【0059】
以下、同様に、表示装置5に、図3に例示した診断項目12として、工数能率、多能工化の体制の他に、定量評価項目または定性評価項目である作業の標準化、スペース生産性、設備稼働率などが順次表示され、これら診断項目12に対する評価点が入力者によりその都度入力されることにより、診断項目12毎の各評価点が求められる。
【0060】
なお、上記では、診断項目(定量評価項目及び定性評価項目)に関して、それを改善するにあたり、それぞれの診断項目に関係すると推定される部門と、関係しないと推定される部門とを入力する例であるが、本発明はこれに限らず、関係すると推定される部門のみ、または、関係しないと推定される部門のみを入力しても良い。
【0061】
さらに、診断項目(定量評価項目及び定性評価項目)に対する関係部門項目の入力は、上記のように、表示装置5と入力装置2とを連動させて入力する方法以外に、関係すると推定される、または、関係しないと推定される関係部門を入力できる方法であれば任意の方法を使用することができる。ただし、図4、図5に表したように、関係部門を一覧して表示し、それに基づいて入力する方法を採用することで、入力の間違いや入力漏れなどを防止でき、入力の効率を向上させることができる。
このように、診断項目に対応した工場の現状情報6の入力に際して、入力装置2と表示装置5とを連動することで効率的な入力が可能となる。
以上のようにして、診断項目評価システム9による、診断項目の評価が行われる。
そして、改善策抽出システム10は、診断項目評価システム9により評価され求められた各診断項目12の評価結果に対応させて、外部記憶装置3に形成されている改善策データベース8に記憶されている複数の改善策の中から、該当する改善策を抽出する。そして、例えば抽出した改善策を表示装置5に表示したり、印刷したりすることによって呈示する。また、抽出した改善策を記憶することもできる。
【0062】
例えば、診断カテゴリ「組立作業の効率」の評価値が「2.1」、内訳が工数能率の評価値「1.4」、多能工化の体制の評価値「0.4」、作業の標準化の評価値「0.3」の場合、改善策として、改善策データベース8の中から、例えば「作業の標準化はほぼできている。多能工化の育成計画・ルールを作成し、多能工化の制度を創設することが急務である」を抽出する。
【0063】
そして、部門間連携評価システム30は、各診断項目12の評価結果と診断項目を改善するために関係すると推定される部門に関する記憶データに基づき、製造現場を担当する製造部門と、製造部門に関係する各関連部門との部門間連携の評価を行う。そして、改善のために、製造部門との部門間連携を強化する必要がある関連部門を抽出する。
【0064】
このようにして、適切な診断項目を用いた工場の現状情報に基づいて工場に対する評価を行い、製造部門との部門間連携を評価し、製造部門が改善を進めるために協力が必要となる関係部門を評価して、抽出できる。そして、評価結果に基づいて工場の不具合箇所に対する改善策を呈示することもできる。
【0065】
すなわち、本実施形態に係る工場診断方法及び工場診断プログラムによれば、製造部門と関連部門との部門間連携に関する診断を可能とし、より適切で高精度の診断を実現する工場診断装置が提供される。
これにより、製造部門のみでは改善の難しい上流工程などの関係部門に起因する問題に対しても、関係部門と製造部門との部門間連携を効率的に改善することが可能となり、これにより、より効率的な工場運営が可能となる。
【0066】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る工場診断方法及び工場診断プログラムについて説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る工場診断方法及び工場診断プログラムを例示するフローチャート図である。
図6に表したように、本発明の第2の実施形態に係る工場診断方法及び工場診断プログラムは、まず、工場診断の診断項目12(例えば定量評価項目13と定性評価項目14)を用い、工場の現状情報6に基づいて工場に対する評価を行う(ステップS510)。
そして、各関連部門に対して、製造部門との部門間連携の評価を行う(ステップS520)。
そして、上記の診断項目12(定量評価項目と定性評価項目)による評価結果と、部門間連携の評価結果に基づいて、改善策を呈示する(ステップS530)。
なお、改善策の呈示は必要に応じて実施すれば良く、省略可能である。
【0067】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る工場診断方法及び工場診断プログラムの要部を例示するフローチャート図である。
すなわち、図7は、図6に例示したステップS520で実行する内容を例示している。
【0068】
すなわち、図7に表したように、本発明の第2の実施形態に係る工場診断方法においては、各診断項目(定量評価項目及び定性評価項目)に対して、関連があると推定される部門を入力または選択する(ステップS521)。すなわち、各診断項目に関係しないと推定される部門は解析対象から除外され、また、関係すると推定された診断項目が多い部門は、各診断項目を改善するにあたって影響度の大きい部門として抽出することができる。
【0069】
そして、この入力または選択した結果に基づいて、各関連部門と製造部門との部門間連携について解析する(ステップS522)。
また、本発明の実施形態に係る工場診断プログラムは、工場診断の対象とされる製造部門以外の関連部門のうち、工場診断の診断項目に関係すると推定される関連部門を、入力することを促す、または、選択するステップと、入力または選択された関連部門の評価結果に基づいて、製造部門と関連部門との部門間連携を解析するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0070】
これにより、各診断項目を改善するにあたって影響度の大きい部門と影響度の小さい部門とに差異や順位を設けて解析することで、効率的な解析を実施することができる。さらに、解析結果を表示する際にも、影響度に基づいて適切は表示を行うことで、分かり易い表示を行うことができ、工場診断の結果の理解を高めることができる。
【0071】
このようにして、適切な診断項目を用いた工場の現状情報に基づいて工場に対する評価を行い、製造部門との部門間連携を評価し、製造部門が改善を進めるために協力が必要となる関係部門を評価して、抽出できる。そして、評価結果に基づいて工場の不具合箇所に対する改善策を呈示することもできる。
【0072】
すなわち、本実施形態に係る工場診断方法及び工場診断プログラムによれば、製造部門と関連部門との部門間連携に関する診断を可能とし、より適切で高精度の診断を実現する工場診断方法及び工場診断プログラムが提供される。
これにより、製造部門のみでは改善の難しい上流工程などの関係部門に起因する問題に対しても、関係部門と製造部門との部門間連携を効率的に改善することが可能となり、これにより、より効率的な工場運営が可能となる。
【0073】
以下本実施形態に係る第1の実施例の工場診断方法及び工場診断プログラムについて説明する。
(第1の実施例)
図8は、本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムを例示するフローチャート図である。
すなわち、図8は、図7に例示したステップS522で実行される部門間連携の解析方法を例示している。
【0074】
図8に表したように、本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムでは、まず、各診断項目に対する各関連部門の達成率を算出する(ステップS100)。
そして、製造部門との部門間連携の強化の必要度が高い関連部門を抽出する(ステップS101)。この時、その関連部門の達成率を合わせて求めることができる。
そして、抽出した関連部門の数と予め定めた第1の判定基準との比較を行う(ステップS200)。例えば、予め定めた第1の判定基準は、2とすることができ、すなわち、抽出した部門の数が2より大きいかどうかを比較する。
そして、抽出した関連部門の数が予め定めた判定基準よりも大きい場合に、予め定めた評価基準に基づいて各関連部門の製造部門との部門間連携の状態を評価する(ステップS300)。すなわち、抽出した関連部門の数が、2より大きい場合に予め定めた評価基準に基づいて各関連部門の製造部門との部門間連携の状態を評価する。そして、抽出した部門の数が、2以下の場合は終了する。
なお、上記において、ステップS100(達成率の算出)は、ステップS101(部門間連携の強化の必要度が高い関連部門の抽出)の後に実施しても良く、また、ステップS100とステップS101とは同時に実施しても良い。
【0075】
以下、これらステップS100、S101、S200、S300の具体的な実行内容について説明する。
なお、以下では、ステップS100とステップS101とを同時に実施する場合を例示している。
【0076】
図9〜図11は、本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムの一部を例示するフローチャート図である。
すなわち、図9は、図8に例示したステップS100及びステップS101の手順を例示し、図10は、図8に例示したステップS200の手順を例示し、図11は図8に例示したステップS300の手順を例示している。
図12〜図20は、本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムで実行される各手順を例示する概念図である。
【0077】
以下、まず、ステップS100について説明する。
既に説明したように、工場診断の各診断項目に対しての各関連部門の関係の有無が入力され、その結果が記憶されている。
すなわち、例えば、図12に表したように、部門データベース31には、各診断項目(定量評価項目及び定性評価項目)に対して、各関連部門の関係の有無の入力W3、W4の入力結果が記憶されている。そして、それぞれの診断項目に関する評価点、すなわち、各診断項目における評価点と図3に例示した「係数」17との績、が記憶されている。さらに、それぞれの診断項目に関する最高点(すなわち、図3に例示した「評価指標と評価点」16の最高値と「係数」17との績)が記憶されている。
【0078】
そして、図9に表したように、本実施例の工場診断方法及び工場診断プログラムにおける手順1では、各診断項目の改善に関係する関連部門の記憶を基に、製造部門に関係があるとされた診断項目を抽出する(ステップS110)。
すなわち、図12に表したように、例えば、部門データベース31に保存された製造部門の値が「1」となっている診断項目を抽出する。これは、製造部門に関係しない診断項目は、本実施例の工場診断では取り扱わないとしたためである。ただし、工場診断における診断項目として、製造部門に関係がないと推定される診断項目が間接的に工場の運営に関連する場合があり、そのような診断項目も含めて工場診断を実行する場合は、この手順(ステップS110)は省略しても良い。
【0079】
次に、図9に表したように、手順2では、各診断項目の改善に対しての関係の有無の入力(W3、W4)の結果の格納データを基に、関連部門毎に該当する診断項目数を算出する(ステップS120)。
すなわち、図13に表したように、例えば、部門データベース31に保存された各関連部門のフラグの値の総和を求める。
この「部門毎に該当する診断項目数」が大きい部門は、改善のために製造部門との部門間連携の強化がより必要な関連部門して抽出することができる。
この、ステップS110及びステップS120を、図8に例示したステップS101とすることができる。
【0080】
そして、この後、予め定めた第2の判定基準として、例えば、「部門毎の該当診断項目数が3以下」を用いることができる。そして、「部門毎の該当診断項目数が3以下」の部門は、以降の手順を実施の対象から除外することができる。これにより、より効率的な評価が可能となる。
ただし、この第2の判定基準による比較は、必ずしもステップS120の後に実施する必要はなく、後の手順において実施しても良い。
以下では、第2の判定基準による比較を、これ以降の手順で行う場合を例示する。
【0081】
すなわち、図9に表したように、手順3では、各診断項目の改善に対しての関係の有無の入力(W3、W4)の結果の格納データを基に、部門毎に該当する診断項目の評価点の合計(「部門毎の評価点の合計」)を算出する(ステップS130)。
すなわち、図14に表したように、例えば、部門データベース31における、各診断項目の評価点にフラグの値を掛けた数値を算出し、総和を求める。例えば、図14の例では、「設計」部門は、「工数能率」と「作業の標準化」に関係するとされ、それぞれフラグ「1」が与えられている。そして、「工数能率」に関する評価点は1.4であり、「作業の標準化」に関する評価点が0.3である。このとき、「設計」部門の評価点の合計は、1.4×1+0.3×1=1.7と求められる。このようにして、全関連部門のそれぞれに対して、評価点の合計(「部門毎の評価点の合計」)を求める。
【0082】
次に、図9に表したように、手順4では、関連部門毎に該当する診断項目が最高に評価された場合の評価点の合計(「部門毎の最高点の合計」)を算出する(ステップS140)。すなわち、図15に表したように、例えば、部門データベース31の各診断項目の最高点とフラグとの積を算出し、総和を求める。例えば、図15の例では、「設計」部門においては、「工数能率」の最高点が2.8であり、「作業の標準化」の最高点が0.4である。このとき、「設計」部門の最高点の合計は、2.8×1+0.4×1=3.2と求められる。このようにして、全関連部門のそれぞれに対して、最高点の合計(「部門毎の最高点の合計」)を求める。
【0083】
次に、図9に表したように、手順5では、関連部門毎に、達成率、すなわち、評価点の総和÷最高評価点の総和(「部門毎の達成率」)を求める(ステップS150)。
すなわち、図16に表したように、例えば、「設計」部門においては、関連部門毎の評価点の合計が1.7であり、「部門毎の最高点の合計が3.2であるので、達成率は1.7÷3.2×100=53%と求められる。このようにして全部門のそれぞれに対して、達成率(「部門毎の達成率」)を求める。
【0084】
次に、図9に表したように、手順6では、全関連部門の達成率を表示する(ステップS160)。この場合、例えば、本実施例の工場診断においては、製造部門との関連を診断対象としているので製造部門を除いた全関連部門に関する達成率を表示することができる。そして、その表示方法としては、「部門毎の該当診断項目数」(すなわち、「関係がある」と入力された診断項目の数の関連部門毎の合計)の多い順に、各関連部門の達成率を表示することができる。
すなわち、例えば、図17に例示したように、「部門毎の該当診断項目数」の値が最も高い部門を頂点とし、その値が高い順に時計回りに、各関連部門を並べたレーダーチャート上に、各関連部門の達成率の値を表示する。すなわち、「関係する」と入力された診断項目数が多いほど、改善のために製造部門との部門間連携の強化がより必要な関連部門と推定されることから、このように、「部門毎の該当診断項目数」の値の順で各関連部門を並べたレーダーチャートによって達成率を表示することで部門間連携の強化の必要度の高い部門が頂点となり、必要度の高い順に各関連部門が時計回りに並ぶため、製造部門との部門間連携の強化の必要度を理解し易くなる。なお、この表示方法は、レーダーチャート以外にもヒストグラム等の各種のグラフや、図表など、任意の方法を用いることができる。ただし、このように、「部門毎の該当診断項目数」の値に基づいて関連部門の表示の順序を設定することでより理解し易い表示が可能となる。
【0085】
そして、図9に表したように、手順7では、第2の判定基準により特定の部門を除外して表示する(ステップS170)。例えば、「部門毎の該当診断項目数」が小さい関連部門を特定の部門とすることができる。すなわち、第2の判定基準として、例えば、「部門毎の該当診断項目数が3以下」とすることができ、これに該当する部門を除外して表示する。
すなわち、図17に表したように、「設計」、「営業」及び「品質」の各関連部門は、「部門毎の該当診断項目数」が3より小さい。
この時、図18に表したように、これら「設計」、「営業」及び「品質」の各関連部門を除外して、達成率の結果をレーダーチャートに表示する。すなわち、関係があると評価された診断項目の数が少ない部門は、製造部門との部門間連携の強化の必要度は低いと考えられ、必要度の低い部門の表示を除外することによって必要度の高い部門をより分かり易く表示でき、部門間連携の必要度の高い部門の把握の効率が向上する。
【0086】
なお、この第2の判定基準は、工場診断の結果によって適切に定めることができる。また、これ以外にも、第2の判定基準は、任意に設定でき、例えば、工場診断をするにあたり診断対象としない部門がある場合には、それを削除して表示することもできる。
なお、この手順7(ステップS170)は必要に応じて実行すれば良く、省略しても良い。また、手順6(ステップS160)を省略して、手順5(ステップS150)から直接、手順7(ステップS170)を実行しても良い。
【0087】
以上のようにして、図8に例示したステップS101では、工場診断の各診断項目に関して、製造部門との部門間連携の必要度の高い部門の抽出することができる。そして、図8に例示したステップS100では、その部門の達成率が効率的に求められる。さらに、その結果を表示することで、診断者は、その結果を効率的に把握することができる。
【0088】
以下、図8に例示したステップS200(抽出された部門の数と第1の判定基準との比較)について詳細に説明するする。
すなわち、図10に表したように、手順8(ステップS210)では、図9に例示した手順7(ステップS170)で除外されずに残った製造部門以外の関連部門数を、予め定められた第1の判定基準に従って判断する。例えば、この第1の判定基準は、「2」とすることができ、この場合、除外されずに残った関連部門数が2以下であるかどうかを判定し、その結果に従って実行する内容を変える。
【0089】
例えば、図10に表したように、残った部門数が第1の判定基準(例えば2)よりも大きい場合は、終了し、次のステップ、すなわち、図8に例示したステップS300に進む。
一方、残った部門数が第1の判定基準(例えば2)以下の場合は、手順9として、各診断項目に関係がある診断対象の関連部門を見直す(ステップS220)。すなわち、診断項目(定量評価項目及び定性評価項目)のそれぞれに関して入力した、各関連部門の関係の有無の入力W3、W4の入力内容を見直す。すなわち、各診断項目に関係がある部門が過不足なく記載されているかを診断者に見直しを促す。例えば、表示装置5によって適切な表示を行うことによってこれを実行する。
【0090】
そして、診断者による見直しの結果を判断する(ステップS230)。例えば、診断者が、入力装置2によって、見直しの有無を入力し、その結果を判断する。もし、見直しがある場合は、入力データを修正した上で、図8に例示したステップS100(またはステップS101)に戻る。
【0091】
そして、見直しがない場合は、その第1の判定基準(例えば2)以下の関連部門数の部門と、関係する診断項目に対応させて、例えば予め部門データベース31に保存された、部門間連携に関する改善策の内容を呈示する(ステップS240)。そして、この場合は、ステップS300に進まず、終了する。
【0092】
すなわち、見直しがない場合、または見直した後に再度ステップS100以降を実行した後でも、残った関連部門数が第1の判定基準(例えば2以下)の場合は、現場での改善に関係する関連部門が第1の判定基準の数であり、少ないため、ステップS300で実行される部門間連携の強化が必要な部門の分析を実行するまでもなく、該当の第1の判定基準以下の数の関連部門との連携を強化して改善に取り組むこととなる。
この改善策の呈示では、例えば、表示装置5に改善策の内容を表示したり、例えば、別途設けられるプリンタによって改善策の内容を印刷したり、各種の方法を用いることができる。
【0093】
このように、関連部門数に対する第1の判定基準によって、この後に行われるステップS300を実行するかしないかを変えることにより、より効率的な工場診断を行うことができる。ただし、以上説明したステップS200は必要により実行すれば良く、省略しても良い。この場合は、図8に例示したステップS100から直接、ステップS300を実行する。
【0094】
次に、図8に例示したステップS300について詳細に説明する。
すなわち、ステップS300においては、図11に表したように、手順10として、予め定めた評価基準と関連部門毎の評価結果(この場合は達成率)とを比較する(ステップS310)。すなわち、製造部門との部門間連携の充実度として上記の達成度を用い、これにより、部門間連携の強弱を判断する。
評価基準としては、例えば、過去の診断結果の達成率の平均値を用いることができる。これ以外にも、例えば、工場診断を実施する際に対象とした各関連部門の達成率の平均値や、別の工場の診断結果等、工場診断を実施する工場の現状の状態と目標とする状態等に基づいて評価基準を適切に定めることができる。
【0095】
以下では、一例として、過去の診断結果の達成率の平均値を評価基準として用いた場合として説明する。
【0096】
図11に表したように、手順11において部門データベース31に記録されている評価基準(過去の診断結果の平均値)と、算出された達成率を比較し、評価基準より低いかどうかを判断する(ステップS320)。
そして、評価基準より低い場合は部門間連携が弱いと判断し、手順12に進む。そして、評価基準以上であれば、手順13に進む。なお、この比較の結果を適宜記憶することができる。
【0097】
手順12では、改善を進めるために製造部門との連携を強化しなければならない部門として、評価基準よりも低い関連部門を表示する(ステップS330)。さらに、具体的に部門間連携の強化が必要な診断項目(例えば達成度が低い診断カテゴリのワースト3等)を画面に表示することもできる。
【0098】
すなわち、図19に表したように、レーダーチャート上に、各関連部門のそれぞれに対する評価基準である過去の診断結果の平均値を点線によって表示することができる。そして、今回の診断の結果を実線で表示することができる。そして、このレーダーチャート上に、評価基準より低い達成率であると判定された関連部門を表示する。この場合は、楕円形の枠及び適切なメッセージによってその部門を表示している。この場合は、メッセージとして、「物流部門は、製造部門との連携力が弱い」及び「調達部門は、製造部門との連携力が弱い」と表示されている。
【0099】
手順13では、時計回りに対象となる全ての関連部門について、評価基準との比較が終わったかを判断する(ステップS340)。そして、全関連部門の比較が終わっていなければ手順10に戻り、終わっていれば手順14へ進む。
【0100】
このようにして、全関連部門(ステップS170で除外されずに残った関連部門)の評価基準との比較を行う。なお、この比較は、「部門毎の該当診断項目の数」の大きい順によって比較を実行することができる。すなわち、前記のように製造部門と関係する項目数が多いほど、改善のために製造部門との部門間連携を強化する必要がある関連部門と考えられ、例えば、図19に例示したレーダーチャートの頂点から順に時計回りに、部門間連携が強いか弱いかの判断をしていくことができる。ただし、本発明はこれに限らず、比較を実行する関連部門の順番は任意である。
【0101】
そして、図11に表したように、手順14では、手順10〜13の実行において、評価基準より低い関連部門があったかどうかを判定する(ステップS350)。そして、判定基準(この場合は、過去の診断結果の平均値)より低い関連部門があった場合は、すなわち、この判定基準において製造部門との部門間連携が弱いと判断された部門があった場合は、手順15へ進む。
【0102】
手順15では、製造部門との部門間連携が低いと判定された部門を、部門間連携を強化しなければならない部門として表示する(ステップS360)。
例えば、図20に表したように、レーダーチャートの上に、連携を強化しなければならない関連部門を楕円の枠によって表示する。そして、レーダーチャートとは別に、メッセージとして、「連携を強化すべき部門」として表示することもできる。さらに、メッセージとして、該当する関連部門において、評価基準を下回った診断項目(図3に例示した診断カテゴリ11や診断項目12等)を表示することもできる。その際、評価結果の悪い順の3つ(ワースト3)を抽出して表示することもできる。これらのメッセージは、図1に例示した部門データベース31に保存しておき、それを読み出して表示することができる。さらに、改善策データベース8に格納した改善策のから、適切な改善策を抽出し、表示することもできる。
【0103】
一方、評価基準(この場合は、過去の診断結果の平均値)より低い関連部門がない場合は、すなわち、この判断基準において製造部門との部門間連携が弱いと判定される関連部門がない場合は、終了する。そして、その結果を表示することができる。
【0104】
このようにして、適切な診断項目を用いた工場の現状情報に基づいて工場に対する評価を行い、製造部門との部門間連携を評価し、製造部門が改善を進めるために協力が必要となる関係部門を評価して、抽出できる。そして、評価結果に基づいて工場の不具合箇所に対する改善策を呈示することもできる。
【0105】
すなわち、本実施形態に係る工場診断方法及び工場診断プログラムによれば、製造部門と関連部門との部門間連携に関する診断を可能とし、より適切で高精度の診断を実現する工場診断方法及び工場診断プログラムが提供される。
これにより、製造部門のみでは改善の難しい上流工程などの関係部門に起因する問題に対しても、関係部門と製造部門との部門間連携を効率的に改善することが可能となり、これにより、より効率的な工場運営が可能となる。
【0106】
(第2の実施例)
第2の実施例は、図8に例示したステップS300の各関連部門の評価における評価基準として、第1の実施例とは別の評価基準を用いた例である。すなわち、第2の実施例においては、評価基準として、今回の工場診断の対象としている製造部門以外の全関連部門の達成率の平均値を用いる。なお、第2の実施例においては、図8に例示したステップS100とステップS200は、第1の実施例と同様とすることができるので説明を省略し、ステップS300のみについて説明する。
【0107】
図21は、本発明の第2の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムを例示するフローチャート図である。
図22は、本発明の第2の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムで実行される1つの手順を例示する概念図である。
【0108】
図21に表したように、手順16〜手順19では、評価基準として、全関連部門の達成率の平均値を用いて、各関連部門の達成率を評価し、製造部門との部門間連携について各関連部門を評価する(ステップS311、S321、S341)。そして、例えば、例えば、全関連部門の達成率の平均値と、関連部門毎の達成率を比較し、予め定めた基準値(例えば全部門の達成率の平均値の20%)を用いて、基準値よりも低い部門があったら、製造部門との部門連携が弱い関連部門であると判定する。
【0109】
関連部門の判定の順序としては、既に説明した第1の実施例の場合の手順10〜13と同様に、レーダーチャートの頂点から順に時計回りに判断を行うことができる。そして、弱いと判断された場合は、例えば、部門間連携の強化が必要な診断項目を表示すことができる。
例えば、図22に表したように、該当する関連部門を楕円形の枠及びメッセージにより表示することができる。さらに、具体的に部門間連携の強化が必要な項目を表示することもできる。なお、図22では、各診断項目に対する各関連部門の関係の有無の入力W3、W4の結果は、第1の実施例とは異なる場合として例示されている。
そして、図21に表したように、手順20で、評価基準より低い関連部門があったかどうかを判定する(ステップS351)。そして、判定基準(この場合は、全関連部門の診断結果の平均値)よりも低い部門があった場合(判定基準として全関連部門の平均値を用いているので判定基準よりも低い関連部門が通常存在する)は、手順21へ進む。
【0110】
手順21では、判定基準よりも低い関連部門、すなわち、製造部門との部門間連携が弱いと判定された部門を、部門間連携を強化しなければならない部門として表示する(ステップS361)。このとき、第1の実施例について説明した図22に例示したように、レーダーチャートの上に、部門間連携を強化しなければならない部門の例えば楕円の枠による表示と、適切なメッセージを表示する。さらに、第1の実施例と同様に、該当する関連部門において、評価基準を下回った診断項目(図3に例示した診断カテゴリ11や診断項目12等)の表示、及び、適切な改善策を表示することもできる。
【0111】
そして、手順20において、評価基準よりも低い部門がなかった場合、すなわち、製造部門との部門間連携が低いと推定される部門が抽出できない場合は、終了する。そして、例えば、この場合、工場診断において部門間連携に問題ないと判断された旨を表示することができる。(本実施例では、判定基準として全関連部門の平均値を用いているので判定基準よりも低い関連部門が通常存在する。)
このように、本実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムによって、関連部門と製造部門との部門間連携に関する診断を可能とし、より適切で高精度の診断を実現する工場診断方法及び工場診断プログラムが提供される。
【0112】
さらに、以上説明した、第1の実施例の工場診断方法及び工場診断プログラムを実行した後に、さらに、第2の実施例で説明した手順16〜手順21(ステップS311、S321、S331、S341、S351、S361)を続けて実行しても良い。
また、上記の2つの評価基準とは異なる評価基準によって、さらに続けて診断しても良い。すなわち、図8に例示したステップS300は、異なる評価基準によって任意の回数実施することができる。これにより、より精度の高い工場診断が可能となる。
【0113】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、工場診断装置、工場診断方法及び工場診断プログラムを構成する各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0114】
その他、本発明の実施の形態として上述した工場診断装置、工場診断方法及び工場診断プログラムを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての工場診断装置、工場診断方法及び工場診断プログラムも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0115】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る工場診断装置の構成を例示する模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る工場診断装置が適用される工場の関連部門を例示する模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る工場診断装置における診断項目データベースを例示する模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る工場診断装置における定量評価項目の入力画面を例示する模式図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る工場診断装置における定性評価項目の入力画面を例示する模式図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る工場診断方法及び工場診断プログラムを例示するフローチャート図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る工場診断方法及び工場診断プログラムの要部を例示するフローチャート図である。
【図8】本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムを例示するフローチャート図である。
【図9】本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムの一部を例示するフローチャート図である。
【図10】本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムの別の一部を例示するフローチャート図である。
【図11】本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムの別の一部を例示するフローチャート図である。
【図12】本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムで実行される1つの手順を例示する概念図である。
【図13】本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムで実行される別の手順を例示する概念図である。
【図14】本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムで実行される別の手順を例示する概念図である。
【図15】本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムで実行される別の手順を例示する概念図である。
【図16】本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムで実行される別の手順を例示する概念図である。
【図17】本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムで実行される別の手順を例示する概念図である。
【図18】本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムで実行される別の手順を例示する概念図である。
【図19】本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムで実行される別の手順を例示する概念図である。
【図20】本発明の第1の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムで実行される別の手順を例示する概念図である。
【図21】本発明の第2の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムを例示するフローチャート図である。
【図22】本発明の第2の実施例に係る工場診断方法及び工場診断プログラムで実行される1つの手順を例示する概念図である。
【符号の説明】
【0117】
1 演算装置
2 入力装置
3 外部記憶装置
4 内部記憶装置
5 表示装置
6 工場の現状情報
7 診断項目データベース
8 改善策データベース
9 診断項目評価システム
10 改善策抽出システム
11 診断カテゴリ
12 診断項目
13 定量評価項目
14 定性評価項目
15 評価方法
16 評価指標と評価点
17 係数
18 工場診断プログラム
30 部門間連携評価システム
31 部門データベース
41 部門名
50 工場診断装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工場診断の対象とされる製造部門以外の関連部門のうち、前記工場診断の診断項目に関係すると推定される関連部門を、入力することを促す、または、選択するステップと、
前記入力または選択された関連部門の評価結果に基づいて、前記製造部門と前記関連部門との部門間連携を解析するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする工場診断方法。
【請求項2】
前記解析は、前記部門間連携の強化の必要度の高い前記関連部門の抽出を含むことを特徴とする請求項1記載の工場診断方法。
【請求項3】
前記抽出は、前記関連部門それぞれにおける、前記関係すると推定された前記診断項目の数に基づいて行うことを特徴とする請求項2記載の工場診断方法。
【請求項4】
前記解析は、前記抽出された関連部門の数と予め定めた第1の判定基準とを比較することを含むことを特徴とする請求項2または3に記載の工場診断方法。
【請求項5】
前記解析は、前記関連部門における前記診断項目のそれぞれの達成率を算出することを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の工場診断方法。
【請求項6】
前記解析は、前記算出された前記関連部門における達成率を、予め定めた評価基準に基づいて評価することを含むことを特徴とする請求項5に記載の工場診断方法。
【請求項7】
前記解析は、予め設けられ、互いに異なる複数の評価基準によって、複数回実施されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の工場診断方法。
【請求項8】
前記評価基準は、前記工場診断の対象としている工場の過去の工場診断結果、前記工場診断の対象としている工場とは別の工場の工場診断結果及び前記各関連部門の評価結果の平均の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項6または7に記載の工場診断方法。
【請求項9】
前記関連部門それぞれにおける、前記関係すると推定された前記診断項目の数に基づいた順序で、前記関連部門の前記解析の結果を表示することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の工場診断方法。
【請求項10】
前記診断項目は、定量評価項目と定性評価項目とを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の工場診断方法。
【請求項11】
工場診断の対象とされる製造部門以外の関連部門のうち、前記工場診断の診断項目に関係すると推定される関連部門を、入力することを促す、または、選択するステップと、
前記入力または選択された関連部門の評価結果に基づいて、前記製造部門と前記関連部門との部門間連携を解析するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする工場診断プログラム。
【請求項12】
工場診断の対象とされる製造部門以外の関連部門のうち、前記工場診断の診断項目に関係すると推定される関連部門を入力するための入力装置、及び、前記診断項目に関係すると推定される関連部門を記憶する記憶装置の少なくともいずれかと、
前記入力または記憶された関連部門の評価結果に基づいて、前記製造部門と前記関連部門との部門間連携を解析する演算装置と、
を備えたことを特徴とする工場診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−20495(P2010−20495A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179553(P2008−179553)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】