説明

巻芯及びその製造方法、製造装置

【課題】端面段差痕跡発生の防止対策として巻芯本体周面にクッション層を設けた巻芯において、クッション層を構成するクッションシートを簡単な操作と低コストで交換できる巻芯、その製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】巻芯本体4の表面に剥離可能に積層された中間シート層13と、その外側面に粘着または接着して積層された発泡層8を備える巻芯2で、シート状物と発泡シートを一の補助筒、巻芯本体4、他の補助筒の順で螺旋状に巻き、重なったシート状物と発泡シートとを、巻芯本体4と一の補助筒の間、及び、巻芯本体4と他の補助筒の間で切り離す巻芯の製造方法で、巻芯本体4の両側に同軸に配し巻芯本体4とともに回転する補助筒と2枚のシート材を同方向に供給し、重ねられたシート状物と発泡シートを巻芯本体4の巻始め側の端部と巻終わり側の端部で切る第一カッターと第二カッターを備えた巻芯の製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻き段の発生防止対策として表面に発泡樹脂シートの層を備えた巻芯及びその製造方法、製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルム、紙等のシートの長尺帯状物は巻芯に巻いてロール状物とすることが多いが、巻きはじめのシート端が段差として巻かれたシートに転写され端面段差痕跡となるトラブルが発生することがある。
【0003】
このような端面段差痕跡の発生の防止対策として、弾性部材あるいは発泡部材をクッション材として樹脂製あるいは金属製の巻芯本体の周面に層状に積層した巻芯が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
このようなクッション層は耐久性が必ずしも良好でなく、使用により破損あるいは潰れが生じ、巻芯はある回数以上の繰り返しの使用に耐えない場合が多い。このため、クッション層を巻芯本体に着脱自在に取り付けて交換可能にすることが考えられる。例えば、クッション層と巻芯本体とを剥離可能な粘着剤を介して貼着することが行われる(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
このためには、まず両面粘着テープを巻芯本体に貼着して、この両面粘着テープの離型紙を剥がしたのちクッション層となる弾性シートあるいは発泡シートを両面粘着テープの露出粘着面に貼着する、あるいは予め弾性シートあるいは発泡シートの片面に粘着層を設けて離型紙をその粘着層の表面に貼着し、巻芯本体のサイズに弾性シートあるいは発泡シートを切断後離型紙を剥がして弾性シートあるいは発泡シートを巻芯本体に貼着するなどの方策が考えられるが、粘着テープあるいは粘着剤の使用や剥離紙の使用は手間や材料コストの増大をもたらすという問題がある。
【0006】
さらには、発泡シートの裏面に剥離可能な粘着剤を塗付して、巻芯本体に貼着する方式も行なわれるが、粘着剤の粘着力が強すぎると発泡シートを交換のため剥がしたときにトラブルで粘着剤が巻芯本体表面に強固に付着して残留したり、発泡シートの一部がちぎれて巻芯本体表面に粘着したまま残留するという問題が生ずる。このような残留と剥離の問題を同時に解消することがむつかしい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−146495号公報
【特許文献2】特開2005−162478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、端面段差痕跡発生の防止対策として巻芯本体周面にクッション層である発泡樹脂シートの層を備えた巻芯において、発泡樹脂シートを簡単な操作で交換できる巻芯及びその製造方法、製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の要旨とするところは、長尺帯状物を巻き取る巻芯であって、巻芯本体の表面に剥離可能に積層された中間シート層と該中間シート層の外側面に粘着または接着して積層された発泡層とを備える巻芯であることにある。
【0010】
前記中間シート層は、前記巻芯本体の表面と粘着も接着もせずに該表面に直接面接した層であり得る。
【0011】
前記中間シート層は、前記巻芯本体の表面に剥離可能に粘着する粘着剤層を介して前記巻芯本体表面に積層され得る。
【0012】
前記巻芯においては、前記中間シート層が帯形状のシート状物を前記巻芯本体に特定の螺旋角で螺旋状に周回させてなり得、前記発泡層が帯形状の発泡シートを前記シート状物を間にして前記巻芯本体に前記特定の螺旋角と同じ螺旋角で螺旋状に周回させてなり得、互いの螺旋の位相がずれて、周回する前記シート状物の縁と、周回する前記発泡シートの縁とが合致しないようになされ得る。
【0013】
また、本発明の要旨とするところは、巻芯本体、帯形状のシート状物、片面に粘着剤または接着剤の層を備えた帯形状の発泡シート、を準備する工程、
前記巻芯本体の長手方向両脇それぞれに補助筒を同軸に配し、該巻芯本体を該補助筒とともに軸回転させて、該シート状物を一の前記補助筒、前記巻芯本体、他の前記補助筒の各外周面にこの順で螺旋状に巻き付け、かつ、巻き付けた該シート状物を間にして前記発泡シートを螺旋状に巻き付ける巻き付け工程、
巻き付けられ重なった該シート状物と該発泡シートとを、前記巻芯本体と前記一の補助筒の間、及び、前記巻芯本体と前記他の補助筒の間でそれぞれ切り離す切り離し工程
を含む巻芯の製造方法であることにある。
【0014】
さらに、本発明の要旨とするところは、1または複数の巻芯本体、帯形状のシート状物、片面に粘着剤または接着剤の層を備えた帯形状の発泡シート、を準備する工程、
前記巻芯本体を同軸に配し、同軸に配された該巻芯本体の長手方向両脇それぞれに補助筒を同軸に配し、該巻芯本体を該補助筒とともに軸回転させて、該シート状物を一の前記補助筒、前記巻芯本体、他の前記補助筒の各外周面にこの順で螺旋状に巻き付けつつ、巻き付けられた該シート状物を間にして前記発泡シートを螺旋状に巻き付ける巻き付け工程、
巻き付けられ重なった該シート状物と該発泡シートとを、前記巻芯本体と前記一の補助筒の間、及び、前記巻芯本体と前記他の補助筒の間でそれぞれ切り離す切り離し工程
を含み、
各前記巻芯本体及び各前記補助筒の両端部をそれぞれ支持手段で回転可能に支持し、
一の前記補助筒または前記巻芯本体に巻き付けた前記シート状物の巻終り側の側縁部が、該シート状物の巻付けの進行に従って該補助筒または該巻芯本体の巻終り側の端部を過ぎ、前記間隙を越えて、前記一の補助筒または前記巻芯本体に隣り合う他の前記補助筒または前記巻芯本体の巻始め側の端部に巻き付いた後であって、前記間隙において前記支持手段に接触する前に、前記シート状物または前記シート状物と該シート状物に重なる前記発泡シートとを、前記一の前記補助筒または前記巻芯本体の巻終り側の端部において第一のカッターで切るとともに該他の前記補助筒または前記巻芯本体の巻始め側の端部において第二のカッターで切る
ことによって一列に並べた複数の巻芯本体に連続的にシート材を巻き付けることを特徴とした巻芯の製造方法であることにある。
【0015】
さらに、本発明の要旨とするところは、巻芯本体の両側それぞれに同軸に配され該巻芯本体とともに軸回転する補助筒と
2枚のシート材を略同方向に供給するシート材供給手段と
を備え、
一の前記補助筒、前記巻芯本体、他の前記補助筒に、この順に帯形状のシート状物と片面に粘着剤または接着剤の層を備えた帯形状の発泡シートとを前記シート材供給手段により該巻芯本体の軸方向に対し斜めに供給しながら、該シート材供給手段を該巻芯本体の軸方向へ相対的に移動させることによって、前記シート状物と前記発泡シートとを該シート状物を内側にして該巻芯本体及び前記補助筒の外周面に螺旋状に巻き付けるようになされ、
さらに
巻き付けにより重ねられた前記シート状物と前記発泡シートを前記巻芯本体の巻始め側の端部で切る第一カッターと、
巻き付けにより重ねられた前記シート状物と前記発泡シートを前記巻芯本体の巻終わり側の端部で切る第二カッターとを備え、
前記一の補助筒の外周面に、前記シート状物を螺旋状に巻き付け、かつ、該シート状物を間にして前記発泡シートを螺旋状に巻き付け、該一の補助筒に巻き付けた該発泡シートの巻始め側の側縁部が、該発泡シートの巻付けの進行に従って該一の補助筒の巻終り側の端部を過ぎ前記巻芯本体の巻始め側の端部に巻き付いた後に、重ねられた前記シート状物と前記発泡シートを前記第一カッターで切り、前記巻芯本体に巻き付けた前記発泡シートの巻始め側の側縁部が、該発泡シートの巻付けの進行に従って該巻芯本体の巻終り側の端部を過ぎ前記他の補助筒の巻始め側の端部に巻き付いた後に重ねられた前記シート状物と前記発泡シートを前記第二カッターで切って前記シート状物と前記発泡シートとが巻き付けられた前記巻芯本体を前記補助筒から分離するようになした巻芯の製造装置であることにある。
【0016】
さらにまた、本発明の要旨とするところは、前記巻芯の製造方法に用いられる巻芯の製造装置であって、
前記1または複数の巻芯本体及び前記補助筒の両端部をそれぞれ回転可能に支持した状態で前記巻芯本体及び前記補助筒を一列に並べる複数の支持手段と、
2枚のシート材を略同方向に供給するシート材供給手段と
を備え、
一の前記補助筒、前記巻芯本体、他の前記補助筒に、この順に帯形状のシート状物と片面に粘着剤または接着剤の層を備えた帯形状の発泡シートとを前記シート材供給手段により該巻芯本体の軸方向に対し斜めに供給しながら、該シート材供給手段を該巻芯本体の軸方向へ相対的に移動させることによって、前記シート状物と前記発泡シートとを該シート状物を内側にして該巻芯本体及び前記補助筒の外周面に螺旋状に巻き付けるようになされ、
さらに、 前記巻芯本体及び前記補助筒のうち巻始め側の一の巻芯本体または前記補助筒と該一の巻芯本体または前記補助筒の巻終り側で前記支持手段を介して隣り合う他の巻芯本体または前記補助筒との間隙において、前記シート状物を該一の巻芯本体または前記補助筒の巻終り側の端部で切る第一のカッターと、
前記間隙において、前記シート状物を前記他の巻芯本体または前記補助筒の巻始め側の端部で切る第二のカッターと、を備え、
前記巻芯本体または前記補助筒のうち巻始め側の一の巻芯本体または前記補助筒の外周面に、前記間隙よりも大きい幅を有するシート状物と発泡シートを螺旋状に巻き付け、該一の巻芯本体または前記補助筒に巻き付けた該シート状物の巻終り側の側縁部が、該シート状物の巻付けの進行に従って該一の巻芯本体または前記補助筒の巻終り側の端部を過ぎ、前記間隙を越えて前記他の巻芯本体または前記補助筒の巻始め側の端部に巻き付いた後であって、前記間隙において前記支持手段に接触する前に、該シート状物材を前記第一のカッター及び第二のカッターで切ることによって、一列に並べた前記巻芯本体に連続的にシート材を巻き付けることを特徴とした巻芯の製造装置であることにある。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、端面段差痕跡発生の防止対策として巻芯本体周面にクッション層である発泡樹脂シートの層を備えた巻芯において、発泡樹脂シートを簡単な操作で交換できる巻芯が提供される。
【0018】
本発明によると、端面段差痕跡発生の防止対策として巻芯本体周面にクッション層である発泡樹脂シートの層を備えた巻芯において、発泡樹脂シートを簡単な操作で交換できる巻芯の効率的な製造方法が提供される。
【0019】
本発明によると、端面段差痕跡発生の防止対策として巻芯本体周面にクッション層である発泡樹脂シートの層を備えた巻芯において、発泡樹脂シートを簡単な操作で交換できる巻芯を効率的に製造する製造装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の巻芯の態様の一例を示す断面説明図である。
【図2】本発明の巻芯に用いられるシート状物の態様の一例を示す断面説明図である。
【図3】本発明の巻芯の他の態様の一例を示す断面説明図である。
【図4】本発明の巻芯に用いられるシート状物の他の態様の一例を示す断面説明図である。
【図5】本発明の巻芯を製造する方法の態様の一例を説明するための斜視模式図である。
【図6】本発明の巻芯を製造する方法の態様の他の一例を説明するための斜視模式図である。
【図7】本発明の巻芯を製造する方法のさらに他の態様の一例を説明するための斜視模式図である。
【図8】本発明の巻芯の構成の一例を示す説明図である。
【図9】本発明の巻芯の製造の工程の一例を示す工程説明図である。
【図10】本発明の巻芯の製造装置の態様の一例を示す概略平面図である。
【図11】図10に示す巻芯の製造装置におけるシート材供給手段の構成を説明する側面要部説明図である。
【図12】本発明の実施に用いる巻芯の製造装置の態様の他の一例を示す概略平面図である。
【図13】図12に示す巻芯の製造装置の概略側面図である。
【図14】図12に示す巻芯の製造装置の概略正面図である。
【図15】図12に示す巻芯の製造装置の支持手段のチャック部の作動状態を説明する断面図である。
【図16】図12に示す巻芯の製造装置の巻芯本体及び補助筒を支持した状態を示す概略正面図である。
【図17】図12に示す巻芯の製造装置による巻付け方法を説明する要部平面図である。
【図18】図12に示す巻芯の製造装置による巻付け方法を説明する要部平面図である。
【図19】図12に示す巻芯の製造装置による巻付け方法を説明する要部平面図である。
【図20】図12に示す巻芯の製造装置による巻付け方法を説明する要部側面図である。
【図21】図12に示す巻芯の製造装置による巻付け方法を説明する要部平面図である。
【図22】図12に示す巻芯の製造装置による巻付け方法を説明する要部平面図である。
【図23】図12に示す巻芯の製造装置の実施変形例による巻付け方法を説明する要部平面図である。
【図24】図12に示す巻芯の製造装置の第一のカッター及び第二のカッターの巻芯本体及び補助筒の周方向における配設位置を説明する要部側面図である。
【図25】図12に示す巻芯の製造装置の他の実施変形例の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示すように、本発明の巻芯2は、長尺帯状物を巻き取る巻芯であって、巻芯本体4の表面に剥離可能に積層された中間シート層13と中間シート層13の表面に、粘着剤または接着剤からなる接着層9を介して粘着または接着して積層された発泡層8とを備える。中間シート層13は、JIS
Z0237に準ずる巻芯本体4の表面を基面とする剥離強度が30N/25mm以下のシート状物からなる。これにより、本発明の巻芯2においては、中間シート層13と巻芯本体4の表面との間の接合力が微小、あるいは、ほとんどないあるいはまったくない中間シート層13が、発泡層8により被覆されて拘束され、巻芯構造が使用に耐えて安定に維持される。また、この構成により、中間シート層13は、中間シート層13へのこの被覆や巻き構造などの立体障害による拘束が解かれたときに(例えば、発泡層8と中間シート層13に共通の切れ目が入ったときなどに)巻芯本体4の表面から剥がしとることが可能であるような状態で積層されていることとなる。
【0022】
粘着剤は、室温の状態で、指圧程度の圧力で押えるだけで接着できるものであり、かつこれを被着物から引き剥がす場合痕跡を残すことなく除去できるものをいう。接着剤は、接着によって2個の材料を一体化することができるものをいう。接着は、2つの面が化学的な力または物理的な力またはその両者によって一体化された状態をいう。
【0023】
巻芯本体4は筒形、あるいは柱形であり、好ましくは円筒形であり、例えば材質がパルプである紙管や、樹脂製、金属製、あるいは樹脂と繊維とのコンポジットマテリアル製のものである。
【0024】
発泡層8は、樹脂発泡体からなる発泡シートの層であり、端面段差痕跡発生を防止するクッション層として機能する。
【0025】
樹脂発泡体としては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム等の発泡からなるシートや、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂のようなポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の発泡体などが挙げられる。
【0026】
本発明において樹脂発泡体がポリエチレン系樹脂発泡体である場合、樹脂組成にはとくに限定はなく、用途に応じて適宜選択して用いればよい。このポリエチレン系樹脂発泡体に用いうる樹脂としては、たとえばエチレン- プロピレン共重合体や前記エチレン- プロピレン共重合体にブテン-1をさらに共重合した三元共重合体などのポリエチレンと他のオレフィンとの各種共重合体、高圧法低密度ポリエチレン、低圧法高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレンや、エチレン- 酢酸ビニル共重合体、前記エチレン- 酢酸ビニル共重合体のケン化物、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル、エチレン-(メタ)アクリル酸- 無水マレイン酸三元共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル- 無水マレイン酸三元共重合体などが挙げられ、これらの樹脂は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0027】
本発明においてこのようなポリエチレン系樹脂発泡体が用いられる場合はその製造方法についてはとくに限定はなく、公知の製造方法を適用することができる。その具体例としては、たとえば発泡性樹脂組成物に分解型発泡剤を混合して押し出し機内に導入し、発泡剤を分解させて発泡する方法、発泡性樹脂組成物を押し出し機内に導入し、さらに押し出し機内に蒸発型溶剤を圧入して発泡させるいわゆる押し出し発泡法、発泡性樹脂組成物を分解型発泡剤と過酸化化合物の混合物とともに型内に充填して加圧加熱し、過酸化化合物を分解させて架橋し、さらに分解型発泡剤を分解させて同時に放圧して発泡とするいわゆるブロック発泡法、発泡性樹脂組成物を押し出し機内に導入し、シート状に成形したのち、電子線を照射または過酸化化合物を添加して架橋し、加熱発泡する常圧架橋発泡法などが挙げられる。
【0028】
発泡層8を構成する発泡シートの発泡倍率および厚さについてはとくに限定はなく、得られる巻芯の用途に応じて適宜選択すればよいが、発泡シートの発泡倍率は1.5〜50倍であることが適切なクッション性が得られて好ましい。また、発泡シートの厚みは0.1〜10mmであることが好ましい。
【0029】
なお、発泡シートの素材には、本発明の目的が阻害されない範囲内で、たとえば炭酸カルシウム、タルクなどの無機充填剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、多官能モノマーなどの各種助剤などが含有されてもよい。
【0030】
中間シート層13は、シート状物の層であり、発泡層8を巻芯本体4から離脱させるときに発泡層8と一体的に巻芯本体4から離脱する機能を有する。シート状物としては、非発泡樹脂フィルム、発泡樹脂フィルム、不織布、紙、編織物、ネット状物などが例示される。シート状物は樹脂含浸シート、貼り合わせシートなど異種の素材が複合された複合シートであってもよい。
【0031】
接着層9の素材である粘着剤または接着剤としては、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、フェノール系、シリコーン系などの公知の感圧型粘着剤やその他公知の接着剤などを用いることができる。この粘着剤または接着剤は発泡シート8をシート状物6に積層するまえに、予め発泡シート8の片面に塗布しておくことが好ましい。
【0032】
この粘着剤または接着剤は、発泡層8と中間シート層13の表面を剥離可能に接着できる粘着剤であってもよいが、剥離できないほど強固に接着されるような接着剤であっても使用可能である。
【0033】
この粘着剤または接着剤は、種々の方法で発泡層8を形成することとなる発泡樹脂シートの片面に塗布でき、例えば、接着剤又はその前駆体をエアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーターなどで発泡シートの片面に塗布し乾燥又は加熱する方法等が挙げられる。
【0034】
あるいは両面粘着テープにより接着層9が形成されてもよい。すなわち、発泡シートの裏面に両面粘着テープにより粘着剤または接着剤の層を形成したのちこの発泡シートを中間シート層13の表面に巻き付けてもよい。あるいは中間シート層13の表面に両面粘着テープにより粘着剤または接着剤の層を形成したのち発泡樹脂シート8を中間シート層13に巻き付けてもよい。
【0035】
シート状物としては非発泡樹脂フィルムが形態安定性と薄くて所定の強度を有するなどの点でさらに好ましい。非発泡樹脂フィルムの素材としては、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ4−メチルペンテン−1系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などが例示される。非発泡樹脂フィルムは、未延伸でもよいが、縦または横などの一軸方向または二軸方向に延伸されたフィルムであってもよい。
【0036】
旧来の、巻芯本体表面に直接に粘着剤を介して発泡シートが積層された巻芯にあっては、使用によりこの発泡シートが損傷され、あるいは老朽化した場合に発泡シートを交換のため巻芯本体から剥がすときに、剥がす操作でちぎれた発泡シートが巻芯本体表面に粘着したまま残留することが多く、また、トラブルで粘着剤の一部が巻芯本体表面に残留することもあり、このため、新しい発泡シートを巻芯本体に巻き付ける前に巻芯本体の表面をクリーニングすることが必要であった。
【0037】
これに対して、本発明の巻芯2にあっては、使用により発泡層8が損傷され、あるいは老朽化した場合に発泡層8を構成する発泡シートを交換のため巻芯本体から剥がすときに、ちぎれた発泡シートが巻芯本体表面に粘着したまま残留したり、粘着剤の一部が巻芯本体表面に残留したりすることがなく、新しい発泡シートを巻芯本体4に巻き付ける前に巻芯本体4の表面を旧来の巻芯のようにクリーニングする作業が不要である。従って、発泡層8を構成する発泡シートを中間シート層13とともに一体で巻芯本体4から剥がして、あらたに、新しい中間シート層13を形成することとなるシート状物と発泡層8を形成することとなる発泡シートとをこの順に巻芯本体4に巻き付けるという簡単な操作で発泡層8の交換を行うことができる。
【0038】
また、本発明においては、発泡層8を中間シート層13とともに一体で巻芯本体4から剥がす操作そのものも、従来の場合の発泡シートのみを巻芯本体から剥がす操作に比べてはるかに容易である。発泡層8を構成する発泡シートは柔軟性に富み、かつ低強度なのでシートの一端を掴んで一気に剥がすと途中で破れたりして一気に高速で剥がす操作がやりにくいが、発泡層8を中間シート層13とともに一体で巻芯本体4から剥がす場合は、この一体化によりある程度剛性があり、かつ高強度なので、巻芯本体4を包む、発泡層8と中間シート層13とが一体化したものに巻芯本体4の長手方向に切れ目を入れ、その切れ目部分の一端を掴んで一気に容易に高速で剥がすことが可能であり、剥がす操作が短時間かつ容易である。
【0039】
中間シート層13は巻芯本体4の表面と粘着も接着もせずに該表面に直接面接した層であってもよい。例えば樹脂フィルム、不織布、紙、編織物、ネット状物などの、巻芯本体4の表面と粘着も接着もしない性状のシート状物が巻芯本体4の表面と粘着または接着せずに該表面に直接巻き付けられたものであってもよい。あるいは、巻芯本体4の表面と粘着も接着もしない性状の熱収縮性の筒状フィルムを巻芯本体4に被せたのちにその筒状フィルムを熱収縮させた構成であってもよい。
【0040】
中間シート層13は、その内側面全面にわたって巻芯本体4の表面と粘着も接着もせずに該表面に直接面接した態様が剥がす操作が短時間かつ容易である点で最も好ましいが、巻芯の製造工程の円滑化のために、中間シート層13の内側面と巻芯本体4の表面とが、例えば巻芯本体4の端部、あるいは中間シート層13の継ぎ目の部分などにおいて、ごく限られた領域で部分的に粘着剤層を介して粘着されていてもよい。このような態様にあっても、中間シート層13は実質的には巻芯本体4の表面と粘着も接着もしない状態が得られ、上述の剥がす操作が短時間かつ容易であるという効果が得られる。本明細書においては、中間シート層13が巻芯本体4の表面と粘着も接着もせずに該表面に直接面接した層であることは、中間シート層13が巻芯本体4の表面と実質的に粘着も接着もせずに該表面に直接面接した層である場合も含む。
【0041】
さらには、中間シート層13が巻芯本体4の表面に剥離可能に粘着する粘着剤層を備え、粘着剤層を介して中間シート層13が巻芯本体4の表面に積層された態様であってもよい。図2に示すように、このような中間シート層13を形成するシート状物13aは、基材シート7の片面に粘着剤層10を備える。シート状物13aの、JIS Z0237に準ずるアクリル板に対する粘着力として測定した粘着力は0.1N/25mm以上4N/25mm以下であることが好ましい。粘着剤層10は中間シート層13の内側面の全面にわたって配されるように設けられてもよいが、内側面の一部分に配されるように設けられてもよい。
【0042】
粘着剤層10は強固な粘着力を有する必要はなく、中間シート層13を形成する工程でシート状物を例えば巻芯本体4に巻き付けるときに安定して巻き付け操作を行える程度の微粘着性の粘着力を有していればよい。すなわち、中間シート層13を構成するシート状物は微粘着性を有してもよい。この態様は、中間シート層13がシート状物を巻芯本体4に巻き付けることにより形成される場合に好ましい。この粘着力が大き過ぎると、中間シート層13を巻芯本体4から簡単に剥がすのが困難となる。粘着剤層10を備えるシート状物の、JIS Z0237に準ずるアクリル板に対する粘着力として測定した粘着力は0.1N/25mm以上4N/25mm以下であることが好ましい。
【0043】
図3に示すように、このような微粘着性のシート状物を用いた場合の本発明の巻芯2xは、巻芯本体4の周面に再剥離性の微粘着性粘着剤層22を裏面に備えたシート状物20が中間シート層13として巻き付けられ、巻き付けられたシート状物20の表面に発泡シート28が発泡層8として粘着剤または接着剤9を介して積層されている。
【0044】
このようなは微粘着性を有するシート状物としてはシート状物20の片面に微粘着性粘着剤層22となる再剥離性の微粘着性の粘着剤を塗付して形成することができる。再剥離性の微粘着性の粘着剤とは、被着体にこの粘着剤により貼着物を貼りつけた後、これを剥がした時に、被着体に粘着剤が残留せず、貼着物に粘着剤が残留して剥がすことができ、再度、この貼着物を被着体に貼着できる機能を有する粘着剤であり、JIS
Z0237に準ずるアクリル板に対する微粘着性を有するシート状物20の粘着力として測定した粘着力が0.1N/25mm以上4N/25mm以下であるものをいう。
【0045】
この微粘着性の粘着剤としては、再剥離性の粘着ラベルや再剥離性の粘着テープに用いられる粘着剤と同系統の粘着剤が使用できる。例示すれば、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、フェノール系、シリコーン系などの公知の再剥離性の感圧型粘着剤などを用いることができる。アクリル樹脂系粘着剤の具体例としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリルなどの単独重合体もしくは共重合体などが挙げられる。合成ゴム系粘着剤の具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、イソプレンゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの粘着剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0046】
微粘着性粘着剤層22は種々の方法で形成でき、例えば、微粘着性の再剥離性粘着剤又はその前駆体をエアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーターなどでシート状物20の裏面に塗布し乾燥又は加熱する方法等が挙げられる。
【0047】
微粘着性を有するシート状物は、非発泡樹脂フィルムの原料樹脂と、再剥離性の粘着層となる原料樹脂とを溶融共押し出し成型して得られた2層構造のフィルムであってもよい。あるいは、図4に示すように非発泡樹脂フィルム層40、基材層41、再剥離性の粘着層44がこの順に積層された多(3)層構造のフィルム46であってもよい。多(3)層構造のフィルム46はそれぞれの層を構成する原料樹脂を溶融共押し出し成型して得られる。このような構成のシート状物は、再剥離性の粘着層44の原料樹脂として非発泡樹脂フィルム層40の原料樹脂あるいは中間層を構成する樹脂と相溶性のある樹脂を用いることができ、そのような場合、非発泡樹脂フィルム層40の原料樹脂あるいは中間層を構成する樹脂と再剥離性の粘着層44との結合力が大きいので、シート状物を巻芯本体に巻き付けたのち剥がしたときに、再剥離性の粘着層44を構成する物質が巻芯本体の表面に一部残留して除去しにくいという現象が殆どなく、好ましい。
【0048】
例えば、非発泡樹脂フィルム層40の原料樹脂としてポリプロピレン樹脂を用いる場合、再剥離性の粘着層44の原料樹脂としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等の炭素原子数2〜12のα−オレフィンの単独又は共重合体が挙げられる。中でも、分岐のあるオレフィンが好ましく、特に4−メチル−1−ペンテンが好ましい。これらα−オレフィンの組み合わせからなるα−オレフィン共重合体としては、プロピレン、1−ブテン、及び、炭素原子数5〜12のα−オレフィンの3成分からなる共重合体を主材とする原料樹脂が例示される。
【0049】
非発泡樹脂フィルム層40の外側表面は非自着性であることが好ましい。この表面が非自着性であると、巻芯2xの製作に際し、この表面に発泡樹脂シート8を粘着剤または接着剤9を介して積層する操作が円滑になされ好ましい。非自着性フィルムは、JIS Z0237に準ずるアクリル板に対する樹脂フィルムの表面の粘着力として測定した値が、1N/25mm以下であるフィルムをいう。
【0050】
シート状物の厚さは特に限定されないが、シート状物が非発泡樹脂フィルムからなる場合は5〜60μmであることが好ましい。樹脂フィルムは薄すぎると巻芯本体4に巻き付けるときにしわになりやすい。厚すぎると巻芯本体4に巻き付けられたシート状物の隙間が顕在化しやすい。
【0051】
また、本発明においては、中間シート層13(図1)を構成するシート状物が非自着性のシートであってもよい。非自着性のシートは巻芯4に装着されたときに巻芯4と粘着も接着もしないが、そのようなシート状物の外側に接着剤6を介して発泡層8が積層された本発明の構造にあっては、発泡層8により中間シート層13が押さえられて中間シート層13がずれたり巻芯4から脱落することはない。非自着性のシート状物は(微)粘着性を有するシートに比べて製造しやすく、市場からの入手も容易でありこの点で好ましい。また、交換のため発泡層4を中間シート層13とともに巻芯4から剥がす操作が極めて容易である。
【0052】
非自着性のシート状物としては通常の非発泡樹脂フィルム、発泡樹脂フィルム、不織布、紙、編織物、ネット状物などを使用できる。この非自着性は、JIS Z0237に準ずるアクリル板に対するシート状物表面の粘着力として測定した値が、0.5N/25mm以下であることをいい、本明細書においてはこのような非自着性のものを被着物の表面と粘着も接着もしないものと称する。
【0053】
前述のように、従来のような、発泡シートのみが接着剤を介して巻芯本体4に巻き付けられてなる巻芯においては、発泡シートを交換のため巻芯本体4から剥がすときに、接着剤が一部巻芯本体4の表面に残留してしまう傾向がある。あるいは、発泡シートを構成する物質の一部が発泡樹脂シートから剥がれて接着剤と接合したまま巻芯本体4の表面に残留してしまう傾向がある。このため、新しい発泡シートを巻芯本体4に巻き付ける前に巻芯本体4の表面をクリーニングして、この残留している接着剤を除去する作業が必要であった。
【0054】
本発明においては、前述のように、発泡層8の交換時に巻芯本体4の表面に粘着剤やちぎれた発泡シートが残留していないのでこれらを除去する作業が不要であるが、さらに、発泡層8を中間シート層13とともに一体で巻芯本体4から剥がす操作そのものも、従来の場合の発泡シートのみを巻芯本体4から剥がす操作に比べてはるかに容易である。発泡シートは柔軟性に富み、かつ低強度なのでシートの一端を掴んで一気に剥がすと途中で破れたりして一気に高速で剥がす操作がやりにくいが、発泡層8を中間シート層13とともに一体で巻芯本体4から剥がす場合は、中間シート層13がある程度剛性がありかつ高強度高強度なので、発泡層8と中間シート層13とが粘着あるいは接着により一体化したシート状物に巻芯本体4の長手方向に切れ目を入れ、そのシート状物の切れ目部分の一端を掴んで一気に容易に高速で剥がすことが可能であり、剥がす操作が短時間かつ容易である。
【0055】
本発明の巻芯を製造する方法は特に限定されないが、巻芯本体4の周面にシート状物を巻き付けたのち、片面に接着層を備える発泡シートを巻きつけることにより製造することができる。
【0056】
本発明においては、巻芯にシート状物を巻き付けた後に発泡シートを巻き付けてもよいが、巻芯にシート状物を巻き付けつつ、巻き付いたシート状物を間にして発泡シートを巻き付けていってもよい。すなわち、巻芯にシート状物を巻き付けつつ、巻き付いたシート状物の表面に発泡シートを巻き付けていってもよい。いずれにしても、本発明においては、巻芯に、シート状物を巻き付け、かつ、巻き付けられたシート状物を間にして発泡シートを巻き付ける。
【0057】
この巻芯本体4へのシート状物の巻き付け、あるいはシート状物が巻き付けられた巻芯本体4への発泡シートの巻き付けの態様も特に限定されないが、例えば図5に示すように矩形のシート状物94aを継ぎ目98が巻芯本体4の長手方向と平行になるように巻芯本体4に巻き付けてもよい。シート状物が巻き付けられた巻芯本体4への発泡シートの巻き付けも矩形の発泡シートを用いて同様に行うことができる。このときシート状物の継ぎ目と発泡シートの継ぎ目とが巻芯本体4の径方向で合致しないようにする。図5に示す態様でシート状物を巻芯に巻き付けた上に帯形状の発泡シートを螺旋状に巻き付けてもよい。あるいは、帯形状のシート状物を巻芯に巻き付けた上に図5に示す態様で発泡シートを巻き付けてもよい。このとき、図6に示すように継ぎ目98の部分で、つきあわされたシート状物94aの端辺同士が両面粘着テープ片95を介して巻芯本体4の表面に粘着固定されてもよい。
【0058】
あるいはまた、図7に示すように巻芯本体4に平行四辺形のシート状物94bを継ぎ目98bが螺旋状になるように巻き付けてもよい。シート状物が巻き付けられた巻芯本体4への発泡シートの巻き付けも矩形の発泡シートを用いて同様に行うことができる。このときもシート状物の継ぎ目と発泡シートの継ぎ目とが巻芯本体4の径方向で合致しないようにする。
【0059】
巻芯本体4の周面に中間シート層13をシート状物の巻き付けにより形成するためには、帯状のシート状物を巻芯本体4の周面にできるだけ隙間なく螺旋状に巻き付けることが均一な層形成ができて好ましい。巻芯本体4に最外層としてクッション層としての発泡シートを巻き付けるためには、周面にシート状物が巻き付けられた巻芯本体4に帯状の発泡樹脂シートをできるだけ隙間なく螺旋状に巻きつけることが均一な層形成ができて好ましい。
【0060】
このとき、図8(1)に示すように帯状のシート状物64の螺旋の位相と帯状の発泡シート74の螺旋の位相をずらして、シート状物64の縁の螺旋96と、発泡シート74の縁の螺旋98とが重なり合わないようにすることが好ましい。あるいは、図8(2)に示すように、帯状のシート状物64の縁の螺旋96の巻き方向と帯状の発泡シート74の縁の螺旋98の巻き方向を異ならせてもよい。帯状のシート状物の幅と、帯状の発泡シートの幅とが異なるようにして帯状のシート状物の螺旋角と帯状の発泡シートの螺旋角を異ならせてもよい。
【0061】
また、本発明の巻芯は以下に説明する製造方法により効率よく製造することができる。
【0062】
本発明の巻芯の製造方法は、
巻芯本体、長尺帯形状のシート状物、片面に粘着剤または接着剤の層を備えた長尺帯形状の発泡シート、を準備する工程、
図9(1)に示すように巻芯本体4の長手方向両脇それぞれに巻芯本体4と略同径の補助筒60、62を不図示の連結部材を介して同軸に配し、巻芯本体4を補助筒60、62とともに軸回転させて、図9(2)に示す態様でシート状物64を一の補助筒60、巻芯本体4、他の補助筒62の各外周面にこの順で螺旋状に巻き付け、かつ、巻き付けられた該図9(3)シート状物を間にして発泡シート74を螺旋状に巻き付ける巻き付け工程、
図9(3)に示すように、巻き付けられ重なったシート状物64と発泡シート74を、巻芯本体4と一の補助筒60の間、及び、巻芯本体4と他の補助筒62の間でそれぞれ切り離す切り離し工程、を含んでなる。
【0063】
図9に示す本発明の態様においては、シート状物64を一の補助筒60、巻芯本体4、他の補助筒62の各外周面にこの順で螺旋状に巻き付けつつ、巻き付けられた該シート状物を間にして発泡シート74を螺旋状に巻き付けてもよい。すなわち、発泡シート74を、粘着剤または接着剤の層9(図1)を備えたがわの面をシート状物64の外側面に対面させてシート状物64に重ねて巻芯本体4に該順で螺旋状に巻き付けてもよい。あるいは、シート状物64を一の補助筒60、巻芯本体4、他の補助筒62の各外周面に、この順で螺旋状に巻き付けた後に、巻き付けられた該シート状物を間にして発泡シート74を螺旋状に巻き付けてもよい。すなわち、シート状物64を一の補助筒60、巻芯本体4、他の補助筒62の各外周面に、この順で螺旋状に巻き付けた後に、巻き付けられたシート状物64の表面に発泡シート74を螺旋状に巻き付けてもよい。
【0064】
この切り離し工程は、巻き付け工程が終了したのち巻芯本体4と補助筒60、62の回転を停止させて巻き付けられ重なったシート状物64と発泡シート74を上記所定の位置でカッター工具などで切断して行ってもよいが、図10に示す本発明の巻芯の製造装置55を用いて巻き付け工程の途上で切断を行い製造工程を効率化できる。
【0065】
巻芯の製造装置55は、
巻芯本体4の両側それぞれに同軸に配され巻芯本体4とともに軸回転する、巻芯本体4と略同径の補助筒60,62と、
2枚のシート材(シート状物64と発泡シート74)を略同方向に供給するシート材供給手段69と
を備える。
【0066】
巻芯本体4と補助筒60,62とは同軸に着脱可能に連結されている。
【0067】
巻芯本体4と補助筒60,62は回転駆動手段114により駆動される。回転駆動手段114はモータ141と、このモータ141の出力軸と補助筒60の支持軸33との間にプーリを介して掛け渡された駆動ベルト142と、から構成されている。
【0068】
一の前記補助筒60、巻芯本体4、他の前記補助筒62に、この順にシート材供給手段69により長尺帯形状のシート状物64と、片面に粘着剤または接着剤の層を備えた長尺帯形状の発泡シート74を、巻芯本体4の軸方向に対し斜めに供給しながら、シート材供給手段69を巻芯本体4の軸方向へ相対的に移動させることによって、シート状物64と発泡シート74とをシート状物64を内側にして巻芯本体4及び補助筒60,62の外周面に螺旋状に巻き付けるようになされている。
【0069】
このために、シート材供給手段69は、長尺帯形状のシート状物64が予め巻込まれたリール部11aと、リール部11aから繰り出されたシート状物64を案内するガイドローラ12aとを備えており、シート状物64を巻芯本体4の軸方向に対し所定角度で斜めに供給する。また、シート材供給手段69は、長尺帯形状の発泡シート74が予め巻込まれたリール部11bと、リール部11bから繰り出された発泡シート74を案内するガイドローラ12bとを備えており、発泡シート74を巻芯本体4の軸方向に対し所定角度で斜めに供給する。
【0070】
リール部11aとリール部11bとは共通の移動フレーム102に固定されていて互いに同期して移動手段104により移動する。
【0071】
移動手段104は、送りねじ機構121と、この送りねじ機構121のねじ軸122を回転させるモータ123とを備えており、シート材供給手段69を、巻芯本体4の軸回転と同期させて巻芯本体4の軸方向へ平行移動させる。
【0072】
このことで本実施形態の巻芯の製造装置55は、軸回転する巻芯本体4の外周面に、シート材供給手段69によってシート材(シート状物64と発泡シート74)を同一角度で斜めに供給しながら、シート材供給手段69を移動手段104で平行移動させることによって、巻芯本体4の外周面にシート状物64と発泡シート74を螺旋状に巻き付けてゆく。本実施形態の巻芯の製造装置55は、図10に示すように、巻芯本体4の外周面に、図面に向って左側からシート材を巻き始め、図面の右側で巻き終えるように構成されている。従って、図10において、図面左側が巻芯の製造装置55における「巻始め側」となり、図面右側が「巻終り側」となる。
【0073】
巻芯の製造装置55は、さらに、一の補助筒60と、一の補助筒60に隣り合う巻芯本体4との間で、巻き付けにより重ねられたシート状物64と発泡シート74を巻芯本体4の巻始め側の端部E1で切る第一カッター90と、巻芯本体4と、巻芯本体4と隣り合う他の補助筒62との間で、巻き付けにより重ねられたシート状物64と発泡シート74を巻芯本体4の巻終わり側の端部E2で切る第二カッター92と、を備える。
【0074】
補助筒60,62に巻き付けられたシート材は切れ端となる。
【0075】
一の補助筒60の外周面に、幅Wを有するシート状物64を螺旋状に巻き付け、さらに巻き付けられたシート状物64を間にして幅Wの発泡シート74を螺旋状に巻き付け、一の補助筒60に巻き付けた発泡シート74の巻始め側の側縁部L1が、発泡シート74の巻付けの進行に従って一の補助筒60の巻終り側の端部を過ぎ、巻芯本体4の巻始め側の端部E1に巻き付いた後に、重ねられたシート状物64と発泡シート74を第一カッターで切り、巻芯本体4巻き付けた発泡シート74の始め側の側縁部L1が、発泡シート74の巻付けの進行に従って巻芯本体4の巻終り側の端部を過ぎた後に、重ねられたシート状物64と発泡シート74を第二カッター92で切ることによって、シート状物64と発泡シート74とが巻き付けられた巻芯本体4を補助筒60、62から分離する。
【0076】
第一カッター90は、巻芯本体4の巻始め側の端部E1でシート材(重ねられたシート状物64と発泡シート74)を切る位置に設けられ、第二カッター92は、巻芯本体4の巻終わり側の端部E2でシート材を切る位置に設けられている。
【0077】
第一カッター90及び第二カッター92は、巻芯本体4の外周面に対し進退移動可能に設けられている。例えば、不図示の揺動可能なレバーに第一カッター90が、不図示の揺動可能な他のレバーに第二カッター92が固定されている。あるいは、不図示の揺動可能な1のレバーに第一カッター90と第二カッター92が固定されている。このレバーを起倒させることによって、第一カッター90及び第二カッター92を巻芯本体4の外周面に対し進退移動させることができ、必要時にシート材をそれぞれの位置で巻芯本体4の回転中に切ることができる。
【0078】
なお、シート材供給手段69は、シート状物64と発泡シート74とを同時に略同方向に巻き付け対象(巻芯本体4、補助筒60、62)に供給するものであり、かつ巻き付けられたシート状物64の螺旋の位相と、巻き付けられた発泡シート74の螺旋の位相とが合致しないように略平行に巻き付け対象に供給するものである。図11にリール部11a、リール部11b、ガイドローラ12a、ガイドローラ12b、巻芯本体4、第一カッター90、第二カッター92の側面の配置関係を示す。符号65aはリール部11aのリール芯、符号65bはリール部11bのリール芯である。
【0079】
シート状物64や発泡シート74がリール芯65aやリール芯65bに巻かれたときに相接するシート間で粘着しないように剥離紙を用いてリール芯に巻かれている場合は、シート材供給手段69は不図示の剥離紙引き取り手段を備えて、シート状物64や発泡シート74が送り出されるにつれてこの剥離紙引き取り手段により剥離紙が引き取られる。
【0080】
また、補助筒60は、シート状物64の巻きはじめの長手方向先端部分を巻き付け開始前に補助筒60の周面またはその上方近傍に着脱可能に固定する不図示の固定手段を備えることが好ましい。この固定手段はクリップ、ネジ止め、係止などの機械的固定手段であってもよいが、両面粘着テープを周面に貼り付けることにより得られる粘着性の層からなるものが構造や操作が簡易であり好ましい。
【0081】
さらに、補助筒62は、シート状物64の巻き終わりの部分を巻き付けられたときに補助筒62の周面に着脱可能に粘着させて固定する不図示の固定手段を備えることが好ましい。この固定手段としては、両面粘着テープを周面に貼り付けることにより得られる粘着性の層からなるものが構造や操作が簡易であり好ましい。
【0082】
また、本発明の巻芯は以下に説明する図12に示す巻芯の製造装置55aを用いてさらに効率よく製造することができる。
【0083】
本発明の巻芯の製造装置55aは、
巻芯本体4の両側それぞれに同軸に配され巻芯本体4とともに軸回転する、巻芯本体4と略同径の補助筒60,62と、
2枚のシート材(シート状物64と発泡シート74)を略同方向に供給するシート材供給手段69と
補助筒60,62及び複数の巻芯本体4(以下それぞれを筒材Pとも称する)の両端部をそれぞれ回転可能に支持した状態で、筒材Pを同心状態で一列に並べる複数の支持手段3A〜3Eと、これら支持手段3A〜3Eで支持した筒材Pを一斉に軸回転させる回転駆動手段104と、このシート材供給手段69を筒材Pの軸方向へ移動させる移動手段102と、筒材Pの外周面に巻き付けたシート材Sを各支持手段3B〜3Eの位置で切る複数の第一のカッター5及び第二のカッター6と、を備えている。シート材Sは長尺帯形状のシート状物64と、片面に粘着剤または接着剤の層を備えた長尺帯形状の発泡シート74とが平行に配されて一部幅方向に重なった状態のものである。
【0084】
本実施形態では、図12に示すように、支持手段3A〜3Eによって、計2本の比較的に長い長筒材P1(巻芯本体4)を中程部に並べ、その両端に計2本の比較的に短い短筒材P2(補助筒60,62)を並べているが、実施形態は勿論これに限定されるものではない。支持手段の数を増減することによって、例えば、中程部に3本以上の長筒材P1を並べ、その両端に計2本の短筒材P2を並べてもよい。本実施形態において、中程部の長筒材P1には、その外周面の全面にシート材Sが巻き付けられるのに対し、両端の短筒材P2には、その外周面の一部にのみシート材Sが巻き付けられる。これら両端の短筒材P2に巻き付けられたシート材Sは切れ端となる。
【0085】
巻芯本体4と筒材Pは回転駆動手段114により駆動される。回転駆動手段114はモータ141と、このモータ141の出力軸と補助筒60の支持軸33との間にプーリを介して掛け渡された駆動ベルト142と、から構成されている。
【0086】
一の前記補助筒60、巻芯本体4、4、他の前記補助筒62に、この順にシート材供給手段69によりシート材Sを、巻芯本体4の軸方向に対し斜めに供給しながら、シート材供給手段69を巻芯本体4の軸方向へ相対的に移動させることによって、シート材Sをシート状物64を内側にして筒材Pの外周面に螺旋状に巻き付けるようになされている。
【0087】
このために、シート材供給手段69は、長尺帯形状のシート状物64が予め巻込まれたリール部11aと、リール部11aから繰り出されたシート状物64を案内するガイドローラ12aとを備えており、シート状物64を巻芯本体4の軸方向に対し所定角度で斜めに供給する。また、シート材供給手段69は、長尺帯形状の発泡シート74が予め巻込まれたリール部11bと、リール部11bから繰り出された発泡シート74を案内するガイドローラ12bとを備えており、発泡シート74を巻芯本体4の軸方向に対し所定角度で斜めに供給する。
【0088】
リール部11aとリール部11bとは共通の移動フレーム102に固定されていて互いに同期して移動手段104により移動する。
【0089】
移動手段104は、送りねじ機構121と、この送りねじ機構121のねじ軸122を回転させるモータ123とを備えており、シート材供給手段69を、巻芯本体4の軸回転と同期させて巻芯本体4の軸方向へ平行移動させる。
【0090】
このことで本実施形態の巻芯の製造装置55aは、軸回転する筒材Pの外周面に、シート材供給手段69によってシート材Sを同一角度で斜めに供給しながら、シート材供給手段69を移動手段104で平行移動させることによって、筒材Pの外周面にシート材Sを螺旋状に巻き付けてゆく。本実施形態の巻芯の製造装置55aは、図12に示すように、筒材Pの外周面に、図面に向って左側からシート材を巻き始め、図面の右側で巻き終えるように構成されている。従って、図12において、図面左側が巻芯の製造装置55aにおける「巻始め側」となり、図面右側が「巻終り側」となる。図14〜図19、図21、図22、図25においても同様である。
【0091】
支持手段3A〜3Eはそれぞれ、図14及び図15に示すように、基台207上に配設された支持フレーム31と、支持フレーム31の上端部にベアリング32を介して回転自在に軸受けされた円筒状の支持軸33と、支持軸33の端部に設けられ、筒材Pの端部の筒内面を保持するチャック部34と、を備えている。本実施形態では、基台207上に計5つの支持手段3A〜3Eが一列に配設されている。これら支持手段3A〜3Eのうち、最も左側(巻始め側)に位置する支持手段3Aは、その支持軸33の片側の端部にのみチャック部34が設けられており、その他の支持手段3B〜3Eは、その支持軸33の両側の端部に一対のチャック部34が設けられている。
【0092】
チャック部34は、図15に示すように、支持軸33の筒内に軸方向へ進退移動可能に設けられたピストン341と、ピストン341を後退方向へ付勢するコイルばね342と、ピストン341の先端に固定された移動片343と、支持軸33の外面に固定された固定片345と、移動片343のテーパ面344と固定片345のテーパ面346との間に配設されたC字形状のチャック片347と、チャック片347の外周溝に嵌合されたOリング348と、から構成されている。
【0093】
このチャック部34は、図15中の一点鎖線の左側に図示するように、コイルばね342の付勢力fでピストン341を後退させ、移動片343のテーパ面を固定片345のテーパ面に接近させて両テーパ面でチャック片347を支持軸33の径方向外側へ押し出すことによって、チャック片347で筒材Pの筒内面を保持する。一方、図15中の一点鎖線の右側に図示するように、配管135を通じて支持軸33の筒内に圧縮空気Aを供給し、その空気圧aによってピストン341をコイルばね342に抗して前進させ、移動片343のテーパ面を固定片345のテーパ面から離反させることによって、チャック片347の支持軸33の径方向内側への移動を許容し、チャック片347による筒材Pの保持を解除する。なお、図15では、筒材Pを保持固定した状態を、同図の一点鎖線の左側に図示し、また、筒材Pの保持固定を解除した状態を一点鎖線の右側に図示しているが、支持手段3B〜3Eの一対のチャック部34は、圧縮空気Aの供給の有無に応じて同時に作動する。
【0094】
また、図14に示すように、支持手段3B〜3Eの支持フレーム31は、筒材Pの軸方向に往復移動可能に設けられている。即ち、基台207上には、筒材Pの軸方向と平行なガイドレール311が敷設されており、ガイドレール311に沿って移動するスライダ312上にベース313が固定され、このベース313上に支持フレーム31が立設されている。そして、ガイドレール311の所要位置にステー314が固定され、このステー314に流体圧シリンダ315が設けられ、この流体圧シリンダ315の進退ロッドが上記ベース313に連結されている。
【0095】
この流体圧シリンダ315の進退ロッドを進退縮させることによって、各支持手段3B〜3Eの支持フレーム31を筒材Pの軸方向に往復移動させる。このことで、図14及び図16に示すように、支持手段3A〜3E間にそれぞれ、筒材Pを簡単に装着することが可能となり、各筒材Pの両端部を支持手段3A〜3Eで回転可能に支持した状態で、複数の筒材Pを同心状態で一列に並べることができる。なお、図16に示すように、支持手段3A〜3Eによって複数の筒材Pを一列に並べたとき、巻始め側の一の筒材Pとこの一の筒材Pの巻終り側で隣り合う他の筒材Pとの間には、各支持手段3B〜3Dによる間隙Gが生じる。
【0096】
また、各支持手段3B〜3Eは、そのステー314がガイドレール311に沿って位置調節可能に固定されている。したがって、各筒材Pの長さに応じてステー314の固定位置を適宜調節することができ、筒材Pの長さ変更にも簡単に対応することができる。
【0097】
回転駆動手段4は、図16に示すように、基台207上に設けられたモータ141と、このモータ141の出力軸と支持手段3Aの支持軸33との間にプーリを介して掛け渡された駆動ベルト142と、から構成されている。本実施形態では、各支持手段3A〜3Eにおいて、回転自在に軸受けされた支持軸33のチャック部34によって筒材Pの両端が保持固定されるので、最も巻始め側に位置する支持手段3Aの支持軸33をモータ141で回転駆動させることによって、一列に並べられた複数の筒材Pを一斉に軸回転させることができる。勿論、支持手段3Aの支持軸33だけでなく、その他の支持手段3B〜3Eの支持軸をも回転駆動させてもよい。
【0098】
第一のカッター5及び第二のカッター6は、図13に示すように、各支持手段3B〜3Eに設けられており、筒材Pの外周面に巻き付けたシート材Sが各支持手段3B〜3Eの支持フレーム31と接触しないようにシート材Sを切る。第一のカッター5は、巻始め側の一の筒材Pの巻終り側の端部E1でシート材Sを切る位置に設けられ、第二のカッター6は、巻終り側の他の筒材Pの巻始め側の端部E2でシート材Sを切る位置に設けられている。
【0099】
第一のカッター5及び第二のカッター6は、図13に示すように、筒材Pの外周面に対し進退移動可能に設けられている。即ち、各支持手段3B〜3Eのベース313にレバー51が揺動可能に設けられており、レバー51に第一のカッター5及び第二のカッター6が固定されている。このレバー51を起倒させることによって、第一のカッター5及び第二のカッター6を筒材Pの外周面に対し進退移動させることができ、必要時にシート材Sをそれぞれの位置で切ることができる。
【0100】
以下、本実施形態の巻芯の製造装置55aによるシート材の巻付け方法について説明する。
【0101】
まず、図14に示すように、支持手段3B〜3Eの各支持フレーム31を順に進退移動させ、各チャック134を作動させることによって、複数の筒材Pを、各筒材の両端部をそれぞれ支持手段3A〜3Eで回転可能に支持しながら一列に並べる。
【0102】
次に、図12に示すように、一列に並べた複数の筒材Pのうち、巻始め側の一の筒材Pの外周面上に、筒材P同士の間隙Gよりも大きい幅Wsを有するシート材Sを螺旋状に巻き付ける。
【0103】
そして、図17に示すように、巻始め側の一の筒材Pの外周面へのシート材Sの巻付けを進行させ、図18に示すように、シート材Sの巻終り側の側縁部L1が、一の筒材Pの巻終り側の端部E1を過ぎ、間隙Gを越えて、他の筒材Pの巻始め側の端部E2に巻き付いた後(図18中の符号B参照)、このシート材Sをその巻終り側の側縁部L1から、一の筒材Pの巻終り側の端部E1において第一のカッター5で切り始める(図18中の符号C参照)。なお、図中、符号L2で指示するものは、シート材Sの巻始め側の側縁部である。
【0104】
そして、そのままシート材Sの巻付けを進行させ、図19に示すように、シート材Sの巻終り側の側縁部L1を、さらに他の筒材Pの巻始め側の端部E2において第二のカッター6で切り始める(図19中の符号D参照)。このようにシート材Sの巻終り側の側縁部L1を第一のカッター5及び第二のカッター6でそれぞれ切ることによって、図20に示すように、シート材Sの切れ端Tを筒材Pから離すことができ、シート材Sが間隙Gにおいて支持手段3B〜3Eの支持フレーム31と接触して巻付け作業が阻害されることがない。
【0105】
そして更に、図21に示すように、シート材Sを第一のカッター5及び第二のカッター6で切りながらシート材Sの巻付けを進行させれば、図22に示すように、巻芯の製造装置55aを停止させることなくそのまま、シート材Sを巻終り側の他の筒材Pの外周面上に巻き付けることができる。こうして、一列に並べた複数の筒材Pにシート材Sを連続的に巻き付けてゆく。
【0106】
巻芯の製造装置55aにおいては、筒材Pの外周面上にシート材Sを螺旋状に巻き付けるとき、シート材Sと共に不図示の両面テープを巻き付けることによって、シート材Sを筒材Pの外周面に巻き付けるようにしてもよいが、予め筒材Pの外周面に粘着層を形成しておき、この粘着層上にシート材Sを巻き付けるようにしてもよい。例えば、図23に示すように、筒材Pの巻始め側の端部及び巻終り側の端部の周面に、剥離可能な粘着剤の層を備える両面粘着テープ210を予め巻き付けておくことが、これら端部における筒材Pへの、シート状物64の巻き付け操作時の巻き付けを確実にするうえで好ましい。この両面粘着テープ210は巻芯使用後にシート材Sとともに巻芯本体から容易に剥離させて除去することができる。
【0107】
このような両面粘着テープ210の使用は、シート状物64として非粘着性のシート状物を用いる場合の端部における筒材Pへの、シート状物64の巻き付け操作時の巻き付けを確実にするので、シート状物64として微粘着性のシート状物を使用する必要がなく、フィルムや紙や不織布のような汎用的なシート材をシート状物として用いることができて、シート状物64の材料コストの節約のうえで好ましい。
【0108】
このように本実施形態のシート材の巻付け方法および巻芯の製造装置55aによれば、複数の支持手段3A〜3Eによって複数の筒材Pを一列に並べ、これら複数の筒材P同士の間隙Gにおいてシート材Sを第一のカッター5及び第二のカッター6で切りながら、シート材Sを螺旋状に巻き付けるようにしているので、間隙Gにおいてシート材Sが各支持手段3B〜3Dの支持フレーム31に接触することがなく、一列に並べた複数の筒材Pにシート材Sを連続的に巻き付けてゆくことができる。したがって、シート材を筒材に一本ごとに巻き付けてゆく場合に比べ、より均一な巻付け条件でシート材を各筒材に巻き付けてゆくことができ、また、シート材の巻始め側及び巻終り側における切れ端の無駄をより少なくすることができる。
【0109】
しかも、本実施形態のシート材の巻付け方法および巻芯の製造装置55aによれば、図18に示すように、巻始め側に位置する一の筒材Pの外周面に巻き付けたシート材Sの巻終り側の側縁部L1が、巻終り側に位置する他の筒材Pの巻始め側の端部E2に巻き付いた後に、第一のカッター5で側縁部L1を一の筒材Pの巻終り側の端部E1において切るようにしているので、シート材Sを他の筒材Pの外周面に巻き付ける際、シート材Sの張力等が変動することもなく、複数の筒材Pに亘ってより均一な巻付け条件でシート材Sを巻き付けてゆくことができる。
【0110】
また、本実施形態のシート材の巻付け方法および巻芯の製造装置55aによれば、支持手段3A〜3Eによって各筒材Pごとにその両端部を支持しているので、複数の筒材Pをより正確に同心状態で一列に並べることができる。したがって、例えば複数の筒材を各筒材に心棒を挿し通して一列に並べる場合のように、心棒が複数の筒材の重量によって撓んでしまって同心状態が損なわれるといった問題もなく、本発明によれば、複数の筒材Pに亘ってより均一な巻付け条件でシート材Sを巻き付けてゆくことができる。
【0111】
更にまた、本実施形態のシート材の巻芯の製造装置55aにあっては、支持手段3B〜3Eの支持フレーム31が、筒材Pの軸方向に進退移動可能に設けられているので、複数の筒材Pを迅速かつ正確に一列に並べることができ、シート材Sの巻付け作業を能率良く行うことができる。
【0112】
以上、本実施形態のシート材の巻付け方法および巻芯の製造装置55aについて説明したが、本発明はその他の形態でも実施することができる。
【0113】
例えば、上記実施形態では、第一のカッター5及び第二のカッター6を、図19に示すように筒材Pの軸方向において間隙Gと同じ間隔をあけ、かつ、図20に示すように筒材Pの周方向において同じ位置に配設しているが、本発明はこれに限定されるものではない。第一のカッター5は、図18に示すように、一の筒材Pの外周面に巻き付けたシート材Sの巻終り側の側縁部L1が、巻終り側に位置する他の筒材Pの巻始め側の端部E2に巻き付いた後であって、この側縁部L1が一の筒材Pの巻終り側の端部E1付近において支持手段3B〜3Eの支持フレーム31に接触する前に、この側縁部L1を一の筒材Pの巻終り側の端部E1で切る位置に設けられていればよい(図24中の範囲R5参照)。他方、第二のカッター6は、図18に示すように、一の筒材Pの外周面に巻き付けたシート材Sの巻終り側の側縁部L1が、巻終り側に位置する他の筒材Pの巻始め側の端部E2に巻き付いてからしばらく筒材Pが回転した後であって、この側縁部L1が他の筒材Pの巻始め側の端部E2付近において支持手段3B〜3E(図12、図13)の支持フレーム31(図13)に接触する前に、この側縁部L1を他の筒材Pの巻始め側の端部E2で切る位置に設けられていればよい(図24中の範囲R6参照)。このように第一のカッター5及び第二のカッター6は、必ずしも筒材Pの周方向において同じ位置に配設されている必要はない。
【0114】
また、図25に示す支持手段3Fのように、各支持手段を基台207に対し着脱自在に構成してもよい。このことで、一列に並べる筒材Pの本数に応じて、基台207に配設する支持手段の数を適宜増減させることができ、筒材Pの本数の変更にも簡単に対応することができる。
【0115】
また、上記実施形態では、移動手段2によってシート材供給手段69を筒材Pに対して移動させるようにしているが、シート材供給手段69に対して筒材Pをその軸方向へ移動させるべく、各支持手段3A〜3Eを筒材Pの軸回転と同期させて筒材Pの軸方向へ平行移動させるようにしてもよい。
【0116】
なお、シート材供給手段69は、シート状物64と発泡シート74とを同時に略同方向に巻き付け対象(巻芯本体4、補助筒60、62)に供給するものであり、かつ巻き付けられたシート状物64の螺旋の位相と、巻き付けられた発泡シート74の螺旋の位相とが合致しないように略平行に巻き付け対象に供給するものである。
【0117】
シート状物64や発泡シート74がリール芯65aやリール芯65bに巻かれたときに相接するシート間で粘着しないように剥離紙を用いてリール芯に巻かれている場合は、シート材供給手段69は不図示の剥離紙引き取り手段を備えて、シート状物64や発泡シート74が送り出されるにつれてこの剥離紙引き取り手段により剥離紙が引き取られる。
【0118】
また、補助筒60は、シート状物64の巻きはじめの長手方向先端部分を巻き付け開始前に補助筒60の周面またはその上方近傍に着脱可能に固定する不図示の固定手段を備えることが好ましい。この固定手段はクリップ、ネジ止め、係止などの機械的固定手段であってもよいが、両面粘着テープを周面に貼り付けることにより得られる粘着性の層からなるものが構造や操作が簡易であり好ましい。
【0119】
さらに、補助筒62は、シート状物64の巻き終わりの部分を巻き付けられたときに補助筒62の周面に着脱可能に粘着させて固定する不図示の固定手段を備えることが好ましい。この固定手段としては、両面粘着テープを周面に貼り付けることにより得られる粘着性の層からなるものが構造や操作が簡易であり好ましい。
【0120】
なお、長尺帯形状のシート状物64が非自着性のシートである場合、補助筒60、62に限らずすべての筒材Pの少なくともシート材Sの移動方向の上流側の端部周面には、カッター5,6による切断時のシート状物64との一時的な接合を確保するため、粘着性の層を設けることが必要である。このための粘着性の層はすべての筒材Pの両端部周面に設けられることが好ましい。この粘着性の層は例えばシートSの巻き付け開始前に、筒材Pの端部周面に剥離可能な粘着テープを貼り付けることにより、形成することができる。
【0121】
また、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づいて種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得る。また、同一の作用又は効果を奏する範囲内でいずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良く、また、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成したり、複数の部材から構成されている発明特定事項を一体に構成した形態で実施してもよい。
【実施例1】
【0122】
巻芯本体として外径92mm、内径76mm、長さ400mmのABS製の筒形状物を用いた。
【0123】
中間シート層13を形成するシート状物として図4に示す非発泡樹脂フィルム層40、基材層41、再剥離性の粘着層44がこの順に積層された3層構造のフィルム46を用いた。用いたフィルム46は厚さ40μmのポリプロピレンベース共押出2軸延伸多層フィルム(フタムラ化学社製:SAF−100B)である。このフィルムの粘着層がわの粘着力は、1N/25mmであった。このフィルムの非発泡樹脂フィルム層40がわの面の自着力は0.1N/25mm以下であった。発泡層8を形成する発泡シートとして厚さ1mm、発砲倍率10倍のポリエチレン発泡シート(商品名:トーレペフ)を用い、片面に予め粘着剤(商品名:東洋インキ社製のアクリル系樹脂粘着剤)を塗付した(塗付量:32g/m)。
【0124】
図10に示すと同様の装置を用いて上記巻芯本体に幅120mmの帯状の上記シート状物を粘着面を内側にして螺旋状に巻き付けた。このシート状物に幅100mmの帯状の上記ポリエチレン発泡シートを、粘着剤を内側にして螺旋状に巻き付けてクッション層である発泡層8を形成し巻芯を得た。シート状物、発泡シートとも巻芯本体に強固に保持されており、巻芯の使用中に剥離することはなかった。巻芯を繰り返し3回使用したのち上記ポリエチレン発泡シートをシート状物とともに巻芯の長手方向に切れ目を入れたのち切れ目の部分の端部から一体的に剥がした。剥離操作は円滑に行われ、剥離後の巻芯本体の表面には粘着剤の痕跡が認められなかった。
【実施例2】
【0125】
中間シート層13を形成するシート状物として幅は10cmの帯形状の、厚さ30μmのポリエチレンフィルムを用いたほかは実施例1と同様にして巻芯を得た。このとき、発泡シートの幅も10cmとし、同方向に巻き付けた。また、螺旋の位相をシート状物と発泡シートとで7cmずらせた。シート状物、発泡シートとも巻芯本体に強固に保持されており、巻芯の使用中に剥離することはなかった。巻芯を繰り返し3回使用したのち上記ポリエチレン発泡シートをシート状物とともに巻芯の長手方向に切れ目を入れたのち切れ目の部分の端部から一体的に剥がした。剥離操作は円滑に行われた。当然ながら剥離後の巻芯本体の表面には粘着剤の痕跡が認められなかった。
【0126】
[比較例]
実施例に用いたと同様の、粘着剤付きのポリエチレン発泡シートを直接実施例に用いたと同様の巻芯本体に巻き付けクッション層を形成し巻芯を得た。クッション層は巻芯本体に強固に接合されており、巻芯の使用中に剥離することはなかった。巻芯を繰り返し3回使用したのちクッション層であるこのポリエチレン発泡シートを剥がした。剥がす途中でポリエチレン発泡シートが破れたりして剥離操作は円滑に行われず剥がしにくかった。剥離後の巻芯本体の表面には上記粘着剤の痕跡が多数認められ、再使用に際しては巻芯本体の表面の粘着剤を取り除くクリーニング作業が必要であった。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明の巻芯は、巻きはじめのシート端が段差として巻かれたシートに転写され端面段差痕跡となるトラブルを解消できるので、各種フィルムや紙用の巻芯として好適に使用することができる。とくには、液晶ディスプレイ用などの光学フィルムやプリント基盤用の銅貼りフィルム等の電子機器用フィルムや印刷用紙や電池用のセパレータシートなどに用いる巻芯として好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0128】
2,2x:巻芯
4:巻芯本体
8:発泡層
9:接着層
13:中間シート層
13a,20,64:シート状物
22:微粘着性粘着剤層
55:巻芯の製造装置
60,62:補助筒
28,74:発泡シート
69:シート材供給手段
90:第一カッター
92:第二カッター
104:移動手段
114:回転駆動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺帯状物を巻き取る巻芯であって、巻芯本体の表面に剥離可能に積層された中間シート層と該中間シート層の外側面に粘着または接着して積層された発泡層とを備える巻芯。
【請求項2】
前記中間シート層が前記巻芯本体の表面と粘着も接着もせずに該表面に直接面接した層である請求項1に記載の巻芯。
【請求項3】
前記中間シート層が前記巻芯本体の表面に剥離可能に粘着する粘着剤層を介して前記巻芯本体表面に積層された請求項1に記載の巻芯。
【請求項4】
前記中間シート層が、帯形状のシート状物を前記巻芯本体に特定の螺旋角で螺旋状に周回させてなり、前記発泡層が、帯形状の発泡シートを前記シート状物を間にして前記巻芯本体に前記特定の螺旋角と同じ螺旋角で螺旋状に周回させてなり、互いの螺旋の位相がずれて、周回する前記シート状物の縁と、周回する前記発泡シートの縁とが合致しないようになした請求項1から3のいずれか1項に記載の巻芯。
【請求項5】
巻芯本体、帯形状のシート状物、片面に粘着剤または接着剤の層を備えた帯形状の発泡シート、を準備する工程、
前記巻芯本体の長手方向両脇それぞれに補助筒を同軸に配し、該巻芯本体を該補助筒とともに軸回転させて、該シート状物を一の前記補助筒、前記巻芯本体、他の前記補助筒の各外周面にこの順で螺旋状に巻き付け、かつ、巻き付けた該シート状物を間にして前記発泡シートを螺旋状に巻き付ける巻き付け工程、
巻き付けられ重なった該シート状物と該発泡シートとを、前記巻芯本体と前記一の補助筒の間、及び、前記巻芯本体と前記他の補助筒の間でそれぞれ切り離す切り離し工程
を含む巻芯の製造方法。
【請求項6】
1または複数の巻芯本体、帯形状のシート状物、片面に粘着剤または接着剤の層を備えた帯形状の発泡シート、を準備する工程、
前記巻芯本体を同軸に配し、同軸に配された該巻芯本体の長手方向両脇それぞれに補助筒を同軸に配し、該巻芯本体を該補助筒とともに軸回転させて、該シート状物を一の前記補助筒、前記巻芯本体、他の前記補助筒の各外周面にこの順で螺旋状に巻き付けつつ、巻き付けられた該シート状物を間にして前記発泡シートを螺旋状に巻き付ける巻き付け工程、
巻き付けられ重なった該シート状物と該発泡シートとを、前記巻芯本体と前記一の補助筒の間、及び、前記巻芯本体と前記他の補助筒の間でそれぞれ切り離す切り離し工程
を含み、
各前記巻芯本体及び各前記補助筒の両端部をそれぞれ支持手段で回転可能に支持し、
一の前記補助筒または前記巻芯本体に巻き付けた前記シート状物の巻終り側の側縁部が、該シート状物の巻付けの進行に従って該補助筒または該巻芯本体の巻終り側の端部を過ぎ、前記間隙を越えて、前記一の補助筒または前記巻芯本体に隣り合う他の前記補助筒または前記巻芯本体の巻始め側の端部に巻き付いた後であって、前記間隙において前記支持手段に接触する前に、前記シート状物または前記シート状物と該シート状物に重なる前記発泡シートとを、前記一の前記補助筒または前記巻芯本体の巻終り側の端部において第一のカッターで切るとともに該他の前記補助筒または前記巻芯本体の巻始め側の端部において第二のカッターで切る
ことによって一列に並べた複数の巻芯本体に連続的にシート材を巻き付けることを特徴とした巻芯の製造方法。
【請求項7】
巻芯本体の両側それぞれに同軸に配され該巻芯本体とともに軸回転する補助筒と
2枚のシート材を略同方向に供給するシート材供給手段と
を備え、
一の前記補助筒、前記巻芯本体、他の前記補助筒に、この順に帯形状のシート状物と片面に粘着剤または接着剤の層を備えた帯形状の発泡シートとを前記シート材供給手段により該巻芯本体の軸方向に対し斜めに供給しながら、該シート材供給手段を該巻芯本体の軸方向へ相対的に移動させることによって、前記シート状物と前記発泡シートとを該シート状物を内側にして該巻芯本体及び前記補助筒の外周面に螺旋状に巻き付けるようになされ、
さらに
巻き付けにより重ねられた前記シート状物と前記発泡シートを前記巻芯本体の巻始め側の端部で切る第一カッターと、
巻き付けにより重ねられた前記シート状物と前記発泡シートを前記巻芯本体の巻終わり側の端部で切る第二カッターとを備え、
前記一の補助筒の外周面に、前記シート状物を螺旋状に巻き付け、かつ、該シート状物を間にして前記発泡シートを螺旋状に巻き付け、該一の補助筒に巻き付けた該発泡シートの巻始め側の側縁部が、該発泡シートの巻付けの進行に従って該一の補助筒の巻終り側の端部を過ぎ前記巻芯本体の巻始め側の端部に巻き付いた後に、重ねられた前記シート状物と前記発泡シートを前記第一カッターで切り、前記巻芯本体に巻き付けた前記発泡シートの巻始め側の側縁部が、該発泡シートの巻付けの進行に従って該巻芯本体の巻終り側の端部を過ぎ前記他の補助筒の巻始め側の端部に巻き付いた後に重ねられた前記シート状物と前記発泡シートを前記第二カッターで切って前記シート状物と前記発泡シートとが巻き付けられた前記巻芯本体を前記補助筒から分離するようになした巻芯の製造装置。
【請求項8】
請求項6に記載の巻芯の製造方法に用いられる巻芯の製造装置であって、
前記1または複数の巻芯本体及び前記補助筒の両端部をそれぞれ回転可能に支持した状態で前記巻芯本体及び前記補助筒を一列に並べる複数の支持手段と、
2枚のシート材を略同方向に供給するシート材供給手段と
を備え、
一の前記補助筒、前記巻芯本体、他の前記補助筒に、この順に帯形状のシート状物と片面に粘着剤または接着剤の層を備えた帯形状の発泡シートとを前記シート材供給手段により該巻芯本体の軸方向に対し斜めに供給しながら、該シート材供給手段を該巻芯本体の軸方向へ相対的に移動させることによって、前記シート状物と前記発泡シートとを該シート状物を内側にして該巻芯本体及び前記補助筒の外周面に螺旋状に巻き付けるようになされ、
さらに、 前記巻芯本体及び前記補助筒のうち巻始め側の一の巻芯本体または前記補助筒と該一の巻芯本体または前記補助筒の巻終り側で前記支持手段を介して隣り合う他の巻芯本体または前記補助筒との間隙において、前記シート状物を該一の巻芯本体または前記補助筒の巻終り側の端部で切る第一のカッターと、
前記間隙において、前記シート状物を前記他の巻芯本体または前記補助筒の巻始め側の端部で切る第二のカッターと、を備え、
前記巻芯本体または前記補助筒のうち巻始め側の一の巻芯本体または前記補助筒の外周面に、前記間隙よりも大きい幅を有するシート状物と発泡シートを螺旋状に巻き付け、該一の巻芯本体または前記補助筒に巻き付けた該シート状物の巻終り側の側縁部が、該シート状物の巻付けの進行に従って該一の巻芯本体または前記補助筒の巻終り側の端部を過ぎ、前記間隙を越えて前記他の巻芯本体または前記補助筒の巻始め側の端部に巻き付いた後であって、前記間隙において前記支持手段に接触する前に、該シート状物材を前記第一のカッター及び第二のカッターで切ることによって、一列に並べた前記巻芯本体に連続的にシート材を巻き付けることを特徴とした巻芯の製造装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2011−143998(P2011−143998A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5705(P2010−5705)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(591015692)長岡産業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】