説明

布接着装置

【課題】貯蔵室内に水分を含んだ気体が存在するのを防ぐことができる布接着装置を提供する。
【解決手段】布接着装置1は、貯蔵室18の蓋部47に気体排出路72を設けている。蓋部47は、気体排出路72と接続する排気管71を設けている。排気管71は、ホースを介して排気バルブと接続している。CPUは、排気ソレノイドを駆動制御することによって排気バルブを開閉する。布接着装置1は、排気ソレノイドが排気バルブを開閉すると気体排出路72を介して貯蔵室18内の水分を含んだ気体を貯蔵室18の外へ排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は布接着装置に関する。より詳細には、接着剤を貯蔵する貯蔵室を備えた布接着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
布接着装置は、加熱した液状の接着剤をノズルから吐出する。接着剤は、布に付着する。作業者は、接着剤が付着した布に接着したい布を重ねる。布接着装置は、双方の布を圧着する。布接着装置は、該方法で布と布とを接着する。布接着装置は、布と布とを接着剤で接着することで、縫糸による縫製時に布表面に生じる縫糸の凹凸を無くすことができる。
【0003】
特許文献1に記載の布接着装置は、熱溶融性の接着剤を貯蔵室内に収容する。熱溶融性の接着剤は、所定の温度に加熱すると液化し、該所定の温度より低い温度では、固化するものである。布接着装置は、貯蔵室の蓋を閉鎖し、貯蔵室内を密閉する。布接着装置は、貯蔵室の外部から貯蔵室内へ気体を供給することで接着剤を貯蔵室から押し出す。貯蔵室から押し出された接着剤は、ノズルに供給され、ノズルから吐出して布に付着する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−222764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、貯蔵室の外部から供給する気体に水分が含まれていることがあった。貯蔵室内に水分を含んだ気体が滞留すると貯蔵室内又は貯蔵室に設けた気体供給経路の金属製部品が錆びることがあった。該金属製部品の錆が進行すると金属製部品に穴があき、気体が漏れて接着剤を押し出すことができないという問題が発生する。
【0006】
熱溶融性の接着剤は、水分と反応して固化し、一度固化すると液化できないものである。従って、貯蔵室内に水分を含んだ気体が滞留すると、貯蔵室内の接着剤が該水分と反応して固化し、接着剤をノズルから噴出できないという問題も発生する。
【0007】
本発明の目的は、貯蔵室内に水分を含んだ気体が滞留するのを防ぐことができる布接着装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の問題点を解決するために、請求項1に記載の布接着装置は、開口を有し、接着剤を貯蔵する貯蔵室と、前記貯蔵室の前記開口に設けてあり、前記開口を開閉可能な蓋部と、前記蓋部に設けてあり、前記貯蔵室内に圧力源からの気体を供給する気体供給路と、
を備え、前記圧力源からの前記気体を前記気体供給路から供給することで前記貯蔵室内の前記接着剤を押し出す布接着装置において、前記貯蔵室内の前記気体を前記貯蔵室外へ排出可能な気体排気路を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の布接着装置は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記気体排出路を開閉可能であり、前記気体排出路を開放することで前記貯蔵室内の前記気体を前記貯蔵室外へ排出する排出弁と、前記排出弁の開閉の切り替えを制御する排出弁制御手段とを更に備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の布接着装置は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記圧力源によって前記気体供給路から前記貯蔵室内に気体を供給した場合、前記貯蔵室から押し出される前記接着剤を、接着剤吐出口を有するノズルに供給する供給手段と、前記供給手段を駆動制御する供給制御手段とを更に備え、前記排出弁制御手段は、前記供給制御手段が前記供給手段による前記接着剤の前記ノズルへの供給を停止した場合に、前記排出弁を開放状態に切り替えることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の布接着装置は、請求項3に記載の発明の構成に加えて、前記供給制御手段による前記供給手段の駆動の開始及び停止を入力する入力手段と、前記入力手段によって前記供給制御手段による前記供給手段の駆動の停止を入力してからの経過時間を計測する計測手段と、前記入力手段によって前記供給制御手段による前記供給手段の駆動の停止を入力してから、前記排出弁制御手段によって前記排出弁を開放状態に切り替えるまでの時間を設定する時間設定手段とを更に備え、前記排出弁制御手段は、前記経過時間が前記時間設定手段により設定された時間に達したとき、前記入力手段によって前記供給制御手段による前記供給手段の駆動の開始が入力されていない場合に、前記排出弁を開放状態に切り替えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の布接着装置は、請求項2乃至4の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記貯蔵室内の前記接着剤を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を駆動制御する加熱制御手段とを更に備え、前記排出弁制御手段は、前記加熱制御手段が前記加熱手段による前記貯蔵室内の前記接着剤を加熱により所定温度にした場合に、前記排出弁を開放状態に切り替えることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の布接着装置は、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記貯蔵室は、前記接着剤を貯蔵したカートリッジを着脱可能に収容し、前記カートリッジは、内部の水分を吸着する乾燥剤を備え、前記気体供給路は、前記カートリッジ内に前記圧力源からの前記気体を供給し、前記気体排出路は、前記カートリッジ内の前記気体を前記貯蔵室外へ排出可能であることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の布接着装置は、請求項6に記載の発明の構成に加えて、前記蓋部は、前記気体排出路と、前記圧力源からの前記気体を前記カートリッジ内へ供給するための穴部を前記カートリッジに形成する針状部とを備え、前記針状部は、外周に前記カートリッジ内の前記気体を前記カートリッジ外へ排出する切欠部を備え、前記気体供給路は、前記針状部の内部を貫通することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の布接着装置では、貯蔵室内の気体を貯蔵室外に排出可能な気体排出路を備える。布接着装置は、気体排出路によって貯蔵室内の水分を含んだ気体を貯蔵室外へ排出することができる。従って、布接着装置は、金属製の部品が水分によって錆びるのを防ぐことができる。
【0016】
請求項2の布接着装置では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、気体排出路は、排出弁を備えている。布接着装置は、排出弁を制御する排出弁制御手段を備えているので、常時気体排出路を開放することがない。従って、布接着装置は、貯蔵室内の気体を入れ替えることができ、水分を含んだ気体が貯蔵室内に滞留するのを防ぐことができる。
【0017】
請求項3の布接着装置では、請求項2に記載の発明の効果に加えて、排出弁制御手段は、供給手段による接着剤のノズルへの供給を停止した場合に、排出弁を開放状態に切り替える。布接着装置は、接着を行っていないときに貯蔵室内の気体を貯蔵室外に排出することができる。布接着装置は、接着を行う場合に気体排出路から水分を含んだ気体が出て、貯蔵室内の接着剤を押し出すのに必要な圧力が不足するのを防ぐことができる。
【0018】
請求項4の布接着装置では、請求項3に記載の発明の効果に加えて、排出弁制御手段は、経過時間が時間設定手段により設定された時間に達したとき、入力手段によって供給制御手段による供給手段の駆動の開始が入力されていない場合に、排出弁を開放状態に切り替える。布接着装置は、供給手段の駆動の停止時間が前記設定時間より短い場合に、排出弁が開放状態に切り替わるのを防ぎ、供給手段の駆動を再度開始したときに貯蔵室内の接着剤を容易にノズルへ供給することができる。
【0019】
請求項5に係る発明の布接着装置では、請求項2乃至4の何れかに記載の発明の効果に加えて、排出弁制御手段は、加熱手段による貯蔵室内の接着剤を加熱により所定温度にした場合に、排出弁を開放状態に切り替える。故に、布接着装置は、貯蔵室内の加熱によって発生する水分を含んだ気体を貯蔵室外に排出することができる。従って、布接着装置は、金属製の部品が水分によって錆びるのを更に防ぐことができる。
【0020】
請求項6に係る発明の布接着装置では、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の効果に加えて、布接着装置は、貯蔵室内に接着剤を貯蔵するカートリッジを着脱可能に収容し、カートリッジは、乾燥剤を備えている。カートリッジは、乾燥剤によって内部の接着剤が水分と反応して状態が変化するのを防ぐ。布接着装置は、乾燥剤で十分吸収できなかった水分を含んだ気体を気体排出路によって排出することができる。
【0021】
請求項7に係る発明の布接着装置では、請求項6に記載の発明の効果に加え、蓋部は、圧力源からの気体をカートリッジ内へ供給するための穴部をカートリッジに形成する針状部を備えている。針状部は、外周にカートリッジ内の気体をカートリッジ外へ排出する切欠部を備えている。故に、布接着装置は、カートリッジ内の気体を切欠部から蓋部に設けた気体排出路に流れやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】布接着装置1全体の斜視図である。
【図2】接着機2の斜視図である。
【図3】接着機2の正面図である。
【図4】接着機2の左側面図である。
【図5】接着機2の内部構造の斜視図である。
【図6】貯蔵室18の部分拡大断面図である。
【図7】蓋部47の針状部70近辺の部分拡大斜視図である。
【図8】図2のII−II線における矢視方向部分断面図である。
【図9】図2のIII−III線における矢視方向部分断面図である。
【図10】布接着装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図11】排気制御処理を示すフローチャートである。
【図12】排気制御処理を示すフローチャートである。
【図13】排気時間設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る布接着装置1の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0024】
図1〜図4を参照し、布接着装置1の構成について説明する。以下、図3に示す接着機2のうち紙面上側、下側、右側、左側、表面側、裏面側を、夫々接着機2の上側、下側、右側、左側、前側、後側と定義して説明する。
【0025】
図1を参照し、布接着装置1全体の構成について説明する。図1に示すように、布接着装置1は、接着機2、制御ボックス3、操作パネル210、ペダル208を備えている。接着機2は、使用台220に固定してある。接着機2は、対向配置した2層の布の間に接着剤を付着し、布を押圧し移送する。2層の布は、接着機2の前述した動作を経て接着する。接着機2の構成詳細については後述する。
【0026】
制御ボックス3は、使用台220の下方に固定してある。制御ボックス3は、CPU201(図10参照)等を実装した制御基板を格納する。制御ボックス3は、接着機2、操作パネル210、ペダル208に電気的に接続する。操作パネル210は、接着機2の右方に設けてある。操作パネル210は、各種情報を表示させる液晶表示部207と、作業者からの各種入力設定を受け付けるキー209とを備える。ペダル208は、制御ボックス3の下方に設けてあり、布の移送速度を調整する為に用いる。
【0027】
使用台220の下方左側に、圧縮機217を配置してある。圧縮機217と接着機2は、ホース61によって接続している。ホース61の接着機2側端部は、後述する貯蔵室18の蓋部47(図2参照)に接続している。ホース61は、その内部を開閉可能なバルブ69を有している。圧縮機217は、ホース61を介して加圧した気体を接着機2に供給する。バルブ69は、圧縮機217が貯蔵室18内に供給する気体の流通を制御し気体供給状態と気体遮断状態とに切り換える。
【0028】
図2〜図4を参照し接着機2の構成について説明する。図2、図3に示すように、接着機2は、台座部11、脚柱部12、アーム部13を備えている。台座部11は、略直方体状である。脚柱部12は、台座部11の右端から鉛直方向に延びている。アーム部13は、脚柱部12の上端に接続し、脚柱部12の左側面よりも左方に突出している。台座部11は、脚柱部12を支持する土台として機能する。脚柱部12は、アーム部13を支持する。
【0029】
図2に示すように、アーム部13の左端部は、前方から順に、ポンプケース14、貯蔵室18、梁部19を支持している。
【0030】
ポンプケース14について説明する。図2、図3に示すように、ポンプケース14は、第一ポンプケース31、第二ポンプケース32を備えている。第一ポンプケース31は、略立方体状の部材である。第一ポンプケース31は、アーム部13の左側面に固定している。第一ポンプケース31は、ギアポンプ124(図5参照)等を内部に備える。ギアポンプ124は、適量の接着剤を高精度でノズル17に供給する。第二ポンプケース32は、略直方体状の部材である。第二ポンプケース32は、第一ポンプケース31の左下端面から下方に延びている。
【0031】
第二ポンプケース32は、左側に軸部45(図3参照)を備えている。軸部45は、支持部16の上端部162の右側に接続し、支持部16を軸部45の周りに揺動可能に支持する。ポンプケース14は、後述する供給路81(図8参照)、供給路82(図8参照)を備えている。供給路81は、接着剤を貯蔵室18からギアポンプ124へ導く。供給路82は、接着剤をギアポンプ124から支持部16へ導く。
【0032】
図2、図3に示すように、支持部16の形状は、略直方体状である。支持部16の下端部164と台座部11との間は、僅かな隙間が存在する。支持部16は、供給路83(図9参照)を内部に備える。供給路83は、接着剤をポンプケース14からノズル17へ導く。支持部16は、下端部164にノズル17を備えている。ノズル17は、支持部16から布に沿うように左側に延び、内部に供給路83と連通する供給路84(図9参照)を備えている。支持部16は、上端部162に駆動伝達部161を備えている。駆動伝達部161は、エアシリンダ24の可動部75の先端部を支持する。
【0033】
ノズル17は円筒形状である。ノズル17は、その下側に接着剤を吐き出す吐出口86(図9参照)を備えている。作業者が布の接着作業を行う場合、吐出口86は台座部11と対向する。接着作業を行う場合、作業者は、対向配置した2層の布の間にノズル17を挿入する。ギアポンプ124(図5参照)は、支持部16内部の供給路83を介して、接着剤をノズル17に供給する。ノズル17は、吐出口86から布に接着剤を吐出する。接着剤は、ノズル17の下方に位置する布の表面に付着する。
【0034】
図2、図3に示すように、貯蔵室18は、略直方体状である。貯蔵室18は、アーム部13の左側、且つポンプケース14の後方部分から上方に延びている。貯蔵室18は、本体部46、蓋部47を備える。本体部46の形状は、上部が開口した有底筒状である。蓋部47は、本体部46の上部開口を覆う。貯蔵室18は、熱溶融性の接着剤(図示省略)を本体部46の内部に貯蔵する。貯蔵室18は、貯蔵した接着剤を、必要に応じてギアポンプ124及びノズル17に供給する。熱溶融性の接着剤は、所定の温度に加熱すると液化し、該所定の温度より低い温度では、固化するものである。
【0035】
図2に示すように、梁部19は、本体部191、ばね支持部193、柱部192を備えている。本体部191は、アーム部13の左側後端部から左方へ水平方向に延びる部材である。ばね支持部193は板状であり、本体部191の左側端部から前方へ水平方向に延びる。図2、図4に示すように、柱部192は、水平面に対して約45度の角度で、本体部191から前方斜め下方に延びている。柱部192の下端部は、台座部11から離れている。
【0036】
図2に示すように、ばね支持部193は、前方先端部に穴を有する。ばね支持部193は、軸部51を上下動可能に支持する。軸部51は、ばね21に挿通してある。軸部51の上端部分は、ばね支持部193の穴に挿通してある。柱部192は、下端部分の左側に左右に延びる軸部52を有している。軸部52は、ローラ保持部20の後端部を支持している。ローラ保持部20は、その前端部が軸部52を揺動中心として上下方向に揺動する。本体部191は、ばね支持部193よりも右側に、エアシリンダ24を備えている。エアシリンダ24は、支持部16の位置を切り替えるものである。
【0037】
図5を参照し、接着機2の内部構造について説明する。接着機2は、第一モータ91、第二モータ92、第三モータ93等を内部に備える。
【0038】
第一モータ91は、回転軸121を介して回転駆動力をギアポンプ124に伝達することで、ギアポンプ124を駆動する。ギアポンプ124は、駆動ギア122と、従動ギア123とを備えている。駆動ギア122は、回転軸121の左側端部に固定している。駆動ギア122は、回転軸121と共に回転する。従動ギア123は、駆動ギア122と噛合する。第一モータ91は、アーム部13内部に、且つポンプケース14がアーム部13と接続する部分の右方に位置する。回転軸121は、ポンプケース14内を第一モータ91の回転軸から左方に延びる。駆動ギア122と従動ギア123とは、適量の接着剤をノズル17に供給する。
【0039】
第二モータ92は、回転軸126、127、128、ベルト129、130を介して、回転駆動力を上移送ローラ22に伝達することで、上移送ローラ22を駆動する。第二モータ92は、アーム部13内部に、且つ梁部19がアーム部13と接続している部分の右方に位置する。
【0040】
回転軸126は、第二モータ92の回転軸から左方に延び、本体部191内を貫通している。回転軸126の左側端部は、柱部192内に位置する。回転軸126の左側端部は、プーリを支持している。回転軸127の右側端部は、柱部192の下側端部内に延びている。回転軸127の左側端部は、ローラ保持部20の後端部内に延びている。回転軸127の右側端部と左側端部は、夫々プーリを支持している。回転軸128は、上移送ローラ22の回転軸である。回転軸128の左側端部は、ローラ保持部20の前端部の内部に延び、プーリを支持している。回転軸128の右側端部は、ローラ保持部20の前端部から突出し、上移送ローラ22を支持している。ベルト129は、柱部192内で、回転軸126の左側端部のプーリと回転軸127の右側端部のプーリとの間に掛け渡してある。ベルト130は、ローラ保持部20内で、回転軸127の左端部のプーリと回転軸128の左端部のプーリとの間に掛け渡してある。上移送ローラ22は、第二モータ92が回転することで回転する。
【0041】
第三モータ93は、回転軸141とベルト142とを介して、回転駆動力を下移送ローラ25に伝達することで、下移送ローラ25を駆動する。下移送ローラ25は、円柱形状であり、回転軸141に固定している。下移送ローラ25は、上移送ローラ22の下方、且つ台座部11内に位置する。台座部11は、内部に支持台座4を有する。支持台座4は、回転軸141を回転可能に支持している。ベルト142は、台座部11内で、第三モータ93の回転軸のプーリと回転軸141の右端のプーリとの間に掛け渡してある。下移送ローラ25は、第三モータ93が回転することで回転する。
【0042】
貯蔵室18の本体部46は、貯蔵室第一ヒータ101と貯蔵室第二ヒータ102を備える。貯蔵室第一ヒータ101と貯蔵室第二ヒータ102とは、本体部46を加熱することで、本体部46が貯蔵している接着剤を加熱する。接着機2は、貯蔵室第一ヒータ101と貯蔵室第二ヒータ102とを用いて、熱溶融性の接着剤を貯蔵室18で所定の温度に加熱し、接着剤を液化する。
【0043】
ポンプケース14の第一ポンプケース31は、その内部にポンプケースヒータ103を備える。ポンプケースヒータ103は、第一ポンプケース31を加熱することで、第一ポンプケース31内を流れる接着剤を加熱する。支持部16は、その内部に支持部ヒータ104を備える。支持部ヒータ104は、支持部16を加熱することで、支持部16内を流れる接着剤を加熱する。
【0044】
図6を参照して、貯蔵室18及びカートリッジ60について説明する。布接着装置1は、接着剤を充填したカートリッジ60を本体部46内に収容している。蓋部47は、鉄製であり、本体部46にねじ込んで取り付けてある。蓋部47は、本体部46の上部開口を覆っている。本体部46の内部は、蓋部47が上部開口を覆った状態(蓋部47が閉鎖した状態)で、密閉状態となる。カートリッジ60の着脱は蓋部47を本体部46から取り外して行う。
【0045】
蓋部47は、中央部分に気体供給路49を設けている。気体供給路49は、蓋部47の上下方向に貫通する穴である。蓋部47は、気体供給路49と接続する吸気管48を設けている。蓋部47は、その下端部に針状部70を設けている。針状部70は、下側の先端部が尖った形状である。図7に示すように、針状部70は、外周に切欠部701を備えている。切欠部701は針状部70の先端近傍から蓋部47下面側に延びている。気体供給路49は、針状部70の内部を貫通し針状部70の先端近傍に延びている。気体供給路49は、圧縮機217(図1参照)から供給される気体をカートリッジ60内に通す。切欠部701は、カートリッジ60内の気体をカートリッジ60外へ排出することができる。
【0046】
蓋部47は、気体供給路49の左側(図6において)に気体排出路72を設けている。気体排出路72は、蓋部47の上面側と下面側とを貫通する穴である。気体排出路72の流路径は、気体供給路49の流路径と略同一である。蓋部47は、気体排出路72と接続する排気管71を設けている。排気管71は、ホース(図示略)を介して排気バルブ73(図10参照)と接続している。排気バルブ73は、後述する排気ソレノイド74の駆動によって開閉可能である。貯蔵室18は、排気ソレノイド74が排気バルブ73を開放することによって本体部46内部の気体を気体排出路72を介して貯蔵室18の外部に排出することができる。一方、貯蔵室18の蓋部47を閉鎖し、且つ排気バルブ73が遮断状態のときは、切欠部701によってカートリッジ60外に排出した気体は貯蔵室18内部に充満し、カートリッジ60内の接着剤を下方に押す圧力が発生する。
【0047】
カートリッジ60は、アルミ製の本体部54と内蓋56とを備えている。本体部54は、略円筒形状である。本体部54は、内部に接着剤55を充填している。本体部54は、その上面が蓋部47を閉鎖した場合に蓋部47と接触する。
【0048】
内蓋56は、本体部54の内部に設けてある。内蓋56は、本体部54内で図6における下方に移動可能であり、接着剤55の上面に接触している。内蓋56は、下方に移動することで接着剤55に対して下方に圧力を加えることができる。内蓋56は、その上面にシリカゲル62を設けている。シリカゲル62は、カートリッジ60内に存在する水分を含んだ気体が接着剤55に触れて固化するのを防ぐための乾燥剤である。
【0049】
蓋部47の針状部70は、尖っている先端部が本体部54の上側の壁に穴66を空ける。圧縮機217(図1参照)は、ホース61(図1参照)、吸気管48、気体供給路49を介して本体部54内に気体を送り出す。該気体は、内蓋56を下方に押す。内蓋56は、接着剤55を下方に押す。
【0050】
図8、図9を参照して、貯蔵室18からポンプケース14と支持部16とを経由してノズル17の吐出口86に至る接着剤の流れについて説明する。貯蔵室第一ヒータ101(図5参照)と貯蔵室第二ヒータ102(図5参照)とは、貯蔵室18内の接着剤を加熱する。接作業者がペダル208(図1参照)を踏み込むと、第一モータ91は駆動ギア122を駆動し、駆動ギア122と従動ギア123とが回転する。ギアポンプ124は、貯蔵室第一ヒータ101(図5参照)、貯蔵室第二ヒータ102(図5参照)によって液化した接着剤を供給路81から供給路82に向けて送り出す。ポンプケースヒータ103(図5参照)は、供給路81、82を流れる接着剤を加熱する。接着剤は、液体状態を維持する。
【0051】
接着剤は、供給路82から供給路83に向かって流れ、供給路84に至り、吐出口86から外部に吐出する。支持部ヒータ104(図5参照)は、供給路83を流れる接着剤を加熱する。接着剤は、液体状態で吐出口86から外部に吐出する。
【0052】
図10を参照し、布接着装置1の電気的構成について説明する。布接着装置1は、CPU201、ROM202、RAM203、不揮発性メモリ29を備えている。CPU201は、受信処理と制御処理とを実行する。受信処理は、キー209とペダル208とを含む入力機器からの入力情報を受信する処理である。受信処理は、各種センサが検出した検出情報を受信する処理でもある。制御処理は、モータ及びヒータ等を制御する処理である。
【0053】
ROM202は、CPU201が実行するプログラム及び各種初期設定パラメータ等を記憶する。RAM203は、タイマー値と、カウンタ値と、フラグと含むデータを一時的に記憶する。不揮発性メモリ29は、作業者が入力する各種設定情報を記憶する。CPU201は、ROM202、RAM203、不揮発性メモリ29に夫々電気的に接続している。CPU201は、ROM202、RAM203、不揮発性メモリ29の記憶領域にアクセスできる。
【0054】
ペダル208は、CPU201と電気的に接続している。CPU201は、ペダル208の踏み込み量を認識することができる。CPU201は、認識したペダル208の踏み込み量に基づいて、上移送ローラ22と下移送ローラ25との回転速度、駆動ギア122の回転速度を決定する。
【0055】
キー209は、CPU201と電気的に接続している。作業者は、各種動作設定を行う場合にキー209を使用する。CPU201は、作業者によるキー209の押下状態を認識する。CPU201は、認識したキー209の押下状態に基づいて、各種動作設定の情報を不揮発性メモリ29に記憶する。
【0056】
ヒータ101、102、103、104は、夫々CPU201と電気的に接続している。CPU201は、夫々のヒータ101、102、103、104のON/OFFを制御する。CPU201は、圧縮機217と電気的に接続している。CPU201は、圧縮機217のON/OFFを制御する。
【0057】
表示駆動ドライバ205は、CPU201と電気的に接続している。表示駆動ドライバ205は、液晶表示部207と電気的に接続している。CPU201は、表示駆動ドライバ205を介して所望の像を液晶表示部207に表示する。
【0058】
モータ駆動ドライバ206は、CPU201と電気的に接続している。各モータ91〜93は、夫々モータ駆動ドライバ206と電気的に接続している。CPU201は、モータ駆動ドライバ206を介して各モータ91〜93を制御する。
【0059】
エア駆動ドライバ204は、CPU201と電気的に接続している。エア駆動ドライバ204は、エアシリンダ24と電気的に接続している。CPU201は、エア駆動ドライバ204を介して、エアシリンダ24のエア注入口に送り込む空気の圧力を制御する。
【0060】
排気ソレノイド74は、CPU201と電気的に接続している。排気バルブ73は、排気ソレノイド74と電気的に接続している。CPU201は、排気ソレノイド74に駆動電圧を供給することによって排気バルブ73の開放/閉鎖を制御する。
【0061】
図11、図12を参照して、布接着装置1の排気制御処理について説明する。ただし、図中の符号Si(i=110、120・・・)は各ステップである。排気制御処理は、布接着装置1の電源をONにする際の処理と、作業者が接着作業を行う際の処理とからなる。
【0062】
図11に示すように、布接着装置1の電源をONにする際の排気制御処理は、布接着装置1の電源がONになった場合に開始する。電源がONになるとCPU201は圧縮機217の駆動を開始し、圧縮気体を貯蔵室18のカートリッジ60内に供給する。CPU201は、貯蔵室第一ヒータ101及び貯蔵室第二ヒータ102をONにして、貯蔵室18の本体部46を加熱する(S110)。本体部46を加熱することで、熱溶融性の接着剤を貯蔵室18で所定の温度にして液化する。
【0063】
CPU201は、排気ソレノイド74に駆動電圧を供給して排気バルブ73を開放する(S120)。排気バルブ73を開放するとカートリッジ60から切欠部701を通って貯蔵室18内に充満した圧縮気体は貯蔵室18外に排出される。このとき、電源ON時にカートリッジ60内に残留していた水分を含んだ気体はカートリッジ外に排出される。
CPU201は、排気バルブ73の開放と同時にタイマーをスタートする。CPU201は、設定排気時間が経過したか否か判断する(S130)。設定排気時間は、排気バルブ73を開放する時間であり、不揮発性メモリ29に記憶してある。設定排気時間が経過していない場合(S130:NO)、CPU201は、S130の処理を繰り返す。
【0064】
設定排気時間が経過した場合(S130:YES)、CPU201は、排気ソレノイド74への駆動電圧の供給を停止して排気バルブ73を閉鎖する(S140)。CPU201は、処理を終了する。
【0065】
図12に示すように、作業者が接着作業を行う際の排気制御処理は、作業者がペダル208を踏み込んで接着作業を行う場合に開始する。CPU201は、接着動作を行う(S210)。接着動作は、CPU201がペダル208の踏み込み量に応じてモータ91、92、93を駆動制御し、貯蔵室18から供給路81、82、83、84を介してノズル17から接着剤を布に吐出し、布を押圧し移送するする動作である。
【0066】
CPU201は、作業者がペダル208の操作を解除したか否かを判断する(S220)。作業者がペダル208の操作を解除していない場合(S220:NO)、CPU201は、処理をS210に戻して接着動作を継続する。
【0067】
作業者がペダル208の操作を解除した場合(S220:YES)、CPU201は、排気開始時間が経過したか否か判断する(S130)。排気開始時間は、作業者がペダル208の操作を解除してから排気バルブ73を開放するまでの時間であり、予め不揮発性メモリ29に記憶してある。排気開始時間の設定処理については後述する。排気開始時間が経過していない場合(S230:NO)、CPU201は、S230の処理を繰り返す。
【0068】
排気開始時間が経過した場合(S230:YES)、CPU201は、作業者によるペダル208の操作がないか否かを判断する(S240)。作業者によるペダル208の操作がある場合(S240:NO)、CPU201は、処理をS210に戻して接着動作を行う。
【0069】
作業者によるペダル208の操作がない場合(S240:YES)、排気ソレノイド74に駆動電圧を供給して排気バルブ73を開放する(S250)。排気バルブ73を開放するとカートリッジ60から切欠部701を通って貯蔵室18内に充満した圧縮気体は貯蔵室18外に排出される。
CPU201は、排気バルブ73の開放と同時にタイマーをスタートする。CPU201は、設定排気時間が経過したか否か判断する(S260)。設定排気時間が経過していない場合(S260:NO)、CPU201は、S260の処理を繰り返す。
【0070】
設定排気時間が経過した場合(S260:YES)、CPU201は、排気ソレノイド74への駆動電圧の供給を停止して排気バルブ73を閉鎖する(S270)。CPU201は、処理を終了する。
【0071】
図13を参照し、排気開始時間設定処理について説明する。排気開始時間設定処理は、作業者がキー209の内、所定のキーを操作することで開始する。CPU201は、布接着装置1の設定モードキー(キー209の所定のキー)を押下したか否かを判断する(S310)。作業者が設定モードキーを押下していない場合(S310:NO)、CPU201は、処理をS310に戻す。CPU201は、継続して設定モードキーの押下を監視する。
【0072】
作業者が設定モードキーを押下した場合(S310:YES)、CPU201は、作業者がキー209を操作して、各種設定情報の入力メニューのうち排気開始時間の入力メニューを選択したか否かを判断する(S320)。作業者が排気開始時間以外の入力メニューを選択した場合(S320:NO)、CPU201は、処理をS310に戻す。
【0073】
作業者が排気開始時間の入力メニューを選択した場合(S320:YES)、CPU201は、作業者がキー209を介して入力した排気開始時間の入力値を、RAM203に一時的に記憶する(S330)。CPU201は、入力した排気開始時間を確定する為の確定キーを作業者が選択したか否かを判断する(S340)。作業者が確定キーを選択していない場合(S340:NO)、CPU201は、S340の処理を繰り返し、作業者が確定キーを選択するまで待機する。作業者が確定キーを選択した場合(S340:YES)、CPU201は、S330においてRAM203に記憶した排気開始時間を不揮発性メモリ29に記憶する(S350)。CPU201は、処理を終了する。
【0074】
以上説明したように、本実施の形態では、布接着装置1は、貯蔵室18の蓋部47に気体排出路72を設けている。布接着装置1は、気体排出路72によって貯蔵室18内、カートリッジ60内の水分を含んだ気体を貯蔵室18の外へ排出することができる。従って、布接着装置1は、鉄製の蓋部47等が水分によって錆びるのを防ぐことができる。
【0075】
蓋部47は、気体排出路72と接続する排気管71を設けている。排気管71は、ホース(図示略)を介して排気バルブ73と接続している。CPU201は、排気ソレノイド74を駆動制御することによって排気バルブ73を開閉するので、常時気体排出路72を開放することがない。従って、布接着装置1は、貯蔵室18内の気体を入れ替えることができ、水分を含んだ気体が貯蔵室18内に滞留するのを防ぐことができる。
【0076】
CPU201は、作業者がペダル208の操作を解除した場合、排気開始時間が経過したか否か判断する。排気開始時間が経過した場合、CPU201は、作業者によるペダル208の操作がないか否かを判断し、作業者によるペダル208の操作がない場合に排気ソレノイド74に駆動電圧を供給して排気バルブ73を開放する。布接着装置1は、接着動作の停止時間が設定時間より短い場合に、排気バルブ73を開放状態に切り替わるのを防ぎ、接着動作を再度開始したときに貯蔵室18内の接着剤を容易にノズル17へ供給することができる。
【0077】
CPU201は、貯蔵室第一ヒータ101及び貯蔵室第二ヒータ102をONにして、貯蔵室18の本体部46を加熱した後、排気ソレノイド74に駆動電圧を供給して排気バルブ73を開放する。故に、布接着装置1は、本体部46の加熱によってシリカゲル62が吸着した水分が水蒸気となって貯蔵室18に充満するが、該水蒸気を貯蔵室18外に排出することができる。従って、布接着装置1は、鉄製の蓋部47等が錆びるのを防ぐことができる。
【0078】
尚、圧縮機217は、本発明の「圧力源」に相当する。排気バルブ73は、本発明の「排出弁」に相当する。S120、S140、S250、S270の処理を実行するCPU201は、本発明の「排出弁制御手段」に相当する。供給路81、82、83、84、第一モータ91、駆動ギア122、従動ギア123、ギアポンプ124は、本発明の「供給手段」に相当する。S210の処理を実行するCPU201は、本発明の「供給制御手段」に相当する。ペダル208は、本発明の「入力手段」に相当する。S230の処理を実行するCPU201は、本発明の「計測手段」に相当する。キー209及び排気開始時間設定処理を実行するCPU201は、本発明の「時間設定手段」に相当する。貯蔵室第一ヒータ101及び貯蔵室第二ヒータ102は、本発明の「加熱手段」に相当する。S110の処理を実行するCPU201は、本発明の「加熱制御手段」に相当する。シリカゲル62は、本発明の「乾燥剤」に相当する。
【0079】
本発明は上記実施の形態に限定するものではなく、種々の変更が可能である。上述の実施の形態では、布接着装置1は、蓋部47の中央部分に気体供給路49を設け、気体供給路49の左側(図6において)に気体排出路72を設けた。本発明はこれに限らず、気体供給路49の右側(図6において)に気体排出路72を設けてもよい。気体排出路72は、蓋部47の中央部分に設けていてもよい。
【0080】
上述の実施形態では、気体排出路72の流路径は、気体供給路49の流路径と略同一であった。本発明はこれに限らず、気体排出路72の流路径が気体供給路49の流路径と異なっていてもよい。気体排出路72の流路径を気体供給路49の流路径より小さくした場合、気体の供給速度が気体の排出速度を上回るため布接着装置1は、排気バルブ73を設けなくてもカートリッジ60内の接着剤に対して下方に圧力を加えることができる。つまり、下方に圧力を加えながら徐々に貯蔵室やカートリッジ内の気体を排出することができる。
【0081】
上述の実施形態では、排気バルブ73は、後述する排気ソレノイド74の駆動によって開閉可能であった。本発明はこれに限らず、エアシリンダで排気バルブ73を開閉してもよい。排気バルブ73は、作業者が手動で操作によって開閉可能なコック等であってもよい。
【0082】
上述の実施形態では、布接着装置1は圧縮機217を備えている。布接着装置1を設置する工場に圧力源が存在する場合は布接着装置1に圧縮機217は不要である。工場の圧力源を使用する場合は、該圧力源にホース61を接続すればよい。その際はバルブ69を開閉すれば圧力気体の供給と停止を切り替え可能である。
【0083】
上述の実施形態では、布接着装置1は、排気開始時間設定処理によって排気開始時間を設定して不揮発性メモリ29に記憶した。本発明はこれに限らず、排気開始時間の設定と同様に設定排気時間を設定可能にしてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 布接着装置
2 接着機
17 ノズル
18 貯蔵室
29 不揮発性メモリ
46 本体部
47 蓋部
49 気体供給路
60 カートリッジ
62 シリカゲル
70 針状部
72 気体排出路
73 排気バルブ
74 排気ソレノイド
81、82、83、84 供給路
91 第一モータ
101 貯蔵室第一ヒータ
102 貯蔵室第二ヒータ
122 駆動ギア
123 従動ギア
124 ギアポンプ
201 CPU
202 ROM
203 RAM
208 ペダル
209 キー
217 圧縮機
701 切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有し、接着剤を貯蔵する貯蔵室と、
前記貯蔵室の前記開口に設けてあり、前記開口を開閉可能な蓋部と、
前記蓋部に設けてあり、前記貯蔵室内に圧力源からの気体を供給する気体供給路と、
を備え、
前記圧力源からの前記気体を前記気体供給路から供給することで前記貯蔵室内の前記接着剤を押し出す布接着装置において、
前記貯蔵室内の前記気体を前記貯蔵室外へ排出可能な気体排気路
を備えたことを特徴とする布接着装置。
【請求項2】
前記気体排出路を開閉可能であり、前記気体排出路を開放することで前記貯蔵室内の前記気体を前記貯蔵室外へ排出する排出弁と、
前記排出弁の開閉の切り替えを制御する排出弁制御手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の布接着装置。
【請求項3】
前記圧力源によって前記気体供給路から前記貯蔵室内に気体を供給した場合、前記貯蔵室から押し出される前記接着剤を、接着剤吐出口を有するノズルに供給する供給手段と、
前記供給手段を駆動制御する供給制御手段と
を更に備え、
前記排出弁制御手段は、前記供給制御手段が前記供給手段による前記接着剤の前記ノズルへの供給を停止した場合に、前記排出弁を開放状態に切り替えることを特徴とする請求項2に記載の布接着装置。
【請求項4】
前記供給制御手段による前記供給手段の駆動の開始及び停止を入力する入力手段と、
前記入力手段によって前記供給制御手段による前記供給手段の駆動の停止を入力してからの経過時間を計測する計測手段と、
前記入力手段によって前記供給制御手段による前記供給手段の駆動の停止を入力してから、前記排出弁制御手段によって前記排出弁を開放状態に切り替えるまでの時間を設定する時間設定手段と
を更に備え、
前記排出弁制御手段は、前記経過時間が前記時間設定手段により設定された時間に達したとき、前記入力手段によって前記供給制御手段による前記供給手段の駆動の開始が入力されていない場合に、前記排出弁を開放状態に切り替えることを特徴とする請求項3に記載の布接着装置。
【請求項5】
前記貯蔵室内の前記接着剤を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を駆動制御する加熱制御手段と
を更に備え、
前記排出弁制御手段は、前記加熱制御手段が前記加熱手段による前記貯蔵室内の前記接着剤を加熱により所定温度にした場合に、前記排出弁を開放状態に切り替えることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の布接着装置。
【請求項6】
前記貯蔵室は、前記接着剤を貯蔵したカートリッジを着脱可能に収容し、
前記カートリッジは、内部の水分を吸着する乾燥剤を備え、
前記気体供給路は、前記カートリッジ内に前記圧力源からの前記気体を供給し、
前記気体排出路は、前記カートリッジ内の前記気体を前記貯蔵室外へ排出可能である
ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の布接着装置。
【請求項7】
前記蓋部は、前記気体排出路と、前記圧力源からの前記気体を前記カートリッジ内へ供給するための穴部を前記カートリッジに形成する針状部とを備え、
前記針状部は、外周に前記カートリッジ内の前記気体を前記カートリッジ外へ排出する切欠部を備え、
前記気体供給路は、前記針状部の内部を貫通することを特徴とする請求項6に記載の布接着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−117166(P2012−117166A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266164(P2010−266164)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)