説明

布止め具

【課題】布を固定し易く、外し易く、強固に布を固定する布止め具。
【解決手段】布が引っ張られる力方向に対し、布を強固に固定する力である逆力方向の力が伴うように布止め具構造を工夫することにより布の強固な固定を可能にした布止め具である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は布、寝具類を固定して使用するのに係り、容易な固定と固定解除をなす布止め具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
寝具に使用される従来の寝具用止め具は図8に示すように寝具全体をバンドにより上から押えて使用されるが、取り付け、取り外しが面倒である。又、図9で示す布止め具は布の固定方法が挟み込む力による布と布止め具接面の摩擦力のみにより固定されるが、布が引っ張られる方向の力に対して布と布止め具接面の表面摩擦力方向は同一方向をなし、固定力が弱く、容易に布が引っ張られる方向の力に負け、布がずれてしまい、使用用途が限られる。
【特許文献1】特開2001−321255号公報
【特許文献2】特開2003−097098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
布止め具の用途は広く、身の回りの布は天井、壁、テーブル、家具などに固定、吊下げられ使用されるものが多いが、カーテン、テーブルクロス、寝具などの布は埃、汚れなどから頻繁に洗濯が必要であり、取り外しが容易であることが望まれるが、日常、布の固定、取り外しに時間と手間がかかっている。又、近年、寝具の多くはベッドが使用されており、特に日本式の綿布団は就寝中、ベットからずれ落ち易く、安眠が出来ずに困われているが、強固な固定、容易な取り外しの寝具ずれ落ち防止具などの解決策が見出されていない。そこで、この発明は布の強固な固定と取り外しが容易なコンパクトな布止め具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、第一発明は、布を差し込む溝を有する本体と本体の溝に差し込まれた布を固定する為に溝に差し込む突起形状の部材からなる布止め具である。第二発明は、本体の形状は板状もしくは半球体をなし、本体に設けられた溝は3側面が開放された形状でテーパーを有し、突起形状部材はくさび形状の布止め具である。第三発明は、本体の溝と突起形状部材の突起部分は布を固定するのに適した形状及び寸法を有する布止め具である。第四発明は、布を介さず、本体の溝に突起形状部材が直接差し込まれることにより、本体と突起形状部材が固定される形状を有するコンパクトな布止め具である。
【発明の効果】
【0005】
第一発明によれば、布止め具本体の溝に布を挟み込んだ後、突起形状部材を差し込むだけで、布が引かれる力により、逆方向に働く力が発生し、布は強固に固定される。第二発明によれば、布止め具本体に厚みが少ないことにより使用用途が広がり、布止め具本体に設けられた溝が3側面開放され、テーパーを有ることにより、布が挟み易く、突起形状部材もセットし易くなり、突起形状部材のくさび形状と布止め具本体に設けられた溝テーパーにより、布の固定も強固なものになる。第三発明によれば、使用用途の布厚に合わせて布止め具本体の溝、突起形状部材の形状、寸法を変えることにより、布が引かれる力に対し、強固な布の固定が出来、取り外す時も布が逆方向に引かれる力により容易に取り外すことが出来る。第四発明によれば、布止め具本体の溝に固定されていた布を外した後、布と突起形状部材は別々に分離されるが、布固定使用時以外での分離された突起形状部材の紛失防止と、布止め具本体の溝に物がひっかかるのを防ぐ溝露出防止の為に布止め具本体の溝に突起形状部材の格納を可能にし、又、コンパクト、シンプルな形状により、生産コストの低減を可能にした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示す布止め具本体1と突起形状部材2からなる布止め具である。
【0007】
図1に示す布止め具本体1は板状の一例を示しており、布止め具本体1に設けられた溝3の形状は3側面が開放になっており、且つ、テーパーを有し、くさび形状の突起形状部材2を差し込む為の溝であり、又、溝3は布を差し込む為の溝でもある。
【0008】
図3に示す布止め具本体本体1に設けられた溝3の形状、寸法と突起形状部材2の形状、寸法は布4の厚さとの関係から布4が引かれる力に対し、布4が固定される逆方向の力が発生し易い形状、寸法が求められるが、溝のテーパー角度は0度から30度以内である。
【0009】
図2示す布止め具本体1に設けられた溝3と突起形状部材2の形状・サイズは布4を除いた後、突起形状部材2を差し込んでも落下しないで固定される適度なテーパー角度を有した形状をなしている。
【0010】
図1に示す布止め具本体1と突起形状部材2の対する面1−d、1−e,2−bの表面は粗面形状、もしくは線状、点状などになっている。
【0011】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば図3示すように布4―aが引かれる方向とは逆方向の力が布止め具本体1と突起形状部材2との間に差し込まれた布4−bに働き、更に布4−cには逆方向の力が働くことにより、突起形状部材2を溝3内部へ押し込む力となり、布止め具本体1と突起形状部材2との間で布4はロックされた状態になり、布と布止め具は確実に固定され、布がずれ落ちるのを防ぎ、快適に使用することが出来る。
【0012】
この実施形態によれば図3示すように布止め具に固定された布を解除するには布4−cを布4―aとは逆方向に引くことにより、布4―b、布4−cは突起形状部材を外に押し出し、容易に固定を解除し、楽に固定された布を取り外すことができる。
【0013】
この実施形態によれば図2示すように布4が除かれた後の不使用時は布止め具本体1の溝3に突起形状部材2を差し込んでおくことにより、本体1から分離された突起形状部材2の紛失を防ぐ効果があり、布止め具本体1の溝4に物がひっかかることによる損傷を防ぐ溝露出防止効果がある。
【0014】
布止め具本体1と突起形状部材2のセット時に対面する表面1−d、1−e,2−bは摩擦抵抗を増す為の粗面形状、もしくは線状、点状などになっている、そのことはより布止め具のロック操作を容易にし、布4が除かれた後の不使用時は布止め具本体1から突起形状部材2の脱落を防ぐのに効果がある。
【0015】
この実施形態によれば図1・2示すように布止め具本体1、突起形状部材2の形状はシンプルな形状をなし、コンパクトであることは生産コストの低減を可能にする効果がある。
【0016】
図8、9はいずれも本発明に係る背景技術を示している。図8は寝具のずれ落ち防止の為の布止め具の図を示す。図9はクリップ式の布止め具の図を示す。
【0017】
「他の実施形態」
【0018】
図4・5に示すように布4を吊るすにもシンプルでコンパクトな布止め具の形状をしめしている。
【0019】
図6、図7に示すように布止め具の止め方として布止め具本体1と突起形状部材2の形状は横から差し込むことも可能であることの形状を示している。
【0020】
図2で示すように布止め具本体1を被体5に接着する接着方法は釘、ビス、接着剤などがあるが特定はしない。又、図5に示すように、カーテンリング6などに吊るすことも可能である。
【0021】
図1、4、6に示す布止め具本体1、突起形状部材2の形成を成す素材はプラスティックが考えられるが、ワイヤー、鋼材、木材、石材なども考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る布止め具の形態を示す斜視図
【図2】本発明に係る布止め具の収納時の形態を示す斜視図
【図3】布止め具に布を固定した時の実施の形態を示す断面図
【図4】は本発明に係る布止め具のカーテンなど吊るす目的用布止め具の形態を示す斜視図
【図5】本発明に係る布止め具のカーテンを固定した時の実施の形態を示す断面図
【図6】他の固定方法による布止め具の形態を示す斜視図
【図7】他の固定方法による布止め具に布を固定した時の実施の形態を示す断面図
【図8】は本発明に係る背景技術の布止め具形態を示す斜視図
【図9】は本発明に係る背景技術の布止め具形態を示す斜視図
【符号の説明】
【0023】
1 布止め具本体
1−a 布止め具接着部及び溝形成部
1−b 布止め具溝形成部
1−c 布止め具接着用ネジ穴
1−d 布止め具溝内側表面
1−e 布止め具接着側溝内側表面
2 突起形状部材
2−a 突起形状部材くさび形状部
2−b 突起形状部材表面
2−c 突起形状部材取っ手
3 布止め具本体に設けられた溝
4 布
4―a 布部
4―b 布部
4―c 布部
5 布止め具本体を固定する為の被体
6 カーテンリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布を差し込む溝を有する本体と本体の溝に差し込まれた布を固定する為に溝に差し込む突起形状の部材からなる布止め具。
【請求項2】
本体の形状は板状もしくは半球体をなし、本体に設けられた溝は3側面が開放された形状でテーパーを有し、突起形状部材はくさび形状の布止め具。
【請求項3】
本体の溝と突起形状部材の突起部分は布を固定するのに適した形状及び寸法を有する布止め具。
【請求項4】
布を介さず、本体の溝に突起形状部材が直接差し込まれることにより、本体と突起形状部材が固定される形状を有するコンパクトな布止め具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−68795(P2007−68795A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−260035(P2005−260035)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(305043906)
【Fターム(参考)】