帳票印刷用シート及び配送用伝票
【課題】プリンタで情報が印字・印刷される表面シートが剥離可能に基材に接着された構成を有する帳票印刷用シートにおいて、プリンタ内で紙詰まりを起こし難く、表面シートの端部を摘んで基材から簡単に剥離できるようにする。
【解決手段】基材2の表面側に剥離可能に情報印字用シート4が接着され、基材2の裏面側には粘着剤5が設けられ、粘着剤5の表面が離型紙6で被覆保護されてなる帳票印刷用シート1を、情報印字用シート4の表面側から離型紙6の上までに至るスリット7によってマージン部1Aと帳票部1Bとに区画し、基材2は基材2の表面側から離型紙6の上までに至る切断線10によって帯状縁部21と主体部22とに区画し、マージン部1Aを切除する際に基材2から剥離される離型紙6とともに、帯状縁部21が切除されて主体部22から分離するように設ける。
【解決手段】基材2の表面側に剥離可能に情報印字用シート4が接着され、基材2の裏面側には粘着剤5が設けられ、粘着剤5の表面が離型紙6で被覆保護されてなる帳票印刷用シート1を、情報印字用シート4の表面側から離型紙6の上までに至るスリット7によってマージン部1Aと帳票部1Bとに区画し、基材2は基材2の表面側から離型紙6の上までに至る切断線10によって帯状縁部21と主体部22とに区画し、マージン部1Aを切除する際に基材2から剥離される離型紙6とともに、帯状縁部21が切除されて主体部22から分離するように設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェトプリンタなどのノンインパクトプリンタを用いてシート表面に各種情報を印字し或いは印刷して、所望の形式の帳票を製作するための帳票印刷用シートと配送用伝票に関する。
【背景技術】
【0002】
荷物の配送に用いられる配送用伝票として、図10に示されるように、荷物が梱包された箱や袋に貼付けられる貼付票DS1や、受取主に荷物を配達した際に配送業者が持ち帰る配達票DS2、受取主の控えとして利用される領収証(お届け先控)DS3などの各帳票が、一枚のシート上にレイアウトされた形態のものが使用されている。
【0003】
このような配送用伝票DSは、図11に示されるように、基材101と、基材101の表面側に接着剤102を介して剥離可能に接着していてスリット103により前記各帳票が区画形成された情報印字用シート104と、基材101の裏面側に設けられた粘着剤105を被覆保護する離型紙106とが重合一体化した三層構造のシートであって、その一端に設けられたスリット103aに沿って帯状のマージン部100Aと方形状の帳票部100Bとに区画形成されてなる帳票印刷用シート100を用いて構成され、これをインクジェットプリンタなどにセットし、前記情報印字用シート104にレイアウトされた各帳票の表面に、荷物配送に必要な情報を印字・印刷することにより作製される。
使用にあたっては、帳票部100Bの下側に重合した離型紙106とともにマージン部100Aを前記スリット103aに沿って帳票部100Bから分離し、粘着剤105を露出させた帳票部100Bを荷物が梱包された段ボール製の箱110の上面に貼付けて荷物を配送に供する。
荷物の配送処理は前記貼付票DS1に印字された届け先や伝票番号、バーコードなどの情報に基づいて行われ、配送業者が荷物を受取主に引き渡す際には、配達票DS2に受取主の受領印や署名を貰った上で配送業者が配達票DS2を基材101から剥がして持ち帰り、また、受取主宅において基材101から領収証DS3を剥がして保管することができるようになっている(例えば特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−63171号公報
【特許文献2】特開2007−203476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記図示した配送用伝票DSは、配達票DS2と領収証DS3の側辺縁部に、糊殺しがなされて接着されていない剥がし口107が三角形状に縁取られて設けてあり、この剥がし口107を指先で摘んで引っ張ることで両票を基材101から簡単に剥がすことが可能となっている。
しかし、図10に示されるように、前記剥がし口107が設けられた配送用伝票DSの側辺縁部は凹凸のない直線状に縁取られて剥がし口107が当該側辺縁部に埋まっているため、剥がし口107を狙って指先を添え難く、また、配送用伝票DSは極めて薄く、これを箱110の上面に貼付けると当該上面と略面一になることと相俟って、剥がし口107を指先で引き起こしてこれを摘む操作に手間取ることがあった。
そのため、配送業者の配達作業員によっては、受取主宅での配達票DS2の剥離操作に手間取らないようにするべく、受取主宅で荷物を引き渡す際に、携帯するボールペンなどのペン先を前記剥がし口107の下側に押し入れて剥がし口107を捲り上げ、捲り上がった部分を摘んで配達票DS2を基材101から剥がすこともあった。
【0006】
この場合、前記剥がし口107を指先で摘みやすくするための方策として、例えば図12(A)に示されるように、前記剥がし口107を狙って指先を容易に添えることができるように、帳票印刷用シート100の剥がし口107が隣接する縁部に切欠け部108を打ち抜いて設けることが考えられる。また、同図(B)に示されるように、基材101よりも小面積の情報印字用シート104を基材101の上面に接着して、配達票DS2や領収証DS3の周囲に基材101の縁部が残って段差ができるようにするとともに、情報印字用シート104の剥がし口107が隣接する縁部に切欠け部108を形成することが考えられる。
然し乍ら、帳票印刷用シート100の側辺部に切欠け部108が打ち抜かれていたのでは、帳票印刷用シート100をプリンタにセットして情報を印字・印刷するときに、プリンタ内で帳票印刷用シート100の走行が安定せず、前記切欠け部108が引っ掛って紙詰まりを起こしやすくなってしまう。また、同図(B)に示した形態のものでは、情報印字用シート104の情報表示面積が小さくなるという問題がある。
【0007】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑み、プリンタで情報が印字・印刷される表面シートが剥離可能に基材に接着された構成を有する帳票印刷用シートにおいて、プリンタ内で紙詰まりを起こし難く、シート表面に安定して情報の印字・印刷が可能であり、表面シートの端部を摘んで基材から簡単に剥離することができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため本発明の帳票印刷用シートは、基材の表面側に情報印字用シートが剥離可能に接着され、基材の裏面側に粘着剤が設けられ、且つ離型紙で被覆保護されてなるシートであって、前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によって当該シートの端部にマージン部が区画形成された構成を有する帳票印刷用シートにおいて、前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに基材から分離する際に、前記基材の端部が部分的に又は当該端部全体が、離型紙の剥離に伴い切除されて離型紙とともに基材から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする。
基材の端部が切除されて離型紙とともに分離させる手段としては、例えば基材の裏面側に設ける粘着剤の粘着力を基材の端部に沿って部分的に調節することが挙げられ、基材の端部にスポット的に或いは適宜な長さだけ粘着力を大きくして離型紙を基材から剥がれ難く設定し、併せて粘着力を大きくした部分に沿って基材に切断線を設けておき、離型紙を剥離する際に前記粘着力を大きく設けた基材端部が離型紙側に一体に固着し、切断線に沿って切除されて基材から分離するように設けることができる。
他の手段として、基材の端部に沿って表面に糊殺し加工がなされた非接着領域を帯状に設けるとともに、当該非接着領域の境界部に沿って基材の表面側から離型紙の上までに至る切断線を設け、切断線に沿って切除したマージン部を離型紙とともに基材から分離する際に、基材の端部が前記切断線に沿って帯状に切除されて離型紙とともに基材から分離するように設けることができる。
前記構成において、情報印字用シートは、その表面側から基材の上までに至る切断線によって少なくとも二つの帳票領域に区画形成することができる。
【0009】
また、本発明の帳票印刷用シートは、基材の表面側に情報印字用シートが剥離可能に接着され、基材の裏面側に粘着剤が設けられ、且つ離型紙で被覆保護されてなる平面視矩形状の帳票印刷用シートであって、前記基材は、その一側の長手辺側の端部に沿って表面に糊殺し加工がなされた非接着領域が設けられているとともに、当該非接着領域の境界部に沿って設けられた基材の表面側から離型紙の上までに至る切断線によって帯状縁部と主体部とに区画され、前記情報印字用シートは、その表面側から基材の上までに至る切断線によって少なくとも二つの帳票領域に区画され、前記情報印字シート及び基材は、その一側の短手辺側の端部に沿って形成された前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によってマージン部と帳票部とに区画形成されてなり、前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに帳票部から分離する際に、前記基材の帯状縁部が切除されて離型紙とともに主体部から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の配送用伝票は、基材と、基材の表面側に剥離可能に接着していて配達票を含む複数の帳票が切断線を介して区画形成された情報印字用シートと、基材の裏面側に設けられた粘着剤を被覆保護する離型紙とにより構成されていて、前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によってマージン部が端部に区画形成された構成を有する配送用伝票において、前記基材は、その一側の端部に沿って表面に糊殺し加工がなされた非接着領域が設けられているとともに、当該非接着領域の境界部に沿って設けられた基材の表面側から離型紙の上までに至る切断線によって帯状縁部と主体部とに区画形成されており、前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに基材から分離する際に、前記基材の帯状縁部が切除されて離型紙とともに主体部から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする。
【0011】
なお、前記構成において、剥離可能に接着するとは、例えば感圧接着剤などを用いて接着し、接着後に手で剥がそうとすれば容易に剥がすことができるように接着することを意味する。また、切断線とは、情報印字用シートや基材を手先の操作で分断できるように加工された部分であり、ミシン目やスリット、ハーフカットやハーフミシンなどの切れ目を意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の帳票印刷用シートによれば、シートの周囲に切欠け部などの凹凸部位がなく、シートの表裏両面にも段差部位がないので、これをインクジェットプリンタなどにセットして表面シートである情報印字用シートに情報を印字・印刷する際に、プリンタ内で紙詰まりを起こし難く、所望の形式の帳票を安定して作製することができる。
そして、情報印字用シートに情報を印字・印刷したならば、帳票印刷用シートの端部に設けたマージン部を切断線に沿って切り離せば、マージン部と一体に離型紙が引き剥がされて基材裏面側の粘着剤が露出するので、この粘着剤を貼付け面として箱の上面などに帳票印刷用シートを一体に固着することができる。
このとき、離型紙とともに基材の端部部分が切除されて、マージン部及び離型紙とともに基材から分離し、箱の上面などに貼付けた状態で、前記切除された基材の端部部分に面していた情報印字用シートの端部と箱の上面との間には基材の厚み分の隙間が形成されて、情報印字用シートの端部が浮いた状態となるため、指先で容易且つ確実に摘むことができ、前記従来構成のシートや配送用伝票のものよりも、情報印字用シートを基材から簡単な操作で剥離することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の帳票印刷用シートの一実施形態の平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った要部拡大断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿った要部拡大断面図である。
【図4】(A)は図1の帳票印刷用シートを構成する基材の平面図、(B)は同図中のIV−IV線に沿った要部拡大断面図である。
【図5】図1の帳票印刷用シートの基材の帯状縁部とマージン部が重なる部分の切断線の形成位置を拡大して示した図である。
【図6】図1の帳票印刷用シートを用いて作製された配送用伝票の平面図である。
【図7】図6の配送用伝票を箱の上面に貼付けた状態の平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った要部拡大断面図である。
【図9】帳票印刷用シートを構成する基材の変形例の平面図である。
【図10】従来の配送用伝票を箱に貼付けた状態の平面図である。
【図11】(A)、(B)はそれぞれ従来の帳票印刷用シートの平面図と要部断面図断面図である。
【図12】(A)、(B)はそれぞれ従来の帳票印刷用シートの変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。
図1〜図5は本発明の一実施形態の帳票印刷用シートを示しており、この帳票印刷用シート1は、基材2と、基材2の表面側に接着剤3を介して剥離可能に接着した情報印字用シート4と、基材2の裏面側に設けられた粘着剤5を被覆保護する離型紙6とを重合一体化させて平面視矩形状に形成してある。
【0015】
詳しくは、帳票印刷用シート1は、縦横が203mm×100mm程度の寸法で縦長に形成され、図1及び図2に示されるように、その下側短手辺の端部寄りの位置に設けた、情報印字用シート4の表面側から離型紙5の上までに至る深さの切断線7により、帯状のマージン部1Aとその上方の帳票部1Bとに区画形成してある。
【0016】
帳票印刷用シート1の表面シートである情報印字用シート4は、その帳票部1B内の略中間位置に設けた、情報印字用シート4の表面側から基材2の上までに至る深さの切断線8aにより、上部帳票領域4aと下部帳票領域4bに区画してあり、また、上部帳票領域4aの上端に設けた、前記切断線8aと同じ深さの切断線8bにより、帳票部1Bの上端と上部帳票領域4aの間に細幅なヘッダー領域4cを区画形成してある。ヘッダー領域4cには帳票印刷用シート1をプリンタにセットする向きをガイドする情報が予め印刷してある。
また、情報印字用シート4を剥がす際に指先でシートを摘む位置の目安となるように、上部帳票領域4aの下辺左側の角縁部には、指先で摘む部分となる摘み部9を三角形状の着色により印刷表示してある。
【0017】
帳票印刷用シート1の中間層である基材2は、図3及び図4に示されるように、その左側長手辺の端部に沿って、表面に糊殺し加工がなされた非接着領域が帯状に設けられているとともに、この非接着領域の境界部に沿って設けた、基材2の表面側から離型紙6の上までに至る深さの切断線10により、非接着領域である帯状縁部21と、接着領域である主体部22とに区画形成してある。
糊殺し加工がなされた帯状縁部21は、4mm程度の幅で基材2の左側辺に沿って配置されており、基材2の略中間位置であって前記上部帳票領域4aの縁部に設けた摘み部9が面する部分のみ幅広に設けてある。
【0018】
帳票印刷用シート1は、例えばインクジェットプリンタに対応したものであれば、前記基材2は50〜80g/m2の上質紙からなる腰のあるやや肉厚な紙、情報印字用シート4は80〜100g/m2のインクジェット記録用紙をそれぞれ用い、離型紙6は通常使用されている離型紙を用いて形成することができる。
基材2と情報印字用シート4を貼り合わせる接着剤としては、感圧接着剤や感熱接着剤、再湿接着剤などの剥離可能な接着剤が用いられ、フレキソ法、グラビア法などの公知の印刷又はコーティング法によって適宜な厚みに塗布し、接着剤が乾燥していない状態で貼り合わせるウェット方式や熱圧着方式、感圧方式によって貼り合わせることができる。また、基材2の裏面側に設ける粘着剤5としては、アクリル系粘着剤や天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤などを用いることができる。
【0019】
帳票印刷用シート1の製造は、所定形状の基材2の表面の所定位置に帯状に糊殺し加工を施す工程、基材2の裏面側に粘着剤5を塗布し、これに離型紙6を重ね合わせて被覆保護する工程、前記糊殺し加工が施された基材2の表面側の非接着領域の境界部に沿って前記切断線10を形成して基材2を帯状縁部21と主体部22とに区画する工程、基材2の表面側に情報印字用シート4を重ね合わせて接着剤5を介して接着する工程、情報印字用シート4の表面側から前記切断線7、8a、8bを形成してマージン部1Aと帳票部1B及び各帳票領域4a、4b、4cを区画する工程、前記縦横寸法に周囲を切断する工程の各加工工程を経て行うことができる。
この場合、マージン部1Aとともに基材2の帯状縁部21が切除されて離型紙6とともに主体部22から分離されるようにするため、図5に示されるように、マージン部1Aと帳票部1Bを区画する切断線7の切り込みを前記帯状縁部21内に設ける一方、帯状縁部21内に切断線7が切り込まれていない非切断部の幅Wを適宜に設定する必要がある。
切断線7の切り込み幅が大きく非切断部の幅Wが小さすぎると、マージン部1Aの切除に伴い帯状縁部21が切断線7に沿って切断して主体部22と一体に離型紙6から分離してしまい、一方、切断線7の切り込み幅が小さく非切断部の幅Wが大きすぎると、帯状縁部21を離型紙6とともに主体部22から切除できるものの、情報印字用シート4の切り口が不恰好となって帳票部1Bの見栄えが悪くなる。基材2や情報印字用シート4を構成する材料にもよるが、帯状縁部21の幅の略中間部分まで切断線7の切り込みがあることが好ましい。
基材2と離型紙6間の粘着剤5による剥離力は比較的軽いが、上記の通り、帯状縁部21内に切断線7の非切断部を適宜な幅Wだけ設けておくことにより、帯状縁部21の端部は離型紙6と一体に切除されるマージン部1Aに接続したままとなり、また、帯状縁部21の表面を糊殺し加工がなされた非接着領域としてあるので、帯状縁部21が情報印字用シート4に引っ張られて捲れ上がるようなことはなく、マージン部1Aを切除する際に離型紙6の表面に帯状縁部21を残して、主体部22から分離させることができる。
【0020】
このように構成された本形態の帳票印刷用シート1によれば、これをプリンタにセットして、情報印字用シート4に所定の情報を印字・印刷して所望の形式の帳票を作製することができる。この場合、帳票印刷用シート1の周囲に切欠け部などの凹凸部位がなく、また、シート表裏両面にも段差部位がないので、プリンタ内で紙詰まりを起こし難く、スムーズに印字・印刷を行うことができる。
また、情報印字用シート4に情報を印字・印刷した後、マージン部1Aを切断線7に沿って帳票部1Bから切り離せば、マージン部1Aと一体に離型紙6が引き剥がされて基材2の裏面側の粘着剤5が露出し、この粘着剤5を貼付け面として箱の上面などに帳票部1Bを一体に固着することができる。
このとき、基材2の帯状縁部21が主体部22から切除されて、前記マージン部1A及び離型紙6とともに帳票部1Bから分離し、前記基材2の帯状縁部21が面していた情報印字用シート4の左側辺端部に沿って基材2が重合していない部分が帯状に現出する。そのため、箱の上面などに帳票部1Bを貼付けた状態で、摘み部9の印刷表示がなされた情報印字用シート4の端部と箱上面間は基材2の厚み分の隙間が形成されて情報印字用シート4の端部が浮いた状態となり、指先で当該端部を容易に摘むことができ、情報印字用シート4を基材2から簡単な操作で剥離することが可能である。
【0021】
図6は、本形態の帳票印刷用シート1を用いて作製された配送用伝票DSを示しており、これは図1の帳票印刷用シート1をプリンタにセットし、前記情報印字用シート4内に区画形成された上部帳票領域4aを配達票DS2、下部帳票領域を貼付票DS1として、両帳票に荷物配送に必要な情報を印字・印刷して作製したものである。
【0022】
かかる配送用伝票DSは、図7に示されるように、マージン部1Aを帳票部1Bから切り離し、離型紙6を剥離して粘着剤5を露出させた帳票部1Bを配送荷物が梱包された箱11の上面に貼付けて配送に供される。
マージン部1Aを切除する際に基材2の帯状縁部21も切除されて、マージン部1A及び離型紙6とともに帳票部1Bから分離し、貼付票DS1及び配達票DS2の左側辺端部に沿って基材2が重合していない部分が帯状に現出するため、図8に示されるように、箱11の上面に帳票部1Bを貼付けた状態で、配達票DS2の摘み部9の印刷表示部と箱11の上面間に基材2の厚み分の隙間が形成されて当該摘み部9が浮いた状態となり、指先で摘み部9を容易に摘んで、配達票DS1を基材2から簡単に引き剥がすことが可能である。
【0023】
なお、本発明の帳票印刷用シートは、配送用伝票以外の用途の帳票に利用可能である。また、図示した帳票印刷用シートと配送用伝票は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、本発明はこれに限定されず、利用する帳票の形態などに応じて適宜な形態で構成することができる。
図示した形態では、基材2の左側辺に沿って帯状縁部21を設けたが、基材2の右側辺や左右両側辺に帯状縁部21を設けてもよい。また、図9に示されるように、帯状縁部21を基材2の端部の略中間位置までの長さに設けることで、離型紙6とともに帯状縁部21が切除された際に、情報印刷用シート4に印刷表示された摘み部9が浮いた状態となるように構成してもよい。
また、図示した形態では、情報印字用シート4を切断線8a、8bにより三つの帳票領域4a、4b、4cに区画したが、帳票印刷用シート1の利用態様に応じ、複数の帳票領域に区画しない形態や、四つ以上の帳票領域に区画した形態のものを用いることができる。
基材2の端部を切除する手段として、上記の如く基材2を帯状縁部21と主体部22とに切断可能に構成する他に、基材2の裏面側に設ける粘着剤5の粘着力をスポット的に強くするなどし、その部分の基材のみが離型紙と一体に分離するように設けてもよく、離型紙6と一体に基材2の端部が部分的に分離するのであれば他の適宜な手段を用いることができる。
また、本発明は、前記図10及び図11に示される、情報印字用シート4に貼付票DS1、配達票DS2及び領収証DS3をレイアウトした形態の配送用伝票にも適用可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 帳票印刷用シート、1A マージン部、1B 帳票部、2 基材、21 帯状縁部(非接着部)、22 主体部、3 接着剤、4 情報印字用シート、4a,4b,4c 帳票領域、5 粘着剤、6 離型紙、7 切断線、8a,8b 切断線、9 摘み部、10 切断線、11 箱、DS 配送用伝票、DS1 貼付票、DS2 配達票
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェトプリンタなどのノンインパクトプリンタを用いてシート表面に各種情報を印字し或いは印刷して、所望の形式の帳票を製作するための帳票印刷用シートと配送用伝票に関する。
【背景技術】
【0002】
荷物の配送に用いられる配送用伝票として、図10に示されるように、荷物が梱包された箱や袋に貼付けられる貼付票DS1や、受取主に荷物を配達した際に配送業者が持ち帰る配達票DS2、受取主の控えとして利用される領収証(お届け先控)DS3などの各帳票が、一枚のシート上にレイアウトされた形態のものが使用されている。
【0003】
このような配送用伝票DSは、図11に示されるように、基材101と、基材101の表面側に接着剤102を介して剥離可能に接着していてスリット103により前記各帳票が区画形成された情報印字用シート104と、基材101の裏面側に設けられた粘着剤105を被覆保護する離型紙106とが重合一体化した三層構造のシートであって、その一端に設けられたスリット103aに沿って帯状のマージン部100Aと方形状の帳票部100Bとに区画形成されてなる帳票印刷用シート100を用いて構成され、これをインクジェットプリンタなどにセットし、前記情報印字用シート104にレイアウトされた各帳票の表面に、荷物配送に必要な情報を印字・印刷することにより作製される。
使用にあたっては、帳票部100Bの下側に重合した離型紙106とともにマージン部100Aを前記スリット103aに沿って帳票部100Bから分離し、粘着剤105を露出させた帳票部100Bを荷物が梱包された段ボール製の箱110の上面に貼付けて荷物を配送に供する。
荷物の配送処理は前記貼付票DS1に印字された届け先や伝票番号、バーコードなどの情報に基づいて行われ、配送業者が荷物を受取主に引き渡す際には、配達票DS2に受取主の受領印や署名を貰った上で配送業者が配達票DS2を基材101から剥がして持ち帰り、また、受取主宅において基材101から領収証DS3を剥がして保管することができるようになっている(例えば特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−63171号公報
【特許文献2】特開2007−203476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記図示した配送用伝票DSは、配達票DS2と領収証DS3の側辺縁部に、糊殺しがなされて接着されていない剥がし口107が三角形状に縁取られて設けてあり、この剥がし口107を指先で摘んで引っ張ることで両票を基材101から簡単に剥がすことが可能となっている。
しかし、図10に示されるように、前記剥がし口107が設けられた配送用伝票DSの側辺縁部は凹凸のない直線状に縁取られて剥がし口107が当該側辺縁部に埋まっているため、剥がし口107を狙って指先を添え難く、また、配送用伝票DSは極めて薄く、これを箱110の上面に貼付けると当該上面と略面一になることと相俟って、剥がし口107を指先で引き起こしてこれを摘む操作に手間取ることがあった。
そのため、配送業者の配達作業員によっては、受取主宅での配達票DS2の剥離操作に手間取らないようにするべく、受取主宅で荷物を引き渡す際に、携帯するボールペンなどのペン先を前記剥がし口107の下側に押し入れて剥がし口107を捲り上げ、捲り上がった部分を摘んで配達票DS2を基材101から剥がすこともあった。
【0006】
この場合、前記剥がし口107を指先で摘みやすくするための方策として、例えば図12(A)に示されるように、前記剥がし口107を狙って指先を容易に添えることができるように、帳票印刷用シート100の剥がし口107が隣接する縁部に切欠け部108を打ち抜いて設けることが考えられる。また、同図(B)に示されるように、基材101よりも小面積の情報印字用シート104を基材101の上面に接着して、配達票DS2や領収証DS3の周囲に基材101の縁部が残って段差ができるようにするとともに、情報印字用シート104の剥がし口107が隣接する縁部に切欠け部108を形成することが考えられる。
然し乍ら、帳票印刷用シート100の側辺部に切欠け部108が打ち抜かれていたのでは、帳票印刷用シート100をプリンタにセットして情報を印字・印刷するときに、プリンタ内で帳票印刷用シート100の走行が安定せず、前記切欠け部108が引っ掛って紙詰まりを起こしやすくなってしまう。また、同図(B)に示した形態のものでは、情報印字用シート104の情報表示面積が小さくなるという問題がある。
【0007】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑み、プリンタで情報が印字・印刷される表面シートが剥離可能に基材に接着された構成を有する帳票印刷用シートにおいて、プリンタ内で紙詰まりを起こし難く、シート表面に安定して情報の印字・印刷が可能であり、表面シートの端部を摘んで基材から簡単に剥離することができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため本発明の帳票印刷用シートは、基材の表面側に情報印字用シートが剥離可能に接着され、基材の裏面側に粘着剤が設けられ、且つ離型紙で被覆保護されてなるシートであって、前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によって当該シートの端部にマージン部が区画形成された構成を有する帳票印刷用シートにおいて、前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに基材から分離する際に、前記基材の端部が部分的に又は当該端部全体が、離型紙の剥離に伴い切除されて離型紙とともに基材から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする。
基材の端部が切除されて離型紙とともに分離させる手段としては、例えば基材の裏面側に設ける粘着剤の粘着力を基材の端部に沿って部分的に調節することが挙げられ、基材の端部にスポット的に或いは適宜な長さだけ粘着力を大きくして離型紙を基材から剥がれ難く設定し、併せて粘着力を大きくした部分に沿って基材に切断線を設けておき、離型紙を剥離する際に前記粘着力を大きく設けた基材端部が離型紙側に一体に固着し、切断線に沿って切除されて基材から分離するように設けることができる。
他の手段として、基材の端部に沿って表面に糊殺し加工がなされた非接着領域を帯状に設けるとともに、当該非接着領域の境界部に沿って基材の表面側から離型紙の上までに至る切断線を設け、切断線に沿って切除したマージン部を離型紙とともに基材から分離する際に、基材の端部が前記切断線に沿って帯状に切除されて離型紙とともに基材から分離するように設けることができる。
前記構成において、情報印字用シートは、その表面側から基材の上までに至る切断線によって少なくとも二つの帳票領域に区画形成することができる。
【0009】
また、本発明の帳票印刷用シートは、基材の表面側に情報印字用シートが剥離可能に接着され、基材の裏面側に粘着剤が設けられ、且つ離型紙で被覆保護されてなる平面視矩形状の帳票印刷用シートであって、前記基材は、その一側の長手辺側の端部に沿って表面に糊殺し加工がなされた非接着領域が設けられているとともに、当該非接着領域の境界部に沿って設けられた基材の表面側から離型紙の上までに至る切断線によって帯状縁部と主体部とに区画され、前記情報印字用シートは、その表面側から基材の上までに至る切断線によって少なくとも二つの帳票領域に区画され、前記情報印字シート及び基材は、その一側の短手辺側の端部に沿って形成された前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によってマージン部と帳票部とに区画形成されてなり、前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに帳票部から分離する際に、前記基材の帯状縁部が切除されて離型紙とともに主体部から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の配送用伝票は、基材と、基材の表面側に剥離可能に接着していて配達票を含む複数の帳票が切断線を介して区画形成された情報印字用シートと、基材の裏面側に設けられた粘着剤を被覆保護する離型紙とにより構成されていて、前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によってマージン部が端部に区画形成された構成を有する配送用伝票において、前記基材は、その一側の端部に沿って表面に糊殺し加工がなされた非接着領域が設けられているとともに、当該非接着領域の境界部に沿って設けられた基材の表面側から離型紙の上までに至る切断線によって帯状縁部と主体部とに区画形成されており、前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに基材から分離する際に、前記基材の帯状縁部が切除されて離型紙とともに主体部から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする。
【0011】
なお、前記構成において、剥離可能に接着するとは、例えば感圧接着剤などを用いて接着し、接着後に手で剥がそうとすれば容易に剥がすことができるように接着することを意味する。また、切断線とは、情報印字用シートや基材を手先の操作で分断できるように加工された部分であり、ミシン目やスリット、ハーフカットやハーフミシンなどの切れ目を意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の帳票印刷用シートによれば、シートの周囲に切欠け部などの凹凸部位がなく、シートの表裏両面にも段差部位がないので、これをインクジェットプリンタなどにセットして表面シートである情報印字用シートに情報を印字・印刷する際に、プリンタ内で紙詰まりを起こし難く、所望の形式の帳票を安定して作製することができる。
そして、情報印字用シートに情報を印字・印刷したならば、帳票印刷用シートの端部に設けたマージン部を切断線に沿って切り離せば、マージン部と一体に離型紙が引き剥がされて基材裏面側の粘着剤が露出するので、この粘着剤を貼付け面として箱の上面などに帳票印刷用シートを一体に固着することができる。
このとき、離型紙とともに基材の端部部分が切除されて、マージン部及び離型紙とともに基材から分離し、箱の上面などに貼付けた状態で、前記切除された基材の端部部分に面していた情報印字用シートの端部と箱の上面との間には基材の厚み分の隙間が形成されて、情報印字用シートの端部が浮いた状態となるため、指先で容易且つ確実に摘むことができ、前記従来構成のシートや配送用伝票のものよりも、情報印字用シートを基材から簡単な操作で剥離することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の帳票印刷用シートの一実施形態の平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った要部拡大断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿った要部拡大断面図である。
【図4】(A)は図1の帳票印刷用シートを構成する基材の平面図、(B)は同図中のIV−IV線に沿った要部拡大断面図である。
【図5】図1の帳票印刷用シートの基材の帯状縁部とマージン部が重なる部分の切断線の形成位置を拡大して示した図である。
【図6】図1の帳票印刷用シートを用いて作製された配送用伝票の平面図である。
【図7】図6の配送用伝票を箱の上面に貼付けた状態の平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った要部拡大断面図である。
【図9】帳票印刷用シートを構成する基材の変形例の平面図である。
【図10】従来の配送用伝票を箱に貼付けた状態の平面図である。
【図11】(A)、(B)はそれぞれ従来の帳票印刷用シートの平面図と要部断面図断面図である。
【図12】(A)、(B)はそれぞれ従来の帳票印刷用シートの変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。
図1〜図5は本発明の一実施形態の帳票印刷用シートを示しており、この帳票印刷用シート1は、基材2と、基材2の表面側に接着剤3を介して剥離可能に接着した情報印字用シート4と、基材2の裏面側に設けられた粘着剤5を被覆保護する離型紙6とを重合一体化させて平面視矩形状に形成してある。
【0015】
詳しくは、帳票印刷用シート1は、縦横が203mm×100mm程度の寸法で縦長に形成され、図1及び図2に示されるように、その下側短手辺の端部寄りの位置に設けた、情報印字用シート4の表面側から離型紙5の上までに至る深さの切断線7により、帯状のマージン部1Aとその上方の帳票部1Bとに区画形成してある。
【0016】
帳票印刷用シート1の表面シートである情報印字用シート4は、その帳票部1B内の略中間位置に設けた、情報印字用シート4の表面側から基材2の上までに至る深さの切断線8aにより、上部帳票領域4aと下部帳票領域4bに区画してあり、また、上部帳票領域4aの上端に設けた、前記切断線8aと同じ深さの切断線8bにより、帳票部1Bの上端と上部帳票領域4aの間に細幅なヘッダー領域4cを区画形成してある。ヘッダー領域4cには帳票印刷用シート1をプリンタにセットする向きをガイドする情報が予め印刷してある。
また、情報印字用シート4を剥がす際に指先でシートを摘む位置の目安となるように、上部帳票領域4aの下辺左側の角縁部には、指先で摘む部分となる摘み部9を三角形状の着色により印刷表示してある。
【0017】
帳票印刷用シート1の中間層である基材2は、図3及び図4に示されるように、その左側長手辺の端部に沿って、表面に糊殺し加工がなされた非接着領域が帯状に設けられているとともに、この非接着領域の境界部に沿って設けた、基材2の表面側から離型紙6の上までに至る深さの切断線10により、非接着領域である帯状縁部21と、接着領域である主体部22とに区画形成してある。
糊殺し加工がなされた帯状縁部21は、4mm程度の幅で基材2の左側辺に沿って配置されており、基材2の略中間位置であって前記上部帳票領域4aの縁部に設けた摘み部9が面する部分のみ幅広に設けてある。
【0018】
帳票印刷用シート1は、例えばインクジェットプリンタに対応したものであれば、前記基材2は50〜80g/m2の上質紙からなる腰のあるやや肉厚な紙、情報印字用シート4は80〜100g/m2のインクジェット記録用紙をそれぞれ用い、離型紙6は通常使用されている離型紙を用いて形成することができる。
基材2と情報印字用シート4を貼り合わせる接着剤としては、感圧接着剤や感熱接着剤、再湿接着剤などの剥離可能な接着剤が用いられ、フレキソ法、グラビア法などの公知の印刷又はコーティング法によって適宜な厚みに塗布し、接着剤が乾燥していない状態で貼り合わせるウェット方式や熱圧着方式、感圧方式によって貼り合わせることができる。また、基材2の裏面側に設ける粘着剤5としては、アクリル系粘着剤や天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤などを用いることができる。
【0019】
帳票印刷用シート1の製造は、所定形状の基材2の表面の所定位置に帯状に糊殺し加工を施す工程、基材2の裏面側に粘着剤5を塗布し、これに離型紙6を重ね合わせて被覆保護する工程、前記糊殺し加工が施された基材2の表面側の非接着領域の境界部に沿って前記切断線10を形成して基材2を帯状縁部21と主体部22とに区画する工程、基材2の表面側に情報印字用シート4を重ね合わせて接着剤5を介して接着する工程、情報印字用シート4の表面側から前記切断線7、8a、8bを形成してマージン部1Aと帳票部1B及び各帳票領域4a、4b、4cを区画する工程、前記縦横寸法に周囲を切断する工程の各加工工程を経て行うことができる。
この場合、マージン部1Aとともに基材2の帯状縁部21が切除されて離型紙6とともに主体部22から分離されるようにするため、図5に示されるように、マージン部1Aと帳票部1Bを区画する切断線7の切り込みを前記帯状縁部21内に設ける一方、帯状縁部21内に切断線7が切り込まれていない非切断部の幅Wを適宜に設定する必要がある。
切断線7の切り込み幅が大きく非切断部の幅Wが小さすぎると、マージン部1Aの切除に伴い帯状縁部21が切断線7に沿って切断して主体部22と一体に離型紙6から分離してしまい、一方、切断線7の切り込み幅が小さく非切断部の幅Wが大きすぎると、帯状縁部21を離型紙6とともに主体部22から切除できるものの、情報印字用シート4の切り口が不恰好となって帳票部1Bの見栄えが悪くなる。基材2や情報印字用シート4を構成する材料にもよるが、帯状縁部21の幅の略中間部分まで切断線7の切り込みがあることが好ましい。
基材2と離型紙6間の粘着剤5による剥離力は比較的軽いが、上記の通り、帯状縁部21内に切断線7の非切断部を適宜な幅Wだけ設けておくことにより、帯状縁部21の端部は離型紙6と一体に切除されるマージン部1Aに接続したままとなり、また、帯状縁部21の表面を糊殺し加工がなされた非接着領域としてあるので、帯状縁部21が情報印字用シート4に引っ張られて捲れ上がるようなことはなく、マージン部1Aを切除する際に離型紙6の表面に帯状縁部21を残して、主体部22から分離させることができる。
【0020】
このように構成された本形態の帳票印刷用シート1によれば、これをプリンタにセットして、情報印字用シート4に所定の情報を印字・印刷して所望の形式の帳票を作製することができる。この場合、帳票印刷用シート1の周囲に切欠け部などの凹凸部位がなく、また、シート表裏両面にも段差部位がないので、プリンタ内で紙詰まりを起こし難く、スムーズに印字・印刷を行うことができる。
また、情報印字用シート4に情報を印字・印刷した後、マージン部1Aを切断線7に沿って帳票部1Bから切り離せば、マージン部1Aと一体に離型紙6が引き剥がされて基材2の裏面側の粘着剤5が露出し、この粘着剤5を貼付け面として箱の上面などに帳票部1Bを一体に固着することができる。
このとき、基材2の帯状縁部21が主体部22から切除されて、前記マージン部1A及び離型紙6とともに帳票部1Bから分離し、前記基材2の帯状縁部21が面していた情報印字用シート4の左側辺端部に沿って基材2が重合していない部分が帯状に現出する。そのため、箱の上面などに帳票部1Bを貼付けた状態で、摘み部9の印刷表示がなされた情報印字用シート4の端部と箱上面間は基材2の厚み分の隙間が形成されて情報印字用シート4の端部が浮いた状態となり、指先で当該端部を容易に摘むことができ、情報印字用シート4を基材2から簡単な操作で剥離することが可能である。
【0021】
図6は、本形態の帳票印刷用シート1を用いて作製された配送用伝票DSを示しており、これは図1の帳票印刷用シート1をプリンタにセットし、前記情報印字用シート4内に区画形成された上部帳票領域4aを配達票DS2、下部帳票領域を貼付票DS1として、両帳票に荷物配送に必要な情報を印字・印刷して作製したものである。
【0022】
かかる配送用伝票DSは、図7に示されるように、マージン部1Aを帳票部1Bから切り離し、離型紙6を剥離して粘着剤5を露出させた帳票部1Bを配送荷物が梱包された箱11の上面に貼付けて配送に供される。
マージン部1Aを切除する際に基材2の帯状縁部21も切除されて、マージン部1A及び離型紙6とともに帳票部1Bから分離し、貼付票DS1及び配達票DS2の左側辺端部に沿って基材2が重合していない部分が帯状に現出するため、図8に示されるように、箱11の上面に帳票部1Bを貼付けた状態で、配達票DS2の摘み部9の印刷表示部と箱11の上面間に基材2の厚み分の隙間が形成されて当該摘み部9が浮いた状態となり、指先で摘み部9を容易に摘んで、配達票DS1を基材2から簡単に引き剥がすことが可能である。
【0023】
なお、本発明の帳票印刷用シートは、配送用伝票以外の用途の帳票に利用可能である。また、図示した帳票印刷用シートと配送用伝票は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、本発明はこれに限定されず、利用する帳票の形態などに応じて適宜な形態で構成することができる。
図示した形態では、基材2の左側辺に沿って帯状縁部21を設けたが、基材2の右側辺や左右両側辺に帯状縁部21を設けてもよい。また、図9に示されるように、帯状縁部21を基材2の端部の略中間位置までの長さに設けることで、離型紙6とともに帯状縁部21が切除された際に、情報印刷用シート4に印刷表示された摘み部9が浮いた状態となるように構成してもよい。
また、図示した形態では、情報印字用シート4を切断線8a、8bにより三つの帳票領域4a、4b、4cに区画したが、帳票印刷用シート1の利用態様に応じ、複数の帳票領域に区画しない形態や、四つ以上の帳票領域に区画した形態のものを用いることができる。
基材2の端部を切除する手段として、上記の如く基材2を帯状縁部21と主体部22とに切断可能に構成する他に、基材2の裏面側に設ける粘着剤5の粘着力をスポット的に強くするなどし、その部分の基材のみが離型紙と一体に分離するように設けてもよく、離型紙6と一体に基材2の端部が部分的に分離するのであれば他の適宜な手段を用いることができる。
また、本発明は、前記図10及び図11に示される、情報印字用シート4に貼付票DS1、配達票DS2及び領収証DS3をレイアウトした形態の配送用伝票にも適用可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 帳票印刷用シート、1A マージン部、1B 帳票部、2 基材、21 帯状縁部(非接着部)、22 主体部、3 接着剤、4 情報印字用シート、4a,4b,4c 帳票領域、5 粘着剤、6 離型紙、7 切断線、8a,8b 切断線、9 摘み部、10 切断線、11 箱、DS 配送用伝票、DS1 貼付票、DS2 配達票
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面側に情報印字用シートが剥離可能に接着され、基材の裏面側に粘着剤が設けられ、且つ離型紙で被覆保護されてなるシートであって、前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によって当該シートの端部にマージン部が区画形成された構成を有する帳票印刷用シートにおいて、
前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに基材から分離する際に、前記基材の端部が部分的に又は当該端部全体が、離型紙の剥離に伴い切除されて離型紙とともに基材から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする帳票印刷用シート。
【請求項2】
基材の端部に沿って表面に糊殺し加工がなされた非接着領域を帯状に設けるとともに、当該非接着領域の境界部に沿って基材の表面側から離型紙の上までに至る切断線を設け、切断線に沿って切除したマージン部を離型紙とともに基材から分離する際に、基材の端部が前記切断線に沿って帯状に切除されて離型紙とともに基材から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする請求項1に記載の帳票印刷用シート。
【請求項3】
情報印字用シートの表面側から基材の上までに至る切断線によって前記情報用印字シートが少なくとも二つの帳票領域に区画形成された構成を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の帳票印刷用シート。
【請求項4】
基材の表面側に情報印字用シートが剥離可能に接着され、基材の裏面側に粘着剤が設けられ、且つ離型紙で被覆保護されてなる平面視矩形状の帳票印刷用シートであって、
前記基材は、その一側の長手辺側の端部に沿って表面に糊殺し加工がなされた非接着領域が設けられているとともに、当該非接着領域の境界部に沿って設けられた基材の表面側から離型紙の上までに至る切断線によって帯状縁部と主体部とに区画され、
前記情報印字用シートは、その表面側から基材の上までに至る切断線によって少なくとも二つの帳票領域に区画され、
前記情報印字シート及び基材は、その一側の短手辺側の端部に沿って形成された前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によってマージン部と帳票部とに区画形成されてなり、
前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに帳票部から分離する際に、前記基材の帯状縁部が切除されて離型紙とともに主体部から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする帳票印刷用シート。
【請求項5】
基材と、基材の表面側に剥離可能に接着していて配達票を含む複数の帳票が切断線を介して区画形成された情報印字用シートと、基材の裏面側に設けられた粘着剤を被覆保護する離型紙とにより構成されていて、前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によってマージン部が端部に区画形成された構成を有する配送用伝票において、
前記基材は、その一側の端部に沿って表面に糊殺し加工がなされた非接着領域が設けられているとともに、当該非接着領域の境界部に沿って設けられた基材の表面側から離型紙の上までに至る切断線によって帯状縁部と主体部とに区画形成されており、
前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに基材から分離する際に、前記基材の帯状縁部が切除されて離型紙とともに主体部から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする配送用伝票。
【請求項1】
基材の表面側に情報印字用シートが剥離可能に接着され、基材の裏面側に粘着剤が設けられ、且つ離型紙で被覆保護されてなるシートであって、前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によって当該シートの端部にマージン部が区画形成された構成を有する帳票印刷用シートにおいて、
前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに基材から分離する際に、前記基材の端部が部分的に又は当該端部全体が、離型紙の剥離に伴い切除されて離型紙とともに基材から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする帳票印刷用シート。
【請求項2】
基材の端部に沿って表面に糊殺し加工がなされた非接着領域を帯状に設けるとともに、当該非接着領域の境界部に沿って基材の表面側から離型紙の上までに至る切断線を設け、切断線に沿って切除したマージン部を離型紙とともに基材から分離する際に、基材の端部が前記切断線に沿って帯状に切除されて離型紙とともに基材から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする請求項1に記載の帳票印刷用シート。
【請求項3】
情報印字用シートの表面側から基材の上までに至る切断線によって前記情報用印字シートが少なくとも二つの帳票領域に区画形成された構成を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の帳票印刷用シート。
【請求項4】
基材の表面側に情報印字用シートが剥離可能に接着され、基材の裏面側に粘着剤が設けられ、且つ離型紙で被覆保護されてなる平面視矩形状の帳票印刷用シートであって、
前記基材は、その一側の長手辺側の端部に沿って表面に糊殺し加工がなされた非接着領域が設けられているとともに、当該非接着領域の境界部に沿って設けられた基材の表面側から離型紙の上までに至る切断線によって帯状縁部と主体部とに区画され、
前記情報印字用シートは、その表面側から基材の上までに至る切断線によって少なくとも二つの帳票領域に区画され、
前記情報印字シート及び基材は、その一側の短手辺側の端部に沿って形成された前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によってマージン部と帳票部とに区画形成されてなり、
前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに帳票部から分離する際に、前記基材の帯状縁部が切除されて離型紙とともに主体部から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする帳票印刷用シート。
【請求項5】
基材と、基材の表面側に剥離可能に接着していて配達票を含む複数の帳票が切断線を介して区画形成された情報印字用シートと、基材の裏面側に設けられた粘着剤を被覆保護する離型紙とにより構成されていて、前記情報印字用シートの表面側から離型紙の上までに至る切断線によってマージン部が端部に区画形成された構成を有する配送用伝票において、
前記基材は、その一側の端部に沿って表面に糊殺し加工がなされた非接着領域が設けられているとともに、当該非接着領域の境界部に沿って設けられた基材の表面側から離型紙の上までに至る切断線によって帯状縁部と主体部とに区画形成されており、
前記マージン部を切断線に沿って切除し、これを離型紙とともに基材から分離する際に、前記基材の帯状縁部が切除されて離型紙とともに主体部から分離するように設けられた構成を有することを特徴とする配送用伝票。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−49215(P2013−49215A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189014(P2011−189014)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(305062549)ヤマト運輸株式会社 (21)
【出願人】(390027203)株式会社中川製作所 (9)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(305062549)ヤマト運輸株式会社 (21)
【出願人】(390027203)株式会社中川製作所 (9)
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