説明

帽子保持用伸縮バンド紐

【課題】 着用した帽子が強い風などで飛ばされるのを防ぎ、かつ、止め方も衣服の襟止めや顎掛け方法など自在に使える帽子保持用バンド紐を提供する。
【解決手段】 帽子保持止め用の伸縮バンド紐(1)は、近年、開発された技術による編み紐であり、ウーリー糸を用いて特殊な筒状編みにすることで、きわめて高い伸縮性を有する伸縮バンド紐(1)を採用することが特徴であり、その長さは、帽子の後部と衣服の襟に挟み止める程度の長さの両端部には、薄くてスマートな形でありながら強く挟み止められるサスペンダータイプのクリップ(2)(2)を取り付けて、本考案による帽子保持用の伸縮バンド紐本体(3)を構成している。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、着用した帽子が強い風などで飛ばされるのを防ぎ、かつ、止め方も衣服の襟止めや顎掛け方法など自在に使える帽子保持用バンド紐に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、帽子は強い日差しを防いだり、お洒落を楽しむ目的などで使用されることが多いが、突然の強い風やサイクリングの走行時による風圧などで飛ばされることも珍しくなく、したがって、そのような風などにより帽子が飛ばされるのを防ぐ用具として、組紐や細いベルト紐の両端部にクリップを取り付けた保持バンドや紐があり(図4)、使用時には帽子と首筋の後部に当たる衣服の襟をクリップで挟み止めて着用することで、帽子が風などで遠くに飛ばされないことを目的とするキャップ保持バンド(直品名)などが提供されている。
【0003】
【考案が解決しょうとする課題】
以上のような帽子保持バンドが提供されており、これらは一定の効果は成すが、しかし実際の使用に際しては次のような欠点や不便があるものであった。
まず、両端にクリップを取り付けるバンドや紐の素材は、伸縮しない単なる組紐や編み紐で、しかも、その長さも帽子の後部と衣服の首筋後部までの長さ程度であるので、使用する時は予め帽子の後部にバンド紐一方のクリップで挟み止めてから帽子を被った上で、一定長のバンド紐の他方に付いているクリップを手で探りながらつかんで、衣服の襟の端部位に挟み止めるか、その反対にバンド紐の一方のクリップを先に襟に止めた上で、着用した帽子の後部に止めるなどの方法であるので面倒であり、とりわけ子供などの場合は一人では止められず、大人でも大変使いにくいものであった。
【0004】
さらに、これらの保持バンドの素材は伸縮しない組み紐やベルト紐などのみで、かつ、帽子後部より衣服の襟を挟み止める程度の一定長のものしかないので、例えば、麦わら帽子に付けられている顎紐様に、顔面の顎に掛け渡すようにして保持バンドで帽子を止めるには長さが短くて使えず、もし、帽子の後部止めや顎掛け渡し方式いずれにも使えるようにするには、バンド紐自体を長いものを採用するしかなく両用には使えない欠点があった。加えて、帽子後部から衣服の襟に連結して挟み止める方法は、帽子が飛ばされた際、確かに遠くには飛ばされないが、風で脱帽されて背中側に垂れた帽子をその都度、手繰り寄せて被り直さなければならない面倒が多かった。
また、保持バンドの形成方法は伸びにくい糸でしっかり組上げられた紐であるので、丈夫であるが固くて重いので肌触りも悪く、長時間の使用にあっては疲れやすい感覚が拭えない保持バンドであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案は、従来のこのような決点や不便を解消するために次のような構成としている。
この考案で採用する紐やバンド紐の特徴は、伸縮性の高い素材の伸縮バンド紐(1)として、その両端部にサスペンダータイプのクリップ(2)(2)を取り付けて、使いやすいバンド紐本体(3)を構成している。
とりわけ、この紐は近年開発されている技術であるもので、ウーリー糸を用いて、特徴的な筒状編み技術による紐を採用することで、ゴム紐のようなきわめて伸縮性が高く、かつ、きわめて軽いバンド紐(1)を構成している。
【0006】
【考案の実施の形態】
本考案による伸縮バンド紐本体(3)に採用されている伸縮バンド紐(1)は、近年、開発された特殊な筒状編み紐を採用しているので、従来のような帽子後部と衣服の襟を挟み止める程度の長さであっても、本案の特徴的である、顎に掛け渡して帽子の左右端部に挟み止める方法であっても、伸縮バンド紐(1)はきわめて伸縮性が高いので無理なく伸びて帽子(A)にしっかり挟み止められる。
しかも、伸縮バンド紐(1)は筒状編み紐という特殊な紐にすることできわめて伸びる特性を有しているので、いわゆるゴム紐のような圧迫感や重さもないため、長時間でも肌に優しく疲れる感じは全く心配ない保持紐である。
加えて実施例2に示すタイプは、二つ折りした伸縮バンド紐(1)に、さらに調節輪(4)を備えているので、大人用の長いのを子供などに使用する際でも、調節輪(4)を移動させることで容易に任意の長さに調節することできる。
【0007】
【実施例】
実施例1 本考案の実施例1を図1に示す斜視図と図2に示す使用例図を参照して説明する。
まず、本考案に於ける帽子保持止め用の伸縮バンド紐(1)は、近年、開発された技術による編み紐であり、ウーリー糸を用いて特殊な筒状編みにすることで、きわめて高い伸縮性を有する伸縮バンド紐(1)を採用することが特徴であり、その長さは、帽子を被った時に帽子の後部と襟に挟み止める程度の長さの伸縮バンド紐(1)の両端部には、薄くてスマートな形でありながら強く挟み止められるサスペンダータイプのクリップ(2)(2)を取り付けて、本考案による帽子保持用の伸縮バンド紐本体(3)を構成している。
【0008】
実施例2 実施例2を図3に示す斜視図を参照して説明する。
実施例2は実施例1タイプのように両端部にクリップ(2)(2)を取り付けた伸縮バンド紐(1)の中ほどを二つ折りにして、パイプ状の調節輪(4)を設けた構成としている。
この調節輪(4)は、二つ折りした伸縮バンド紐(1)が少しきつい程度に差し込める大きさのものが好ましく、素材は金属や合成樹脂材その他の素材でもよく、また、伸縮バンド紐(1)の長さも、実施例1タイプより長くても調節輪(4)の移動により長短の調節が加減できるので差し支えないものである。
【0009】
本考案は以上のような構成としているが、特徴的である伸縮バンド紐(1)の素材はウーリー糸を用いて特殊な筒状編みによる伸縮性の高い紐を採用しているが、実施例2に示すような調節輪(4)を有するタイプの場合は、顎に掛け渡した時に必要以上に締め付けることなく調節できるので、実施例2に示した特殊な伸縮紐に替えて、いわゆる通常のゴム紐を採用してもよい。さらに、クリップは形がスマートでありながら強い挟み力があるサスペンダータイプのクリップ(2)が好ましいが、外のいずれのタイプのクリップを採用しても差し支えない。
【0010】
【考案の効果】
本考案による帽子保持用バンド紐本体は、特殊な筒状を成す編み紐で伸縮性がきわめて高い紐を採用しているので、従来のような帽子の後部と衣服の襟を挟み止める程度の長さであっても、強い風などの際には顎に掛け渡すようにして挟み止める使い方に変えても無理なく伸びてしっかり帽子を保持できることができるので、従来のような帽子の後部と衣服の襟にも挟み止められ、好みや目的に応じて両用に使い分けられる便利な保持バンド紐です。
【0011】
さらに、伸縮バンド紐は筒状編み紐の特性により伸びもよく、しかも肌触りは優しいので子供の柔らかい肌にも違和感を与えない保持バンド紐であり、したがって従来の組紐によるバンド紐やゴム紐のような圧迫感を与える心配は全くない。加えて、編目も荒く紐芯は無い中空様を成している筒状編み紐であるので重さも感じさせない程きわめて軽いために、長時間の使用でも疲労感を与えない帽子保持用として最適な保持バンド紐を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例1を示す斜視図。
【図2】実施例1の使用例図。
【図3】実施例2を示す斜視図。
【図4】従来品の使用例図。
【符号の説明】
1・・・伸縮バンド紐
2・・・クリップ
3・・・伸縮バンド紐本体
4・・・調節輪
A・・・帽子

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 伸縮バンド紐本体(3)を形成する伸縮バンド紐(1)は、筒状編み紐で成る高い伸縮性を有するものであり、かつ、長さは帽子(A)後部と衣服の襟に挟み止められる程度以上の長さを成すものとし、その両端部にクリップ(2)(2)を設けた構成である帽子保持用伸縮バンド紐。
【請求項2】 伸縮バンド紐(1)の中程を二つ折りした上で、調節輪(4)を取り付けた構成である請求項1に記載の帽子保持用伸縮バンド紐。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】第3033247号
【登録日】平成8年(1996)10月30日
【発行日】平成9年(1997)1月21日
【考案の名称】帽子保持用伸縮バンド紐
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平8−7865
【出願日】平成8年(1996)7月4日
【出願人】(591232381)株式会社ヨシオ (7)