説明

帽子

【課題】 整形バイザー部とキャップ部をそれぞれ装着可能であって、整形バイザー部とキャップ部を組み合わせて帽子を形成でき、かつ、頭部に装着してもヘアースタイルを崩すことの無い帽子を提供する。
【解決手段】 頭部に装着する整形バイザー部10と該バイザー部に取り付けて帽子を形成するキャップ部50とを備え、整形バイザー部10は、弾性を有する合成樹脂素材で形成する芯材を被覆材で被覆した装着部11と、装着部11から突出したひさし部13よりなり、キャップ部50は少なくとも整形バイザー部10の装着部11への取り付け部51を備え、該キャップ部50の取り付け部51の周長は頭囲寸法より大きな寸法を有していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整形バイザー部とキャップ部とを分離可能とした帽子に関する。
【背景技術】
【0002】
帽子が2つの構成要素により構成され、各構成要素を組み合わせたり、単独で使用したりできる帽子は下記の特許文献に開示されている。
【特許文献1】特開平11−50321号公報
【特許文献2】実用新案登録第3006721号公報
【特許文献3】実用新案登録第3097155号公報
【特許文献4】実公平7−54248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記各特許文献に開示されている帽子は、頭部を被覆する帽子部分と帽子に組み合わせるひさし部とを有し、帽子部分とひさし部とを結合、あるいは分解して単独で使用するものである。
しかし、これらの帽子は頭部に装着することにより、頭髪が押しつぶされてしまい、帽子を脱いだときのヘアースタイルが崩れてしまう不都合があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決すべく、整形バイザー部とキャップ部をそれぞれ単独で装着可能であって、かつ、整形バイザー部とキャップ部を組み合わせて帽子を形成できるとともに、頭部に装着してもヘアースタイルを崩すことの無い帽子を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の帽子は、弾性を有する合成樹脂素材で形成する芯材を被覆材で被覆した装着部と、装着部から突出したひさし部を具備し、頭部に装着する整形バイザー部と、該バイザー部に取り付けて帽子を形成するキャップ部とを備えている。そして、キャップ部は少なくとも整形バイザー部の装着部への取り付け部を備え、該キャップ部の取り付け部の周長は頭囲寸法より大きな寸法を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
整形バイザー部、およびキャップ部はそれぞれ単独で装着可能であって、整形バイザー部とキャップ部を組み合わせて帽子を形成できる。さらに整形バイザー部、キャップ部、帽子を頭部に装着したとき、芯材を被覆材で被覆した装着部と、頭囲寸法より大きな周長寸法を有しているキャップ部により、頭髪を押圧することなくヘアースタイルを崩さない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は整形バイザー部の斜視図、図4はキャップ部の全体説明図である。
本発明の帽子は、整形バイザー部10とキャップ部50とを備えている。
【0007】
整形バイザー部10は頭部に取り付ける装着部11と、装着部11から突出するひさし部13とよりなる。
装着部11は開き部15を介してほぼ馬蹄形状をなし、図2の線A―A断面図に示すように、弾性を有するポリウレタン等の合成樹脂素材で形成する芯材110と、その芯材110を被覆する被覆材115とで構成されている。被覆材115は肌さわりの良い素材、例えば、スエード、コーヂュロイ、編み生地などを用いている。そして、装着部11は芯材110を介在する部分とその上部に被覆材115のみよりなる緩衝部117を有している。装着部11の板厚寸法Wは5mm〜8mm、その高さ寸法Hは2.5cm〜3cmとなっている。
【0008】
ひさし部13は装着部11から突出する、整形バイザー部10を装着した際に額方向前方に張り出す形状の板状体である。ひさし部13の張り出しの長さは適宜変更できる。ひさし部13は装着部11と同様の素材、すなわち、芯材を被覆材で被覆したもの、あるいは合成樹脂板のみで形成している。また、ひさし部13は整形バイザー部10と一体成形されていてもよく、各パーツが連結されていてもよい。ひさし部13と装着部11の境界部12には、整形バイザー部10とキャップ部50とを連結するための係止具17が配設されている。係止具17は装着部11の中心位置Oから両先端部18A,18B方向それぞれ等距離に、この実施例においては、2箇所形成されている。なお、係止具の数は必要に応じて、適宜に変更するものである。
【0009】
キャップ部50は整形バイザー部10の装着部11に重合して取り付ける取り付け部51と、頭部を被覆するトップ部53とを有する。取り付け部51は少なくとも整形バイザー部10の装着部11の高さ寸法Hを有し、内側には整形バイザー部10の係止具17に掛留める留め具55が係止具17に対応する位置に固着されている。そして、後頭部にはサイズ調整具57を配設している。サイズ調整具57は、バックル,ボタン,布ファスナーなどを用いればよい。キャップ部50の素材は整形バイザー部10における被覆材と同じか類似する素材を用いている。さらに、キャップ部50の取り付け部51の周長は、通常の大人の頭囲寸法より大きな寸法に設定されている。
【0010】
次に整形バイザー部10、キャップ部50を単独で装着する場合を説明する。
整形バイザー部10を単独で頭部に装着する場合・・・図3参照
装着部11の開き部15を開き、装着部11の両先端部18A、18Bを額部分から耳と髪の生え際に差し込む。ひさし部13は額の前方を覆って日よけの役目をなす。このとき、装着部11は板厚が厚く、肌さわりの良い被覆材115で被覆されているので、頭部への締め付け力を緩和できるにも拘らず、装着ずれを防止し、装着感が良好となる。
【0011】
キャップ部50を単独で頭部に装着する場合・・・図5参照
前頭部(額部分)にキャップ部50の前部分を当て、頭全体を覆うようにキャップ部50を被せる。着用心地によりサイズ調整具57により調整する。このとき、キャップ部50の取り付け部51の周長を、頭囲寸法より大きな寸法としているので、頭髪を押圧することなく、ルーズに着用できる。
【0012】
次に整形バイザー部10とキャップ部50を組み合わせた状態を説明する。
整形バイザー部10にキャップ部50を取り付けて帽子とする場合・・図6.図7.図8参照
先ず、図6に示すように、キャップ部50の前部分を整形バイザー部10の装着部11の中心位置Oに合わせ、整形バイザー部10の係止具17にキャップ部50の留め具55を掛けとめ、整形バイザー部10とキャップ部50を連結する。すなわち、キャップ部50と整形バイザー部10との連結は、係止具17と留め具55との掛け止め位置である中心位置Oから両先端部18A,18B方向にそれぞれ等距離の2箇所のみとなる。そして、上記2箇所以外のキャップ部50は規制されることがなく、自由端となり、キャップ部50の自重で頭部を被う。上記キャップ部50はその周長を長く、例えば図7に示すように、中心位置Oから調整具57配設位置までの長さ寸法Lを大きくしているので、キャップ部50は後頭部分を押圧することなく、頭部を被覆することができる。例えば、通常の帽子の着用状態が図8に破線aで示す状態とすると、この実施の形態で説明した帽子100の着用状態は被覆面積が大きく、頭部を締め付けることがない。また、整形バイザー部10の装着部11の板厚が厚く、肌さわりの良い被覆材115で被覆され、さらに、上端縁の被覆材115のみからなる緩衝部117が頭部側部への締め付けを緩和させ、厚い装着部11の上に頭髪がかかるので、側部の髪が必要以上に締め付けられることがない。従って、ヘアースタイルを帽子の締め付けによって崩すことが無い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】整形バイザー部の斜視図。
【図2】図1線A−Aの断面図。
【図3】整形バイザー部を装着した説明図。
【図4】キャップ部の全体説明図。
【図5】キャップ部を装着した説明図。
【図6】帽子の着用の説明図。
【図7】帽子の全体説明図。
【図8】帽子を装着した説明図。
【符号の説明】
【0014】
10 整形バイザー部
11 装着部
13 ひさし部
15 開き部
17 係止具
50 キャップ部
51 取り付け部
53 トップ部
55 留め具
57 サイズ調整具
100 帽子
110 芯材
115 被覆材
117 緩衝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部に装着する整形バイザー部と該バイザー部に取り付けて帽子を形成するキャップ部とを備え、
整形バイザー部は、弾性を有する合成樹脂素材で形成する芯材を被覆材で被覆した装着部と、装着部から突出したひさし部を具備し、キャップ部は少なくとも整形バイザー部の装着部への取り付け部を備え、
該キャップ部の取り付け部の周長は頭囲寸法より大きな寸法を有していることを特徴とする帽子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−89879(P2006−89879A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−277366(P2004−277366)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000000952)カネボウ株式会社 (120)
【出願人】(504360233)カネボウ・サンディジェーム株式会社 (1)