平らになる、本のシート
可撓性のヒンジ領域を有するシートストックについて記載する。このシートストックは、開口部及びギャップスチフナを有する下地と、開口部をカバーする可撓性フィルムであって、該フィルムによってカバーされた開口部及びギャップスチフナの領域に可撓性のヒンジ領域を設ける可撓性フィルムとを含む。可撓性のヒンジ領域を有するシートストックを作製する方法についても記載する。このシートストックは、印刷、製本及び他の用途で使用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してページ又はシートに関し、より具体的には、綴じたときに平らになるページ又はシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
写真を撮るために、長い間、従来のフィルムカメラが用いられ、撮影済みのフィルムを現像処理のために現像所に持ち込んだり、送ったりし、現像所がこれらのカメラからのフィルムを現像処理し、様々な寸法の印刷物を撮影者に返却していた。そして、これらの印刷物は様々な形で保管又は陳列されており、その一つの方法は、写真アルバム又は写真集を作るために多くの写真を保管し使用する方法であり、こうした本はいくつかのポケット、スリーブ、或いは特別なコーナー又はテープを用いて写真を保持する。
【0003】
より最近では、デジタルカメラが非常に人気になってきており、さらにインターネットへのアクセスが簡単なことから、印刷、陳列及び保管される写真の数が大きく変化している。それらの変化の一つは、今では、写真を撮った人が写真を印刷しそれらを郵便で返却することができる会社に、インターネットを通してそれらの写真を送付できることである。これら上記の会社によって提供される他の選択肢として、提出した写真から特注の写真集やアルバムを作ることができるものがあり、撮影者はソフトウェアをダウンロードしてそれらの写真集を作ることができ、それらの写真集について、本の内容や外観を決定することができる。
【0004】
本がデジタル形式で作られると、本を一部コピーするのと同じくらい効率的に印刷することができる特別なデジタル印刷装置で本が印刷され、印刷後にそれらのページをトリミングして寸法設定し、製本して、完成した本を作り出すことができる。典型的には、それらの本は、無線とじと呼ばれるプロセスを用いて綴じられ、その手法は、ソフトカバーの本を作る際に使用されることになる。このプロセスにおいては、印刷したシートを背表紙上で共に位置合わせし、背表紙の縁部に、接着剤、一般的にはホットメルト接着剤を塗布し、すぐに積層したシートの周りをカバーでくるんでしっかりと保持する。接着剤が冷却したら、シートをカバー内に綴じ、本が完成する。
【0005】
ハードカバーの本を作る別の方法は、カバーの製造者がカバーの内側中心部にホットメルト接着剤を予め塗布し、その後、エンドユーザが、印刷したシートを取って、カバー内に挿入する方法である。シートをカバーに挿入した後で、加熱したプレート状背表紙の端部を下にするようにカバーを配置すると、ホットメルト接着剤が軟化してシートが接着剤に沈み込む。次に熱を除去して接着剤を冷却し、シートをカバー内に結合することで、本が完成する。ハードカバー及びソフトカバーの本の製本には他の多くの方法があり、これらはほんの一例に過ぎない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の製本では、綴じられたシートは自然に平らにならず、シートを平らにしようとするとページ又は製本に損傷を与えてしまう。後述するページは、綴じられたときにページが平らになるように、可撓性フィルム領域をそれらのページに組み込むことによってこれらの制限を克服するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシートストックの一形態は、開口部と、その開口部の領域にギャップスチフナ(gap stiffener)とを備える下地(substrate)と、開口部をカバーする可撓性フィルムであって、該フィルムによってカバーされた開口部及びギャップスチフナの領域に可撓性のヒンジ領域を設ける可撓性フィルムと、を備えているものである。
【0008】
可撓性フィルムが下地の上面に貼り付けられ、可撓性フィルムが下地の下面に貼り付けられている。一つ又は複数の可撓性フィルムが、下地の表面に押圧されており、可撓性のヒンジ領域の幅は、約0.03インチから約0.25インチであってよい。
【0009】
シートストックは、下地の上面に貼り付けられた可撓性フィルムと、下地の下面に貼り付けられた可撓性フィルムとを備えることができる。その可撓性フィルムが、下地の表面に押圧されている。可撓性フィルムは、下地の全て又はほぼ全ての表面をカバーすることができる。可撓性フィルムは様々な形態をとることができ、印刷受容性、電子写真トナー受容性、インクジェット印刷受容性、又はElectroInk受容性であってよい。可撓性フィルムは、艶消し仕上げ、艶あり仕上げ、又は他の仕上げを有することができる。可撓性フィルムは、不透明、透光性、透明、又は半透明であってよい。
【0010】
下地は様々な形態をとることができ、紙を含むこともできるし、フィルム又はプラスチックを含むこともできる。可撓性フィルムが下地に貼り付けられている領域で、下地の厚さを減らすことができる。下地に二つ以上の別々の開口部があってもよい。シートストックのうち可撓性フィルムが貼り付けられた部分の厚さは、シートストックのうち下地が可撓性フィルムによってカバーされていない部分の厚さと比較して、0.002インチ以下だけ異なっていてもよく、シートストックのうち下地が可撓性フィルムによってカバーされていない部分の厚さと比較して、0.001インチ以下だけ異なっていてもよい。シートストックの縁部と可撓性フィルムの縁部との間にストリップ状の下地があってよい。
【0011】
本発明のシートストックを製造する準備プロセスの一形態は、下地の一部分の厚さを減らすステップと、厚さを減らした領域で下地の一部分を取り除くステップと、下地を取り除いた部分をカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、厚さを減らした領域で、下地の一方の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップと、からなるものである。このプロセスは、下地を取り除いた部分をカバーするように、厚さを減らした領域で、下地の反対側の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップを含むこともできる。したがって、下地の上面及び下面の両方に可撓性フィルムを貼り付けることができる。このプロセスは、シートストックをトリミングして、タブ付きシートストックを形成するステップを含むこともできる。厚さを減らした領域で下地の一部分を取り除くステップは、下地の一部分を取り除いて、可撓性のヒンジ領域にギャップスチフナを設けるステップを含むことができる。
【0012】
下地の一部分は、ダイカット、レーザカット、又は他の方法によって取り除くことができる。下地の一部分の厚さを減らすステップは、サンディング又はグラインディング、カレンダリング、或いは他の方法を含むことができる。下地は様々な形態をとることができ、紙を含んでもよく、フィルム又はプラスチックを含んでもよい。
【0013】
本発明のシートストックを製造する準備プロセスの他の形態は、下地の一部分を取り除いて、一つ又は複数の開口部、及び一つ又は複数のギャップスチフナを設けるステップと、下地の一つ又は複数の開口部、及び一つ又は複数のギャップスチフナをカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、下地の一方の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップと、からなるものである。このプロセスは、下地の一つ又は複数の開口部、及び一つ又は複数のギャップスチフナをカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、下地の反対側の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップを含むこともできる。可撓性フィルムは、下地の全て又はほぼ全ての表面をカバーすることができる。可撓性フィルムは、印刷受容性コーティングを含むことができる。
【0014】
このプロセスは、シートストックをトリミングしてタブ付きシートストックを形成するステップを含むこともできる。
【0015】
下地の一部分を、ダイカット、レーザカット、又は他の方法によって取り除くことができる。このプロセスは、下地の厚さを減らすステップを含むことができ、下地の一部分の厚さを減らすステップは、サンディング又はグラインディング、カレンダリング、或いは他の方法を含むことができる。下地は様々な形態をとることができ、紙を含んでもよく、フィルム又はプラスチックを含んでもよい。
【0016】
本発明のシートストックを製造する準備プロセスの他の形態は、下地の一部分を取り除くステップと、下地を取り除いた部分をカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、下地の上面又は下面に可撓性フィルムを貼り付けるステップと、からなるものである。このプロセスは、紙の上面及び下面の両方が下地の取り除いた部分をカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、紙の上面及び下面の両方にフィルムを貼り付けるステップを含むことができる。下地の一部分を取り除くステップは、少なくとも二つの別々の部分を取り除くステップを含むことができる。下地の一部分は、ダイカット、又はレーザカットで取り除くことができる。このプロセスは、下地の一部分の厚さを減らすステップを含むことができ、下地の一部分の厚さを減らすステップは、サンディング又はグラインディング、或いはカレンダリングを含むことができる。
【0017】
本発明の製本構成体(binding arrangement)の一形態は、前表紙及び裏表紙と、開口部と、その開口部の領域にギャップスチフナとを備える下地、及び開口部をカバーする可撓性のフィルムであって、該フィルムによってカバーされた開口部及びギャップスチフナの領域に可撓性のヒンジ領域を設ける可撓性フィルムを備える一つ又は複数のページと、前表紙及び裏表紙内にページを綴じる製本要素と、からなり、可撓性のヒンジ領域により、開いているときにページを平らにすることができるものである。一つ又は複数のページは、印刷受容性コーティングを含むことができる。製本構成体は本の形態でよい。
【0018】
なお、本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2007年3月5日出願の米国特許仮出願第60/893,049号の利益を主張するものである。
【0019】
一つ又は複数の本発明の実施形態の詳細を、添付の図面及び以下の説明で説明する。本発明の他の特性、目的、及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】フィルムストリップを取り付けたマスターシートを示す図である。
【図2A】仕上げシートの例を示す図である。
【図2B】仕上げシートの例を示す図である。
【図2C】仕上げシートの例を示す図である。
【図2D】仕上げシートの例を示す図である。
【図3A】マスターシートストックの別の実施形態の例を示す図である。
【図3B】マスターシートストックの別の実施形態の例を示す図である。
【図3C】マスターシートストックの別の実施形態の例を示す図である。
【図3D】マスターシートストックの別の実施形態の例を示す図である。
【図4A】マスターシート及び仕上げシートの実施形態の例を示す図である。
【図4B】マスターシート及び仕上げシートの実施形態の例を示す図である。
【図4C】マスターシート及び仕上げシートの実施形態の例を示す図である。
【図5A】仕上げシートの別の実施形態を示す図である。
【図5B】仕上げシートの別の実施形態を示す図である。
【図5C】仕上げシートの別の実施形態を示す図である。
【図5D】仕上げシートの別の実施形態を示す図である。
【図6】マスターシート製造プロセスのフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
各々の図面において、同様の参照記号は同様の要素を指し示している。
【0022】
従来の無線とじは、簡単であり効果的であるが、他の多くの製本方法とも共通する重大な欠点が一つある。重大な一つの欠点は、綴じられたシートが自然に平らにならず、シートを無理に平らにしようとすると、折り目を付けることによって印刷したページを損傷したり、接着剤を曲げ過ぎたり、ひび割れたり、又は分離させたりすることによって製本を損傷してしまうというものである。飾ったり眺めたりすることが意図された写真集として使用するときには、こうしたネガティブな面は、無線とじ方法又は他の製本方法を用いて作製する本の場合に関して、特に厄介な問題となる。一般に、綴じられたページを平らにすることができないという問題を有する他の製本方法には、針金綴じ(stapling)、ヴェロバインディング(Velo binding)、串刺し製本(post binding)、糸綴じ(side sewing)、などが含まれる。
【0023】
本明細書で説明するページ及び方法は、可撓性フィルム領域をページシートに組み込んで可撓性のヒンジ領域を作り出すことによって、これらの制限を克服するものである。その結果得られるページは、無線とじ、ヴェロバインディング(Velo binding)、串刺し製本、針金綴じ、糸綴じなどを含む、多くの異なる製本方法で使用することができる。可撓性フィルム領域が存在するので、綴じられたときに、それらのページを平らにすることができ、こうしたページを組み込むことができる製品の例には、写真集、ジャーナル、製図用の本(drawing book)などが含まれる。
【0024】
これらのページは、概して、下地材及び可撓性フィルム領域ならなり、紙、フィルム、プラスチック、綿及び他の天然繊維、他の材料、並びに組合せの材料を含む、様々な下地材を用いることができる。下地は、クリア、曇り、不透明、白色、陰影付き、又は色付きであってもよいし、無地でも柄物でもよい。典型的には、コスト、汎用性、親しみ、又は他の理由から、下地材として紙が用いられる。他の手法は、フィルム下地を使用して、紙の下地とは異なり、水を吸い上げないフィルム下地として耐水性のシートを作製するものである。他の手法は、他の材料又は組合せの材料を下地として用いるものであり、概して、様々な重さ、厚さ、寸法及び材料の下地を、説明する方法において、且つ説明するページを作製するために使用することができる。
【0025】
可撓性フィルム領域は、下地のうち一部又は全部が取り除かれた部分を覆う可撓性フィルムからなり、一般的には、可撓性フィルム領域は、様々な寸法のものでよく、ページ上の様々な位置に配置することができるが、典型的には、可撓性のヒンジ領域を作り出すように配置及び寸法設定される。可撓性のヒンジ領域により、共に綴じられたときにページを平らにするか、又はほぼ平らにすることが可能になる。一手法としては、ストリップ状のフィルムを使用して、可撓性フィルム領域を作り出し、可撓性のヒンジ領域は、一般的には、下地の一つ又は複数の開口部、一つ又は複数のギャップスチフナ、及びそれらの開口部及び一つ又は複数のギャップスチフナをカバーする可撓性フィルムによって設けられている。したがって、可撓性のヒンジ領域の幅は、フィルムがカバーする開口部の幅として測定され、可撓性のヒンジ領域は、異なる幅を有することができ、ページの寸法、下地材、ページが作られる目的、又は他の要因に応じて変更することができる。全体的には、可撓性のヒンジ領域は、開いたときにページを平らにするのに十分大きく、一般に、可撓性のヒンジ領域の幅は、約0.01インチから約1.0インチ又は約0.02インチから約0.5インチであり、好ましくは約0.03インチから約0.25インチである。
【0026】
フィルムストリップは、概してページの縁部に平行に走り、フィルムストリップを、ページの上面、下面又は両面に配置することができる。他の手法としては、フィルムは、下地ページ面の全て又はほぼ全てをカバーし、ページの片側又は両側にあってよく、他の手法としては、フィルムは、ページの片面又は両面においてページ表面の大部分をカバーしてもよい。
【0027】
概して、タイプ、厚さ及び表面処理が異なるフィルムを使用することができ、様々なタイプのプラスチック製の可撓性フィルムを使用することができる。適切なプラスチックフィルムの例には、ポリエチレンテレフタラートフィルム、ポリプロピレンフィルム、又は他の材料若しくは材料の混合物から作られたフィルムが含まれる。様々な厚さのフィルムを用いることもでき、典型的には、フィルムの厚さは、0.0001インチから0.01インチ、好ましくは0.0005インチから0.005インチでよいが、他の厚さを用いることもできる。可撓性フィルムは、様々な特性を有するように、処理しなくてもよいし、処理してもよい。例えば、フィルムは、コーティング又は表面処理を含む、様々な表面特性を有することができる。フィルム表面は、仕上げなしの面、艶消し仕上げ又は艶あり仕上げ等、様々な形態を有することができる。艶消し仕上げにすると、フィルムが下地の色に調和し実質上見えなくなるので、特定の用途に艶消しコーティングを用いることができる。したがって、ドキュメントのユーザにとってうるさくならないので、有益な視覚的効果を有することができる。他の用途に対しては艶あり仕上げを用いることも可能である。コーティング及び表面処理の例には、例えば、トナー受容性、電子写真トナー受容性、インクジェット受容性、又はHP ElectroInk受容性であるフィルム表面を作製するコーティング又は処理が含まれ、コーティング又は表面処理の一例には、(ノースカロライナ州モーガントンのエンバイロメンタル・インクス・アンド・コーティングス社(Environmental Inks and Coatings)からのWXO 51B コーティング(WXO 51B Coating)などの)トナー受容性コーティングを有するフィルムがある。このフィルムは、透明、透光性、色付き、又は不透明であるという特徴など、様々な外観上の特性を有することもでき、このような外観上の特性を、フィルム中に存在させるか又はフィルムの表面処理によってもたらすことができる。
【0028】
これらのページをシートストックから形成することができ、写真集及び他の印刷物で使用可能なページを形成するために使用できるシートストックを作製することができる。綴じられたとき又は共に積み重ねられたときにシートストックのページが平らになるように、シートストックを作製することができる。シートストックは、(印刷することができ、その後そのシートから、最終的なページを後で切り取るか又はトリミングする)マスターシートの形態で作製してもよく、或いはそのまま印刷できる仕上げシートの形態に作製してもよく、マスターシートは、(一つ又は複数の仕上げページがそこから作製される)ロール状又は個別のページの形態であってもよい。
【0029】
シートストックの作製は、一般的には、ロール状の下地材を広げ、ウェブ状の材料を形成することからなり、下地材の一部を取り除くようにそのウェブを加工し、フィルムを貼り付け、そしてマスターシートを最終寸法に切断する。この加工により、下地の一部分をシートから取り除いて、下地に開口領域を残し、さらに、特定の領域で、下地の厚さの一部を取り除いたり、減らしたりして、フィルムを下地の片面又は両面に貼ることができる。マスターシートは、マスターシートロールを作ったり、マスターシートの個別のページを切り取ることによって仕上げられる。プロセスステップを図1に関連して以下により詳細に説明する。
【0030】
ページ表面の厚さが均一又はほぼ均一であることが、いくつかの用途において重要なことがあり、例えば、積み重ねたシートをプリンタに供給する場合は、厚さがほぼ均一だとシートがほぼ平行になり印刷装置が取り込むのを助けることができる。シートが平行でないと、印刷中の取込み及び供給の際の詰まり及び遅れを起こす恐れがあり、例えば、積み重ねたシートの片方がもう片方より(例えば、1/4インチ以上、1/2インチ以上、3/4インチ以上、1インチ以上など)少し高い場合、一般的にシートは適切に供給されず、その結果給紙に失敗する。給紙の失敗は、誤操作、斜めに供給すること、供給時に束になること、又は積み重ねたシートの側部の間の高さの違いから生じる他の問題によって起きることがある。さらに、高さが均一だと特定のトリミング作業において有利なことがあり、例えば、切断機を使用して仕上げページをトリミングすることができ、厚さが均一でないと、仕上げページの寸法にばらつきがでる恐れがあるが、積み重ねた厚さが均一であると、複数ページを同時に同じ寸法にトリミングすることが可能になる。さらには、厚さが均一だと製本作業で有益なこともある。
【0031】
他の用途においては、均一であることはそれ程重要ではなく、下地の厚さを減らす必要はない。例えば、エンドユーザがページ上に印刷し、次いでそのページ上に紙や飾りなど他のアイテムを貼り付けることを望む、スクラップブックの用途のためのページを作製することができるが、その場合は、フィルムと下地を合わせた厚さが下地のみの領域の厚さより厚いことが有害になることはなく、それどころか有益な可能性がある。
【0032】
図1に、フィルムストリップ102が取り付けられたマスターシート100を示す。シート104及び106などの仕上げシートを、マスターシート100から切り取ることができ、仕上げシート104、106は、仕上げシート104、106の周りを、マスターシート100から離れた下地の縁部108、110及び112をトリミング又は取り外すことによって形成することができる。マスターシート100に印刷し、その後でトリミングして仕上げシート104及び106を作製することができる。
【0033】
様々な実施形態では、フィルムストリップ102は、マスターシート100の上側、下側又は両側に貼り付けることができ、フィルムストリップ102は、様々なフィルム材料から形成することができ、様々なコーティング又は表面処理を含むことができる。
【0034】
下地を様々な形で加工して、平らになるシートを作製することができる。やはり図1を参照すると、下地114の一部分をマスターシート100から取り除き、その後でフィルムストリップ102を貼り付けることができ、ダイカット、レーザカット又はパンチングなどの様々な方法で下地材を取り除くことができる。下地又はギャップスチフナ116の島状部(island)を、切抜き部114を囲むように、取り除かないで残すことができ、ギャップスチフナ116を可撓性のヒンジ領域に残すことにより、フィルムしか使用しない場合に比べて、切抜き部114の周りの領域にある程度の追加のスチフネスがマスターシートに加えられる。例えば、切抜き部114が縁部から縁部にそれらの間に隙間なく延びる場合は連続する可撓性のヒンジ状縁部は、可撓性があり過ぎることがあり、印刷動作中にプリンタ内で詰まりやすくなる恐れがあるので、ギャップスチフナ116によってもたらされる追加のスチフネスは、このような詰まりを防止する助けをすることができる。島状部によってもたらされた追加のスチフネスもまた、トリミング、切断、及び製本作業中にページを適位置及び適切な方向に維持する助けをすることができる。
【0035】
フィルムストリップ102の下の下地の厚さは、フィルムストリップ102を貼り付ける前に減らすことができ、カレンダリング、サンディング、又は他の方法を含む、様々なプロセスを用いて下地の厚さを減らすことができる。例えば、高速サンディングベルトを用いて下地をサンディングして、厚さを減らすことができ、フィルム102と下地のうちフィルムストリップ102の下の部分と合わせた厚さが下地の残りの部分の厚さと同様になるように、下地を薄くすることができる。例えば、下地のみの領域と、下地とフィルムを併せた部分との間の厚さは、0.002インチ以下、0.001インチ以下だけ変えることもできるし、同じ厚さにすることもできる。
【0036】
接着剤を用いてフィルムストリップ102を下地に貼り付けることができ、使用可能な接着剤の例としては、コンタクト接着剤、速乾性接着剤、及び他の接着剤が含まれる。接着剤は、着色添加剤、架橋添加剤、硬化剤など、他の添加剤を含むこともでき、例えば、架橋添加剤は後で行うページの印刷動作中の接着結合に対する熱の影響を軽減することができるので、架橋添加剤を接着剤に加えて、性能を改善することができる。
【0037】
一手法は、接着剤層をフィルムストリップ102に塗布し、その後でフィルムストリップ102を下地に貼り付ける方法である。他の手法は、接着剤を最初に下地に塗布し、次いでフィルムストリップを貼り付ける方法である。下地へのフィルムストリップの貼り付け中やその後で、フィルムストリップ102を下地に押圧することもでき、下地を取り除くことで形成した切抜き部114をカバーするようにフィルムストリップ102を貼り付けることができる。切抜き部114を覆うようにフィルムストリップ102を貼り付けた後には、マスターシート100は一縁部に沿って可撓性のヒンジを有することとなる。
【0038】
レーザ印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、電子写真印刷、インクジェット印刷などを含む、様々なタイプの商業用印刷装置でマスターシートを使用することができ、レーザプリンタ及びインクジェットプリンタなどの個人用印刷装置で動作することができるマスターシートストックを作製することができる。一般に、マスターシートは、様々な形態及び寸法で作製することができ、専門の商業印刷装置で動作させることができる機構を備えるように作製することができる。様々な設計により、印刷装置の効率的且つ無故障の動作が可能になり、ページが平らになるドキュメントの作製が可能になる。
【0039】
シートストックは、印刷時にマスターシート又は仕上げシートの形態であってよく、例えば、仕上げページをマスターシートから切り取るか又は取り外すことによって、印刷前又は後にシートストックページを作製することができる。印刷後に仕上げシートを作製することにより、ページ全体をカバーするように印刷することが可能になし、他の実装形態では、印刷前にページを最終寸法に作製することができ、製本前のページに後で印刷するステップが必要なくなる。この手法では、印刷前に仕上げシートを作製するようにマスターシートを切り取ることができ、こうした手法を用いて、特定のタイプの装置で使用するか又は消費者が家庭用装置で使用する仕上げシートを作製することができる。
【0040】
図1を参照すると、仕上げシート104、106の領域の縁部で印刷を「裁ち切る(bleed off)」ようにマスターシート100に印刷することができる。この手法では、仕上げシート104、106をマスターシート100からトリミングするときに、印刷が仕上げシート104、106の縁部から延びている。様々な実施形態では、印刷の残りの部分と調和するようにフィルムストリップ102の上面に印刷を行うことができ、様々な目的で異なるフィルムの仕上げ及び外観を用いることができる。下地をカバーするフィルムの上又は可撓性ヒンジの領域に印刷するときに、例えば、艶消し仕上げ及びトナー受容性処理を有するフィルムを用いることが特に適切なことがある。
【0041】
使用する印刷装置のタイプに応じて、シートストックのリーディングエッジは、マスターシートの長い方の縁部でも短い方の縁部でもよいが、印刷動作時には、シートのリーディングエッジに可撓性があり過ぎる場合には、印刷動作は、詰まりなどの問題を経験する恐れがある。リーディングエッジの一方がシートの製本用縁部でもあり、シートが(シートの両側に印刷される)両面印刷用のものである場合には、これらの問題は特にひどくなる恐れがあるし、シートストックが連続した可撓性の隙間をヒンジとして働くように用いる場合に、リーディングエッジ及びシートの可撓性が増大することがあるので、これらの問題はより大きくなる。フィルム層の下でシートに残っているギャップスチフナは、島状部が可撓性のヒンジ領域でスチフニング部材として働くのでこうした問題を解決する助けをすることができる。可撓性のヒンジ領域に一つ又は複数のギャップスチフナがあってよく、様々に、マスターシートをトリミングして、マスターシートに存在する一つ又は複数のギャップスチフナを可撓性のヒンジ領域から取り除くことによって、仕上げシートを作製することができるので、零個、一つ、二つ又はそれ以上のギャップスチフナが仕上げシートに存在してよい。
【0042】
このタイプのページを印刷するのに使用される、多くのタイプの商業用印刷装置は(インクジェット、レーザ、Electro ink又は他のタイプのどれでも)、一連のセンサを使用して、プレスを通過するときのシートをモニタリングしており、これらのセンサは、可視光又は不可視光を用いて、機械を通って移動するときのシートの寸法及びシートの位置を判定している。この情報をオペレータが機械にインプットした設定と比較し、設定が合わないと、機械が故障の可能性があるという信号を送り、機械を止めることができる。不具合となるもの例には、一度に2枚のシートを供給した、シートを供給しなかった、間違った寸法のシートを供給したなどが含まれ、スロットがそれに切り込まれたシートストックなどのシートがこうしたタイプの装置を通るときは、センサはこのスロットを読み取り、それをエラーと解釈して、機械を止めることができる。このような条件を修正しなければ、この機械は動作しない。
【0043】
また、ギャップスチフナ116は、光センサを用いた印刷装置の特定の印刷動作で詰まりを検出し防止するのを助けるのに有用であってもよい。連続した透明の層がシートストックに沿って長さ方向に走る場合は、光センサは、その材料を見、詰まりを感知して印刷プロセスを止めることができないが、ギャップスチフナ116は、その材料を光センサが感知し連続した印刷を可能にするので、その場合に助けとなることができる。
【0044】
また、下地と同じようにしてセンサ光をブロックする不透明のフィルムを用いることができる。こうした不透明なフィルムでスロットをカバーすると、機械が正常に作動する。他の変形形態では、不透明なフィルムを用いるのではなく、クリアなフィルムをスロットの領域のみ不透明なインクで被覆し、それにより、下地のうち切抜き領域の不透明な部分を除いた部分に貼り付けられたときに、フィルムがクリアに見えるようにすることができる。不透明なフィルム又はコーティングを用いることにより、印刷ページの外観を改善することもできるので、外観上望ましくなることもある。
【0045】
マスターシート100は、フィルムストリップ102と仕上げシート104の縁部との間に残っている小型のストリップ118を含むことができる。ページに定着するまでトナーを適位置に保持するために、いくつかのタイプの印刷装置によって静電気が利用されるが、これらのタイプの印刷動作で使用されるときは、仮にストリップ118がないとフィルムストリップ102をプリンタの定着ローラに貼り付けてしまう恐れがある静電気の蓄積を、ストリップ118によって低減するのを助けることができる。これは、シート100など、プラスチックフィルムと積層したシートストックが特定のプリンタを通るときに大量の静電気が増加する恐れがあるいくつかのプリンタでは特に有用なことがある。フィルムストリップ102がシート100のリーディングエッジ上にある場合に、静電気の増大により、しばしばフィルムストリップが定着ローラに貼り付く恐れがあり、プラスチックの縁部をシートの縁部から少なくとも1/16インチずらすことによって、静電気の変化を低減させるか又は変化させないようにすることができる。したがって、ストリップ118がフィルムストリップ102と仕上げシート104のリーディングエッジとの間に残っているときは、静電荷を減少するか又は除去する(broken)ことができ、シート縁部を詰まりにくくすることができ、フィルム層を定着ローラに貼り付きにくくすることができる。ストリップ118は様々な幅のものでよく、例えば、ストリップ118は、幅約1/32インチ以上、約1/16インチ以上、約1/8インチ以上、約1/4インチ以上、又は約1/2インチ以上でよい。
【0046】
図2に仕上げシートの例を示す。図2Aには第1の実施形態の仕上げシート104を示しており、仕上げシート104は図1のマスターシート100から切り取ることができる。別の実施形態では、マスターシート100からトリミングするのではなく、直接仕上げシートを製造及び作製することができ、下側縁部の近くにフィルムストリップ102を有する仕上げシート104を示す。ヒンジ領域では、下地の一部分が取り除かれ、その結果取り除かれた切抜き部114の領域がフィルムストリップ102の下に生じ、フィルムストリップ102は、フィルムストリップ102と仕上げシート104の縁部との間に細いストリップ118が残るように配置される。
【0047】
次に図2Bを参照すると、カットライン2-1に沿って見た仕上げシート104の側面図を示す。仕上げシート104は下地110を含み、その下地110から一部分が取り除かれて、切抜き部114を形成され、下地110の厚さが、切抜き部114の近くの領域で低減される。低減された領域の寸法の低減量は、フィルム層102、112が厚さの低減された領域を満たして実質上平坦な面を作るように、使用するフィルムの厚さと実質上等しい。フィルム層102は、接着剤層126によって下地110及びフィルム層112に取り付けられ、フィルム層112は、接着剤層128によって下地110及びフィルム層112に取り付けられる。
【0048】
図2Bと同様の一代替形態は、切抜き部の領域で下地の厚さの低減がない場合である。この代替形態では、フィルム層領域のページの厚さが、フィルムのない領域のページの厚さより大きい。他の代替形態及び組合せを作製することもできる。
【0049】
下地及びフィルムから作製されるマスターシート及びページの他の変形形態も可能である。例えば、概略的に説明したようにマスターシートを準備し、下地は切抜き領域を取り除くように加工することができる。そして、下地の切抜き部を取り除いた後で、下地の両面に全面にわたって層状のフィルムを重ねる。図2Cに仕上げシート204を示しており、仕上げシート204は、マスターシートからトリミングしてもよく、直接作製してもよい。フィルム層202が切抜き領域214上を含む下地の全面をカバーする仕上げシート204を示しており、ヒンジ領域では、下地の一部分が取り除かれ、その結果、取り除かれた切抜き領域214になる。フィルム層202は、フィルムが切抜き領域214並びに下地の全面をカバーし、各縁部まで延びるように配置され、フィルム層202はまた、印刷に適した表面(例えば、レーザ、電子インク、インクジェット、昇華型印刷又は他の印刷手法を受容する表面)を生成するように処理されて、印刷受容面が形成される。
【0050】
仕上げシート204の側面図を図2Dに示す。この図はカットライン2-2に沿って見た仕上げシート204の拡大図である。仕上げシート204は下地210を含み、その下地210から一部分が取り除かれて、切抜き部214を形成され、下地210の厚さは、シートのどの部分でも薄くなっていない。フィルム層202は、接着剤層226によって下地210及びフィルム層212に取り付けられ、フィルム層212は、接着剤層228によって下地210及びフィルム層202に取り付けられる。フィルム層202は、印刷受容トップコート層236で処理されており、フィルム層212は、印刷受容トップコート層238で処理されている。したがって、下地の両面が印刷に適するように準備された面を有する。
【0051】
様々な実施形態では、フィルム層は、下地の全面より小さい面をカバーすることができ、例えば、細いストリップ状の下地が、切抜き領域近くの縁部に沿ってカバーされないまま残っていてよい。他の実施形態では、フィルム全体より小さい面を印刷受容コーティングで処理することができ、例えば、切抜き領域近くの縁部に沿ったストリップ状の下地は、その領域は綴じ込まれる領域内にあり、製本後は通常見えないので処理しなくてよい。他の変形形態も可能である。
【0052】
シート寸法は、印刷前に最終決定してもよく、ページをマスターシートに印刷し、後で寸法設定のために切断してもよい。一手法では、使用する下地は、プラスチック又はフィルム層であり、表面も下地も水を吸収するか又は吸い上げることがないので、結果として生じるページを耐水性にすることができる。フィルム又はプラスチック層は、白色、色付き、クリア又は他の様々な外観が可能である。
【0053】
図3にマスターシートストックの別の実施形態の例を示す。
【0054】
図3Aに示す一例では、マスターシート302がその下側縁部にフィルムストリップ304を有する。下地の一部分が取り除かれ、その結果フィルムストリップ304の下に横たわる切抜き部306を生じ、その切抜き部306は、マスターシート302の縁部まで全体には延びていない。ギャップスチフナ308を形成する下地の島状部は、切抜き部306とマスターシート302の縁部との間に残り、フィルムストリップ304は、マスターシート302から仕上げページ305がトリミングされるときに、フィルムストリップ304が仕上げページ305の縁部を走るように配置される。さらに、マスターシート302は、一つの仕上げシートがマスターシート302から作製されるように寸法設定される。
【0055】
図3Bに示す他の例では、複数の仕上げシート(例えば、320及び322)を一つのマスターシート324から切り取ることができる。フィルムストリップ326が、マスターシート324の下側縁部の近くに貼り付けられ、そのフィルムストリップ326は、ストリップ334がフィルムストリップ326とマスターシート324の下側縁部との間に残るように配置されている。切抜き部328、330は、二つの切抜き部328が仕上げシート320になる部分の縁部に沿って取り除かれ、二つの切抜き部330が仕上げシート322になる部分の縁部から取り除かれるように、マスターシート324に作られ、切抜き部328及び330は、仕上げシート320及び322の縁部まで延びていない。ギャップスチフナ332を形成する、切抜き部328及び330の周りに残る下地の複数の島状部があり、ギャップスチフナ332は、シートのヒンジ領域及び縁部に追加のスチフネスをもたらす。
【0056】
図3はまた、寸法が異なるマスターシートを作製できることも示している。例えば、図3Aに示すように、マスターシート302を13インチ×13インチのシートとすることができ、そのマスターシートから12インチ×12インチの仕上げシート305を切り取ることができる。図3Cに示す他の例として、マスターシート350を9インチ×12インチのシートとすることができ、そのマスターシートから8.5インチ×11インチの仕上げシート355を切り取ることができる。これらの例はまた、マスターシートストックを異なる構成にすることができることも示している。シート302及び350などのマスターシートは、マスターシート1枚当たり仕上げシートを1枚有することができる。図3Bに示すように、シート324など、他のマスターシートは、複数の仕上げシート320、322を1枚のマスターシートから切り取ることができる。図3Dに示すように、マスターシートは、ロール370などのロールにすることもでき、その場合複数の仕上げシート375をロール370から切り取ることができる。
【0057】
図4にマスターシート及び仕上げシートの別の実施形態の例を示す。
【0058】
図4Aに示す一実施形態では、マスターシート402がフィルムストリップ410、412を有し、それらのフィルムストリップ410、412は相互に反対側の縁部近くを長さ方向に走っている。下地の一部分が取り除かれ、その結果、フィルムストリップ410の下側に横たわる切抜き部420、及びフィルムストリップ412の下側に横たわる切抜き部422を生じる。切抜き部420、422は、マスターシート402の縁部まで全体には延びておらず、切抜き部420、422とマスターシート402の縁部との間にギャップスチフナ414、416、424、426を形成するように、下地の島状部を残す。フィルムストリップ410、412は、仕上げページ404、406をマスターシート402からトリミングするときに、フィルムストリップ410、412が仕上げページ404、406の縁部までページをカバーするように配置される。さらに、マスターシート402は、マスターシート402から2枚の仕上げシート404、406を作製するように寸法設定されている。一実施形態では、12インチ×18インチのマスターシートを使用し、マスターシートの両側の縁部にフィルムストリップを有し、そして、12インチ×18インチのマスターシートは、後で切り取って8と1/2インチ×11インチの仕上げシートを2枚作製することができる。
【0059】
図4Bに示す他の実施形態では、1枚のマスターシート430は、2枚の切抜き領域444、446を含み、それらの切抜き領域444、446は、マスターシート430の下地に平行なスロットに形成され、シートの中間で平行に下向きに走り、下地の一部分が切抜き領域444、446を分離している。切抜き領域444、446は、レーザカット、ダイカットされてもよく、他の方法で取り除かれてもよく、その後、ストリップ状のフィルム412が、切抜き領域444、446を覆ってマスターシート430の表及び裏面に積層される。フィルムは、上記で説明したように様々な特質を有することができるし、上記で説明した方法を用いて様々なプレスでシートに印刷することができる。いくつかのページを順に組み合わせることができ、シートは鞍綴じ製本機の「鞍」上に配置することができ、その後、ステープルを、切抜き領域444と446の間の下地ののど(gutter)を通してシートの中心に配置することができる。そして、積層した隙間又はヒンジに沿ってシートを半分に折りたたむことができ、その後、3箇所の折りたたまない側部をトリミングして、仕上げの製品ページを形成することができる。例えば(折りたたんだ構成にしながら)、仕上げページ432をマスターシート430から切り取ることができ、可撓性フィルム領域が存在するので、各ページはこの方法を用いて共に結合したときに平らになる。
【0060】
図示の一手法では、シート全体の寸法は13インチ×18インチでよい。スロットは長さ12インチでよく、シートは長さ13インチであり、各切抜き部のスロットの両端に1/2インチの下地を残している。レーザ印刷などによってこれらのページに印刷することができ、一例としては、通常壁にかけるタイプのカレンダーのページを作製するために使用する画像を印刷することができる。これらのページは月の順に組み立てることができ、製本及び仕上げステップの後に結果としてできるカレンダーは、開いて壁にかけることができる。寸法12インチ×17インチの仕上げページは、13インチ×18インチのマスターシートからトリミングすることができ、(カレンダーの場合のように)折りたたまれ綴じられたときに、個々のページ1枚はそれぞれ、約8と1/2インチ×12インチの寸法になる。
【0061】
図4Cに示す他の実施形態では、マスターシート450が二つの切抜き領域454、456を含み、それらの切抜き領域454、456は、マスターシート450の下地に平行なスロットに形成され、シートの外側の各縁部近くを走っている。切抜き領域454、456は、レーザカット、ダイカットされてもよく、他の方法で取り除かれてもよく、その後、ストリップ状のフィルム462、464が、切抜き領域454、456を覆ってマスターシートの表及び裏面に積層される。切抜き部454、456は、マスターシート450の縁部の方向まで全体には延びておらず、切抜き部とギャップスチフナ470を形成するマスターシート450の縁部との間に、下地の島状部を残している。フィルムストリップ462、464は、仕上げページ460の縁部までページをカバーするように長さ方向に延びているが、フィルムストリップ462、464は、ページの縁部まで幅方向に延びず、ページの縁部とフィルムストリップとの間に細いストリップ状の下地474、476を残している。こうしたストリップ及びギャップスチフナの存在によって、供給及び印刷動作を改善することができるが、いずれも必ずしも必要ではなく、他の実施形態では、フィルムストリップはシートの縁部まで幅方向に延びることができる。マスターシート450は中心線458を含み、その中心線458は、予め折り目を付けるか、わずかに印を付けるか又は非常にわずかにミシン目を入れて折りたたみやすくすることができ、マスターシート450は、印刷し折りたたんだ後で正確な寸法のシートを作製するように寸法設定することができる。
【0062】
図示の一手法では、マスターシートの寸法は4インチ×12インチでよく、通常シートの片側のみに印刷するように設計される、デスクトップ型インクジェットプリンタのために設計された仕上げシートを作製するために使用することができる。例えば、4インチ×6インチの写真2枚を横に並べるように、プリンタでシートに印刷することができ、その後、シートを中心線に沿って半分に折りたたむことができる。印刷し折りたたんだ後で、折りたたんだ仕上げシートは4インチ×6インチの長さになり、折りたたんだシートの両側に写真を有し、可撓性のヒンジ領域が位置合わせされ、その後、上記で説明した方法を用いて、この折りたたんだシートを他のシートと共に綴じることができる。
【0063】
図5に仕上げシートの別の実施形態を示す。一般に、仕上げシートは、上記で説明したようにマスターシートからトリミングすることができ、いくつかの実施形態では、印刷などの様々な使用又は個人的なユーザによる使用のために直接仕上げシートを作製することもできる。
【0064】
図5Aに示す一例では、仕上げシート502はその下側縁部に沿ってフィルムストリップ504を有しており、フィルムの下で縁部全体に沿って切抜き部506が走る。フィルムストリップ504は、下地のストリップ508がフィルムストリップ504と仕上げシート502の下側縁部との間に残るように配置されている。この仕上げシートは、マスターシートから切り取ることができるシートの一例であり、印刷中などにスチフネスをもたらすのを助けるためにマスターシートにあった島状部又はギャップスチフナは、フィルムで形成されたヒンジ領域で仕上げシートに最大の可撓性をもたらすためにトリミング中に取り除かれている。
【0065】
他の例では、図5Bに示すように、仕上げシート520がその下側縁部に沿ってフィルムストリップ522を有しており、切抜き領域532、534、536が下にあり、フィルムストリップ522によって完全にカバーされる。切抜き領域534、534は仕上げシート520の縁部まで延びているが、切抜き領域532は全体が仕上げシート520内にある。下地の島状部が切抜き領域532と534との間、並びに切抜き領域532と536との間にあり、ギャップスチフナ526が形成され、フィルムストリップ522は、フィルムストリップ522と仕上げシート520の下側縁部との間にストリップ528が残るように配置されている。このストリップ状の下地は、ストリップがシートの縁部まで延びるフィルム層と比べて、特定の接着剤をより受け入れることができるので、特定の製本動作中に有用なことがある。この例示的な仕上げシート520はヒンジ領域に島状部を含み、その島状部は、図5Aの仕上げシート502などフィルムのみのヒンジ領域のそれと比べて追加のスチフネスをもたらしており、ヒンジ領域にギャップスチフナを追加すると、純粋なフィルムのヒンジより「本のような」感覚及びページ動作を与えるのに有用なことがある。さらに、こうしたページを組み込んだ本を開いたままにするときに、純粋なフィルムのヒンジと比べてページを適位置に良好に維持することができる。他の場合及び実装形態では、島状部のない純粋なフィルムのヒンジが好まれる場合もある。
【0066】
図5Cに示す他の例では、仕上げシート540がその下側縁部に沿ってフィルムストリップ542を有しており、図5Bのシート520と同様に、シート540は、シート540の縁部と切抜き部544との間にギャップスチフナ546を備える切抜き部544を有している。図5Bのシート520と異なり、フィルムストリップ542は、シート540の非常に下側の縁部にあるので、フィルムストリップ542の下とシート540の下側縁部との間に下地ストリップはない。
【0067】
図5Cも本明細書で説明したページに存在することができる変形形態を示す。ヒンジ縁部の反対側の直線の縁部ではなく、タブ548がシート540の縁部に設けられている。一般に、マスターシートは本明細書で説明したように準備され、少し幅の広い仕上げシートがマスターシートから形成されている。その後、仕上げシートを、タブ作製機(tabbing machine)を通して、残すことになっているタブを除いて、シートの縁部に沿って(例えば、ダイカット、レーザカット、又は他の方法によって)幅を狭くし、様々な寸法(長さ及び幅)の一つ又は複数のタブを多様に作製することができる。タブは他の特徴も有し、例えば、タブを作製する前に下地の縁部に色付きのフィルムを配置して、色付きのタブを作製することができるし、タブを印刷することもできる。或いは、マスターシートから仕上げシートをトリミングするプロセスの一部としてタブ作製を行うこともでき、このような場合には、トリミング/タブ作製プロセスは、二つではなく単一のプロセス又はステップで行われることになる。
【0068】
図示の一変形形態では、上記で説明したようにシートストックを寸法9インチ×11インチに作製することができる。その後、これらのシートに様々な現行の方法で印刷して、インデックスタブを作り出すことができ、これらのシートをシールし、従来のタブ作製装置でタブを切り出す。高速複写機で使用する無地のタブ、1から10の数字又はAからZの文字などを予め印刷したタブ、特別印刷のタブ、又は差込み可能なタブ等の、いくつかのタイプのタブを、可撓性のヒンジ領域を有するシートに作ることもできる。最終的なタブ付きページの寸法は、一般に8と1/2インチ×11インチになり、追加の1/2インチ幅のタブをページの一部に有することになる。
【0069】
図5Dに示す他の例では、仕上げシート560がその下側縁部に沿ってフィルムストリップ562を有し、二つの切抜き部564がフィルムストリップ562の下に横たわる。ギャップスチフナ568を形成する下地の島状部は、切抜き部564と仕上げシート560の縁部との間の隙間を占めており、フィルムストリップ562は、フィルムストリップ562と仕上げシート560の下側縁部との間に下地ストリップ570が残るように配置されている。
【0070】
これらの例もまた、様々な寸法の仕上げシートを作製できることを示しており、例えば、仕上げシート502、560の寸法は12インチ×12インチでよく、仕上げシート520、540の寸法は8.5インチ×11インチでよい。
【0071】
図6は、マスターシート製造プロセス600のフローチャートの一例を示している。このプロセスは、下地を選択するステップ602、及びロール状の下地材(例えば、紙ロール、フィルムロールなど)を取り付けるステップ、及びロール状の下地を広げて下地ウェブ(例えば、紙ウェブ、フィルムウェブなど)を形成するステップによって始めることができる。使用する下地ロールの寸法、下地材の重さ、下地の色、並びに他の変更は、所望の又は意図した用途に応じて様々に修正することができる。
【0072】
下地を広げてウェブを形成した後で、下地を準備することができる604。一手法としては、一縁部の近くに細いバンド状に下地を、カレンダリング又は押圧することができ、その細いバンドの幅を変更することができる。例えば、1/4インチ、1/2インチ、3/4インチ又は他の幅を有することができる。カレンダリングする場合には、例えば積み重ねたり水平に対となったりしている、熱及びストレスをシート表面に与えることができる一連の温度制御ロールによって、下地をカレンダリングすることができる。
【0073】
他の手法では、一縁部の近くに細いバンド状に下地を薄くすることができ、やはり、そのバンドの幅を変更することができ、1/4インチ、1/2インチ、3/4インチ又は他の幅にすることができる。例えば、一つ又は複数の高速サンディングベルトの、サンディングによって下地を薄くすることができる。
【0074】
下地のウェブは、加工の際に、後で使用するために設定した距離で一定間隔に印を付けることもできる。例えば、切抜き部を作るか又はマスターシートを仕上げるのを助けるために、下地に印を付けることができ、一例では、印は、下地ウェブに沿って18インチ毎に付けられる。それらの印は、下地ウェブの孔又は穴、可視又は不可視のインクドット或いは他のタイプの印であってもよい。
【0075】
ステップ606で切抜き部が作られ、ダイカット、レーザカット、パンチング、又は何らかの他の方法で下地の一部分を取り除く。一般に、切抜き部はシートの縁部まで延びないので、下地は、概して連続した、障害がなく、切断されていない縁部又は外周部を有しており、ダイカット、レーザカット、パンチング等を含む様々な方法で、切抜き部を作ることができる。いくつかの実装形態では、切抜き部がシートの縁部まで延びるので、外周部は連続しない場合もある。
【0076】
ステップ608ではフィルムが下地に貼り付けられ、この明細書で先に説明したように、様々なコーティング又は表面処理を有する様々なフィルムを、下地に貼り付けることができる。一般に、フィルムは、下地の両面に細いストリップ状に貼り付けられて、取り除かれた切抜き部をカバーしている。フィルムは、両面に同時に又は順次貼り付けることができるし、フィルムは、下地の上面又は下面にのみ貼り付けることができる。フィルムを下地の上面及び下面に押圧することもできる。
【0077】
ステップ610でマスターシートを加工(stage)し、所望の用途に応じて、製品を様々な形態に加工することができる。一手法では、下地ウェブをリールに巻き取り、商業用高速装置で使用できるマスターシートロールを作製することができる。他の手法では、ウェブを切り取ってマスターシートを作製することができ、そのマスターシートは、後でトリミングして一つ又は複数の仕上げシートを作製することができる。他の手法では、下地ウェブを切断して、直接使用するための仕上げシートを作製することができる。
【0078】
本明細書で説明したページは、様々な目的で使用することができる。一つの使用は、印刷した後、ページを共に製本して、本、展示、陳列用ホルダ、カレンダーなどにするためにそれらのページを使用するものである。一般に、これは製本構成を必要とし、この製本構成体は、製本要素、前表紙及び裏表紙、並びにカバー内の一つ又は複数のページからなるものである。概して、製本要素は、無線とじ、ヴェロバイディング(velo binding)、らせん綴じ、串刺し製本、糸綴じ、針金綴じなどで使用される要素など、一般的に製本に使用されるどんな種類のものでもよく、前表紙及び裏表紙は、製本で通常使用されるどんなタイプのものでもよく、同じでも異なっていてもかまわない。一手法では、本明細書で説明したようなページを前表紙及び裏表紙で使用することもでき、これはカレンダーなどには特に有用なことがある。前表紙及び裏表紙内の一つ又は複数のページは、本明細書で説明したどんなタイプのものでもよく、一つ又は複数のページの可撓性のヒンジ領域により、それらの一つ又は複数のページは、製本構成体が開いているときに平らにすることができる。
【実施例1】
【0079】
1.ロール状の幅12インチの80ポンド用紙(ウィスコンシン州アップルトンのアップルトン・コーテッド・プロダクツ(Appleton Coated Products))を広げ、紙ウェブのプロセスに供給した。
【0080】
2.紙ウェブをカレンダリング又は押圧して、紙の一縁部近くに幅1/2インチの細いバンド部分を作った。
【0081】
3.1/8インチ×長さ8と3/4インチの紙の二つの部分をダイカットによって紙ウェブのカレンダリングした領域から取り除き、紙ウェブが通るときにダイカットステップを紙ウェブに沿って18インチ毎に繰り返した。
【0082】
4.厚さ0.0001インチのロール状の印刷受容性ポリエステルフィルム(イリノイ州シカゴのトランシルワープ(Transilwrap)から利用可能)を広げ、接着剤混合物で被覆した。接着剤混合物は、98.5体積%のPN3759K(ミネソタ州セントポールのフラーアドヒーシブズ(Fuller adhesives))と1.5体積%の架橋剤XR-2990(フラーアドヒーシブズ(Fuller adhesives))を混合することによって作った。
【0083】
5.紙ウェブの両側に、紙ウェブのうちダイカットで取り除かれた部分をカバーする細いストリップの状態でポリエステルフィルムを接着剤で貼り付けた。
【0084】
6.ウェブ構造をシータ中に供給し、所定の位置で切断し、2箇所のダイカット部分を長さ18インチのシート内で等間隔に配置した。各切断マスターシートの最終寸法は12インチ×18インチであった。
【実施例2】
【0085】
1.幅14インチのロール状の100ポンド用紙(コネチカット州トランブルのニューページコーポレーション(New Page Corporation)によるデジタルシルク(Digital Silk))を広げ、紙ウェブのプロセスに供給する。
【0086】
2.その紙ウェブを高速サンディングベルト下で走らせる。紙の一部、幅1/2インチ×深さ0.001インチを取り除く。
【0087】
3.実施例1のステップ3から5を実行する。
【0088】
4.ウェブ構造は、コアが3インチのロールでウェブ構造を巻き戻し、最終外径が40インチになる。
【0089】
その後、紙のロールを印刷前又は後に広げて寸法設定することができる。ロールで供給された材料は、(ヒューレット・パッカード社のHP Indigo w3250など)わずかに異なる装置であるが、シートストックと同様にして印刷することができる。
【実施例3】
【0090】
様々な紙又は他の下地材に実施例1又は2と同じステップを実行することができる。
【0091】
例えば、重量、色が異なっていてよく、紙ウェブの幅、フィルムストリップの幅、及びフィルムストリップの配置が様々である、紙を使用することができる。つまり、様々なシート寸法をもたらすように、紙の変数を修正することができる。使用する印刷装置、及び最終的なドキュメントの所望する寸法に対応するように、これを実行することができ、様々な用途に重量が異なる紙を使用することもできる。
【0092】
プラスチック、フィルム、紙/綿繊維混合物など、他の下地材を使用して、実施例1及び2の製品を作製することもできる。
【実施例4】
【0093】
12インチ×18インチの(実施例1に従って作製された)マスターシートストックの積み重ねを、デジタルプリンタ(ジョージア州アトランタのヒューレット・パッカード社のIndigo 5000)の給紙引出しに充填した、印刷動作中にシートストックの両面に印刷した。
【0094】
印刷したシートストックをトリミングして、最終寸法の11インチ×8と1/2インチにしたが、トリミングプロセス中においては、12インチの各外側縁部から約1/4インチトリミングし、シートの中心から1/2インチトリミングした。18インチの各縁部から約1/2インチトリミングしている。その結果、トリミングしたシートは、シート縁部から約1/2インチに位置する最終的な8と1/2インチの縁部に沿って走る、フィルムでカバーした可撓性のヒンジを有する。
【0095】
その後、予め作られたハードカバー(ジョージア州アトランタのユニバインド(Unibind)からのフォトブッククリエーター(Photo Book Creator))でトリミングしたシートを綴じて本を作成し、綴じられて本になったページは、本を開いたときに平らになった。
【実施例5】
【0096】
ロール形態の他の形態のマスターシートストックを、フォトキオスクで見られるような写真用プリンタで使用することができる。フォトキオスク用ロールの作製は、実施例2で説明したものとは少し異なるが、同じ基本的なステップを有する。ロール状の下地材を広げ、下地にスロットをダイカットし、クリア又は不透明なフィルムでスロットの片側又は両側をカバーし、ロールを巻き戻す。
【0097】
この実施形態では、典型的には昇華型用紙であるウェブの下地は、幅4インチ、長さ数百フィートでよい。広げた後で、幅4インチのウェブを横切る長さ1/8インチ幅3と3/4インチの切抜き部スロットを下地材から切り取ることができ、これらのスロットは、6と1/2インチ間隔でウェブ上で繰り返され、ウェブを巻き戻し、写真用プリンタで使用する準備ができる。
【0098】
写真を作製するときは、ロール状材料をプリンタで広げ、通常通りに印刷できるウェブ状の材料を形成する。印刷後に、長さ6と1/2インチの増分で材料が機械から出て、写真が印刷された後で、可撓性フィルム領域を含む長さ1/2インチ×幅4インチの印刷しない領域を残して、機械は、写真を切断する。このようにして写真を印刷した後で、針金綴じ、糸綴じ、接着剤など、いくつかの形でいくつかの写真を綴じることができるので、製本した後で、可撓性フィルム領域により、眺めるために写真を平らにすることができる。
【0099】
他の実施形態では、写真用プリンタは、印刷用のロール状の材料ではなく、切断したシートを用いる。この手法は、印刷後に材料の長さを切断しないこと以外は同じであり、ロールの実施形態と同様に、その結果得られた写真は、綴じることができ、可撓性フィルム領域によって平らになる。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態を説明してきた。しかし、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに様々な修正を行うことができることが理解されよう。例えば、使用する下地ロールの寸法、シートストックの寸法、最終的なドキュメントの寸法、下地材の重量、フィルムストリップの位置及び寸法、下地の色、並びに他の変数は、所望又は用途に従って修正することができる。したがって、他の実施形態は以下の特許請求の範囲内に包含される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してページ又はシートに関し、より具体的には、綴じたときに平らになるページ又はシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
写真を撮るために、長い間、従来のフィルムカメラが用いられ、撮影済みのフィルムを現像処理のために現像所に持ち込んだり、送ったりし、現像所がこれらのカメラからのフィルムを現像処理し、様々な寸法の印刷物を撮影者に返却していた。そして、これらの印刷物は様々な形で保管又は陳列されており、その一つの方法は、写真アルバム又は写真集を作るために多くの写真を保管し使用する方法であり、こうした本はいくつかのポケット、スリーブ、或いは特別なコーナー又はテープを用いて写真を保持する。
【0003】
より最近では、デジタルカメラが非常に人気になってきており、さらにインターネットへのアクセスが簡単なことから、印刷、陳列及び保管される写真の数が大きく変化している。それらの変化の一つは、今では、写真を撮った人が写真を印刷しそれらを郵便で返却することができる会社に、インターネットを通してそれらの写真を送付できることである。これら上記の会社によって提供される他の選択肢として、提出した写真から特注の写真集やアルバムを作ることができるものがあり、撮影者はソフトウェアをダウンロードしてそれらの写真集を作ることができ、それらの写真集について、本の内容や外観を決定することができる。
【0004】
本がデジタル形式で作られると、本を一部コピーするのと同じくらい効率的に印刷することができる特別なデジタル印刷装置で本が印刷され、印刷後にそれらのページをトリミングして寸法設定し、製本して、完成した本を作り出すことができる。典型的には、それらの本は、無線とじと呼ばれるプロセスを用いて綴じられ、その手法は、ソフトカバーの本を作る際に使用されることになる。このプロセスにおいては、印刷したシートを背表紙上で共に位置合わせし、背表紙の縁部に、接着剤、一般的にはホットメルト接着剤を塗布し、すぐに積層したシートの周りをカバーでくるんでしっかりと保持する。接着剤が冷却したら、シートをカバー内に綴じ、本が完成する。
【0005】
ハードカバーの本を作る別の方法は、カバーの製造者がカバーの内側中心部にホットメルト接着剤を予め塗布し、その後、エンドユーザが、印刷したシートを取って、カバー内に挿入する方法である。シートをカバーに挿入した後で、加熱したプレート状背表紙の端部を下にするようにカバーを配置すると、ホットメルト接着剤が軟化してシートが接着剤に沈み込む。次に熱を除去して接着剤を冷却し、シートをカバー内に結合することで、本が完成する。ハードカバー及びソフトカバーの本の製本には他の多くの方法があり、これらはほんの一例に過ぎない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の製本では、綴じられたシートは自然に平らにならず、シートを平らにしようとするとページ又は製本に損傷を与えてしまう。後述するページは、綴じられたときにページが平らになるように、可撓性フィルム領域をそれらのページに組み込むことによってこれらの制限を克服するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシートストックの一形態は、開口部と、その開口部の領域にギャップスチフナ(gap stiffener)とを備える下地(substrate)と、開口部をカバーする可撓性フィルムであって、該フィルムによってカバーされた開口部及びギャップスチフナの領域に可撓性のヒンジ領域を設ける可撓性フィルムと、を備えているものである。
【0008】
可撓性フィルムが下地の上面に貼り付けられ、可撓性フィルムが下地の下面に貼り付けられている。一つ又は複数の可撓性フィルムが、下地の表面に押圧されており、可撓性のヒンジ領域の幅は、約0.03インチから約0.25インチであってよい。
【0009】
シートストックは、下地の上面に貼り付けられた可撓性フィルムと、下地の下面に貼り付けられた可撓性フィルムとを備えることができる。その可撓性フィルムが、下地の表面に押圧されている。可撓性フィルムは、下地の全て又はほぼ全ての表面をカバーすることができる。可撓性フィルムは様々な形態をとることができ、印刷受容性、電子写真トナー受容性、インクジェット印刷受容性、又はElectroInk受容性であってよい。可撓性フィルムは、艶消し仕上げ、艶あり仕上げ、又は他の仕上げを有することができる。可撓性フィルムは、不透明、透光性、透明、又は半透明であってよい。
【0010】
下地は様々な形態をとることができ、紙を含むこともできるし、フィルム又はプラスチックを含むこともできる。可撓性フィルムが下地に貼り付けられている領域で、下地の厚さを減らすことができる。下地に二つ以上の別々の開口部があってもよい。シートストックのうち可撓性フィルムが貼り付けられた部分の厚さは、シートストックのうち下地が可撓性フィルムによってカバーされていない部分の厚さと比較して、0.002インチ以下だけ異なっていてもよく、シートストックのうち下地が可撓性フィルムによってカバーされていない部分の厚さと比較して、0.001インチ以下だけ異なっていてもよい。シートストックの縁部と可撓性フィルムの縁部との間にストリップ状の下地があってよい。
【0011】
本発明のシートストックを製造する準備プロセスの一形態は、下地の一部分の厚さを減らすステップと、厚さを減らした領域で下地の一部分を取り除くステップと、下地を取り除いた部分をカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、厚さを減らした領域で、下地の一方の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップと、からなるものである。このプロセスは、下地を取り除いた部分をカバーするように、厚さを減らした領域で、下地の反対側の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップを含むこともできる。したがって、下地の上面及び下面の両方に可撓性フィルムを貼り付けることができる。このプロセスは、シートストックをトリミングして、タブ付きシートストックを形成するステップを含むこともできる。厚さを減らした領域で下地の一部分を取り除くステップは、下地の一部分を取り除いて、可撓性のヒンジ領域にギャップスチフナを設けるステップを含むことができる。
【0012】
下地の一部分は、ダイカット、レーザカット、又は他の方法によって取り除くことができる。下地の一部分の厚さを減らすステップは、サンディング又はグラインディング、カレンダリング、或いは他の方法を含むことができる。下地は様々な形態をとることができ、紙を含んでもよく、フィルム又はプラスチックを含んでもよい。
【0013】
本発明のシートストックを製造する準備プロセスの他の形態は、下地の一部分を取り除いて、一つ又は複数の開口部、及び一つ又は複数のギャップスチフナを設けるステップと、下地の一つ又は複数の開口部、及び一つ又は複数のギャップスチフナをカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、下地の一方の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップと、からなるものである。このプロセスは、下地の一つ又は複数の開口部、及び一つ又は複数のギャップスチフナをカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、下地の反対側の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップを含むこともできる。可撓性フィルムは、下地の全て又はほぼ全ての表面をカバーすることができる。可撓性フィルムは、印刷受容性コーティングを含むことができる。
【0014】
このプロセスは、シートストックをトリミングしてタブ付きシートストックを形成するステップを含むこともできる。
【0015】
下地の一部分を、ダイカット、レーザカット、又は他の方法によって取り除くことができる。このプロセスは、下地の厚さを減らすステップを含むことができ、下地の一部分の厚さを減らすステップは、サンディング又はグラインディング、カレンダリング、或いは他の方法を含むことができる。下地は様々な形態をとることができ、紙を含んでもよく、フィルム又はプラスチックを含んでもよい。
【0016】
本発明のシートストックを製造する準備プロセスの他の形態は、下地の一部分を取り除くステップと、下地を取り除いた部分をカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、下地の上面又は下面に可撓性フィルムを貼り付けるステップと、からなるものである。このプロセスは、紙の上面及び下面の両方が下地の取り除いた部分をカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、紙の上面及び下面の両方にフィルムを貼り付けるステップを含むことができる。下地の一部分を取り除くステップは、少なくとも二つの別々の部分を取り除くステップを含むことができる。下地の一部分は、ダイカット、又はレーザカットで取り除くことができる。このプロセスは、下地の一部分の厚さを減らすステップを含むことができ、下地の一部分の厚さを減らすステップは、サンディング又はグラインディング、或いはカレンダリングを含むことができる。
【0017】
本発明の製本構成体(binding arrangement)の一形態は、前表紙及び裏表紙と、開口部と、その開口部の領域にギャップスチフナとを備える下地、及び開口部をカバーする可撓性のフィルムであって、該フィルムによってカバーされた開口部及びギャップスチフナの領域に可撓性のヒンジ領域を設ける可撓性フィルムを備える一つ又は複数のページと、前表紙及び裏表紙内にページを綴じる製本要素と、からなり、可撓性のヒンジ領域により、開いているときにページを平らにすることができるものである。一つ又は複数のページは、印刷受容性コーティングを含むことができる。製本構成体は本の形態でよい。
【0018】
なお、本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2007年3月5日出願の米国特許仮出願第60/893,049号の利益を主張するものである。
【0019】
一つ又は複数の本発明の実施形態の詳細を、添付の図面及び以下の説明で説明する。本発明の他の特性、目的、及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】フィルムストリップを取り付けたマスターシートを示す図である。
【図2A】仕上げシートの例を示す図である。
【図2B】仕上げシートの例を示す図である。
【図2C】仕上げシートの例を示す図である。
【図2D】仕上げシートの例を示す図である。
【図3A】マスターシートストックの別の実施形態の例を示す図である。
【図3B】マスターシートストックの別の実施形態の例を示す図である。
【図3C】マスターシートストックの別の実施形態の例を示す図である。
【図3D】マスターシートストックの別の実施形態の例を示す図である。
【図4A】マスターシート及び仕上げシートの実施形態の例を示す図である。
【図4B】マスターシート及び仕上げシートの実施形態の例を示す図である。
【図4C】マスターシート及び仕上げシートの実施形態の例を示す図である。
【図5A】仕上げシートの別の実施形態を示す図である。
【図5B】仕上げシートの別の実施形態を示す図である。
【図5C】仕上げシートの別の実施形態を示す図である。
【図5D】仕上げシートの別の実施形態を示す図である。
【図6】マスターシート製造プロセスのフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
各々の図面において、同様の参照記号は同様の要素を指し示している。
【0022】
従来の無線とじは、簡単であり効果的であるが、他の多くの製本方法とも共通する重大な欠点が一つある。重大な一つの欠点は、綴じられたシートが自然に平らにならず、シートを無理に平らにしようとすると、折り目を付けることによって印刷したページを損傷したり、接着剤を曲げ過ぎたり、ひび割れたり、又は分離させたりすることによって製本を損傷してしまうというものである。飾ったり眺めたりすることが意図された写真集として使用するときには、こうしたネガティブな面は、無線とじ方法又は他の製本方法を用いて作製する本の場合に関して、特に厄介な問題となる。一般に、綴じられたページを平らにすることができないという問題を有する他の製本方法には、針金綴じ(stapling)、ヴェロバインディング(Velo binding)、串刺し製本(post binding)、糸綴じ(side sewing)、などが含まれる。
【0023】
本明細書で説明するページ及び方法は、可撓性フィルム領域をページシートに組み込んで可撓性のヒンジ領域を作り出すことによって、これらの制限を克服するものである。その結果得られるページは、無線とじ、ヴェロバインディング(Velo binding)、串刺し製本、針金綴じ、糸綴じなどを含む、多くの異なる製本方法で使用することができる。可撓性フィルム領域が存在するので、綴じられたときに、それらのページを平らにすることができ、こうしたページを組み込むことができる製品の例には、写真集、ジャーナル、製図用の本(drawing book)などが含まれる。
【0024】
これらのページは、概して、下地材及び可撓性フィルム領域ならなり、紙、フィルム、プラスチック、綿及び他の天然繊維、他の材料、並びに組合せの材料を含む、様々な下地材を用いることができる。下地は、クリア、曇り、不透明、白色、陰影付き、又は色付きであってもよいし、無地でも柄物でもよい。典型的には、コスト、汎用性、親しみ、又は他の理由から、下地材として紙が用いられる。他の手法は、フィルム下地を使用して、紙の下地とは異なり、水を吸い上げないフィルム下地として耐水性のシートを作製するものである。他の手法は、他の材料又は組合せの材料を下地として用いるものであり、概して、様々な重さ、厚さ、寸法及び材料の下地を、説明する方法において、且つ説明するページを作製するために使用することができる。
【0025】
可撓性フィルム領域は、下地のうち一部又は全部が取り除かれた部分を覆う可撓性フィルムからなり、一般的には、可撓性フィルム領域は、様々な寸法のものでよく、ページ上の様々な位置に配置することができるが、典型的には、可撓性のヒンジ領域を作り出すように配置及び寸法設定される。可撓性のヒンジ領域により、共に綴じられたときにページを平らにするか、又はほぼ平らにすることが可能になる。一手法としては、ストリップ状のフィルムを使用して、可撓性フィルム領域を作り出し、可撓性のヒンジ領域は、一般的には、下地の一つ又は複数の開口部、一つ又は複数のギャップスチフナ、及びそれらの開口部及び一つ又は複数のギャップスチフナをカバーする可撓性フィルムによって設けられている。したがって、可撓性のヒンジ領域の幅は、フィルムがカバーする開口部の幅として測定され、可撓性のヒンジ領域は、異なる幅を有することができ、ページの寸法、下地材、ページが作られる目的、又は他の要因に応じて変更することができる。全体的には、可撓性のヒンジ領域は、開いたときにページを平らにするのに十分大きく、一般に、可撓性のヒンジ領域の幅は、約0.01インチから約1.0インチ又は約0.02インチから約0.5インチであり、好ましくは約0.03インチから約0.25インチである。
【0026】
フィルムストリップは、概してページの縁部に平行に走り、フィルムストリップを、ページの上面、下面又は両面に配置することができる。他の手法としては、フィルムは、下地ページ面の全て又はほぼ全てをカバーし、ページの片側又は両側にあってよく、他の手法としては、フィルムは、ページの片面又は両面においてページ表面の大部分をカバーしてもよい。
【0027】
概して、タイプ、厚さ及び表面処理が異なるフィルムを使用することができ、様々なタイプのプラスチック製の可撓性フィルムを使用することができる。適切なプラスチックフィルムの例には、ポリエチレンテレフタラートフィルム、ポリプロピレンフィルム、又は他の材料若しくは材料の混合物から作られたフィルムが含まれる。様々な厚さのフィルムを用いることもでき、典型的には、フィルムの厚さは、0.0001インチから0.01インチ、好ましくは0.0005インチから0.005インチでよいが、他の厚さを用いることもできる。可撓性フィルムは、様々な特性を有するように、処理しなくてもよいし、処理してもよい。例えば、フィルムは、コーティング又は表面処理を含む、様々な表面特性を有することができる。フィルム表面は、仕上げなしの面、艶消し仕上げ又は艶あり仕上げ等、様々な形態を有することができる。艶消し仕上げにすると、フィルムが下地の色に調和し実質上見えなくなるので、特定の用途に艶消しコーティングを用いることができる。したがって、ドキュメントのユーザにとってうるさくならないので、有益な視覚的効果を有することができる。他の用途に対しては艶あり仕上げを用いることも可能である。コーティング及び表面処理の例には、例えば、トナー受容性、電子写真トナー受容性、インクジェット受容性、又はHP ElectroInk受容性であるフィルム表面を作製するコーティング又は処理が含まれ、コーティング又は表面処理の一例には、(ノースカロライナ州モーガントンのエンバイロメンタル・インクス・アンド・コーティングス社(Environmental Inks and Coatings)からのWXO 51B コーティング(WXO 51B Coating)などの)トナー受容性コーティングを有するフィルムがある。このフィルムは、透明、透光性、色付き、又は不透明であるという特徴など、様々な外観上の特性を有することもでき、このような外観上の特性を、フィルム中に存在させるか又はフィルムの表面処理によってもたらすことができる。
【0028】
これらのページをシートストックから形成することができ、写真集及び他の印刷物で使用可能なページを形成するために使用できるシートストックを作製することができる。綴じられたとき又は共に積み重ねられたときにシートストックのページが平らになるように、シートストックを作製することができる。シートストックは、(印刷することができ、その後そのシートから、最終的なページを後で切り取るか又はトリミングする)マスターシートの形態で作製してもよく、或いはそのまま印刷できる仕上げシートの形態に作製してもよく、マスターシートは、(一つ又は複数の仕上げページがそこから作製される)ロール状又は個別のページの形態であってもよい。
【0029】
シートストックの作製は、一般的には、ロール状の下地材を広げ、ウェブ状の材料を形成することからなり、下地材の一部を取り除くようにそのウェブを加工し、フィルムを貼り付け、そしてマスターシートを最終寸法に切断する。この加工により、下地の一部分をシートから取り除いて、下地に開口領域を残し、さらに、特定の領域で、下地の厚さの一部を取り除いたり、減らしたりして、フィルムを下地の片面又は両面に貼ることができる。マスターシートは、マスターシートロールを作ったり、マスターシートの個別のページを切り取ることによって仕上げられる。プロセスステップを図1に関連して以下により詳細に説明する。
【0030】
ページ表面の厚さが均一又はほぼ均一であることが、いくつかの用途において重要なことがあり、例えば、積み重ねたシートをプリンタに供給する場合は、厚さがほぼ均一だとシートがほぼ平行になり印刷装置が取り込むのを助けることができる。シートが平行でないと、印刷中の取込み及び供給の際の詰まり及び遅れを起こす恐れがあり、例えば、積み重ねたシートの片方がもう片方より(例えば、1/4インチ以上、1/2インチ以上、3/4インチ以上、1インチ以上など)少し高い場合、一般的にシートは適切に供給されず、その結果給紙に失敗する。給紙の失敗は、誤操作、斜めに供給すること、供給時に束になること、又は積み重ねたシートの側部の間の高さの違いから生じる他の問題によって起きることがある。さらに、高さが均一だと特定のトリミング作業において有利なことがあり、例えば、切断機を使用して仕上げページをトリミングすることができ、厚さが均一でないと、仕上げページの寸法にばらつきがでる恐れがあるが、積み重ねた厚さが均一であると、複数ページを同時に同じ寸法にトリミングすることが可能になる。さらには、厚さが均一だと製本作業で有益なこともある。
【0031】
他の用途においては、均一であることはそれ程重要ではなく、下地の厚さを減らす必要はない。例えば、エンドユーザがページ上に印刷し、次いでそのページ上に紙や飾りなど他のアイテムを貼り付けることを望む、スクラップブックの用途のためのページを作製することができるが、その場合は、フィルムと下地を合わせた厚さが下地のみの領域の厚さより厚いことが有害になることはなく、それどころか有益な可能性がある。
【0032】
図1に、フィルムストリップ102が取り付けられたマスターシート100を示す。シート104及び106などの仕上げシートを、マスターシート100から切り取ることができ、仕上げシート104、106は、仕上げシート104、106の周りを、マスターシート100から離れた下地の縁部108、110及び112をトリミング又は取り外すことによって形成することができる。マスターシート100に印刷し、その後でトリミングして仕上げシート104及び106を作製することができる。
【0033】
様々な実施形態では、フィルムストリップ102は、マスターシート100の上側、下側又は両側に貼り付けることができ、フィルムストリップ102は、様々なフィルム材料から形成することができ、様々なコーティング又は表面処理を含むことができる。
【0034】
下地を様々な形で加工して、平らになるシートを作製することができる。やはり図1を参照すると、下地114の一部分をマスターシート100から取り除き、その後でフィルムストリップ102を貼り付けることができ、ダイカット、レーザカット又はパンチングなどの様々な方法で下地材を取り除くことができる。下地又はギャップスチフナ116の島状部(island)を、切抜き部114を囲むように、取り除かないで残すことができ、ギャップスチフナ116を可撓性のヒンジ領域に残すことにより、フィルムしか使用しない場合に比べて、切抜き部114の周りの領域にある程度の追加のスチフネスがマスターシートに加えられる。例えば、切抜き部114が縁部から縁部にそれらの間に隙間なく延びる場合は連続する可撓性のヒンジ状縁部は、可撓性があり過ぎることがあり、印刷動作中にプリンタ内で詰まりやすくなる恐れがあるので、ギャップスチフナ116によってもたらされる追加のスチフネスは、このような詰まりを防止する助けをすることができる。島状部によってもたらされた追加のスチフネスもまた、トリミング、切断、及び製本作業中にページを適位置及び適切な方向に維持する助けをすることができる。
【0035】
フィルムストリップ102の下の下地の厚さは、フィルムストリップ102を貼り付ける前に減らすことができ、カレンダリング、サンディング、又は他の方法を含む、様々なプロセスを用いて下地の厚さを減らすことができる。例えば、高速サンディングベルトを用いて下地をサンディングして、厚さを減らすことができ、フィルム102と下地のうちフィルムストリップ102の下の部分と合わせた厚さが下地の残りの部分の厚さと同様になるように、下地を薄くすることができる。例えば、下地のみの領域と、下地とフィルムを併せた部分との間の厚さは、0.002インチ以下、0.001インチ以下だけ変えることもできるし、同じ厚さにすることもできる。
【0036】
接着剤を用いてフィルムストリップ102を下地に貼り付けることができ、使用可能な接着剤の例としては、コンタクト接着剤、速乾性接着剤、及び他の接着剤が含まれる。接着剤は、着色添加剤、架橋添加剤、硬化剤など、他の添加剤を含むこともでき、例えば、架橋添加剤は後で行うページの印刷動作中の接着結合に対する熱の影響を軽減することができるので、架橋添加剤を接着剤に加えて、性能を改善することができる。
【0037】
一手法は、接着剤層をフィルムストリップ102に塗布し、その後でフィルムストリップ102を下地に貼り付ける方法である。他の手法は、接着剤を最初に下地に塗布し、次いでフィルムストリップを貼り付ける方法である。下地へのフィルムストリップの貼り付け中やその後で、フィルムストリップ102を下地に押圧することもでき、下地を取り除くことで形成した切抜き部114をカバーするようにフィルムストリップ102を貼り付けることができる。切抜き部114を覆うようにフィルムストリップ102を貼り付けた後には、マスターシート100は一縁部に沿って可撓性のヒンジを有することとなる。
【0038】
レーザ印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、電子写真印刷、インクジェット印刷などを含む、様々なタイプの商業用印刷装置でマスターシートを使用することができ、レーザプリンタ及びインクジェットプリンタなどの個人用印刷装置で動作することができるマスターシートストックを作製することができる。一般に、マスターシートは、様々な形態及び寸法で作製することができ、専門の商業印刷装置で動作させることができる機構を備えるように作製することができる。様々な設計により、印刷装置の効率的且つ無故障の動作が可能になり、ページが平らになるドキュメントの作製が可能になる。
【0039】
シートストックは、印刷時にマスターシート又は仕上げシートの形態であってよく、例えば、仕上げページをマスターシートから切り取るか又は取り外すことによって、印刷前又は後にシートストックページを作製することができる。印刷後に仕上げシートを作製することにより、ページ全体をカバーするように印刷することが可能になし、他の実装形態では、印刷前にページを最終寸法に作製することができ、製本前のページに後で印刷するステップが必要なくなる。この手法では、印刷前に仕上げシートを作製するようにマスターシートを切り取ることができ、こうした手法を用いて、特定のタイプの装置で使用するか又は消費者が家庭用装置で使用する仕上げシートを作製することができる。
【0040】
図1を参照すると、仕上げシート104、106の領域の縁部で印刷を「裁ち切る(bleed off)」ようにマスターシート100に印刷することができる。この手法では、仕上げシート104、106をマスターシート100からトリミングするときに、印刷が仕上げシート104、106の縁部から延びている。様々な実施形態では、印刷の残りの部分と調和するようにフィルムストリップ102の上面に印刷を行うことができ、様々な目的で異なるフィルムの仕上げ及び外観を用いることができる。下地をカバーするフィルムの上又は可撓性ヒンジの領域に印刷するときに、例えば、艶消し仕上げ及びトナー受容性処理を有するフィルムを用いることが特に適切なことがある。
【0041】
使用する印刷装置のタイプに応じて、シートストックのリーディングエッジは、マスターシートの長い方の縁部でも短い方の縁部でもよいが、印刷動作時には、シートのリーディングエッジに可撓性があり過ぎる場合には、印刷動作は、詰まりなどの問題を経験する恐れがある。リーディングエッジの一方がシートの製本用縁部でもあり、シートが(シートの両側に印刷される)両面印刷用のものである場合には、これらの問題は特にひどくなる恐れがあるし、シートストックが連続した可撓性の隙間をヒンジとして働くように用いる場合に、リーディングエッジ及びシートの可撓性が増大することがあるので、これらの問題はより大きくなる。フィルム層の下でシートに残っているギャップスチフナは、島状部が可撓性のヒンジ領域でスチフニング部材として働くのでこうした問題を解決する助けをすることができる。可撓性のヒンジ領域に一つ又は複数のギャップスチフナがあってよく、様々に、マスターシートをトリミングして、マスターシートに存在する一つ又は複数のギャップスチフナを可撓性のヒンジ領域から取り除くことによって、仕上げシートを作製することができるので、零個、一つ、二つ又はそれ以上のギャップスチフナが仕上げシートに存在してよい。
【0042】
このタイプのページを印刷するのに使用される、多くのタイプの商業用印刷装置は(インクジェット、レーザ、Electro ink又は他のタイプのどれでも)、一連のセンサを使用して、プレスを通過するときのシートをモニタリングしており、これらのセンサは、可視光又は不可視光を用いて、機械を通って移動するときのシートの寸法及びシートの位置を判定している。この情報をオペレータが機械にインプットした設定と比較し、設定が合わないと、機械が故障の可能性があるという信号を送り、機械を止めることができる。不具合となるもの例には、一度に2枚のシートを供給した、シートを供給しなかった、間違った寸法のシートを供給したなどが含まれ、スロットがそれに切り込まれたシートストックなどのシートがこうしたタイプの装置を通るときは、センサはこのスロットを読み取り、それをエラーと解釈して、機械を止めることができる。このような条件を修正しなければ、この機械は動作しない。
【0043】
また、ギャップスチフナ116は、光センサを用いた印刷装置の特定の印刷動作で詰まりを検出し防止するのを助けるのに有用であってもよい。連続した透明の層がシートストックに沿って長さ方向に走る場合は、光センサは、その材料を見、詰まりを感知して印刷プロセスを止めることができないが、ギャップスチフナ116は、その材料を光センサが感知し連続した印刷を可能にするので、その場合に助けとなることができる。
【0044】
また、下地と同じようにしてセンサ光をブロックする不透明のフィルムを用いることができる。こうした不透明なフィルムでスロットをカバーすると、機械が正常に作動する。他の変形形態では、不透明なフィルムを用いるのではなく、クリアなフィルムをスロットの領域のみ不透明なインクで被覆し、それにより、下地のうち切抜き領域の不透明な部分を除いた部分に貼り付けられたときに、フィルムがクリアに見えるようにすることができる。不透明なフィルム又はコーティングを用いることにより、印刷ページの外観を改善することもできるので、外観上望ましくなることもある。
【0045】
マスターシート100は、フィルムストリップ102と仕上げシート104の縁部との間に残っている小型のストリップ118を含むことができる。ページに定着するまでトナーを適位置に保持するために、いくつかのタイプの印刷装置によって静電気が利用されるが、これらのタイプの印刷動作で使用されるときは、仮にストリップ118がないとフィルムストリップ102をプリンタの定着ローラに貼り付けてしまう恐れがある静電気の蓄積を、ストリップ118によって低減するのを助けることができる。これは、シート100など、プラスチックフィルムと積層したシートストックが特定のプリンタを通るときに大量の静電気が増加する恐れがあるいくつかのプリンタでは特に有用なことがある。フィルムストリップ102がシート100のリーディングエッジ上にある場合に、静電気の増大により、しばしばフィルムストリップが定着ローラに貼り付く恐れがあり、プラスチックの縁部をシートの縁部から少なくとも1/16インチずらすことによって、静電気の変化を低減させるか又は変化させないようにすることができる。したがって、ストリップ118がフィルムストリップ102と仕上げシート104のリーディングエッジとの間に残っているときは、静電荷を減少するか又は除去する(broken)ことができ、シート縁部を詰まりにくくすることができ、フィルム層を定着ローラに貼り付きにくくすることができる。ストリップ118は様々な幅のものでよく、例えば、ストリップ118は、幅約1/32インチ以上、約1/16インチ以上、約1/8インチ以上、約1/4インチ以上、又は約1/2インチ以上でよい。
【0046】
図2に仕上げシートの例を示す。図2Aには第1の実施形態の仕上げシート104を示しており、仕上げシート104は図1のマスターシート100から切り取ることができる。別の実施形態では、マスターシート100からトリミングするのではなく、直接仕上げシートを製造及び作製することができ、下側縁部の近くにフィルムストリップ102を有する仕上げシート104を示す。ヒンジ領域では、下地の一部分が取り除かれ、その結果取り除かれた切抜き部114の領域がフィルムストリップ102の下に生じ、フィルムストリップ102は、フィルムストリップ102と仕上げシート104の縁部との間に細いストリップ118が残るように配置される。
【0047】
次に図2Bを参照すると、カットライン2-1に沿って見た仕上げシート104の側面図を示す。仕上げシート104は下地110を含み、その下地110から一部分が取り除かれて、切抜き部114を形成され、下地110の厚さが、切抜き部114の近くの領域で低減される。低減された領域の寸法の低減量は、フィルム層102、112が厚さの低減された領域を満たして実質上平坦な面を作るように、使用するフィルムの厚さと実質上等しい。フィルム層102は、接着剤層126によって下地110及びフィルム層112に取り付けられ、フィルム層112は、接着剤層128によって下地110及びフィルム層112に取り付けられる。
【0048】
図2Bと同様の一代替形態は、切抜き部の領域で下地の厚さの低減がない場合である。この代替形態では、フィルム層領域のページの厚さが、フィルムのない領域のページの厚さより大きい。他の代替形態及び組合せを作製することもできる。
【0049】
下地及びフィルムから作製されるマスターシート及びページの他の変形形態も可能である。例えば、概略的に説明したようにマスターシートを準備し、下地は切抜き領域を取り除くように加工することができる。そして、下地の切抜き部を取り除いた後で、下地の両面に全面にわたって層状のフィルムを重ねる。図2Cに仕上げシート204を示しており、仕上げシート204は、マスターシートからトリミングしてもよく、直接作製してもよい。フィルム層202が切抜き領域214上を含む下地の全面をカバーする仕上げシート204を示しており、ヒンジ領域では、下地の一部分が取り除かれ、その結果、取り除かれた切抜き領域214になる。フィルム層202は、フィルムが切抜き領域214並びに下地の全面をカバーし、各縁部まで延びるように配置され、フィルム層202はまた、印刷に適した表面(例えば、レーザ、電子インク、インクジェット、昇華型印刷又は他の印刷手法を受容する表面)を生成するように処理されて、印刷受容面が形成される。
【0050】
仕上げシート204の側面図を図2Dに示す。この図はカットライン2-2に沿って見た仕上げシート204の拡大図である。仕上げシート204は下地210を含み、その下地210から一部分が取り除かれて、切抜き部214を形成され、下地210の厚さは、シートのどの部分でも薄くなっていない。フィルム層202は、接着剤層226によって下地210及びフィルム層212に取り付けられ、フィルム層212は、接着剤層228によって下地210及びフィルム層202に取り付けられる。フィルム層202は、印刷受容トップコート層236で処理されており、フィルム層212は、印刷受容トップコート層238で処理されている。したがって、下地の両面が印刷に適するように準備された面を有する。
【0051】
様々な実施形態では、フィルム層は、下地の全面より小さい面をカバーすることができ、例えば、細いストリップ状の下地が、切抜き領域近くの縁部に沿ってカバーされないまま残っていてよい。他の実施形態では、フィルム全体より小さい面を印刷受容コーティングで処理することができ、例えば、切抜き領域近くの縁部に沿ったストリップ状の下地は、その領域は綴じ込まれる領域内にあり、製本後は通常見えないので処理しなくてよい。他の変形形態も可能である。
【0052】
シート寸法は、印刷前に最終決定してもよく、ページをマスターシートに印刷し、後で寸法設定のために切断してもよい。一手法では、使用する下地は、プラスチック又はフィルム層であり、表面も下地も水を吸収するか又は吸い上げることがないので、結果として生じるページを耐水性にすることができる。フィルム又はプラスチック層は、白色、色付き、クリア又は他の様々な外観が可能である。
【0053】
図3にマスターシートストックの別の実施形態の例を示す。
【0054】
図3Aに示す一例では、マスターシート302がその下側縁部にフィルムストリップ304を有する。下地の一部分が取り除かれ、その結果フィルムストリップ304の下に横たわる切抜き部306を生じ、その切抜き部306は、マスターシート302の縁部まで全体には延びていない。ギャップスチフナ308を形成する下地の島状部は、切抜き部306とマスターシート302の縁部との間に残り、フィルムストリップ304は、マスターシート302から仕上げページ305がトリミングされるときに、フィルムストリップ304が仕上げページ305の縁部を走るように配置される。さらに、マスターシート302は、一つの仕上げシートがマスターシート302から作製されるように寸法設定される。
【0055】
図3Bに示す他の例では、複数の仕上げシート(例えば、320及び322)を一つのマスターシート324から切り取ることができる。フィルムストリップ326が、マスターシート324の下側縁部の近くに貼り付けられ、そのフィルムストリップ326は、ストリップ334がフィルムストリップ326とマスターシート324の下側縁部との間に残るように配置されている。切抜き部328、330は、二つの切抜き部328が仕上げシート320になる部分の縁部に沿って取り除かれ、二つの切抜き部330が仕上げシート322になる部分の縁部から取り除かれるように、マスターシート324に作られ、切抜き部328及び330は、仕上げシート320及び322の縁部まで延びていない。ギャップスチフナ332を形成する、切抜き部328及び330の周りに残る下地の複数の島状部があり、ギャップスチフナ332は、シートのヒンジ領域及び縁部に追加のスチフネスをもたらす。
【0056】
図3はまた、寸法が異なるマスターシートを作製できることも示している。例えば、図3Aに示すように、マスターシート302を13インチ×13インチのシートとすることができ、そのマスターシートから12インチ×12インチの仕上げシート305を切り取ることができる。図3Cに示す他の例として、マスターシート350を9インチ×12インチのシートとすることができ、そのマスターシートから8.5インチ×11インチの仕上げシート355を切り取ることができる。これらの例はまた、マスターシートストックを異なる構成にすることができることも示している。シート302及び350などのマスターシートは、マスターシート1枚当たり仕上げシートを1枚有することができる。図3Bに示すように、シート324など、他のマスターシートは、複数の仕上げシート320、322を1枚のマスターシートから切り取ることができる。図3Dに示すように、マスターシートは、ロール370などのロールにすることもでき、その場合複数の仕上げシート375をロール370から切り取ることができる。
【0057】
図4にマスターシート及び仕上げシートの別の実施形態の例を示す。
【0058】
図4Aに示す一実施形態では、マスターシート402がフィルムストリップ410、412を有し、それらのフィルムストリップ410、412は相互に反対側の縁部近くを長さ方向に走っている。下地の一部分が取り除かれ、その結果、フィルムストリップ410の下側に横たわる切抜き部420、及びフィルムストリップ412の下側に横たわる切抜き部422を生じる。切抜き部420、422は、マスターシート402の縁部まで全体には延びておらず、切抜き部420、422とマスターシート402の縁部との間にギャップスチフナ414、416、424、426を形成するように、下地の島状部を残す。フィルムストリップ410、412は、仕上げページ404、406をマスターシート402からトリミングするときに、フィルムストリップ410、412が仕上げページ404、406の縁部までページをカバーするように配置される。さらに、マスターシート402は、マスターシート402から2枚の仕上げシート404、406を作製するように寸法設定されている。一実施形態では、12インチ×18インチのマスターシートを使用し、マスターシートの両側の縁部にフィルムストリップを有し、そして、12インチ×18インチのマスターシートは、後で切り取って8と1/2インチ×11インチの仕上げシートを2枚作製することができる。
【0059】
図4Bに示す他の実施形態では、1枚のマスターシート430は、2枚の切抜き領域444、446を含み、それらの切抜き領域444、446は、マスターシート430の下地に平行なスロットに形成され、シートの中間で平行に下向きに走り、下地の一部分が切抜き領域444、446を分離している。切抜き領域444、446は、レーザカット、ダイカットされてもよく、他の方法で取り除かれてもよく、その後、ストリップ状のフィルム412が、切抜き領域444、446を覆ってマスターシート430の表及び裏面に積層される。フィルムは、上記で説明したように様々な特質を有することができるし、上記で説明した方法を用いて様々なプレスでシートに印刷することができる。いくつかのページを順に組み合わせることができ、シートは鞍綴じ製本機の「鞍」上に配置することができ、その後、ステープルを、切抜き領域444と446の間の下地ののど(gutter)を通してシートの中心に配置することができる。そして、積層した隙間又はヒンジに沿ってシートを半分に折りたたむことができ、その後、3箇所の折りたたまない側部をトリミングして、仕上げの製品ページを形成することができる。例えば(折りたたんだ構成にしながら)、仕上げページ432をマスターシート430から切り取ることができ、可撓性フィルム領域が存在するので、各ページはこの方法を用いて共に結合したときに平らになる。
【0060】
図示の一手法では、シート全体の寸法は13インチ×18インチでよい。スロットは長さ12インチでよく、シートは長さ13インチであり、各切抜き部のスロットの両端に1/2インチの下地を残している。レーザ印刷などによってこれらのページに印刷することができ、一例としては、通常壁にかけるタイプのカレンダーのページを作製するために使用する画像を印刷することができる。これらのページは月の順に組み立てることができ、製本及び仕上げステップの後に結果としてできるカレンダーは、開いて壁にかけることができる。寸法12インチ×17インチの仕上げページは、13インチ×18インチのマスターシートからトリミングすることができ、(カレンダーの場合のように)折りたたまれ綴じられたときに、個々のページ1枚はそれぞれ、約8と1/2インチ×12インチの寸法になる。
【0061】
図4Cに示す他の実施形態では、マスターシート450が二つの切抜き領域454、456を含み、それらの切抜き領域454、456は、マスターシート450の下地に平行なスロットに形成され、シートの外側の各縁部近くを走っている。切抜き領域454、456は、レーザカット、ダイカットされてもよく、他の方法で取り除かれてもよく、その後、ストリップ状のフィルム462、464が、切抜き領域454、456を覆ってマスターシートの表及び裏面に積層される。切抜き部454、456は、マスターシート450の縁部の方向まで全体には延びておらず、切抜き部とギャップスチフナ470を形成するマスターシート450の縁部との間に、下地の島状部を残している。フィルムストリップ462、464は、仕上げページ460の縁部までページをカバーするように長さ方向に延びているが、フィルムストリップ462、464は、ページの縁部まで幅方向に延びず、ページの縁部とフィルムストリップとの間に細いストリップ状の下地474、476を残している。こうしたストリップ及びギャップスチフナの存在によって、供給及び印刷動作を改善することができるが、いずれも必ずしも必要ではなく、他の実施形態では、フィルムストリップはシートの縁部まで幅方向に延びることができる。マスターシート450は中心線458を含み、その中心線458は、予め折り目を付けるか、わずかに印を付けるか又は非常にわずかにミシン目を入れて折りたたみやすくすることができ、マスターシート450は、印刷し折りたたんだ後で正確な寸法のシートを作製するように寸法設定することができる。
【0062】
図示の一手法では、マスターシートの寸法は4インチ×12インチでよく、通常シートの片側のみに印刷するように設計される、デスクトップ型インクジェットプリンタのために設計された仕上げシートを作製するために使用することができる。例えば、4インチ×6インチの写真2枚を横に並べるように、プリンタでシートに印刷することができ、その後、シートを中心線に沿って半分に折りたたむことができる。印刷し折りたたんだ後で、折りたたんだ仕上げシートは4インチ×6インチの長さになり、折りたたんだシートの両側に写真を有し、可撓性のヒンジ領域が位置合わせされ、その後、上記で説明した方法を用いて、この折りたたんだシートを他のシートと共に綴じることができる。
【0063】
図5に仕上げシートの別の実施形態を示す。一般に、仕上げシートは、上記で説明したようにマスターシートからトリミングすることができ、いくつかの実施形態では、印刷などの様々な使用又は個人的なユーザによる使用のために直接仕上げシートを作製することもできる。
【0064】
図5Aに示す一例では、仕上げシート502はその下側縁部に沿ってフィルムストリップ504を有しており、フィルムの下で縁部全体に沿って切抜き部506が走る。フィルムストリップ504は、下地のストリップ508がフィルムストリップ504と仕上げシート502の下側縁部との間に残るように配置されている。この仕上げシートは、マスターシートから切り取ることができるシートの一例であり、印刷中などにスチフネスをもたらすのを助けるためにマスターシートにあった島状部又はギャップスチフナは、フィルムで形成されたヒンジ領域で仕上げシートに最大の可撓性をもたらすためにトリミング中に取り除かれている。
【0065】
他の例では、図5Bに示すように、仕上げシート520がその下側縁部に沿ってフィルムストリップ522を有しており、切抜き領域532、534、536が下にあり、フィルムストリップ522によって完全にカバーされる。切抜き領域534、534は仕上げシート520の縁部まで延びているが、切抜き領域532は全体が仕上げシート520内にある。下地の島状部が切抜き領域532と534との間、並びに切抜き領域532と536との間にあり、ギャップスチフナ526が形成され、フィルムストリップ522は、フィルムストリップ522と仕上げシート520の下側縁部との間にストリップ528が残るように配置されている。このストリップ状の下地は、ストリップがシートの縁部まで延びるフィルム層と比べて、特定の接着剤をより受け入れることができるので、特定の製本動作中に有用なことがある。この例示的な仕上げシート520はヒンジ領域に島状部を含み、その島状部は、図5Aの仕上げシート502などフィルムのみのヒンジ領域のそれと比べて追加のスチフネスをもたらしており、ヒンジ領域にギャップスチフナを追加すると、純粋なフィルムのヒンジより「本のような」感覚及びページ動作を与えるのに有用なことがある。さらに、こうしたページを組み込んだ本を開いたままにするときに、純粋なフィルムのヒンジと比べてページを適位置に良好に維持することができる。他の場合及び実装形態では、島状部のない純粋なフィルムのヒンジが好まれる場合もある。
【0066】
図5Cに示す他の例では、仕上げシート540がその下側縁部に沿ってフィルムストリップ542を有しており、図5Bのシート520と同様に、シート540は、シート540の縁部と切抜き部544との間にギャップスチフナ546を備える切抜き部544を有している。図5Bのシート520と異なり、フィルムストリップ542は、シート540の非常に下側の縁部にあるので、フィルムストリップ542の下とシート540の下側縁部との間に下地ストリップはない。
【0067】
図5Cも本明細書で説明したページに存在することができる変形形態を示す。ヒンジ縁部の反対側の直線の縁部ではなく、タブ548がシート540の縁部に設けられている。一般に、マスターシートは本明細書で説明したように準備され、少し幅の広い仕上げシートがマスターシートから形成されている。その後、仕上げシートを、タブ作製機(tabbing machine)を通して、残すことになっているタブを除いて、シートの縁部に沿って(例えば、ダイカット、レーザカット、又は他の方法によって)幅を狭くし、様々な寸法(長さ及び幅)の一つ又は複数のタブを多様に作製することができる。タブは他の特徴も有し、例えば、タブを作製する前に下地の縁部に色付きのフィルムを配置して、色付きのタブを作製することができるし、タブを印刷することもできる。或いは、マスターシートから仕上げシートをトリミングするプロセスの一部としてタブ作製を行うこともでき、このような場合には、トリミング/タブ作製プロセスは、二つではなく単一のプロセス又はステップで行われることになる。
【0068】
図示の一変形形態では、上記で説明したようにシートストックを寸法9インチ×11インチに作製することができる。その後、これらのシートに様々な現行の方法で印刷して、インデックスタブを作り出すことができ、これらのシートをシールし、従来のタブ作製装置でタブを切り出す。高速複写機で使用する無地のタブ、1から10の数字又はAからZの文字などを予め印刷したタブ、特別印刷のタブ、又は差込み可能なタブ等の、いくつかのタイプのタブを、可撓性のヒンジ領域を有するシートに作ることもできる。最終的なタブ付きページの寸法は、一般に8と1/2インチ×11インチになり、追加の1/2インチ幅のタブをページの一部に有することになる。
【0069】
図5Dに示す他の例では、仕上げシート560がその下側縁部に沿ってフィルムストリップ562を有し、二つの切抜き部564がフィルムストリップ562の下に横たわる。ギャップスチフナ568を形成する下地の島状部は、切抜き部564と仕上げシート560の縁部との間の隙間を占めており、フィルムストリップ562は、フィルムストリップ562と仕上げシート560の下側縁部との間に下地ストリップ570が残るように配置されている。
【0070】
これらの例もまた、様々な寸法の仕上げシートを作製できることを示しており、例えば、仕上げシート502、560の寸法は12インチ×12インチでよく、仕上げシート520、540の寸法は8.5インチ×11インチでよい。
【0071】
図6は、マスターシート製造プロセス600のフローチャートの一例を示している。このプロセスは、下地を選択するステップ602、及びロール状の下地材(例えば、紙ロール、フィルムロールなど)を取り付けるステップ、及びロール状の下地を広げて下地ウェブ(例えば、紙ウェブ、フィルムウェブなど)を形成するステップによって始めることができる。使用する下地ロールの寸法、下地材の重さ、下地の色、並びに他の変更は、所望の又は意図した用途に応じて様々に修正することができる。
【0072】
下地を広げてウェブを形成した後で、下地を準備することができる604。一手法としては、一縁部の近くに細いバンド状に下地を、カレンダリング又は押圧することができ、その細いバンドの幅を変更することができる。例えば、1/4インチ、1/2インチ、3/4インチ又は他の幅を有することができる。カレンダリングする場合には、例えば積み重ねたり水平に対となったりしている、熱及びストレスをシート表面に与えることができる一連の温度制御ロールによって、下地をカレンダリングすることができる。
【0073】
他の手法では、一縁部の近くに細いバンド状に下地を薄くすることができ、やはり、そのバンドの幅を変更することができ、1/4インチ、1/2インチ、3/4インチ又は他の幅にすることができる。例えば、一つ又は複数の高速サンディングベルトの、サンディングによって下地を薄くすることができる。
【0074】
下地のウェブは、加工の際に、後で使用するために設定した距離で一定間隔に印を付けることもできる。例えば、切抜き部を作るか又はマスターシートを仕上げるのを助けるために、下地に印を付けることができ、一例では、印は、下地ウェブに沿って18インチ毎に付けられる。それらの印は、下地ウェブの孔又は穴、可視又は不可視のインクドット或いは他のタイプの印であってもよい。
【0075】
ステップ606で切抜き部が作られ、ダイカット、レーザカット、パンチング、又は何らかの他の方法で下地の一部分を取り除く。一般に、切抜き部はシートの縁部まで延びないので、下地は、概して連続した、障害がなく、切断されていない縁部又は外周部を有しており、ダイカット、レーザカット、パンチング等を含む様々な方法で、切抜き部を作ることができる。いくつかの実装形態では、切抜き部がシートの縁部まで延びるので、外周部は連続しない場合もある。
【0076】
ステップ608ではフィルムが下地に貼り付けられ、この明細書で先に説明したように、様々なコーティング又は表面処理を有する様々なフィルムを、下地に貼り付けることができる。一般に、フィルムは、下地の両面に細いストリップ状に貼り付けられて、取り除かれた切抜き部をカバーしている。フィルムは、両面に同時に又は順次貼り付けることができるし、フィルムは、下地の上面又は下面にのみ貼り付けることができる。フィルムを下地の上面及び下面に押圧することもできる。
【0077】
ステップ610でマスターシートを加工(stage)し、所望の用途に応じて、製品を様々な形態に加工することができる。一手法では、下地ウェブをリールに巻き取り、商業用高速装置で使用できるマスターシートロールを作製することができる。他の手法では、ウェブを切り取ってマスターシートを作製することができ、そのマスターシートは、後でトリミングして一つ又は複数の仕上げシートを作製することができる。他の手法では、下地ウェブを切断して、直接使用するための仕上げシートを作製することができる。
【0078】
本明細書で説明したページは、様々な目的で使用することができる。一つの使用は、印刷した後、ページを共に製本して、本、展示、陳列用ホルダ、カレンダーなどにするためにそれらのページを使用するものである。一般に、これは製本構成を必要とし、この製本構成体は、製本要素、前表紙及び裏表紙、並びにカバー内の一つ又は複数のページからなるものである。概して、製本要素は、無線とじ、ヴェロバイディング(velo binding)、らせん綴じ、串刺し製本、糸綴じ、針金綴じなどで使用される要素など、一般的に製本に使用されるどんな種類のものでもよく、前表紙及び裏表紙は、製本で通常使用されるどんなタイプのものでもよく、同じでも異なっていてもかまわない。一手法では、本明細書で説明したようなページを前表紙及び裏表紙で使用することもでき、これはカレンダーなどには特に有用なことがある。前表紙及び裏表紙内の一つ又は複数のページは、本明細書で説明したどんなタイプのものでもよく、一つ又は複数のページの可撓性のヒンジ領域により、それらの一つ又は複数のページは、製本構成体が開いているときに平らにすることができる。
【実施例1】
【0079】
1.ロール状の幅12インチの80ポンド用紙(ウィスコンシン州アップルトンのアップルトン・コーテッド・プロダクツ(Appleton Coated Products))を広げ、紙ウェブのプロセスに供給した。
【0080】
2.紙ウェブをカレンダリング又は押圧して、紙の一縁部近くに幅1/2インチの細いバンド部分を作った。
【0081】
3.1/8インチ×長さ8と3/4インチの紙の二つの部分をダイカットによって紙ウェブのカレンダリングした領域から取り除き、紙ウェブが通るときにダイカットステップを紙ウェブに沿って18インチ毎に繰り返した。
【0082】
4.厚さ0.0001インチのロール状の印刷受容性ポリエステルフィルム(イリノイ州シカゴのトランシルワープ(Transilwrap)から利用可能)を広げ、接着剤混合物で被覆した。接着剤混合物は、98.5体積%のPN3759K(ミネソタ州セントポールのフラーアドヒーシブズ(Fuller adhesives))と1.5体積%の架橋剤XR-2990(フラーアドヒーシブズ(Fuller adhesives))を混合することによって作った。
【0083】
5.紙ウェブの両側に、紙ウェブのうちダイカットで取り除かれた部分をカバーする細いストリップの状態でポリエステルフィルムを接着剤で貼り付けた。
【0084】
6.ウェブ構造をシータ中に供給し、所定の位置で切断し、2箇所のダイカット部分を長さ18インチのシート内で等間隔に配置した。各切断マスターシートの最終寸法は12インチ×18インチであった。
【実施例2】
【0085】
1.幅14インチのロール状の100ポンド用紙(コネチカット州トランブルのニューページコーポレーション(New Page Corporation)によるデジタルシルク(Digital Silk))を広げ、紙ウェブのプロセスに供給する。
【0086】
2.その紙ウェブを高速サンディングベルト下で走らせる。紙の一部、幅1/2インチ×深さ0.001インチを取り除く。
【0087】
3.実施例1のステップ3から5を実行する。
【0088】
4.ウェブ構造は、コアが3インチのロールでウェブ構造を巻き戻し、最終外径が40インチになる。
【0089】
その後、紙のロールを印刷前又は後に広げて寸法設定することができる。ロールで供給された材料は、(ヒューレット・パッカード社のHP Indigo w3250など)わずかに異なる装置であるが、シートストックと同様にして印刷することができる。
【実施例3】
【0090】
様々な紙又は他の下地材に実施例1又は2と同じステップを実行することができる。
【0091】
例えば、重量、色が異なっていてよく、紙ウェブの幅、フィルムストリップの幅、及びフィルムストリップの配置が様々である、紙を使用することができる。つまり、様々なシート寸法をもたらすように、紙の変数を修正することができる。使用する印刷装置、及び最終的なドキュメントの所望する寸法に対応するように、これを実行することができ、様々な用途に重量が異なる紙を使用することもできる。
【0092】
プラスチック、フィルム、紙/綿繊維混合物など、他の下地材を使用して、実施例1及び2の製品を作製することもできる。
【実施例4】
【0093】
12インチ×18インチの(実施例1に従って作製された)マスターシートストックの積み重ねを、デジタルプリンタ(ジョージア州アトランタのヒューレット・パッカード社のIndigo 5000)の給紙引出しに充填した、印刷動作中にシートストックの両面に印刷した。
【0094】
印刷したシートストックをトリミングして、最終寸法の11インチ×8と1/2インチにしたが、トリミングプロセス中においては、12インチの各外側縁部から約1/4インチトリミングし、シートの中心から1/2インチトリミングした。18インチの各縁部から約1/2インチトリミングしている。その結果、トリミングしたシートは、シート縁部から約1/2インチに位置する最終的な8と1/2インチの縁部に沿って走る、フィルムでカバーした可撓性のヒンジを有する。
【0095】
その後、予め作られたハードカバー(ジョージア州アトランタのユニバインド(Unibind)からのフォトブッククリエーター(Photo Book Creator))でトリミングしたシートを綴じて本を作成し、綴じられて本になったページは、本を開いたときに平らになった。
【実施例5】
【0096】
ロール形態の他の形態のマスターシートストックを、フォトキオスクで見られるような写真用プリンタで使用することができる。フォトキオスク用ロールの作製は、実施例2で説明したものとは少し異なるが、同じ基本的なステップを有する。ロール状の下地材を広げ、下地にスロットをダイカットし、クリア又は不透明なフィルムでスロットの片側又は両側をカバーし、ロールを巻き戻す。
【0097】
この実施形態では、典型的には昇華型用紙であるウェブの下地は、幅4インチ、長さ数百フィートでよい。広げた後で、幅4インチのウェブを横切る長さ1/8インチ幅3と3/4インチの切抜き部スロットを下地材から切り取ることができ、これらのスロットは、6と1/2インチ間隔でウェブ上で繰り返され、ウェブを巻き戻し、写真用プリンタで使用する準備ができる。
【0098】
写真を作製するときは、ロール状材料をプリンタで広げ、通常通りに印刷できるウェブ状の材料を形成する。印刷後に、長さ6と1/2インチの増分で材料が機械から出て、写真が印刷された後で、可撓性フィルム領域を含む長さ1/2インチ×幅4インチの印刷しない領域を残して、機械は、写真を切断する。このようにして写真を印刷した後で、針金綴じ、糸綴じ、接着剤など、いくつかの形でいくつかの写真を綴じることができるので、製本した後で、可撓性フィルム領域により、眺めるために写真を平らにすることができる。
【0099】
他の実施形態では、写真用プリンタは、印刷用のロール状の材料ではなく、切断したシートを用いる。この手法は、印刷後に材料の長さを切断しないこと以外は同じであり、ロールの実施形態と同様に、その結果得られた写真は、綴じることができ、可撓性フィルム領域によって平らになる。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態を説明してきた。しかし、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに様々な修正を行うことができることが理解されよう。例えば、使用する下地ロールの寸法、シートストックの寸法、最終的なドキュメントの寸法、下地材の重量、フィルムストリップの位置及び寸法、下地の色、並びに他の変数は、所望又は用途に従って修正することができる。したがって、他の実施形態は以下の特許請求の範囲内に包含される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部と、前記開口部の領域にギャップスチフナとを備える下地と、
前記開口部をカバーする可撓性フィルムであって、該可撓性フィルムによってカバーされた前記開口部及び前記ギャップスチフナの領域に可撓性のヒンジ領域を設ける前記可撓性フィルムと、を備えているシートストック。
【請求項2】
可撓性フィルムが前記下地の上面に貼り付けられ、可撓性フィルムが前記下地の下面に貼り付けられている、請求項1に記載のシートストック。
【請求項3】
前記可撓性フィルムが前記下地の表面に押圧されている、請求項1に記載のシートストック。
【請求項4】
前記可撓性フィルムが、前記下地の全て又はほぼ全ての表面をカバーしている、請求項1に記載のシートストック。
【請求項5】
前記可撓性フィルムが印刷受容性である、請求項1に記載のシートストック。
【請求項6】
前記可撓性フィルムが電子写真トナー受容性である、請求項1に記載のシートストック。
【請求項7】
前記可撓性フィルムがインクジェット印刷受容性である、請求項1に記載のシートストック。
【請求項8】
前記可撓性フィルムがElectroInk受容性である、請求項1に記載のシートストック。
【請求項9】
前記可撓性フィルムが艶消し仕上げされている、請求項1に記載のシートストック。
【請求項10】
前記可撓性フィルムが不透明である、請求項1に記載のシートストック。
【請求項11】
前記可撓性フィルムが前記下地に貼り付けられた領域で、前記下地の厚さが減らされている、請求項1に記載のシートストック。
【請求項12】
前記シートストックのうち前記可撓性フィルムが貼り付けられた部分の厚さが、前記シートストックのうち前記下地が可撓性フィルムによってカバーされていない部分の厚さと比較して、0.002インチ以下だけ異なる、請求項1に記載のシートストック。
【請求項13】
前記シートストックのうち前記可撓性フィルムが貼り付けられた部分の厚さが、前記シートストックのうち前記下地が可撓性フィルムによってカバーされていない部分の厚さと比較して、0.001インチ以下だけ異なる、請求項1に記載のシートストック。
【請求項14】
前記下地に二つ以上の別々の開口部がある、請求項1に記載のシートストック。
【請求項15】
前記シートストックの縁部と前記可撓性フィルムの縁部との間に、ストリップ状の下地がある、請求項1に記載のシートストック。
【請求項16】
前記可撓性のヒンジ領域の幅が約0.03インチから約0.25インチである、請求項1に記載のシートストック。
【請求項17】
前記下地が紙を含む、請求項1に記載のシートストック。
【請求項18】
前記下地がフィルム又はプラスチックを含む、請求項1に記載のシートストック。
【請求項19】
下地の一部分の厚さを減らすステップと、
厚さを減らした領域で前記下地の一部分を取り除くステップと、
前記下地を取り除いた部分をカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、厚さを減らした前記領域で、前記下地の一方の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップと、からなる、シートストックを製造する準備プロセス。
【請求項20】
前記下地を取り除いた部分をカバーするように、厚さを減らした前記領域で、前記下地の反対側の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップをさらに含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
下地の前記一部分がダイカットによって取り除かれる、請求項19に記載のプロセス。
【請求項22】
下地の前記一部分がレーザカットによって取り除かれる、請求項19に記載のプロセス。
【請求項23】
下地の一部分の厚さを減らすステップが、サンディング又はグラインディングを含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項24】
下地の一部分の厚さを減らすステップがカレンダリングを含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項25】
前記下地が紙を含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項26】
前記下地がフィルム又はプラスチックを含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項27】
前記シートストックをトリミングして、タブ付きシートストックを形成するステップをさらに含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項28】
厚さを減らした前記領域で前記下地の一部分を取り除くステップが、前記下地の一部分を取り除いて、前記可撓性のヒンジ領域にギャップスチフナを設けるステップを含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項29】
下地の一部分を取り除いて、一つ又は複数の開口部、及び一つ又は複数のギャップスチフナを設けるステップと、
下地の前記一つ又は複数の開口部、及び前記一つ又は複数のギャップスチフナをカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、前記下地の一方の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップと、からなる、シートストックを製造する準備プロセス。
【請求項30】
下地の前記一つ又は複数の開口部、及び前記一つ又は複数のギャップスチフナをカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、前記下地の反対側の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップをさらに含む、請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
下地の前記一部分がダイカットによって取り除かれる、請求項29に記載のプロセス。
【請求項32】
下地の前記一部分がレーザカットによって取り除かれる、請求項29に記載のプロセス。
【請求項33】
前記可撓性のヒンジ領域で前記下地の厚さを減らすステップをさらに含む、請求項29に記載のプロセス。
【請求項34】
前記下地の厚さを減らすステップがカレンダリングを含む、請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
前記下地の厚さを減らすステップがサンディングを含む、請求項33に記載のプロセス。
【請求項36】
前記可撓性フィルムが、前記下地の全て又はほぼ全ての表面をカバーしている、請求項29に記載のプロセス。
【請求項37】
前記可撓性フィルムが印刷受容性コーティングを含む、請求項29に記載のプロセス。
【請求項38】
前表紙及び裏表紙と、
開口部と、前記開口部の領域にギャップスチフナとを備える下地、及び、前記開口部をカバーする可撓性フィルムであって、該可撓性フィルムによってカバーされた前記開口部及び前記ギャップスチフナの領域に可撓性のヒンジ領域を設ける可撓性フィルム、を備えるページと、
前表紙及び裏表紙内に前記ページを綴じる製本要素と、からなり、
前記可撓性のヒンジ領域により、開いているときに前記ページを平らにすることができる、製本構成体。
【請求項39】
前記ページが印刷受容性コーティングを含む、請求項38に記載の本。
【請求項1】
開口部と、前記開口部の領域にギャップスチフナとを備える下地と、
前記開口部をカバーする可撓性フィルムであって、該可撓性フィルムによってカバーされた前記開口部及び前記ギャップスチフナの領域に可撓性のヒンジ領域を設ける前記可撓性フィルムと、を備えているシートストック。
【請求項2】
可撓性フィルムが前記下地の上面に貼り付けられ、可撓性フィルムが前記下地の下面に貼り付けられている、請求項1に記載のシートストック。
【請求項3】
前記可撓性フィルムが前記下地の表面に押圧されている、請求項1に記載のシートストック。
【請求項4】
前記可撓性フィルムが、前記下地の全て又はほぼ全ての表面をカバーしている、請求項1に記載のシートストック。
【請求項5】
前記可撓性フィルムが印刷受容性である、請求項1に記載のシートストック。
【請求項6】
前記可撓性フィルムが電子写真トナー受容性である、請求項1に記載のシートストック。
【請求項7】
前記可撓性フィルムがインクジェット印刷受容性である、請求項1に記載のシートストック。
【請求項8】
前記可撓性フィルムがElectroInk受容性である、請求項1に記載のシートストック。
【請求項9】
前記可撓性フィルムが艶消し仕上げされている、請求項1に記載のシートストック。
【請求項10】
前記可撓性フィルムが不透明である、請求項1に記載のシートストック。
【請求項11】
前記可撓性フィルムが前記下地に貼り付けられた領域で、前記下地の厚さが減らされている、請求項1に記載のシートストック。
【請求項12】
前記シートストックのうち前記可撓性フィルムが貼り付けられた部分の厚さが、前記シートストックのうち前記下地が可撓性フィルムによってカバーされていない部分の厚さと比較して、0.002インチ以下だけ異なる、請求項1に記載のシートストック。
【請求項13】
前記シートストックのうち前記可撓性フィルムが貼り付けられた部分の厚さが、前記シートストックのうち前記下地が可撓性フィルムによってカバーされていない部分の厚さと比較して、0.001インチ以下だけ異なる、請求項1に記載のシートストック。
【請求項14】
前記下地に二つ以上の別々の開口部がある、請求項1に記載のシートストック。
【請求項15】
前記シートストックの縁部と前記可撓性フィルムの縁部との間に、ストリップ状の下地がある、請求項1に記載のシートストック。
【請求項16】
前記可撓性のヒンジ領域の幅が約0.03インチから約0.25インチである、請求項1に記載のシートストック。
【請求項17】
前記下地が紙を含む、請求項1に記載のシートストック。
【請求項18】
前記下地がフィルム又はプラスチックを含む、請求項1に記載のシートストック。
【請求項19】
下地の一部分の厚さを減らすステップと、
厚さを減らした領域で前記下地の一部分を取り除くステップと、
前記下地を取り除いた部分をカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、厚さを減らした前記領域で、前記下地の一方の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップと、からなる、シートストックを製造する準備プロセス。
【請求項20】
前記下地を取り除いた部分をカバーするように、厚さを減らした前記領域で、前記下地の反対側の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップをさらに含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
下地の前記一部分がダイカットによって取り除かれる、請求項19に記載のプロセス。
【請求項22】
下地の前記一部分がレーザカットによって取り除かれる、請求項19に記載のプロセス。
【請求項23】
下地の一部分の厚さを減らすステップが、サンディング又はグラインディングを含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項24】
下地の一部分の厚さを減らすステップがカレンダリングを含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項25】
前記下地が紙を含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項26】
前記下地がフィルム又はプラスチックを含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項27】
前記シートストックをトリミングして、タブ付きシートストックを形成するステップをさらに含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項28】
厚さを減らした前記領域で前記下地の一部分を取り除くステップが、前記下地の一部分を取り除いて、前記可撓性のヒンジ領域にギャップスチフナを設けるステップを含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項29】
下地の一部分を取り除いて、一つ又は複数の開口部、及び一つ又は複数のギャップスチフナを設けるステップと、
下地の前記一つ又は複数の開口部、及び前記一つ又は複数のギャップスチフナをカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、前記下地の一方の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップと、からなる、シートストックを製造する準備プロセス。
【請求項30】
下地の前記一つ又は複数の開口部、及び前記一つ又は複数のギャップスチフナをカバーして可撓性のヒンジ領域を形成するように、前記下地の反対側の面に可撓性フィルムを貼り付けるステップをさらに含む、請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
下地の前記一部分がダイカットによって取り除かれる、請求項29に記載のプロセス。
【請求項32】
下地の前記一部分がレーザカットによって取り除かれる、請求項29に記載のプロセス。
【請求項33】
前記可撓性のヒンジ領域で前記下地の厚さを減らすステップをさらに含む、請求項29に記載のプロセス。
【請求項34】
前記下地の厚さを減らすステップがカレンダリングを含む、請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
前記下地の厚さを減らすステップがサンディングを含む、請求項33に記載のプロセス。
【請求項36】
前記可撓性フィルムが、前記下地の全て又はほぼ全ての表面をカバーしている、請求項29に記載のプロセス。
【請求項37】
前記可撓性フィルムが印刷受容性コーティングを含む、請求項29に記載のプロセス。
【請求項38】
前表紙及び裏表紙と、
開口部と、前記開口部の領域にギャップスチフナとを備える下地、及び、前記開口部をカバーする可撓性フィルムであって、該可撓性フィルムによってカバーされた前記開口部及び前記ギャップスチフナの領域に可撓性のヒンジ領域を設ける可撓性フィルム、を備えるページと、
前表紙及び裏表紙内に前記ページを綴じる製本要素と、からなり、
前記可撓性のヒンジ領域により、開いているときに前記ページを平らにすることができる、製本構成体。
【請求項39】
前記ページが印刷受容性コーティングを含む、請求項38に記載の本。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【公表番号】特表2010−520099(P2010−520099A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552853(P2009−552853)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/055879
【国際公開番号】WO2008/109657
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(509249818)ホルムバーグ カンパニー,インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/055879
【国際公開番号】WO2008/109657
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(509249818)ホルムバーグ カンパニー,インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
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