説明

平板瓦

【課題】隣接する瓦の水受けに被さる瓦側縁の裏面を伝わる雨水によって生ずる雨洩れを防止することができる平板瓦を提供する。
【解決手段】瓦を葺いたとき、隣接する瓦11の水受け3に被さる瓦側縁の裏面にエッジに沿って第1の水切り13を突設すると共に、第1の水切り13に並行して第2の水切り14を突設し、両水切り13及び14が隣接する瓦の水受け3上に位置するように形成し、瓦側縁の裏面を伝わる水を水切り14で水切りして、水受け3上に滴下させ、屋根下地材上に滴下しないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板瓦に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来のこの種平板瓦1の一例を示すものであり、図2は平板瓦1を千鳥葺きにした平面、図3は図2のA−A線断面をそれぞれ示すもので、隣接する瓦1とその瓦間の隙間2より侵入した雨水は水受け3を伝い流れて軒側に流出するようにしてあり、水受け3には水返し4が突設され、水受け3上の雨水が瓦1が葺かれる屋根下地材の上に流出することによる雨洩れを防止するようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者は、瓦間の隙間より侵入した雨水による雨洩れを生ずる原因の一つに図3の矢印で示すように、隣接する瓦の水受け上に被さる瓦側縁の裏面を伝わる雨水によるものがあるのではないかと考え、実験してみたところ、そのことが確認された。
【0004】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、隣接する瓦の水受けに被さる瓦側縁の裏面を伝わる雨水によって生ずる雨洩れを防止することができる平板瓦を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、一側縁に水受けを段状に形成した平板瓦において、瓦を葺いたとき隣接する瓦の水受けに被さる瓦側縁の裏面に瓦側縁のエッジに沿って突設される第1の水切りと、該第1の水切りに平行して突設され、隣接する瓦の水受け上に位置する第2の水切りを設け、瓦間の隙間より侵入した雨水が第1及び第2の水切りで水切りされ、隣接する瓦の水受け上に滴下するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、瓦間の隙間より侵入した雨水が水受け上に被さる瓦側縁の側端面を伝い落ちると、第1の水切りで水切りされて水受け上に滴下する、第1の水切りを乗り越えて瓦側縁の裏面に伝わっても第2の水切りで水切りされて水受け上に滴下する。これにより瓦側縁の裏面を伝わる雨水が水受け外の屋根下地材上に滴下して生ずる雨洩れが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態の平板瓦について図面により説明する。図中、図1〜図3に示す従来の平板瓦と同一構造部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0008】
図4は、平板瓦11の裏面を示すものであり、図5は瓦を葺いたときの図3に対応する断面を示すもので、瓦を葺いたとき、隣接する瓦11の水受け3に被さる瓦側縁の裏面には、エッジに沿って第1の水切り13が突設されるとともに、第1の水切り13に並行して第2の水切り14が好ましくは図示するように、第2の水切り14より極力離して瓦側縁の裏面を伝わる水の勢いが衰える箇所に突設され、第1及び第2の水切り13及び14は共に隣接する瓦11の水受け上に位置するように形成されている。
【0009】
本実施形態の平板瓦11によると、瓦を葺いた状態で瓦間の隙間より侵入した雨水が瓦側縁の側端面を伝い降りても、第1の水切り13で水切りされて水受け3上に滴下し、図5の矢印で示すように、第1の水切り13を乗り越えて瓦側縁の裏面を伝わるようなことがあっても第2の水切りで水切りされ、二段階で水切りされる。このため瓦側縁の裏面を伝わる水による水洩れを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明に係る平板瓦は、図2に示すように千鳥葺きに葺くこともできるし、棟から軒に向かって一直線をなす筋葺きに葺くこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来の平板瓦を表側からみた斜視図。
【図2】瓦を千鳥葺きに葺いた屋根の一部の平面図。
【図3】図2のA−A線の拡大断面図。
【図4】本発明に係る平板瓦を裏側からみた斜視図。
【図5】図4に示す瓦を葺いたときの図2のA−A線に対応する拡大断面図。
【符号の説明】
【0012】
1、11・・平板瓦
2・・隙間
3・・水受け
4・・水返し
13・・第1の水切り
14・・第2の水切り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側縁に水受けを段状に形成した平板瓦11において、瓦11を葺いたとき隣接する瓦11の水受け3に被さる瓦側縁の裏面に瓦側縁のエッジに沿って突設される第1の水切り13と、該第1の水切り13に並行して突設され、隣接する瓦11の水受け3上に位置する第2の水切り14を設け、瓦間の隙間より侵入した雨水が第1及び第2の水切り13及び14で水切りされ、隣接する瓦11の水受3上に滴下するようにしたことを特徴とする平板瓦。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−121180(P2009−121180A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298118(P2007−298118)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(591091663)株式会社石州川上窯業 (8)