説明

平板瓦

【課題】瓦を葺いたとき、瓦の瓦尻と、その上に被さる瓦頭の前垂れとの間より吹き込んだ雨水が水返しを乗り越えて侵入することによる雨洩れを防止することができる平板瓦を提供する。
【解決手段】水受けを除く瓦表面の瓦尻側に側縁のえり8から水返し6に至るまで横向きに連続した突条12を突出形成する。突条11は瓦11を葺いたとき棟側の瓦頭が被さらないように、かつ前垂れ7に近接して形成され、瓦尻側はテーパ状をなして雨水が突条11に溜らないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板瓦に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来のこの種平板瓦1の一例を示すものであり、図2は、この平板瓦1を葺いた屋根の要部の断面を示すもので、瓦1は、瓦頭を軒側に葺かれる瓦1の瓦尻に被せて瓦尻裏面の接合部2を野地板等の下地材3の上面に軒から棟に向かって定間隔で固定された瓦桟木4に引掛け、釘孔5を通して釘を瓦桟木4に打ち付けて固定されている。
【0003】
瓦1にはまた、瓦尻表面に瓦間より吹き込んだ雨水の侵入を防ぐための水返し6が突設され、瓦頭には、風雨の吹き込みを遮る前垂れ7が形成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
風雨の吹き込み具合によっては、図2の矢印に示すように、瓦1の瓦尻と、その上に被さる瓦頭の前垂れ7との間より吹き込んだ雨水が水返し6を乗り越えて侵入することによる雨洩れを生ずることがある。
【0005】
本発明は、上記のような現象による雨洩れを生じにくくした平板瓦を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明の平板瓦は、一側縁に水受けを形成した平板瓦において、瓦を葺いたとき棟側の瓦頭に被さらず、かつ該瓦頭の前垂れの直前に位置する箇所に水返しより高さの低い横向きの突条を水受けを除く瓦表面のえりから水受けに至るまでの全長に連続して突出形成したことを特徴とし、
請求項2に係る発明は、請求項1に係る平板瓦において、突条の瓦尻側はテーパ状に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明の平板瓦によると、軒側の瓦に沿い、その上に被さる瓦頭の前垂れとの間より吹き込もうとする雨水はどの侵入路においても前垂れの直前に位置する突条に当たって向きを変え、上方に散逸して上記吹き込みを防止し、該吹き込みよる雨洩れを防止することができる。
【0008】
請求項2に係る発明によると、瓦頭の前垂れを伝い落ちた雨水は突条のテーパ状部に案内されて流れ落ち、突条にとどめられることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の平板瓦について図面により説明する。図中、図1及び図2に示す構造と同一構造部分には同一符号を付して、その説明を省略した。
【0010】
図3は、本発明に係る平板瓦11について示すものであり、図4は、この平板瓦11を葺いた屋根の要部の断面を示すもので、水受けを除く瓦表面の瓦尻側に側縁のえり8から水返し6に至るまでの全長に横向きに連続した突条12が突出形成されている。この突条12は図4に示すように、瓦11を葺いたとき棟側の瓦頭が被さらないように、かつ前垂れ7の直前に位置して形成され、瓦尻側はテーパ状をなし、雨水が突条12に溜まることがなくスムースに流れ落ちることができるようにしてある。
【0011】
本実施形態の平板瓦11によると、図4の矢印で示すように瓦表面に沿って下側から吹き込もうとする雨水は、どの侵入路においても前垂れ7の直前に位置する突条11に当たって向きを変え、上方に散逸して瓦1と前垂れ7との間より吹き込まれるのが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来の平板瓦の斜視図。
【図2】図1に示す平板瓦を葺いた屋根の要部の断面図。
【図3】本発明に係る平板瓦の斜視図。
【図4】図3に示す平板瓦を葺いた屋根の要部の断面図。
【符号の説明】
【0013】
1、11・・平板瓦
2・・掛合部
3・・下地材
4・・瓦桟木
5・・釘孔
6・・水返し
7・・前垂れ
8・・えり
12・・突条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側縁に水受けを形成した平板瓦において、瓦を葺いたとき棟側の瓦頭に被さらず、かつ該瓦頭の前垂れの直前に位置する箇所に水返しより高さの低い横向きの突条を水受けを除く瓦表面のえりから水受けに至るまでの全長に連続して突出形成したことを特徴とする平板瓦。
【請求項2】
突条の瓦尻側はテーパ状に形成されることを特徴とする請求項1記載の平板瓦。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−127232(P2009−127232A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301258(P2007−301258)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(591091663)株式会社石州川上窯業 (8)