説明

平織物を製造するための工具

【課題】本発明は、材料の選択可能性を増加させる工具およびその製造プロセスを提供する。
【解決手段】本発明による工具1は、その基本工具本体2に摩耗を最小限にするコーティングを有し、摩耗を最小限にするコーティングは、耐摩耗要素15として作用する。このコーティングを収容するために、基本工具本体2には、適切な場所に窪みが設けられる。コーティングは、たとえばプラズマ溶射によって、窪みの底部に作られる。好ましくは、酸化物セラミック材料がコーティングに使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平織物を製造するプロセスの最中に摩耗が増加しやすいタフティング機または別の織物機械用の工具に関する。特に、本発明は、キャリア材料を通って打ち抜かれた1つまたはそれ以上のループを一時的に把持するループグリッパに関し、ループグリッパを連結したナイフが把持されたループを切断する。本発明にしたがった工具はまた、針、針の一部、任意の構成要素、および、ステッチおよびループを形成するかまたは処理するために実質的に使用されるすべての部品であってもよい。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特にタフティング機(tafting machine)では、多数のループグリッパが使用される。通常、これらのループグリッパは、保持セクションと、保持セクションから離れて指のように延出するループ把持セクションと、を備えたグリッパ本体を有する。多くの場合、グリッパ本体は、平らな側部および狭い側部を有する平らなシートメタル部品から構成される。ループグリッパはまた、グリッパによって拾い上げられたループを切断して開くように配置される切断ナイフと相互作用することが多い。
【0003】
そのようなループグリッパは、たとえば、特許文献1から公知である。この公報は、フック形状のループグリッパを開示している。ループを拾い上げるように設定されるフック形状の端部は、たとえば硬質合金または耐摩耗鋼等の耐摩耗材料の小さなプレートで覆われる。小さなプレートは、グリッパ本体にはんだづけされる。
【0004】
特許文献2にはまた、はんだづけされた硬質合金部品を備えたループグリッパが開示されている。
【0005】
特許文献1、2の発明に関連した不利点を克服するために、はんだづけなしで且つポジティブロッキング(positive−locking)式で硬質合金インサートをループグリッパ内に固定することがさらに提案されている。これに関して、特許文献3が参照され、これには、フランクの1つに平らな窪みを有する本体を備えたループグリッパが示されている。この窪みは、硬質合金部品を収容するためのポケットを形成する。この部品は、縁の対向する場所で可塑式に変形され、硬質合金部品の窪みに係合することによって、上記部品をポケットに固定する。
【0006】
特許文献3の発明の利点は、固い硬質合金インサートと比較的より弾性のあるグリッパ本体との間に微小な動きが可能であるということにある。グリッパ本体は可撓性のあるままであり、それによって、曲げ応力が大部分は硬質合金インサートから離れている。しかし、インサートが非常に脆い場合には、ポケットの縁が変形されているときにはインサートが損傷を受ける可能性があるため、特許文献3による解決法には限界があることがわかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許公開第2341567A号明細書
【特許文献2】独国特許第2823408C3号明細書
【特許文献3】欧州特許公開第1953289A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、工具およびその製造プロセスを提供することであり、それによって、材料の選択可能性を増加させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1にしたがった工具で、および、請求項13にしたがった製造プロセスで、達成される。
【0010】
本発明にしたがった工具は、スプレー蒸着(spray−deposited)コーティングが設けられた凹みまたは窪みを有することが好ましい領域を備える基本本体を有する。基本工具本体は第1の材料から構成される一方、スプレー蒸着コーティングは、異なった、好ましくはより固くより耐摩耗性の材料から構成される。たとえばポケットの形態の凹みを有する領域は、基本工具本体の平らな側部に設けられることが好ましい。この領域のポケットは、1ミリメートルの十分のいくつかの深さ、たとえば、わずか0.2ミリメートルの深さを有する平らな凹みであってもよい。ポケットは、平らな、たとえば平面の底部および周辺縁を有してもよい。この周辺縁は、数個の途切れを有することもある。好適であるように、ポケットは、不連続の縁を有してもよく、これは、たとえば、工具の下部のより狭い側部に向けて、開いており、すなわち、欠けている。言い換えると、ポケットは、工具の狭い側部と共に、開いていてもよい。さらに、ポケットが、基本工具本体の2つの平らに向かい合って突出する側部上で、工具の狭い側部のまわりに延出することは、好適ではないにしろ、少なくとも可能である。
【0011】
ポケットがゼロミリメートルの深さを有することも可能であり、その結果、領域とポケットとは同一の特徴を呈する。次いで、ポケットは、工具の平らな側部の一部になる。言い換えると、ポケットの底部は、工具の平らな側部と同一である。結果として、耐摩耗材料が、工具の平らな側部に結合する。通例、ポケットが配列される領域は、ステッチまたはループに接触する。このようにして、上記領域は、ステッチまたはループを拾い上げる領域またはこれらに接触する領域である。
【0012】
ポケットにスプレー蒸着されるコーティングは、最小の厚さを有するが、それによって、コーティングは、工具の本体の材料にしっかりと結合する。区域全体がスプレー蒸着されたコーティングは、工具の基本本体にしっかり接着する。好ましくは、コーティングは、なめらかで平面である表面構成を有し、または、基本工具本体の曲線的な区域に従いさえする。コーティングの層厚は、コーティングされた区域全体にわたって均一であることが好ましい。潜在的に、コーティングの厚さは、縁ゾーンでは縁に向けて変動してもよく、たとえば、減少するか増加してもよい。
【0013】
コーティングの厚さが薄く且つコーティングと工具の本体との間に適合である均質で確実な材料があるため、コーティングとして脆い硬質材料を使用することも可能である。さらに、平らな側部から平らな側部へ計って、非常に薄い厚さのみを呈する非常に薄い工具を製造することも可能になる。たとえば、金属酸化物または酸化物セラミック等の脆い硬質材料を使用するにもかかわらず、これらは、依然としてコーティングとして幾分可撓性があり、たとえば、特に微細な平織物を製造することを可能にする。
【0014】
ポケット内部のコーティングは、このようにして、耐摩耗効果の観点から、先行技術の技術で使用されてきた硬質合金要素に匹敵する耐摩耗要素を表す。耐摩耗要素は、たとえば、プラズマ溶射、フレーム溶射、アーク溶射等のスプレー蒸着プロセスによって付着される。上記要素は、補助物質の助けなしで、本質的に接着性である。はんだづけも接着剤も不要である。同様に、耐摩耗要素を固定するために、その後の機械的な機械加工操作、たとえば、ポケットの縁の可塑式変形は、不要である。
【0015】
コーティングによって作られた耐摩耗要素と基本工具本体との間には、接着による良好で均質な結合がある。コーティングを製造する間に、工具の本体にかかる熱応力は低い。
【0016】
コーティングによって形成された耐摩耗要素と基本工具本体との間の堅固な結合の結果として、一片の構成要素が作られる。もはや耐摩耗要素が落ちる懸念はない。耐摩耗層は、それだけでは個別の個体として使用することができない広い範囲の可能な材料から、選択されてもよい。たとえば、コーティングは、酸化物セラミック材料であってもよい。使用することができる材料は、Al23、Al23とTiO2との混合物、CrO2、TiO2、ZrO2、Y2O、HfO2とY23との混合物、Cr23、および、他の酸化物、および/または、炭化物である。たとえば、タングステン、クロム、チタンまたは他の金属または金属合金から構成されるもの等を金属コーティングすることもまた可能である。
【0017】
プラズマ溶射、アーク溶射またはフレーム溶射によって得られたコーティング表面は、その後、研削されるか、磨かれるか、ラップ仕上げされるか、または、他のように機械加工されることができる。特に、たとえば刃物用の刃先または摺動面等の機能構造物をコーティングに設けることが可能である。
【0018】
コーティングは、ポケットの縁の下にあるままであってもよい。多くの場合、コーティングの表面をポケットを取り巻く同一平面上で表面に結合することは、実際的であるとみなされる。グリッパ本体の側面または平らな表面から耐摩耗要素の表面までは、無段式である。そのような無段式の移行(transition)はまた、基本工具本体の下部の狭い側部に作ることも可能である。
【0019】
さらに、コーティングをわずかに高く作ることが可能である。その際に、平らな側部からコーティング材料への移行は、曲線的な高さを有するように選択されてもよい。たとえば、工具の基本本体の平らな側部とコーティングとの間に明確な高さのステップまたは連続した移行を形成するために、コーティング材料の突出部を完全にまたは部分的に排除することもまた可能である。
【0020】
好ましくは、コーティングは微小孔性である。その際、コーティングは、緊急の潤滑をもたらし且つ刃物の研磨効果によるコーティングの表面の劣化を防止するか最小限にする微量の潤滑剤を収容してもよい。
【0021】
本発明の有利な実施形態のさらなる詳細は、図面、明細書、または、特許請求の範囲の主題である。明細書は、本発明の本質的な態様および様々な状況に限定される。図面は、追加の詳細を開示し、補助であると見なされるものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】タフティング機用のループグリッパの形態である工具の斜視図である。
【図2】図1のループグリッパの側面図である。
【図3】図2のループグリッパの、線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】図2のループグリッパの、図1の線IV−IVに沿った詳細断面図である。
【図5】変形された図2のループグリッパの実施形態の、図1の線V−Vに沿った断面図である。
【図6】さらに変形された図2のループグリッパの実施形態の、図1の線V−Vに沿った断面図である。
【図7】ナイフの実施形態である工具の簡略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明にしたがった工具を、図1に例示されたようなループグリッパの使用とともに説明するが、そのようなループグリッパは、たとえば、タフティング機に使用されてもよい。タフティング機では、キャリア材料を通って打ち抜かれた糸ループを拾い上げ一時的に保持するために、ループグリッパが使用される。
【0024】
ループグリッパ1は、基本工具本体、すなわち、グリッパ本体2を備え、その前部セクションはループを拾い上げるためのセクション3を形成し、後部セクションは、保持または締結セクション4を形成する。グリッパ本体2は、たとえば、わずかに可撓性のある鋼から構成される。グリッパ本体2は、たとえば、図1では、見る人に面する本質的に平らな側面5を有し、さらに、対向する側部では、見る人から隠れている側面6を有する。後者もまた、平らであってもよく、または、たとえば、締結セクション4とループピックアップセクション3との間に、ステップが設けられてもよい。締結セクション4およびループピックアップセクション3は、異なる厚さを有してもよく、それによって、「厚さ」という用語は、側面5、6の間のそれぞれの距離を意味すると理解される。ループピックアップセクション3は、指のような形である。たとえば、図3に示されるように、側面5、6は、その前部の、下向き折り端7まで延出する。頂部では、ループピックアップセクション3は、狭い側部8を有する。側面6には、下部の狭い側部10への移行を形成する傾斜9が設けられてもよい。この狭い側部10は、図1の点線で示されている糸ループ11の頭部を拾い上げる。好ましくはまっすぐな狭い側部10は、好ましくは平行に延出する狭い側部8よりも狭い。ループピックアップセクション3は、ループ11に対応する数個のループを拾い上げることができる。
【0025】
底部から見ると、狭い側部10は、ループピックアップスペース12の境界を定められている。また、ループピックアップスペース12の一方の側部はフック状の端7によって境界を定められており、上向き方向は狭い側部10によって、端7に対向する側部はステップ13によって境界を定められている。ループピックアップスペース12によって拾い上げられたループ11は、カットパイルがタフティングプロセスの枠組み内で製造されるものである場合には、たとえば適切なナイフによって、切断して開くことができる。図1において、そのようなナイフは、点線で表されたその輪郭14によって示されている。ナイフの前側部で刃先を有し、刃先は、ループ11を切断して開くために、ループグリッパ1と相互作用することによって、使用することができる。
【0026】
ループグリッパ1には、側面5の領域を保護するかまたは表す耐摩耗要素15が設けられ、任意に、特別な応力を受ける狭い側部10もまた設けられる。たとえば、耐摩耗要素15は、グリッパ本体2の対応するポケット16の対応する領域22に設けられる薄いセラミック層である。このポケット16は、図2および3で図示されている。このポケットは、側面5の一部上の浅い窪みとして延出し、たとえばステップによって形成される縁17によって囲まれる。縁17は、前端7から開始して、下部の狭い側部10の上を、それに対して平行に延出してもよく、ステップ13でグリッパ本体の狭い側部に再度合流する。ポケット16の底部18は、平らであることが好ましい。底部18は、図3から且つ図4からも明らかであるように、平らな側部5に平行に整列配置されてもよい。ポケット16の深さ、または、縁17によって形成されるステップの高さは、最小であってもよく、たとえば、1ミリメートルの十分のいくつか、たとえば、0.2ミリメートルに限定されてもよい。
【0027】
耐摩耗要素15は、スプレーされたコーティングによって形成され、それは、好ましくはポケット16を完全に満たし、すなわち、底部18に途切れのないカバーを形成する。さらに、コーティングは、平らな側部5と同一平面上にある表面19を有し、表面もまた、平らであることが好ましい。
【0028】
このようにして、コーティングは、側面5上で自由に露出される。さらに、狭い側部10に直接隣接するコーティングの狭い側部は、自由に露出される。刃先20は、図4に示されているように形成されてもよい。この刃先は、たとえば、コーティングした後に、狭い側部10を研削することによって、得られてもよい。
【0029】
ループグリッパ1は、下記のように製造される。
【0030】
まず、グリッパ本体2は、図2に示されたポケット16が設けられているかまたは設けられたため、利用可能になる。次いで、溶射プロセスを使用して、適切な耐摩耗要素15を製造する。すなわち、ポケット16がコーティングによって大部分が満たされるようにポケット16を適切にコーティングする。その際、底部18は、コーティングによって完全に覆われることが好ましい。コーティングの厚さは、縁17に到達するかまたはこれを越えるように、選択されることが好ましい。使用することができるコーティング材料は、溶融蒸着セラミック粉末、酸化アルミニウム粉末、または、プラズマジェットで溶融蒸着される他の硬質酸化物または硬質セラミックの粉末状材料である。材料は、プラズマジェットによって底部18へ且つそこにある層上で回転され、低温のグリッパ本体2に当たるときに衝撃冷却される。底部18にしっかり接着する硬質な層が作られる。平らな側部5すなわち表面19は、後に、たとえば、研削、磨き、ラップ仕上げ等によって、機械加工されてもよい。さらに、狭い側部10は、任意に、後で、たとえば、研削、磨き、ラップ仕上げ等によって、機械加工されてもよい。必要に応じて、刃先20を、このようにして製造することも可能である。さらに、刃先20には、図4に示されるように、明確で非常に小さな曲率半径が設けられてもよい。曲率半径は、好ましくは、非常に小さく、そのため、刃先20は、「厳しく」研削されていると見ることができる。
【0031】
図5および6は、ポケット16、縁17および耐摩耗要素15a、15bの異なる実施形態の変形例を示す。明らかであるように、縁17は、必ずしも険しいステップとして構成される必要はない。図5に示されるように、縁はまた、徐々に平らになってもよい。これもまた図5に示されるように、表面19はまた、側面5より幾分下にあってもよく、その縁は、丸みを帯びた区域のため、依然として同一平面上で側面5に隣接している。
【0032】
あるいは、図6にしたがって、耐摩耗要素15bの層の厚さをポケット16の深さよりも大きく選択することが可能である。徐々に平らになる縁17を備えた実施形態でも、険しいステップ形状の縁17を備えた実施形態でも、同様である。その場合、側面5から表面19への移行は、図6に示されるように、S字型の丸みを帯びた領域21に発生してもよい。
【0033】
図7は、たとえば、ベロア状(velour−like)の表面を有するカーペット織物の製造に使用される工具の別の例示的な実施形態を示す。この場合、工具は、作られたループを切断して開き、したがってナイフのように作用する。図7に示された部品1が上述の部品1に対応する限り、同一の参照符号が適用され、対応する先の説明が参照される。ナイフは、基本工具本体2を有し、その前部セクションはループを処理するためのセクション3を形成し、その後部セクションは保持または締結セクション4を形成する。セクション3は、矩形形状を有し、本質的に締結セクション4の拡張部を表す。セクション3は、平らな側面5および6によって、且つ、狭い側部8および10によって、さらに、その端7によって、境界を定められている。刃先20は、端7に設けられてもよい。狭い側部10および端7は、狭い側部23によって結合する。その際、狭い側部23は、狭い側部10および端7に対して傾斜している。工具1の切断機能を最適化するように配置される窪みが形成されるが、それは、工具がタフティング機のループグリッパ1に対して傾斜して配列されるからである。
【0034】
工具1には、狭い側部10の側面5の領域、および、特に、特別な応力を受ける端7を保護するかまたは表す耐摩耗要素15が設けられる。耐摩耗要素15は、基本本体2の対応するポケット16の適切な領域22に付着される。このポケット16は、側面5上の平らな窪みとして延出し、たとえば、ステップによって形成される縁17によって境界を定められている。縁17は、狭い側部10および8に接続し、そのため、ポケット16は工具1の全幅を取る。狭い側部10と狭い側部8との間の距離は、工具1の幅として見られる。ポケット16は、3つの側部に向かって開いているポケットであり、長手方向で縁17によって境界を定められている。結果として、耐摩耗要素15がポケット16を越えて延出することが可能であり、少なくともいくつかの部分では、狭い側部8および10、さらに、端7、および、刃先20を覆う。ポケット16の深さまたは縁17によって形成されたステップの高さは、最小であってもよく、たとえば、1ミリメートルの十分のいくつか、たとえば、0.2ミリメートルに限定されてもよい。上述の説明は、耐摩耗要素15に当てはまる。これは、平らな側部5、狭い側部8、10、23、さらに、端7を部分的にまたは完全に覆ってもよい。
【0035】
本開示の枠組み内でさらなる変形が可能であり、ステッチおよびループを製造し処理するためのもっとも多様性のある工具を備えてもよい。
【0036】
本発明にしたがって工具1が提案されており、上記工具は、その基本工具本体2に摩耗を最小限にするコーティングを有し、上記摩耗を最小限にするコーティングは、耐摩耗要素15として作用する。このコーティングを収容するために、基本工具本体2には、適切な場所に窪みが設けられ、それによって、コーティングは、たとえばプラズマ溶射によって、上記窪みの底部に作られる。好ましくは、酸化物セラミック材料がコーティングに使用される。
【符号の説明】
【0037】
1 工具、ループグリッパ
2 基本工具本体、グリッパ本体
3 セクション
4 締結セクション
5、6 側面
7 端
8 狭い側部
9 傾斜
10 狭い側部
11 ループ
12 ループピックアップスペース
13 ステップ
14 輪郭
15 耐摩耗要素
16 ポケット
17 縁
18 底部
19 表面
20 刃先
21 領域
22 領域
23 狭い側部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物機械用の工具(1)であって、
前記織物機械用の工具(1)が締結セクション(4)およびセクション(3)を有する基本工具本体(2)を備え、前記セクション(3)には領域(22)が設けられ、
前記領域(22)は、スプレー蒸着コーティングの形態の耐摩耗要素(15)を備える、
工具。
【請求項2】
前記領域(22)は、ポケット(16)として構成される請求項1記載の工具。
【請求項3】
前記ポケット(16)は、前記基本工具本体(2)の側面(5)に設けられ、前記側面(5)に窪んだ領域を画定する請求項2記載の工具。
【請求項4】
前記ポケット(16)は、前記側面(5)の狭い側部(8、10、23)を通って延出する請求項2記載の工具。
【請求項5】
前記ポケット(16)は、前記耐摩耗要素(15)によって満たされる請求項2記載の工具。
【請求項6】
前記耐摩耗要素(15)は、前記ポケット(16)を囲む前記側面(5)と同一平面上にある請求項2記載の工具。
【請求項7】
前記耐摩耗要素(15)は、前記ポケット(16)を囲む前記側面(5)より上に上げられる請求項2記載の工具。
【請求項8】
刃先(20)が前記耐摩耗要素(15)に設けられる請求項1記載の工具。
【請求項9】
前記耐摩耗要素(15)は、少なくともセクションで研削される請求項1記載の工具。
【請求項10】
前記耐摩耗要素(15)は、セラミックコーティングである請求項1記載の工具。
【請求項11】
前記耐摩耗要素(15)は、金属コーティングである請求項1記載の工具。
【請求項12】
前記耐摩耗要素(15)は、プラズマ溶射プロセスによって付着される請求項1記載の工具。
【請求項13】
第1の材料製の基本工具本体(2)を提供するステップと、
前記基本工具本体(2)の側面(5)に領域(22)を形成するステップと、
第2の材料製の耐摩耗要素(15)を前記領域(22)に付着するステップと、
を備える工具の製造方法。
【請求項14】
前記第1の材料は金属であり、前記第2の材料は、前記金属の耐摩耗性よりも大きい耐摩耗性を呈するセラミック硬質材料である請求項13記載の製造方法。
【請求項15】
前記第2の材料は、プラズマ溶射プロセス、またはアーク溶射プロセスによって付着される請求項13記載の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−106425(P2010−106425A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−245514(P2009−245514)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【出願人】(304012943)グローツ−ベッカート コマンディトゲゼルシャフト (46)