説明

平面ランプと折り畳み可能部分を備えるフレームとを備える照明システム

本発明は、フレーム(2)と、このフレームの中に配置された平面ランプ(5)とを備える照明システムに関する。このフレーム(2)は折り畳み可能部分(7)を備える折り畳みフレームとして形成されている。これにより平面ランプ(5)は、簡単に取り付けおよび取り外しができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、フレームと、このフレームの中に配置された平面ランプとを備える照明システムに関する。
【0002】
この種の照明システムは、多様な照明機能のために使用され、とりわけ一般照明用の照明器具のため、ならびにバックライトユニット(BLU)とも呼ばれる液晶ディスプレイ(LCD)のバックライトのために使用される。バックライト機能については、とりわけ最近ますます注目を集めている大型のLCDテレビを挙げることができる。
【0003】
「平面ランプ」という名称は、平らな幾何学的形状を備えるランプ、ここではとりわけ蛍光灯を意味しており、これらは白色光または有色光、ならびに特殊な用途のためのUV光をも放出する。
【0004】
水銀および/または希ガス封入物を備える従来の平面ランプの他に、本発明はとりわけ、誘電体バリア放電ランプ型の平面ランプを目標としている。このランプの型では、1つの極性の電極、または全ての電極すなわち2つの極性の電極が、誘電層によって放電から隔離されている(片面ないし両面での誘電体バリア放電)。この種の電極を、以下短縮して「誘電体電極」として表す。但し断っておくが、典型的には細長い形状ないし線状である電極が、放電容器の壁の外側あるいは壁の内側に配置されている場合には、誘電層はこの目的のために特別に電極に設けられた層である必要はなく、例えば放電容器の壁によって形成されていてもよいということはもちろんである。
【0005】
誘電体バリア放電ランプ型の平面ランプは、US 5 604 410に記載されているパルス化された動作方法によって動作する場合に、特に効率のよい平面形光源であると判明しており、それゆえ照明装置ないしバックライトユニットにおける使用のために特によく適している。
【0006】
従来技術
刊行物EP 1 600 808 A1は、平面ランプを備える照明システムを開示している。ここでは平面ランプは、後壁と周りを取り囲む側壁とを備えるハウジング内に配置されている。側壁に載置されており、同様に周りを取り囲んでいるフレームは、平面ランプを、ハウジング内にて破損を防止するようにして固定している。
【0007】
発明の詳細な説明
本発明の課題は、平面ランプを簡単に交換でき、それでもなおこの平面ランプが確実に機械的に保護されている、平面ランプを備える照明システムを提供することである。
【0008】
この課題は、光放射のために設けられた表面と、この表面とは反対側にある裏面とを有する平面ランプと、平面ランプの縁部を取り囲むフレームとを備える照明システムであって、該フレームは折り畳み可能部分を有しており、該折り畳み可能部分は、開かれた状態においては平面ランプの取り付けを可能にするのに適しており、閉じられた状態においては平面ランプを固定する、ことを特徴とする照明システムによって解決される。
【0009】
特に有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0010】
本発明によるフレームは折り畳み可能部分を有しており、この折り畳み可能部分は、閉じられた状態において、有利には平面ランプの表面を縁取りしている。有利にはこのフレームの折り畳み可能部分は、独立して折り畳むことのできる部分に、例えば4つに分かれており、ここで各部分は平面ランプの縁部にそれぞれ割り当てられている。すべての部分を開いた後で、平面ランプを問題なく取り付けまたは取り外しすることができる。有利には、例えば係止突起を備えるヒンジのような係止手段が設けられており、この係止手段によって、折り畳み可能部分は、閉じられた状態において誤って開いてしまわないことが保証される。さらに有利には、平面ランプに窪みが設けられており、この窪みに折り畳み可能部分が噛み合うことができる。このようにして閉じられた状態において、フレームの中で平面ランプが誤ってずれてしまうことが防止される。
【0011】
平面ランプをさらに支持および固定するために、この折り畳みフレームに、平面ランプの裏側と隣接する後壁を付加的に設けることは、とりわけこの平面ランプが非常に広く平らで比較的薄い場合、形が崩れやすいために破損の危険は必然的に特に大きくなるので、有利であろう。ここではこの後壁を、フレームの中にはめ込むか、またはこのフレームとともに1つの部材からなるユニットに一体化することができる。重量を軽くするために、頑強性を損なうことなしに後壁に切欠部を設けることはいずれにせよ有利である。場合によっては、この後壁を十字架型支持部として形成することで十分である。
【0012】
このようにして本発明による折り畳みフレームは、機械的に単純で、必要な部材の数が減るという利点と、平面ランプの機械的な保護、およびこの平面ランプの簡単な取り付け、ないし交換とを両立させる。さらに、例えばUL1598およびEN605981の規定に従ったランプの場合には、要求される空間距離および沿面距離を遵守することによって電気的な保護が付け加わる。それゆえこの折り畳みフレームは有利には、可能限りほとんどガス消毒されておらず、可能な限りキロボルトの大きい、とりわけ5kvより大きい電気的な絶縁破壊強度を有し、ならびに約130度までの耐熱性を有する物質からできている。とりわけ以下の複合プラスティックが適すると判明している:
ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)
ポリメタクリル酸メタル(PMMA)/ポリスチロール(PS)
セルロースアセテート(CA)/アクリルニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)
ポリカーボネート(PC)/ABS
【0013】
図面の簡単な説明
以下実施例に基づき、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による照明システムの実施例の平面図である。
図2は、フレームが開かれた状態の図1の照明システムの断面図である。
図3は、フレームが閉じられた状態の図1の照明システムの断面図である。
【0014】
発明の有利な実施形態
図では、同じまたは機能的に同じ部材には同じ参照符号が設けられている。
【0015】
図1には、本発明の照明システムの実施例が、下から見た平面図、すなわち主な光放射とは反対側の平面図によって、概略的に示されている。PE/PPからなる折り畳みフレーム2の周囲を取り囲んでいる裏面1と、この裏面に設けられた十字型支持部3、ならびに平面ランプの基板プレート4とが設けられており、この基板プレートは、折り畳みフレーム2の裏面1と十字型支持部3のアームとの間にある4つの切欠部を通して見ることができる。十字型支持部3は、平面ランプを支持するために使用され、平面ランプの基板プレート4は、この十字型支持部3の上に載置されている。基本的には、支持するためにフレーム2にはめ込まれる底部プレートも使用することができる。もっとも、十字型支持部3は有利にも、切欠部のない底部プレートより軽い重量で同じ目的を果たす。
【0016】
以下、図2aおよび2bに基づき説明する。この図2aおよび2bは、それぞれ照明システムの線AAに沿った断面図を、開かれた状態と閉じられた状態で示す。開かれた状態では、平面ランプ5を折り畳みフレーム2に問題なくはめ込むことができる。平面ランプは、ここでは簡素化のために、既に説明した基板プレート4と、この基板プレートと接続しており平らな容器になっているフロントプレート6とによってシンボル化されており、すなわち電極やさほど重要でないその他の部分は図示されていない。さらに折り畳みフレーム2は、折り畳み可能部分7を有し、この折り畳み可能部分は、通常の折り畳みヒンジ(ここでは詳細に図示しない)によって、折り畳みフレーム2の狭幅側8と結合されている。この狭幅側8は裏面1とともに、断面が直角のユニットを形成している。平面ランプ5をはめ込んだ後、折り畳み可能部分7が閉じられ、この平面ランプ5は折り畳みフレーム2に固定される。この目的のために折り畳み可能部分7は、自由縁部9が、閉じられた状態のときに、平面ランプ5のフロントプレート6に形成された周りを取り囲む溝10に噛み合うように形成されている。このようにして、平面ランプ5は、折り畳みフレーム2の内部でずれないことが保証される。したがってこの全体の照明システムは、平面ランプ5の位置が誤って変化することなしに、例えば照明器具またはバックライトユニットに取り付けることができる。さらに平面ランプ5は、折り畳みフレーム2によって、破損の危険から十分に保護され、とりわけ平面ランプ5の縁部が衝突から保護される。しかし、平面ランプ5を折り畳みフレーム2の中に取り付けることだけが、先に記載したように非常に簡単なのではない。その後においても、必要に応じて、または機能障害の際に、平面ランプを非常に容易に交換することができるのである。このために、折り畳みフレームの折り畳み可能部分7だけを開いて、平面ランプ5を別の平面ランプと交換することがきる。後は、有利には平面ランプに差し込みできるように形成された電力供給の電気的端子だけを考慮すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明による照明システムの実施例の平面図である。
【図2】図2は、フレームが開かれた状態の図1の照明システムの断面図である。
【図3】図3は、フレームが閉じられた状態の図1の照明システムの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光放射のために設けられた表面と、この表面とは反対側にある裏面とを有する平面ランプ(5)と、該平面ランプの縁部を取り囲むフレーム(2)とを備える照明システムであって、
前記フレーム(2)は折り畳み可能部分(7)を有しており、
該折り畳み可能部分は、開かれた状態においては前記平面ランプ(5)の取り付けを可能にするのに適しており、閉じられた状態においては前記平面ランプ(5)を固定する、
ことを特徴とする照明システム
【請求項2】
請求項1記載の照明システムにおいて、
前記フレーム(2)の前記折り畳み可能部分(7)は、閉じられた状態において、前記平面ランプ(5)の表面を縁取りしている、ことを特徴とする照明システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の照明システムにおいて、
該照明システムは係止手段を備えており、
該係止手段によって、前記折り畳み可能部分が、閉じられた状態において意図せず開放されないことが保証される、ことを特徴とする照明システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項記載の照明システムにおいて、
前記平面ランプ(5)は窪み(10)を有しており、該窪みに前記折り畳み可能部分(7)が噛み合い、これにより閉じられた状態において、前記フレーム(2)の内部で前記平面ランプ(5)が意図せずにずれることが防止される、ことを特徴とする照明システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項記載の照明システムにおいて、
前記フレーム(2)の折り畳み可能部分(7)は、独立して折り畳むことのできる4つの部分からできており、それぞれの該部分は前記平面ランプ(5)の縁部にそれぞれ割り当てられている、ことを特徴とする照明システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項記載の照明システムにおいて、
前記フレームは、平面ランプの裏側と隣接する後壁を付加的に有する、ことを特徴とする照明システム。
【請求項7】
請求項5記載の照明システムにおいて、
切欠部を備える後壁が設けられている、ことを特徴とする照明システム。
【請求項8】
請求項5記載の照明システムにおいて、
前記後壁は十字架型支持部(3)として形成されている、ことを特徴とする照明システム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項記載の照明システムにおいて、
前記フレーム(2)はプラスティックからできている、ことを特徴とする照明システム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項記載の照明システムにおいて、
前記平面ランプは、誘電体バリア放電を用いた作動用に考案されている、ことを特徴とする照明システム。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【公表番号】特表2009−529212(P2009−529212A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557735(P2008−557735)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052028
【国際公開番号】WO2007/101829
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(504458493)オスラム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (168)
【氏名又は名称原語表記】Osram Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Hellabrunner Strasse 1, D−81543 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】