説明

幼児用バスタブチェア

【課題】
浴槽内で使える幼児用バスチェアは浴槽の縁幅に応じた固着力に弱く、手を自由に動かすことが出来ないことや座り心地が悪さから幼児の機嫌が悪くなる問題があった。
【解決手段】
浴槽12に取り付けて該浴槽12内に座面9を設けてなる幼児用バスタブチェア1であって、左右一対からなり、略垂直に設けられた2本の調節吊り具4の上端部に略水平に折曲して引っ掛けフック2が連設してとりつけられ、前記調節吊り具4下部に略水平に座面9が配置され、前記座面9と2本の調節吊り具4とが固定ベルト5で連結してなる幼児用バスタブチェアによって解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大人が幼児を入浴させる際に、幼児を安全に浴槽に浸からせておくことにより、幼児も大人も安心して入浴することを可能にする用具に関する。
【背景技術】
【0002】
大人が幼児を入浴させる場合、子供の安全を守ることは、重要な課題である。大人が洗い場で体を洗っている場合、幼児の扱いは大変難しい。この問題を解決するために、幼児を座らせておくバスチェアのような物はあった。(例えば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−52563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
市販されているバスチェアは、浴槽内で用いることが出来ないため、バスチェアを洗い場に置くか、浴室の外に置くしかなく、幼児が湯冷めしたり、事故が起こる可能性が高い等の問題があった。それを改善するための幼児用バスチェアはあったが(例えば特殊文献1参照)、浴槽の縁幅に応じた固着力に弱く、手を自由に動かすことが出来ないため、幼児の機嫌が悪くなることが多くあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、幼児が座る椅子を浴槽内に安定的に設置するものであり、当該幼児が座る椅子は引っ掛けフックによって浴槽の縁に引っ掛けることが可能な構造となっている。当該引っ掛けフックは、浴槽の縁の幅に合わせてスライドすることが可能になっており、更に、ネジで固定出来るようになっている。
【0006】
更に、当該引っ掛けフックは、調節吊具によって幼児が座る椅子に取り付けられているため、当該調節吊具の位置を調整することにより、幼児の湯の表面からの位置を最適に保つことが出来る。
【0007】
更に、当該幼児が座る椅子には、幼児の位置を固定し、湯に落ちることを防止するための、着脱部を有する長短調整可能なベルトが取り付けられていて、幼児の安全性を確保している。そのため、幼児が湯冷めすることを防止し、さらにお湯の中に幼児が浸かっていることにより、幼児が快適であることを可能ならしめるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のバスチェアは、浴槽内で用いることが出来るため、幼児を洗い場に置いておいたり、浴室の外に置く必要もない。このため、大人は、幼児にお湯がかかる心配がなく洗い場を使える。更に、幼児に目が届くので、幼児が湯冷めしたり、事故が起こる可能性を低くすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のバスタブチェアの外観構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の調節吊り具を伸長させた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の引っ掛けフックと調節吊り具の拡大図である。
【図4】本発明の引っ掛けフックと調節吊り具を横から見た拡大図である。
【図5】本発明のスライド具と固定ネジの拡大図である。
【図6】本発明のスライド具と固定ネジを横から見た拡大図である。
【図7】本発明の調節バックルを横から見た拡大図である。
【図8】本発明の調節バックルを裏から見た拡大図である。
【図9】本発明の着脱具オスを外した拡大図である。
【図10】本発明の着脱具オスをメスに差し込んだ拡大図である。
【図11】本発明の使用した時の横から見た図である。
【図12】本発明の使用した時の正面から見た図である。
【図13】本発明の使用した時の背後から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の幼児用バスタブチェア1につき、詳細を図面に従って詳しく述べる。図1は本発明の幼児用バスタブチェアの外観構造を示す斜視図である。横幅Wは例えば30〜35cmが適当で、幅固定具3でつながれている。高さHは例えば30cm〜40cm、座面の奥行Dは例えば15cm〜25cmが適当であるが、これらの寸法に限るものではない。
【0011】
本発明の幼児用バスタブチェア1は、浴槽12に取り付けて浴槽12内に座面9が設けられて構成されてなる幼児用バスタブチェアである。その構成を詳細に説明すると、左右一対からなり、略垂直に設けられた2本の調節吊り具4の上端部に略水平に折曲して引っ掛けフック2が連設して取り付けられている。前記、調節吊り具4の下部に略水平に座面9が配置され、前記座面9と2本の調節吊り具4とが固定ベルト5で連結してなる構成とされている。
【0012】
引っ掛けフック2は、座面9を有する調節吊り具4を浴槽縁13に吊り下げ固定するものである。引っ掛けフック2は耐荷重性に優れ、浴槽12を傷つけにくい材質のものが適当である。例えばステンレスやアルミ等の非鉄金属類が適当あるが、これらに限るものではない。
【0013】
引っ掛けフック2の外管2aおよび内管2bは、略L字型形状を有し、外管2aの上部略水平部に吸盤型ゴム付き固定ネジ11が設けられ、内管2bの略垂直部に吸盤型ゴム付き固定ネジ10が設けられている。前記吸盤型ゴム付き固定ネジ10の浴槽壁14側に吸盤型ゴム10bが設けられている。前記吸盤型ゴム付き固定ネジ11の浴槽縁13側に吸盤型ゴム11aが設けられている。
【0014】
引っ掛けフック2の内管2bの上部の略水平部が外管2a上部の略水平部に挿入しスライド可能とされており、内管2bをスライドさせ、前記、吸盤型ゴム10bを浴槽壁14の表面に密接させる。また、前記、吸盤型ゴム11aを浴槽縁13の表面に密接させる。浴槽12の浴槽縁13の幅に合致した引っ掛けフック調節穴2cに吸盤型ゴム付き固定ネジ11を締めることによって、外管2a及び内管2bを固定させることが出来る。前記のように、引っ掛けフック2の内管2bの上部の略水平部が外管2a上部の略水平部に挿入しスライド可能とされていることにより、引っ掛けフックの奥行きが伸縮可能となる構成とされている。例えば最短約8cm〜最長約12cm程度に伸縮可能だが、これに限るものではない。
【0015】
外管2aと内管2bには複数の引っ掛けフック調節穴2cが設けられている。その穴は例えば長径約10〜20mm程度、短径約5〜15mm程度の楕円形が好適であるが、これに限るものではない。
【0016】
吸盤型ゴム付き固定ネジ11は安全キャップ11bと吸盤型ゴム11aを有し、吸盤型ゴム11aは摩擦係数の大きい材質のもの、その他のゴム質材料等または、それに類するものが好適である。しかし、これらに限るものではない。
【0017】
安全キャップ11bは吸盤型ゴム付き固定ネジ11の突出部にかぶせて、ケガを防止することが出来る。安全キャップ11bは、吸盤型ゴム付き固定ネジ11の突出部に適合するプラスチックまたはゴム製のキャップが好適であるが、これらに限るものではない。尚、安全キャップ11bは、紛失しないよう、ひもやチェーンなどで、引っ掛けフック2とつながっていても良いが、これに限るものではない。
【0018】
吸盤型ゴム付き固定ネジ10はノブ10aと吸盤型ゴム10bを有し、ノブ10aを締めることによって、浴槽12の浴槽壁14の表面に圧接し、引っ掛けフック2の固定力を強固にすることが出来る。吸盤型ゴム付き固定ネジ10に付属している吸盤型ゴム10bは、摩擦係数の大きい材質のもの、その他のゴム質材料等または、それに類するものが好適である。しかし、これらに限るものではない。
【0019】
調節吊り具4は、その長さを調節することにより、幼児の胸部と湯表面の位置
を最適に保つことが出来る。調節吊り具4は内板4aと外板4bとから成る。調節吊り具4は耐荷重性に優れ、浴槽12を傷つけにくい、例えばステンレスやアルミ等の非鉄金属類が好適であるが、これらに限るものではない。 調節吊り具4が最短時は例えば20cm、最長時は例えば40cmが適当であるが、これらの寸法に限るものではない。
【0020】
内板4aは複数の吊り具調節穴4cを有する。該吊り具調整穴4cは例えば長径約10〜20mm程度、短径約5〜15mm程度の楕円形が好適であるが、これに限るものではない。
【0021】
外板4bは原則、複数の吊具調節穴4cとカギフック4dを有する。該カギフック4dの先端部は正面視内板4aの裏面と浴槽12の浴槽壁14の間に位置する。従って幼児の背中に触れることはない。これにより幼児の背中を傷付けることを防止する。吊具調節穴4cは例えば長径約10〜20mm程度、短径約5〜15mm程度の楕円形が好適であるが、これに限るものではない。ただし外板4bについては、吊具調節穴4cの有無については、どちらでも良い。正面視外板4bの裏面側にはカギフック4dが必ず必要である。
【0022】
固定ベルト5は、幼児が湯に落下することを防止し安全を確保するものであ
る。更に手足を自由に動かせることで、幼児が快適であることを可能ならしめる
ものである。 固定ベルト5は、耐水性や速乾性に優れたナイロンメッシュ、ポリエステル、ポリウレタン、シリコーンゴム、カルライトが好適であるが、これらに限るものではない。 固定ベルト5は、調節バックル6によって長さを調節出来、固定ベルト5に付属する着脱具オス7を着脱具メス8に差し込むことにより、しっかりと固定出来る。更に、チャイルドレジスタンス機能として幼児の力では着脱具メス8のロック部を押すことが困難であるため、容易に抜くことができない特徴を兼ね備えている。従って幼児の安全性確保にとって好適である。着脱具オス7と着脱具メス8は差し込むだけで設置可能ならしめる構成となっているため、設置に多くの時間を要さず、すばやく幼児を座面9に固定することが出来る。
【0023】
調節バックル6は固定ベルト5の長さを調節するためのもので、プラスチック製が適当であるが、これに限るものではない。着脱具オス7と着脱具メス8は、プラスチック製が好適であるが、これに限るものではない。
【0024】
座面9は、丸みを持ち、体が痛くならない柔らかい例えばビニール製クッションが好適であるが、これに限るものではない。更に、座面9には多くの小さな穴があいていることにより、お湯の浮力を強く受けないような構成にすると、座面9が浮きすぎて幼児の転倒の危険が防止できるので好適である。座面9の奥行きDは、例えば20cm〜25cmが好適であるが、これに限るものではない。なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、例えば以下のものも含まれる。例えば、前記実施例は幼児用のものを示したが、大人用、介護用のものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
上述の発明は、幼児を安心して浴槽に浸からせておけるバスチェアとして利用可能である。
【符号の説明】
【0026】
1本発明のバスタブチェア
2引っ掛けフック
2a外管
2b内管
2c引っ掛けフック調節穴
3幅固定具
4調節吊具
4a内板
4b外板
4c吊り具調節穴
4dカギフック
5固定ベルト
6調節バックル
7着脱具オス
8着脱具メス
9座面
10吸盤型ゴム付き固定ネジ
10aノブ
10b吸盤型ゴム
11吸盤型ゴム付き固定ネジ
11a吸盤型ゴム
11b安全キャップ
12浴槽
13浴槽縁
14浴槽壁
Wバスタブチェアの横幅
Hバスタブチェアの高さ
Dバスタブチェアの座面の奥行き


【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽12に取り付けて該浴槽12内に座面9を設けてなる幼児用バスタブチェア1であって、左右一対からなり略垂直に設けられた2本の調節吊り具4の上端部に略水平に折曲して引っ掛けフック2が連設してとりつけられ、前記調節吊り具4下部に略水平に座面9が配置され、前記座面9と2本の調節吊り具4とが固定ベルト5で連結してなることを特徴とする幼児用バスタブチェア。
【請求項2】
前記引っかけフック2が外管2aと該外管2aに内接して設けられた内管2bとからなり、それらをスライド調節して長さが調節可能となることを特徴とする請求項1に記載の幼児用バスタブチェア。
【請求項3】
前記引っ掛けフック2の外管2a及び内管2bは略L字型形状を有し、外管2aの上部水平部と、内管2bの下部垂直部に吸盤型ゴム付き固定ネジ10、11が設けられ、浴槽12の浴槽縁13の幅に合わせてスライドさせた外管2a及び内管2bを浴槽12の浴槽縁13及び浴槽壁14の表面に圧接し、前記吸盤型ゴム付き固定ネジ10、11を締めることによって、前記引っ掛けフック2を安定的に浴槽12の浴槽縁13に固定させることを特徴とする請求項1又は2に記載の幼児用バスタブチェア。
【請求項4】
前記2本の調節吊り具4は、複数の穴を有する内板4aと、外板4bとからなり、カギフック4dを内板4aの調節穴4cに引っかけて、調節吊具4の長さを調整自在に固定することが可能となることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の幼児用バスタブチェア。
【請求項5】
前記2本の調節吊り具4のカギフック4dの先端部が、該カギフック4dの先端部は正面視内板4aの裏面と浴槽12の浴槽壁14の間に位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の幼児用バスタブチェア。
【請求項6】
前記2本の調節吊り具4上部に取り付けられた固定ベルト5は長さを調節出来る調節バックル6と着脱具オス7を有し、前記座面9に取り付けられた着脱部メス8を有するベルトとしっかり固定出来ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の幼児用バスタブチェア。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−70910(P2013−70910A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213811(P2011−213811)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(711010563)
【Fターム(参考)】