説明

広告媒体

【課題】人の見る方向によって視覚の認知を大きく変化させ、人と広告媒体との関係性と、そこにおける三次元空間的価値を見出すことを可能とする広告媒体を提供する。
【解決手段】表示用紙1に顔情報2、3(広告情報)が配置され、その広告情報に折版加工が施されている。このように折版加工を施すことで、人が正面、上方、下方から広告情報を見たときの視覚の認知を大きく変化させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚の認知変化が可能な広告媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ポスター等に変化を与えて広告、宣伝を一層印象的な効果を持たせる表示用紙およびその表示方法が記載されている。特許文献2には、立体感を有する絵画の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−187039号公報
【特許文献2】特開平09−235000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に記載の技術では、従来の広告媒体に対して、新たにフィルム、シールもしくは台紙を積層させることで表示の変化、光の透過による立体感を表現しているが、これらは広告媒体に変化、立体感を付加させているのみであり、人が対象を認知する際の位置、方向が考慮されておらず、人と二次元である広告媒体との関係性と、そこにおける三次元空間的価値が見失われている。
【0005】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、人の見る方向によって視覚の認知を大きく変化させ、人と広告媒体との関係性と、そこにおける三次元空間的価値を見出すことを可能とする広告媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、二次元表示体の表面に広告情報が配置され、その広告情報に折版加工が施されている広告媒体を特徴とする。
【0007】
このように広告情報に折版加工を施すことで、人の見る方向によって視覚の認知を大きく変化させ、人と広告媒体との関係性と、そこにおける三次元空間的価値を見出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る広告媒体の構成を示す図である。
【図2】広告媒体を正面から認識した状態を示す図である。
【図3】広告媒体を上方から認識した状態を示す図である。
【図4】広告媒体を下方から認識した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1(a)に示すように、表示用紙1に施された山折り線4と谷折り線5に対し、顔情報2が有する目、鼻、口がいずれかの線を通過するように顔情報2を配置する。また、顔情報3も同様に配置するが、目、鼻、口を顔情報2の目、鼻、口が通る山折り線4と谷折り線5と反転して使用するようにずらす(顔情報2の目の位置と顔情報3の目の位置が山折り線4と谷折り線5とで異なり、鼻、口もそれに合わせて互いにずれるようにする)。なお、表示用紙1には、顔情報2、3以外にも、図示してないが、他の顔情報や文字情報などが印刷されている。
【0010】
そして、山折り線4と谷折り線5を折り、山折り6と谷折り7を作る。つまり、顔情報2、3が配置された箇所に折版加工を施す。このことで、人が顔情報2、顔情報3を正面、上方、下方から認識した際(図2、図3,図4参照)に、それらの表示の変化を確認することができる。これにより、人が顔情報2、顔情報3を認識する位置、方向によって視覚情報が変化することから、人と広告媒体の関係性を築き、そこに空間利用価値を見出すことを可能としている。
【0011】
上記した実施形態によれば、二次元平面への印刷表示に折版加工を施すことのみで、人が正面、上方、下方から見たときの視覚の認知を大きく変化させることができる。つまり、規制の二次元広告では人の見る方向が変化しても人の視覚情報は大きく変化しないのに対して、本実施形態では広告媒体に折版加工を施すことで、視覚の認知を大きく変化させることができる。また、広告を掲示する三次元空間と対応させることで、視覚の認知を変化させることができる。例えば、折り返し階段の踊り場に広告を掲示することで、昇る時と降りる時の人の視覚の認知を変化させることができる。
【0012】
なお、上記した実施形態では、二次元表示体として表示用紙1を示したが、紙以外の構成体であってもよい。また、広告情報としては顔情報以外のものであっても勿論よく、アルファベット等の文字情報であってもよい。さらに、表示用紙1に折版加工を複数施すようにしてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元表示体の表面に広告情報が配置され、その広告情報に折版加工が施されていることを特徴とする広告媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−194234(P2012−194234A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56306(P2011−56306)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)