説明

広告提供システム、広告提供方法および広告提供プログラム

【課題】インターネット上で行われるオンライン広告をより多くのユーザに見てもらえるようにする。
【解決手段】第1の制御部12が第1のアプリケーションプログラムを利用して指定URLに基づきウェブサーバ2から受信したウェブページを表示するのとは別に、第2の制御部13が第2のアプリケーションプログラムを利用して広告用URLに基づき広告ページを広告サーバ3から受信し、指定URLに基づき表示されていたウェブページが閉じられたときに、広告サーバ3から受信した広告ページを画面表示することにより、指定ページを閉じたときには、ユーザの意思やクリック操作の有無によらず広告ページが自動的に表示されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広告提供システム、広告提供方法および広告提供プログラムに関し、特に、インターネット上に開設したウェブページを利用して広告を提供するシステムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット上に開設したウェブページを利用して様々な広告が行われている。その代表例として、ウェブページの一部に長方形の広告画像を横断幕のように表示するバナー広告が用いられている。バナー広告は広告主のウェブページにリンクしてあり、バナー広告をマウスでクリックすると当該広告主のウェブページに遷移し、広告内容の詳しい情報が表示されるようになっている。
【0003】
また、チラシに印刷されている商品情報に対応したバーコードを携帯電話機に接続したバーコードリーダで読み取って販売者のサーバに送信し、サーバ側からチラシの商品情報である広告駒写真画像をユーザの携帯電話機に配信して、注文した商品を画面でユーザに確認させるようにした技術も存在する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−228665号公報
【0004】
また、URL(Uniform Resource Locater)をキー入力することなく、メーカのウェブページを開くことができるように成された商品情報提供システムも提供されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載のシステムでは、ユーザの端末装置に接続したバーコードリーダにより、商品カタログに印刷されたバーコードを読み取り、読み取ったバーコード情報を商品情報センターに送信する。商品情報センターでは、受信したバーコード情報に基づき、URL情報データベースを検索し、メーカのURL情報を取り出し、端末装置に送信する。端末装置では、受信したURL情報によりメーカのウェブページを開く。
【特許文献2】特開2002−108740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ウェブページ上に掲載する広告の場合は、その広告が掲載されたウェブページに対してユーザ側から自分の意思でアクセスが行われない限り、その広告がユーザの目に触れることは一切ない。例えばバナー広告の場合、ユーザがこれをクリックしない限り、広告がユーザに見られることはない。そのために多くの広告主は、表示するバナー広告を目立つようなデザインあるいは興味を引くようなデザインにしたり、懸賞を付けたりするなどの工夫をしている。ところが、このような工夫だけでは充分と言えず、現実にはウェブページ上への宣伝効果がそれほど高くならないという問題があった。
【0006】
また、上記特許文献1や特許文献2の場合も、ユーザが自ら見たいと思う広告情報に対応したバーコードをバーコードリーダで読み取り、読み取ったバーコード情報をサーバに送信しない限り、広告がユーザに見られることはない。すなわち、バナー広告や、特許文献1,2のようなバーコードを利用した広告などを例とするどのような広告手段も、ウェブページを利用して広告を行うものは、ユーザからのアクションがない限り広告が見られることはなく、宣伝効果がそれほど高くならないという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、インターネット上で行われるオンライン広告をより多くのユーザに見てもらえるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明では、端末装置が第1のアプリケーションプログラムを利用して指定URLに基づきウェブサーバから受信したウェブページを表示するのとは別に、端末装置が第2のアプリケーションプログラムを利用して広告用URLに基づき広告ページを広告サーバから受信し、指定URLに基づき表示されていたウェブページが閉じられたときに、広告サーバから受信した広告ページを端末装置に表示するようにしている。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、ユーザの意思により指定されたURLに基づいて第1のアプリケーションプログラムにより表示されていたウェブページが閉じられると、あらかじめ決められた広告用URLに基づいて第2のアプリケーションプログラムにより受信された広告ページが端末装置に自動的に表示されることとなる。これにより、ユーザの意思やクリック操作の有無によらず、広告ページが必ず表示される。しかも、広告ページが表示されるのはウェブページの閲覧終了後なので、ウェブページ閲覧の邪魔になることがなく、ユーザに悪い印象を与えることが少ないので、広告をより多くのユーザに見てもらえる可能性が高くなり、広告効果を上げることが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による広告提供システムの全体構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の広告提供システムは、ユーザが使用する端末装置(以下、ユーザ端末1と記す)と、ユーザ端末1からインターネット4等の通信ネットワークを介して接続可能に構成されたウェブサーバ2および広告サーバ3とを備えて構成されている。
【0011】
ユーザ端末1は、例えば携帯電話機であるが、これに限定されるものではない。例えば、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistance)のようなものであっても良い。ウェブサーバ2は、ユーザ端末1にて指定されたURLに対応するウェブページをユーザ端末1に提供する。また、広告サーバ3は、あらかじめ決められた広告用URLに対応する広告ページをユーザ端末1に提供する。
【0012】
ウェブサーバ2も広告サーバ3も、基本的な動作は同じである。すなわち、ウェブサーバ2は、ユーザ端末1からインターネット4を介して指定URLと共に送られてきたウェブページの表示要求に応じて、まずHTML(HyperText Markup Language)のソースコードをユーザ端末1に提供する。ユーザ端末1では、ウェブサーバ2から送られてきたHTMLソースコードをウェブブラウザで解析し、そのソースコード中に含まれるテキスト情報等を画面表示する。
【0013】
さらに、HTMLソースコード中に画像データなどのリンク情報が存在している場合には、ユーザ端末1のウェブブラウザは、ウェブサーバ2に対してそのリンク情報により示される画像ファイルの送信を更に要求する。この要求を受けたウェブサーバ2は、要求された画像ファイルをウェブブラウザに送信する。このようなユーザ端末1とウェブサーバ2との間の一連のやり取りによって、指定URLに対応するウェブページがユーザ端末1の画面に表示されることとなる。
【0014】
また、広告サーバ3は、ユーザ端末1からインターネット4を介して広告用URLと共に送られてきた広告ページの表示要求に応じて、まずHTMLのソースコードをユーザ端末1に提供する。ユーザ端末1では、広告サーバ3から送られてきたHTMLソースコードをウェブブラウザで解析し、そのソースコード中に含まれるテキスト情報等を画面表示する。
【0015】
さらに、このHTMLソースコード中に画像データなどのリンク情報が存在している場合には、ユーザ端末1のウェブブラウザは、広告サーバ3に対してそのリンク情報により示される画像ファイルの送信を更に要求する。この要求を受けた広告サーバ3は、要求された画像ファイルをウェブブラウザに送信する。このようなユーザ端末1と広告サーバ3との間の一連のやり取りによって、広告用URLに対応する広告ページがユーザ端末1の画面に表示されることとなる。
【0016】
図2は、本実施形態によるユーザ端末1の機能構成例を示す図である。図2に示すように、本実施形態のユーザ端末1は、フラッシュROM等の記憶部11、第1の制御部12、第2の制御部13およびバーコードリーダ14を備えている。なお、ここではユーザ端末1がバーコードリーダ14を備える構成を示しているが、これは単なる一例に過ぎない。例えば、ユーザ端末1とバーコードリーダ14とを別体として構成し、両者を有線または無線で接続できるように構成しても良い。
【0017】
記憶部11は、後述する第1のアプリケーションプログラムおよび第2のアプリケーションプログラムを記憶している。第1の制御部12は、第1のアプリケーションプログラムを起動して、指定URLをウェブサーバ2に送信し、指定URLに対応するウェブページをウェブサーバ2から受信して表示する。
【0018】
また、第2の制御部13は、第2のアプリケーションプログラムを起動して、あらかじめ決められた広告用URLを広告サーバ3に送信し、広告用URLに対応する広告ページを広告サーバ3から受信して表示する。このとき第2の制御部13は、第1の制御部12により表示されていたウェブページが閉じられたときに、広告ページを表示するように制御する。
【0019】
ここで、第1のアプリケーションプログラムは、具体的には、指定URL送信手段21、指定ページ受信手段22および指定ページ表示手段23として機能する。これらの各手段は、ウェブブラウザの機能として実現される。また、第2のアプリケーションプログラムは、具体的には、バーコード読取手段31、URL解析手段32、広告用URL送信手段33、広告ページ受信手段34および広告ページ表示手段35として機能する。ここで、広告用URL送信手段33、広告ページ受信手段34および広告ページ表示手段35も、ウェブブラウザの機能として実現される。ウェブブラウザは、第1のアプリケーションプログラムと第2のアプリケーションプログラムとで共用される。
【0020】
バーコード読取手段31は、バーコードリーダ14を利用して、例えば紙面に印刷されたバーコードを読み取る。このバーコードは、例えば、所定のウェブページのURLを識別可能に形成されたQR(Quick Response)コードである。URL解析手段32は、バーコード読取手段31により読み取られたバーコードを解析してURLを取得し、取得したURLを指定URLとして第1の制御部12の指定URL送信手段21に供給する。
【0021】
指定URL送信手段21は、URL解析手段32より供給された指定URLをウェブサーバ2に送信する。指定ページ受信手段22は、指定URL送信手段21が指定URLをウェブサーバ2に送信したことに応答してウェブサーバ2から送られてくるウェブページ(以下、これを指定ページと記す)を受信する。指定ページ表示手段23は、指定ページ受信手段22により受信された指定ページをユーザ端末1のウェブブラウザ上に表示する。
【0022】
広告用URL送信手段33は、URL解析手段32によりバーコードから解析した指定URLとは別に、あらかじめ決められた広告用URLを広告サーバ3に送信する。あらかじめ決められた広告用URLとは、広告用URL送信手段33にあらかじめ登録されている1以上の広告用URLの中の1つを意味する。どの広告用URLを送信するかは、任意のルールにより決めることが可能である。例えば、広告用URLを送信する必要が生じる都度、登録されている広告用URLを順番に選択するようにしても良いし、ランダムに選択するようにしても良い。
【0023】
また、指定URLに関連する広告用URLを選択するようにしても良い。例えば、指定URLに含まれる文字列、指定URLによるアクセス先の指定ページのソースコードに含まれる“title”上の文字列、“keyword”上の文字列、“description”上の文字列、トップページ上のテキストデータによる文字列などを参照し、その文字列に関連する広告用URLを選択する。具体的には、所定の文字列と広告用URLとを関連付けたテーブル情報を用意しておき、例えば指定URLの中から抽出した文字列がテーブル情報の中に存在する場合に、その文字列に関連付けられた広告用URLを選択する。文字列に関連付けられた広告用URLが複数ある場合は、その中の何れか1つを都度、順番に選択する。
【0024】
この他の例として、指定URLのみならず、それに関連する広告用URLを識別可能にQRコードを形成し、当該QRコードを解析することによって広告用URLを得るようにしても良い。なお、ここに挙げた広告用URLの特定方法は単なる例示に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0025】
広告ページ受信手段34は、広告用URL送信手段33が広告用URLを広告サーバ3に送信したことに応答して広告サーバ3から送られてくる広告ページを受信する。広告ページ表示手段35は、指定ページ表示手段23により指定URLに基づいて表示されていた指定ページが閉じられたときに(このとき、第2のアプリケーションプログラムが起動しているのでウェブブラウザは閉じられていない)、広告ページ受信手段34により受信された広告ページをユーザ端末1のウェブブラウザ上に表示する。
【0026】
すなわち、ウェブブラウザ上で指定ページが閉じられると、第1のアプリケーションプログラムは終了するが、第2のアプリケーションプログラムは起動したままの状態となっている。そこで、広告ページ表示手段35は、起動状態のままになっている第2のアプリケーションプログラムを利用して、広告ページ受信手段34で広告サーバ3から受信した広告ページをユーザ端末1のウェブブラウザ上に表示する。これにより、指定ページから広告ページへと画面表示が自動的に切り替わる。
【0027】
ここで、広告ページ受信手段34が広告サーバ3から広告ページを受信するタイミング(広告用URL送信手段33が広告用URLを広告サーバ3に送信するタイミング)は、指定ページ表示手段23により指定ページの表示が行われる前であっても良いし、指定ページの表示が行われている最中であっても良いし、指定ページが閉じられた後であっても良い。指定ページの表示が行われる前または行われている最中に広告ページを受信する場合は、指定ページが閉じられるまでの間、受信した広告ページの情報をユーザ端末1に保存しておくためのメモリが必要になる。
【0028】
本実施形態の特性を生かすためには、ユーザがアプリケーション操作を行っていない時間(以下、「アイドリング時間」という)中に、表示対象となる広告データを受信しておくこと(およびアプリケーション制御下の記憶領域に一時的に記録しておくこと、並びに広告データの受信プロセスを複数の段階に分け、受信が途中で終了した場合も、直前の段階で受信したデータの続きから受信を再開できるようにしておくこと)が望ましい。
【0029】
例えば、第1のアプリケーションプログラムのアイドリング時間中に、第2の制御部13が広告データの受信を完了していれば、第1のアプリケーションプログラムの終了時に速やかに対象広告を表示することが可能になる。また、ユーザが第1のアプリケーションプログラムを使用してウェブページ閲覧データを「受信待ち」している間に、既に受信した広告を表示させるなど、効果的な広告表示が可能になる。
【0030】
第1のアプリケーションプログラムのアイドリング時間中に広告データを受信するための方法として、数々の方法を組み合わせて実現することが可能である。
【0031】
例えば、ユーザのボタン操作はユーザ毎に特性があるため、その特性を利用する。すなわち、過去の入力データから、あるボタンを押下してから次のボタンを押下するまでの時間を予測し、当該時間中に広告データの受信を行う。第1のアプリケーションプログラムにおいて、必ずしも全てのボタン操作で通信が発生するわけではないので、第1のアプリケーションプログラムにおいて、通信を要求するボタン操作が完了した直後から第2のアプリケーションプログラムが広告データの受信を開始するようにしてもよい。そうすることで、第1のアプリケーションプログラムにおいてユーザが通信を要求する次のボタン操作を行うまでの間、効率的に広告データを受信できる。
【0032】
また、一定時間中に受信可能なデータ量は上限があるため、取得する広告データの中身を取捨選択することで、受信すべき広告データの量を制限するようにしても良い。例えば、受信対象とする広告データにつき、商品画像データを受信せず、商品名と広告URLデータのみを受信して表示するようにする。このようにすることにより、限られたアイドリング時間を効果的に活用して広告データを受信することができる。
【0033】
さらに、上記の手法を拡大し、最大の効率を発揮できるよう最適化する機能を実装しても良い。例えば、広告データにつき、常に商品名と広告URLデータのみを受信するのでなく、通信環境が良い場合に、商品の特徴を示す説明文やキャッチコピーを受信するようにしても良い。また、ユーザのボタン操作特性からアイドリング時間を予測し、アイドリング時間中に受信可能と判断される場合に、受信対象とする広告データを段階的に変化(拡大/削減)させる機能を実装しても良い。
【0034】
さらに、第2のアプリケーションプログラムが、第1のアプリケーションプログラムとネットワーク上のサーバ間の通信を仲介することにより、ユーザのボタン操作特性を考慮し、第1のアプリケーションプログラムの情報と広告データの受信とを最適化するようにしても良い。例えば、ユーザのボタン操作特性から、あるボタンを押下してから次のボタンを押下するまでの時間が長いユーザの場合、第1のアプリケーションプログラムにおいて通信を伴うボタン操作を検知した際、一定の時間の間(例えば、ユーザの平均的なボタン押下操作時間の1/5まで)現在受信中の広告データ受信完了を優先させ、それから第1のアプリケーションプログラムのデータ受信プロセスに切り替える。このようにすることにより、ユーザに違和感を生じさせない範囲で、常に最大限の通信トラフィックを活用するよう通信負荷を最適化することが可能である。
【0035】
さらに、通常のhttpプロトコルでは、刻々と変化する通信環境に応じて、端末上のアプリケーションとネットワーク上のサーバとの間でやり取りされるデータパケットのサイズを調整する機能を有する。そこで、第2のアプリケーションプログラムが、第1のアプリケーションプログラムとネットワーク上のサーバ間の通信を仲介することにより、通信環境の変化を考慮した最適化を行うことが可能である。例えば、第1のアプリケーションプログラムがデータを要求中のサーバに対して期待できる通信速度が低い状態において、無線通信環境の状態が良く、一定時間に受信できるデータ容量に余裕がある場合、当該サーバへの受信要求とあわせて広告データの受信要求を平行して行うことで、情報データの受信と広告データの受信を効率化することができる。
【0036】
また、本発明の目的を鑑みれば、ユーザが第1のアプリケーションプログラムを使って直前に取得要求した情報だけでなく、ユーザが過去に取得した情報のデータの特性を考慮して対象広告を選定することが有効なケースも想定され得る。そこで、第1のアプリケーションプログラムのアイドリング時間中において、ユーザが過去に取得した情報データから、当該ユーザに有効と想定される広告を選定し、第1のアプリケーションプログラムのアイドリング時間中に当該広告データを受信しておく(以下、「キャッシュ情報」という)ようにしても良い。このとき、受信したデータを第2のアプリケーションプログラム管理下の記憶領域に一定期間記録しておくことにより、ユーザが第1のアプリケーションプログラムを起動して終了するまでの時間が短く、直前に入力された情報データに関する広告データが受信できなかった場合においても、キャッシュ情報からデータを取り出し有効な広告表示を行うことが可能になる。
【0037】
さらに、本実施形態においては、特定のジャンルやキーワードに対応した広告データ、あるいは、特定の性向を持つユーザを対象にした広告データをあらかじめ受信しておくことも可能である。すなわち、例えば「保険」というキーワードに対し、A社の保険商品の広告データを優先的に表示するよう設定する。そして、アイドリング時間中に、A社の保険商品の広告データを受信しておき、ユーザが「保険」に関するデータ要求を行った場合、その直後に当該商品(A社の保険商品)の広告を表示するよう設定しても良い。あるいは、ユーザが過去に取得した情報データから、当該ユーザが「クルマ」に関心が高いことを類推可能な場合、アイドリング時間中にB社の新車に関する広告データを受信しておき、広告として表示するようにしても良い。
【0038】
さらに、本実施形態においては、第1のアプリケーションプログラムのアイドリング時間中のみならず、第1のアプリケーションプログラムの起動にかかわらず、第2のアプリケーションプログラムのアイドリング時間中に広告データを受信しておき、第1のアプリケーションプログラムの終了時もしくは起動中に広告を表示するよう設定することも可能である。例えば、以上に述べた各ケースにおいて、第1のアプリケーションプログラムのアイドリング時間中のみならず、第2のアプリケーションプログラムのアイドリング時間中に広告データを受信しておき、第1のアプリケーションプログラム終了時に速やかに広告表示を行うようにしても良い。
【0039】
なお、もっとシンプルに、機能を絞り込んだものとして以下のような方法で広告データを受信することも可能である。
(a)ブラウザ起動前に広告データを取得するパターン
・バーコードリーダ14を起動し、バーコード(URLが含まれている)をスキャンする。
・その後ブラウザが起動されるが、その間はブラウザによる通信は行われていないため、その間にバーコードアプリ(第2のアプリケーションプログラム)がブラウザアプリ(第1のアプリケーションプログラム)の起動中の裏で通信を行い、広告データを取得しておく。
・ブラウザ起動が完了し、ユーザがブラウジングする。
・ブラウザを終了すると、バーコードリーダ14上に該当広告が表示される。
【0040】
(b)ブラウザ起動中に広告データを取得するパターン
・ブラウザ利用中に、ユーザによるアクセスが一定時間以上なかった場合(例えば、5秒間ブラウザによるデータ通信が行われなかった場合)、裏のバーコードアプリが広告データを取得する。
【0041】
(c)ブラウザ起動中に広告データを取得するパターン
・バーコードリーダ14経由でブラウザの起動を行う。
・ブラウザが起動され、最初のデータが読み込まれた直後に裏のバーコードアプリにより広告データを取得する(希望アクセス先に到達した直後にユーザが違うページに直ぐ遷移する可能性は低い)。
・最初で広告データの受信が完結しなかった場合、次にユーザが違うページへ遷移した後に、残りを受信する。
【0042】
次に、上記のように構成した本実施形態による広告提供システムの動作を説明する。図3は、本実施形態による広告提供システムの動作例を示すフローチャートである。図4は、本実施形態のユーザ端末1に表示される画面の遷移例を示す図である。
【0043】
図3において、ユーザ端末1は、まず第1のアプリケーションプログラムと第2のアプリケーションプログラムとを起動する(ステップS1)。第2のアプリケーションプログラムが起動すると、バーコードリーダ14によってバーコードを読み取る準備ができるので、ユーザは、紙面に印刷されたバーコードにバーコードリーダ14をかざす。ユーザ端末1が携帯電話機の場合、具体的には、図4(a)に示すように、携帯電話機が備えているカメラ(これがバーコードリーダ14に相当する)によってバーコードを撮影する。これにより、第2のアプリケーションプログラムによって動作しているバーコード読取手段31は、バーコードをユーザ端末1内に取得する(ステップS2)。
【0044】
次に、第2のアプリケーションプログラムによって動作しているURL解析手段32は、ステップS2で読み取られたバーコードを解析してURLを取得し、取得したURLを指定URLとして、第1のアプリケーションプログラムによって動作している指定URL送信手段21に供給する(ステップS3)。図4(b)は、解析された指定URLがユーザ端末1の画面上に表示された状態を示している。
【0045】
指定URL送信手段21は、URL解析手段32から指定URLを受け取り、ユーザから送信指示を受けると、当該指定URLをインターネット4を介してウェブサーバ4に送信する。また、指定ページ受信手段22は、指定URLの送信に対応してウェブサーバ4から送られてくる指定ページを受信する。そして、指定ページ表示手段23は、図4(c)に示すように、ウェブサーバ2から受信した指定ページをユーザ端末1の画面上に表示する(ステップS4)。
【0046】
ここで、第1の制御部12は、指定URLに基づいて表示されていた指定ページが閉じられたか否かを判定する(ステップS5)。閉じられていない場合は、ステップS4に戻り、指定ページの表示が続けられる。このとき、最初の指定ページに張られているリンクがクリックされたら、リンク先のウェブページ(これも指定ページ)に遷移して表示が行われる。
【0047】
一方、指定ページが閉じられたと判断した場合、第1の制御部12は、第1のアプリケーションプログラムの動作を終了させる(ステップS6)。このとき、第2のアプリケーションプログラムは起動状態のままとなっている。そして、第2のアプリケーションプログラムによって動作している広告用URL送信手段33は、あらかじめ決められた広告用URLを広告サーバ3に自動的に送信する。また、広告ページ受信手段34は、広告用URLの送信に対応して広告サーバ3から送られてくる広告ページを受信する。そして、広告ページ表示手段35は、図4(d)に示すように、広告サーバ3から受信した広告ページをユーザ端末1の画面上に表示する(ステップS7)。
【0048】
ここで、第2の制御部13は、広告用URLに基づいて表示されていた広告ページが閉じられたか否かを判定する(ステップS8)。閉じられていない場合は、ステップS7に戻り、広告ページの表示が続けられる。一方、広告ページが閉じられたと判断した場合、第2の制御部13は、第2のアプリケーションプログラムの動作を終了させる(ステップS9)。このとき、ウェブブラウザも閉じられる。
【0049】
なお、この図3に示すフローチャートでは、指定ページが閉じられたタイミングで広告用URLを広告サーバ3に送信するようにしているが、これに限定されない。上述したように、ステップS4で指定ページを表示する前または表示が行われている間に、広告用URLを広告サーバ3に送信して広告ページを受信するまでの処理をバックグラウンドで行っておき、指定ページが閉じられたタイミングで、既に受信済みの広告ページを表示するようにしても良い。
【0050】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、第1のアプリケーションプログラムを利用して指定URLに基づきウェブサーバ2から受信した指定ページを表示するのとは別に、第2のアプリケーションプログラムを利用して広告用URLに基づき広告ページを広告サーバ3から受信する。そして、指定ページが閉じられて第1のアプリケーションプログラムが終了したときに、起動状態のままになっている第2のアプリケーションプログラムを利用して、広告ページを表示するようにしている。
【0051】
このような構成により、指定ページが閉じられると、ユーザの意思やクリック操作の有無によらず、広告ページが自動的に表示されることとなる。しかも、広告ページが表示されるのは指定ページの閲覧終了後なので、ユーザの意思で表示している指定ページを閲覧する際には広告が邪魔になることがなく、ユーザに悪い印象を与えることが少ない。これにより、広告をより多くのユーザに見てもらえる可能性が高くなり、広告効果を上げることが期待できる。
【0052】
なお、上記実施形態では、第2のアプリケーションプログラムがバーコード読取機能を有するプログラムである例について説明したが、これに限定されない。すなわち、第2のアプリケーションプログラムは、インターネット4を介してウェブによる広告ページを受信する機能と、受信した広告ページを表示する機能とを有しているものであれば良い。
【0053】
また、上記実施形態では、ブラウザ(第1のアプリケーションプログラム)がバーコードスキャンしたURLから通信してサーバにアクセスするようになっているが、通信制御は一切合切バーコードリーダ14において行い、ブラウザはバーコードリーダ14経由でネットワーク上のデータの授受を行うようにしても良い。
【0054】
また、バーコードリーダ14とブラウザとが同一のアプリケーションとなっているようにしても良い(機能の切り分けについては上記実施形態通り)。この場合、広告表示エリアとインターネットブラウジングエリアとの両エリアについて、タグ等によりインターフェースの切り替えを行うことにより、ブラウザを閉じた後に広告を表示することが可能である。
【0055】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施形態による広告提供システムの全体構成例を示す図である。
【図2】本実施形態によるユーザ端末の機能構成例を示す図である。
【図3】本実施形態による広告提供システムの動作例を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態のユーザ端末に表示される画面の遷移例を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
1 ユーザ端末
2 ウェブサーバ
3 広告サーバ
4 インターネット
11 記憶部
12 第1の制御部
13 第2の制御部
14 バーコードリーダ
21 指定URL送信手段
22 指定ページ受信手段
23 指定ページ表示手段
31 バーコード読取手段
32 URL解析手段
33 広告用URL送信手段
34 広告ページ受信手段
35 広告ページ表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する端末装置と、上記端末装置にて指定されたURLのウェブページを上記端末装置に提供するウェブサーバと、上記端末装置に広告ページを提供する広告サーバとを備えた広告提供システムであって、
上記端末装置は、第1のアプリケーションプログラムおよび第2のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部と、
上記第1のアプリケーションプログラムを起動して、指定URLを上記ウェブサーバに送信し、上記指定URLに対応するウェブページを上記ウェブサーバから受信して表示する第1の制御部と、
上記第2のアプリケーションプログラムを起動して、あらかじめ決められた広告用URLを上記広告サーバに送信し、上記広告用URLに対応する広告ページを上記広告サーバから受信して表示する第2の制御部とを備え、
上記第2の制御部は、上記第1の制御部により表示されていたウェブページが閉じられたときに、上記広告ページを表示するように制御することを特徴とする広告提供システム。
【請求項2】
上記第2の制御部は、バーコードリーダを利用してバーコードを読み取るバーコード読取手段と、
上記バーコード読取手段により読み取られたバーコードを解析してURLを取得し、取得したURLを上記指定URLとして上記第1の制御部に供給するURL解析手段と、
上記バーコードから解析した指定URLとは別に、上記広告用URLを上記広告サーバに送信する広告用URL送信手段と、
上記広告用URLの送信に応答して上記広告サーバから送られてくる広告ページを受信する広告ページ受信手段と、
上記第1の制御部により上記指定URLに基づき表示されていたウェブページが閉じられたときに、上記広告ページ受信手段により受信された上記広告ページを表示する広告ページ表示手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の広告提供システム。
【請求項3】
ユーザが使用する端末装置と、上記端末装置にて指定されたURLのウェブページを上記端末装置に提供するウェブサーバと、上記端末装置に広告ページを提供する広告サーバとを備えた広告提供システムにおいて、
上記端末装置において、第1のアプリケーションプログラムおよび第2のアプリケーションプログラムを起動する第1のステップと、
上記第2のアプリケーションプログラムにより、バーコードリーダを利用してバーコードを読み取る第2のステップと、
上記第2のアプリケーションプログラムにより、上記第2のステップで読み取られたバーコードを解析してURLを取得し、取得したURLを指定URLとして上記第1のアプリケーションプログラムに供給する第3のステップと、
上記第1のアプリケーションプログラムにより、上記指定URLを上記ウェブサーバに送信し、上記指定URLに対応するウェブページを上記ウェブサーバから受信して表示する第4のステップと、
上記第4のステップの処理が行われる前、行われている間、または行われた後に、上記第2のアプリケーションプログラムにより、上記バーコードから解析した指定URLとは別に、あらかじめ決められた広告用URLを上記広告サーバに送信し、上記広告用URLに対応する広告ページを受信する第5のステップと、
上記第4のステップにおいて上記指定URLに基づき表示されていたウェブページが閉じられたときに、上記第2のアプリケーションプログラムにより、上記第5のステップで受信された上記広告ページを表示する第6のステップとを有することを特徴とする広告提供方法。
【請求項4】
請求項2に記載の各手段としてコンピュータを機能させるための広告提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−129780(P2008−129780A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−312960(P2006−312960)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(300014554)株式会社メディアシーク (8)