説明

床材剥離機

【目的】本発明は、作業者の労働の負担が著しく軽く、しかも騒音が発生し難くなるようにした床材剥離機を提供することを目的とするものである。
【構成】 本発明は、走行装置と、この走行装置を駆動する走行駆動装置とを備える台車、及びこの台車の前部に、床下地層の上面に接触可能に支持され、且つ走行装置の幅と略等幅或いは広幅に形成されたブレードを有するブレード装置を設けたことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、床タイル等の床材を床構造から剥離して除去する床材剥離機に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の建築物においては、鉄筋コンクリート等で形成されたスラブ上にモルタル等の下地層を敷き、下地層の上面にタイルを接着する床構造が多用されている。
【0003】また、店舗や事務所では販売体制や事務機構の改革に伴って建物内の床材を張り替えることが少なくない。このような場合には、既設の床材及び接着剤を床構造から剥離して除去し、再度、新しい床材が下地層の上面に接着される。
【0004】ところで、既設の床材及びこれを下地層に接着する接着剤を剥離する作業は、比較的近年まで手作業に頼っていた。即ち、多数の作業者が薄板鋼板等で作られたコテを手に持って、コテの先を床材とその下地層との間に突っ込んで床材を剥離していた。
【0005】しかしながら、このような手作業は非能率的であり、また、剥離に伴い粉塵が舞い立つ劣悪な作業環境内で行なわれ、しかも、かなり無理な姿勢で強い力が要求される作業を長時間続ける必要があった。このため、近年の人手不足に拍車が掛けられ、かなり高価な賃金での求人に対しても人手が集まらなくなったり、せっかく人手が集まってもすぐに退職してしまうのである。
【0006】そこで、例えば実開昭63−8333号公報に開示されるように、手押し式のフレームに揺動可能にスクレーパを振動可能に支持させ、フレームに搭載した起振装置(バイブレータ)によってスクレーパを振動させるように構成した床材剥離機が実用化されるに至っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この手押し式の床材剥離機は、床材と下地層との間にスクレーパの刃先を差し込みながら振動を与えることにより、機械力で床材を剥離させることができるので、一見作業者の負担が軽減されるように思われている。
【0008】しかしながら、実際には、スクレーパが床の下地に当たる反動に打ち勝ってフレームを押し進める必要があり、作業上の負担はそれほど軽減されていない。
【0009】しかも、フレームの両外側に設けた車輪の一方が剥離された床材の上に乗り上げるとスクレーパの先端が傾斜して床面から浮き上がり、床材を効率よく剥離できなくなる。
【0010】このような効率の低下を防止するためには、作業者は車輪が床面から浮き上がるようにフレームを支持し、床材剥離機の重量を支持しながら、剥離作業の反動力に打ち勝って床材剥離機を前進させるという方法が採用されている。
【0011】この方法によれば、熟練者が比較的接着剤の接着力が強い塩ビタイルの場合には1時間当たり約50m程度、比較的接着剤の接着力が弱いPタイルの場合で約70m程度の剥離作業を行うことができる。
【0012】しかしながら、この方法は、床材剥離機の重量を支持する分作業が重労働化する上、床材剥離機が反動で後退して作業者が負傷するおそれがあるので、安全性を高める上でも極めて不利である。
【0013】また、従来の床材剥離機はスクレーパを振動させるので、非常に大きい打撃音が発生し、周囲にかなりの騒音を放散している。このため、一般的に仕事が執り行なわれる中間には床材剥離作業が行えず、休日労働、夜間労働、深夜労働等、一般には労働されない時間に床材剥離作業が行われている。
【0014】このように労働がきつく、労働環境が悪く(汚く)、しかも、危険で、且つ労働時間帯が一般とは異なっている床材剥離作業については、求職者が少しでも良好な労働条件の仕事を選択する傾向が著しい今日では、高い賃金を支払っても作業者を集めることが非常に困難な状態になっている。
【0015】本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、作業者の労働の負担が著しく軽く、騒音が発生し難くなるようにした床材剥離機を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる床材剥離機は、上記の目的を達成するために、走行装置と、この走行装置を駆動する走行駆動装置とを備える台車、及びこの台車の前部に、床下地層の上面に接触可能に支持され、且つ走行装置の幅と略等幅或いは広幅に形成されたブレードを有するブレード装置を設けたことを特徴とするものであり、以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0017】本発明で用いられる走行装置は、一般に走行装置として使用されているものであれば特に制限はなく、例えばクローラ式走行装置、タイヤ式走行装置、或いは、これらを複合した走行装置を使用することができる。これらの中では、接地面積が比較的大きく、従って強力な走行力に耐えられるクローラ式走行装置を採用することが推奨される。
【0018】また、走行装置をタイヤ式走行装置で構成する場合は構成が簡単であり、安価に実施することができる。
【0019】本発明で用いられる走行駆動装置としては、一般に走行駆動装置として使用されるものを用いればよく、例えば、燃料タンク及びエンジンを含むエンジンユニット、電源及びモータを含む電動パワーユニットで構成すればよい。
【0020】この走行駆動装置はできるだけ作業環境を悪化させないものを採用することが好ましく、この観点からは現時点では、燃焼により酸欠雰囲気となる恐れや排気ガスによる大気汚染が生じる恐れがなく、しかも、運転騒音が少ない電動パワーユニットが最も好ましい。
【0021】電動パワーユニットを用いる場合、その駆動源、即ち、電源として商用電源或いは蓄電池が用いられる。しかしながら、電動パワーユニットの電源として商業電源を用いる場合には、壁等に設けたコンセントから床材剥離装置にいたるコードを設ける必要があり、このコードによって床材剥離装置の移動範囲が制限されたり、コードの余長部分の処理が面倒になる場合があるので、現場の状況によって最適な手段を講ずる必要がある。
【0022】これに対して、電源として蓄電池を用いる場合には、床材剥離装置の移動範囲に対する制限がほとんどなくなると共に、面倒なコード処理が不要となる点で有利になる。
【0023】走行駆動装置としてエンジンユニットを採用する場合、その燃料はガソリン、灯油、軽油、メタノール等の液体であっても、液化石油ガス、天然ガス、水素ガス等の気体であっても、石炭微粉末等の可燃材料と液体燃料とを混合したハイブリッド燃料であってもよい。これらの燃料の中では、比較的容易に、且つ、安価に入手でき、しかも、エンジン排気による大気汚染を防止する技術が発達しているガソリンを使用することが推奨される。
【0024】また、走行駆動装置は主要な騒音源の一つであることから、作業の静粛性を高めるため、走行駆動装置が収納される防音ケースを設けることが好ましい。
【0025】本発明においては、走行装置が伝動装置を介して走行駆動装置で駆動されるものが有益である。
【0026】本発明で用いられる伝動装置は、走行駆動装置の動力を走行装置に伝達するように構成してあれば特に限定されず、例えばチェーン伝動機構、歯車伝動機構等の機械効率が高い機械的伝動機構、油圧装置、或いはこれらの複合装置等が用いられる。
【0027】このような種々の伝動装置の中では、配管によって容易に動力を分配でき、しかも、小型で強力な油圧シリンダ、油圧モータ等の出力装置を接続できる油圧装置を使用することが推奨される。
【0028】又、本発明においては、台車に歩行操縦用のハンドルを設け、該ハンドルに操縦装置を支持させたものが、操縦性が良好になるので、有益である。
【0029】このように歩行操縦方式を採用する場合には、台車の方向を操るために操縦者が把持するハンドルが台車に設けられる。又、操縦のためにハンドルを持って歩行しながら発進、停止や走行速度の制御、ブレード装置の制御等を容易に行えるようにするため、このハンドルに例えば速度制御用レバー、走行用の伝動装置に介在させたクラッチを操作するクラッチレバー、伝動装置に介在させた変速機のシフトレバー、エンジンの緊急停止ボタン、後述する作業用の駆動装置を制御するための操作レバー等の操縦装置を支持させることが好ましい。
【0030】この床材剥離機は、操縦方式という観点からは操縦者(作業者)が床材剥離機に乗車する乗車操縦方式を採用することも、操縦者が床材剥離機に随伴して歩行する歩行操縦方式を採用することも可能であるが、操縦者の労働を軽減するためには乗車操縦方式を採用することが好ましい。
【0031】このように乗車操縦方式を採用する場合には、台車に運転席と操縦装置とを備える運転台が設けられる。この場合、特に限定されないが、床材剥離機の平面投影面積を小さくするため、運転台に走行駆動装置を収納する防音ケースを設け、この防音ケースを運転席に兼用することが可能である。
【0032】また、運転台は走行装置に対して固定的に設けてもよいが、操縦者が床材剥離機の作業状態等を監視する姿勢の自由度を高めて操縦者の労働の負担を軽減するために運転台を走行装置に対して旋回可能に設けることが好ましく、運転台を走行装置に対して全旋回可能に設けることが最も好ましい。
【0033】このように、走行操縦方式を採用する場合には、台車の方向を操るために運転台に操縦者が把持するハンドルが設けられる。又、操縦のためにハンドルを持って走行しながら発進、停止や走行速度の制御、ブレード装置の制御等を容易に行えるようにするため、このハンドルに例えば速度制御用レバー、走行用の伝動装置に介在させたクラッチを操作するクラッチレバー、伝動装置に介在させた変速機のシフトレバー、エンジンの緊急停止ボタン、後述する作業用の駆動装置を制御するための操作レバー等の操縦装置を支持させることが好ましい。
【0034】また、本発明においては、走行駆動装置を直接走行装置に連動連結してもよいが、走行駆動装置を伝動装置を介して走行装置に連動連結してもよい。このような伝動装置としては、走行駆動装置の動作をオイルポンプを介して油圧に変換し、その油圧で駆動される油圧モータ等の出力装置で走行装置を駆動する油圧式伝動装置と、走行駆動装置の動作をクラッチ、変速機、プロペラシャフトデファレンシャルギヤ等の機械機構を介して走行装置に伝達する機械的伝動機構とが代表的である。
【0035】本発明で用いられるブレード装置は、台車の前部に、床下地層の上面に接地可能に支持され、且つ走行装置の幅と略等幅或いは広幅に形成されたブレードを有するように構成してあればよいが、特に床の剥離効率を向上するために、走行装置の幅より広幅に形成されたものが望ましい。
【0036】又、このブレード装置は、台車に固定的に支持させてもよいが、移動時に床に接触して床を傷つけることを防止するため、ブレード装置のブレードを昇降可能に台車に支持させることが好ましい。
【0037】このブレード装置のブレードを昇降可能に台車に支持させる場合には、作業者の労働負担を軽減させると共に、作業性を高めるため、ブレード装置にブレードを昇降駆動するブレード駆動装置を設けることが好ましい。
【0038】ブレード駆動装置としては、油圧シリンダ、エアシリンダ、電動シリンダ、ソレノイド等の直線駆動装置や、油圧モータ、電動モータ等の回転駆動装置、或いはこのような駆動装置によって駆動される機械機構を用いればよい。
【0039】また、ブレード装置のブレードは、特に限定されないが、ブレードが床面に対応して揺動可能に台車に支持されるように構成することができる。この場合には、何らかの理由で走行装置の走行面に凹凸が生じ、走行装置がその凹凸に乗り込んで台車が傾斜したときにブレードを床面に対して平行に位置させることができ、この結果、ブレードの床からの浮上による作業効率の低下を防止できる。
【0040】また、ブレードが床面に対応して揺動可能に台車に支持される場合には、ブレード装置が昇降可能に台車に支持されるブレードと、これを昇降駆動するブレード駆動装置とを備え、ブレードが走行面と平行になる中立位置にブレードを付勢する中立付勢装置を設けることが好ましい。これにより、床から持ち上げられたブレードが不用意に傾斜して床に接触し、床を傷つけることを防止できる。
【0041】本発明において、台車に支持されるユニットフレームと、ユニットフレームに支持させた起振装置と、このユニットフレームに振動可能に支持され、且つ起振装置で振動されるスクレーパとを備えるスクレーパユニットを設けることは何ら支障がない。
【0042】起振装置としては、エアハンマ、油圧ハンマ等の直接振動を発生するものや、油圧モータ、電動モータ等、偏心カム、偏心回転板、スライダクランク機構等を介して振動を発生するものを用いることができる。
【0043】この場合には、スクレーパユニットのスクレーパによって振動を加えながら床材及び下地層にこびりついた接着剤を剥離することができる。この場合、スクレーパが受ける反動は床材剥離機の重量によって生じる摩擦力によって解消され、操縦者はその反動を受け止める必要はない。
【0044】もっとも、この起振装置を搭載したスクレーパユニットを用いる床材剥離作業は騒音が発生し易いので、できるだけ限定的に行うことが好ましい。
【0045】又、この起振装置はできるだけ作業環境を悪化させないものを採用することが好ましく、この観点からは現時点では、燃焼により酸欠雰囲気となる恐れや排気ガスによる大気汚染が生じる恐れがなく、しかも、運転騒音が少ない電動起振動装置が最も好ましい。
【0046】即ち、起振装置が、走行駆動装置と別体に設けられた蓄電池及びモータを含む電動起振装置からなり、該電動起振装置がユニットフレームに搭載されているものが、有益である。
【0047】この場合、電動起振装置がユニットフレームにおけるスクレーパの近傍に搭載されているものが、この電動起振装置の自重によってスクレーパを床面のタイルに食い込ますことができる結果、タイルの剥離等が一層効率良く行われるので、有益である。
【0048】この電動起振動装置を用いる場合、その駆動源、即ち、電源として商用電源或いは蓄電池が用いられる。しかしながら、電動パワーユニットの電源として商業電源を用いる場合には、壁等に設けたコンセントから床材剥離装置にいたるコードを設ける必要があり、このコードによって床材剥離装置の移動範囲が制限されたり、コードの余長部分の処理が面倒になる場合があるので、現場の状況によって最適な手段を講ずる必要がある。
【0049】これに対して、電源として蓄電池を用いる場合には、床材剥離装置の移動範囲に対する制限がほとんどなくなると共に、面倒なコード処理が不要となる点で有利になる。
【0050】このようにスクレーパユニットを設ける場合、これを台車に固定的に支持させることも可能であるが、移動時にスクレーパが床に接触して床を傷つけることを防止するため、スクレーパユニットを台車に昇降可能に支持させ、必要に応じて作業者の労働負担を軽減すると共に、作業性を高めるため、スクレーパユニットを昇降駆動する昇降駆動装置を設けることが好ましい。
【0051】また、スクレーパユニットの不使用時にスクレーパユニットが走行装置やブレード装置の操縦に要する視野を遮らないようにするため、スクレーパユニットを台車に水平揺動可能に支持させ、必要に応じて作業者の労働負担を軽減すると共に、作業性を高めるため、スクレーパユニットを水平揺動駆動する水平駆動装置を設けることが好ましい。
【0052】ところで、床材剥離機を使用する際に例えば床材剥離機を狭い廊下からエレベータに載せたり、エレベータから狭い廊下に下ろしたりすることがある。このような場合には、狭い所で微妙な操縦操作を行う必要があり、走行装置を用いて床材剥離機を移動させると、廊下の壁、エレベータの側壁、ドア等に衝突して、これらを傷つけることが少なくない。又、例えばエレベータ内に入ってその場で方向転換する必要がある場合等には、操舵操作が著しく困難になったり、操縦操作ができなかったりすることもある。
【0053】このような問題を解決するために、本発明においては、台車の下方にシリンダを介して支持板を昇降可能に支持し、この支持板の下方に自在車輪が回転自在に設けられ、このシリンダを伸長させることにより、自在車輪を下降させて床面に転接させると共に、機体が自在車輪に支持されて床面から持ち上げられるように構成することが望ましい。
【0054】この場合、自在車輪の数としては特に限定されないが、床材剥離機を手で押して移動する際、安全に且つ安定して所要の位置に移動できるようにするために、自在車輪の数を3個以上設けるのが望ましい。
【0055】しかしながら、自在車輪の数が、3個では方向によって走行安定性が悪くなる場合があり、又、自在車輪の個数が多くなると手押しで床材剥離機を動かし始める時に方向性が悪くなると共に、部品点数が多くなる。従って、方向安定性と動かし始めの方向性とを調和させることができる4個の自在車輪を設けることが最も好ましい。
【0056】又、床材剥離機の走行安定性を良好にするために、自在車輪の方向を自在にコントロールする車輪用方向支持体を設けてなるものが、最も有益である。
【0057】又、上記各自在車輪は床材剥離機の重心点からできるだけ遠くに、又、等距離に配置することが好ましい。しかしながら、機体の外側に突出させると壁際の床材の剥離作業の障害になるので、機体の平面輪郭の内側、例えば、走行装置のフレームの前後両端部の車体中央側に設けることが好ましい。
【0058】ところで、上記ブレード駆動装置、スクレーパユニットの起震装置、昇降駆動装置、水平駆動装置、自在車輪を昇降させるシリンダ等の作業用の駆動装置の駆動源としては、走行駆動装置を用いてもよく、又、走行駆動装置とは独立した別体の駆動源を用いてもよい。
【0059】作業用の駆動装置の駆動源として走行駆動装置を用いる場合には、作業用の駆動装置専用の駆動源が設けられず、又、例えば走行駆動装置を走行装置に連結する伝動装置が部分的に共用されるので、全体としての構成が簡単になると共に、軽量化を図ることが可能になる。
【0060】しかしながら、この場合には、作業用の駆動装置と走行装置とを同時に使用する場合に、走行駆動装置の駆動力が作業用の駆動装置と走行装置とに分配されるので、走行力が低下すると共に、作業力、例えば起振装置の振動力が低下するので、走行速度が低下すると共に、作業能率が低下するという問題があり、特に走行駆動装置が蓄電池を含む電動パワーユニットで構成され、その蓄電池が作業用駆動装置の電源に兼用される場合にはこの問題は著しく顕著になる。
【0061】これに対して、作業用の駆動装置の駆動源として、走行駆動装置から独立した駆動源を設ける場合には、作業用の駆動装置と走行装置とを同時に使用しても互いに他方に駆動力を分配することがないので、走行能力の低下及び作業能力の低下を共に防止することができる。また、走行駆動装置の他に作業用の駆動装置専用の駆動源を設けることにより床材剥離機が重量化するが、この重量化によって走行装置の摩擦力が増大され、走行力が増大するという利点も得られる。
【0062】更に、本発明においては、重鎮がユニットフレームにおけるスクレーパの近傍に搭載されているものが、この重鎮によって、スクレーパを床面のタイルに食い込ますことができる結果、タイルの剥離等が一層効率良く行われるので、有益である。
【0063】
【作用】本発明の床材剥離機は、上記構成を有し、ブレードを床下地層に接触させて台車を走行させると、ブレードが床下地層の上側の接着剤及び床タイル等の床材を掻き取る。この掻き取りに対する反動は走行装置の走行力によって解消され、走行装置の走行力は床材剥離機の重量により生じる走行装置の対地摩擦力によって吸収される。したがって、操縦者は操縦装置を操作する他に労力を使わなくて済むことになる。
【0064】なお、ここで床材剥離機の重量とは、走行装置、走行駆動装置、伝動装置、ブレード装置等の重量の総和、更に乗車操縦方式の場合にはこれに操縦者の体重を加えた重量であり、一般に、300〜500kg、特に350〜450kg程度にすればよい。
【0065】また、ブレードを振動させずに移動させるので、ブレードが床の下地層や床材等を打撃して起こる打撃音の発生を防止でき、騒音が発生し難くなる。
【0066】又、本発明においては、台車の下方にシリンダを介して支持板を昇降可能に支持し、この支持板の下方に自在車輪が回転自在に設けられ、このシリンダを伸長させることにより、自在車輪を下降させて床面に転接させると共に、機体が自在車輪に支持されて床面から持ち上げられるように構成することにより、床材剥離機を手で押して移動する際、安全に且つ安定して所要の位置に移動できる作用を有するのである。
【0067】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づき具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1の側面図及び図2の平面図に示す本発明の一実施例に係る床材剥離機の台車1は、クローラ式走行装置2と、その上側に全旋回可能に支持された運転台3とを備えている。
【0068】この運転台3の後部にはクローラ式走行装置2を駆動する走行駆動装置4と、この走行駆動装置4の駆動力をクローラ式走行装置2に伝達する伝動装置5の一部分が搭載され、これらクローラ式走行駆動装置4及び伝動装置5の一部分は運転台3の後部に開閉可能に設けた防音ケース6内に収納されている。
【0069】上記運転台3の前部には操縦装置7が配置され、後部の防音ケース6は、その上に座席8を設けることにより操縦席に兼用されている。
【0070】上記走行装置2は平面視においてH字形のフレーム9と、このフレーム9の各サイドビーム9aの後端に回転自在に支持された駆動輪10と、各サイドビーム9aの前端に回転自在に支持されたアイドラ11と、駆動輪10及びアイドラ11に巻き掛けられたゴムクローラ12とを備える。
【0071】上記走行駆動装置4はガソリンタンク13と、エンジン14と、図示しない吸気系、排気系、バッテリを含むエンジンユニットで構成され、伝動装置4は油圧装置で構成され、この油圧装置の作動油タンク15と、エンジン14により駆動されるオイルポンプ16が防音ケース6内に配置され、クローラ式走行装置2の駆動輪10を個別に駆動する油圧モータ17がフレーム9の各サイドビーム9aの後端に支持される。
【0072】上記クローラ式走行装置2のフレーム9の前側にはブレード装置18が支持され、このブレード装置18は、図3の側面図、図4の平面図及び図5の背面図に示すように、クローラ式走行装置2のフレーム9のセンタービーム9bの前側に昇降揺動可能に支持されたアーム19と、このアーム19の先端に連結機構20を介して前後軸心回りに所定の範囲、例えば中立位置からプラスマイナス5〜10度の範囲で揺動可能に支持されたブレード支持枠21と、このブレード支持枠21の前面に着脱可能に固定されたブレード22と、上記アーム19を昇降駆動する油圧シリンダからなるブレードシリンダ23とを備える。
【0073】上記アーム19は平面視においてT字形に形成され、その先端の中央部に連結機構20のベアリング装置24が連結され、その先端の左右両端部に連結装置のピン止め機構25が連結される。
【0074】上記連結機構20のベアリング装置24は、アーム19の先端に固定された円筒形のハウジング26と、このハウジング26に内嵌支持された円筒形のブシュ27と、このブシュ27に内嵌され、ブレード支持枠21に固定された回転軸28とで構成される。
【0075】また、上記連結機構20のピン止め機構25は、アーム19の先端の左右両端部に対応する位置で上下に適当な間隔を置いてブレード支持枠21に固定されるピン受部29と、上下に各対をなすピン受部29及びこれらの間に挿入されるアーム19の先端の左或いは右端部とに挿通される連結ピン30とを備え、各ピン受部29とアーム19の先端部の左或いは右端部との間には、ブレード支持枠21及びブレード22をブレード22が走行面と、平行になる中立位置に付勢する中立付勢ばね31が挿入される。
【0076】上記ブレード支持枠21及びブレード22は、クローラ式走行装置2よりも広幅に形成され、走行装置2の左右両側に均等に張り出すようにして台車1に支持させる。
【0077】なお、ブレード22は例えば、切削用工具鋼、高速度鋼、ダイス鋼、ゲージ鋼等の工具用特殊鋼、セラミックス等で作られ、その上下両端に切刃32を形成してあり、この切刃32は使用中に床下地層との接触によって研がれるが、床下地層の異物と衝突して変形したり、使用不能になり、この一方の切刃32が上になるように、又、他方の切刃32が下になるように付け替え、両方の切刃32が使用不能になれば新品と交換される。
【0078】図1及び図2に示すように、上記運転台3の前端部には水平揺動可能に揺動ブラケット33が支持され、この揺動ブラケット33に昇降揺動可能に支持されたビーム34とチルト機構35とを介してスクレーパユニット36を支持させてある。
【0079】また、運転台3と揺動ブラケット33とにわたって揺動ブラケット33を揺動駆動する油圧シリンダからなるブラケットシリンダ37が、又、揺動ブラケット33とビーム34とにわたってビームを昇降揺動させる油圧シリンダからなるビームシリンダ38が、更に、ビーム34とチルト機構35とにわたってチルト機構35を駆動する油圧シリンダからなるチルトシリンダ39が、それぞれ設けられる。
【0080】上記スクレーパユニット36は、ユニットフレーム40と、このユニットフレーム40に前後揺動可能に支持されたスクレーパ支持板41と、スクレーパ支持板41に着脱可能に固定されるスクレーパ42と、スクレーパ支持板41及びスクレーパ42を駆動する起振装置43とを備える。この起振装置43には、スクレーパ支持板41及びスクレーパ42を揺動駆動するように構成してあればよく、例えば油圧モータ44と、これにスクレーパ支持板41を連動連結するクランク機構45とを備える。
【0081】なお、この床材剥離機の重量は約370kgであり、エンジン14の出力は3.5ps/3000rpm、床材剥離機の走行速度は1.4km/hであり、クローラ12の接地圧は0.14kg/cmである。
【0082】この床材剥離機においては、ブレードシリンダ23を操作してブレード22の下端縁を床構造の下地層の上面の高さに調整し、台車1を走行させると、ブレード22が床タイル及びその裏面の接着剤を掻き取り、これにより床タイルが剥離される。この掻き取りに対する反動は走行装置の走行力によって解消され、走行装置の走行力は床材剥離機の重量により生じる走行装置の対地摩擦力によって吸収される。
【0083】したがって、操縦者は操縦装置7を操作する他に労力を使わなくて済むことになり、従来に比べると著しく労働が軽減され、また、剥離作業の反動によって床材剥離機が後退するおそれはなく、床材剥離機の後退に伴う負傷の危険性もなくなり、安全性が著しく高められる。
【0084】特に、この実施例では、台車1に運転台3を設け、運転台3の後部に設けた座席8に座って、操縦装置7を操作することにより、床材剥離機を操縦できるようにしているので、床材剥離機と作業現場の壁との間に挟まれたりする危険性が殆どなくなるので、一層安全性が高められる。
【0085】また、この実施例では、特に運転台3を走行装置2に対して全旋回可能に設けているので、操縦者は運転台3の方向を変えることにより床材剥離機の走行や剥離作業の監視等に最適の姿勢をとることができ、作業性を高められるとともに、精神的ストレスがたまり難くなり、労働が一層軽減される。
【0086】この床材剥離機においては、ブレード22を台車1で押して床タイル及び接着剤を掻き取るので、ブレード22が床タイル、接着剤或いは床下地層を打撃する音が発生せず、騒音が発生し難くなる。その結果、一般に仕事が行なわれる平日の昼間でも剥離作業を行うことができるようになり、人材を確保し易くなる。
【0087】特に、この実施例では、主な騒音発生源である走行駆動装置4を防音ケース6で覆っているので、周囲への騒音、振動の放散が一層少なくなり、一般に仕事が行なわれる平日の昼間でも剥離作業を行うことが一層容易になり、人材を一層確保し易くなる。
【0088】また、この床材剥離機においては、剥離された床タイル、接着剤等の廃材はブレード22の左右両横側に排除されるが、ブレード22が走行装置2と略等幅或いは広幅に形成されているので、走行装置2が廃材の上に乗り上げるおそれはなくなり、廃材への走行装置2の乗り上げによるブレード22の浮き上がりが発生する恐れや、これにより作業性が低下する恐れもなくなり、作業性を著しく高めることができる。
【0089】特に、この実施例では、ブレード22が床面に対応して揺動可能に台車1に支持されるので、何らかの理由で台車1がローリング傾斜してもブレード22は床下地層の上面に馴染み、床下地層の上面から浮き上がることが防止される。その結果、ブレード22が床下地層の上面から浮き上がって作業効率が低下することが防止され、一層作業性を高めることができる。
【0090】その結果、この床材剥離機によれば、素人の作業者であっても、例えば、比較的接着剤の接着力が強い塩ビタイルの場合には1時間当たり100〜120m程度、比較的接着剤の接着力が弱いPタイル(商品名)の場合には1時間当たり200m程度の剥離作業を処理できるようになる。
【0091】また、この実施例の走行装置2はクローラ式走行装置で構成しているので、単位面積当たりの接地圧を一定以下に抑えながらも全体として重い重量を支持することができ、強力な走行力を得ることができ、強力な接着剤を使用する場合でも確実に床タイル及び接着剤を床下地層から剥離することができる。
【0092】また、この実施例では走行駆動装置4をガソリンエンジンユニットで構成しているので、燃料を比較的容易に、かつ、安価に入手できる上、灯油エンジンや軽油エンジンに比べれば汚染性の低い排気ガスを排出されることができ、屋内での作業環境の悪化防止を図る上で有利である。
【0093】また、この実施例では、伝動装置5を油圧装置で構成しているので、走行駆動用の油圧モータ17のほかにも、ブレードシリンダ23、ブラケットシリンダ37、ビームシリンダ38、チルトシリンダ39、スクレーパユニット36の油圧モータ44及び運転台3を旋回駆動する油圧モータに油圧配管を接続することにより、走行駆動装置4の駆動力でオイルポンプ16から圧油を圧送してそれらの油圧出力機器を駆動することができ、床材剥離機全体の構成を簡単にできる。
【0094】更に、この床材剥離機では、ブレード22を昇降可能に台車1に支持させているので、移動時にはブレード22を床面から高く持ち上げることができ、ブレード22が不用意に床に接触して床を傷つけることを防止できる。
【0095】また、この床材剥離機では、ブレード22を中立位置に付勢する中立付勢ばね31が設けられているので、ブレード22を持ち上げた時にブレード22が不用意に傾斜して床に接触することを防止でき、ブレード22の接触によって床を傷つけることを一層確実に防止できるとともに、ブレード22のがたつきを防止でき、ブレード22のがたつきによる騒音の発生を防止できる。
【0096】更に、この床材剥離機は、スクレーパユニット36を備えているので、ブレード22によって剥離できない程度に強固に接着されている接着剤や床タイルが局所的に残る場合等にこのスクレーパユニット36を用いて、スクレーパ42を振動させながら台車1で押し進めることにより、確実に局所的に残る接着剤や床タイルを剥離することができる。
【0097】しかも、このスクレーパユニット36は台車1に昇降揺動可能に支持させてあるので、移動時にはスクレーパユニット36を床面から高く持ち上げることができ、スクレーパユニット36が不用意に床に接触して床を傷つけることを防止できる。
【0098】また、このスクレーパユニット36は台車1に水平揺動可能に支持してあるので、不使用時にはスクレーパユニット36を走行状態や他の作業の作業状態の監視の妨げとならない位置に退避させることができ、スクレーパユニット36によって視野が遮られて作業性が低下することを防止でき、作業性を高めることができる。
【0099】本発明の他の実施例においては、例えば図6の側面図に示すように、ブレード装置118のアーム119とブレード支持枠121とを連結する連結機構120のベアリング装置124が、アーム119の先端に固定された円筒形のハウジング126と、ハウジング126に内嵌支持された球面のブシュ127と、このブシュ127に内嵌され、ブレード支持枠121に固定された球面128とで構成される。
【0100】なお、図6において122はブレード、123はブレードシリンダ、109はフレーム、109bはセンタービームを示す。
【0101】この実施例のその他の構成、作用ないし効果は上記の一実施例の場合と同様であるので、重複を避けるためこれらの説明は省略する。
【0102】本発明のまた他の実施例においては、例えば図7の側面図に示すように、ブレード装置218のアーム219と、ブレード支持枠221とを連結する連結機構220が上下一対のベアリング装置224を備え、各ベアリング装置224はアーム219の先端に固定された円筒形のハウジング226と、ハウジング226に内嵌支持された球面のブシュ227と、ブシュ227に内嵌され、ブレード支持枠221に固定された球体228とで構成される。
【0103】なお、図7において222はブレード、223はブレードシリンダ、209はフレーム、209bはセンタービームを示す。
【0104】この実施例のその他の構成、作用ないし効果は上記の各実施例の場合と同様であるので、重複を避けるためこれらの説明は省略する。
【0105】図8の平面図及び図9の断面図に示す本発明の又更に他の実施例においては、フレーム9の各サイドビーム9aの前後両端部の車体中央側にそれぞれ縦軸方向に伸縮するシリンダ46を介して自在車輪47を昇降可能に支持させている。
【0106】そして、これらシリンダ46を伸長させることにより、自在車輪47を下降させて床面に転接させると共に、機体を床面から持ち上げて、自由に床材剥離機を手で押して、その場で床材剥離機を旋回させたり、方向を変換しながら移動させたり、斜め方向に移動させたりすることができるようにしている。
【0107】これにより、床材剥離機を手で押して微妙に移動させて、例えば床材剥離機を狭い廊下からエレベータに載せたり、エレベータから狭い廊下に下ろしたりすることが容易になる。又、このような際に、床材剥離機を手で押して微妙に移動させることにより、機体が廊下の壁、エレベータの側壁、ドア等に衝突することを防止でき、この衝突によって廊下の壁、エレベータの側壁、ドア等が傷つくことを防止できる。
【0108】この実施例のその他の構成、作用ないし効果は上記の各実施例の場合と同様であるので、重複を避けるためこれらの説明は省略する。
【0109】図10の平面図及び図11の断面図に示す本発明のもう一つの実施例においては、フレーム9のセンタービーム9bの中央部に縦軸方向に伸縮するシリンダ146を介して昇降枠148を昇降可能に支持する。この支持枠148はセンタービーム9bの前後両側に張り出させてあり、その前後両端部の左右両側に自在車輪147が支持される。
【0110】そして、このシリンダ146を伸長させることにより、自在車輪147を下降させて床面に転接させると共に、機体を床面から持ち上げて、自由に床材剥離機を手で押して、その場で床材剥離機を旋回させたり、方向を変換しながら移動させたり、斜め方向に移動させたりすることができるようにしている。
【0111】この場合、自在車輪147の方向を自在にコントロールする車輪用方向支持体(図示せず)を設け、この車輪用方向支持体で自在車輪147の方向を定めて移動し易くするのが望ましい。
【0112】この実施例のその他の構成、作用ないし効果は前例の場合と同様であるので、重複を避けるためこれらの説明は省略する。
【0113】上記の各実施例では、床材剥離装置の全ての駆動装置の駆動源が共通のエンジンユニット4で構成され、伝動装置5の一部分、例えばオイルポンプ16等が全ての駆動装置に共用されている。しかしながら、エンジンユニット4は、燃焼によって酸欠雰囲気を形成したり、大気汚染が発生したりする上、運転騒音が大きく、これらの問題を解消するためには、現時点では、電気を駆動源として用いることが最も好ましい。
【0114】電気を駆動源として用いる場合、電源として商用電源を用いることが可能であるが、この場合には、壁等に設けたコンセントから床材剥離機にいたるコードを設ける必要があり、このコードによって床材剥離機の移動範囲が制限されたり、コードの余長部分の処理が面倒になる場合がある。
【0115】これに対して、電源として蓄電池を用いる場合には、床材剥離機の移動範囲に対する制限はほとんどなくなると共に、面倒なコード処理は不要となる。しかし、この場合走行駆動装置の電源である蓄電池が作業用の駆動装置、即ち、ブレードシリンダ、起振装置、スクレーパユニットのビームシリンダ、チルトシリンダ、ブラケットシリンダ、自在車輪を昇降させるシリンダ等の駆動源に共用される場合には、走行装置と作業装置とを同時に使用すると、蓄電池の電力が走行駆動装置と作業用の駆動装置とに分配されることになり、走行駆動装置の出力及び作業用の駆動装置の出力が低下する。
【0116】この問題を解決するためには、走行駆動装置とその他の駆動装置とを備える場合には、走行駆動装置の駆動源及びこの駆動源を走行駆動装置に結合する駆動系統から独立させればよい。
【0117】例えば図12の構成図に示すように、走行駆動装置304を一対のモータで構成し、これらのモータ304の駆動源として蓄電池304aを設ける一方、その他の駆動装置として油圧出力装置、即ち、ブレードシリンダ323、ブラケットシリンダ337、ビームシリンダ338、チルトシリンダ339、油圧モータ344を設け、これらの駆動源として、別の蓄電池351と、この蓄電池351によって駆動されるモータ352と、モータ352によって駆動されるオイルポンプ353とを設け、オイルポンプ353から吐出される圧油をこれらの油圧出力装置に分配するように構成すればよい。
【0118】又、図13及び図14は本発明の更に他の実施例を示し、起振装置43はできるだけ作業環境を悪化させないものを採用することが好ましく、この観点から、燃焼により酸欠雰囲気となる恐れや排気ガスによる大気汚染が生じる恐れがない上、運転騒音が少ない電動起振動装置が最も好ましい。
【0119】即ち、起振装置43が、走行駆動装置4と別体に設けられた蓄電池及びモータを含む電動起振装置200からなり、該電動起振装置200がユニットフレーム40に搭載されているものが、有益である。
【0120】この場合、電動起振装置200がユニットフレーム40におけるスクレーパ42の近傍に搭載されているものが、この電動起振装置200の自重によってスクレーパ42を床面のタイルに食い込ますことができる結果、タイルの剥離等が一層効率良く行われるので、有益である。
【0121】この電動起振動装置200を用いる場合、その駆動源、即ち、電源として商用電源或いは蓄電池が用いられるが、電源として蓄電池201を用いる場合には、床材剥離装置の移動範囲に対する制限がほとんどなくなると共に、面倒なコード処理が不要となる点で有利になる。
【0122】この実施例のその他の構成、作用ないし効果は、前例の場合と同様であるので、重複を避けるためこれらの説明は省略する。
【0123】更に、本発明においては、厚手の鉄板等で形成された重鎮がユニットフレーム40におけるスクレーパ42の近傍に着脱自在に搭載し得るようにしたものが、この重鎮によって、スクレーパ42を床面のタイルに食い込ますことができる結果、タイルの剥離等が一層効率良く行われるので、有益である。
【0124】この実施例のその他の構成、作用ないし効果は前例の場合と同様であるので、重複を避けるためこれらの説明は省略する。
【0125】
【発明の効果】本発明の床材剥離機は、上記構成を有し、ブレードを床下地層に接触させて台車を走行させることにより、ブレードで床下地層の接着剤及び床タイル等の床材を掻き取ることができ、この掻き取りに対する反動が走行装置の走行力によって解消される。したがって、操縦者は操縦装置を操作する他に労力を使わずに済み、労働が著しく軽減される。
【0126】また、ブレードを振動させずに移動させるので、ブレードが床の下地層や床材等を打撃ないし衝突して起こる打撃音の発生を防止でき、騒音が発生し難くなり、一般に仕事が行なわれる平日の昼間でも床材剥離作業ができるようになり、人材の確保が容易になる。
【0127】更に、ブレードを走行装置(台車)と略等幅或いは広幅に形成しているので、ブレードの両横側に排除される廃材に走行装置が乗り上げることやこれによりブレードが床面から浮き上がることが防止され、ブレードの浮き上がりによる作業効率の低下が防止される。
【0128】本発明において、走行装置がクローラ式走行装置で構成される場合には、接地圧を低く抑えながらも強力な走行力を確保することができ、確実な床材剥離作業が行えるようになる。
【0129】また、本発明において、走行装置がタイヤ式走行装置で構成される場合には、走行装置の構成が簡単で安価になり、床材剥離機全体を安価に製造できる。
【0130】また、本発明において、走行駆動装置が、燃料タンク及びエンジンを含むエンジンユニットで構成される場合、或いは、蓄電池及びモータを含む電動パワーユニットで構成される場合には、床材剥離機の重量がエンジンユニット或いは電動パワーユニットによって十分に重量化されるので、走行装置の接地摩擦力を十分に大きくして強力な走行力を得ることができ、確実な床材剥離作業が行えるのである。
【0131】また、本発明において、走行駆動装置を収納する防音ケースが設けられる場合には、主要な騒音源である走行駆動装置の騒音が周囲に放散されることが防音ケースによって防止されるので、作業の静粛性が一層高められ、一般に仕事が行なわれる平日の昼間でも床材剥離作業がより容易に行えるようになり、人材の確保が一層容易になる。
【0132】また、本発明において走行駆動装置の駆動力を走行装置に伝達する伝動装置が油圧装置で構成される場合には、その他の可動部分を駆動する駆動手段を油圧出力装置で構成し、油圧装置の圧油を各油圧出力装置に分配することにより床材剥離機全体の構成を簡単にでき、容易に、且つ安価にできるようになる。
【0133】もっとも、上記伝動装置を機械的伝動装置で構成することは何ら妨げられない。
【0134】又、本発明においては、台車に歩行操縦用のハンドルを設け、該ハンドルに操縦装置を支持させたものが、操縦性が良好になるので、有益である。
【0135】このように歩行操縦方式を採用する場合には、台車の方向を操るために操縦者が把持するハンドルが台車に設けられる。又、操縦のためにハンドルを持って歩行しながら発進、停止や走行速度の制御、ブレード装置の制御等を容易に行えるようにするため、このハンドルに例えば速度制御用レバー、走行用の伝動装置に介在させたクラッチを操作するクラッチレバー、伝動装置に介在させた変速機のシフトレバー、エンジンの緊急停止ボタン、後述する作業用の駆動装置を制御するための操作レバー等の操縦装置を支持させれば良い。
【0136】この床材剥離機は、操縦方式という観点からは操縦者(作業者)が床材剥離機に乗車する乗車操縦方式を採用することも、操縦者が床材剥離機に随伴して歩行する歩行操縦方式を採用することも可能であるが、操縦者の労働を軽減するためには乗車操縦方式を採用することが好ましい。
【0137】このように乗車操縦方式を採用する場合には、台車に運転席と操縦装置とを備える運転台が設けられる。この場合、特に限定されないが、床材剥離機の平面投影面積を小さくするため、運転台に走行駆動装置を収納する防音ケースを設け、この防音ケースを運転席に兼用することが可能である。
【0138】また、このように、台車に運転席と操縦装置とを備える運転台が設けられる場合には、操縦者が台車に乗車して床材剥離機を操縦できるので、操縦者が走行中の台車に巻き込まれたり、台車と衝突したり、台車と壁等との間に挟まれたりするおそれがなくなるので、一層安全性が高められる。
【0139】また、本発明において、運転台に走行駆動装置を収納する防音ケースが設けられ、且つ防音ケースが運転席に兼用される場合には、作業の静粛性が高められるとともに、台車の平面投影面積が小さくなり、床材剥離機の運送や作業可能な最小床面積を小さくできる効果を有するのである。
【0140】また、本発明において、運転台が走行装置に対して全旋回可能に設けられる場合には、操縦者が走行状態や作業状態を監視するのに最適な方向に台車を向け変えることができるので、作業性が高められるとともに、操縦者の精神的ストレスが軽減され、労働が一層軽減される。
【0141】また、本発明において、ブレード装置が昇降可能に台車に支持されるブレードと、これを昇降駆動するブレード駆動装置とを備える場合には、床材剥離機の移動時等にブレードを床面から高く持ち上げてブレードが不用意に床に接触することを防止でき、ブレードの接触により床が傷つくことを防止できる効果を有するのである。
【0142】また、この場合に、ブレード駆動装置が伝動装置を介して走行駆動装置により駆動されるように構成する場合には、床材剥離機全体の駆動系の構成を簡単にすることができ、床材剥離機を安価に製造することができる。
【0143】更に、この場合に、ブレード駆動装置が油圧出力装置で構成され、伝動装置が油圧装置で構成される場合には、特に簡単な構成でブレード駆動装置を伝動装置を介して走行駆動装置により駆動できるようになる。
【0144】又、ブレード装置がブレード駆動装置を備える場合に、ブレード駆動装置を走行装置の駆動源から独立した駆動源で駆動されるように構成する場合には、ブレード駆動装置の使用時に走行駆動力が低下する恐れがなく、ブレード駆動装置の使用時に走行速度が低下することを防止できる。
【0145】特に、走行駆動装置が電動ユニットで駆動される場合に、その電動ユニットの電源と異なる駆動源でブレード駆動装置が駆動されるように構成する場合には、ブレード駆動装置の使用時に走行速度が低下することを防止できる。
【0146】本発明において、ブレード装置が昇降可能に台車に支持されるブレードと、これを昇降駆動するブレード駆動装置とを備え、しかも、ブレードが床面に対応して揺動可能に台車に支持される場合には、台車が傾斜した時にブレードの下縁を床下地層に馴染ませることができるので、ブレードが傾斜して床下地層から浮き上がることを防止して、ブレードの浮き上がりによる作業効率の低下を防止できると共に、作業性を高めることができる。
【0147】更に、この場合に、ブレードが走行面と平行になる中立位置にブレードを付勢する中立付勢装置とを備えることにより、ブレードを持ち上げて移動する時にブレードが傾斜して床に接触することを防止でき、ブレードの接触により床が傷つくことを確実に防止できる。
【0148】本発明において、台車に支持されたユニットフレームと、このユニットフレームに支持された起振装置と、ユニットフレームに振動可能に支持されると共に起振装置で振動されるスクレーパとを備えるスクレーパユニットを設ける場合には、台車の走行力に加えて起振装置の振動力をスクレーパに与えて、床下地層に特に強力に接着した接着剤や床材をスクレーパで剥離することができる。この場合、スクレーパが受ける反動は床材剥離機の重量によって生じる摩擦力によって解消され、操縦者はその反動を受け止める必要はないのである。
【0149】この場合、このスクレーパユニットを台車に昇降可能に支持させることにより、スクレーパの不使用時にスクレーパユニットを上昇させて不用意にスクレーパユニットが床面ないし床下地層に接触することを防止でき、スクレーパの接触によって床面や床下地層が傷つくことを防止できる。
【0150】又、この起振装置はできるだけ作業環境を悪化させないものを採用することが好ましく、この観点からは現時点では、燃焼により酸欠雰囲気となる恐れや排気ガスによる大気汚染が生じる恐れがなく、しかも、運転騒音が少ない電動起振動装置が最も好ましい。
【0151】即ち、起振装置が、走行駆動装置と別体に設けられた蓄電池及びモータを含む電動起振装置からなり、該電動起振装置がユニットフレームに搭載されているものが、有益である。
【0152】この場合、電動起振装置がユニットフレームにおけるスクレーパの近傍に搭載されているものが、この電動起振装置の自重によってスクレーパを床面のタイルに食い込ますことができる結果、タイルの剥離等が一層効率良く行われるので、有益である。
【0153】この電動起振動装置を用いる場合、その駆動源、即ち、電源として商用電源或いは蓄電池が用いられる。しかしながら、電動パワーユニットの電源として商業電源を用いる場合には、壁等に設けたコンセントから床材剥離装置にいたるコードを設ける必要があり、このコードによって床材剥離装置の移動範囲が制限されたり、コードの余長部分の処理が面倒になる場合があるので、現場の状況によって最適な手段を講ずる必要がある。
【0154】これに対して、電源として蓄電池を用いる場合には、床材剥離装置の移動範囲に対する制限がほとんどなくなると共に、面倒なコード処理が不要となる点で有利になる。
【0155】更に、スクレーパユニットを台車に昇降可能に支持させる場合に、スクレーパユニットを昇降駆動する昇降駆動装置を設けることにより、労働を一層軽減することができる。
【0156】また、スクレーパユニットを台車に水平揺動可能に支持させることにより、スクレーパの不使用時にスクレーパユニットを走行状態や他の作業状態を監視する視野の外に移動させて、作業性を高めることができる。
【0157】この場合、スクレーパユニットを水平揺動駆動する水平揺動駆動装置を設けることにより、労働を一層軽減することができる。
【0158】本発明において、特に走行駆動装置とその他の駆動装置とが設けられ、走行駆動装置、その駆動源及びその駆動源を走行駆動装置に結合する駆動系統がその他の駆動装置、その駆動源及びその駆動源を他の駆動装置に結合する駆動系統から独立して設けられる場合には、その他の駆動装置の使用によって走行駆動力が低下することを防止でき、走行駆動力の低下による走行速度の低下や作業性の低下を防止できる。この効果は、走行駆動装置の駆動源が蓄電地である場合には特に顕著に現れる。
【0159】ところで、本発明においては、上記ブレード駆動装置、スクレーパユニットの起震装置、昇降駆動装置、水平駆動装置、自在車輪を昇降させるシリンダ等の作業用の駆動装置の駆動源としては、走行駆動装置を用いてもよく、又、走行駆動装置とは独立した別体の駆動源を用いてもよい。
【0160】作業用の駆動装置の駆動源として走行駆動装置を用いる場合には、作業用の駆動装置専用の駆動源が設けられず、又、例えば走行駆動装置を走行装置に連結する伝動装置が部分的に共用されるので、全体としての構成が簡単になると共に、軽量化を図ることが可能になる。
【0161】これに対して、作業用の駆動装置の駆動源として、走行駆動装置から独立した駆動源を設ける場合には、作業用の駆動装置と走行装置とを同時に使用しても互いに他方に駆動力を分配することがないので、走行能力の低下及び作業能力の低下を共に防止することができる。また、走行駆動装置の他に作業用の駆動装置専用の駆動源を設けることにより床材剥離機が重量化するが、この重量化によって走行装置の摩擦力が増大され、走行力が増大するという利点も得られる。
【0162】本発明においては、台車の下方にシリンダを介して支持板を昇降可能に支持し、この支持板の下方に自在車輪が回転自在に設けられ、このシリンダを伸長させることにより、自在車輪を下降させて床面に転接させると共に、機体が自在車輪に支持されて床面から持ち上げられるように構成し、これによって、床面から持ち上げられた機体を手で押すことによって機体をその場で旋回させたり、任意の方向に移動させたり、任意の方向に移動させながら機体の方向を転換させたりすることができる効果を有するのである。
【0163】この場合、自在車輪の数としては特に限定されないが、床材剥離機を手で押して移動する際、安全に且つ安定して所要の位置に移動できるようにするために、自在車輪の数を3個以上設けるのが望ましい。
【0164】しかしながら、自在車輪の数が、3個では方向によって走行安定性が悪くなる場合があり、又、自在車輪の個数が多くなると手押しで床材剥離機を動かし始める時に方向性が悪くなると共に、部品点数が多くなる。従って、方向安定性と動かし始めの方向性とを調和させることができる4個の自在車輪を設けることが最も好ましい。
【0165】これにより、床材剥離機を使用する際に例えば床材剥離機を狭い廊下からエレベータに載せたり、エレベータから狭い廊下に下ろしたりすることができるので、狭い所で微妙な操縦操作を行うことができたり、走行装置を用いて床材剥離機を移動させるとき、廊下の壁、エレベータの側壁、ドア等に衝突して、これらを傷つけることが防止される。又、例えばエレベータ内に入ってその場で方向転換が可能である等、操舵操作が著しく容易になったり、操縦操作が容易になるのである。
【0166】又、床材剥離機の走行安定性を良好にするために、自在車輪の方向を自在にコントロールする車輪用方向支持体を設けてなるものが、最も有益である。更に、本発明においては、重鎮がユニットフレームにおけるスクレーパの近傍に搭載されているものが、この重鎮によって、スクレーパを床面のタイルに食い込ますことができる結果、タイルの剥離等が一層効率良く行われるので、有益である。
【0167】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例の側面図である。
【図2】図2は本発明の一実施例の平面図である。
【図3】図3は本発明の一実施例のブレード装置の側面図である。
【図4】図4は本発明の一実施例のブレード装置の平面図である。
【図5】図5は本発明の一実施例のブレード装置の背面図である。
【図6】図6は本発明の他の実施例のブレード装置の側面図である。
【図7】図7は本発明のまた他の実施例のブレード装置の平面図である。
【図8】図8は本発明のまた更に他の実施例である。
【図9】図9は本発明のまた更に他の実施例の断面図である。
【図10】図10は本発明のもう一つの実施例の平面図である。
【図11】図11は本発明のもう一つの実施例の断面図である。
【図12】図12は本発明の別の駆動系統の構成図である。
【図13】図13は本発明の更にもう一つの実施例の断面図である。
【図14】図14は本発明の更に別の駆動系統の構成図である。
【0168】
【符号の説明】
1 台車
2 クローラ式走行装置
3 運転台
4 走行駆動装置
5 伝動装置
6 防音ケース(兼運転席)
7 操縦装置
8 座席
13 ガソリンタンク
14 エンジン
18 ブレード装置
22 ブレード
23 ブレードシリンダ
31 中立付勢ばね
36 スクレーパユニット
37 ブラケットシリンダ
38 ビームシリンダ
39 チルトシリンダ
40 ユニットフレーム
42 スクレーパ
43 起振装置
46 シリンダ
47 自在車輪
118 ブレード装置
122 ブレード
123 ブレードシリンダ
146 シリンダ
147 自在車輪
218 ブレード装置
222 ブレード
223 ブレードシリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行装置と、この走行装置を駆動する走行駆動装置とを備える台車、及びこの台車の前部に、床下地層の上面に接触可能に支持され、且つ走行装置の幅と略等幅或いは広幅に形成されたブレードを有するブレード装置を設けたことを特徴とする床材剥離機。
【請求項2】 走行装置がクローラ式走行装置で構成されている請求項1に記載の床材剥離機。
【請求項3】 走行装置がタイヤ式走行装置で構成されている請求項1に記載の床材剥離機。
【請求項4】 走行駆動装置が、燃料タンク及びエンジンを含むエンジンユニットで構成されいる請求項1ないし3のいずれかに記載の床材剥離機。
【請求項5】 走行駆動装置が、蓄電池及びモータを含む電動パワーユニットで構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の床材剥離機。
【請求項6】 走行駆動装置を収納する防音ケースが設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載の床材剥離機。
【請求項7】 走行装置が伝動装置を介して走行駆動装置で駆動される請求項1ないし6のいずれかに記載の床材剥離装置。
【請求項8】 伝動装置が油圧装置で構成されている請求項7に記載の床材剥離機。
【請求項9】 伝動装置が機械的伝動機構で構成されている請求項7に記載の床材剥離機。
【請求項10】 台車に歩行操縦用のハンドルを設け、該ハンドルに操縦装置を支持させた請求項1ないし9のいずれかに記載の床材剥離機。
【請求項11】 台車に運転席と操縦装置とを備える運転台が設けられている請求項1ないし9のいずれかに記載の床材剥離機。
【請求項12】 運転台に走行駆動装置を収納する防音ケースが設けられ、且つこの防音ケースが運転席に兼用されている請求項11に記載の床材剥離機。
【請求項13】 運転台が走行装置に対して全旋回可能に設けられている請求項11又は12に記載の床材剥離機。
【請求項14】 運転台に走行操縦用のハンドルを設け、該ハンドルに操縦装置を支持させた請求項11ないし13のいずれかに記載の床材剥離機。
【請求項15】 ブレード装置が昇降可能に台車に支持されるブレードと、これを昇降駆動するブレード駆動装置とを備える請求項1ないし14のいずれかに記載の床材剥離機。
【請求項16】 ブレードが床面に対応して揺動可能に台車に支持される請求項1ないし15のいずれかに記載の床材剥離機。
【請求項17】 ブレード装置が昇降可能に台車に支持されるブレードと、これを昇降駆動するブレード駆動装置とを備え、且つブレードが走行面と平行になる中立位置にブレードを付勢する中立付勢走行装置を備える請求項16に記載の床材剥離機。
【請求項18】 台車に支持されるユニットフレームと、このユニットフレームに支持される起振装置と、該ユニットフレームに振動可能に支持され、且つ起振装置で振動されるスクレーパとを備えるスクレーパユニットを設けた請求項1ないし17のいずれかに記載の床材剥離機。
【請求項19】 起振装置が、走行駆動装置と別体に設けられた蓄電池及びモータを含む電動起振装置からなり、該電動起振装置がユニットフレームに搭載されている請求項18に記載の床材剥離機。
【請求項20】 電動起振装置がユニットフレームにおけるスクレーパの近傍に搭載されている請求項19に記載の床材剥離機。
【請求項21】 スクレーパユニットが台車に昇降可能に支持されている請求項18又は19に記載の床材剥離機。
【請求項22】 スクレーパユニットを昇降駆動する昇降駆動装置を設けた請求項21に記載の床材剥離装置。
【請求項23】 スクレーパユニットが台車に水平揺動可能に支持されている請求項18ないし22のいずれかに記載の床材剥離機。
【請求項24】 スクレーパユニットを水平揺動させる水平揺動駆動装置を設けた請求項23に記載の床材剥離装置。
【請求項25】 走行駆動装置の他に作業用の駆動装置が設けられ、作業用の駆動装置が走行駆動装置で駆動される請求項15ないし24のいずれかに記載の床材剥離装置。
【請求項26】 走行駆動装置の他に作業用の駆動装置が設けられ、走行駆動装置と、作業用の駆動装置の駆動源が互いに独立して設けられる請求項15ないし24のいずれかに記載の床材剥離装置。
【請求項27】 走行駆動装置と作業用の駆動装置とが部分的に共有される伝動装置を介して走行駆動装置に連動連結される請求項25又は26に記載の床材剥離装置。
【請求項28】 走行駆動装置が蓄電池及びモータを含む電動パワーユニットで構成される請求項25ないし27のいずれかに記載の床材剥離装置。
【請求項29】 台車の下方にシリンダを介して支持板を昇降可能に支持し、この支持板の下方に自在車輪が回転自在に設けられ、このシリンダを伸長した時に機体が自在車輪に支持されて床面から持ち上げられる請求項1ないし28のいずれかに記載の床材剥離装置。
【請求項30】 自在車輪の方向を自在にコントロールする車輪用方向支持体を設けてなる請求項29に記載の床材剥離装置。
【請求項31】 重鎮がユニットフレームにおけるスクレーパの近傍に搭載されている請求項1ないし30のいずれかに記載の床材剥離機。

【図1】
image rotate


【図3】
image rotate


【図5】
image rotate


【図2】
image rotate


【図4】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図10】
image rotate


【図9】
image rotate


【図11】
image rotate


【図12】
image rotate


【図13】
image rotate


【図14】
image rotate


【公開番号】特開平6−50009
【公開日】平成6年(1994)2月22日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−86307
【出願日】平成4年(1992)3月9日
【出願人】(391062908)