説明

店舗における欠品防止システム及びその方法

【課題】 ユーザが何時でも何処でも所望の販売実績などを含む売上情報を得ることができることで、販売店舗での欠品防止を可能とする。
【解決手段】 インターネット40のような通信網に接続する情報管理配信サーバ50が、販売店舗10での販売実績をPOSレジスタ11などから情報収集サーバ30を介して収集し、携帯電話71などで閲覧可能に編集し登録情報として保持する。閲覧可能とするため、情報管理配信サーバ50から携帯電話71などへメール形式で直接送信する方法以外、登録情報にウェブアドレス、例えばURLを付与してそれを情報管理配信サーバ50から例えば携帯電話71に通知し、携帯電話71からURLにより登録情報にアクセスさせて呼び出し、携帯電話71に画面表示させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品販売店舗における販売状況の確認が容易なシステム、特に産地における直売所での欠品を防止できる店舗での欠品防止システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の店舗における欠品防止システムでは、例えば、産地直売所において農産物等の産品の納入者である生産者が、自分の納入品がどの程度販売されたかの把握を実行している。そのため、生産者は直売所まで実際に足を運んで確認するのが一般的であったので、その確認の機会が少ないため、販売機会を逃すことが多く、売上げの促進ができなかった。
【0003】
このような問題を解決するため、例えば、特開2001−306887号公報(特許文献1)に、最近普及の著しい携帯電話機を用いる「売上げ情報入手のビジネスモデル」が開示されている。
【0004】
これについて、図7を参照して説明する。携帯電話70は電話会社、例えばNTTドコモグループの「iモード(登録商標)」を用いて公衆通信網140を利用し、各販売店のPOS(Point Of Sales:販売時点管理)レジスタ110から店舗売上げ情報を入手している。
【0005】
しかしながら、このシステムでは、先ず、POSレジスタに下記の機能を必要とするので、POSレジスタの複雑化が避けられない。すなわち、POSレジスタは、公衆通信網を介して携帯電話に画面表示させる売上情報のWebページを編集し、携帯電話からの要求で、発信者アドレス対応にデータを送信する機能を必要とする。更に、同一店舗に複数のPOSレジスタがある場合、各POSレジスタから情報を収集して送信するサーバの必要が想定される。
【0006】
また、別に、例えば、特開2003−087419号公報(特許文献2)に、販売実績を公衆通信網及びインターネットを介して取り込み、集計したものを携帯無線端末装置で受ける「販売管理支援システム」が開示されている。
【0007】
これについて、図7を参照して説明する。すなわち、販売管理センタ130は、POSレジスタ110から直接またはインターネット140を介して販売実績など売上管理に関する情報を収集する。そして、販売管理センタ130は、例えば定期的に、例えば生産者が所有する固定電話装置160に、収集データを配信する。固定電話装置160は販売管理センタ130から受けた販売実績を集計する。ユーザは、周辺の、例えば宅内または構内の携帯無線端末装置170から固定電話装置160を呼び出して集計された販売実績を受け取り分析している。
【0008】
特許文献1では、上述するように、携帯電話が単体のPOSレジスタを呼び出して販売実績を取得するため、携帯電話での読取りを容易にするためのデータの編集とその配信機能とを必要とする。一方、販売拠点が複数の場合、携帯電話には、複数の取得情報を集計するなどの編集機能が必要である。従って、従来の機能に、追加機能が必要である。
【0009】
また、特許文献2では、ユーザが固定電話装置に各販売拠点の販売実績をまとめて受け取ることができる。しかし、ユーザが例えば工場による生産者の場合のように、工場内など構内でのデータ取得は可能であるが、農業のため農産物などの直売所を販売拠点とする場合、ユーザの作業場所が店舗に対して遠方の場合があり、公衆通信網を用いた携帯電話の使用が望まれる。
【0010】
【特許文献1】特開2001−306887号公報
【特許文献2】特開2003−087419号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
解決しようとする課題は、複数のPOSレジスタから得られる販売実績の集計を、公衆通信網に接続する携帯電話では容易に得ることができないため、販売店舗での欠品発生を阻止できないことである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、複数のPOSレジスタから得られる販売実績の集計を、公衆通信網に接続する携帯電話で容易に取得することを目的として、各POSレジスタから販売実績を含む売上情報を収集する情報収集サーバと、この情報収集サーバから収集情報を取得し少なくとも携帯電話または携帯型通信端末、更にPCなどで参照可能な画面表示用登録情報に編集して保有する情報管理配信サーバとを備えることを主要な特徴とする。
【0013】
すなわち、情報管理配信サーバは、前記画面表示用登録情報を送信メールの本文にまたは添付して作成しその送信メールを所定時に所定の宛先に送信する登録情報メール作成送信手段を有する。このような構成により、情報管理配信サーバは、自己の保有する登録情報それぞれを、予め定められた時期で予め定められた宛先に送ることができるので、ユーザは携帯電話により所望の時期に場所を問わず所望の売上情報を受け取ることができる。
【0014】
この情報管理配信サーバは、携帯電話、PCなどから通信網を介して閲覧を可能とするように前記画面表示用登録情報をウェブページに編集して所定のアドレス、例えばURL(Uniform Resource Locator)を付与して登録することが望ましい。この構成により、ユーザ端末は、URLのような所定のアドレスにより指定して所望のウェブページを呼び出し画面表示して閲覧することができる。
【0015】
このため、情報管理配信サーバは、前記アドレスを送信メール本文に含めて作成し所定時に所定の宛先に送信するアドレスメール作成送信手段を有すること、または、ユーザ端末から当該アドレスにより呼出要求を受けた際には要求元ユーザを識別してそのユーザ対応のウェブページを送出する登録情報送信手段を有することが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の店舗における欠品防止システムは、インターネットを含む通信網に接続するサーバが、POSレジスタから収集される売上情報を携帯電話、PCなどからの閲覧を可能とするようにウェブページまたは送信メールに編集し所定時に所定の宛先に送信している。他方、情報管理配信サーバがウェブページに編集された売上情報に所定のURLまたはメールアドレスを付与しており、ウェブページに編集されたものを携帯電話、PCなどから呼び出し可能としている。そのため、売上情報を必要とする生産者は何時でも何処でも、その販売実績を把握することができるので、販売店舗での欠品を防止できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
販売店舗での欠品を防止できるという目的を、インターネットのような通信網に接続するサーバが販売店舗での販売実績を収集して携帯電話などのような少なくとも携帯型の通信端末で閲覧可能に編集し登録情報として保持することにより解決した。すなわち、売上情報の登録により、ユーザが何時でも何処でも所望の販売実績などを含む売上情報を得ることができるということをPOSレジスタ及び携帯電話の通常機能を損なわずに実現することができた。
【0018】
以下に、本発明について図面を参照して説明する。図面では、種として本発明に係る部分が示されており、図面の大きさの都合上、システムとして必須の部分でも図面に省略された構成がある。
【実施例1】
【0019】
本発明の実施例1について図1を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明による欠品防止システムにおける販売情報通知機能の実施の一形態をブロックで示す説明図である。
【0021】
システムは、店舗10に設けられるPOSレジスタ11,12、LAN(Local Area Network)20、情報収集サーバ30に設けられる店舗サーバ31及び情報整理PC(Personal Computer)32、インターネット40、情報管理配信サーバ50、並びにユーザ端末60により構成される。情報管理配信サーバ50は登録情報メモリ51を有し、ユーザ端末60にはユーザPC61,62及び携帯電話71,72が含まれる。
【0022】
店舗10は、農産地の直売所などを含み、同一店舗、同一構内が想定される。更に、LAN20と共にこのLAN20に接続される情報収集サーバ30が同一店舗10に所属するものとする。勿論、本発明による構成は、実施の一形態であり、図示される構成に限定されるものではない。
【0023】
POSレジスタ11,12は、各店舗10に少なくとも一つ備えられ、同一店舗10内ではLAN20に接続される。POSレジスタ11,12には、販売の都度、販売員により売上情報が入力され、入力された売上情報はそこに蓄積されると共に直ちにLAN20を介して情報収集サーバ30へ送出される。POSレジスタ11,12は、勿論、定期的または所定の時期に、一括または所定範囲で売上情報を情報収集サーバ30へ送出してもよい。
【0024】
売上情報には、ユーザを生産者として、生産者コード(数値)、生産者名(文字列)、部門コード(数値)、部門名(文字列)、商品コード(数値)、商品名(文字列)、売上個数(数値)、売上金額(数値)、販売日(文字列)、販売総個数(数値)、販売時刻(文字列)などが含まれる。
【0025】
LAN20は、同一構内である店舗10内のPOSレジスタ11,12及び情報収集サーバ30を接続して相互のデータ通信に供されると共に、インターネット40と接続される。
【0026】
情報収集サーバ30は、店舗10ごとに備えられ、店舗10毎の上記売上情報を収集し、LAN20を介してインターネット40とアクセスする。本実施例では、情報収集サーバ30内に、店舗サーバ31と情報整理PC32とを備える。
【0027】
店舗サーバ31は、LAN20を介してPOSレジスタ11,12から売上発生時に直ちに売上情報を受け、例えば店舗10毎の所定の形式で収集するものとする。この収集された売上情報は例えば店舗10内の販売活動に供される。店舗サーバ31は、POSレジスタ11,12から定期的または所定の時期に、一括または所定範囲で売上情報を受けてもよい。
【0028】
情報整理PC32は、店舗サーバ31が収集した売上情報を、30分ごとの定期的に直接受け、生産者向けに、例えば生産者ごと、販売時刻ごとに集計してLAN20からインターネット40を介して情報管理配信サーバ50へ送出する。また、情報整理PC32では、ディスプレー及び操作盤を備え、販売管理のため、オペレータ操作による情報を入出力することができる。
【0029】
更に、情報整理PC32では、店舗サーバ31が障害または機能不備などで例えば所定時間内に売上情報を受けられない場合、POSレジスタ11,12から売上情報を直接受けることができる。そのため、情報整理PC32は、店舗サーバ31と同様な、売上情報の収集機能を有している。
【0030】
店舗サーバ31と情報整理PC32との間の情報転送要求は、店舗サーバ31からと説明したが、情報整理PC32から定期的に要求してもよく、また、その時期は、定期的ではなく、予め定めることができる。
【0031】
インターネット40は、例えば携帯電話の「iモード」(登録商標)などのための公衆通信網を含むものとし、LAN20、情報管理配信サーバ50、及びユーザ端末60が接続されるものとする。
【0032】
情報管理配信サーバ50は、情報整理PC32から売上情報を受け取り、ユーザPC61,62は勿論、携帯電話71,72でも閲覧可能なようにウェブ(Web)ページに編集し登録情報とする。ウェブページは、登録情報メモリ51に記録され、メールとして送信の場合には、メーラーにより送信メールに作成される。
【0033】
ここで、図2に機能ブロックの一構成を示して情報管理配信サーバ50について説明する。
【0034】
情報管理配信サーバ50は、登録情報メモリ51、編集登録手段52、アドレスメール作成送信手段53、登録情報送信手段54、及び登録情報メール作成送信手段55を備えるものとする。
【0035】
登録情報メモリ51には、ウェブページが登録情報として記録される。編集登録手段52は、情報収集サーバ30から受付けした売上情報を携帯電話でも閲覧可能なようにウェブページに編集する。ウェブページは、例えば受けた売上情報に含まれる生産者コードにより編集され、生産者のアドレスに対応付けされる。また、生産者コードに限定しない集計で、例えば、その産地の直売所の全情報を網羅したウェブページに編集することもできる。こうして作成されたウェブページには、アドレスとして例えばURL(Uniform Resource Locator)が付与される。
【0036】
アドレスメール作成送信手段53は、アドレスを送信メール本文に含めて作成し所定時に所定の宛先に送信する。登録情報送信手段54は、ユーザ端末60から例えばURLのようなアドレスにより呼出要求を受けた際に要求元ユーザを識別してそのユーザ対応のウェブページを登録情報メモリ51から読み出して送出する。登録情報メール作成送信手段55は画面表示用登録情報を送信メールの本文に作成しその送信メールを所定時に所定の宛先に送信する。これらの機能は、全てを備えることができるが、単独であってもよい。
【0037】
すなわち、情報管理配信サーバ50は、WWW(World Wide Web)サーバ機能を備えているので、ユーザPC61,62及び携帯電話71,72などのユーザ端末60が情報管理配信サーバ50の内部に登録情報として保存された販売情報を参照することができる。更に、情報管理配信サーバ50は、メールサーバの機能を備えているので、例えばユーザコードまたは生産者コードとそれに対応するユーザアドレスまたは生産者アドレスを保持して、電子メールによりユーザの要求に対応することができる。
【0038】
このような形態を採用したので、ユーザの所持するユーザ端末60は、ユーザである生産者が有するアドレスに対応するユーザPC61,62または携帯電話71,72へ、情報管理配信サーバ50からの送信を受信メールとして受けることができる。この場合、所定の売上情報をメール本文または添付情報により受け取ることができる。また、売上情報が複数に区分されている場合などでは、この受信メールには対象の売上情報に対するURLまたはメールアドレスが含まれ、所望の項目をクリックして目的の情報を入手することもできる。
【0039】
また、上記構成を採用したので、ユーザの所持するユーザ端末60は、ユーザである生産者が有するアドレスに対応するユーザPC61,62または携帯電話71,72から、情報管理配信サーバ50へURLまたはメールアドレスで編集された売上情報を所定の形式で受け取ることができる。
【0040】
すなわち、生産者であるユーザは、例えば携帯電話を用いることにより、何時でも何処でも所望の販売実績などの売上情報を容易に得ることができる。
【0041】
また、上記で、情報収集サーバ30が店舗サーバ31と情報整理PC32とで構成されると図示して説明したが、それぞれの機能を内蔵して有する一つのサーバで構成されてもよい。
【0042】
以下に、上述した構成要素に対する機能の詳細を、売上情報入手の複数の動作手順それぞれについて実施例としてフローチャートを用いて説明する。
【実施例2】
【0043】
図1に図2から図4までを併せ参照して本発明の実施の一形態について実施例2として説明する。
【0044】
図3に示されるように、POSレジスタ11は、店舗10の、例えば産地直売所において、産品が販売される毎にその実績の入力を受付け(手順S1)するので、所定メモリに販売実績として所定ファイルとして蓄積(手順S2)する。一方、POSレジスタ11は、受付けられた販売実績を売上情報として店舗サーバ31へLAN20を介して送出(手順S3)する。図示されるように、通常、オンラインサービスで入力された販売実績は即時に店舗サーバ31へ送出される。しかし、例えば30分ごとに定期的に、若しくは店舗サーバ31からの要求で送出する手順であっても、またはこれらを含む手順であってもよい。
【0045】
店舗サーバ31は、POSレジスタ11から売上情報を受付けした際には必ず今までの売上情報と統合集計(手順S4)して、統合された所定フォーマットに基づいた一つの売上情報ファイルに記録し更新(手順S5)する。更に、店舗サーバ31は、POSレジスタ12など、POSレジスタ11以外のPOSレジスタからも売上情報を受け付けるので、上述した手順同様に、その受付けの都度、収集された売上情報ファイルを更新して、店舗10毎の販売活動に提供される。
【0046】
そして、店舗サーバ31は、例えば30分ごとに定期的に、集計により更新された売上情報を情報整理PC32へ送出(手順S6)する。
【0047】
これまでの処理は、POSレジスタを用いた一般的な売上集計処理である。上記説明では、売上情報ファイルの集計を、店舗サーバ31がPOSレジスタから売上情報を受け取った際とし、これで売上情報ファイルを更新するとした。しかし、POSレジスタから受け取った売上情報を一旦メモリし、売上情報を情報整理PC32へ送出する際に集計して売上情報ファイルを作成するという手順及び構成でもよい。
【0048】
この売上情報ファイルには上述したように、例えば、生産者コード(数値)、生産者名(文字列)、部門コード(数値)、部門名(文字列)、商品コード(数値)、商品名(文字列)、売上個数(数値)、売上金額(数値)、販売日(文字列)、販売総個数(数値)、販売時刻(文字列)などが含まれる。ここで生産者とは、産地直売所に産品を納入した納品者のことである。
【0049】
情報整理PC32は、店舗サーバ31から売上情報ファイルを取得(手順S7)した際、その中から予め定められた情報を抽出してCSV(Comma Separated Values)形式のテキストファイルに編集(手順S8)し、情報管理配信サーバ50へ送出(手順S9)する。
【0050】
上記手順S6で、店舗サーバ31が売上情報を情報整理PC32へ定期的に送出するとしたが、情報整理PC32が定期的に売上情報要求を送出(手順S10)することでもよい。すなわち、店舗サーバ31は、上記手順S6で、情報整理PC32から定期的など所定時期に送出される売上情報要求を受けた際に売上情報を送出することとしてもよい。いずれにせよ、本実施例では、売上情報の送出は30分ごとの定期となる。
【0051】
図4に示されるように、情報管理配信サーバ50は、情報整理PC32からテキストファイルに編集された売上情報ファイルを受付け(手順S11)した際、そのファイルから生産者別の売上情報を抽出(手順S12)する。情報管理配信サーバ50は、編集登録手段52により抽出情報をユーザ端末60のウェブ(Web)参照機能で参照可能な形式に、生産者別に編集し、編集した情報にアドレスを動的に振って、起動されているWWWサービスに登録(手順S13)する。ウェブ参照機能で参照可能な形式として、例えば標準化団体W3C(WWWコンソーシアム)で標準化中のCHTML(Compact HTML)などがある。
【0052】
更に、情報管理配信サーバ50は、生産者別ではなく、産地直売所全体の売上情報を更に集計(手順S14)し、それをユーザ端末60のウェブ参照機能で参照可能な形式に編集し、その編集した情報にアドレス、例えばURLを動的に振って、起動しているWWWサービスに登録情報として登録(手順S15)する。登録されたアドレスを付与された情報は登録情報メモリ51にウェブページとして記録される。
【0053】
情報管理配信サーバ50は、アドレスメール作成送信手段53及び登録情報メール作成送信手段55のようなメールサーバの機能を更に備えているので、例えばユーザコードまたは生産者コードとそれに対応するユーザアドレスまたは生産者アドレスとを保持しており、電子メールによりユーザの要求に対応することができる。
【0054】
すなわち、情報管理配信サーバ50は、手順S15で、生産者別売上情報と生産者別ではない全体の売上情報とを、編集登録手段52により携帯電話などから閲覧可能な形式に編集し登録した際に、アドレスメール作成送信手段53により予め登録されている各生産者宛に電子メールを作成編集して送信(手順S16)する。電子メールそれぞれには生産者別のウェブページアドレスと産地直売所全体売上情報のウェブページアドレスとが記載されており、電子メールにより生産者のユーザPC61,62または携帯電話71,72が受信できる。
【0055】
本実施例では、売上情報は、上記手順S6または手順S10により30分ごとに定期的に情報整理PC32により取得され、編集処理ののち、直ちに情報管理配信サーバ50に転送され登録処理され、手順S16でメール送信される。従って、電子メールはほぼ30分ごとに定期的にユーザ端末60宛てに送信される。
【0056】
メールサーバにおける編集処理とメールサーバ及びユーザ端末間のメール送受信処理とは、自動的に実施されるが、本実施例では、スクリプト言語であるPerl(Practical Extraction and Report Language)とPHP(Hypertext Preprocessor)とで動作するようになっている。
【0057】
生産者の例えば携帯電話71は、情報管理配信サーバ50から、本実施例ではほぼ30分間隔で情報管理配信サーバ50から売上情報ファイルのウェブページアドレスを有する電子メールを受付け(手順S17)することができる。
【0058】
それぞれのメールには生産者別のウェブページアドレスと産地直売所全体売上情報のウェブページアドレスとがURLで記載されており、上記手順S17で、ユーザPC61,62または携帯電話71,72などがメールを受付けした際には、所有する生産者は例えばその記載されたURLをクリックして所望情報にアクセス(手順S18)することができる。携帯電話71によるURLへのアクセスにより、そのURL対応のウェブページを保有する情報管理配信サーバ50がその呼出要求を受付けし、登録情報送信手段54により、指定されたウェブページに編集された登録情報を登録情報メモリ51から読み出して要求元の携帯電話71へ送出(手順S19)する。
【0059】
生産者は、その登録情報を、呼出要求した携帯電話71の画面に表示(手順S20)させ、ウェブページとして参照できるので、その時点でのそれぞれの生産者が納品した産品の売上情報と、必要により、産地直売所全体の売上情報とを知ることができる。ユーザ端末60で、例えば、携帯電話71,72が別の生産者のものである場合には、情報管理配信サーバ50からは、生産者対応にそれぞれ別のウェブページアドレスを含むメールが送信される。
【0060】
本実施例の場合では30分間隔でメールが送信されるので、生産者は30分間隔により売上情報を知ることができる。上述したように、このタイミングは、30分の定期的と限定されることなく、任意に定めた時刻または条件により設定することもできる。
【0061】
上記説明では、ユーザ端末を携帯電話としたが、PCであっても同様である。
【0062】
このような形態を採用したので、ユーザの所持するユーザ端末は、売上情報のウェブ上のアドレス、例えばURLを受信メールにより例えば定期的に受けることができる。受信メールは、情報管理配信サーバからユーザである生産者のユーザPCまたは携帯電話に対して所定の形式に編集される。
【0063】
従って、メール本文のURLをクリックすることにより所望の売上情報を簡単な手順で容易に取得することができる。
【実施例3】
【0064】
図5に図1から図4までを併せ参照して本発明の実施の一形態について実施例3として説明する。
【0065】
この実施例3は、情報管理配信サーバ50が登録情報メール作成送信手段55により、図4における手順S16でメール本文にウェブページアドレスのURLを入れる代わりに、ウェブページ本文をメール本文で作成するか、または、ウェブページ本文をメールに添付して要求元へ定時に送信(手順S31)する方法である。
【0066】
この場合、要求元の携帯電話71は、ウェブページにおける所定の登録情報をメール本文または添付情報によりメールで受付け(手順S32)するので、受け取った登録情報を直ちに画面表示(手順S33)できる。
【0067】
上記説明では、携帯電話としたがユーザPCでも同様である。
【0068】
このような形態を採用したので、所望の登録情報を直ちに選択して閲覧することができる。従って上記実施例2と比較して、迅速な情報収集が可能である。
【実施例4】
【0069】
図6に図1から図4までを併せ参照して本発明の実施の一形態について実施例4として説明する。
【0070】
この実施例3は、図1の情報管理配信サーバ50に収集登録された生産者別と産地直売所全体の売上情報とをユーザ端末60から呼び出す方法である。
【0071】
図4における手順S15で、生産者別と産地直売所全体の売上情報とがユーザ端末60のウェブ参照機能で参照可能な形式に編集され、その編集された情報にアドレスが動的に振られて登録される。ユーザは、自分の登録する登録情報のウェブアドレスを承知しているので、例えばユーザPC61から所望情報に対応するウェブアドレス、例えばURLを用いてインターネットにアクセスすることにより、登録された売上情報の呼出しを情報管理配信サーバ50に要求(手順S41)する。
【0072】
要求を受けた情報管理配信サーバ50は、登録情報送信手段54により、そのURLに対応するウェブ情報を読み出して、要求元のユーザPC61へ送出(手順S42)する。ユーザPC61は、ウェブページにおける所定の登録情報を受付けするので、受け取った情報を画面表示(手順S43)できる。
【0073】
上記説明では、ユーザPCとしたが携帯電話でも同様である。
【0074】
このような形態を採用したので、所望の情報をユーザが欲しい時点で選択して閲覧することができる。従って上記実施例2と比較して、任意設定される適切時期における情報収集が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明によれば、各POSレジスタから販売実績を含む売上情報を収集する情報収集サーバとこの情報収集サーバから収集情報を取得し携帯電話で参照可能な画面表示用に編集し登録情報として保有する情報管理配信サーバとを用いることによって、店舗の売上情報を携帯電話のようなユーザ端末でも、容易に簡易に、メールにより通知を受ける一方、ユーザ側からの要求で呼び出すことができる。従って、複数のユーザそれぞれ及び全体の収集情報を、簡易な構成でユーザごとに通知する用途に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明による店舗における欠品防止システムのブロックについて実施の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図2】図1における情報管理配信サーバのブロックについて実施の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図3】図1における前半の動作手順について実施の一形態を示したシーケンスチャートである。(実施例2)
【図4】図1における図2に続く動作手順について実施の一形態を示したシーケンスチャートである。(実施例2)
【図5】図3とは別のユーザ端末に係る動作手順について実施の一形態を示したシーケンスチャートである。(実施例3)
【図6】図3及び図4とは別のユーザ端末に係る動作手順について実施の一形態を示したシーケンスチャートである。(実施例4)
【図7】従来の売上情報入手による店舗での欠品防止システムについてブロック構成の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
【0077】
10 店舗
11、12 POSレジスタ
20 LAN
30 情報収集サーバ
31 店舗サーバ
32 情報整理PC
40 インターネット
50 情報管理配信サーバ
51 登録情報メモリ
52 編集登録手段
53 アドレスメール作成送信手段
54 登録情報送信手段
55 登録情報メール作成送信手段
60 ユーザ端末
61、62 ユーザPC
71、72 携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
POSレジスタからの販売実績を、通信網を介し、携帯電話で受けて店舗における欠品を防止するシステムにおいて、前記店舗の各POSレジスタから販売実績を含む売上情報を収集する情報収集サーバと、前記通信網に接続し前記情報収集サーバから収集情報を取得して携帯電話が参照可能な所定の画面表示用に編集し登録情報として保有する情報管理配信サーバとを備えることを特徴とする店舗における欠品防止システム。
【請求項2】
請求項1に記載の店舗における欠品防止システムにおいて、前記情報管理配信サーバは、少なくとも携帯電話からの閲覧を可能とするように前記画面表示用登録情報をウェブページに編集し所定のアドレスを付与して登録する編集登録手段を有することを特徴とする店舗における欠品防止システム。
【請求項3】
請求項2に記載の店舗における欠品防止システムにおいて、前記情報管理配信サーバは、更に、前記アドレスを送信メール本文に含めて作成し所定時に所定の宛先に送信するアドレスメール作成送信手段を有することを特徴とする店舗における欠品防止システム。
【請求項4】
請求項2に記載の店舗における欠品防止システムにおいて、前記情報管理配信サーバは、更に、ユーザ端末から前記アドレスにより呼出要求を受けた際には要求元ユーザを識別してそのユーザ対応のウェブページを送出する登録情報送信手段を有することを特徴とする店舗における欠品防止システム。
【請求項5】
請求項1に記載の店舗における欠品防止システムにおいて、前記情報管理配信サーバは、前記画面表示用登録情報を送信メールの本文に作成または添付しその送信メールを所定時に所定の宛先に送信する登録情報メール作成送信手段を有することを特徴とする店舗における欠品防止システム。
【請求項6】
請求項1に記載の店舗における欠品防止システムにおいて、前記情報収集サーバは、前記店舗ごとに各POSレジスタから販売実績を含む売上情報を収集する店舗サーバと、前記店舗サーバから売上情報を受け、所定項目ごとに収集して所定時期に前記情報管理配信サーバへ送信する情報整理手段とを有することを特徴とする店舗における欠品防止システム。
【請求項7】
POSレジスタからの販売実績を、通信網を介し、携帯電話で受けて店舗における欠品を防止する方法において、インターネットを含む通信網に接続されるサーバにより、前記店舗の各POSレジスタから販売実績を含む売上情報を収集し、少なくとも携帯電話での画面表示用に編集し登録情報として保有することを特徴とする店舗における欠品防止方法。
【請求項8】
請求項7に記載の店舗における欠品防止方法において、少なくとも携帯電話からの閲覧を可能とするように前記画面表示用登録情報をウェブページに編集して所定のアドレスを付与することを特徴とする店舗における欠品防止方法。
【請求項9】
請求項7に記載の店舗における欠品防止方法において、少なくとも携帯電話からの閲覧を可能とするように前記画面表示用登録情報をウェブページに編集し、前記ウェブページにアドレスを付与し、送信メールの本文にこのアドレスを含めて作成し、所定時に所定の宛先に送信することを特徴とする店舗における欠品防止方法。
【請求項10】
請求項7に記載の店舗における欠品防止方法において、少なくとも携帯電話からの閲覧を可能とするように前記画面表示用登録情報をウェブページに編集し、前記ウェブページにアドレスを付与し、ユーザ端末から前記アドレスにより呼出要求があった際には、前記アドレスにより指定された前記画面表示用登録情報を要求元のユーザ端末へ送出することを特徴とする店舗における欠品防止システム。
【請求項11】
請求項7に記載の店舗における欠品防止方法において、前記画面表示用登録情報を送信メールの本文にまたは添付で作成して、その送信メールを所定時に所定の宛先に送信することを特徴とする店舗における欠品防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−227791(P2006−227791A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−39009(P2005−39009)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(000222059)NECソフトウェア東北株式会社 (10)
【出願人】(505057668)