説明

座席予約システム、座席予約装置、座席予約方法、及びプログラム

【課題】座席や施設の規模にかかわらず、施設内の設備やその位置関係、施設内の雰囲気、着座するまでの視界の動き(景観)を映像で表示することにより、画面の視認性を高め、一度に複数の情報を視覚から取得可能とする座席予約システム、座席予約装置、座席予約方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】予約者が施設内の座席を予約する操作を行うための予約者端末と、予約者端末から座席の予約を受け付ける座席予約装置と、がネットワークを介して接続された座席予約システムであって、座席予約装置は、施設内の所定の座席を示す座席情報と、施設の入口から座席に至るまでの景観を示す第1の映像データとをそれぞれ対応付けて複数保持しており、予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、座席情報に対応付けられた第1の映像データを予約者端末に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座席予約システム、座席予約装置、座席予約方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットなどを利用した、コンサート会場、映画館、ミュージカルなどの施設における座席予約システムでは、図4に示すような「施設の座席配置情報」を予約者側端末の画面に表示させて座席を予約させるものが一般的である。この「施設の座席配置情報」は、施設における、個々の座席あるいは任意の複数座席からなる座席ブロックなどを示した、固定的かつ二次元的な情報である。例えば映画館などであれば、スクリーンから10列目の席であっても、劇場内の座席傾斜角度、スクリーンの大きさなどにより、予約した座席に実際に着座してみると、思っていたよりもスクリーンが近く、予約者の嗜好に添わない座席である場合がある。このように単に会場全体図から分かる「スクリーンから数えて何列目の席」とか「通路や出入口に隣接している席」といった情報だけでは、座席予約システムの利用者(以下、予約者という)のニーズに応えきれない。また、施設全体の設備情報や位置情報などを知ることもできないため、施設全体の設備やその位置関係等を事前に知りたいというニーズにも応えられない。
【0003】
座席予約時における、予約者の座席選択の判断基準(ニーズ)として、具体的には以下のような例が存在する。
(1)座席に座った時に、スクリーンはどの程度離れていて、どういう大きさ・角度で見えるか。
(2)アクション映画なので、スピーカーの近くで、大音量で聞きながら観たい。
(3)非常口のライトが近くにあると映画に集中出来ないので、なるべく離れた席がいい。
(3)背が低いので、前の人の頭部が気にならないぐらいの傾斜がある劇場で観たい。
(4)視力が悪いので、なるべく字幕が大きく見える座席がいい。
(5)映画グッズを集めるのが趣味なので、大きなグッズ売り場があるところがいい。
(6)映画を観る前に軽食を取ることが多いので、軽食の種類はたくさんあり、さらにテーブルとイスが置いてあるスペースが確保されているところの方がいい。
従来の座席予約システムでは、スクリーンや出入口の配置を含めた会場全体図だけを表示するものであるため、上述したような多様化したニーズに応えられるような予約はできない。
【0004】
従来の座席予約システムの従来技術例は、特許文献1及び2に開示されている。
特許文献1の図3に示すように、この座席予約システムでは、「座席を選択する→選択座席からのステージの様子を確認する→嗜好に添わない場合は他の座席からの様子を確認する」という座席予約の流れであるが、これでは着座した状態からのみの情報しか得られず、また、座席からステージの画像やステージまでの距離・角度が表示されるものの、動きのない画像や数値で表示される、ステージまでの距離や座席角度では、予約者の視認性が悪く、実際のイメージがわきにくい。
【0005】
また、特許文献2では、インターネット経由で観戦競技施設の座席予約を行う際、特定座席から見た視野の視野映像が表示されるものの、着座した状態での視野映像のみであるため、施設入口から施設内に入り、予約した座席に着座するまでの視野映像を確認することはできない。
【特許文献1】特開2002−109336号公報
【特許文献2】特開2003−296620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、座席や施設の規模にかかわらず、施設内の設備やその位置関係、施設内の雰囲気、着座するまでの視界の動き(景観)を映像で表示することにより、画面の視認性を高め、一度に複数の情報を視覚から取得可能とする座席予約システム、座席予約装置、座席予約方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、予約者が施設内の座席を予約する操作を行うための予約者端末と、予約者端末から座席の予約を受け付ける座席予約装置と、がネットワークを介して接続された座席予約システムであって、座席予約装置は、施設内の所定の座席を示す座席情報と、施設の入口から座席に至るまでの景観を示す第1の映像データとをそれぞれ対応付けて複数保持しており、予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、座席情報に対応付けられた第1の映像データを予約者端末に表示させることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、座席予約装置は、施設内の地図を示す施設内地図データを保持しており、予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、座席情報に対応付けられた第1の映像データに加え、施設内地図データを予約者端末の同一画面上に表示させ、第1の映像データで表示されている景観の位置を、施設内地図データ内に示すように表示させることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、座席予約装置は、施設内の所定の座席を示す座席情報と、座席の周囲の景観を示す第2の映像データとをそれぞれ対応付けて複数保持しており、予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、座席情報に対応付けられた第2の映像データを予約者端末に表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の座席予約システムで用いられることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、予約者が施設内の座席を予約する操作を行うための予約者端末と、予約者端末から座席の予約を受け付ける座席予約装置と、をネットワークを介して接続して行う座席予約方法であって、座席予約装置は、施設内の所定の座席を示す座席情報と、施設の入口から座席に至るまでの景観を示す第1の映像データとをそれぞれ対応付けて複数保持しており、予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、座席情報に対応付けられた第1の映像データを予約者端末に表示させることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、座席予約装置は、施設内の地図を示す施設内地図データを保持しており、予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、座席情報に対応付けられた第1の映像データに加え、施設内地図データを予約者端末の同一画面上に表示させ、第1の映像データで表示されている景観の位置を、施設内地図データ内に示すように表示させることを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の発明において、座席予約装置は、施設内の所定の座席を示す座席情報と、座席の周囲の景観を示す第2の映像データとをそれぞれ対応付けて複数保持しており、予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、座席情報に対応付けられた第2の映像データを予約者端末に表示させることを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明は、予約者が施設内の座席を予約する操作を行うための予約者端末と、予約者端末から座席の予約を受け付ける座席予約装置と、がネットワークを介して接続された座席予約システムで座席予約方法を実行するためのプログラムであって、座席予約装置に、施設内の所定の座席を示す座席情報と、施設の入口から座席に至るまでの景観を示す第1の映像データとをそれぞれ対応付けて複数保持する処理と、予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、座席情報に対応付けられた第1の映像データを予約者端末に表示させる処理と、を実行させることを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、座席予約装置に、施設内の地図を示す施設内地図データを保持する処理と、予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、座席情報に対応付けられた第1の映像データに加え、施設内地図データを予約者端末の同一画面上に表示させる処理と、第1の映像データで表示されている景観の位置を、施設内地図データ内に示すように表示させる処理と、を実行させることを特徴とする。
【0016】
請求項10記載の発明は、請求項8又は9記載の発明において、座席予約装置に、施設内の所定の座席を示す座席情報と、座席の周囲の景観を示す第2の映像データとをそれぞれ対応付けて複数保持する処理と、予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、座席情報に対応付けられた第2の映像データを予約者端末に表示させる処理と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、座席予約者は、施設入口から劇場内に入場し、着座するまでの施設内の映像、及び、着座してからの周囲360度の様子などの映像を確認することができるため、例えば、複数の施設や複数の劇場から所望の場所を選択・予約する場合など、施設内の設備の確認とその位置関係の確認、劇場内に入った際の劇場内全体の雰囲気や広さ、施設入口から予約座席までの距離などを、予約者は視覚で体感することが可能である。予約者は、この視覚体感を、施設や座席を選択・予約する際の参考にして、個々の嗜好にあった施設や座席を選択・予約することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
本発明の一実施形態である座席予約システムの構成について図面を参照して詳細に説明する。図3を参照すると、本実施形態の座席予約システムは、座席予約サーバ300と、インターネット310と、複数の予約者端末320と、を有して構成される。座席予約サーバ300と、各予約者端末320とは、インターネット310を介して、座席予約に係るデータを通信する。
【0020】
図3に示す予約者端末320は、座席予約システムの利用者(本明細書では、「予約者」という。必ずしも「予約者端末の所有者」という意味ではない)によって操作される情報処理端末装置である。この予約者端末320の例としては、一般的なパーソナルコンピュータや携帯電話等の移動体通信端末装置が挙げられる。但し、インターネットを介した通信機能、画像を表示する機能、予約者による入力操作を受け付ける機能を有するものとする。
【0021】
図3に示す座席予約サーバ(座席予約装置)300は、図1に示すように、データ送受信部100と、データ制御部110と、記憶装置120と、を有して構成される。座席予約サーバ(座席予約装置)300は、本実施形態の座席予約プログラムに従うことにより、図1に示す、各部(各手段)をサーバ上に実現する。
【0022】
データ送受信部100は、予約者端末320と座席予約に必要なデータを送受信する。
【0023】
記憶装置120は、データベース等の記憶手段であり、施設情報ファイル121と、予約情報ファイル122と、施設入口から座席までの映像保存ファイル123と、座席から見回した映像保存ファイル124と、施設地図上における位置情報ファイル125と、を有して構成される。
【0024】
施設情報ファイル121は、図5に示すように、施設を示す施設コード(施設識別子)と、施設が有する劇場を示す劇場コード(劇場識別子)と、劇場が有する総座席数を示す総座席数と、劇場で上映される作品を示す上映作品コード(演目識別子)と、がそれぞれ対応付けられている。なお、図5の例では、映画を例として、「上映作品コード」としたが、他の演目であってもよい。なお、「演目」とは、イベント、公演、作品などを指す。
【0025】
予約情報ファイル122は、図6に示すように、施設を示す施設コード(施設識別子)と、施設が有する劇場を示す劇場コード(劇場識別子)と、劇場内の座席を示す座席コード(座席識別子)と、座席が予約済みか又は空席かを示す予約フラグと、がそれぞれ対応付けられている。なお、図6の予約フラグの例では、「0」が空席(未予約)状態を示し、「1」が予約済み状態を示すものとする。
【0026】
施設入口から座席までの映像保存ファイル123は、図7に示すように、施設を示す施設コード(施設識別子)と、施設が有する劇場を示す劇場コード(劇場識別子)と、劇場内の座席を示す座席コード(座席識別子)と、「施設入口から座席までの映像」と、がそれぞれ対応付けられている。ここで、「施設入口から座席までの映像」とは、「施設の入口から、予約者により選択された座席に至るまでの経路の様子(景観)を示す映像データ」のことであり、動画、又は、連続する静止画のどちらでもよい。
【0027】
座席から見回した映像保存ファイル124は、図9に示すように、施設を示す施設コード(施設識別子)と、施設が有する劇場を示す劇場コード(劇場識別子)と、劇場内の座席を示す座席コード(座席識別子)と、「座席から見回した映像」と、がそれぞれ対応付けられている。ここで、「座席から見回した映像」とは、「予約者により選択された座席に着座したとして、その座席を中心として周囲を360度見回した場合の様子(景観)を示す映像データ」のことである。
【0028】
施設地図上における位置情報ファイル125は、図8に示すように、施設を示す施設コード(施設識別子)と、施設が有する劇場を示す劇場コード(劇場識別子)と、劇場内の座席を示す座席コード(座席識別子)と、所定秒後の座標と、がそれぞれ対応付けられている。図8に示す各座標は、施設入口から所定の座席に至るまでの経路における各位置を示す座標であり、図10に示す「施設内地図(施設内の設備等を示す案内図)」における各位置(図10では、各矢印)を示す位置情報である。以下「施設内地図上における位置情報」という。
【0029】
データ制御部110は、施設情報受信手段111と、予約可能座席抽出手段112と、座席選択画面送信手段113と、選択座席受信手段114と、施設入口から座席までの映像抽出手段115と、施設入口から座席までの映像送信手段116と、座席から見回した映像抽出手段117と、座席から見回した映像送信手段118と、を有して構成される。
【0030】
ウェブサイト提供手段119は、予約者が予約者端末320を用いて座席予約サーバ300へアクセスした場合に、座席予約を行うためのウェブサイトを提供する。また、このウェブサイトに表示するための画面情報として、記憶装置120から読み込んだ施設情報ファイル121に基づいて、演目一覧情報や施設一覧情報を生成し、予約者端末320へ送信する。
【0031】
施設情報受信手段111は、予約者端末320で選択されて送信された施設情報を受信する。
【0032】
予約可能座席抽出手段112は、予約者端末320から受信した施設情報が示す施設において、予約可能な座席を示す座席コードを予約情報ファイル122に基づいて抽出し、抽出された座席コードに基づいて、予約可能な座席の一覧を示す予約可能座席一覧情報(座席選択画面)を生成する。
【0033】
座席選択画面送信手段113は、予約可能座席抽出手段112により生成された予約可能座席一覧情報(座席選択画面)を予約者端末320へデータ送受信部100を経由して送信する。
【0034】
選択座席受信手段114は、予約者が予約者端末320に表示された予約可能座席一覧情報(座席選択画面)から選択した座席コードを、データ送受信部100を経由して受信する。
【0035】
施設入口から座席までの映像抽出手段115は、予約者により選択された座席コードに基づいて、「施設入口から座席までの映像」を、記憶手段120の施設入口から座席までの映像保存ファイル123から抽出する。また、予約者により選択された座席コードに基づいて、「施設内地図上における位置情報」を、「施設内地図上における位置情報ファイル125」から抽出する。
【0036】
施設入口から座席までの映像送信手段116は、施設入口から座席までの映像抽出手段115により抽出された、「施設入口から座席までの映像」と、「施設内地図上における位置情報」とを、予約者端末320へデータ送受信部100を経由して送信する。
【0037】
座席から見回した映像抽出手段117は、予約者により選択された座席コードに基づいて、「座席から見回した映像」を、記憶手段120の座席から見回した映像保存ファイル124から抽出する。
【0038】
座席から見回した映像送信手段118は、座席から見回した映像抽出手段117により抽出された「座席から見回した映像」を予約者端末320へデータ送受信部100を経由して送信する。
【0039】
次に、各図を参照して、本実施形態の座席予約システムにおける動作(座席予約方法)について詳細に説明する。なお、以下の説明では、映画館における座席予約の場合を例とする。
【0040】
予約者が予約者端末320を操作して座席予約サーバ300にアクセスすると、座席予約サーバ300は、ウェブサイト提供手段119により、座席予約を行うためのウェブサイトを予約者端末320に提供する。予約者端末320のディスプレイ等には、ウェブサイトの画面が表示される。
【0041】
このウェブサイトの画面には、まず、演目の一覧を示す情報である演目一覧情報が表示される。この演目一覧情報は、座席予約サーバ300において、データ送受信部100が予約者端末320からのアクセス要求を受信した際、データ制御部110のウェブサイト提供手段119が、記憶装置120から図5に示す施設情報ファイル121を読み込み、その施設情報ファイル121の一項目である「上映作品コード」に基づいて生成した情報である。よって、演目一覧情報の内容は、現在上映中の複数の映画名の一覧である。
【0042】
予約者は、予約者端末320において画面表示された演目一覧情報の中から、座席予約を行いたい所望の映画作品を所定の操作で選択・指定すると、次に、その映画作品を上映している施設(映画館)の一覧を示す情報である施設一覧情報が表示される。この施設一覧情報は、座席予約サーバ300において、データ送受信部100が予約者端末320からのアクセス要求を受信した際、データ制御部110のウェブサイト提供手段119が、記憶装置120から図5に示す施設情報ファイル121を読み込み、その施設情報ファイル121の各項目に基づいて生成した情報である。よって、施設一覧情報の内容は、例えば、施設名、施設内の劇場数、各劇場の総座席数を含むものとする。なお、ここでの説明では、施設内に複数の劇場を備える場合(例えば大規模な映画館において、建物(施設)内に複数の上映会場(劇場)を備えている場合)を例とする。
【0043】
予約者は、予約者端末320において画面表示された施設一覧情報の中から、座席予約を行いたい所望の施設コード、劇場コード(施設情報)を所定の操作で選択・指定し、施設コード、劇場コード(施設情報)を座席予約サーバ300へ送信する(図2のステップS201)。
【0044】
なお、上記座席予約において、予約者端末320の画面において、映画館と上映日時を選択・指定することで、座席予約対象の演目を一意に指定することができるようにしてもよい。
【0045】
座席予約サーバ300は、予約者端末320からの施設情報(施設コード、劇場コード)を、データ送受信部100を介して施設情報受信手段111で受信する。そして、予約可能座席抽出手段112は、記憶装置120から図6に示す予約情報ファイル122を読み込み、受信した施設情報(施設コード及び劇場コード)と、読み込んだ予約情報ファイル122とを照会する。すなわち、予約可能座席抽出手段112は、受信した施設コード及び劇場コードに対応する複数の座席コードの中から、予約可能な座席コードを抽出する(図2のステップS211)。図6の例では、予約フラグの項目において、「0」は予約されていない状態を示し、「1」は既に予約されている状態を示す。よって、この場合、予約可能座席抽出手段112は、「0」の予約フラグが立っている座席コードを全て抽出する。
【0046】
そして、予約可能座席抽出手段112は、抽出した座席コードに基づいて、予約可能な座席の一覧を示す予約可能座席一覧情報を生成し、座席選択画面送信手段113は、生成された予約可能座席一覧情報を予約者端末320へ送信する。(図2のステップS212)。この予約可能座席一覧情報は、例えば、図4に示すような全座席表示のうち、予約可能な座席と、予約不可能な座席とを色分けした、予約者が認識・選択しやすい画面情報(座席選択画面)とする。なお、予約可能座席抽出手段112が、予約者端末320から受信した施設コード及び劇場コードと、記憶装置120から読み込んだ予約情報ファイル122とを照会した結果、全ての座席が予約済みの場合など、座席予約を受け付けられない場合は、その旨を通知するための通知情報を生成し、予約者端末320へ送信する。
【0047】
予約者は、予約者端末320に表示された予約可能座席一覧情報(座席選択画面)を見て、予約可能な座席の中から自分の好みにあうと思われる座席コードを所定の操作で選択・指定し、その座席コードを座席予約サーバ300へ送信する(図2のステップ202)。
【0048】
座席予約サーバ300は、データ送受信部100経由で、選択座席受信手段114にて予約者端末320からの座席コードを受信する。そして、施設入口から座席までの映像抽出手段115は、記憶装置120から、図7に示す「施設入口から座席までの映像保存ファイル123(以下、ファイル123という)」を読み込み、受信した座席コードに基づいて、このファイル123から「施設入口から座席までの映像」を抽出する。これと同時に、施設入口から座席までの映像抽出手段115は、記憶装置120から、図8に示す「施設内地図上における位置情報ファイル125(以下、ファイル125という)」を読み込み、受信した座席コードに基づいて、このファイル125から「施設内地図上における位置情報(座標)」を抽出する(図2のステップS213)。
【0049】
例えば、施設コード="4001"の施設、劇場コード="01"の劇場において、座席コード="A01"の座席が予約者により選択された場合、施設入口から座席までの映像抽出手段115は、図7のレコード701に示す「施設入口から座席までの映像="4001_A01.mpeg"」を、「施設入口から座席までの映像」として抽出する。また、同時に、図8のレコード801に示す、「0秒後の座標="400,50"」、「5秒後の座標="350,50"」、「10秒後の座標="300,50"」、「15秒後の座標="250,50"」、「20秒後の座標="200,50"」、「25秒後の座標="150,50"」、「30秒後の座標="115,80"」を、「施設内地図上における位置情報(座標)」として抽出する。
【0050】
座席予約サーバ300において、施設入口から座席までの映像送信手段116は、データ送受信部100経由で、上記「施設入口から座席までの映像」と、上記「施設内地図上における位置情報」と、を予約者端末320に送信する(図2のステップS214)。
【0051】
座席予約サーバ300から、上記「施設入口から座席までの映像」と、上記「施設内地図上における位置情報」と、を受信した予約者端末320には、図10に示す画面が表示される。この表示画面には、図10に示すように、劇場内の総座席を示す「座席図」、施設内の設備等を示す「施設内地図」、施設入口から座席までの経路の様子(景観)を示す「施設入口から座席までの映像」がそれぞれ表示される。なお、「座席図」及び「施設内地図」は、所定の「施設入口から座席までの映像」と対応付けられて、施設入口から座席までの映像ファイル123に保存されている。
【0052】
図10の表示画面において、「座席図」には、予約者が選択・指定した座席の位置が表示される(図10は、G11の座席が選択された場合とする)。「施設入口から座席までの映像」は、図10に示すように、施設入口から、チケット売場・売店・グッズ売場等のあるロビーを通り、他の劇場前を通過し、劇場「スクリーン4」内のG11の座席に着席するまでの視界の様子(景観)を表す映像である。「施設入口から座席までの映像」の再生・停止・一時停止等は、図10に示す「映像操作キー」を用いて予約者の意思で行うことができる。
【0053】
また、図10に示す「施設内地図」を表示し、上記「施設入口から座席までの映像」の映像表示とリンクして、施設内のどこの位置を映像表示しているのかがわかるように、「施設内地図」内に映像表示位置情報(図10では各矢印)を表示する。この映像表示位置情報は、上記「施設内地図上における位置情報(座標情報)」に基づいて表示される。
例えば、図10の表示画面において、予約者が「施設入口から座席までの映像」の再生を開始する操作を行うと、「施設入口から座席までの映像」として、施設入口付近の様子を示す映像(例えば、右側のチケット売り場と左側の軽食スペースの映像)が表示される。この映像表示と同時に、「施設内地図」内に矢印A(図8の「0秒後の座標=(400,50)」に基づく)が表示される。つまり、矢印Aで示される施設内の位置と、施設入口付近の様子を示す映像とがリンクして同時に表示される。そして、映像の再生が進むと、「施設入口から座席までの映像」として、ロビー内の様子を示す映像(例えば、右側の売店、左側のグッズ売り場、前方の入場ゲートの映像)が表示される。この映像表示と同時に、「施設内地図」内に矢印B(図8の「5秒後の座標=(350,50)」に基づく)が表示される。以降、上記同様に、選択された座席G11に着席するまでの視界映像(施設内の周囲の様子を示す映像)が「施設内地図」の各位置とリンクして表示される。
【0054】
また、座席予約サーバ300において、データ送受信部100経由で、選択座席受信手段114にて予約者端末320からの座席コードを受信した場合、座席から見回した映像抽出手段117は、記憶装置120から、図9に示す「座席から見回した映像保存ファイル124(以下、ファイル124という)」を読み込み、受信した座席コードに基づいて、ファイル124から「座席から見回した映像データ」を抽出する(図2のステップS215)。例えば、図9のレコード901に示す「座席から見回した映像="4001_A01_360deg.mpeg"」を抽出する。
【0055】
座席予約サーバ300の座席から見回した映像送信手段118は、データ送受信部100経由で、抽出された「座席から見回した映像データ」を予約者端末320に送信する(図2のステップS216)。
【0056】
座席予約サーバ300から、上記「座席から見回した映像データ」を受信した予約者端末320は、図11に示す画面を表示する。図11に示すように、この「座席から見回した映像」は、G11の座席に着座した状態で、前後・左右・上下の視界を表示する映像である。また、図11に示す「上・下・左・右キー」や「ズームアップ・ズームアウトキー」などの映像操作キーを操作することにより、予約者が予約者端末320から視界の方向・ズーム等を変更できる。また、ステージ・舞台の中央の位置を認識できるように、方位を示す方位マーク等を映像内に表示するようにしてもよい。
【0057】
上記説明では、「施設入口から座席までの映像」の表示後、「座席から見回した映像」を表示するようにしたが、どちらの映像を表示するかを予約者が随時切り替えたり、選択したりできるようにしてもよい。
【0058】
図10及び図11の両画像とも、実際の施設・劇場内の映像、コンピュータグラフィックなどを用いた3D映像などにより実現するものとする。
【0059】
図5〜図9に示す各ファイルのデータ項目などは一例であり、上記の目的を達することが出来るようなデータ項目及び保存方法であればこの限りではない。
【0060】
本発明の座席予約システムの第1の効果は、インターネット経由による施設の座席予約で、予約者側の様々なニーズに対応した判断基準から座席および施設内の情報を予約者に提示出来ることにある。
その理由は、実際に施設を訪れ、着座してみないと判断できない情報を事前に映像および施設内地図上での位置情報とリンクさせながら予約者画面に表示することで、予約者が施設を訪れた際の目線として確認でき、予約者の好みに応じた施設・座席を選択することでイメージとのずれを軽減させることができることである。
【0061】
また、本発明の座席予約システムの第2の効果は、本発明の利用が想定される分野が興行分野であるため、動画の表示や予約者が自分の意思で操作することを可能にするなど、予約をする行為自体を楽しめるため、利用促進につながると思われることである。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態の記載に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、インターネット経由にて施設等の座席予約を行うシステムで、画面上の視認性を高めつつ、予約者の嗜好にあった座席予約を実現する場合に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態である座席予約サーバの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態である座席予約システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【図3】本発明の実施形態である座席予約システムの構成を示す図である。
【図4】予約者端末に表示される劇場の座席図の例を示す図である。
【図5】施設情報ファイル121のデータ例を示す図である。
【図6】予約情報ファイル122のデータ例を示す図である。
【図7】施設入口から座席までの映像保存ファイル123のデータ例を示す図である。
【図8】施設内地図上における位置情報ファイル125のデータ例を示す図である。
【図9】座席から見回した映像保存ファイル124のデータ例を示す図である。
【図10】予約者端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図11】予約者端末に表示される画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
100 データ送受信部
110 データ制御部
111 施設情報受信手段
112 予約可能座席抽出手段
113 座席選択画面送信手段
114 選択座席受信手段
115 施設入口から座席までの映像抽出手段
116 施設入口から座席までの映像送信手段
117 座席から見回した映像抽出手段
118 座席から見回した映像送信手段
119 ウェブサイト提供手段
120 記憶装置
121 施設情報ファイル
122 予約情報ファイル
123 施設入口から座席までの映像保存ファイル
124 座席から見回した映像保存ファイル
125 施設内地図上における位置情報ファイル
300 座席予約サーバ(座席予約装置)
310 インターネット
320 予約者端末
701 施設入口から座席までの映像保存ファイル123におけるレコード
801 施設内地図上における位置情報ファイル125におけるレコード
901 座席から見回した映像保存ファイル124におけるレコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約者が施設内の座席を予約する操作を行うための予約者端末と、該予約者端末から座席の予約を受け付ける座席予約装置と、がネットワークを介して接続された座席予約システムであって、
前記座席予約装置は、
施設内の所定の座席を示す座席情報と、該施設の入口から該座席に至るまでの景観を示す第1の映像データとをそれぞれ対応付けて複数保持しており、
前記予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、該座席情報に対応付けられた第1の映像データを前記予約者端末に表示させることを特徴とする座席予約システム。
【請求項2】
前記座席予約装置は、
前記施設内の地図を示す施設内地図データを保持しており、
前記予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、該座席情報に対応付けられた第1の映像データに加え、前記施設内地図データを前記予約者端末の同一画面上に表示させ、
前記第1の映像データで表示されている景観の位置を、前記施設内地図データ内に示すように表示させることを特徴とする請求項1記載の座席予約システム。
【請求項3】
前記座席予約装置は、
施設内の所定の座席を示す座席情報と、該座席の周囲の景観を示す第2の映像データとをそれぞれ対応付けて複数保持しており、
前記予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、該座席情報に対応付けられた第2の映像データを前記予約者端末に表示させることを特徴とする請求項1又は2記載の座席予約システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の座席予約システムで用いられることを特徴とする座席予約装置。
【請求項5】
予約者が施設内の座席を予約する操作を行うための予約者端末と、該予約者端末から座席の予約を受け付ける座席予約装置と、をネットワークを介して接続して行う座席予約方法であって、
前記座席予約装置は、
施設内の所定の座席を示す座席情報と、該施設の入口から該座席に至るまでの景観を示す第1の映像データとをそれぞれ対応付けて複数保持しており、
前記予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、該座席情報に対応付けられた第1の映像データを前記予約者端末に表示させることを特徴とする座席予約方法。
【請求項6】
前記座席予約装置は、
前記施設内の地図を示す施設内地図データを保持しており、
前記予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、該座席情報に対応付けられた第1の映像データに加え、前記施設内地図データを前記予約者端末の同一画面上に表示させ、
前記第1の映像データで表示されている景観の位置を、前記施設内地図データ内に示すように表示させることを特徴とする請求項5記載の座席予約方法。
【請求項7】
前記座席予約装置は、
施設内の所定の座席を示す座席情報と、該座席の周囲の景観を示す第2の映像データとをそれぞれ対応付けて複数保持しており、
前記予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、該座席情報に対応付けられた第2の映像データを前記予約者端末に表示させることを特徴とする請求項5又は6記載の座席予約方法。
【請求項8】
予約者が施設内の座席を予約する操作を行うための予約者端末と、該予約者端末から座席の予約を受け付ける座席予約装置と、がネットワークを介して接続された座席予約システムで座席予約方法を実行するためのプログラムであって、
前記座席予約装置に、
施設内の所定の座席を示す座席情報と、該施設の入口から該座席に至るまでの景観を示す第1の映像データとをそれぞれ対応付けて複数保持する処理と、
前記予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、該座席情報に対応付けられた第1の映像データを前記予約者端末に表示させる処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
前記座席予約装置に、
前記施設内の地図を示す施設内地図データを保持する処理と、
前記予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、該座席情報に対応付けられた第1の映像データに加え、前記施設内地図データを前記予約者端末の同一画面上に表示させる処理と、
前記第1の映像データで表示されている景観の位置を、前記施設内地図データ内に示すように表示させる処理と、
を実行させることを特徴とする請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
前記座席予約装置に、
施設内の所定の座席を示す座席情報と、該座席の周囲の景観を示す第2の映像データとをそれぞれ対応付けて複数保持する処理と、
前記予約者端末から所定の座席情報を受信した場合、該座席情報に対応付けられた第2の映像データを前記予約者端末に表示させる処理と、
を実行させることを特徴とする請求項8又は9記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−27301(P2008−27301A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200989(P2006−200989)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)