説明

座席用テーブルの支持構造

【課題】座席用テーブルの支持構造に関し、テーブルからステーを延設し、当該ステーをベゼルの裏面に固定したブラケットと当接させることで、テーブルの使用時の水平姿勢における荷重強度を向上することができるようにしたものである。
【解決手段】車両用シートバックに回動可能に取り付けられる座席用テーブル20の支持構造10である。シートバックには、ベゼル50が取り付けられる。ベゼル50の裏面には、ブラケット60を固定する。ブラケット60には、テーブル20の一端部を軸支する。テーブル20の一端部には、ブラケット60に向かって延び、テーブル20の使用時の水平姿勢において、ブラケット60の下端部に当接するステー70を延設している。また、ブラケット60は、テーブル20の車両の幅方向の両端部を支持可能な断面略U字形に形成しても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、座席用テーブルの支持構造に関し、テーブルからステーを延設し、当該ステーをベゼルの裏面に固定したブラケットと当接させることで、テーブルの使用時の水平姿勢における荷重強度を向上することができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シートバックの裏面に、テーブルの一端部を軸支した車両用シートのテーブル構造が知られている(例えば特許文献1の明細書の3頁14行〜4頁3行、第1図及び第2図参照)。
また、従来、自動車の座席等に取り付ける取付具の下端部に、載置板の一端部を軸支した折り畳み台が知られている(例えば特許文献2の2頁右欄(台4欄)1〜8行、第1図及び第4図参照)。
【0003】
さらに、従来、シートバックの支持フレームに、ステーの下端部を軸支し、当該ステーの上端部にテーブルの一端部を軸支した座席用テーブルの支持機構が知られている(例えば特許文献3の2頁右欄(第4欄)21〜36行、第1〜3図参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1-114444号公報
【特許文献2】実公平4-43391号公報
【特許文献3】実公平7-2297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した従来の構造や機構では、テーブルや載置板の荷重強度が弱く、ノートPCやタブレット端末等の重い物を置いて使用できないという問題点があった。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を目的とする。
【0006】
すなわち、請求項1に記載の発明は、テーブルからステーを延設し、当該ステーをベゼルの裏面に固定したブラケットと当接させることで、テーブルの使用時の水平姿勢における荷重強度を向上することができるようにしたものである。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0007】
すなわち、請求項2に記載の発明は、断面略U字形に形成されたブラケットでテーブルの両端部を支持することで、テーブルの荷重強度を向上することができるようにしたものである。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0008】
すなわち、請求項3に記載の発明は、ベゼルの裏面側で、ステーとブラケットとを当接させることで、見栄えを良くすることができるようにしたものである。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0009】
すなわち、請求項4に記載の発明は、テーブルにタブレット端末を立て掛けて使用することができるようにしたものである。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0010】
すなわち、請求項5に記載の発明は、テーブルに形成された複数個の差込溝を使用して、タブレット端末を縦置きや横置きで使用することができるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0012】
第1に、例えば図1〜5に示すように、車両用シートバックに回動可能に取り付けられる座席用テーブル(20)の支持構造(10)である。
第2に、シートバックには、例えば図1及び図2に示すように、ベゼル(50)が取り付けられる。
第3に、ベゼル(50)の裏面には、例えば図1及び図8に示すように、ブラケット(60)を固定する。
【0013】
第4に、ブラケット(60)には、例えば図14及び図16に示すように、テーブル(20)の一端部を軸支する。
第5に、テーブル(20)の一端部には、例えば図7及び図14に示すように、ブラケット(60)に向かって延び、テーブル(20)の使用時の水平姿勢において、ブラケット(60)の下端部に当接するステー(70)を延設している。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0014】
すなわち、ブラケット(60)は、例えば図16に示すように、テーブル(20)の車両の幅方向の両端部を支持可能な断面略U字形に形成されている。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0015】
すなわち、ステー(70)は、例えば図10及び図14に示すように、ベゼル(50)の表裏面に貫通する貫通孔(52)を通して、当該ベゼル(50)の表面側から裏面側に向かって延出している。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0016】
第1に、テーブル(20)には、例えば図1、図4、図5及び図7に示すように、使用時の水平姿勢における上面に位置し、タブレット端末等の板物(例えばタブレット端末40)の下端部をはめ込むことが可能な幅を有し、車両の幅方向に延びる差込溝(22,23)が形成される。
第2に、ベゼル(50)の表面側には、例えば図1、図4及び図7に示すように、差込溝(22,23)にはめ込んだ板物(例えばタブレット端末40)の上端部がはまり込む凹部(54)を設けている。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0017】
すなわち、差込溝(22,23)は、例えば図4、図5及び図7に示すように、車両の前後方向に離れて平行に複数個形成され、複数個の差込溝(22,23)の全長を異ならせている。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
請求項1に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、テーブルからステーを延設し、当該ステーをベゼルの裏面に固定したブラケットと当接させることで、テーブルの使用時の水平姿勢における荷重強度を向上することができる。
(請求項2)
請求項2に記載の発明によれば、上記した請求項1に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0019】
すなわち、請求項2に記載の発明によれば、断面略U字形に形成されたブラケットでテーブルの両端部を支持することで、テーブルの荷重強度を向上することができる。
(請求項3)
請求項3に記載の発明によれば、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0020】
すなわち、請求項3に記載の発明によれば、ベゼルの裏面側で、ステーとブラケットとを当接させることで、見栄えを良くすることができる。
(請求項4)
請求項4に記載の発明によれば、上記した請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0021】
すなわち、請求項4に記載の発明によれば、テーブルにタブレット端末を立て掛けて使用することができる。
(請求項5)
請求項5に記載の発明によれば、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0022】
すなわち、請求項5に記載の発明によれば、テーブルに形成された複数個の差込溝を使用して、タブレット端末を縦置きや横置きで使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図10のA−A線に沿う断面図である。
【図2】座席の概略斜視図である。
【図3】図2に対応し、テーブルを開放した概略斜視図である。
【図4】図2に対応し、タブレット端末をテーブルに縦置きした状態の概略斜視図である。
【図5】図2に対応し、タブレット端末をテーブルに横置きした状態の概略斜視図である。
【図6】支持構造の斜視図である。
【図7】図6に対応し、テーブルを開放した斜視図である。
【図8】支持構造の分解斜視図である。
【図9】支持構造の正面図である。
【図10】支持構造の背面図である。
【図11】図10のB−B線に沿う断面図である。
【図12】図10のC−C線に沿う断面図である。
【図13】図10のD−D線に沿う断面図である。
【図14】図10のE−E線に沿う断面図である。
【図15】支持構造を背面側から見た斜視図である。
【図16】テーブルとブラケットの斜視図である。
【図17】ブラケットの周辺の一部分解斜視図である。
【図18】ロックユニットの周辺の分解斜視図である。
【図19】ロック機構のロック状態を説明するための一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図中、10は、座席用テーブル20の支持構造であり、図2〜5に示すように、車両の座席30のシートバックに固定され、テーブル20を開閉可能に支持し、開放したテーブル20の上面に、板物の一例であるタブレット端末40等を載置できるようにしたものである。
座席30は、図1に示すように、大別すると、座席30の内部に位置し、パイプから形成されたフレーム31と、フレーム31に固定される板状の背板32とを備える。
【0025】
タブレット端末40は、図1、図4及び図5に示すように、板状に形成され、平面が長方形に形成されている。タブレット端末40は、図4に示すように、その短辺を下側に向けた縦置きと、図5に示すように、長辺を下側にした横置きに使用でき、図示しないが、その表示面に画像を表示可能なものである。
なお、板物として、タブレット端末40を例示したが、これに限定されず、タブレットPC、DVDプレーヤーや電子書籍端末、或いは雑誌や書籍等でも良い。
【0026】
また、座席30のパーツとして、フレーム31と背板32とを例示したが、これらに限定されない。
支持構造10は、図1及び図8に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
なお、次の(1)〜(12)については後述する。
(1)テーブル20
(2)ベゼル50
(3)ブラケット60
(4)ステー70
(5)ケース80
(6)カバー90
(7)仕切り板100
(8)ダンパー機構110
(9)ロック機構120
(10)クッション部材130
(11)USBコネクタ140
(12)収納ポケット150
なお、支持構造10のパーツは、次の(1)〜(12)に限定されない。
(テーブル20)
テーブル20は、図1及び図8に示すように、その一端部、すなわち後述する非使用時の直立姿勢における下端部が、後述するブラケット60に軸支される。テーブル20は、未使用時に、後述するベゼル50の表面側に形成された窪部51内に収納され、図6に示すように、直立姿勢をとり、図7に示すように、直立姿勢から下端部を中心に下方に倒れて開き、使用時の水平姿勢をとる。
【0027】
テーブル20は、図1、図7及び図8に示すように、大別すると、次のパーツ及び溝を有する。
なお、次の(1)及び(2)については後述する。
(1)シャフト21
(2)差込溝22,23
なお、テーブル20のパーツ及び溝は、上記した(1)及び(2)に限定されない。
(シャフト21)
シャフト21は、図8、図14及び図16に示すように、後述するステー70を介して、同じく後述するブラケット60に軸支され、ステー70を介してテーブル20を回動可能に支持するものである。
(差込溝22,23)
差込溝22,23は、図1、図4、図5及び図7に示すように、使用時の水平姿勢におけるテーブル20の上面に位置し、タブレット端末40の下端部をはめ込むことが可能な幅を有し、車両の幅方向に延びるものである。
【0028】
差込溝22,23は、図7に示すように、車両の前後方向に離れて平行に複数個、例えば2個形成され、複数個の差込溝22,23の全長を異ならせている。
なお、差込溝22,23の個数として、2個を例示したが、これに限定されず、単数或いは3個以上設けても良い。
すなわち、縦置用差込溝22は、図4及び図7に示すように、後述する横置用差込溝23と比較し、全長が短く設定され、タブレット端末40の短辺を差し込み可能な長さを有する。また、縦置用差込溝22は、後述する横置用差込溝23と比較し、テーブル20の自由端寄りに位置させている。
【0029】
横置用差込溝23は、図5及び図7に示すように、縦置用差込溝22に比較し、全長が長く設定され、タブレット端末40の長辺を差し込み可能な長さに有する。また、横置用差込溝23は、縦置用差込溝22に比較し、シャフト21寄りに位置させている。
一方、テーブル20は、図8に示すように、大別すると、下枠24、上枠25、天板26から構成されている。
【0030】
下枠24、上枠25は、剛性の高い、例えばPC/ABS系等の熱可塑性樹脂で一体的に成形されている。また、天板26は、クッション効果を有する、例えばEPDM等の合成ゴムで一体的に成形されている。
(ベゼル50)
ベゼル50は、図1及び図2に示すように、座席30のシートバックに取り付けられ、適度な剛性を有する、例えばABS系等の熱可塑性樹脂で一体的に成形されている。
【0031】
ベゼル50には、図1、図5〜10及び図15に示すように、大別すると、次の各部を備える。
なお、ベゼル50の各部は、次の(1)〜(4)に限定されない。
(1)窪部51
窪部51は、図1、図7及び図8に示すように、ベゼル50の表面側から凹状に窪み、その上半部にテーブル20がはまり込むものである。
【0032】
(2)貫通孔52
貫通孔52は、図10に示すように、窪部51の底部に位置し、窪部51の左右の幅方向の両側に一対形成され、ベゼル50の表裏面に貫通する。貫通孔52には、後述するステー70が通る。
(3)ボルト締結部53
ボルト締結部53は、図10及び図15に示すように、ベゼル50の裏面側に位置し、ベゼル50の上側の幅方向の両側に一対形成され、図示しないが、座席30の背板32にボルトを介して固定される。
【0033】
(4)凹部54
凹部54は、図1、図4及び図7に示すように、ベゼル50の表面側に位置し、縦置用差込溝22にはめ込んだタブレット端末40の上端部がはまり込むものである。
凹部54は、窪部51の底部の上部に位置し、ベゼル50の表面側から裏面側に向かって断面クランク形に屈曲している。
【0034】
凹部54には、図4に示すように、縦置状態のタブレット端末40の上端部がはまり込む。
なお、凹部54を1個形成したが、これに限定されず、複数個設けても良い。
(ブラケット60)
ブラケット60は、図8、図10及び図15〜17に示すように、ベゼル50の裏面に固定され、剛性の高い、例えば薄板鋼板から形成されている。
【0035】
なお、ブラケット60を、薄板鋼板から形成したが、これに限定されず、剛性の高い合成樹脂から構成しても良い。
ブラケット60は、テーブル20の車両の幅方向の両端部を支持可能な断面略U字形に形成されている。
具体的には、ブラケット60は、図16及び図17に示すように、車両の幅方向に長く帯状に延びる板状のベース部61と、ベース部61の長手方向の両端部から、ベゼル50に向かって延びる一対のアーム部62とを備える。
【0036】
ベース部61は、図10、図14及び図15に示すように、座席30の背板32とベゼル50との間に位置し、ベゼル50の裏面であって、当該ベゼル50の高さの略中央にボルト止めされる。
一対のアーム部62は、図11〜14に示すように、ベゼル50の裏面側から貫通孔52を通して、窪部51の内部に向かって突出する。アーム部62には、図11〜14及び図16に示すように、後述するステー70をシャフト21を介して軸支することで、ステー70を介してテーブル20を回動可能に支持する。
(ステー70)
ステー70は、図8及び14に示すように、テーブル20の一端部に位置し、ブラケット60に向かって延び、テーブル20の使用時の水平姿勢において、ブラケット60の下端部、すなわちベース部61の下側の端面に当接するものである。ステー70は、長尺な板状に形成され、剛性の高い、例えば薄板鋼板から形成されている。
【0037】
なお、ステー70を、薄板鋼板から形成したが、これに限定されず、剛性の高い合成樹脂から構成しても良い。
ステー70は、図10及び図14に示すように、テーブル20の車両の幅方向の両側にそれぞれ固定され、ベゼル50の表裏面に貫通する貫通孔52を通して、当該ベゼル50の表面側から裏面側に向かって延出している。
【0038】
ステー70は、図8及び図14に示すように、その一端部をテーブル20の内部に埋設状に固定し、他端部の突出部分をベゼル50の窪部51内に突出させる。ステー70の突出部分は、アーム部62の内側面に重ね合わせ、重ね合わせた状態で突出部分の基端部側とアーム部62の先端部側とにシャフト21を一連に通して軸支する。ステー70の突出部分の先端部側は、ベゼル50の窪部51内に突出し、テーブル20の未使用時の直立姿勢から使用時の水平姿勢に、シャフト21を中心に回動する際に、貫通孔52を通してベゼル50の裏面側に突出し、図16に示すように、ベース部61の下側の端面に下方から当接する。
ステー70の突出部分の先端部側と、ブラケット60のベース部61の下側の端面との間には、図16に示すように、防音部材170を設けている。防音部材170は、打音やキシミ音対策のものであり、ゴムや不織布等から構成されている。
なお、防音部材170を、ステー70の突出部分の先端部側の上面に固定したが、これに限定されず、ベース部61の下側の端面に固定しても良い。
(ケース80)
ケース80は、図1、図8、図10及び図15に示すように、ベゼル50の裏面に固定され、ベゼル50との間に後述する収納ポケット140を形成するものである。ケース80は、適度な剛性を有する、例えばABS系等の熱可塑性樹脂で一体的に成形されている。
【0039】
ケース80の裏面側には、図1、図10及び図15に示すように、座席30のパイプ状のフレーム31にはめ込むクランプ部81を設けている。クランプ部81は、ケース80の裏面側の高さ方向の略中央に位置し、当該ケース80の幅方向の両側に一対形成されている。
ベゼル50の裏面にケース80を固定した後、ベゼル50を座席30のシートバックに取り付ける際に、クランプ部81を先着けすることで、ベゼル50の回転が可能となる。その後、ベゼル50のボルト締結部53にボルトを締結し、座席30のシートバックにベゼル50を固定する。
(カバー90)
カバー90は、図7及び図8に示すように、ベゼル50の窪部51の底に固定され、ブラケット60をボルト止めしたボルトの頭部を隠すものである。カバー90は、板状に形成され、適度な剛性を有する、例えばABS系等の熱可塑性樹脂で一体的に成形されている。
(仕切り板100)
仕切り板100は、図1、図7及び図8に示すように、ベゼル50の窪部51の下半部とケース80との隙間内に形成される後述する収納ポケット140を、その厚み方向に仕切るものであり、収納ポケット140内に取り外し可能に装着される。仕切り板100は、板状に形成され、適度な剛性を有する、例えばABS系等の熱可塑性樹脂で一体的に成形されている。
(ダンパー機構110)
ダンパー機構110は、図8、図12、図16及び図18に示すように、テーブル20の開閉時の回動を制動するものである。
【0040】
ダンパー機構110は、シャフト21に固定され、当該シャフト21と一体的に回転するギア−111と、ギア−111に噛み合う歯車を有し、ブラケット60に固定される回転ダンパー112とから構成されている。
ギア−111は、略扇形に形成され、剛性の高い、例えばPOM等の熱可塑性樹脂で一体的に成形されている。
【0041】
回転ダンパー112は、シリコンオイル等の粘性流体を使用した、いわゆるオイルダンパーが使用されている。
なお、ダンパー機構110に、回転ダンパー112を使用したが、これに限定されず、シリンダー・ピストン型のダンパーを使用しても良く、又、オイルダンパーにも限定されない。
(ロック機構120)
ロック機構120は、図1、図8、図18及び図19に示すように、未使用時の直立姿勢にテーブル20をロックするものである。
【0042】
ロック機構120は、大別すると、操作ボタンを有するロックユニット121と、ロックユニット121のストライカーがはまり込むロック溝122とから構成されている。
ロックユニット121を、ベゼル50の窪部51の上端部に固定する。また、ロック溝122は、非使用時の直立姿勢におけるテーブル20の上端部であって、ストライカーと対向する位置に形成される。
【0043】
なお、ロックユニット121をベゼル50側に、ロック溝122をテーブル20側にそれぞれ設けたが、これに限定されず、逆にロックユニット121をテーブル20側に、ロック溝122をベゼル50側にそれぞれ設けても良い。また、ロックユニット121に、操作ボタンを設けたが、これに限定されず、操作ボタンを省き、いわゆる浮き出しラッチを使用し、テーブル20をベゼル50の窪部51の底に向かって押し込むことで、ロックを解除できるようにしても良い。
(クッション部材130)
クッション部材130は、図8及び図18に示すように、ベゼル50の窪部51の底と、非使用時の直立姿勢におけるテーブル20との間に位置し、テーブル20が窪部51の底と当接し、異音を発生するのを防止するものである。クッション部材130は、ピン状に形成され、クッション効果を有する、例えばEPDM等の合成ゴムで一体的に成形されている。
【0044】
クッション部材130は、ベゼル50の窪部51の底の上端部に位置し、窪部51の幅方向に離れて一対取り付けられている。
(USBコネクタ140)
USBコネクタ140は、図示しないが、USBケーブルを介してタブレット端末40と接続され、充電やデータ交換に用いられる。
【0045】
USBコネクタ140は、図7及び図8に示すように、ベゼル50の窪部51の一方の側面に設けられ、テーブル20を使用時の水平姿勢に開いた際に露出する。
(収納ポケット150)
収納ポケット150は、図1及び図7に示すように、ベゼル50の窪部51の下半部とケース80との隙間内に形成され、上面が開口したポケット状に形成されている。
【0046】
収納ポケット150は、テーブル20を使用時の水平姿勢に開いた際に、その開口上面が露出する。収納ポケット150の内部には、その開口正面から例えばA4サイズ迄の雑誌160や本等を差し込んで、収納できるようにしている。また、収納ポケット150の内部には、仕切り板100が装着可能であり、仕切り板100を外した状態においては、厚みの厚い、例えばタブレット端末40やノートPC(図示せず)等の収納が可能となる。
(支持構造10)
上記した構成を備えた支持構造10を、図1〜3に示すように、座席30のシートバックに固定し、テーブル20を開閉して使用する。
(テーブル20の開放)
まず、図1、図2及び図6に示すように、非使用時の直立姿勢におけるテーブル20を開放するには、ロックユニット121の操作ボタンを押せば良い。
【0047】
操作ボタンを押すと、ロックユニット121のストライカーが、テーブル20のロック溝122から抜け出て、ロック機構120のロック状態が解除される。
ロック状態が解除されると、テーブル20は、図3及び図7に示すように、その自重で下方に倒れて開く。
その際に、ダンパー機構110が作動し、テーブル20はゆっくりと且つ静粛に開放する。
【0048】
テーブル20が開く際に、図14に示すように、ステー70の突出部分の先端部側が、貫通孔52(図10参照)を通してベゼル50の裏面側に突出し、ベース部61の下側の端面に下方から当接することで、テーブル20の最大開放角度を規制する。
(タブレット端末40の載置)
開放したテーブル20には、図4及び図5に示すように、その上面にタブレット端末40を載置して使用可能である。
【0049】
すなわち、テーブル20の上面に形成された縦置用差込溝22に、図4に示すように、タブレット端末40の短辺を差し込み、タブレット端末40の上端部を、ベゼル50の窪部51の上端部に形成された凹部54にはめ込むことで、タブレット端末40を縦置きし、且つ安定保持することができる。
また、テーブル20の横置用差込溝23に、図5に示すように、タブレット端末40の長辺を差し込むことで、タブレット端末40を横置きできる。
(テーブル20の収納)
一方、テーブル20を収納する際には、図1に示すように、テーブル20を上方に持ち上げ、ベゼル50の窪部51に向かって押し込めば良い、
テーブル20を押し込むと、テーブル20の上端部に押され、ロックユニット121のストライカーがスプリングの付勢力に抗して上昇して引っ込む。テーブル20を更に押し込むと、ストライカーの下側にロック溝122が位置することから、図19に示すように、スプリングの復元力によりストライカーが突出し、ロック溝122にはまり込むことで、ロック機構120がロック状態となる。
【符号の説明】
【0050】
10 支持構造 20 テーブル
21 シャフト 22 縦置用差込溝
23 横置用差込溝 24 下枠
25 上枠 26 天板
30 座席
31 フレーム 32 背板
40 タブレット端末(板物)
50 ベゼル
51 窪部 52 貫通孔
53 ボルト締結部 54 凹部
60 ブラケット
61 ベース部 62 アーム部
70 ステー
80 ケース 81 クランプ部
90 カバー
100 仕切り板
110 ダンパー機構
111 ギア− 112 回転ダンパー
120 ロック機構
121 ロックユニット 122 ロック溝
130 クッション部材 140 USBコネクタ
150 収納ポケット 160 雑誌
170 防音部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートバックに回動可能に取り付けられる座席用テーブルの支持構造において、
前記シートバックには、ベゼルが取り付けられ、
前記ベゼルの裏面には、ブラケットを固定し、
前記ブラケットには、前記テーブルの一端部を軸支し、
前記テーブルの一端部には、
前記ブラケットに向かって延び、前記テーブルの使用時の水平姿勢において、前記ブラケットの下端部に当接するステーを延設していることを特徴とする座席用テーブルの支持構造。
【請求項2】
前記ブラケットは、
前記テーブルの車両の幅方向の両端部を支持可能な断面略U字形に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の座席用テーブルの支持構造。
【請求項3】
前記ステーは、
前記ベゼルの表裏面に貫通する貫通孔を通して、当該ベゼルの表面側から裏面側に向かって延出していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の座席用テーブルの支持構造。
【請求項4】
前記テーブルには、
前記使用時の水平姿勢における上面に位置し、タブレット端末等の板物の下端部をはめ込むことが可能な幅を有し、車両の幅方向に延びる差込溝が形成され、
前記ベゼルの表面側には、
前記差込溝にはめ込んだ板物の上端部がはまり込む凹部を設けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の座席用テーブルの支持構造。
【請求項5】
前記差込溝は、
車両の前後方向に離れて平行に複数個形成され、
前記複数個の差込溝の全長を異ならせていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の座席用テーブルの支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−183856(P2012−183856A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46471(P2011−46471)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】