座席確保システム、車上サーバ装置、車掌端末装置及び読み出し装置
【課題】現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することを目的とする。
【解決手段】車上サーバ装置は、車上受信装置が受信した販売情報及び車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報が復号化可能な識別情報は識別情報を復号化して読み出し装置に配信し、復号化不可能な識別情報は識別情報を含む販売情報を車掌端末装置に送信し、車掌端末装置は、受信した販売情報の内、入力された整理番号を識別情報として含む販売情報が存在する場合、販売情報の識別情報を入力された座席番号に対応する、暗号化されたダミーの識別情報に換え、販売情報を車上サーバ装置に送信し、読み出し装置は、車上サーバ装置より配信される識別情報の中に対応する席に関するダミーの識別情報が存在する場合、表示装置の表示を対応する座席が利用可能であることを示す表示とすることによって課題を解決する。
【解決手段】車上サーバ装置は、車上受信装置が受信した販売情報及び車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報が復号化可能な識別情報は識別情報を復号化して読み出し装置に配信し、復号化不可能な識別情報は識別情報を含む販売情報を車掌端末装置に送信し、車掌端末装置は、受信した販売情報の内、入力された整理番号を識別情報として含む販売情報が存在する場合、販売情報の識別情報を入力された座席番号に対応する、暗号化されたダミーの識別情報に換え、販売情報を車上サーバ装置に送信し、読み出し装置は、車上サーバ装置より配信される識別情報の中に対応する席に関するダミーの識別情報が存在する場合、表示装置の表示を対応する座席が利用可能であることを示す表示とすることによって課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座席確保システム、車上サーバ装置、車掌端末装置及び読み出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特急列車の中には、乗客から特急料金を徴収せずに、乗車を許可している特急列車がある。
【0003】
ところで、現在、鉄道系のICカードが普及し、かつ、このようなICカードに関する鉄道会社間等の相互利用も進んでいる。特許文献1には、券売機等が、ICカード等に自由席グリーン券等の乗車券情報を書き込み、グリーン車の各座席に対応して設置されているリーダ/ライタが、ICカード等と通信を行い、ICカード等に書き込まれている乗車券情報を読み取り、有効な乗車券か否かを判定する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−79186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような特急列車は人気があり、混雑するため、始発駅以外の駅から乗車する乗客は座席を確保することが殆ど出来ない問題があった。そのため、このような特急列車を運行する鉄道会社には料金を払っても良いので席に座りたいという要望が乗客から寄せられていた。
【0006】
一方、上述した特許文献1の技術では、ICカードに自由席グリーン券等の乗車券情報を書き込む必要がある。そのため、ICカードの設計等を変更する必要があると共に、この変更のためにICカードに書き込まれる他の情報等に影響がないかどうかの試験を行わなければならない問題があった。また、相互利用が進んでいるICカードに関して、ある一社の鉄道会社の都合で相互利用に用いられるICカードの設計(又は仕様)等を変更することが難しい問題もあった。また、上述した特許文献1の技術では、座席を確実に確保することは保証されていない問題もあった。
【0007】
よって、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保することができるシステムが求められている。
一方、鉄道系のICカードは普及しているが、全ての人がこのようなICカードを持っている訳ではなく、現金で座席券を購入したいと考える乗客もいる。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保すると共に、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、記録担体より情報の読み出しを行う読み出し装置と、対応する座席が利用可能か否かを表示する表示装置と、車上サーバ装置と、車外の情報発信装置より座席券に関する販売情報を受信する車上受信装置と、車掌端末装置と、を有し、前記車上サーバ装置は、前記車上受信装置が受信した販売情報の内、入力された列車番号を含む販売情報を選択し、選択した前記販売情報及び前記車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報が復号化可能か否かを判定し、復号化可能な識別情報は前記識別情報を復号化して前記読み出し装置に配信し、復号化不可能な識別情報は前記識別情報を含む販売情報を前記車掌端末装置に送信し、前記車掌端末装置は、前記車上サーバ装置より受信した販売情報を保持し、保持した前記販売情報の内、入力された整理番号を識別情報として含む販売情報が存在する場合、前記販売情報の識別情報を、入力された座席番号に対応する、暗号化されたダミーの識別情報に換え、前記ダミーの識別情報を含む販売情報を前記車上サーバ装置に送信し、前記読み出し装置は、前記車上サーバ装置より配信される前記識別情報の中に、当該読み出し装置に対応する席に関するダミーの識別情報が存在する場合、当該読み出し装置に対応する前記表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御することを特徴とする。
【0010】
係る構成とすることにより、車上サーバ装置は、車上受信装置が受信した座席券に関する販売情報の内、入力された列車番号を含む販売情報を選択し、選択したこの販売情報及び車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報に対して復号化を試み、復号化可能な識別情報は復号化した識別情報を読み出し装置に配信し、復号化不可能な識別情報はこの識別情報を含む販売情報ごと車掌端末装置に送信する。一方、車掌端末装置は、車上サーバ装置より受信した販売情報を記憶装置等に保持しておき、例えば車掌等から整理番号が入力されるとこの整理番号を前記識別情報として含む販売情報が前記保持しておいた販売情報の中に存在するか否か検索し、該当する販売情報が存在する場合、この販売情報に含まれる識別情報を、例えば車掌等によって入力された座席番号に対応する、暗号化された(又は暗号化した)ダミーの識別情報に換え、この識別情報をダミーの識別情報で置き換えた販売情報を車上サーバ装置に送信する。車上サーバ装置は、車掌端末装置より受け取った販売情報の識別情報(ダミーの識別情報)に対して符号化を試み、このダミーの識別情報は暗号化されているため、復号化され、読み出し装置に配信される。読み出し装置は、車上サーバ装置より配信される識別情報の中に、自身に対応する席に関するダミーの識別情報(復号化されたダミーの識別情報)が存在する場合、自身に対応する表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御する。よって、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保すると共に、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することができる。
【0011】
また、本発明は、車外の情報発信装置より座席券に関する販売情報を受信する車上受信装置が受信した座席券に関する販売情報の内、入力された列車番号を含む販売情報を選択し、選択した前記販売情報及び車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報が復号化可能か否かを判定し、復号化可能な識別情報は前記識別情報を復号化して記録担体より情報の読み出しを行う読み出し装置に配信し、復号化不可能な識別情報は前記識別情報を含む販売情報を車掌端末装置に送信することを特徴とする。
【0012】
係る構成とすることにより、車上サーバ装置は、車上受信装置が受信した座席券に関する販売情報の内、入力された列車番号を含む販売情報を選択し、選択したこの販売情報及び車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報に対して復号化を試み、復号化可能な識別情報は復号化した識別情報を読み出し装置に配信し、復号化不可能な識別情報はこの識別情報を含む販売情報ごと車掌端末装置に送信することができる。よって、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保すると共に、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することができる。
【0013】
また、本発明は、車上サーバ装置より受信した座席券に関する販売情報を保持し、保持した前記販売情報の内、入力された整理番号を識別情報として含む販売情報が存在する場合、前記販売情報の識別情報を、入力された座席番号に対応する、暗号化されたダミーの識別情報に換え、前記ダミーの識別情報を含む販売情報を前記車上サーバ装置に送信することを特徴とする。
【0014】
係る構成とすることにより、車掌端末装置は、車上サーバ装置より受信した販売情報を記憶装置等に保持しておき、例えば車掌等から整理番号が入力されるとこの整理番号を前記識別情報として含む販売情報が前記保持しておいた販売情報の中に存在するか否か検索し、該当する販売情報が存在する場合、この販売情報に含まれる識別情報を、例えば車掌等によって入力された座席番号に対応する、暗号化された(又は暗号化した)ダミーの識別情報に換え、この識別情報をダミーの識別情報で置き換えた販売情報を車上サーバ装置に送信することができる。よって、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保すると共に、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することができる。
【0015】
また、本発明は、記録担体より情報の読み出しを行う読み出し装置であって、車上サーバ装置より配信される識別情報の中に、記録担体より読み取った、前記記録担体を識別する識別情報が存在する場合、当該読み出し装置に対応する表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御すると共に、車上サーバ装置より配信される識別情報の中に、当該読み出し装置に対応する席に関するダミーの識別情報が存在する場合、当該読み出し装置に対応する表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御することを特徴とする。
【0016】
係る構成とすることにより、読み出し装置は、車上サーバ装置より配信される識別情報の中に、自身に対応する席に関するダミーの識別情報(復号化されたダミーの識別情報)が存在する場合、自身に対応する表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御すると共に、タッチ等された記録担体より読み取ったこの記録担体を識別する識別情報が、車上サーバ装置より配信される識別情報に含まれている場合、読み出し装置に対応する表示装置の表示を、表示装置に対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御することができる。よって、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保すると共に、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保すると共に、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、ICカードで座席券を購入し、特急列車に乗車する場合のユーザ及び座席確保システム等の動作の概要を示す図である。図1に示されるように、ユーザは、座席券売機等において、乗車する列車を指定し、例えばICカードを挿入し、座席券を購入する。すると、座席券売機は、所定の料金をICカードにチャージされている金額から引き去り、指定された列車の列車番号(列番)等を記載した座席券(紙券)を出力する。ユーザは、この座席券を持って、指定した(又は座席券に記載された)列車に乗車する。
【0020】
駅側のシステムは、座席券売機において販売された座席券に関する販売情報を、特急車内側のシステム(座席確保システム)に対して、無線等を用いて送信する。なお、ここで、駅側のシステムは、販売情報を複数の特急車内側に対して一斉に送信する。ここで、ICカードで購入された販売情報には、整理コード、日付、列車番号、区間コード、暗号化されたカードID等が含まれる。
【0021】
特急車内に設置されている車上サーバ装置は、特急車内側のシステムが受信した販売情報に含まれる列車番号と、自身が搭載されている列車の列車番号と、に基づいて、自身が搭載されている列車の列車番号を含む販売情報を選択し、他の販売情報は破棄する。
【0022】
そして、車上サーバ装置は、選択した販売情報に含まれる識別情報(ID)が復号化可能か否か、復号化を試みる。ICカードで購入された販売情報には、暗号化されたカードIDが含まれるため、復号化可能であり、車上サーバ装置は、この暗号化されたカードIDを復号化する。
また、車上サーバ装置は、復号化したカードIDを含む販売情報に含まれる区間コードと、自身が搭載されている列車等から取得した現在走行している区間の区間コードと、に基づいて、前記販売情報の内、現在走行している区間の区間コードを含む販売情報を選択する。
【0023】
そして、車上サーバ装置は、選択した販売情報、又は選択した販売情報に含まれる復号化したカードIDを、R/Wアンテナと、R/Wアンテナに対応するLEDランプと、を有するR/Wユニットに有線等を介して定期的に送信する。なお、以下では説明の簡略化のため、車上サーバ装置は、復号化したカードIDをR/Wユニットに送信するものとして説明する。
【0024】
ここで、列車に乗車したユーザは、ICカードをR/Wアンテナにタッチする。R/Wアンテナは、タッチされたICカードよりカードIDを読み取り、このカードIDを保持する。そして、R/Wアンテナは、車上サーバ装置より送信されてくるカードIDの中に、保持しているカードIDが存在する場合、LEDランプを赤から着席OKを示す緑に変更する。
【0025】
このようにすることによって、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保することができる。
【0026】
図2は、現金で座席券を購入し、特急列車に乗車する場合のユーザ及び座席確保システム等の動作の概要を示す図である。図2に示されるように、ユーザは、座席券売機等において、乗車する列車を指定し、提示された金額を投入し、座席券を購入する。すると、座席券売機は、指定された列車の列車番号(列番)及び整理番号等を記載した座席券(紙券)を出力する。ユーザは、この座席券を持って、指定した(又は座席券に記載された)列車に乗車する。
【0027】
駅側のシステムは、座席券売機において販売された座席券に関する販売情報を、特急車内側のシステム(座席確保システム)に対して、無線等を用いて送信する。なお、ここで、駅側のシステムは、販売情報を複数の特急車内側に対して一斉に送信する。ここで、現金で購入された販売情報には、整理コード、日付、列車番号、区間コード、暗号化されたカードIDと同じ桁数の暗号化されていない整理番号と、が含まれる。
【0028】
特急車内に設置されている車上サーバ装置は、特急車内側のシステムが受信した販売情報に含まれる列車番号と、自身が搭載されている列車の列車番号と、に基づいて、自身が搭載されている列車の列車番号を含む販売情報を選択し、他の販売情報は破棄する。
【0029】
そして、車上サーバ装置は、選択した販売情報に含まれる識別情報(ID)が復号化可能か否か復号化を試みる。現金で購入された販売情報には、暗号化されていない整理番号が含まれるため、復号化不可能であり、車上サーバ装置は、この整理番号を含む販売情報を、短距離無線等を介して車掌端末装置に送信する。車掌端末装置は、販売情報を受け取ると、車掌端末装置の記録装置等に保持する。
【0030】
ここで、列車に乗車したユーザは、赤点灯しているLEDランプに対応する席に座り、車掌による車内改札を待つ。そして、車掌による車内改札において列車番号及び整理番号等を記載した座席券(紙券)を車掌に見せる。車掌は、座席券(紙券)に記載されている整理番号と、ユーザが座っている座席番号と、を車掌端末装置に入力する。車掌端末装置は、入力された整理番号に基づき、記憶装置に保持している販売情報を検索し、この整理番号を含む販売情報が存在するか否かを判定する。入力された整理番号を含む販売情報が存在する場合、車掌端末装置は、前記整理番号を、入力された座席番号に対応する暗号化されたダミーのIDと換え、この暗号化されたダミーのIDを含む販売情報を車上サーバ装置に送信する。ここで、車掌端末装置は、記憶装置等に、座席番号と、この座席番号に対応する暗号化されたダミーのIDと、を保持している。
【0031】
車上サーバ装置は、車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報(ID)が復号化可能か否か、復号化を試みる。車掌端末装置より受信した販売情報には、暗号化されたダミーIDが含まれるため、復号化可能であり、車上サーバ装置は、復号化したダミーIDを含む販売情報に含まれる区間コードと、自身が搭載されている列車等から取得した現在走行している区間の区間コードと、に基づいて、前記販売情報の内、現在走行している区間の区間コードを含む販売情報を選択する。
【0032】
そして、車上サーバ装置は、選択した販売情報に含まれる復号化したダミーIDを、カードIDとして、R/Wアンテナと、R/Wアンテナに対応するLEDランプと、を有するR/Wユニットに有線等を介して定期的に送信する。
【0033】
R/Wアンテナは、車上サーバ装置より送信されてくるカードIDの中に当該R/Wアンテナに対応する座席に対応するダミーIDが存在する場合、このダミーIDに対応する座席に対応するLEDランプ(又は当該R/Wアンテナに対応するLEDランプ)を赤から着席OKを示す緑に変更する。
【0034】
このようにすることによって、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することができる。
【0035】
図3は、駅側のシステムと、座席確保システムと、の一例を示す図である。
図3に示されるように駅側のシステムは、駅毎に管理装置10と、少なくとも1つ以上の座席券売機11と、を含むと共に、中央座席管理サーバ20と、情報発信装置30と、を含む。
また、図3に示されるように実施形態1の座席確保システムは、受信装置40と、車上サーバ装置50と、車両側位置情報装置60と、R/Wアンテナ及びLEDランプを含むR/Wユニット70と、車掌端末装置80と、を含む。
なお、各装置は、少なくとも、CPUと、記憶装置と、ネットワークを介して他の装置と通信を行う通信装置と、を有する。そして、CPUが記憶装置に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによって、以下に示すような各装置の機能を実現する。
【0036】
まず、各駅の管理装置10は、座席券売機11からユーザによって指定された列車及び区間を含む座席券を販売可能か否かの問い合わせ要求を受け取ると中央管理サーバより指定された列車の空席情報を取得し、この空席情報に基づき、前記問い合わせ要求に対して応答を行う。座席券売機11は、ユーザによって指定された列車及び区間の座席券を販売可能である旨の応答を管理装置10より受け取ると、例えば挿入されたICカードより区間に応じた所定の金額を引き去り、指定された列車の列車番号等を記載した座席券(紙券)を出力する。また、ICカードではなく現金が投入された場合、座席券売機11は、投入された金額より区間に応じた所定の金額を減算し、指定された列車の列車番号等を記載した座席券(紙券)及びつり銭等を出力する。
【0037】
座席券の販売情報は、各駅の管理装置10を介して中央座席管理サーバ20に送信され、中央座席管理サーバ20において管理される。そして、座席券の販売情報は、定期的に情報発信装置30を介して、特急列車内の座席確保システムに対して一斉送信される。
【0038】
ここで、図4は、ICカードで座席券を購入した場合の販売情報の一例を示す図である。図4に示されるように、ICカードで座席券を購入した場合の販売情報は、販売情報を識別する整理コードと、座席券が販売された日付と、指定された列車を識別する列車番号と、指定された区間を識別する区間コードと、料金を引き去ったICカードを識別するカードID(暗号化済み)と、を含む。整理コード以外の情報は、座席券売機11によって生成され、整理コードは、中央座席管理サーバ20において付与される。なお、カードIDは、座席券売機11において暗号化され、販売情報の中に含まれる。
【0039】
また、図5は、現金で座席券を購入した場合の販売情報の一例を示す図である。図5に示されるように、現金で座席券を購入した場合の販売情報は、販売情報を識別する整理コードと、座席券が販売された日付と、指定された列車を識別する列車番号と、指定された区間を識別する区間コードと、暗号化されたカードIDと同じ桁数の整理番号と、を含む。上述したのと同様、整理コード以外の情報は、座席券売機11によって生成され、整理コードは、中央座席管理サーバ20において付与される。なお、整理番号は、暗号化されず、販売情報の中に含まれる。
【0040】
受信装置40は、情報発信装置30が送信する販売情報を受信し、車上サーバ装置50に送信する。一方、車両側位置情報装置60は、車掌等に列車番号を設定されると、この設定された列車番号を車上サーバ装置50に送信すると共に、定期的に、車両の車輪の回転数等より算出した車両の現在位置情報を区間コードに変換し、車上サーバ装置50に送信する。
【0041】
車上サーバ装置50は、まず受信装置40から受信した販売情報の中から車両側位置情報装置60より受け取った列車番号を含む販売情報を選択し、他の販売情報は破棄する。なお、ここで、図4に示されるように販売情報の中には日付も含まれる。よって、車上サーバ装置50は、前記選択した販売情報の中から、車掌等に車両側位置情報装置60等を介して入力された日付を含む販売情報を選択し、他の販売情報は破棄するようにしてもよい。なお、以下では説明の簡略化のため、日付に基づく選択処理(又は判定処理)の説明は省略する。
【0042】
また、車上サーバ装置50は、後述するように販売情報に含まれる整理コードを用いた判定を行い、座席管理テーブルに登録されていない整理コードを含む販売情報のみを選択し、他の販売情報は破棄するようにしてもよい。
【0043】
車上サーバ装置50は、前記選択した販売情報及び車掌端末装置80より受信した販売情報に含まれる識別情報(つまり、カードID、又は整理番号、又はダミーID)が復号化可能か否かを判定する。識別情報がカードID、又はダミーIDの場合、暗号化されているため、車上サーバ装置50は、復号化可能であると判定し、このカードID、又はダミーIDを復号化する。そして、車上サーバ装置50は、復号化したカードID、又はダミーIDを含む販売情報に含まれる区間コードと、車両側位置情報装置60より取得した現在走行している区間の区間コードと、に基づいて、前記販売情報の内、現在走行している区間の区間コードを含む販売情報を選択する。
【0044】
車上サーバ装置50は、前記選択した販売情報に含まれる復号化したカードID、又はダミーIDを、R/Wユニット70(又はR/Wユニット70のR/Wアンテナ)に送信する。一方、識別情報が整理番号の場合、暗号化されていないため、車上サーバ装置50は、復号化不可能であると判定し、この整理番号を含む販売情報を、近距離無線等を介して車掌端末装置80に送信する。
【0045】
車掌端末装置80は、販売情報を受け取ると、車掌端末装置80の記録装置等に保持する。車掌端末装置80は、車掌等によって車内改札の際に入力された整理番号に基づき、記憶装置に保持している販売情報を検索し、この整理番号を含む販売情報が存在するか否かを判定する。入力された整理番号を含む販売情報が存在する場合、車掌端末装置80は、前記整理番号を、車掌等によって車内改札の際に入力された座席番号に対応する暗号化されたダミーのIDと換え、この暗号化されたダミーのIDを含む販売情報を車上サーバ装置に送信する。図6は、整理番号をダミーのIDと換えた販売情報の一例を示す図である。
【0046】
ここで、ICカードで座席券を購入し、列車に乗車したユーザは、赤に点灯しているLEDランプに対応する座席に座り、前記座席に対応するR/WアンテナにICカードをタッチする。R/Wアンテナは、タッチされたICカードよりカードIDを読み取り、このカードIDを保持する。そして、R/Wアンテナは、車上サーバ装置50より送信されてくるカードIDの中に、保持しているカードIDが存在する場合、LEDランプを赤から着席OKを示す緑に変更する。そして、R/Wアンテナは、車上サーバ装置50より送信されてくるカードIDの中に、保持しているカードIDが存在する間、LEDランプを緑点灯させる。
【0047】
一方、現金で座席券を購入し、列車に乗車したユーザは、赤点灯しているLEDランプに対応する席に座り、車掌による車内改札を待つ。そして、車掌による車内改札において列車番号及び整理番号等を記載した座席券(紙券)を車掌に見せる。車掌は、座席券(紙券)に記載されている整理番号と、ユーザが座っている座席番号と、を車掌端末装置に入力する。すると、上述したように、車掌端末装置80は、座席番号に対応する暗号化されたダミーのIDを整理番号に換えて販売情報に含め、車上サーバ装置50に送信する。すると、上述したように、車上サーバ装置は、ダミーのIDは復号化できるため、区間の判定を行い、販売情報に含まれる区間コードに該当する区間を列車が走行している場合、このダミーID(復号化したダミーID)をR/Wアンテナに送信する。
【0048】
R/Wアンテナは、車上サーバ装置50より送信されてくるカードIDの中に当該R/Wアンテナに対応する座席に対応するダミーIDが存在する場合、このダミーIDに対応する座席に対応するLEDランプ(又は当該R/Wアンテナに対応するLEDランプ)を赤から着席OKを示す緑に変更する。そして、R/Wアンテナは、車上サーバ装置50より送信されてくるカードIDの中に、当該R/Wアンテナに対応する座席に対応するダミーIDが存在する間、LEDランプを緑点灯させる。
【0049】
以下、図7〜図11のフローチャートを用いて座席確保システムにおける処理の一例を説明する。
図7は、車上サーバ装置50における販売情報の蓄積処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS10において、車上サーバ装置50は、車両側位置情報装置60より列車番号を取得する。
【0050】
ステップS11において、車上サーバ装置50は、受信装置40より販売情報を受信する。
続いて、ステップS12において、車上サーバ装置50は、ステップS11で受信した販売情報の中から、ステップS10で取得した列車番号を含む販売情報を選択し、他の販売情報は破棄する。
【0051】
続いて、ステップS13において、車上サーバ装置50は、前記選択した販売情報の内、既に座席管理テーブルに蓄積されている販売情報に含まれる整理コード以外の整理コードを含む販売情報を選択し、他の販売情報は破棄する。
【0052】
続いて、ステップS14において、車上サーバ装置50は、前記選択した販売情報を座席管理テーブルに蓄積(又は格納)し、ステップS11の処理に戻る。
【0053】
図8は、車上サーバ装置50におけるR/Wユニット70への販売情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS20において、車上サーバ装置50は、座席管理テーブルより販売情報を取得する。
【0054】
続いて、ステップS21において、車上サーバ装置50は、車掌端末装置80より販売情報を受信したか否かを判定する。車上サーバ装置50は、車掌端末装置80より販売情報を受信していた場合、ステップS22に進み、車掌端末装置80より販売情報を受信していない場合、ステップS23に進む。
【0055】
ステップS22において、車上サーバ装置50は、車掌端末装置80より、受信した販売情報を取得する。
ステップS23において、車上サーバ装置50は、販売情報に含まれるID(つまり、カードID、又は整理番号、又はダミーID)の復号化(暗号化の解除)を試みる。そして、ステップS24において、車上サーバ装置50は、販売情報に含まれるIDが復号化できたか否かに応じて、処理を分岐する。
【0056】
ステップS25において、車上サーバ装置50は、販売情報に含まれるIDの内、解除できないID(つまり整理番号)を含む販売情報は、車掌端末装置80に送信し、ステップS20の処理に戻る。一方、ステップS26において、車上サーバ装置50は、車両側位置情報装置60より現在走行している区間の区間コードを取得する。続いて、ステップS27において、車上サーバ装置50は、復号化したID(つまり、復号化したカードID及び/又は復号化したダミーID)を含む販売情報の内、ステップS26で取得した区間コードを含む販売情報を選択する。続いて、ステップS28において、車上サーバ装置50は、ステップS27で選択した販売情報に含まれるID(つまり、復号化したカードID及び/又は復号化したダミーID)をR/Wユニット70(又はR/Wユニット70のR/Wアンテナ)に送信し、ステップS20の処理に戻る。
【0057】
図9は、車掌端末装置80における販売情報の保存処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS30において、車掌端末装置80は、車上サーバ装置50より販売情報を受信したか否かを判定する。車掌端末装置80は、車上サーバ装置50より販売情報を受信した場合、ステップS31に進み、車上サーバ装置50より販売情報を受信していない場合、ステップS30の処理を繰り返す。
【0058】
ステップS31において、車掌端末装置80は、車掌端末装置80の記憶装置等に受信した販売情報を保存する。
【0059】
図10は、車掌端末装置80における販売情報の変更処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS40において、車掌端末装置80は、車掌等より、整理番号及び座席番号が入力されたか否かを判定する。車掌端末装置80は、整理番号及び座席番号が入力された場合、ステップS41に進み、整理番号及び座席番号が入力されない場合、ステップS40の処理を繰り返す。
【0060】
ステップS41において、車掌端末装置80は、車掌等より入力された整理番号と同じ整理番号を含む販売情報が、記憶装置等に保存されているか否かを判定する。車掌端末装置80は、車掌等より入力された整理番号と同じ整理番号を含む販売情報が、記憶装置等に保存されている場合、ステップS43に進み、車掌等より入力された整理番号と同じ整理番号を含む販売情報が、記憶装置等に保存されていない場合、ステップS42に進む。
【0061】
ステップS42において、車掌端末装置80は、入力された整理番号を含む販売情報が存在しない旨を、車掌端末装置80の表示装置等に表示させ、ステップS40の処理に戻る。一方、ステップS43において、車掌端末装置80は、入力された整理番号を含む販売情報が存在する旨を、車掌端末装置80の表示装置等に表示させる。
【0062】
ステップS44において、車掌端末装置80は、入力された整理番号を含む販売情報の前記整理番号を、入力された座席番号に対応する暗号化されたダミーIDと付け替える。
続いて、ステップS45において、車掌端末装置80は、整理番号をダミーIDと付け替えた販売情報を、近距離無線通信等を介して、車上サーバ装置50に送信し、ステップS40の処理に戻る。
【0063】
図11は、R/WアンテナにおけるLEDランプの表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS50において、R/Wアンテナは、車上サーバ装置50より、IDを受信する。
【0064】
続いて、ステップS51において、R/Wアンテナは、受信したIDの中に、ダミーIDが含まれているか否かを判断し、ダミーIDと、カードIDと、で処理を分岐する。R/Wアンテナは、受信したIDの中にダミーIDが含まれていた場合、そのダミーIDに関して、ステップS52の処理を行う。また、R/Wアンテナは、受信したIDの中に、カードIDが含まれていた場合、そのカードIDに関して、ステップS53の処理を行う。
【0065】
ステップS52において、R/Wアンテナは、車上サーバ装置50より受信したIDに含まれるダミーIDの内、当該R/Wアンテナに対応する席に関する(座席を識別する)ダミーIDが存在するか否かを判定する。なお、R/Wアンテナは、R/Wアンテナの記憶装置等に、当該R/Wアンテナに対応するLEDランプを識別する情報、当該R/Wアンテナに対応する座席を識別する識別情報(座席番号)等を保持しているものとする。
R/Wアンテナは、車上サーバ装置50より受信したIDに含まれるダミーIDの内、当該R/Wアンテナに対応する席に関する(座席を識別する)ダミーIDが存在すると判定すると、ステップS57に進み、当該R/Wアンテナに対応する席に関する(座席を識別する)ダミーIDが存在しないと判定すると、ステップS58に進む。
【0066】
一方、ステップS53において、R/Wアンテナは、ユーザによりICカードをタッチされたか(又はかざされたか)否かを判定する。R/Wアンテナは、カードをタッチされたと判定するとステップS54に進み、カードをタッチされていないと判定すると、ステップS56に進む。
【0067】
ステップS54において、R/Wアンテナは、ICカードよりカードIDを読み込む。
続いて、ステップS55において、R/Wアンテナは、ステップS54で読み込んだカードIDをRAM又はHD等の記憶装置に保存する。
【0068】
ステップS56において、R/Wアンテナは、記憶装置に保存してあるカードIDに対応するカードIDが、車上サーバ装置50より受信したIDに含まれるカードIDの中に存在するか否かを判定する。R/Wアンテナは、記憶装置に保存してあるカードIDに対応するカードIDが、車上サーバ装置50より受信したIDに含まれるカードIDの中に存在すると判定するとステップS57に進み、記憶装置に保存してあるカードIDに対応するカードIDが、車上サーバ装置50より受信したIDに含まれるカードIDの中に存在しないと判定するとステップS58に進む。
【0069】
ステップS57において、R/Wアンテナは、当該R/Wアンテナに対応するLEDランプを赤点灯から緑点灯にするよう制御し、ステップS50の処理に戻る。
なお、R/Wアンテナは、対応するLEDランプを赤点灯から緑点灯にするよう制御した場合、車上サーバ装置50に対して、該当するカードIDと、座席番号と、を含む、着座情報を送信するようにしてもよい。着座情報を受信した車上サーバ装置50は、着座情報に含まれるカードIDに基づいて、座席管理テーブルの該当する販売情報に、座席番号や、ユーザが着座したことを示す情報等を関連付けて蓄積するようにしてもよい。
【0070】
一方、ステップS58において、R/Wアンテナは、当該R/Wアンテナに対応するLEDランプが緑点灯になっているか否かを判定する。R/Wアンテナは、当該R/Wアンテナに対応するLEDランプが緑点灯になっていると判定すると、ステップS59に進み、当該R/Wアンテナに対応するLEDランプが赤点灯になっていると判定すると、ステップS50の処理に戻る。
ステップS59において、R/Wアンテナは、当該R/Wアンテナに対応するLEDランプを緑点灯から赤点灯にするよう制御し、ステップS50の処理に戻る。なお、R/Wアンテナは、対応するLEDランプを緑点灯から赤点灯にするよう制御した場合、車上サーバ装置50に対して、該当するカードIDと、座席番号と、を含む、離席情報を送信するようにしてもよい。離席情報を受信した車上サーバ装置50は、離席情報に含まれるカードIDに基づいて、座席管理テーブルの該当する販売情報に、座席番号や、ユーザが離席したことを示す情報等を関連付けて蓄積してもよい。
【0071】
つまり、車上サーバ装置50において、販売情報に含まれる区間コード等を用いて、区間判定を行っており、現在走行中の区間を過ぎた区間コードを含む販売情報は、R/Wアンテナに送信されてこなくなる。よって、R/Wアンテナは、LEDランプを緑点灯にした後も、車上サーバ装置50から該当する販売情報が送信されてくる間は、前記LEDランプを緑点灯させておくが、車上サーバ装置50から当該する販売情報が送信されてこなくなった場合は、前記LEDランプを赤点灯にする。
【0072】
以上、上述したように本実施形態によれば、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保すると共に、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することができる。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】ICカードで座席券を購入し、特急列車に乗車する場合のユーザ及び座席確保システム等の動作の概要を示す図である。
【図2】現金で座席券を購入し、特急列車に乗車する場合のユーザ及び座席確保システム等の動作の概要を示す図である。
【図3】駅側のシステムと、座席確保システムと、の一例を示す図である。
【図4】ICカードで座席券を購入した場合の販売情報の一例を示す図である。
【図5】現金で座席券を購入した場合の販売情報の一例を示す図である。
【図6】整理番号をダミーのIDと換えた販売情報の一例を示す図である。
【図7】車上サーバ装置50における販売情報の蓄積処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】車上サーバ装置50におけるR/Wユニット70への販売情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】車掌端末装置80における販売情報の保存処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】車掌端末装置80における販売情報の変更処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】R/WアンテナにおけるLEDランプの表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
10 管理装置
11 座席券売機
20 中央座席管理サーバ
30 情報発信装置
40 受信装置
50 車上サーバ装置
60 車両側位置情報装置
70 R/Wユニット
80 車掌端末装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、座席確保システム、車上サーバ装置、車掌端末装置及び読み出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特急列車の中には、乗客から特急料金を徴収せずに、乗車を許可している特急列車がある。
【0003】
ところで、現在、鉄道系のICカードが普及し、かつ、このようなICカードに関する鉄道会社間等の相互利用も進んでいる。特許文献1には、券売機等が、ICカード等に自由席グリーン券等の乗車券情報を書き込み、グリーン車の各座席に対応して設置されているリーダ/ライタが、ICカード等と通信を行い、ICカード等に書き込まれている乗車券情報を読み取り、有効な乗車券か否かを判定する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−79186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような特急列車は人気があり、混雑するため、始発駅以外の駅から乗車する乗客は座席を確保することが殆ど出来ない問題があった。そのため、このような特急列車を運行する鉄道会社には料金を払っても良いので席に座りたいという要望が乗客から寄せられていた。
【0006】
一方、上述した特許文献1の技術では、ICカードに自由席グリーン券等の乗車券情報を書き込む必要がある。そのため、ICカードの設計等を変更する必要があると共に、この変更のためにICカードに書き込まれる他の情報等に影響がないかどうかの試験を行わなければならない問題があった。また、相互利用が進んでいるICカードに関して、ある一社の鉄道会社の都合で相互利用に用いられるICカードの設計(又は仕様)等を変更することが難しい問題もあった。また、上述した特許文献1の技術では、座席を確実に確保することは保証されていない問題もあった。
【0007】
よって、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保することができるシステムが求められている。
一方、鉄道系のICカードは普及しているが、全ての人がこのようなICカードを持っている訳ではなく、現金で座席券を購入したいと考える乗客もいる。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保すると共に、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、記録担体より情報の読み出しを行う読み出し装置と、対応する座席が利用可能か否かを表示する表示装置と、車上サーバ装置と、車外の情報発信装置より座席券に関する販売情報を受信する車上受信装置と、車掌端末装置と、を有し、前記車上サーバ装置は、前記車上受信装置が受信した販売情報の内、入力された列車番号を含む販売情報を選択し、選択した前記販売情報及び前記車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報が復号化可能か否かを判定し、復号化可能な識別情報は前記識別情報を復号化して前記読み出し装置に配信し、復号化不可能な識別情報は前記識別情報を含む販売情報を前記車掌端末装置に送信し、前記車掌端末装置は、前記車上サーバ装置より受信した販売情報を保持し、保持した前記販売情報の内、入力された整理番号を識別情報として含む販売情報が存在する場合、前記販売情報の識別情報を、入力された座席番号に対応する、暗号化されたダミーの識別情報に換え、前記ダミーの識別情報を含む販売情報を前記車上サーバ装置に送信し、前記読み出し装置は、前記車上サーバ装置より配信される前記識別情報の中に、当該読み出し装置に対応する席に関するダミーの識別情報が存在する場合、当該読み出し装置に対応する前記表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御することを特徴とする。
【0010】
係る構成とすることにより、車上サーバ装置は、車上受信装置が受信した座席券に関する販売情報の内、入力された列車番号を含む販売情報を選択し、選択したこの販売情報及び車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報に対して復号化を試み、復号化可能な識別情報は復号化した識別情報を読み出し装置に配信し、復号化不可能な識別情報はこの識別情報を含む販売情報ごと車掌端末装置に送信する。一方、車掌端末装置は、車上サーバ装置より受信した販売情報を記憶装置等に保持しておき、例えば車掌等から整理番号が入力されるとこの整理番号を前記識別情報として含む販売情報が前記保持しておいた販売情報の中に存在するか否か検索し、該当する販売情報が存在する場合、この販売情報に含まれる識別情報を、例えば車掌等によって入力された座席番号に対応する、暗号化された(又は暗号化した)ダミーの識別情報に換え、この識別情報をダミーの識別情報で置き換えた販売情報を車上サーバ装置に送信する。車上サーバ装置は、車掌端末装置より受け取った販売情報の識別情報(ダミーの識別情報)に対して符号化を試み、このダミーの識別情報は暗号化されているため、復号化され、読み出し装置に配信される。読み出し装置は、車上サーバ装置より配信される識別情報の中に、自身に対応する席に関するダミーの識別情報(復号化されたダミーの識別情報)が存在する場合、自身に対応する表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御する。よって、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保すると共に、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することができる。
【0011】
また、本発明は、車外の情報発信装置より座席券に関する販売情報を受信する車上受信装置が受信した座席券に関する販売情報の内、入力された列車番号を含む販売情報を選択し、選択した前記販売情報及び車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報が復号化可能か否かを判定し、復号化可能な識別情報は前記識別情報を復号化して記録担体より情報の読み出しを行う読み出し装置に配信し、復号化不可能な識別情報は前記識別情報を含む販売情報を車掌端末装置に送信することを特徴とする。
【0012】
係る構成とすることにより、車上サーバ装置は、車上受信装置が受信した座席券に関する販売情報の内、入力された列車番号を含む販売情報を選択し、選択したこの販売情報及び車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報に対して復号化を試み、復号化可能な識別情報は復号化した識別情報を読み出し装置に配信し、復号化不可能な識別情報はこの識別情報を含む販売情報ごと車掌端末装置に送信することができる。よって、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保すると共に、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することができる。
【0013】
また、本発明は、車上サーバ装置より受信した座席券に関する販売情報を保持し、保持した前記販売情報の内、入力された整理番号を識別情報として含む販売情報が存在する場合、前記販売情報の識別情報を、入力された座席番号に対応する、暗号化されたダミーの識別情報に換え、前記ダミーの識別情報を含む販売情報を前記車上サーバ装置に送信することを特徴とする。
【0014】
係る構成とすることにより、車掌端末装置は、車上サーバ装置より受信した販売情報を記憶装置等に保持しておき、例えば車掌等から整理番号が入力されるとこの整理番号を前記識別情報として含む販売情報が前記保持しておいた販売情報の中に存在するか否か検索し、該当する販売情報が存在する場合、この販売情報に含まれる識別情報を、例えば車掌等によって入力された座席番号に対応する、暗号化された(又は暗号化した)ダミーの識別情報に換え、この識別情報をダミーの識別情報で置き換えた販売情報を車上サーバ装置に送信することができる。よって、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保すると共に、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することができる。
【0015】
また、本発明は、記録担体より情報の読み出しを行う読み出し装置であって、車上サーバ装置より配信される識別情報の中に、記録担体より読み取った、前記記録担体を識別する識別情報が存在する場合、当該読み出し装置に対応する表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御すると共に、車上サーバ装置より配信される識別情報の中に、当該読み出し装置に対応する席に関するダミーの識別情報が存在する場合、当該読み出し装置に対応する表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御することを特徴とする。
【0016】
係る構成とすることにより、読み出し装置は、車上サーバ装置より配信される識別情報の中に、自身に対応する席に関するダミーの識別情報(復号化されたダミーの識別情報)が存在する場合、自身に対応する表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御すると共に、タッチ等された記録担体より読み取ったこの記録担体を識別する識別情報が、車上サーバ装置より配信される識別情報に含まれている場合、読み出し装置に対応する表示装置の表示を、表示装置に対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御することができる。よって、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保すると共に、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保すると共に、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、ICカードで座席券を購入し、特急列車に乗車する場合のユーザ及び座席確保システム等の動作の概要を示す図である。図1に示されるように、ユーザは、座席券売機等において、乗車する列車を指定し、例えばICカードを挿入し、座席券を購入する。すると、座席券売機は、所定の料金をICカードにチャージされている金額から引き去り、指定された列車の列車番号(列番)等を記載した座席券(紙券)を出力する。ユーザは、この座席券を持って、指定した(又は座席券に記載された)列車に乗車する。
【0020】
駅側のシステムは、座席券売機において販売された座席券に関する販売情報を、特急車内側のシステム(座席確保システム)に対して、無線等を用いて送信する。なお、ここで、駅側のシステムは、販売情報を複数の特急車内側に対して一斉に送信する。ここで、ICカードで購入された販売情報には、整理コード、日付、列車番号、区間コード、暗号化されたカードID等が含まれる。
【0021】
特急車内に設置されている車上サーバ装置は、特急車内側のシステムが受信した販売情報に含まれる列車番号と、自身が搭載されている列車の列車番号と、に基づいて、自身が搭載されている列車の列車番号を含む販売情報を選択し、他の販売情報は破棄する。
【0022】
そして、車上サーバ装置は、選択した販売情報に含まれる識別情報(ID)が復号化可能か否か、復号化を試みる。ICカードで購入された販売情報には、暗号化されたカードIDが含まれるため、復号化可能であり、車上サーバ装置は、この暗号化されたカードIDを復号化する。
また、車上サーバ装置は、復号化したカードIDを含む販売情報に含まれる区間コードと、自身が搭載されている列車等から取得した現在走行している区間の区間コードと、に基づいて、前記販売情報の内、現在走行している区間の区間コードを含む販売情報を選択する。
【0023】
そして、車上サーバ装置は、選択した販売情報、又は選択した販売情報に含まれる復号化したカードIDを、R/Wアンテナと、R/Wアンテナに対応するLEDランプと、を有するR/Wユニットに有線等を介して定期的に送信する。なお、以下では説明の簡略化のため、車上サーバ装置は、復号化したカードIDをR/Wユニットに送信するものとして説明する。
【0024】
ここで、列車に乗車したユーザは、ICカードをR/Wアンテナにタッチする。R/Wアンテナは、タッチされたICカードよりカードIDを読み取り、このカードIDを保持する。そして、R/Wアンテナは、車上サーバ装置より送信されてくるカードIDの中に、保持しているカードIDが存在する場合、LEDランプを赤から着席OKを示す緑に変更する。
【0025】
このようにすることによって、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保することができる。
【0026】
図2は、現金で座席券を購入し、特急列車に乗車する場合のユーザ及び座席確保システム等の動作の概要を示す図である。図2に示されるように、ユーザは、座席券売機等において、乗車する列車を指定し、提示された金額を投入し、座席券を購入する。すると、座席券売機は、指定された列車の列車番号(列番)及び整理番号等を記載した座席券(紙券)を出力する。ユーザは、この座席券を持って、指定した(又は座席券に記載された)列車に乗車する。
【0027】
駅側のシステムは、座席券売機において販売された座席券に関する販売情報を、特急車内側のシステム(座席確保システム)に対して、無線等を用いて送信する。なお、ここで、駅側のシステムは、販売情報を複数の特急車内側に対して一斉に送信する。ここで、現金で購入された販売情報には、整理コード、日付、列車番号、区間コード、暗号化されたカードIDと同じ桁数の暗号化されていない整理番号と、が含まれる。
【0028】
特急車内に設置されている車上サーバ装置は、特急車内側のシステムが受信した販売情報に含まれる列車番号と、自身が搭載されている列車の列車番号と、に基づいて、自身が搭載されている列車の列車番号を含む販売情報を選択し、他の販売情報は破棄する。
【0029】
そして、車上サーバ装置は、選択した販売情報に含まれる識別情報(ID)が復号化可能か否か復号化を試みる。現金で購入された販売情報には、暗号化されていない整理番号が含まれるため、復号化不可能であり、車上サーバ装置は、この整理番号を含む販売情報を、短距離無線等を介して車掌端末装置に送信する。車掌端末装置は、販売情報を受け取ると、車掌端末装置の記録装置等に保持する。
【0030】
ここで、列車に乗車したユーザは、赤点灯しているLEDランプに対応する席に座り、車掌による車内改札を待つ。そして、車掌による車内改札において列車番号及び整理番号等を記載した座席券(紙券)を車掌に見せる。車掌は、座席券(紙券)に記載されている整理番号と、ユーザが座っている座席番号と、を車掌端末装置に入力する。車掌端末装置は、入力された整理番号に基づき、記憶装置に保持している販売情報を検索し、この整理番号を含む販売情報が存在するか否かを判定する。入力された整理番号を含む販売情報が存在する場合、車掌端末装置は、前記整理番号を、入力された座席番号に対応する暗号化されたダミーのIDと換え、この暗号化されたダミーのIDを含む販売情報を車上サーバ装置に送信する。ここで、車掌端末装置は、記憶装置等に、座席番号と、この座席番号に対応する暗号化されたダミーのIDと、を保持している。
【0031】
車上サーバ装置は、車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報(ID)が復号化可能か否か、復号化を試みる。車掌端末装置より受信した販売情報には、暗号化されたダミーIDが含まれるため、復号化可能であり、車上サーバ装置は、復号化したダミーIDを含む販売情報に含まれる区間コードと、自身が搭載されている列車等から取得した現在走行している区間の区間コードと、に基づいて、前記販売情報の内、現在走行している区間の区間コードを含む販売情報を選択する。
【0032】
そして、車上サーバ装置は、選択した販売情報に含まれる復号化したダミーIDを、カードIDとして、R/Wアンテナと、R/Wアンテナに対応するLEDランプと、を有するR/Wユニットに有線等を介して定期的に送信する。
【0033】
R/Wアンテナは、車上サーバ装置より送信されてくるカードIDの中に当該R/Wアンテナに対応する座席に対応するダミーIDが存在する場合、このダミーIDに対応する座席に対応するLEDランプ(又は当該R/Wアンテナに対応するLEDランプ)を赤から着席OKを示す緑に変更する。
【0034】
このようにすることによって、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することができる。
【0035】
図3は、駅側のシステムと、座席確保システムと、の一例を示す図である。
図3に示されるように駅側のシステムは、駅毎に管理装置10と、少なくとも1つ以上の座席券売機11と、を含むと共に、中央座席管理サーバ20と、情報発信装置30と、を含む。
また、図3に示されるように実施形態1の座席確保システムは、受信装置40と、車上サーバ装置50と、車両側位置情報装置60と、R/Wアンテナ及びLEDランプを含むR/Wユニット70と、車掌端末装置80と、を含む。
なお、各装置は、少なくとも、CPUと、記憶装置と、ネットワークを介して他の装置と通信を行う通信装置と、を有する。そして、CPUが記憶装置に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによって、以下に示すような各装置の機能を実現する。
【0036】
まず、各駅の管理装置10は、座席券売機11からユーザによって指定された列車及び区間を含む座席券を販売可能か否かの問い合わせ要求を受け取ると中央管理サーバより指定された列車の空席情報を取得し、この空席情報に基づき、前記問い合わせ要求に対して応答を行う。座席券売機11は、ユーザによって指定された列車及び区間の座席券を販売可能である旨の応答を管理装置10より受け取ると、例えば挿入されたICカードより区間に応じた所定の金額を引き去り、指定された列車の列車番号等を記載した座席券(紙券)を出力する。また、ICカードではなく現金が投入された場合、座席券売機11は、投入された金額より区間に応じた所定の金額を減算し、指定された列車の列車番号等を記載した座席券(紙券)及びつり銭等を出力する。
【0037】
座席券の販売情報は、各駅の管理装置10を介して中央座席管理サーバ20に送信され、中央座席管理サーバ20において管理される。そして、座席券の販売情報は、定期的に情報発信装置30を介して、特急列車内の座席確保システムに対して一斉送信される。
【0038】
ここで、図4は、ICカードで座席券を購入した場合の販売情報の一例を示す図である。図4に示されるように、ICカードで座席券を購入した場合の販売情報は、販売情報を識別する整理コードと、座席券が販売された日付と、指定された列車を識別する列車番号と、指定された区間を識別する区間コードと、料金を引き去ったICカードを識別するカードID(暗号化済み)と、を含む。整理コード以外の情報は、座席券売機11によって生成され、整理コードは、中央座席管理サーバ20において付与される。なお、カードIDは、座席券売機11において暗号化され、販売情報の中に含まれる。
【0039】
また、図5は、現金で座席券を購入した場合の販売情報の一例を示す図である。図5に示されるように、現金で座席券を購入した場合の販売情報は、販売情報を識別する整理コードと、座席券が販売された日付と、指定された列車を識別する列車番号と、指定された区間を識別する区間コードと、暗号化されたカードIDと同じ桁数の整理番号と、を含む。上述したのと同様、整理コード以外の情報は、座席券売機11によって生成され、整理コードは、中央座席管理サーバ20において付与される。なお、整理番号は、暗号化されず、販売情報の中に含まれる。
【0040】
受信装置40は、情報発信装置30が送信する販売情報を受信し、車上サーバ装置50に送信する。一方、車両側位置情報装置60は、車掌等に列車番号を設定されると、この設定された列車番号を車上サーバ装置50に送信すると共に、定期的に、車両の車輪の回転数等より算出した車両の現在位置情報を区間コードに変換し、車上サーバ装置50に送信する。
【0041】
車上サーバ装置50は、まず受信装置40から受信した販売情報の中から車両側位置情報装置60より受け取った列車番号を含む販売情報を選択し、他の販売情報は破棄する。なお、ここで、図4に示されるように販売情報の中には日付も含まれる。よって、車上サーバ装置50は、前記選択した販売情報の中から、車掌等に車両側位置情報装置60等を介して入力された日付を含む販売情報を選択し、他の販売情報は破棄するようにしてもよい。なお、以下では説明の簡略化のため、日付に基づく選択処理(又は判定処理)の説明は省略する。
【0042】
また、車上サーバ装置50は、後述するように販売情報に含まれる整理コードを用いた判定を行い、座席管理テーブルに登録されていない整理コードを含む販売情報のみを選択し、他の販売情報は破棄するようにしてもよい。
【0043】
車上サーバ装置50は、前記選択した販売情報及び車掌端末装置80より受信した販売情報に含まれる識別情報(つまり、カードID、又は整理番号、又はダミーID)が復号化可能か否かを判定する。識別情報がカードID、又はダミーIDの場合、暗号化されているため、車上サーバ装置50は、復号化可能であると判定し、このカードID、又はダミーIDを復号化する。そして、車上サーバ装置50は、復号化したカードID、又はダミーIDを含む販売情報に含まれる区間コードと、車両側位置情報装置60より取得した現在走行している区間の区間コードと、に基づいて、前記販売情報の内、現在走行している区間の区間コードを含む販売情報を選択する。
【0044】
車上サーバ装置50は、前記選択した販売情報に含まれる復号化したカードID、又はダミーIDを、R/Wユニット70(又はR/Wユニット70のR/Wアンテナ)に送信する。一方、識別情報が整理番号の場合、暗号化されていないため、車上サーバ装置50は、復号化不可能であると判定し、この整理番号を含む販売情報を、近距離無線等を介して車掌端末装置80に送信する。
【0045】
車掌端末装置80は、販売情報を受け取ると、車掌端末装置80の記録装置等に保持する。車掌端末装置80は、車掌等によって車内改札の際に入力された整理番号に基づき、記憶装置に保持している販売情報を検索し、この整理番号を含む販売情報が存在するか否かを判定する。入力された整理番号を含む販売情報が存在する場合、車掌端末装置80は、前記整理番号を、車掌等によって車内改札の際に入力された座席番号に対応する暗号化されたダミーのIDと換え、この暗号化されたダミーのIDを含む販売情報を車上サーバ装置に送信する。図6は、整理番号をダミーのIDと換えた販売情報の一例を示す図である。
【0046】
ここで、ICカードで座席券を購入し、列車に乗車したユーザは、赤に点灯しているLEDランプに対応する座席に座り、前記座席に対応するR/WアンテナにICカードをタッチする。R/Wアンテナは、タッチされたICカードよりカードIDを読み取り、このカードIDを保持する。そして、R/Wアンテナは、車上サーバ装置50より送信されてくるカードIDの中に、保持しているカードIDが存在する場合、LEDランプを赤から着席OKを示す緑に変更する。そして、R/Wアンテナは、車上サーバ装置50より送信されてくるカードIDの中に、保持しているカードIDが存在する間、LEDランプを緑点灯させる。
【0047】
一方、現金で座席券を購入し、列車に乗車したユーザは、赤点灯しているLEDランプに対応する席に座り、車掌による車内改札を待つ。そして、車掌による車内改札において列車番号及び整理番号等を記載した座席券(紙券)を車掌に見せる。車掌は、座席券(紙券)に記載されている整理番号と、ユーザが座っている座席番号と、を車掌端末装置に入力する。すると、上述したように、車掌端末装置80は、座席番号に対応する暗号化されたダミーのIDを整理番号に換えて販売情報に含め、車上サーバ装置50に送信する。すると、上述したように、車上サーバ装置は、ダミーのIDは復号化できるため、区間の判定を行い、販売情報に含まれる区間コードに該当する区間を列車が走行している場合、このダミーID(復号化したダミーID)をR/Wアンテナに送信する。
【0048】
R/Wアンテナは、車上サーバ装置50より送信されてくるカードIDの中に当該R/Wアンテナに対応する座席に対応するダミーIDが存在する場合、このダミーIDに対応する座席に対応するLEDランプ(又は当該R/Wアンテナに対応するLEDランプ)を赤から着席OKを示す緑に変更する。そして、R/Wアンテナは、車上サーバ装置50より送信されてくるカードIDの中に、当該R/Wアンテナに対応する座席に対応するダミーIDが存在する間、LEDランプを緑点灯させる。
【0049】
以下、図7〜図11のフローチャートを用いて座席確保システムにおける処理の一例を説明する。
図7は、車上サーバ装置50における販売情報の蓄積処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS10において、車上サーバ装置50は、車両側位置情報装置60より列車番号を取得する。
【0050】
ステップS11において、車上サーバ装置50は、受信装置40より販売情報を受信する。
続いて、ステップS12において、車上サーバ装置50は、ステップS11で受信した販売情報の中から、ステップS10で取得した列車番号を含む販売情報を選択し、他の販売情報は破棄する。
【0051】
続いて、ステップS13において、車上サーバ装置50は、前記選択した販売情報の内、既に座席管理テーブルに蓄積されている販売情報に含まれる整理コード以外の整理コードを含む販売情報を選択し、他の販売情報は破棄する。
【0052】
続いて、ステップS14において、車上サーバ装置50は、前記選択した販売情報を座席管理テーブルに蓄積(又は格納)し、ステップS11の処理に戻る。
【0053】
図8は、車上サーバ装置50におけるR/Wユニット70への販売情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS20において、車上サーバ装置50は、座席管理テーブルより販売情報を取得する。
【0054】
続いて、ステップS21において、車上サーバ装置50は、車掌端末装置80より販売情報を受信したか否かを判定する。車上サーバ装置50は、車掌端末装置80より販売情報を受信していた場合、ステップS22に進み、車掌端末装置80より販売情報を受信していない場合、ステップS23に進む。
【0055】
ステップS22において、車上サーバ装置50は、車掌端末装置80より、受信した販売情報を取得する。
ステップS23において、車上サーバ装置50は、販売情報に含まれるID(つまり、カードID、又は整理番号、又はダミーID)の復号化(暗号化の解除)を試みる。そして、ステップS24において、車上サーバ装置50は、販売情報に含まれるIDが復号化できたか否かに応じて、処理を分岐する。
【0056】
ステップS25において、車上サーバ装置50は、販売情報に含まれるIDの内、解除できないID(つまり整理番号)を含む販売情報は、車掌端末装置80に送信し、ステップS20の処理に戻る。一方、ステップS26において、車上サーバ装置50は、車両側位置情報装置60より現在走行している区間の区間コードを取得する。続いて、ステップS27において、車上サーバ装置50は、復号化したID(つまり、復号化したカードID及び/又は復号化したダミーID)を含む販売情報の内、ステップS26で取得した区間コードを含む販売情報を選択する。続いて、ステップS28において、車上サーバ装置50は、ステップS27で選択した販売情報に含まれるID(つまり、復号化したカードID及び/又は復号化したダミーID)をR/Wユニット70(又はR/Wユニット70のR/Wアンテナ)に送信し、ステップS20の処理に戻る。
【0057】
図9は、車掌端末装置80における販売情報の保存処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS30において、車掌端末装置80は、車上サーバ装置50より販売情報を受信したか否かを判定する。車掌端末装置80は、車上サーバ装置50より販売情報を受信した場合、ステップS31に進み、車上サーバ装置50より販売情報を受信していない場合、ステップS30の処理を繰り返す。
【0058】
ステップS31において、車掌端末装置80は、車掌端末装置80の記憶装置等に受信した販売情報を保存する。
【0059】
図10は、車掌端末装置80における販売情報の変更処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS40において、車掌端末装置80は、車掌等より、整理番号及び座席番号が入力されたか否かを判定する。車掌端末装置80は、整理番号及び座席番号が入力された場合、ステップS41に進み、整理番号及び座席番号が入力されない場合、ステップS40の処理を繰り返す。
【0060】
ステップS41において、車掌端末装置80は、車掌等より入力された整理番号と同じ整理番号を含む販売情報が、記憶装置等に保存されているか否かを判定する。車掌端末装置80は、車掌等より入力された整理番号と同じ整理番号を含む販売情報が、記憶装置等に保存されている場合、ステップS43に進み、車掌等より入力された整理番号と同じ整理番号を含む販売情報が、記憶装置等に保存されていない場合、ステップS42に進む。
【0061】
ステップS42において、車掌端末装置80は、入力された整理番号を含む販売情報が存在しない旨を、車掌端末装置80の表示装置等に表示させ、ステップS40の処理に戻る。一方、ステップS43において、車掌端末装置80は、入力された整理番号を含む販売情報が存在する旨を、車掌端末装置80の表示装置等に表示させる。
【0062】
ステップS44において、車掌端末装置80は、入力された整理番号を含む販売情報の前記整理番号を、入力された座席番号に対応する暗号化されたダミーIDと付け替える。
続いて、ステップS45において、車掌端末装置80は、整理番号をダミーIDと付け替えた販売情報を、近距離無線通信等を介して、車上サーバ装置50に送信し、ステップS40の処理に戻る。
【0063】
図11は、R/WアンテナにおけるLEDランプの表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS50において、R/Wアンテナは、車上サーバ装置50より、IDを受信する。
【0064】
続いて、ステップS51において、R/Wアンテナは、受信したIDの中に、ダミーIDが含まれているか否かを判断し、ダミーIDと、カードIDと、で処理を分岐する。R/Wアンテナは、受信したIDの中にダミーIDが含まれていた場合、そのダミーIDに関して、ステップS52の処理を行う。また、R/Wアンテナは、受信したIDの中に、カードIDが含まれていた場合、そのカードIDに関して、ステップS53の処理を行う。
【0065】
ステップS52において、R/Wアンテナは、車上サーバ装置50より受信したIDに含まれるダミーIDの内、当該R/Wアンテナに対応する席に関する(座席を識別する)ダミーIDが存在するか否かを判定する。なお、R/Wアンテナは、R/Wアンテナの記憶装置等に、当該R/Wアンテナに対応するLEDランプを識別する情報、当該R/Wアンテナに対応する座席を識別する識別情報(座席番号)等を保持しているものとする。
R/Wアンテナは、車上サーバ装置50より受信したIDに含まれるダミーIDの内、当該R/Wアンテナに対応する席に関する(座席を識別する)ダミーIDが存在すると判定すると、ステップS57に進み、当該R/Wアンテナに対応する席に関する(座席を識別する)ダミーIDが存在しないと判定すると、ステップS58に進む。
【0066】
一方、ステップS53において、R/Wアンテナは、ユーザによりICカードをタッチされたか(又はかざされたか)否かを判定する。R/Wアンテナは、カードをタッチされたと判定するとステップS54に進み、カードをタッチされていないと判定すると、ステップS56に進む。
【0067】
ステップS54において、R/Wアンテナは、ICカードよりカードIDを読み込む。
続いて、ステップS55において、R/Wアンテナは、ステップS54で読み込んだカードIDをRAM又はHD等の記憶装置に保存する。
【0068】
ステップS56において、R/Wアンテナは、記憶装置に保存してあるカードIDに対応するカードIDが、車上サーバ装置50より受信したIDに含まれるカードIDの中に存在するか否かを判定する。R/Wアンテナは、記憶装置に保存してあるカードIDに対応するカードIDが、車上サーバ装置50より受信したIDに含まれるカードIDの中に存在すると判定するとステップS57に進み、記憶装置に保存してあるカードIDに対応するカードIDが、車上サーバ装置50より受信したIDに含まれるカードIDの中に存在しないと判定するとステップS58に進む。
【0069】
ステップS57において、R/Wアンテナは、当該R/Wアンテナに対応するLEDランプを赤点灯から緑点灯にするよう制御し、ステップS50の処理に戻る。
なお、R/Wアンテナは、対応するLEDランプを赤点灯から緑点灯にするよう制御した場合、車上サーバ装置50に対して、該当するカードIDと、座席番号と、を含む、着座情報を送信するようにしてもよい。着座情報を受信した車上サーバ装置50は、着座情報に含まれるカードIDに基づいて、座席管理テーブルの該当する販売情報に、座席番号や、ユーザが着座したことを示す情報等を関連付けて蓄積するようにしてもよい。
【0070】
一方、ステップS58において、R/Wアンテナは、当該R/Wアンテナに対応するLEDランプが緑点灯になっているか否かを判定する。R/Wアンテナは、当該R/Wアンテナに対応するLEDランプが緑点灯になっていると判定すると、ステップS59に進み、当該R/Wアンテナに対応するLEDランプが赤点灯になっていると判定すると、ステップS50の処理に戻る。
ステップS59において、R/Wアンテナは、当該R/Wアンテナに対応するLEDランプを緑点灯から赤点灯にするよう制御し、ステップS50の処理に戻る。なお、R/Wアンテナは、対応するLEDランプを緑点灯から赤点灯にするよう制御した場合、車上サーバ装置50に対して、該当するカードIDと、座席番号と、を含む、離席情報を送信するようにしてもよい。離席情報を受信した車上サーバ装置50は、離席情報に含まれるカードIDに基づいて、座席管理テーブルの該当する販売情報に、座席番号や、ユーザが離席したことを示す情報等を関連付けて蓄積してもよい。
【0071】
つまり、車上サーバ装置50において、販売情報に含まれる区間コード等を用いて、区間判定を行っており、現在走行中の区間を過ぎた区間コードを含む販売情報は、R/Wアンテナに送信されてこなくなる。よって、R/Wアンテナは、LEDランプを緑点灯にした後も、車上サーバ装置50から該当する販売情報が送信されてくる間は、前記LEDランプを緑点灯させておくが、車上サーバ装置50から当該する販売情報が送信されてこなくなった場合は、前記LEDランプを赤点灯にする。
【0072】
以上、上述したように本実施形態によれば、ICカード等に情報を書き込まずに、ICカード等を用いて座席券を購入した乗客に対して座席を確保すると共に、現金で座席券を購入した乗客に対しても座席を確保することができる。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】ICカードで座席券を購入し、特急列車に乗車する場合のユーザ及び座席確保システム等の動作の概要を示す図である。
【図2】現金で座席券を購入し、特急列車に乗車する場合のユーザ及び座席確保システム等の動作の概要を示す図である。
【図3】駅側のシステムと、座席確保システムと、の一例を示す図である。
【図4】ICカードで座席券を購入した場合の販売情報の一例を示す図である。
【図5】現金で座席券を購入した場合の販売情報の一例を示す図である。
【図6】整理番号をダミーのIDと換えた販売情報の一例を示す図である。
【図7】車上サーバ装置50における販売情報の蓄積処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】車上サーバ装置50におけるR/Wユニット70への販売情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】車掌端末装置80における販売情報の保存処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】車掌端末装置80における販売情報の変更処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】R/WアンテナにおけるLEDランプの表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
10 管理装置
11 座席券売機
20 中央座席管理サーバ
30 情報発信装置
40 受信装置
50 車上サーバ装置
60 車両側位置情報装置
70 R/Wユニット
80 車掌端末装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録担体より情報の読み出しを行う読み出し装置と、
対応する座席が利用可能か否かを表示する表示装置と、
車上サーバ装置と、
車外の情報発信装置より座席券に関する販売情報を受信する車上受信装置と、
車掌端末装置と、
を有し、
前記車上サーバ装置は、
前記車上受信装置が受信した販売情報の内、入力された列車番号を含む販売情報を選択し、選択した前記販売情報及び前記車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報が復号化可能か否かを判定し、復号化可能な識別情報は前記識別情報を復号化して前記読み出し装置に配信し、復号化不可能な識別情報は前記識別情報を含む販売情報を前記車掌端末装置に送信し、
前記車掌端末装置は、
前記車上サーバ装置より受信した販売情報を保持し、保持した前記販売情報の内、入力された整理番号を識別情報として含む販売情報が存在する場合、前記販売情報の識別情報を、入力された座席番号に対応する、暗号化されたダミーの識別情報に換え、前記ダミーの識別情報を含む販売情報を前記車上サーバ装置に送信し、
前記読み出し装置は、前記車上サーバ装置より配信される前記識別情報の中に、当該読み出し装置に対応する席に関するダミーの識別情報が存在する場合、当該読み出し装置に対応する前記表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御する
ことを特徴とする座席確保システム。
【請求項2】
前記読み出し装置は、前記車上サーバ装置より配信される前記識別情報の中に、記録担体より読み取った、前記記録担体を識別する識別情報が存在する場合、当該読み出し装置に対応する前記表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御することを特徴とする請求項1に記載の座席確保システム。
【請求項3】
車外の情報発信装置より座席券に関する販売情報を受信する車上受信装置が受信した座席券に関する販売情報の内、入力された列車番号を含む販売情報を選択し、選択した前記販売情報及び車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報が復号化可能か否かを判定し、復号化可能な識別情報は前記識別情報を復号化して記録担体より情報の読み出しを行う読み出し装置に配信し、復号化不可能な識別情報は前記識別情報を含む販売情報を車掌端末装置に送信することを特徴とする車上サーバ装置。
【請求項4】
車上サーバ装置より受信した座席券に関する販売情報を保持し、保持した前記販売情報の内、入力された整理番号を識別情報として含む販売情報が存在する場合、前記販売情報の識別情報を、入力された座席番号に対応する、暗号化されたダミーの識別情報に換え、前記ダミーの識別情報を含む販売情報を前記車上サーバ装置に送信することを特徴とする車掌端末装置。
【請求項5】
記録担体より情報の読み出しを行う読み出し装置であって、
車上サーバ装置より配信される識別情報の中に、記録担体より読み取った、前記記録担体を識別する識別情報が存在する場合、当該読み出し装置に対応する表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御すると共に、
車上サーバ装置より配信される識別情報の中に、当該読み出し装置に対応する席に関するダミーの識別情報が存在する場合、当該読み出し装置に対応する表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御する
ことを特徴とする読み出し装置。
【請求項1】
記録担体より情報の読み出しを行う読み出し装置と、
対応する座席が利用可能か否かを表示する表示装置と、
車上サーバ装置と、
車外の情報発信装置より座席券に関する販売情報を受信する車上受信装置と、
車掌端末装置と、
を有し、
前記車上サーバ装置は、
前記車上受信装置が受信した販売情報の内、入力された列車番号を含む販売情報を選択し、選択した前記販売情報及び前記車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報が復号化可能か否かを判定し、復号化可能な識別情報は前記識別情報を復号化して前記読み出し装置に配信し、復号化不可能な識別情報は前記識別情報を含む販売情報を前記車掌端末装置に送信し、
前記車掌端末装置は、
前記車上サーバ装置より受信した販売情報を保持し、保持した前記販売情報の内、入力された整理番号を識別情報として含む販売情報が存在する場合、前記販売情報の識別情報を、入力された座席番号に対応する、暗号化されたダミーの識別情報に換え、前記ダミーの識別情報を含む販売情報を前記車上サーバ装置に送信し、
前記読み出し装置は、前記車上サーバ装置より配信される前記識別情報の中に、当該読み出し装置に対応する席に関するダミーの識別情報が存在する場合、当該読み出し装置に対応する前記表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御する
ことを特徴とする座席確保システム。
【請求項2】
前記読み出し装置は、前記車上サーバ装置より配信される前記識別情報の中に、記録担体より読み取った、前記記録担体を識別する識別情報が存在する場合、当該読み出し装置に対応する前記表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御することを特徴とする請求項1に記載の座席確保システム。
【請求項3】
車外の情報発信装置より座席券に関する販売情報を受信する車上受信装置が受信した座席券に関する販売情報の内、入力された列車番号を含む販売情報を選択し、選択した前記販売情報及び車掌端末装置より受信した販売情報に含まれる識別情報が復号化可能か否かを判定し、復号化可能な識別情報は前記識別情報を復号化して記録担体より情報の読み出しを行う読み出し装置に配信し、復号化不可能な識別情報は前記識別情報を含む販売情報を車掌端末装置に送信することを特徴とする車上サーバ装置。
【請求項4】
車上サーバ装置より受信した座席券に関する販売情報を保持し、保持した前記販売情報の内、入力された整理番号を識別情報として含む販売情報が存在する場合、前記販売情報の識別情報を、入力された座席番号に対応する、暗号化されたダミーの識別情報に換え、前記ダミーの識別情報を含む販売情報を前記車上サーバ装置に送信することを特徴とする車掌端末装置。
【請求項5】
記録担体より情報の読み出しを行う読み出し装置であって、
車上サーバ装置より配信される識別情報の中に、記録担体より読み取った、前記記録担体を識別する識別情報が存在する場合、当該読み出し装置に対応する表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御すると共に、
車上サーバ装置より配信される識別情報の中に、当該読み出し装置に対応する席に関するダミーの識別情報が存在する場合、当該読み出し装置に対応する表示装置の表示を、対応する座席が利用可能であることを示す表示とするよう制御する
ことを特徴とする読み出し装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−86996(P2009−86996A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−255601(P2007−255601)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(593092482)ジェイアール東日本メカトロニクス株式会社 (85)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(593092482)ジェイアール東日本メカトロニクス株式会社 (85)
【Fターム(参考)】
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