庫出管理システム及び庫出管理方法
【課題】資材の先渡し残数を考慮した庫出数量を自動的に演算できるようにすると共に、資材の発注処理を大幅に省力化できるようにする。
【解決手段】資材請求用端末2は、発注対象の資材の品名及び資材の数量を示す庫出請求データD1をサーバ1に送信する。サーバ1は、DB5に記録された資材の先渡残数リストを参照して資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と庫出請求データD1の資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて資材の梱包単位から庫出数量を求めて先渡残数リストの資材の先渡残数を更新する。
【解決手段】資材請求用端末2は、発注対象の資材の品名及び資材の数量を示す庫出請求データD1をサーバ1に送信する。サーバ1は、DB5に記録された資材の先渡残数リストを参照して資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と庫出請求データD1の資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて資材の梱包単位から庫出数量を求めて先渡残数リストの資材の先渡残数を更新する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先渡した電力資材の庫出や在庫を管理するシステムに適用可能な庫出管理システム及び庫出管理方法に関するものである。詳しくは、記録部の先渡残数リストを参照して資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と発注データの資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて資材の梱包単位から庫出数量を求めて先渡残数リストの資材の先渡残数を更新することで、資材の先渡残数を考慮した庫出数量を自動的に求めることができるようにすると共に、資材の発注処理を大幅に省力化できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電力会社の資材管理部の担当者は、工事営業所から電気工事に使用する資材の庫出請求がある度に、物流センターにファックス又は郵送により庫出請求票の調整依頼を行っている。その依頼に基づき物流センターの担当者は、資材の配給を調整するための配給調整システムにアクセスして、資材の先渡残数や庫出単位(梱包単位)を確認する。そして、物流センターの担当者は、資材の庫出数量を調整して当該調査結果をファックスにより電力会社の資材管理担当者に報告している。物流センターの担当者からの報告を受けた電力会社の資材管理担当者は、工事営業所に電話又はファックスにより資材の調整結果を連絡する。また、この資材管理担当者は、必要があれば上記配給調整システムにアクセスして資材の先渡残数の変更処理を行っている。
【0003】
例えば、図9は、上述した従来例に係る資材の配給調整支援システム200の構成例を示す概略図である。図9に示す配給調整支援システム200は、記録された資材の先渡残数と資材の庫出請求票に基づいて、資材の配給を調整することを支援するシステムである。この配給調整支援システム200は、DB50、DB更新用端末53及びDB参照用端末54から構成されている。DB更新用端末53は、資材管理部55に設置されている。また、DB参照用端末54は、物流センター56に設置されている。各端末53及び54は、通信回線10及び通信回線網11を経由してDB50に接続されている。
【0004】
このDB50には、資材の先渡残数が記録されている。ここに、資材の先渡残数とは、例えば所定の梱包単位ずつ資材を配給し、配給した梱包単位の資材のうち、実際に工事に使用する資材の数を減算した残りの数のことをいう。例えば、梱包単位が「20個」の高圧引留めがいしを配給し、実際には工事では、「15個」の高圧引留めがいしを使用する場合、先渡残数は「5個」となる。この各資材の先渡残数が、DB50には記録されている。
【0005】
この例で、図9に示す工事営業所52の担当者は、電気工事に使用する資材の庫出請求票(指定単価物品)57を資材管理部55の担当者に郵送する。資材管理部55の担当者は、受け取った庫出請求票57を物流センター56の担当者にファックスして資材の調整を依頼する。物流センター56の担当者は、DB参照用端末54を操作してDB50にアクセスし、資材の庫出先の工事営業所の先渡残数や梱包単位などを調べる。図10は、DB50にアクセス後にDB参照用端末54のモニタ7に表示された先渡残数照会・表示画面59の表示例である。図10に示す先渡残数照会・表示画面59の「品名」項目59bに表示された資材の品名ごとに、「先渡残数」項目59aには資材の先渡残数が表示され、「梱包単位」項目59cには資材を梱包(庫出)する単位が表示されている。例えば、品名「高圧引留がいし」に対しては、先渡残数「18.0」、梱包単位「20.0」が表示されている。物流センター56の担当者は、当該先渡残数を調査後、庫出先の工事営業所の使用数量、先渡残数及び庫出品目の梱包単位に基づいて、庫出数量及び配給後の先渡残数を手動計算する。
【0006】
例えば、物流センター56の担当者は、庫出先の工事営業所の高圧引留がいしの使用数量「27個」、先渡残数「18個」及び庫出品目の梱包単位「20」の場合、先渡残数が「9個」不足しているので梱包単位「20」に基づいて資材の庫出数量「20個」と手動計算する。また、物流センター56の担当者は、先渡残数「18個」と庫出数量「20個」を加算した数量「38個」から使用数量「27個」を減算して、配給後の先渡残数「11個」と手動計算する。
【0007】
この計算結果を図11に示す庫出送り状58の備考欄に記載して、当該庫出送り状58を資材管理部55の担当者に郵送する。図11に示す庫出送り状58には、「品名規格」項目に記載された「高圧引留がいし」の欄が上述した例に該当する。なお、この庫出送り状58には、他にも「高圧ピンがいし2型」や「電線」の例が記載されている。
【0008】
資材管理部55の担当者は、物流センター56の担当者から郵送された庫出送り状58を受け取り、当該庫出送り状58に記載された配給結果を工事営業所52の担当者に電話やファックスで連絡する。また、資材管理部55の担当者は、資材の先渡残数の変更がある場合、DB更新用端末53を操作してDB50の先渡残数を更新する。このように、資材の配給調整を実施している。
【0009】
このような従来例に係る特許文献1には、計器在庫管理システムが開示されている。この計器在庫管理システムによれば、計器の残りの有効期間を取得し、この有効期間に応じて新設に用いる計器と、不良計器の取り替えに用いる計器とに分けて計器の在庫を管理する。これにより、計器の有効期間が長い計器を新設時に用いることができる。
【0010】
【特許文献1】特開2007−4214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、従来例に係る配給調整支援システム200によれば、以下に記載する(1)〜(3)の問題がある。(1)ファックスや郵送により庫出請求票57及び庫出送り状58をやりとりしているので、送付漏れや紛失などが生じるおそれがある。(2)物流センター56の担当者は、DB参照用端末54のモニタ7に表示された先渡残数照会・表示画面59を参照して先渡残数及び庫出品目の梱包単位を確認する必要があるため、当該先渡残数及び梱包単位を見間違うおそれがある。また、物流センター56の担当者は、庫出先の工事営業所の使用数量、先渡残数及び庫出品目の梱包単位に基づいて、資材の庫出数量及び配給後の先渡残数を手動計算するので、計算間違いを引き起こすおそれがある。(3)資材管理部55の担当者は、物流センター56の担当者から郵送された庫出送り状58に記載された配給結果を工事営業所52の担当者に電話やファックスで連絡するので、担当者不在時などの対応に時間がかかることがある。
【0012】
そこで、本発明は、このような従来例に係る課題を解決したものであって、資材の先渡残数を考慮した庫出数量を自動的に演算できるようにすると共に、資材の発注処理を大幅に省力化できるようにした庫出管理システム及び庫出管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明に係る庫出管理システムは、資材の品名、資材の梱包単位及び先渡した資材の先渡残数が資材ごとに先渡残数リストとして記録されている記録部と、前記記録部の先渡残数リストに基づいて資材を庫出する庫出数量を求めて庫出管理処理する情報処理装置と、発注対象の資材の品名及び資材の数量を示す発注データを前記情報処理装置に送信する発注用の端末とを備え、前記情報処理装置は、前記記録部の先渡残数リストを参照して前記資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と前記発注データの資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて前記資材の梱包単位から前記庫出数量を求めて前記先渡残数リストの資材の先渡残数を更新することを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る庫出管理システムによれば、記録部には、資材の品名、資材の梱包単位及び先渡した資材の先渡残数が資材ごとに先渡残数リストとして記録されている。情報処理装置は、記録部の先渡残数リストに基づいて資材を庫出する庫出数量を求めて庫出管理処理を実施する。発注用の端末は、発注対象の資材の品名及び資材の数量を示す発注データを情報処理装置に送信する。この場合、情報処理装置は、記録部の先渡残数リストを参照して資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と発注データの資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて資材の梱包単位から庫出数量を求めて先渡残数リストの資材の先渡残数を更新する。例えば、情報処理装置は、先渡残数リストが示す資材の先渡残数と発注データの資材の数量とを比較後、資材の先渡残数が不足していると判定した場合、資材の梱包単位から庫出数量を求め、また、資材の先渡残数が足りていると判定した場合、庫出数量をゼロとする。これにより、資材の先渡残数を考慮した庫出数量を自動的に求めることができる。
【0015】
上述した課題を解決するために、本発明に係る庫出管理方法は、発注対象の資材の品名及び資材の数量を示す発注データを送信するステップと、資材の品名、資材の梱包単位及び先渡した資材の先渡残数を資材ごとに先渡残数リストとして記録するステップと、記録された前記先渡残数リストを参照して前記資材の先渡残数及び梱包単位を取得するステップと、前記発注データを受信するステップと、受信した前記発注データの資材の数量と取得した前記資材の先渡残数とを比較し、当該比較結果に基づいて、前記資材の梱包単位から資材の庫出数量を求めるステップと、前記庫出数量を求めた後、前記先渡残数リストの資材の先渡残数を更新するステップとを有することを特徴とするものである。本発明に係る庫出管理方法によれば、資材の先渡残数を考慮した庫出数量を自動的に求めることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る庫出管理システム及び庫出管理方法によれば、記録部の先渡残数リストを参照して資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と発注データの資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて資材の梱包単位から庫出数量を求めて先渡残数リストの資材の先渡残数を更新するものである。
【0017】
この構成によって、資材の先渡残数を考慮した庫出数量を自動的に求めることができる。これにより、資材の発注処理を大幅に省力化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る庫出管理システム及び庫出管理方法の実施形態の一例を説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る電力資材の庫出管理システム100の構成例を示す概略図である。図1に示す庫出管理システム100は、登録された資材の先渡残数と入力した資材の庫出請求データに基づいて、自動的に資材の庫出を管理するシステムである。庫出管理システム100は、サーバ1、資材請求用端末2、資材管理用端末3、資材搬送用端末4及びDB5から構成されている。
【0020】
各端末2〜4は、通信回線10及び通信回線網11を経由してサーバ1(情報処理装置の一例)に接続されている。各端末2〜4には、例えばノート型のパーソナルコンピュータを適用し、それぞれモニタ7、キーボード8、マウス9及び不図示のUSB(Universal Serial Bus)インターフェースが備えられている。USBインターフェースにはマウス9が接続されている。このマウス9には、例えば、光学式センサーが接地面を断続的にスキャンすることで移動を検出する光学式マウスが使用される。マウス9が平面上で上下左右に移動されると、モニタ7の画面上に表示されるカーソル2c(図4参照)が上下左右に移動する。キーボード8には、例えば、かな漢字変換などで利用するためのキートップが備えられた106型キーボードが使用される。
【0021】
サーバ1にはDB5が接続されている。このDB5には、資材の先渡残数が記録されている。ここに、資材の先渡残数とは、例えば所定の梱包単位ずつ資材を配給し、配給した梱包単位の資材のうち、実際に工事に使用する資材の数を減算した残りの数のことをいう。例えば、梱包単位が「20個」の高圧引留めがいしを配給し、実際には工事では、「15個」の高圧引留めがいしを使用する場合、先渡残数は「5個」となる。この各資材の先渡残数が、DB5には記録されている。
【0022】
資材請求用端末2は発注用の端末の一例であり、例えば電力工事を請け負う営業所に設置され、当該電力工事に使用する資材を請求するものである。この例で、資材請求用端末2は、営業所のオペレータにより操作されて、発注対象の資材の品名及び資材の数量を示す庫出請求データD1(発注データの一例)をサーバ1に送信する。例えば、資材請求用端末2は、電力工事用の資材として「高圧ピンがいし2型」を「3個」ほど請求する庫出請求データD1をサーバ1に送信する。なお、この資材請求用端末2は、説明の理解を容易にするために1台のみ設けているが、工事営業所の数が複数の場合、当該複数の工事営業所の数だけ設けられる。
【0023】
サーバ1は、DB5の先渡残数リスト6(図3参照)に基づいて資材を庫出する庫出数量を求めると共に当該先渡残数リスト6を更新する。この例で、サーバ1は、DB5の先渡残数リスト6を参照して資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と庫出請求データD1の資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて資材の梱包単位から庫出数量を求める。
【0024】
この例で、サーバ1は、この庫出請求データD1の資材の数量と、DB5から取得した先渡残数リスト6の先渡残数データD2とを比較して、資材の先渡残数が不足しているか否かを判定する。サーバ1は、資材の先渡残数が不足していると判定した場合、資材の不足分を算出して新たに所定の梱包単位から庫出数量を求めて資材を配給するように制御する。また、サーバ1は、資材の先渡残数が足りていると判定した場合、庫出数量をゼロとして資材の先渡し分から資材を配給するように制御する。
【0025】
例えば、資材請求用端末2からの庫出請求データD1の内容が「高圧ピンがいし2型を3個だけ請求する」ことを示し、DB5の先渡残数データD2の内容が、「高圧ピンがいし2型の残数が2個」を示す場合、サーバ1は、高圧ピンがいし2型が1個不足していると判定する。この場合、サーバ1は、新たに10個の梱包単位で高圧ピンがいし2型を配給するための配給調整データD3(庫出数量データの一例)を資材請求用端末2、資材管理用端末3及び資材搬送用端末4に送信する。
【0026】
物流センターの資材搬送用端末4は庫出用の端末の一例であり、配給調整データD3を受信して資材の庫出処理を行う。例えば、資材搬送用端末4は、そのモニタ7に資材の庫出情報を表示する。オペレータは、このモニタ7に表示された内容を確認して資材の搬送の手続きを行う。なお、物流センターのオペレータは、資材の庫出を実施する場合に、例えば配給希望日の3営業日前のみの庫出請求データD1を対象にしてもよい。この場合、物流センターのオペレータは、資材搬送用端末4を操作して配給希望日の3営業日前のみの庫出請求データD1を対象にするための要求データD4をサーバ1に送信する。サーバ1は、この要求データD4を受信すると、配給希望日の3営業日前のみの庫出請求データD1を対象として配給調整データD3を作成して資材搬送用端末4に送信する。
【0027】
工事営業所の資材請求用端末2は、配給調整データD3を受信してモニタ7にその内容を表示する。オペレータは、このモニタ7に表示された内容を確認して資材の庫出を確認する。
【0028】
資材管理部の資材管理用端末3は管理用の端末の一例であり、配給調整データD3を受信して資材の管理処理を行う。例えば、この資材管理用端末3は、配給調整データD3を受信してモニタ7にその内容を表示する。オペレータは、このモニタ7に表示された内容を確認して資材の庫出を確認する。このように、電力資材の庫出管理システム100は構成されている。
【0029】
図2は、電力資材の庫出管理システム100の構成例を示すブロック図である。図2に示すサーバ1は、庫出情報入力部1a、演算部1b、配給結果送信部1c及びハードディスク1dを備えている。このハードディスク1dには、庫出制御プログラムが保存されている。サーバ1の不図示の電源がONされると、その演算部1bは、このハードディスク1dにアクセスして庫出制御プログラムを起動する。
【0030】
庫出制御プログラムを起動後に、資材請求用端末2から庫出請求データD1が送信されると、サーバ1の庫出情報入力部1aは、この庫出請求データD1を入力して演算部1bに出力する。演算部1bは、この庫出請求データD1と、DB5から取得した先渡残数データD2とを比較して、資材が不足しているか否かを判定する。演算部1bは、資材が不足していると判定した場合、資材の不足分を算出して新たに所定の梱包単位で資材を配給するための配給調整データD3を生成する。演算部1bは、資材が不足していないと判定した場合、資材の先渡し分から資材を配給するための配給調整データD3を生成する。
その後、演算部1bは、当該配給調整データD3を配給結果送信部1cに出力する。配給結果送信部1cは、この配給調整データD3を資材請求用端末2、資材管理用端末3及び資材搬送用端末4に送信する。
【0031】
続いて、DB5に記録された先渡残数データD2を示す先渡残数リスト6の構成例を説明する。図3は、先渡残数リスト6の一部の構成例を示す説明図である。図3に示す先渡残数リスト6は、マトリックス状に形成されており、その列方向は少なくとも「品名」項目6a、「単位」項目6b、「配給先」項目6c、「受渡先」項目6d、「先渡残数」項目6e、「適用区分」項目6f及び「梱包単位」項目6gの項目から構成されている。
【0032】
先渡残数リスト6の「品名」項目6aには、資材の品名コードとその品名規格を示すデータが設定されている。「単位」項目6bには、単位を示すデータ(例えば個数)が設定されている。「配給先」項目6cには、資材の配給先コードと配給先の名称を示すデータが設定されている。「受渡先」項目6dには、資材の受渡先の名称を示すデータが設定されている。「先渡残数」項目6eには、資材の先渡残数を示すデータが設定されている。「適用区分」項目6fには、資材の適用区分を示すデータが設定されている。「梱包単位」項目6gには、資材の梱包単位を示すデータが設定されている。
【0033】
例えば、先渡残数リスト6の上から3番目の各項目6a〜6gを参照すると、「品名」項目6aには、「2230002 高圧ピンがいし2型」を示すデータが設定され、「単位」項目6bには、「個」を示すデータ設定され、「配給先」項目6cには、「広島」を示すデータが設定され、「受渡先」項目6dには、「工事営業所」を示すデータが設定され、「先渡残数」項目6eには、「3.0」を示すデータが設定され、「適用区分」項目6fには、「2」を示すデータが設定され、「梱包単位」項目6gには、「10.0」を示すデータが設定されている。これにより、工事営業所には、3個の高圧ピンがいし2型が残っていることが分かる。さらに、この高圧ピンがいし2型は、配給時に10個単位で梱包されることが分かる。
【0034】
続いて、工事営業所の資材請求用端末2から実際に資材の庫出を請求する例を説明する。図4及び5は、資材請求用端末2のモニタ7の表示例を示す説明図である。図4に示す拡大表示したモニタ7には、入力前の庫出送り画面が表示されている。この庫出送り画面は、図2に示したハードディスク1dに保存された庫出制御プログラムが起動されると表示される。また、図5に示すモニタ7には、入力後の庫出送り画面が表示されている。
【0035】
図4に示す庫出送り画面には、第1の入力領域2a及び第2の入力領域2bが表示されている。第1の入力領域2aには、「請求箇所」の入力項目が表示されている。オペレータは、例えば資材を請求する工事営業所を指定する場合、マウス9を操作してカーソル2cを動かし、入力領域2aの「請求箇所」項目における「コード」項目の入力枠2fをクリックして選択する。その後、キーボード8により図5に示すように例えばコード「5100070」と入力する。このコード「5100070」の入力により、その隣の入力枠2gには、図5に示すように当該コードに対応した「工事営業所 地中線課」が自動的に表示される。続いて、オペレータは、入力領域2aの「配達希望日」項目の入力枠2hをクリックして選択し、図5に示すように配達を希望する日付を入力する。これにより、資材を請求する工事営業所及び配達希望日の入力が終了する。
【0036】
次に、オペレータは、例えば高圧ピンがいし2型を3個請求する場合、第2の入力領域2bの「品名コード」項目の入力枠2rをクリックして選択し、コード「2230002」と入力する。このコード「2230002」の入力により、その隣の入力枠には、図5に示すように当該コードに対応した「高圧ピンがいし2型」が自動的に表示される。その後、オペレータは、「数量」項目の入力枠2sをクリックして選択し、数量「3個」と入力する。これにより、高圧ピンがいし2型の入力が終了する。
【0037】
また、オペレータは、例えば高圧引留がいしを27個請求する場合、入力領域2bの「品名コード」項目の入力枠2tをクリックして選択し、コード「2200004」と入力する。このコード「2200004」の入力により、その隣の入力枠には、図5に示すように当該コードに対応した「高圧引留がいし」が自動的に表示される。その後、オペレータは、「数量」項目の入力枠2uをクリックして選択し、数量「27個」と入力する。これにより、高圧引留がいしの入力が終了する。
【0038】
また、オペレータは、例えば電線を100メートル請求する場合、入力領域2bの「品名コード」項目の入力枠2vをクリックして選択し、コード「2200005」と入力する。このコード「2200005」の入力により、その隣の入力枠には、図5に示すように当該コードに対応した「電線」が自動的に表示される。その後、オペレータは、「数量」項目の入力枠2wをクリックして選択し、数量「100m」と入力する。これにより、電線の入力が終了する。最後に、オペレータは、図5に示す送信ボタン2dにカーソル2cを合わせてクリックして、図5に示す入力データを庫出請求データD1として図1に示したサーバ1に送信する。なお、資材の庫出の請求を終了する場合、オペレータは、終了ボタン2eにカーソル2cを合わせてクリックする。
【0039】
図1に示したサーバ1は、送信された当該庫出請求データD1を受信して、配給する資材の数量を調整する。図6は、資材の配給調整リスト12の一例を示す表図である。図6に示す配給調整リスト12は、図5に示した庫出送り画面上のデータが庫出請求データD1として送信された場合について作成されたものである。この配給調整リスト12は、「品名規格」項目12a、「請求庫出数量」項目12b、「工事営業所の先渡残数」項目12c、「物流センター庫出数量」項目12d及び「配給後の先渡残数」項目12eの項目から構成されている。
【0040】
この例で、図2に示したサーバ1の演算部1bは、庫出請求データD1を受信すると、DB5にアクセスして当該DB5に記録された先渡残数リスト6(図3参照)を参照する。例えば、庫出請求データD1が示す高圧ピンがいし2型の数量を演算する場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「品名」項目6aのコード一覧と、庫出請求データD1の高圧ピンがいし2型を示すコード「2230002」とを順次比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「配給先」項目6cのコード一覧と、庫出請求データD1の請求箇所を示すコード「5100070」の上3桁とを比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、図3に示した先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eを参照して、先渡残数「3.0」のデータを取得する。
【0041】
この先渡残数「3.0」のデータを取得後、演算部1bは、この先渡残数「3.0」から庫出請求データD1の高圧ピンがいし2型の数量「3.0」を減算して、配給後の先渡残数を「0個」と演算する。また、演算部1bは、高圧ピンがいし2型を新たに庫出する必要がなく先渡残数で賄えたので、物流センター庫出数量を「0個」と演算する。
【0042】
演算部1bは、これらの演算結果を図6に示す資材の配給調整リスト12として作成する。この例で、演算部1bは、「品名規格」項目12aに「高圧ピンがいし2型」を設定し、「請求庫出数量」項目12bに「3.0個」を設定し、「工事営業所の先渡残数」項目12cに「3.0個」を設定し、「物流センター庫出数量」項目12dに「0個」を設定し、「配給後の先渡残数」項目12eに「0個」を設定する。
【0043】
次に、庫出請求データD1が示す高圧引留がいしの数量を演算する場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「品名」項目6aのコード一覧と、庫出請求データD1の高圧引留がいしを示すコード「2200004」とを順次比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「配給先」項目6cのコード一覧と、庫出請求データD1の請求箇所を示すコード「5100070」の上3桁とを比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、図3に示した先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eを参照して、先渡残数「18.0」のデータを取得する。
【0044】
この先渡残数「18.0」のデータを取得後、演算部1bは、この先渡残数「18.0」から庫出請求データD1の高圧引留がいしの数量「27.0」を減算して、先渡残数が「9個」の不足と演算する。ここで、先渡残数が「9個」不足しているので、演算部1bは、先渡残数リスト6の「梱包単位」項目6gを参照して、梱包単位「20.0」のデータを取得する。そして、演算部1bは、梱包単位「20.0」で新たに高圧引留がいしを庫出するように制御すると共に、新たに庫出する「20個」から不足分の「9個」を差し引いて、配給後の先渡残数を「11個」と演算する。
【0045】
演算部1bは、これらの演算結果を図6に示す資材の配給調整リスト12として作成する。この例で、演算部1bは、「品名規格」項目12aに「高圧引留がいし」を設定し、「請求庫出数量」項目12bに「27.0個」を設定し、「工事営業所の先渡残数」項目12cに「18.0個」を設定し、「物流センター庫出数量」項目12dに「20.0個」を設定し、「配給後の先渡残数」項目12eに「11.0個」を設定する。
【0046】
次に、庫出請求データD1が示す電線の数量を演算する場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「品名」項目6aのコード一覧と、庫出請求データD1の電線を示すコード「2200005」とを順次比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「配給先」項目6cのコード一覧と、庫出請求データD1の請求箇所を示すコード「5100070」の上3桁とを比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、図3に示した先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eを参照して、先渡残数「0.0m」のデータを取得する。
【0047】
この先渡残数「0.0m」のデータを取得後、演算部1bは、この先渡残数「0.0m」から庫出請求データD1の電線の数量「100.0m」を減算して、先渡残数が「100m」の不足と演算する。ここで、先渡残数が「100m」不足しているので、演算部1bは、先渡残数リスト6の「梱包単位」項目6gを参照して、梱包単位「600.0m」のデータを取得する。そして、演算部1bは、梱包単位「600.0m」で新たに電線をドラムごとに庫出するように制御すると共に、新たに庫出する「600.0m」から不足分の「100.0m」を差し引いて、配給後の先渡残数を「500.0m」と演算する。
【0048】
演算部1bは、これらの演算結果を図6に示す資材の配給調整リスト12として作成する。この例で、演算部1bは、「品名規格」項目12aに「電線」を設定し、「請求庫出数量」項目12bに「100.0m」を設定し、「工事営業所の先渡残数」項目12cに「0.0m」を設定し、「物流センター庫出数量」項目12dに「600.0m」を設定し、「配給後の先渡残数」項目12eに「500.0m」を設定する。このように、演算部1bは、高圧ピンがいし2型、高圧引留がいし及び電線の合計3項目の配給調整リスト12を作成する。
【0049】
作成後、演算部1bは、この配給調整リスト12を配給調整データD3として配給結果送信部1c(図2参照)に出力する。この配給結果送信部1cは、当該配給調整データD3を資材請求用端末2、資材管理用端末3及び資材搬送用端末4に送信する。
【0050】
続いて、資材の庫出処理におけるサーバ1の一連の動作を説明する。図7及び図8は、サーバ1の動作例を示すフローチャートである。このサーバ1は、不図示の電源がONされて、図2に示したサーバ1のハードディスク1dに保存された庫出制御プログラムが、演算部1bにより起動されている。また、図2に示したDB5には、図3に示した先渡残数の先渡残数リスト6が記録されている。また、サーバ1は、工事営業所の資材請求用端末2から庫出請求データD1を随時受信し、図2に示したハードディスク1dに当該庫出請求データD1を保存している。
【0051】
この例で、物流センターのオペレータは、資材搬送用端末4を操作して配給希望日の3営業日前の庫出請求データD1のみを取り込む。その後、物流センターのオペレータは、この配給調整データD3に基づいて資材の庫出を実施する。
【0052】
これらを庫出処理の条件として図7に示すステップST1で、サーバ1は、資材搬送用端末4から要求データD4を受信し、この要求データD4に基づいてハードディスク1dから配給希望日の3営業日前の庫出請求データD1のみを抽出してステップST2に移行する。
【0053】
ステップST2で、サーバ1は、庫出する品名規格ごとの庫出数量と、庫出先の工事営業所の先渡残数とを比較する。この例で、サーバ1の演算部1bは、DB5にアクセスして当該DB5に記録された先渡残数リスト6(図3参照)を参照する。例えば、庫出請求データD1が示す高圧ピンがいし2型の庫出数量を演算する場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「品名」項目6aのコード一覧と、庫出請求データD1の高圧ピンがいし2型を示すコード「2230002」とを順次比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「配給先」項目6cのコード一覧と、庫出請求データD1の請求箇所を示すコード「5100070」の上3桁とを比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、図3に示した先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eを参照して、先渡残数「3.0」のデータを取得する。この先渡残数「3.0」のデータを取得後、演算部1bは、この先渡残数「3.0」と、庫出請求データD1の高圧ピンがいし2型の数量「3.0」とを比較する。続いてステップST3に移行する。
【0054】
ステップST3で、サーバ1は、先渡残数が庫出数量以上であるか否かを判定する。サーバ1は、先渡残数が庫出数量以上であると判定した場合、例えば、サーバ1の演算部1bは、DB5の高圧ピンがいし2型の先渡残数「3.0」が、庫出請求データD1の高圧ピンがいし2型の数量「3.0」以上であると判定した場合、ステップST4に移行する。
【0055】
ステップST4で、サーバ1は、工事営業所の先渡残数から庫出数量を減算する。例えば、サーバ1の演算部1bは、DB5の高圧ピンがいし2型の先渡残数「3.0」から庫出請求データD1の高圧ピンがいし2型の数量「3.0」を減算して、配給後の先渡残数を「0個」と演算する。また、演算部1bは、高圧ピンがいし2型を新たに庫出する必要がなく先渡残数で賄えたので、庫出数量を「0個」と演算する。演算部1bは、これらの演算結果を図6に示した資材の配給調整リスト12(配給調整データD3)として作成してステップST5に移行する。
【0056】
ステップST5で、サーバ1は、資材管理部の資材管理用端末3に配給調整データD3を送信してステップST6に移行する。ステップST6で、サーバ1は、工事営業所の資材請求用端末2に配給調整データD3を送信してステップST7に移行する。
【0057】
ステップST7で、サーバ1は、図3に示したDB5に記録された先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eの先渡残数データを更新する。例えば、高圧ピンがいし2型を「3個」配給した場合、サーバ1の演算部1bは、先渡残数リスト6の高圧ピンがいし2型の「先渡残数」項目6eの「3.0」を「0.0」に更新してステップST8に移行する。
【0058】
ステップST8で、サーバ1は、更新された先渡残数リスト6をDB5に保存して庫出処理を終了する。以上の庫出処理は、上述のステップST3で、先渡残数が庫出数量以上(同数)であると判定した場合の処理である。上述のステップST3で、サーバ1が、先渡残数が庫出数量以上でないと判定した場合、図8に示すステップST9に移行する。
【0059】
ステップST9で、サーバ1は、庫出する品名規格の梱包単位が単品か否かを判定する。この例で、梱包単位が単品である場合、図3に示した先渡残数リスト6の「梱包単位」項目6gの項目が「1.0」を示す。また、梱包単位が複数品である場合、この「梱包単位」項目6gの項目が「1.0」より大きい値を示す。サーバ1は、この先渡残数リスト6の「梱包単位」項目6gの項目を参照してその値が「1.0」である場合、庫出する品名規格の梱包単位が単品であると判定してステップST10に移行する。
【0060】
ステップST10で、サーバ1は、工事営業所の先渡残数を全て適用すると共に、庫出数量に足りない数量についてのみ、物流センターから庫出するように制御してステップST11に移行する。
【0061】
ステップST11で、サーバ1は、資材管理部の資材管理用端末3に庫出数量などを示す配給調整データD3を送信する。この例で、庫出数量の総数は、工事営業所の先渡残数と物流センターの庫出数量とを加算した数量となる。続いてステップST12に移行する。
【0062】
ステップST12で、サーバ1は、工事営業所の資材請求用端末2に庫出数量などを示す配給調整データD3を送信する。この例で、庫出数量の総数は、ステップST11と同様に工事営業所の先渡残数と物流センターの庫出数量とを加算した数量となる。続いてステップST13に移行する。
【0063】
ステップST13で、サーバ1は、物流センターの資材搬送用端末4に庫出数量などを示す配給調整データD3を送信する。物流センターのオペレータは、この配給調整データD3に基づいて資材の庫出を実施する。この例で、庫出数量の総数は、ステップST11と同様に工事営業所の先渡残数と物流センターの庫出数量とを加算した数量となる。続いてステップST14に移行する。
【0064】
ステップST14で、サーバ1は、図3に示したDB5に記録された先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eの先渡残数データを更新し、図7に示したステップST8に移行して更新された先渡残数リスト6をDB5に保存して庫出処理を終了する。以上の庫出処理は、上述のステップST9で、庫出する品名規格の梱包単位が単品であると判定した場合の処理である。上述のステップST9で、サーバ1が、庫出する品名規格の梱包単位が複数品からなると判定した場合ステップST15に移行する。
【0065】
ステップST15で、サーバ1は、工事営業所の先渡残数を全て適用すると共に、庫出数量に足りない数量について、庫出品名の梱包単位により庫出単位を演算して物流センターから庫出するように制御する。ここで、物流センターの庫出数量(庫出単位)は、請求庫出数量から先渡残数を減算した数量を、庫出品名の梱包単位で除算した数量とする。なお、小数点以下は切り上げる。
【0066】
この例で、サーバ1の演算部1bは、DB5にアクセスして当該DB5に記録された先渡残数リスト6(図3参照)を参照する。例えば、庫出請求データD1が示す高圧引留がいしの数量を演算する場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「品名」項目6aのコード一覧と、庫出請求データD1の高圧引留がいしを示すコード「2200004」とを順次比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「配給先」項目6cのコード一覧と、庫出請求データD1の請求箇所を示すコード「5100070」の上3桁とを比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、図3に示した先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eを参照して、先渡残数「18.0」のデータを取得する。この先渡残数「18.0」のデータを取得後、演算部1bは、庫出請求データD1の高圧引留がいしの数量「27.0」からこの先渡残数「18.0」からを減算して、先渡残数が「9個」の不足と演算する。この先渡残数が「9個」を高圧引留がいしの梱包単位「20.0」で除算して小数点以下を切り上げた数量「1」の梱包単位「20.0」を物流センターの庫出数量(庫出単位)とする。
【0067】
そして、演算部1bは、梱包単位「20.0」で新たに高圧引留がいしを庫出するように制御すると共に、新たに庫出する「20個」から不足分の「9個」を差し引いて、配給後の先渡残数を「11個」と演算する。演算部1bは、これらの演算結果を図6に示した資材の配給調整リスト12(配給調整データD3)として作成してステップST16に移行する。
【0068】
ステップST16で、サーバ1は、資材管理部の資材管理用端末3に庫出数量などを示す配給調整データD3を送信する。なお、庫出数量の総計は、工事営業所の先渡残数と物流センターの庫出数量とを加算した数量となる。例えば、高圧引留がいしの庫出数量の総計は、工事営業所の先渡残数「18.0」と物流センターの庫出数量「20.0」とを加算した数量「38.0」となる。実際に、工事営業所から請求された高圧引留がいしの庫出数量は、「27.0」なので、配給後の先渡残数は「11.0」となる。この例で、高圧引留がいしの庫出数量「27.0」≒工事営業所の先渡残数「18.0」+物流センターの庫出数量「20.0」となる。続いてステップST17に移行する。
【0069】
ステップST17で、サーバ1は、工事営業所の資材請求用端末2に庫出数量などを示す配給調整データD3を送信する。なお、庫出数量の総数は、ステップST16と同様に工事営業所の先渡残数と物流センターの庫出数量とを加算した数量と略等しくなる。続いてステップST18に移行する。
【0070】
ステップST18で、サーバ1は、物流センターの資材搬送用端末4に庫出数量などを示す配給調整データD3を送信する。物流センターのオペレータは、この配給調整データD3に基づいて資材の庫出を実施する。なお、庫出数量の総数は、ステップST16と同様に工事営業所の先渡残数と物流センターの庫出数量とを加算した数量と略等しくなる。続いてステップST19に移行する。
【0071】
ステップST19で、サーバ1は、図3に示したDB5に記録された先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eの先渡残数データを更新する。例えば、高圧引留がいしを「27個」配給する場合、「20個」庫出したのでこの高圧引留がいしの「先渡残数」項目6eの先渡残数「18.0」から「7.0」を減算して先渡残数「11.0」に更新する。続いて、図7に示したステップST8に移行して更新された先渡残数リスト6をDB5に保存して庫出処理を終了する。なお、以上の庫出処理は、上述のステップST9で、庫出する品名規格の梱包単位が複数品であると判定した場合の処理である。
【0072】
このように、本発明に係る庫出管理システム100及び庫出管理方法によれば、DB5の先渡残数リスト6を参照して資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と庫出請求データD1の資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて資材の梱包単位から庫出数量を求めて先渡残数リスト6の資材の先渡残数を更新するものである。
【0073】
従って、資材の先渡残数を考慮した庫出数量を自動的に求めることができる。これにより、資材の発注処理を大幅に省力化できる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、先渡した電力資材の庫出や在庫を管理するシステムに適用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る電力資材の庫出管理システム100の構成例を示す概略図である。
【図2】電力資材の庫出管理システム100の構成例を示すブロック図である。
【図3】先渡残数リスト6の一部の構成例を示す説明図である。
【図4】資材請求用端末2のモニタ7の表示例(未入力)を示す説明図である。
【図5】資材請求用端末2のモニタ7の表示例(入力後)を示す説明図である。
【図6】資材の配給調整リスト12の一例を示す表図である。
【図7】サーバ1の動作例(その1)を示すフローチャートである。
【図8】サーバ1の動作例(その2)を示すフローチャートである。
【図9】従来例に係る資材の配給調整支援システム200の構成例を示す概略図である。
【図10】従来例に係るDB参照用端末54のモニタ7に表示された先渡残数照会・表示画面59の表示例である。
【図11】従来例に係る庫出送り状58の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0076】
1・・・サーバ(情報処理装置)、2・・・資材請求用端末(発注用の端末)、3・・・資材管理用端末(管理用の端末)、4・・・資材搬送用端末(庫出用の端末)、5・・・DB(記録部)、6・・・先渡残数リスト、12・・・資材の配給調整リスト、
100・・・電力資材の庫出管理システム、D1・・・庫出請求データ(発注データ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、先渡した電力資材の庫出や在庫を管理するシステムに適用可能な庫出管理システム及び庫出管理方法に関するものである。詳しくは、記録部の先渡残数リストを参照して資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と発注データの資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて資材の梱包単位から庫出数量を求めて先渡残数リストの資材の先渡残数を更新することで、資材の先渡残数を考慮した庫出数量を自動的に求めることができるようにすると共に、資材の発注処理を大幅に省力化できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電力会社の資材管理部の担当者は、工事営業所から電気工事に使用する資材の庫出請求がある度に、物流センターにファックス又は郵送により庫出請求票の調整依頼を行っている。その依頼に基づき物流センターの担当者は、資材の配給を調整するための配給調整システムにアクセスして、資材の先渡残数や庫出単位(梱包単位)を確認する。そして、物流センターの担当者は、資材の庫出数量を調整して当該調査結果をファックスにより電力会社の資材管理担当者に報告している。物流センターの担当者からの報告を受けた電力会社の資材管理担当者は、工事営業所に電話又はファックスにより資材の調整結果を連絡する。また、この資材管理担当者は、必要があれば上記配給調整システムにアクセスして資材の先渡残数の変更処理を行っている。
【0003】
例えば、図9は、上述した従来例に係る資材の配給調整支援システム200の構成例を示す概略図である。図9に示す配給調整支援システム200は、記録された資材の先渡残数と資材の庫出請求票に基づいて、資材の配給を調整することを支援するシステムである。この配給調整支援システム200は、DB50、DB更新用端末53及びDB参照用端末54から構成されている。DB更新用端末53は、資材管理部55に設置されている。また、DB参照用端末54は、物流センター56に設置されている。各端末53及び54は、通信回線10及び通信回線網11を経由してDB50に接続されている。
【0004】
このDB50には、資材の先渡残数が記録されている。ここに、資材の先渡残数とは、例えば所定の梱包単位ずつ資材を配給し、配給した梱包単位の資材のうち、実際に工事に使用する資材の数を減算した残りの数のことをいう。例えば、梱包単位が「20個」の高圧引留めがいしを配給し、実際には工事では、「15個」の高圧引留めがいしを使用する場合、先渡残数は「5個」となる。この各資材の先渡残数が、DB50には記録されている。
【0005】
この例で、図9に示す工事営業所52の担当者は、電気工事に使用する資材の庫出請求票(指定単価物品)57を資材管理部55の担当者に郵送する。資材管理部55の担当者は、受け取った庫出請求票57を物流センター56の担当者にファックスして資材の調整を依頼する。物流センター56の担当者は、DB参照用端末54を操作してDB50にアクセスし、資材の庫出先の工事営業所の先渡残数や梱包単位などを調べる。図10は、DB50にアクセス後にDB参照用端末54のモニタ7に表示された先渡残数照会・表示画面59の表示例である。図10に示す先渡残数照会・表示画面59の「品名」項目59bに表示された資材の品名ごとに、「先渡残数」項目59aには資材の先渡残数が表示され、「梱包単位」項目59cには資材を梱包(庫出)する単位が表示されている。例えば、品名「高圧引留がいし」に対しては、先渡残数「18.0」、梱包単位「20.0」が表示されている。物流センター56の担当者は、当該先渡残数を調査後、庫出先の工事営業所の使用数量、先渡残数及び庫出品目の梱包単位に基づいて、庫出数量及び配給後の先渡残数を手動計算する。
【0006】
例えば、物流センター56の担当者は、庫出先の工事営業所の高圧引留がいしの使用数量「27個」、先渡残数「18個」及び庫出品目の梱包単位「20」の場合、先渡残数が「9個」不足しているので梱包単位「20」に基づいて資材の庫出数量「20個」と手動計算する。また、物流センター56の担当者は、先渡残数「18個」と庫出数量「20個」を加算した数量「38個」から使用数量「27個」を減算して、配給後の先渡残数「11個」と手動計算する。
【0007】
この計算結果を図11に示す庫出送り状58の備考欄に記載して、当該庫出送り状58を資材管理部55の担当者に郵送する。図11に示す庫出送り状58には、「品名規格」項目に記載された「高圧引留がいし」の欄が上述した例に該当する。なお、この庫出送り状58には、他にも「高圧ピンがいし2型」や「電線」の例が記載されている。
【0008】
資材管理部55の担当者は、物流センター56の担当者から郵送された庫出送り状58を受け取り、当該庫出送り状58に記載された配給結果を工事営業所52の担当者に電話やファックスで連絡する。また、資材管理部55の担当者は、資材の先渡残数の変更がある場合、DB更新用端末53を操作してDB50の先渡残数を更新する。このように、資材の配給調整を実施している。
【0009】
このような従来例に係る特許文献1には、計器在庫管理システムが開示されている。この計器在庫管理システムによれば、計器の残りの有効期間を取得し、この有効期間に応じて新設に用いる計器と、不良計器の取り替えに用いる計器とに分けて計器の在庫を管理する。これにより、計器の有効期間が長い計器を新設時に用いることができる。
【0010】
【特許文献1】特開2007−4214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、従来例に係る配給調整支援システム200によれば、以下に記載する(1)〜(3)の問題がある。(1)ファックスや郵送により庫出請求票57及び庫出送り状58をやりとりしているので、送付漏れや紛失などが生じるおそれがある。(2)物流センター56の担当者は、DB参照用端末54のモニタ7に表示された先渡残数照会・表示画面59を参照して先渡残数及び庫出品目の梱包単位を確認する必要があるため、当該先渡残数及び梱包単位を見間違うおそれがある。また、物流センター56の担当者は、庫出先の工事営業所の使用数量、先渡残数及び庫出品目の梱包単位に基づいて、資材の庫出数量及び配給後の先渡残数を手動計算するので、計算間違いを引き起こすおそれがある。(3)資材管理部55の担当者は、物流センター56の担当者から郵送された庫出送り状58に記載された配給結果を工事営業所52の担当者に電話やファックスで連絡するので、担当者不在時などの対応に時間がかかることがある。
【0012】
そこで、本発明は、このような従来例に係る課題を解決したものであって、資材の先渡残数を考慮した庫出数量を自動的に演算できるようにすると共に、資材の発注処理を大幅に省力化できるようにした庫出管理システム及び庫出管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明に係る庫出管理システムは、資材の品名、資材の梱包単位及び先渡した資材の先渡残数が資材ごとに先渡残数リストとして記録されている記録部と、前記記録部の先渡残数リストに基づいて資材を庫出する庫出数量を求めて庫出管理処理する情報処理装置と、発注対象の資材の品名及び資材の数量を示す発注データを前記情報処理装置に送信する発注用の端末とを備え、前記情報処理装置は、前記記録部の先渡残数リストを参照して前記資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と前記発注データの資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて前記資材の梱包単位から前記庫出数量を求めて前記先渡残数リストの資材の先渡残数を更新することを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る庫出管理システムによれば、記録部には、資材の品名、資材の梱包単位及び先渡した資材の先渡残数が資材ごとに先渡残数リストとして記録されている。情報処理装置は、記録部の先渡残数リストに基づいて資材を庫出する庫出数量を求めて庫出管理処理を実施する。発注用の端末は、発注対象の資材の品名及び資材の数量を示す発注データを情報処理装置に送信する。この場合、情報処理装置は、記録部の先渡残数リストを参照して資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と発注データの資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて資材の梱包単位から庫出数量を求めて先渡残数リストの資材の先渡残数を更新する。例えば、情報処理装置は、先渡残数リストが示す資材の先渡残数と発注データの資材の数量とを比較後、資材の先渡残数が不足していると判定した場合、資材の梱包単位から庫出数量を求め、また、資材の先渡残数が足りていると判定した場合、庫出数量をゼロとする。これにより、資材の先渡残数を考慮した庫出数量を自動的に求めることができる。
【0015】
上述した課題を解決するために、本発明に係る庫出管理方法は、発注対象の資材の品名及び資材の数量を示す発注データを送信するステップと、資材の品名、資材の梱包単位及び先渡した資材の先渡残数を資材ごとに先渡残数リストとして記録するステップと、記録された前記先渡残数リストを参照して前記資材の先渡残数及び梱包単位を取得するステップと、前記発注データを受信するステップと、受信した前記発注データの資材の数量と取得した前記資材の先渡残数とを比較し、当該比較結果に基づいて、前記資材の梱包単位から資材の庫出数量を求めるステップと、前記庫出数量を求めた後、前記先渡残数リストの資材の先渡残数を更新するステップとを有することを特徴とするものである。本発明に係る庫出管理方法によれば、資材の先渡残数を考慮した庫出数量を自動的に求めることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る庫出管理システム及び庫出管理方法によれば、記録部の先渡残数リストを参照して資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と発注データの資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて資材の梱包単位から庫出数量を求めて先渡残数リストの資材の先渡残数を更新するものである。
【0017】
この構成によって、資材の先渡残数を考慮した庫出数量を自動的に求めることができる。これにより、資材の発注処理を大幅に省力化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る庫出管理システム及び庫出管理方法の実施形態の一例を説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る電力資材の庫出管理システム100の構成例を示す概略図である。図1に示す庫出管理システム100は、登録された資材の先渡残数と入力した資材の庫出請求データに基づいて、自動的に資材の庫出を管理するシステムである。庫出管理システム100は、サーバ1、資材請求用端末2、資材管理用端末3、資材搬送用端末4及びDB5から構成されている。
【0020】
各端末2〜4は、通信回線10及び通信回線網11を経由してサーバ1(情報処理装置の一例)に接続されている。各端末2〜4には、例えばノート型のパーソナルコンピュータを適用し、それぞれモニタ7、キーボード8、マウス9及び不図示のUSB(Universal Serial Bus)インターフェースが備えられている。USBインターフェースにはマウス9が接続されている。このマウス9には、例えば、光学式センサーが接地面を断続的にスキャンすることで移動を検出する光学式マウスが使用される。マウス9が平面上で上下左右に移動されると、モニタ7の画面上に表示されるカーソル2c(図4参照)が上下左右に移動する。キーボード8には、例えば、かな漢字変換などで利用するためのキートップが備えられた106型キーボードが使用される。
【0021】
サーバ1にはDB5が接続されている。このDB5には、資材の先渡残数が記録されている。ここに、資材の先渡残数とは、例えば所定の梱包単位ずつ資材を配給し、配給した梱包単位の資材のうち、実際に工事に使用する資材の数を減算した残りの数のことをいう。例えば、梱包単位が「20個」の高圧引留めがいしを配給し、実際には工事では、「15個」の高圧引留めがいしを使用する場合、先渡残数は「5個」となる。この各資材の先渡残数が、DB5には記録されている。
【0022】
資材請求用端末2は発注用の端末の一例であり、例えば電力工事を請け負う営業所に設置され、当該電力工事に使用する資材を請求するものである。この例で、資材請求用端末2は、営業所のオペレータにより操作されて、発注対象の資材の品名及び資材の数量を示す庫出請求データD1(発注データの一例)をサーバ1に送信する。例えば、資材請求用端末2は、電力工事用の資材として「高圧ピンがいし2型」を「3個」ほど請求する庫出請求データD1をサーバ1に送信する。なお、この資材請求用端末2は、説明の理解を容易にするために1台のみ設けているが、工事営業所の数が複数の場合、当該複数の工事営業所の数だけ設けられる。
【0023】
サーバ1は、DB5の先渡残数リスト6(図3参照)に基づいて資材を庫出する庫出数量を求めると共に当該先渡残数リスト6を更新する。この例で、サーバ1は、DB5の先渡残数リスト6を参照して資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と庫出請求データD1の資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて資材の梱包単位から庫出数量を求める。
【0024】
この例で、サーバ1は、この庫出請求データD1の資材の数量と、DB5から取得した先渡残数リスト6の先渡残数データD2とを比較して、資材の先渡残数が不足しているか否かを判定する。サーバ1は、資材の先渡残数が不足していると判定した場合、資材の不足分を算出して新たに所定の梱包単位から庫出数量を求めて資材を配給するように制御する。また、サーバ1は、資材の先渡残数が足りていると判定した場合、庫出数量をゼロとして資材の先渡し分から資材を配給するように制御する。
【0025】
例えば、資材請求用端末2からの庫出請求データD1の内容が「高圧ピンがいし2型を3個だけ請求する」ことを示し、DB5の先渡残数データD2の内容が、「高圧ピンがいし2型の残数が2個」を示す場合、サーバ1は、高圧ピンがいし2型が1個不足していると判定する。この場合、サーバ1は、新たに10個の梱包単位で高圧ピンがいし2型を配給するための配給調整データD3(庫出数量データの一例)を資材請求用端末2、資材管理用端末3及び資材搬送用端末4に送信する。
【0026】
物流センターの資材搬送用端末4は庫出用の端末の一例であり、配給調整データD3を受信して資材の庫出処理を行う。例えば、資材搬送用端末4は、そのモニタ7に資材の庫出情報を表示する。オペレータは、このモニタ7に表示された内容を確認して資材の搬送の手続きを行う。なお、物流センターのオペレータは、資材の庫出を実施する場合に、例えば配給希望日の3営業日前のみの庫出請求データD1を対象にしてもよい。この場合、物流センターのオペレータは、資材搬送用端末4を操作して配給希望日の3営業日前のみの庫出請求データD1を対象にするための要求データD4をサーバ1に送信する。サーバ1は、この要求データD4を受信すると、配給希望日の3営業日前のみの庫出請求データD1を対象として配給調整データD3を作成して資材搬送用端末4に送信する。
【0027】
工事営業所の資材請求用端末2は、配給調整データD3を受信してモニタ7にその内容を表示する。オペレータは、このモニタ7に表示された内容を確認して資材の庫出を確認する。
【0028】
資材管理部の資材管理用端末3は管理用の端末の一例であり、配給調整データD3を受信して資材の管理処理を行う。例えば、この資材管理用端末3は、配給調整データD3を受信してモニタ7にその内容を表示する。オペレータは、このモニタ7に表示された内容を確認して資材の庫出を確認する。このように、電力資材の庫出管理システム100は構成されている。
【0029】
図2は、電力資材の庫出管理システム100の構成例を示すブロック図である。図2に示すサーバ1は、庫出情報入力部1a、演算部1b、配給結果送信部1c及びハードディスク1dを備えている。このハードディスク1dには、庫出制御プログラムが保存されている。サーバ1の不図示の電源がONされると、その演算部1bは、このハードディスク1dにアクセスして庫出制御プログラムを起動する。
【0030】
庫出制御プログラムを起動後に、資材請求用端末2から庫出請求データD1が送信されると、サーバ1の庫出情報入力部1aは、この庫出請求データD1を入力して演算部1bに出力する。演算部1bは、この庫出請求データD1と、DB5から取得した先渡残数データD2とを比較して、資材が不足しているか否かを判定する。演算部1bは、資材が不足していると判定した場合、資材の不足分を算出して新たに所定の梱包単位で資材を配給するための配給調整データD3を生成する。演算部1bは、資材が不足していないと判定した場合、資材の先渡し分から資材を配給するための配給調整データD3を生成する。
その後、演算部1bは、当該配給調整データD3を配給結果送信部1cに出力する。配給結果送信部1cは、この配給調整データD3を資材請求用端末2、資材管理用端末3及び資材搬送用端末4に送信する。
【0031】
続いて、DB5に記録された先渡残数データD2を示す先渡残数リスト6の構成例を説明する。図3は、先渡残数リスト6の一部の構成例を示す説明図である。図3に示す先渡残数リスト6は、マトリックス状に形成されており、その列方向は少なくとも「品名」項目6a、「単位」項目6b、「配給先」項目6c、「受渡先」項目6d、「先渡残数」項目6e、「適用区分」項目6f及び「梱包単位」項目6gの項目から構成されている。
【0032】
先渡残数リスト6の「品名」項目6aには、資材の品名コードとその品名規格を示すデータが設定されている。「単位」項目6bには、単位を示すデータ(例えば個数)が設定されている。「配給先」項目6cには、資材の配給先コードと配給先の名称を示すデータが設定されている。「受渡先」項目6dには、資材の受渡先の名称を示すデータが設定されている。「先渡残数」項目6eには、資材の先渡残数を示すデータが設定されている。「適用区分」項目6fには、資材の適用区分を示すデータが設定されている。「梱包単位」項目6gには、資材の梱包単位を示すデータが設定されている。
【0033】
例えば、先渡残数リスト6の上から3番目の各項目6a〜6gを参照すると、「品名」項目6aには、「2230002 高圧ピンがいし2型」を示すデータが設定され、「単位」項目6bには、「個」を示すデータ設定され、「配給先」項目6cには、「広島」を示すデータが設定され、「受渡先」項目6dには、「工事営業所」を示すデータが設定され、「先渡残数」項目6eには、「3.0」を示すデータが設定され、「適用区分」項目6fには、「2」を示すデータが設定され、「梱包単位」項目6gには、「10.0」を示すデータが設定されている。これにより、工事営業所には、3個の高圧ピンがいし2型が残っていることが分かる。さらに、この高圧ピンがいし2型は、配給時に10個単位で梱包されることが分かる。
【0034】
続いて、工事営業所の資材請求用端末2から実際に資材の庫出を請求する例を説明する。図4及び5は、資材請求用端末2のモニタ7の表示例を示す説明図である。図4に示す拡大表示したモニタ7には、入力前の庫出送り画面が表示されている。この庫出送り画面は、図2に示したハードディスク1dに保存された庫出制御プログラムが起動されると表示される。また、図5に示すモニタ7には、入力後の庫出送り画面が表示されている。
【0035】
図4に示す庫出送り画面には、第1の入力領域2a及び第2の入力領域2bが表示されている。第1の入力領域2aには、「請求箇所」の入力項目が表示されている。オペレータは、例えば資材を請求する工事営業所を指定する場合、マウス9を操作してカーソル2cを動かし、入力領域2aの「請求箇所」項目における「コード」項目の入力枠2fをクリックして選択する。その後、キーボード8により図5に示すように例えばコード「5100070」と入力する。このコード「5100070」の入力により、その隣の入力枠2gには、図5に示すように当該コードに対応した「工事営業所 地中線課」が自動的に表示される。続いて、オペレータは、入力領域2aの「配達希望日」項目の入力枠2hをクリックして選択し、図5に示すように配達を希望する日付を入力する。これにより、資材を請求する工事営業所及び配達希望日の入力が終了する。
【0036】
次に、オペレータは、例えば高圧ピンがいし2型を3個請求する場合、第2の入力領域2bの「品名コード」項目の入力枠2rをクリックして選択し、コード「2230002」と入力する。このコード「2230002」の入力により、その隣の入力枠には、図5に示すように当該コードに対応した「高圧ピンがいし2型」が自動的に表示される。その後、オペレータは、「数量」項目の入力枠2sをクリックして選択し、数量「3個」と入力する。これにより、高圧ピンがいし2型の入力が終了する。
【0037】
また、オペレータは、例えば高圧引留がいしを27個請求する場合、入力領域2bの「品名コード」項目の入力枠2tをクリックして選択し、コード「2200004」と入力する。このコード「2200004」の入力により、その隣の入力枠には、図5に示すように当該コードに対応した「高圧引留がいし」が自動的に表示される。その後、オペレータは、「数量」項目の入力枠2uをクリックして選択し、数量「27個」と入力する。これにより、高圧引留がいしの入力が終了する。
【0038】
また、オペレータは、例えば電線を100メートル請求する場合、入力領域2bの「品名コード」項目の入力枠2vをクリックして選択し、コード「2200005」と入力する。このコード「2200005」の入力により、その隣の入力枠には、図5に示すように当該コードに対応した「電線」が自動的に表示される。その後、オペレータは、「数量」項目の入力枠2wをクリックして選択し、数量「100m」と入力する。これにより、電線の入力が終了する。最後に、オペレータは、図5に示す送信ボタン2dにカーソル2cを合わせてクリックして、図5に示す入力データを庫出請求データD1として図1に示したサーバ1に送信する。なお、資材の庫出の請求を終了する場合、オペレータは、終了ボタン2eにカーソル2cを合わせてクリックする。
【0039】
図1に示したサーバ1は、送信された当該庫出請求データD1を受信して、配給する資材の数量を調整する。図6は、資材の配給調整リスト12の一例を示す表図である。図6に示す配給調整リスト12は、図5に示した庫出送り画面上のデータが庫出請求データD1として送信された場合について作成されたものである。この配給調整リスト12は、「品名規格」項目12a、「請求庫出数量」項目12b、「工事営業所の先渡残数」項目12c、「物流センター庫出数量」項目12d及び「配給後の先渡残数」項目12eの項目から構成されている。
【0040】
この例で、図2に示したサーバ1の演算部1bは、庫出請求データD1を受信すると、DB5にアクセスして当該DB5に記録された先渡残数リスト6(図3参照)を参照する。例えば、庫出請求データD1が示す高圧ピンがいし2型の数量を演算する場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「品名」項目6aのコード一覧と、庫出請求データD1の高圧ピンがいし2型を示すコード「2230002」とを順次比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「配給先」項目6cのコード一覧と、庫出請求データD1の請求箇所を示すコード「5100070」の上3桁とを比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、図3に示した先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eを参照して、先渡残数「3.0」のデータを取得する。
【0041】
この先渡残数「3.0」のデータを取得後、演算部1bは、この先渡残数「3.0」から庫出請求データD1の高圧ピンがいし2型の数量「3.0」を減算して、配給後の先渡残数を「0個」と演算する。また、演算部1bは、高圧ピンがいし2型を新たに庫出する必要がなく先渡残数で賄えたので、物流センター庫出数量を「0個」と演算する。
【0042】
演算部1bは、これらの演算結果を図6に示す資材の配給調整リスト12として作成する。この例で、演算部1bは、「品名規格」項目12aに「高圧ピンがいし2型」を設定し、「請求庫出数量」項目12bに「3.0個」を設定し、「工事営業所の先渡残数」項目12cに「3.0個」を設定し、「物流センター庫出数量」項目12dに「0個」を設定し、「配給後の先渡残数」項目12eに「0個」を設定する。
【0043】
次に、庫出請求データD1が示す高圧引留がいしの数量を演算する場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「品名」項目6aのコード一覧と、庫出請求データD1の高圧引留がいしを示すコード「2200004」とを順次比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「配給先」項目6cのコード一覧と、庫出請求データD1の請求箇所を示すコード「5100070」の上3桁とを比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、図3に示した先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eを参照して、先渡残数「18.0」のデータを取得する。
【0044】
この先渡残数「18.0」のデータを取得後、演算部1bは、この先渡残数「18.0」から庫出請求データD1の高圧引留がいしの数量「27.0」を減算して、先渡残数が「9個」の不足と演算する。ここで、先渡残数が「9個」不足しているので、演算部1bは、先渡残数リスト6の「梱包単位」項目6gを参照して、梱包単位「20.0」のデータを取得する。そして、演算部1bは、梱包単位「20.0」で新たに高圧引留がいしを庫出するように制御すると共に、新たに庫出する「20個」から不足分の「9個」を差し引いて、配給後の先渡残数を「11個」と演算する。
【0045】
演算部1bは、これらの演算結果を図6に示す資材の配給調整リスト12として作成する。この例で、演算部1bは、「品名規格」項目12aに「高圧引留がいし」を設定し、「請求庫出数量」項目12bに「27.0個」を設定し、「工事営業所の先渡残数」項目12cに「18.0個」を設定し、「物流センター庫出数量」項目12dに「20.0個」を設定し、「配給後の先渡残数」項目12eに「11.0個」を設定する。
【0046】
次に、庫出請求データD1が示す電線の数量を演算する場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「品名」項目6aのコード一覧と、庫出請求データD1の電線を示すコード「2200005」とを順次比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「配給先」項目6cのコード一覧と、庫出請求データD1の請求箇所を示すコード「5100070」の上3桁とを比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、図3に示した先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eを参照して、先渡残数「0.0m」のデータを取得する。
【0047】
この先渡残数「0.0m」のデータを取得後、演算部1bは、この先渡残数「0.0m」から庫出請求データD1の電線の数量「100.0m」を減算して、先渡残数が「100m」の不足と演算する。ここで、先渡残数が「100m」不足しているので、演算部1bは、先渡残数リスト6の「梱包単位」項目6gを参照して、梱包単位「600.0m」のデータを取得する。そして、演算部1bは、梱包単位「600.0m」で新たに電線をドラムごとに庫出するように制御すると共に、新たに庫出する「600.0m」から不足分の「100.0m」を差し引いて、配給後の先渡残数を「500.0m」と演算する。
【0048】
演算部1bは、これらの演算結果を図6に示す資材の配給調整リスト12として作成する。この例で、演算部1bは、「品名規格」項目12aに「電線」を設定し、「請求庫出数量」項目12bに「100.0m」を設定し、「工事営業所の先渡残数」項目12cに「0.0m」を設定し、「物流センター庫出数量」項目12dに「600.0m」を設定し、「配給後の先渡残数」項目12eに「500.0m」を設定する。このように、演算部1bは、高圧ピンがいし2型、高圧引留がいし及び電線の合計3項目の配給調整リスト12を作成する。
【0049】
作成後、演算部1bは、この配給調整リスト12を配給調整データD3として配給結果送信部1c(図2参照)に出力する。この配給結果送信部1cは、当該配給調整データD3を資材請求用端末2、資材管理用端末3及び資材搬送用端末4に送信する。
【0050】
続いて、資材の庫出処理におけるサーバ1の一連の動作を説明する。図7及び図8は、サーバ1の動作例を示すフローチャートである。このサーバ1は、不図示の電源がONされて、図2に示したサーバ1のハードディスク1dに保存された庫出制御プログラムが、演算部1bにより起動されている。また、図2に示したDB5には、図3に示した先渡残数の先渡残数リスト6が記録されている。また、サーバ1は、工事営業所の資材請求用端末2から庫出請求データD1を随時受信し、図2に示したハードディスク1dに当該庫出請求データD1を保存している。
【0051】
この例で、物流センターのオペレータは、資材搬送用端末4を操作して配給希望日の3営業日前の庫出請求データD1のみを取り込む。その後、物流センターのオペレータは、この配給調整データD3に基づいて資材の庫出を実施する。
【0052】
これらを庫出処理の条件として図7に示すステップST1で、サーバ1は、資材搬送用端末4から要求データD4を受信し、この要求データD4に基づいてハードディスク1dから配給希望日の3営業日前の庫出請求データD1のみを抽出してステップST2に移行する。
【0053】
ステップST2で、サーバ1は、庫出する品名規格ごとの庫出数量と、庫出先の工事営業所の先渡残数とを比較する。この例で、サーバ1の演算部1bは、DB5にアクセスして当該DB5に記録された先渡残数リスト6(図3参照)を参照する。例えば、庫出請求データD1が示す高圧ピンがいし2型の庫出数量を演算する場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「品名」項目6aのコード一覧と、庫出請求データD1の高圧ピンがいし2型を示すコード「2230002」とを順次比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「配給先」項目6cのコード一覧と、庫出請求データD1の請求箇所を示すコード「5100070」の上3桁とを比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、図3に示した先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eを参照して、先渡残数「3.0」のデータを取得する。この先渡残数「3.0」のデータを取得後、演算部1bは、この先渡残数「3.0」と、庫出請求データD1の高圧ピンがいし2型の数量「3.0」とを比較する。続いてステップST3に移行する。
【0054】
ステップST3で、サーバ1は、先渡残数が庫出数量以上であるか否かを判定する。サーバ1は、先渡残数が庫出数量以上であると判定した場合、例えば、サーバ1の演算部1bは、DB5の高圧ピンがいし2型の先渡残数「3.0」が、庫出請求データD1の高圧ピンがいし2型の数量「3.0」以上であると判定した場合、ステップST4に移行する。
【0055】
ステップST4で、サーバ1は、工事営業所の先渡残数から庫出数量を減算する。例えば、サーバ1の演算部1bは、DB5の高圧ピンがいし2型の先渡残数「3.0」から庫出請求データD1の高圧ピンがいし2型の数量「3.0」を減算して、配給後の先渡残数を「0個」と演算する。また、演算部1bは、高圧ピンがいし2型を新たに庫出する必要がなく先渡残数で賄えたので、庫出数量を「0個」と演算する。演算部1bは、これらの演算結果を図6に示した資材の配給調整リスト12(配給調整データD3)として作成してステップST5に移行する。
【0056】
ステップST5で、サーバ1は、資材管理部の資材管理用端末3に配給調整データD3を送信してステップST6に移行する。ステップST6で、サーバ1は、工事営業所の資材請求用端末2に配給調整データD3を送信してステップST7に移行する。
【0057】
ステップST7で、サーバ1は、図3に示したDB5に記録された先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eの先渡残数データを更新する。例えば、高圧ピンがいし2型を「3個」配給した場合、サーバ1の演算部1bは、先渡残数リスト6の高圧ピンがいし2型の「先渡残数」項目6eの「3.0」を「0.0」に更新してステップST8に移行する。
【0058】
ステップST8で、サーバ1は、更新された先渡残数リスト6をDB5に保存して庫出処理を終了する。以上の庫出処理は、上述のステップST3で、先渡残数が庫出数量以上(同数)であると判定した場合の処理である。上述のステップST3で、サーバ1が、先渡残数が庫出数量以上でないと判定した場合、図8に示すステップST9に移行する。
【0059】
ステップST9で、サーバ1は、庫出する品名規格の梱包単位が単品か否かを判定する。この例で、梱包単位が単品である場合、図3に示した先渡残数リスト6の「梱包単位」項目6gの項目が「1.0」を示す。また、梱包単位が複数品である場合、この「梱包単位」項目6gの項目が「1.0」より大きい値を示す。サーバ1は、この先渡残数リスト6の「梱包単位」項目6gの項目を参照してその値が「1.0」である場合、庫出する品名規格の梱包単位が単品であると判定してステップST10に移行する。
【0060】
ステップST10で、サーバ1は、工事営業所の先渡残数を全て適用すると共に、庫出数量に足りない数量についてのみ、物流センターから庫出するように制御してステップST11に移行する。
【0061】
ステップST11で、サーバ1は、資材管理部の資材管理用端末3に庫出数量などを示す配給調整データD3を送信する。この例で、庫出数量の総数は、工事営業所の先渡残数と物流センターの庫出数量とを加算した数量となる。続いてステップST12に移行する。
【0062】
ステップST12で、サーバ1は、工事営業所の資材請求用端末2に庫出数量などを示す配給調整データD3を送信する。この例で、庫出数量の総数は、ステップST11と同様に工事営業所の先渡残数と物流センターの庫出数量とを加算した数量となる。続いてステップST13に移行する。
【0063】
ステップST13で、サーバ1は、物流センターの資材搬送用端末4に庫出数量などを示す配給調整データD3を送信する。物流センターのオペレータは、この配給調整データD3に基づいて資材の庫出を実施する。この例で、庫出数量の総数は、ステップST11と同様に工事営業所の先渡残数と物流センターの庫出数量とを加算した数量となる。続いてステップST14に移行する。
【0064】
ステップST14で、サーバ1は、図3に示したDB5に記録された先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eの先渡残数データを更新し、図7に示したステップST8に移行して更新された先渡残数リスト6をDB5に保存して庫出処理を終了する。以上の庫出処理は、上述のステップST9で、庫出する品名規格の梱包単位が単品であると判定した場合の処理である。上述のステップST9で、サーバ1が、庫出する品名規格の梱包単位が複数品からなると判定した場合ステップST15に移行する。
【0065】
ステップST15で、サーバ1は、工事営業所の先渡残数を全て適用すると共に、庫出数量に足りない数量について、庫出品名の梱包単位により庫出単位を演算して物流センターから庫出するように制御する。ここで、物流センターの庫出数量(庫出単位)は、請求庫出数量から先渡残数を減算した数量を、庫出品名の梱包単位で除算した数量とする。なお、小数点以下は切り上げる。
【0066】
この例で、サーバ1の演算部1bは、DB5にアクセスして当該DB5に記録された先渡残数リスト6(図3参照)を参照する。例えば、庫出請求データD1が示す高圧引留がいしの数量を演算する場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「品名」項目6aのコード一覧と、庫出請求データD1の高圧引留がいしを示すコード「2200004」とを順次比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、先渡残数リスト6の「配給先」項目6cのコード一覧と、庫出請求データD1の請求箇所を示すコード「5100070」の上3桁とを比較する。比較して合致した場合、演算部1bは、図3に示した先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eを参照して、先渡残数「18.0」のデータを取得する。この先渡残数「18.0」のデータを取得後、演算部1bは、庫出請求データD1の高圧引留がいしの数量「27.0」からこの先渡残数「18.0」からを減算して、先渡残数が「9個」の不足と演算する。この先渡残数が「9個」を高圧引留がいしの梱包単位「20.0」で除算して小数点以下を切り上げた数量「1」の梱包単位「20.0」を物流センターの庫出数量(庫出単位)とする。
【0067】
そして、演算部1bは、梱包単位「20.0」で新たに高圧引留がいしを庫出するように制御すると共に、新たに庫出する「20個」から不足分の「9個」を差し引いて、配給後の先渡残数を「11個」と演算する。演算部1bは、これらの演算結果を図6に示した資材の配給調整リスト12(配給調整データD3)として作成してステップST16に移行する。
【0068】
ステップST16で、サーバ1は、資材管理部の資材管理用端末3に庫出数量などを示す配給調整データD3を送信する。なお、庫出数量の総計は、工事営業所の先渡残数と物流センターの庫出数量とを加算した数量となる。例えば、高圧引留がいしの庫出数量の総計は、工事営業所の先渡残数「18.0」と物流センターの庫出数量「20.0」とを加算した数量「38.0」となる。実際に、工事営業所から請求された高圧引留がいしの庫出数量は、「27.0」なので、配給後の先渡残数は「11.0」となる。この例で、高圧引留がいしの庫出数量「27.0」≒工事営業所の先渡残数「18.0」+物流センターの庫出数量「20.0」となる。続いてステップST17に移行する。
【0069】
ステップST17で、サーバ1は、工事営業所の資材請求用端末2に庫出数量などを示す配給調整データD3を送信する。なお、庫出数量の総数は、ステップST16と同様に工事営業所の先渡残数と物流センターの庫出数量とを加算した数量と略等しくなる。続いてステップST18に移行する。
【0070】
ステップST18で、サーバ1は、物流センターの資材搬送用端末4に庫出数量などを示す配給調整データD3を送信する。物流センターのオペレータは、この配給調整データD3に基づいて資材の庫出を実施する。なお、庫出数量の総数は、ステップST16と同様に工事営業所の先渡残数と物流センターの庫出数量とを加算した数量と略等しくなる。続いてステップST19に移行する。
【0071】
ステップST19で、サーバ1は、図3に示したDB5に記録された先渡残数リスト6の「先渡残数」項目6eの先渡残数データを更新する。例えば、高圧引留がいしを「27個」配給する場合、「20個」庫出したのでこの高圧引留がいしの「先渡残数」項目6eの先渡残数「18.0」から「7.0」を減算して先渡残数「11.0」に更新する。続いて、図7に示したステップST8に移行して更新された先渡残数リスト6をDB5に保存して庫出処理を終了する。なお、以上の庫出処理は、上述のステップST9で、庫出する品名規格の梱包単位が複数品であると判定した場合の処理である。
【0072】
このように、本発明に係る庫出管理システム100及び庫出管理方法によれば、DB5の先渡残数リスト6を参照して資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と庫出請求データD1の資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて資材の梱包単位から庫出数量を求めて先渡残数リスト6の資材の先渡残数を更新するものである。
【0073】
従って、資材の先渡残数を考慮した庫出数量を自動的に求めることができる。これにより、資材の発注処理を大幅に省力化できる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、先渡した電力資材の庫出や在庫を管理するシステムに適用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る電力資材の庫出管理システム100の構成例を示す概略図である。
【図2】電力資材の庫出管理システム100の構成例を示すブロック図である。
【図3】先渡残数リスト6の一部の構成例を示す説明図である。
【図4】資材請求用端末2のモニタ7の表示例(未入力)を示す説明図である。
【図5】資材請求用端末2のモニタ7の表示例(入力後)を示す説明図である。
【図6】資材の配給調整リスト12の一例を示す表図である。
【図7】サーバ1の動作例(その1)を示すフローチャートである。
【図8】サーバ1の動作例(その2)を示すフローチャートである。
【図9】従来例に係る資材の配給調整支援システム200の構成例を示す概略図である。
【図10】従来例に係るDB参照用端末54のモニタ7に表示された先渡残数照会・表示画面59の表示例である。
【図11】従来例に係る庫出送り状58の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0076】
1・・・サーバ(情報処理装置)、2・・・資材請求用端末(発注用の端末)、3・・・資材管理用端末(管理用の端末)、4・・・資材搬送用端末(庫出用の端末)、5・・・DB(記録部)、6・・・先渡残数リスト、12・・・資材の配給調整リスト、
100・・・電力資材の庫出管理システム、D1・・・庫出請求データ(発注データ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
資材の品名、資材の梱包単位及び先渡した資材の先渡残数が資材ごとに先渡残数リストとして記録されている記録部と、
前記記録部の先渡残数リストに基づいて資材を庫出する庫出数量を求めて庫出管理処理する情報処理装置と、
発注対象の資材の品名及び資材の数量を示す発注データを前記情報処理装置に送信する発注用の端末とを備え、
前記情報処理装置は、
前記記録部の先渡残数リストを参照して前記資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と前記発注データの資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて前記資材の梱包単位から前記庫出数量を求めて前記先渡残数リストの資材の先渡残数を更新することを特徴とする庫出管理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記先渡残数リストが示す資材の先渡残数と前記発注データの資材の数量とを比較後、
前記資材の先渡残数が不足していると判定した場合、資材の不足分を算出して前記資材の梱包単位から前記庫出数量を求め、
前記資材の先渡残数が足りていると判定した場合、前記庫出数量をゼロとすることを特徴とする請求項1に記載の庫出管理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置が求めた前記庫出数量を庫出数量データとして受信し、当該庫出数量データに基づいて資材の庫出処理を行う庫出用の端末を備えることを特徴とする請求項1に記載の庫出管理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置から送信された前記庫出数量データを受信し、当該庫出数量データに基づいて資材の管理を行う管理用の端末を備えることを特徴とする請求項3に記載の庫出管理システム。
【請求項5】
発注対象の資材の品名及び資材の数量を示す発注データを送信するステップと、
資材の品名、資材の梱包単位及び先渡した資材の先渡残数を資材ごとに先渡残数リストとして記録するステップと、
記録された前記先渡残数リストを参照して前記資材の先渡残数及び梱包単位を取得するステップと、
前記発注データを受信するステップと、
受信した前記発注データの資材の数量と取得した前記資材の先渡残数とを比較し、当該比較結果に基づいて、前記資材の梱包単位から資材の庫出数量を求めるステップと、
前記庫出数量を求めた後、前記先渡残数リストの資材の先渡残数を更新するステップとを有することを特徴とする庫出管理方法。
【請求項1】
資材の品名、資材の梱包単位及び先渡した資材の先渡残数が資材ごとに先渡残数リストとして記録されている記録部と、
前記記録部の先渡残数リストに基づいて資材を庫出する庫出数量を求めて庫出管理処理する情報処理装置と、
発注対象の資材の品名及び資材の数量を示す発注データを前記情報処理装置に送信する発注用の端末とを備え、
前記情報処理装置は、
前記記録部の先渡残数リストを参照して前記資材の先渡残数及び梱包単位を取得し、当該資材の先渡残数と前記発注データの資材の数量とを比較し、当該比較結果に基づいて前記資材の梱包単位から前記庫出数量を求めて前記先渡残数リストの資材の先渡残数を更新することを特徴とする庫出管理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記先渡残数リストが示す資材の先渡残数と前記発注データの資材の数量とを比較後、
前記資材の先渡残数が不足していると判定した場合、資材の不足分を算出して前記資材の梱包単位から前記庫出数量を求め、
前記資材の先渡残数が足りていると判定した場合、前記庫出数量をゼロとすることを特徴とする請求項1に記載の庫出管理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置が求めた前記庫出数量を庫出数量データとして受信し、当該庫出数量データに基づいて資材の庫出処理を行う庫出用の端末を備えることを特徴とする請求項1に記載の庫出管理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置から送信された前記庫出数量データを受信し、当該庫出数量データに基づいて資材の管理を行う管理用の端末を備えることを特徴とする請求項3に記載の庫出管理システム。
【請求項5】
発注対象の資材の品名及び資材の数量を示す発注データを送信するステップと、
資材の品名、資材の梱包単位及び先渡した資材の先渡残数を資材ごとに先渡残数リストとして記録するステップと、
記録された前記先渡残数リストを参照して前記資材の先渡残数及び梱包単位を取得するステップと、
前記発注データを受信するステップと、
受信した前記発注データの資材の数量と取得した前記資材の先渡残数とを比較し、当該比較結果に基づいて、前記資材の梱包単位から資材の庫出数量を求めるステップと、
前記庫出数量を求めた後、前記先渡残数リストの資材の先渡残数を更新するステップとを有することを特徴とする庫出管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−175875(P2009−175875A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−11799(P2008−11799)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(507055914)株式会社エネルギア・ロジスティックス (5)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(507055914)株式会社エネルギア・ロジスティックス (5)
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