廃棄物の処理装置
【目的】廃棄物中の有用物を出来るだけ再利用可能に処理するとともにオゾン層破壊の原因であるフロンを回収し、地球環境を考慮した廃棄物処理装置を提供する。
【構成】ストックヤード1の廃棄物は供給装置2によって前処理装置に供給され、前処理装置3は冷媒回収手段4、大形硝子取り出し手段5、金属塊分別手段6からなり、それぞれの廃棄物に応じた前処理が行われる。廃棄物は破砕装置7で破砕され、軽量物分別装置8で発泡成形材を分離し、金属分別装置9で鉄系金属、非鉄系金属を分別し、この後、プラスチック分別装置12で塩化ビニール系のプラスチックを分離し、また金属塊は冷凍破砕装置16で破砕される。一方、軽量物分別装置8で分別された発泡成形材は、発泡剤回収装置19で発泡剤と樹脂に分離され回収される。
【構成】ストックヤード1の廃棄物は供給装置2によって前処理装置に供給され、前処理装置3は冷媒回収手段4、大形硝子取り出し手段5、金属塊分別手段6からなり、それぞれの廃棄物に応じた前処理が行われる。廃棄物は破砕装置7で破砕され、軽量物分別装置8で発泡成形材を分離し、金属分別装置9で鉄系金属、非鉄系金属を分別し、この後、プラスチック分別装置12で塩化ビニール系のプラスチックを分離し、また金属塊は冷凍破砕装置16で破砕される。一方、軽量物分別装置8で分別された発泡成形材は、発泡剤回収装置19で発泡剤と樹脂に分離され回収される。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃棄物の回収処理装置に係わり、特に廃棄家電品の破砕と有価物の回収処理を行なう装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大形廃棄物の処理は、そのまま埋立てる、もしくは破砕、焼却して埋め立てる方法が多く行われている。そのまま埋立てる方法は埋立て地不足の問題があり、焼却についても炭酸ガスの発生による地球の温暖化が問題である。さらに廃棄物中には塩化ビニール系のプラスチックも多く含まれていることから、この燃焼によって発生する塩素ガスや塩素化合物系の有害ガスの発生があり、これらのガスが焼却炉を損傷し焼却炉の寿命を著しく短くしたり、大気中への放出によって環境を破壊する等の問題があるため、大気中への放出防止処置が必要である。特開昭50−156754号公報に記載のように、本質的に金属を多く含むスクラップ等から金属を回収することは一部行われているが、金属を取った残りの廃棄物についてはプラスチックも含め回収処理は行われてはいない。この廃棄物はこの後埋立てるもしくは焼却されているため上記と同様の問題点がある。又、廃棄物を分別する方法としては特開昭50−108765号公報、特開昭50-81967号公報に記載のシステムが提案されているが、これらの方法は金属の分別を主体にしたものであり、プラスチックは紙等ほかの物と一緒に取り出すようになっておりプラスチックの分別は行われていない。
【0003】プラスチックの簡単な分別としては特開昭52-151371号公報、特開昭58-205552号公報に示されているような比重差を利用した比重選別装置がある。この特開昭52-151371号公報、特開昭58-205552号公報に記載のものは材質ごとに比重が異なるものには有効であるが、プラスチックのように材質が異なっていても同じような比重のものもある場合には、比重選別だけでは分別出来ないものもある。
【0004】又、他の分別方法としてプラスチックを熱などにより溶融して溶解温度の差により分別する方法がある。この方法は熱可塑性プラスチックを素材とする発泡成形材は処理可能と考えられる。しかし、処理するプラスチックの中に塩化ビニール系のプラスチックが含まれる場合、溶解時プラスチックから有害ガスの発生が考えられ、装置の損傷や、大気中へ放出時環境破壊の問題が有る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、大形廃棄物を破砕、焼却して減容化の後埋め立てる方法では焼却によって生ずる炭酸ガスの発生による地球の温室効果が問題になるとともに、塩化ビニール系のプラスチックの燃焼は焼却炉の損傷が激しいことなどの問題がある。また、特開昭50−156754号公報に開示の一般大形廃棄物処理における金属の回収した残りの廃棄物の埋立て処理の方法では、まだ多くのプラスチック廃棄物等が残っており減容化が十分でないため埋立て地不足の解消には不十分である等の問題がある。
【0006】又、特開昭52-151371号公報、特開昭58-205552号公報に記載のものは、上述したように、プラスチックのように材質が異なっていても同じような比重のものもある場合には、十分な分別は出来ない。さらに、発泡成形材のように素材のプラスチックの材質に係わらず発泡状態によって比重が変るものには比重選別は適しない。
【0007】溶融して溶解温度の差により分別する方法では、上述したように、一般の廃棄物のように処理するプラスチックの中に塩化ビニール系のプラスチックが含まれる場合、溶解時プラスチックから有害ガスの発生が考えられ、装置の損傷や、大気中へ放出時環境破壊の問題が有る。さらに、熱硬化性プラスチックからなる発泡成形材は加熱しても溶融しないので適用出来ない。
【0008】一方、発泡成形材の発泡剤としてはフロン系の発泡剤が現在多く使われている。特に、断熱材として使用されている発泡成形材は断熱特性を良くするためにフロン系の発泡剤が使われている。しかし、このフロン系の発泡剤は地球のオゾン層の破壊という問題から、現在使用規制の対象となっている。オゾン層破壊防止のためには、現在までに発泡成形された断熱材の中に閉じ込められている発泡剤の回収も重要で、これまでの処理方法では発泡剤として使用されたフロンも大気中に放出されるという問題がある。
【0009】本発明はこれらの問題を除去し、大量に廃棄されるプラスチック廃棄物から再利用が困難な塩化ビニール系のプラスチック廃棄物を分離して、再利用に適したプラスチックを回収して、少ない資源の有効利用を図れるようにした。且つ、現状の廃棄物処理では考慮されていない冷媒フロンの回収や、発泡ウレタンなどに代表される発泡成形材に使用され成形材の中に閉じ込められている発泡剤であるフロンの回収を行ないより地球環境にマッチした廃棄物処理システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の廃棄物処理装置は、上記目的を達成するために、廃棄物を貯蔵するストックヤードと、前記廃棄物から冷媒を回収する冷媒回収手段と前記廃棄物から金属塊分別手段とからなる前処理装置と、前記ストックヤードから廃棄物を前処理装置に供給する供給装置と、前記金属塊分別手段で分離された大物金属を破砕する冷凍破砕装置と、該大物金属を分離された廃棄物を破砕する破砕装置と、該破砕された廃棄物から発泡成形材とそれ以外の廃棄物とを分離する軽量物分別装置と、前記分離された発泡成形材を破砕する破砕機と該破砕された発泡成形材を固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離する分離装置と該気体の発泡剤を冷却し液化して回収する発泡剤冷却装置とからなる発泡剤回収装置とを備えたものである。
【0011】又、廃棄物を貯蔵するストックヤードと、前記廃棄物から硝子類を取はずす大形硝子類取り出し手段と前記廃棄物から金属を分離する分離する金属塊分別手段とからなる前処理装置と、前記ストックヤードから廃棄物を前処理装置に供給する供給装置と、該分離された大物金属を破砕する冷凍破砕装置と、該金属を分離された廃棄物を破砕する破砕装置と、該破砕された廃棄物から発泡成形材とそれ以外の廃棄物とを分離する軽量物分別装置と、前記分離された発泡成形材を破砕する破砕機と該破砕された発泡成形材を固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離する分離装置と該気体の発泡剤を冷却し液化して回収する発泡剤回収装置とを備えたものである。
【0012】又、廃棄物を貯蔵するストックヤードと、前記廃棄物から金属を分離する金属塊分別手段とからなる前処理装置と、前記ストックヤードから廃棄物を前処理装置に供給する供給装置と、該分離された大物金属を破砕する冷凍破砕装置と、該金属を分離された廃棄物を破砕する破砕装置と、該破砕された廃棄物から発泡成形材とそれ以外の廃棄物とを分離する軽量物分別装置と、前記分離された発泡成形材を破砕する破砕機と該破砕された発泡成形材を固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離する分離装置と該気体の発泡剤を冷却し液化して回収する発泡剤回収装置とを備えたものである。
【0013】又、前記廃棄処理装置が、前記冷凍破砕装置で破砕された大物金属と前記軽量物分別装置で破砕された発泡成形材以外の廃棄物とから鉄系の金属、非鉄系の金属をそれぞれ分別する金属分別装置を備えているものである。
【0014】又、前記金属分別装置が、磁気選別機と渦電流選別機とからなるものである。
【0015】又、前記金属分別装置が、磁気選別機と渦電流選別機の間に前記磁気選別機よりも磁力を大きくしたステンレス選別機を設けたものである。
【0016】又、前記廃棄物処理装置が、渦電流選別機の後段に、非鉄金属分別用の比重選別機を分岐して設けたものである。
【0017】又、前記金属分別装置の後段にプラスチック分別装置を設けたものである。
【0018】又、前記金属分別装置とプラスチック分別装置との間に静電分離機からなる静電分離装置が設けられているものである。
【0019】又、前記静電分離装置が乾燥機を備えているものである。
【0020】又、前記プラスチック分別装置が、プラスチックの低温での脆化特性を利用して破砕するための冷却装置と破砕機と、分別するための篩い選別機とからなるものである。
【0021】又、前記篩い選別機が比重選別装置または静電分離装置のいずれかの装置単体またはこれらの複合した装置からなるものである。
【0022】又、前記破砕装置が冷却装置と衝撃破砕機からなるものである。
【0023】
【作用】以上の構成を備えた廃棄物処理装置を廃家電品の処理を例にその作用を説明する。本発明の廃棄物処理装置は、廃棄物を貯蔵するストックヤードと、前記ストックヤードから廃棄物を前処理装置に供給する供給装置とを備えているので、廃家電品は鉄、銅、アルミ等の金属に加えてプラスチック類も多く使われた代表的な大形廃棄物であり、収集車等によって収集された廃家電品である廃棄物は、概ね種類別に分けられてストックヤードに貯蔵される。ストックヤードに貯蔵された廃家電品は供給装置により種類別に取り出し前処理装置に送られる。
【0024】前記廃棄物から冷媒を回収する冷媒回収手段と前記廃棄物から金属塊分別手段とからなる前処理装置あるいは、前記廃棄物から硝子類を取はずす大形硝子類取り出し手段と前記廃棄物から金属を分離する分離する金属塊分別手段とからなる前処理装置あるいは、前記廃棄物から金属を分離する金属塊分別手段とからなる前処理装置を備えているので、前処理装置では冷蔵庫、エアコンの場合にはまず冷媒回収手段により冷凍機内の冷媒を抜取り、次に金属塊分別手段で圧縮機を取りはずす。テレビの場合は大形硝子類取り出し手段によりブラウン管を取りはずす。さらに洗濯機等の外の廃家電品の場合には金属塊分別手段でモータ等の金属塊を取りはずす。ここで金属塊分別手段は圧縮機やモータ等の大きめの金属の塊を取るもので、一般には剪断機などで周囲の弱いところから切り取る方式で達成される。
【0025】前記金属塊分別手段で分離された大物金属を破砕する冷凍破砕装置と、該大物金属を分離された廃棄物を破砕する破砕装置と、該破砕された廃棄物から発泡成形材とそれ以外の廃棄物とを分離する軽量物分別装置とを備えているので、前処理が行なわれた大物金属を分離された廃棄物は破砕装置により材質ごとに大まかに分かれる程度に粗目に破砕され軽量物分別装置に送られる。このとき、これらの前処理の行われた廃家電品は破砕装置により一ないし二段の破砕機構で100mm程度の大きさに破砕するとともに材料ごとに遊離される。破砕装置により破砕され、材料ごとに遊離された廃棄物は軽量物分別装置により発泡ウレタン等の発泡成形材を分離し、発泡成形材は軽い廃棄物として発泡材回収装置に送られ、発泡成形材を分別された重い廃棄物は金属分別装置に送られる。この段階で地球環境保護のため、オゾン層破壊の原因となる冷媒や発泡剤を分別できる。
【0026】一方、前処理装置で分別された圧縮機、モータ等の金属塊は破砕装置によって破砕され、軽量物分別装置からでた重い廃棄物と一緒になって金属分別装置に送られる。
【0027】又、前記破砕装置が冷却装置と衝撃破砕機からなるものでは、金属の低温脆性を利用して比較的小さな衝撃により破砕することができる。
【0028】前記分離された発泡成形材を破砕する破砕機と該破砕された発泡成形材を固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離する分離装置と該気体の発泡剤を冷却し液化して回収する発泡剤冷却装置とからなる発泡剤回収装置とを備えているので、軽量物分別装置で分離された発泡成形物は発泡材回収装置の粉砕機で粉砕され、分離装置により固体のプラスチック(樹脂)部分と気体の発泡剤とを分離し、気体は冷却装置で冷却して液体にして回収することができる。この結果、発泡剤として一般に多く使用されているフロンとプラスチック材料が分離されそれぞれ回収され、従来回収を行わなかった冷媒及び発泡剤のフロンの回収が可能になる又、前記廃棄処理装置が、前記冷凍破砕装置で破砕された大物金属と前記軽量物分別装置で破砕された発泡成形材以外の廃棄物とから鉄系の金属、非鉄系の金属をそれぞれ分別する金属分別装置を備えており、前記金属分別装置が、磁気選別機と渦電流選別機とからなるものであるから、この金属分別装置ではまず磁気選別機で鉄系の金属を分別し、つぎに渦電流選別機で非鉄系の金属を分離するすることができる。
【0029】又、前記金属分別装置が、磁気選別機と渦電流選別機の間に前記磁気選別機よりも磁力を大きくしたステンレス選別機を設けたものでは、上記金属、非金属の分別の他にステンレスの分別が可能となる。
【0030】又、前記廃棄物処理装置が、渦電流選別機の後段に、非鉄金属分別用の比重選別機を分岐して設けたものあるいは、前記金属分別装置の後段にプラスチック分別装置を設けたものあるいは、前記プラスチック分別装置が、プラスチックの低温での脆化特性を利用して破砕するための冷却装置と破砕機と、分別するための篩い選別機とからなるものあるいは、前記篩い選別機が比重選別装置または静電分離装置のいずれかの装置単体またはこれらの複合した装置からなるものであるから、金属分別装置を通った廃棄物の内容はプラスチック類が主となるが、プラスチック分別装置では、まず冷却装置で0〜−60℃程度の低温に冷却後、衝撃力が主に働く破砕機により衝撃破砕を行う。ここではプラスチックの材質の違いによる脆化点の相違を利用してプラスチック系の廃棄物を選択的に破砕するもので、塩化ビニール系のプラスチックは脆化点が高いため他と比較してより細かく破砕される。従って、低温破砕機で破砕された廃棄物を篩い選別機にかけることにより、大部分が塩化ビニール系のプラスチックからなる細かい廃棄物と、塩化ビニール系が非常に少ないプラスチックからなる比較的粗い廃棄物とに分別できる。
【0031】又、前記金属分別装置とプラスチック分別装置との間に静電分離機からなる静電分離装置が設けられているものあるいは、前記静電分離装置が乾燥機を備えているものでは、静電分離装置でプラスチック類を分別できるので、材木等を分別することが出来る。
【0032】このように、金属類の回収に加えプラスチック類も分別処理して再利用に適したプラスチック類も資源として回収するので、埋立て処理にする廃棄物の量を大幅に減少させることが可能となる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1により説明する。図1は、本実施例の廃棄物処理装置の全体構成を示す図である。図1において、1は廃棄物を概ね種類別に分けて貯蔵するストックヤード、2はストックヤード1から前処理装置3に廃棄物を供給する供給装置、3は前処理装置で、冷媒回収手段4、大形硝子取り出し手段5、金属塊分別手段6からなる。7は一段ないし二段の破砕機からなる破砕装置、8は軽量物分別装置、9は金属分別装置で、磁気選別機10、渦電流選別機11から構成される。12はプラスチック分別装置で、これは冷却装置13、破砕機14、篩い選別機15からなる。また16は金属塊を破砕する冷凍破砕装置で、冷却装置17、破砕機18からなり、19は発泡剤回収装置で、発泡整形材を粉砕する粉砕機20、発泡剤と樹脂の分離装置21と発泡剤冷却装置22から構成される。
【0034】収集車によって収集された廃棄家電品はストックヤード1に冷蔵庫、エアコン、テレビ、洗濯機他と概ね4種類に分類されて貯蔵される。ストックヤード1に貯蔵された廃棄家電品は供給装置2により種類別に取り出され前処理装置3に送られる。前処理装置3では廃棄家電品が冷蔵庫、エアコンの場合にはまず矢印101、101aに示すように後で述べる冷媒回収手段4により冷凍機内の冷媒を抜取り、矢印116で示すように冷媒を回収する。次に金属塊分別手段6で冷凍機から圧縮機を取りはずす。廃棄家電品がテレビの場合には、矢印102、102aに示すように、大形硝子類取り出し手段5によりブラウン管を取りはずす。又、廃棄家電品が洗濯機等で、冷蔵庫、エアコン、テレビ以外の廃棄家電品の場合には矢印103、103aに示すように金属塊分別装置6でモータ等の金属塊を取りはずす。ここで金属塊分別手段6の構造の1つとしては剪断機の一種であるギロチン式切断機が利用できる。又大形硝子類取り出し手段5はハンマーで硝子を数回たたいて破砕して分別する衝撃タイプの破砕機又はプレスなどの圧縮力でがラスを破砕して分別する構造を用いることが出来る。
【0035】これらの前処理が行われ上記の金属塊が除去された廃棄家電品は矢印104で示すように破砕装置7へ送られ、破砕装置7により1段ないし2段の破砕機構で50〜100mm程度の大きさに破砕するとともに材料ごとに遊離される。特に冷蔵庫の場合には発泡ウレタンを薄い鉄板から遊離させる必要があり、このためには多段の破砕機構が有利である。
【0036】破砕装置7により破砕され材料ごとに遊離された廃棄物は矢印105で示すように軽量物分別装置8へ送られ、軽量物分別装置8により発泡ウレタン等の発泡成形材を分離されて、発泡成形材は軽い廃棄物として矢印107で示すように発泡材回収装置19に送られ、発泡成形材を分別された重い廃棄物は矢印106で示すように金属分別装置9に送られる。ここで軽量物分別装置8の構造の1つとしては発泡成形材がそのほかの廃棄物と比較して非常に軽い性質を利用して、破砕装置7を出た廃棄物に空気を吹き付けて発泡成形材を飛ばし、その発泡成形材を分別する構造を用いることが出来る。また別の構造としては、傾斜式の振動コンベアを使用し、軽い発泡成形材を上部から、重いその他の廃棄物を下部から取り出す構造のものを用いることが出来る。
【0037】一方、前処理装置3の金属塊分別装置6によって分別された圧縮機、モータ等の金属塊は矢印113 で示されるように、冷凍破砕装置16に送られる。冷凍破砕装置16ではまず冷却装置17で−100℃以下の低温に冷された後、破砕機18にかけられ、金属の低温脆性を利用して比較的小さな衝撃により破砕され、軽量物分別装置8からでた重い廃棄物と一緒になって矢印106で示されるように金属分別装置9に送られる。
【0038】金属分別装置9ではまず磁気選別機10で鉄系の金属が分別され、矢印108で示すように鉄系として回収される。つぎに渦電流選別機11で非鉄系の金属が分離され、矢印109で示すように回収される。この結果、残りの廃棄物の内容はプラスチック類が主となる。このプラスチック系の廃棄物は、矢印110で示すようにプラスチック分別装置12に送られる。プラスチック分別装置12は冷却装置13、破砕機14、篩い選別機15から構成されており、プラスチック分別装置12では、まず冷却装置13で上記プラスチック系の廃棄物を0〜−60℃程度の低温に冷却後、破砕機14により衝撃破砕を行う。ここではプラスチックの材質の違いによる脆化点の相違を利用してプラスチック系の廃棄物を選択的に破砕するもので、塩化ビニール系のプラスチックは脆化点が高いため他のものと比較してより細かく破砕される。従って、破砕機14で破砕された廃棄物を篩い選別機15に通すことにより、大部分が塩化ビニール系のプラスチックからなる細かい廃棄物と、塩化ビニール系が非常に少ないプラスチックからなる比較的大きめの廃棄物とに分別できるので、塩化ビニール系のプラスチックは矢印111で示すように分離され、残りは再利用容易なプラスチックとして矢印112 で示されるように別に回収される。
【0039】一方、軽量物分別装置8で分離された発泡成形物は、矢印107で示すように発泡材回収装置19に送られ、まず粉砕機20で粉砕され、分離装置21により固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離される。ここで固体の樹脂部分は矢印114で示すように分別されて回収されるが、気体の発泡剤は周囲の空気と混合して、矢印115で示すように冷却装置22へ送られ、冷却装置22で冷却され、発泡剤は液化されて矢印116に示すように回収される。一方空気は矢印117に示すように粉砕機20へ戻る。この結果、発泡剤として使用されているフロンと樹脂部分(プラスチック材料)が分離されそれぞれ回収される。
【0040】以上のように分別、回収することにより、従来は回収を行うことが出来なかった冷媒及び発泡剤のフロンの回収が可能になる。又、金属類の回収に加えプラスチック類も分別処理して再利用に適したプラスチック類が資源として回収出来るので、埋立て処理にする廃棄物の量を大幅に減少させることが可能となる。
【0041】なお、本実施例においては、前処理装置3で圧縮機やモータ等の金属塊を取りはずすのは、次段の破砕装置7の機能と寿命を考慮したものである。すなわち、破砕装置7は薄い金属板の切断と同時にプラスチック類と金属とを剥離させる機能を持たせているため、破砕装置は70.1mm程度の薄板を切れるようにしている。したがって金属塊がここに入ると破砕刃の寿命を縮め上記の2つの機能が満足出来なくなり以後の処理に支障を来すためである。又、破砕装置7は大形の廃棄物を最初に破砕する装置で破砕時に大きな負荷のかかる可能性もあるため、この破砕機でさらに金属塊を噛み込むと破砕機がロックしやすくなるため、破砕機のロック防止の役目もしている。
【0042】本発明の他の実施例を図2により説明する。本実施例では図2に示すように、図1に示す実施例の金属分別装置9にステンレス選別機23、比重選別機24を、プラスチック分別装置12に比重選別機26を追加し、また金属分別装置9とプラスチック分別装置12の間に静電分離装置25を設けたものである。本実施例の廃棄物処理装置では、磁気選別機10で磁性体から成る鉄系の金属を分別した後の廃棄物には一般に磁石に付かないと言われているステンレスが含まれている場合と廃棄家電品の中でもテレビでケースとして使われている木材が含まれている場合も考慮している。一般に磁石に付かないと言われているステンレスも切削、曲げ等の加工が行われると組織が一部変化して弱いが磁石に吸引される性質が出て来る。製品に使われているステンレスはほとんどが加工されており、また本処理装置においても破砕装置7で切断等の加工が行われるので、ステンレス選別機23に入って来る廃棄物に含まれるステンレスは弱磁性体になっている。ここでのステンレス選別機23は磁性体である鉄系の金属を分離する一般の磁気選別機10よりも強力な磁力を発生させる磁気選別機で、弱磁性体となったステンレスを強力な磁力で吸引して分離するものである。
【0043】比重選別機24は渦電流選別機11で分離し、矢印109で示されるように回収した非鉄系金属を再生利用が容易になるように材質ごとに分別するものである。本実施例では使用量の多い銅、アルミを主体に銅系(矢印120で示すように回収される)、アルミ系(矢印121で示すように回収される)、その他の非鉄金属(矢印122で示すように回収される)の3種類に分別する場合を示した。この比重選別機24は非鉄金属を分離するものであるから、比重液として比重2以上の液体が必要であるが、このような液体は少ない。そこで本実施例の比重選別機には比重液として磁性流体を使用した。この磁性流体は磁場の中に置かれた時、印加される磁場の強さによって見掛け比重が変る性質を有しており、この性質を利用して比重選別を行うようにしたもので、磁場の強さを2種類用意することによって非鉄金属の3種類の分別が可能となる。
【0044】以上の結果、矢印110で示すように金属分別装置9を通過した廃棄物は主としてプラスチック類であるが、この廃棄物の中にはテレビのケースなどに使われた木材も残っていることが考えられる。従って、最終的に分別したプラスチックを再利用し易くするには、木材も分別しておく必要がある。このために金属分別装置9の後に設けたのが静電分離装置25である。静電分離装置25は静電分離機単体または乾燥機と静電分離機から構成される。静電分離装置25は静電気を利用し物質の帯電性の差を利用して分離するもので、プラスチックに比較すると木材の帯電性は非常に低いのでここで容易に木材を分離できる。
【0045】静電分離機25を出たプラスチック主体の廃棄物は矢印で示されるようにプラスチック分別装置12に送られる。プラスチック分別装置12では矢印111で示されるように、塩化ビニール系のプラスチックが多い廃棄物と矢印112で示されるように塩化ビニール系をほとんど含まないプラスチックの2種類に分別される。しかし、矢印111で示される廃棄物の中には塩化ビニール系以外の再利用し易いプラスチックも含まれているので、これを回収して再利用できるプラスチックを多くするために設けたのが比重選別機26である。塩化ビニール系のプラスチックの比重は1.2〜1.6と比較的大きいので、比重選別機26で沈降したものが塩化ビニール系プラスチックであり矢印124で示すように回収され、浮上したものが再利用可能プラスチックとして矢印125示すように分別回収される。以上述べたように、本実施例では図1に示した実施例と比較すると、金属類をさらに細かく分別するとともに、再利用に適したプラスチック類の回収率を向上させることが可能となる。なお図1、図2に示した実施例の金属分別装置において、磁気選別機、渦電流選別機、ステンレス選別機は各々1段の選別で記載されているが、各々の選別状態に応じて多段にすることも可能である。各選別を多段にすると、各々の選別効率をさらに向上することが可能となる。
【0046】図3は、図1または図2に示す実施例におけるプラスチック分別装置12の他の実施例を示す図である。これはプラスチックの分別に静電分離を使用したもので、本実施例におけるプラスチック分別装置12aは乾燥機27、粉砕機28、静電分離機29、比重選別機30から構成されている。図3において金属分別装置9で金属類を分別された廃棄物は乾燥機27で乾燥され、粉砕機28で粉砕されてその粒度そろえらえる。この粒度のそろえられたプラスチック系の廃棄物126は静電分離機29にかけられ、帯電性の良いプラスチック(ポリスチレン系、塩化ビニール系)として矢印127に示すように分別されるものと帯電性の低いそれ以外のプラスチック128に分別される。ここで分離された帯電性の良いプラスチックには塩化ビニール系のプラスチックを含んでいるので、これをさらに比重選別機30にかけて、塩化ビニール系のプラスチックを矢印129で示すように分別して除去し、再生しやすいプラスチックを矢印130で示すように取り出すことによりプラスチックの分別が可能となる。
【0047】本実施例では乾燥機27を設けたが、図2で示す実施例に本プラスチック分別装置12aを適用した場合のように、ここへ入って来る廃棄物が乾燥しているときには乾燥機27は無くとも良い。
【0048】図4はプラスチック分別装置12のさらに別の実施例を示す図である。このプラスチック分別装置12bは多段の静電分離でプラスチックを分離するものである。すなわち、このプラスチック分別装置12bは乾燥機27、粉砕機28を通って来た矢印126で示す粒度をそろえた廃棄物は第一段目の静電分離機29で帯電性の良いポリスチレン系と塩化ビニール系のプラスチックを矢印127で示すように分離し、さらにこれを二段目の静電分離機31でポリスチレン系(矢印132 で示すように分別される)と塩化ビニール系(矢印131で示すように分別される)に分離する方式である。
【0049】図5は冷媒回収手段4の実施例を示した図である。この冷媒回収装置4は冷凍機より冷媒を抜く口となる口金32、冷媒中のオイルを分離するオイル分離装置33、冷媒回収の動力を発生する圧縮装置34、冷媒を冷却液化する冷却装置35をパイプで外部と密閉する様に連結させたものである。冷媒回収装置4はまず圧縮装置34を動かし圧縮装置34の前の口金32からオイル分離装置33の部分の内部の圧力を下げ冷凍機からの冷媒を吸い取り、オイル分離機33で冷媒中のオイル分離後、圧縮装置34で冷媒は圧縮され高温高圧となって、冷却装置35で冷却液化される。
【0050】この液化された冷媒を矢印106に示すようにして冷媒ボンベ等に回収するものである。なお、口金32はクランプ装置の先端のクランプ部に鋭利な突起を設け、この突起により冷凍機配管に穴を開け、この穴より冷凍機内の冷媒を抜き取る構造となっている。
【0051】図6は破砕装置7の実施例を示した図である。この破砕装置7は前述したように廃棄物を粗目に破砕して廃棄物を材料ごとに分別すると同時に冷蔵庫の断熱材のように薄い鉄板に貼り付いている発泡ウレタン等を剥離させる機能が必要である。本実施例の破砕装置7は、まず一段目の破砕機36で廃棄物を帯状に破砕し、この帯状に破砕された廃棄物37を回転翼38で方向を変え、二段目の破砕機39で一段目の破砕機36と異なる方向に破砕するように構成している。多数の破砕刃40をシャフト41に取り付けて回転刃42を構成し、この回転刃42を2つのお互いの回転刃42a、42bどうしが噛み合うように構成したものである。ここで、図7に示すように破砕刃40の厚さ及び破砕刃40どうしの間隙は50〜100mmとし、回転刃42a、42bどうしを噛み合わせたとき刃と刃の間には1〜10mmの間隙を設けるようにしている。このように構成することにより廃棄物は概ね50〜100mmに剪断すると同時、剪断破砕時に回転刃42a、42bの間に間隙を設けられていることから、剪断能力は多少落ちるがこの間隙の効果により破砕機36、39は貼り付いている材料をはぎ取る方向にも力が加わる。この力により破砕機36、39は薄い鉄板上に貼り付いている断熱材のような発泡成形材を剥離させることが可能となる。
【0052】図8はストックヤード1と供給装置2の実施例を示した図である。本実施例は出来るだけ自動化するようにしたものである。ストックヤード1は受け入り口43、コンベア44、形状判別装置45、入替え機46、コントロール装置47及び貯蔵用コンベア48からなる。又、供給装置2はコントロール装置49と供給用コンベア50からなる。本構成において、ストックヤード1では収集車によって収集された廃棄物は受け入り口43からコンベア44に載せられる。コンベア44に載せられた廃棄物はコンベア44に設けられた形状判別装置45により廃棄物の種類が判別され、入替え機46のところへ運ばれる。一方、コントロール装置47は形状判別装置45の識別データをもとに廃棄物の種類に応じた貯蔵用コンベア48a、48b、48c、48dの一つを選択し、適合する入替え機46を稼働させてそれに対応する貯蔵用コンベア48に該廃棄物を載せ、貯蔵する。この貯蔵用コンベア48に貯蔵された廃棄物はBコントロール装置49からの指令で指令に該当する廃棄物を供給コンベア50上に取り出され、このコンベアで前処理装置3へ運ばれる。以上の構成により、ストックヤード1には廃棄物の種類ごとに廃棄物を貯蔵でき、処理することが出来るようになる。なお、形状判別装置45にはX線透過方式を利用できるが、人間の目による判別でも良い。
【0053】以上のように廃棄物処理装置を構成することにより、廃棄物のほとんどの部分が再利用出来ることになり、埋立て地不足対策とともに資源の有効利用が可能となる。さらに、オゾン層破壊の原因として規制されているフロンの回収も可能となる。
【0054】図9から図14は本発明の別の実施例を示す図である。図9にストックヤード1、供給装置2、前処理装置3及び金属塊破砕装置16を示す。収集車401 により運ばれてきた冷蔵庫402 、洗濯機403 、テレビ404 はコンベアなどの供給装置2前処理装置3に送られる。前処理装置3では冷蔵庫402 処理の場合はまず冷媒回収手段4で冷凍機内の冷媒を抜き取る。冷媒回収手段4は図9R>9、10に示すように、口金32、オイルポット301 、圧縮装置34、液循環ポンプ406 からなり、ここで回収した冷媒及びオイルはそれぞれ冷媒回収ポット407 、オイル回収ポット410 に入れられ、矢印408、409に示すようにそれぞれ再生、処理工場へ送られる。
【0055】冷媒を抜かれた冷蔵庫402 は次に圧縮機302 、磁石入りゴムパッキン等303 をはずされ供給装置7に送られる。又洗濯機403 はモータ、クラッチ等304 の金属塊部品がはずされ、テレビ404 はブラウン管306 をはずされ(ブラウン管306 をはずした残りはほとんど箱体305 である。)、図11に示す破砕装置7に送られる。
【0056】一方、前処理装置3で取り外された圧縮機302、モータ、クラッチ等304 の金属塊部品は金属塊破砕装置16で破砕処理される。この金属塊破砕装置16では廃棄物の金属塊部品は冷却装置17において液体空気等の冷却媒体1601で鉄系金属の脆化点以下に冷却され、破砕装置18で衝撃破砕される。この結果、鉄系金属は細かく破砕される。この破砕された廃棄物はコンベア1602で図12に示す金属分別装置9へ送られる。さらに、冷却装置17で金属塊を冷却して気化した冷却媒体は冷ガス1602として発泡剤回収装置19やプラスチック分別装置12の冷却用冷熱源として利用できる。
【0057】破砕装置7では廃棄物は油圧コントロールシステム702 によって制御される搬入コントローラ701 で搬入量を制御されながら第一破砕機703 に投入され 100mm程度の大きさに破砕され、さらに第二破砕機704 で50mm程度に破砕される。
【0058】破砕装置7で破砕された廃棄物は軽量物分別装置8の発泡成形材風選機801 で発泡ポリウレタンを分離する。発泡ポリウレタンを分離された廃棄物は金属分別装置9でまず穴計 80〜100mmのスクリーン901 によりひも状の被覆銅線902 を分離し、二段の鉄磁選機903、904により鉄系の金属908 を分離する。さらに、磁石を回転させてなるアルミニウム選別機905 の渦電流でアルミニウム906 等の非鉄金属をを選別し、磁力でさらに鉄系の金属908 を分離する。これらの金属を分離された廃棄物は主としてプラスチック廃棄物907であり、これは図13に示すプラスチック分別装置12に送られる。一方ここで分離された鉄系金属908 は矢印909に示すように鉄再生工場へ、アルミニウム906は矢印910に示すようにアルミニウム再生工場へ送られる。
【0059】プラスチック分別装置12では液体窒素タンク1201からの液体窒素を蒸発器1202で蒸発させ低温室1203へ噴射してここへ送られてきたプラスチック主体の廃棄物を−20〜−40℃に冷却しブロワ1205で再び蒸発器1202へ戻される。ここで冷却された廃棄物は選別破砕機14で破砕する。これを篩い分離器15で篩い分けして大まかに分離する。この時、篩い下からは塩化ビニール系の多いプラスチックを受け補っぱ1208に取り出すことが出来るが、この中にはまだ再利用が容易な塩化ビニール系以外のプラスチックも含まれている。再利用が容易な塩化ビニール系以外のプラスチックの回収を善くすると共に、材料ごとの分別も可能にするために設けたのが水利用セパレータ(比重選別器)1209である。
【0060】発泡成形材風選機801 で分離された発泡ポリウレタンは図14に示す発泡剤回収装置19に送られる。発泡成形材はサイクロンセパレータ802 で輸送用の空気と分離されホッパー1903に入る。ホッパー1903にはスライドゲート1901、1902で出入口が閉じられる樹脂と発泡剤の分離装置1904がある。ここでは圧縮又は粉砕等が行われ樹脂と発泡剤の分離が行われる。分離された樹脂は分離装置1904で圧縮固められスライドゲート1902を開けて外部に取り出され、矢印1906に示すようにポリウレタン処理状に送られる。一方、分離装置1904で分離された発泡剤はブロワー1907により活性炭吸着等1909で活性炭に吸着される。活性炭に吸着された発泡剤は熱により脱着され冷却装置1914などの冷熱源を使ってクーラー1911,1912で冷却し液化発泡剤1913として回収される。
【0061】本実施例ではプラスチック分別装置12、発泡剤回収装置19の冷熱源はそれぞれ用意しているが、この冷熱源としては金属塊破砕装置16で冷凍破砕を使用しているときにはこの排冷熱1603を利用しても良い。
【0062】図15から図20は本発明の別の実施例を示す図である。これは前処理装置3の無い例である。図15にストックヤード1、供給装置2を示す。フロン回収車(地区循環(クーラー用))420 、パッカー車(フロン回収装置付き(冷蔵庫含む))421 、パッカー車(フロン回収装置付き(冷蔵庫含まず))422 、トラック423等により運ばれてきた廃棄物はストックヤード1に入れられる。またフロン回収車420 、パッカー車(フロン回収装置付き(冷蔵庫含む))421 におけるフロンは矢印425に示すようにこのラインで回収し、油分離及びボトリングをおこなう。このストックヤード1は部屋状をして外部にたいし出来るだけ密閉構造になるようにし、臭気防止からストックヤード内の空気を矢印426 に示すように臭気処理装置へ導くようにしている。又、ここ出た汚水(油)は下部に設けた穴より汚水(油)処理導く(矢印429 )。ストックヤード1に貯蔵された廃棄物は供給装置2のクレーン427 で図16に示す破砕装置7へ供給する。この破砕装置7の跳出破砕機707 の廃棄物供給口には防爆シャッタ706 、跳出破砕機707 の上部には非常よう吹き出しぐち705 が有り、廃棄物としてガスボンベなどが入ってきて破砕時に爆発が生じたときの安全を図るようにしている。跳出破砕機707 は廃棄物の破砕時モータ、圧縮機などの金属塊の部品を跳ねだし、外の部分はここで破砕されシュレッダー711 に送られる。跳ねだされた金属塊部品はコンベア709 で金属塊破砕装置16へ送る。一方、テレビ、レンジ、ステレオ等の小物家電品等428 はテレビ専用投口708 より跳出破砕機707 をバイパスしてシュレッダー711 に送られる。シュレッダー711 は廃棄物を破砕すると共に、材料ごとに遊離する。又ここででてきた油などの汚水は矢印712に示すように汚水処理装置へ流され処理される。シュレッダー711 破砕、遊離された廃棄物は軽量物分別装置8の発泡成形材風選機713 で発泡ポリウレタンを分離し。発泡成形材を分離された廃棄物は図18に示す金属分別装置に送られる。分離した発泡ポリウレタンは粉砕され樹脂と発泡剤に分離される。この樹脂部分はホッパー710 から外部に取り出される。一方、発泡剤は跳出破砕機707 、シュレッダー711 で発生したものも含めた図20に示す発泡剤回収装置19に送られる。
【0063】一方、跳出破砕機707 で跳ねだされた圧縮機、モータ、クラッチ等の金属塊部品はこんべあ709 により金属塊破砕装置16に送られ、破砕処理される。この金属塊破砕装置16では廃棄物の金属塊部品は冷却装置17において液体空気等の冷却媒体1604で鉄系金属の脆化点以下に冷却され、破砕装置18で衝撃破砕される。この結果、鉄系金属は細かく破砕される。この破砕された廃棄物はSUS又はアルミ製のコンベア1605で金属分別装置9へ送られる。さらに、冷却装置17で金属塊を冷却して気化した冷却媒体は冷ガス1602として発泡剤回収装置19やプラスチック分別装置12の冷却用冷熱源として利用できる。
【0064】金属分別装置9に送られた廃棄物は磁石を回転させて渦電流も発生できるようにした磁選機911 を二段回通して、否てつきんぞく912、鉄系金属914、その他の廃棄物913 に分別する。廃棄物913 はスクリーン916 にかけられ、まだ分離もれになった銅線917 を回収し、さらに5〜10mm程度の篩いによりガラス等919をぶんりする。これは矢印920 に示すように焼結ブロック等の処理にまわす。ガラス等を分離された廃棄物はほとんどがプラスチックである。この廃棄物は次にプラスチック分別装置12に送られる。
【0065】プラスチック分別装置12では金属塊破砕装置16から送られてきた冷ガス1602は温度調整装置1211で温度を調整され低温室1212へ噴射され、ここへ送られてきたプラスチック主体の廃棄物を−20〜−40℃に冷却しブロワ1205で再び温度調整装置1211へ戻される。ここで冷却された廃棄物は選別破砕機14で破砕する。これを篩い分離器15で篩い分けして大まかに分離する。この時、篩い下からは塩化ビニール系の多いプラスチックを受け補っぱ1208に取り出すことが出来るが、この中にはまだ再利用が容易な塩化ビニール系以外のプラスチックも含まれている。再利用が容易な塩化ビニール系以外のプラスチックの回収を善くすると共に、材料ごとの分別も可能にするために設けたのが水利用セパレータ(比重選別器)1209である。なお、水利用セパレータ(比重選別器)1209で使用する比重液は使用中に次第に汚れて来る。そこで比重液管理装置1216はこの比重液の比重管理に設けたものである。
【0066】発泡成形材風選機713 で分離された発泡ポリウレタンの樹脂部分を分離した発泡剤は跳出破砕機707 、シュレッダー711 で発生したものも含め送風機1916によりフィルター1915を介して発泡剤回収装置19に送られる。ここでは発泡剤の自己蒸発を利用した深冷槽1919で液化させ水分離機1923で水1924を分離してフロン1925を回収する。さらに深冷槽1919に入る前に分流させた空気分の多い発泡剤は前の実施例と同様に活性炭吸着等1909で活性炭に吸着される。活性炭に吸着された発泡剤は熱により脱着され冷却装置1914などの冷熱源を使ってクーラー1911,1912で冷却し液化発泡剤1913として回収される。
【0067】本実施例ではプラスチック分別装置12、発泡剤回収装置19の冷熱源はそれぞれ用意しているが、この冷熱源としては金属塊破砕装置16で冷凍破砕を使用しているときにはこの排冷熱1603を利用しても良い。
【0068】以上全ての処理を総括的に行う装置についての実施例を述べたが、この装置では各々の要素が必要に応じて組合せて部分的な使用も可能である。その例として、供給装置2、破砕装置7、金属分別装置9にプラスチック分別装置12を付加して、従来一貫して行われてはいなかったプラスチックの分別を行う装置や供給装置2、破砕装置7、金属分別装置9からなるか、又はこの装置にプラスチック分別装置12をふかしたそうちにおいて、大形硝子取り出し手段5、冷媒回収手段4、金属塊分別集団6の内の少なくとも一つの手段を有する前処理装置3を供給装置2の前又は後に設けた廃棄物処理装置も有効である。さらにこれら各々の装置において金属塊を破砕する低温破砕を並列に設置することは、金属塊破砕の破砕動力低減や破砕機の寿命をのばすのに有効である。
【0069】さらにフロン回収を行った後に低温破砕をするように構成することにより、低温破砕時の冷却剤の汚れを減少させることができる。
【0070】さらに供給装置2、破砕装置7、金属分別装置9からなるか、又はこの装置にプラスチック分別装置12を付加した装置において、破砕装置7の後に軽量物分別装置8を入れ、この軽量物分別装置8から主ルートとは分岐させて発泡剤回収装置を設ける等、部分的な組む合わせも有効な組合せであると考えられる。
【0071】
【発明の効果】本発明の廃棄物処理装置を以上のごとく構成したことにより大形廃棄物のほとんどの部分を回収し、再利用出来るようになり、地球資源の有効利用が可能となる。また廃棄するものが非常に少なくなるので、従来からの埋立て地不足の対策にもつながる。さらに本システムでは焼却処理がほとんど無くなり、焼却によって発生する炭酸ガスによる地球の温暖化の防止にも大きく貢献する。また本システムは従来の廃棄物システムでは考慮されていなかった冷媒や発泡剤として大量に使用されているフロンの回収も行っている。オゾン層破壊の原因から規制されているフロンの回収が出きることで、地球環境保護に大きく貢献出きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す廃棄物処理装置の全体構成の説明図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す廃棄物処理装置の全体構成の説明図である。
【図3】本発明におけるプラスチック分別装置の別の実施例の構成の説明図である。
【図4】本発明におけるプラスチック分別装置の別の実施例の構成の説明図である。
【図5】本発明における冷媒回収手段の実施例の説明図である。
【図6】本発明における破砕装置の構造を説明しる斜視図である。
【図7】破砕装置に使用される破砕機回転刃の部分拡大斜視図である。
【図8】本発明のストックヤードと供給装置の構成の説明図である。
【図9】本発明の別の実施例におけるストックヤード、供給装置、前処理装置、金属塊破砕装置の構成の説明図である。
【図10】図9に係わる実施例における冷媒回収手段の構成の説明図である。
【図11】図9に係わる実施例における破砕装置と軽量物分別装置の構成の説明図である。
【図12】図9に係わる実施例における金属分別装置の構成の説明図である。
【図13】図9に係わる実施例におけるプラスチック分別装置の構成の説明図である。
【図14】図9に係わる実施例における発泡剤回収装置の構成の説明図である。
【図15】本発明のさらに別の実施例におけるストックヤード、供給装置の構成の説明図である。
【図16】図15に係わる実施例における破砕装置の構成の説明図である。
【図17】図15に係わる実施例における破砕装置と金属塊破砕装置の構成の説明図である。
【図18】図15に係わる実施例における金属分別装置の構成の説明図である。
【図19】図15に係わる実施例におけるプラスチック分別装置の構成の説明図である。
【図20】図15に係わる実施例における発泡剤回収装置の構成の説明図である。
【符号の説明】
1…ストックヤード、2…供給装置、3…前処理装置、7…破砕装置、8…軽量物分別装置、9…金属分別装置、12…プラスチック分別装置、16…冷凍破砕装置、19…発泡剤回収装置。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃棄物の回収処理装置に係わり、特に廃棄家電品の破砕と有価物の回収処理を行なう装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大形廃棄物の処理は、そのまま埋立てる、もしくは破砕、焼却して埋め立てる方法が多く行われている。そのまま埋立てる方法は埋立て地不足の問題があり、焼却についても炭酸ガスの発生による地球の温暖化が問題である。さらに廃棄物中には塩化ビニール系のプラスチックも多く含まれていることから、この燃焼によって発生する塩素ガスや塩素化合物系の有害ガスの発生があり、これらのガスが焼却炉を損傷し焼却炉の寿命を著しく短くしたり、大気中への放出によって環境を破壊する等の問題があるため、大気中への放出防止処置が必要である。特開昭50−156754号公報に記載のように、本質的に金属を多く含むスクラップ等から金属を回収することは一部行われているが、金属を取った残りの廃棄物についてはプラスチックも含め回収処理は行われてはいない。この廃棄物はこの後埋立てるもしくは焼却されているため上記と同様の問題点がある。又、廃棄物を分別する方法としては特開昭50−108765号公報、特開昭50-81967号公報に記載のシステムが提案されているが、これらの方法は金属の分別を主体にしたものであり、プラスチックは紙等ほかの物と一緒に取り出すようになっておりプラスチックの分別は行われていない。
【0003】プラスチックの簡単な分別としては特開昭52-151371号公報、特開昭58-205552号公報に示されているような比重差を利用した比重選別装置がある。この特開昭52-151371号公報、特開昭58-205552号公報に記載のものは材質ごとに比重が異なるものには有効であるが、プラスチックのように材質が異なっていても同じような比重のものもある場合には、比重選別だけでは分別出来ないものもある。
【0004】又、他の分別方法としてプラスチックを熱などにより溶融して溶解温度の差により分別する方法がある。この方法は熱可塑性プラスチックを素材とする発泡成形材は処理可能と考えられる。しかし、処理するプラスチックの中に塩化ビニール系のプラスチックが含まれる場合、溶解時プラスチックから有害ガスの発生が考えられ、装置の損傷や、大気中へ放出時環境破壊の問題が有る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、大形廃棄物を破砕、焼却して減容化の後埋め立てる方法では焼却によって生ずる炭酸ガスの発生による地球の温室効果が問題になるとともに、塩化ビニール系のプラスチックの燃焼は焼却炉の損傷が激しいことなどの問題がある。また、特開昭50−156754号公報に開示の一般大形廃棄物処理における金属の回収した残りの廃棄物の埋立て処理の方法では、まだ多くのプラスチック廃棄物等が残っており減容化が十分でないため埋立て地不足の解消には不十分である等の問題がある。
【0006】又、特開昭52-151371号公報、特開昭58-205552号公報に記載のものは、上述したように、プラスチックのように材質が異なっていても同じような比重のものもある場合には、十分な分別は出来ない。さらに、発泡成形材のように素材のプラスチックの材質に係わらず発泡状態によって比重が変るものには比重選別は適しない。
【0007】溶融して溶解温度の差により分別する方法では、上述したように、一般の廃棄物のように処理するプラスチックの中に塩化ビニール系のプラスチックが含まれる場合、溶解時プラスチックから有害ガスの発生が考えられ、装置の損傷や、大気中へ放出時環境破壊の問題が有る。さらに、熱硬化性プラスチックからなる発泡成形材は加熱しても溶融しないので適用出来ない。
【0008】一方、発泡成形材の発泡剤としてはフロン系の発泡剤が現在多く使われている。特に、断熱材として使用されている発泡成形材は断熱特性を良くするためにフロン系の発泡剤が使われている。しかし、このフロン系の発泡剤は地球のオゾン層の破壊という問題から、現在使用規制の対象となっている。オゾン層破壊防止のためには、現在までに発泡成形された断熱材の中に閉じ込められている発泡剤の回収も重要で、これまでの処理方法では発泡剤として使用されたフロンも大気中に放出されるという問題がある。
【0009】本発明はこれらの問題を除去し、大量に廃棄されるプラスチック廃棄物から再利用が困難な塩化ビニール系のプラスチック廃棄物を分離して、再利用に適したプラスチックを回収して、少ない資源の有効利用を図れるようにした。且つ、現状の廃棄物処理では考慮されていない冷媒フロンの回収や、発泡ウレタンなどに代表される発泡成形材に使用され成形材の中に閉じ込められている発泡剤であるフロンの回収を行ないより地球環境にマッチした廃棄物処理システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の廃棄物処理装置は、上記目的を達成するために、廃棄物を貯蔵するストックヤードと、前記廃棄物から冷媒を回収する冷媒回収手段と前記廃棄物から金属塊分別手段とからなる前処理装置と、前記ストックヤードから廃棄物を前処理装置に供給する供給装置と、前記金属塊分別手段で分離された大物金属を破砕する冷凍破砕装置と、該大物金属を分離された廃棄物を破砕する破砕装置と、該破砕された廃棄物から発泡成形材とそれ以外の廃棄物とを分離する軽量物分別装置と、前記分離された発泡成形材を破砕する破砕機と該破砕された発泡成形材を固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離する分離装置と該気体の発泡剤を冷却し液化して回収する発泡剤冷却装置とからなる発泡剤回収装置とを備えたものである。
【0011】又、廃棄物を貯蔵するストックヤードと、前記廃棄物から硝子類を取はずす大形硝子類取り出し手段と前記廃棄物から金属を分離する分離する金属塊分別手段とからなる前処理装置と、前記ストックヤードから廃棄物を前処理装置に供給する供給装置と、該分離された大物金属を破砕する冷凍破砕装置と、該金属を分離された廃棄物を破砕する破砕装置と、該破砕された廃棄物から発泡成形材とそれ以外の廃棄物とを分離する軽量物分別装置と、前記分離された発泡成形材を破砕する破砕機と該破砕された発泡成形材を固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離する分離装置と該気体の発泡剤を冷却し液化して回収する発泡剤回収装置とを備えたものである。
【0012】又、廃棄物を貯蔵するストックヤードと、前記廃棄物から金属を分離する金属塊分別手段とからなる前処理装置と、前記ストックヤードから廃棄物を前処理装置に供給する供給装置と、該分離された大物金属を破砕する冷凍破砕装置と、該金属を分離された廃棄物を破砕する破砕装置と、該破砕された廃棄物から発泡成形材とそれ以外の廃棄物とを分離する軽量物分別装置と、前記分離された発泡成形材を破砕する破砕機と該破砕された発泡成形材を固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離する分離装置と該気体の発泡剤を冷却し液化して回収する発泡剤回収装置とを備えたものである。
【0013】又、前記廃棄処理装置が、前記冷凍破砕装置で破砕された大物金属と前記軽量物分別装置で破砕された発泡成形材以外の廃棄物とから鉄系の金属、非鉄系の金属をそれぞれ分別する金属分別装置を備えているものである。
【0014】又、前記金属分別装置が、磁気選別機と渦電流選別機とからなるものである。
【0015】又、前記金属分別装置が、磁気選別機と渦電流選別機の間に前記磁気選別機よりも磁力を大きくしたステンレス選別機を設けたものである。
【0016】又、前記廃棄物処理装置が、渦電流選別機の後段に、非鉄金属分別用の比重選別機を分岐して設けたものである。
【0017】又、前記金属分別装置の後段にプラスチック分別装置を設けたものである。
【0018】又、前記金属分別装置とプラスチック分別装置との間に静電分離機からなる静電分離装置が設けられているものである。
【0019】又、前記静電分離装置が乾燥機を備えているものである。
【0020】又、前記プラスチック分別装置が、プラスチックの低温での脆化特性を利用して破砕するための冷却装置と破砕機と、分別するための篩い選別機とからなるものである。
【0021】又、前記篩い選別機が比重選別装置または静電分離装置のいずれかの装置単体またはこれらの複合した装置からなるものである。
【0022】又、前記破砕装置が冷却装置と衝撃破砕機からなるものである。
【0023】
【作用】以上の構成を備えた廃棄物処理装置を廃家電品の処理を例にその作用を説明する。本発明の廃棄物処理装置は、廃棄物を貯蔵するストックヤードと、前記ストックヤードから廃棄物を前処理装置に供給する供給装置とを備えているので、廃家電品は鉄、銅、アルミ等の金属に加えてプラスチック類も多く使われた代表的な大形廃棄物であり、収集車等によって収集された廃家電品である廃棄物は、概ね種類別に分けられてストックヤードに貯蔵される。ストックヤードに貯蔵された廃家電品は供給装置により種類別に取り出し前処理装置に送られる。
【0024】前記廃棄物から冷媒を回収する冷媒回収手段と前記廃棄物から金属塊分別手段とからなる前処理装置あるいは、前記廃棄物から硝子類を取はずす大形硝子類取り出し手段と前記廃棄物から金属を分離する分離する金属塊分別手段とからなる前処理装置あるいは、前記廃棄物から金属を分離する金属塊分別手段とからなる前処理装置を備えているので、前処理装置では冷蔵庫、エアコンの場合にはまず冷媒回収手段により冷凍機内の冷媒を抜取り、次に金属塊分別手段で圧縮機を取りはずす。テレビの場合は大形硝子類取り出し手段によりブラウン管を取りはずす。さらに洗濯機等の外の廃家電品の場合には金属塊分別手段でモータ等の金属塊を取りはずす。ここで金属塊分別手段は圧縮機やモータ等の大きめの金属の塊を取るもので、一般には剪断機などで周囲の弱いところから切り取る方式で達成される。
【0025】前記金属塊分別手段で分離された大物金属を破砕する冷凍破砕装置と、該大物金属を分離された廃棄物を破砕する破砕装置と、該破砕された廃棄物から発泡成形材とそれ以外の廃棄物とを分離する軽量物分別装置とを備えているので、前処理が行なわれた大物金属を分離された廃棄物は破砕装置により材質ごとに大まかに分かれる程度に粗目に破砕され軽量物分別装置に送られる。このとき、これらの前処理の行われた廃家電品は破砕装置により一ないし二段の破砕機構で100mm程度の大きさに破砕するとともに材料ごとに遊離される。破砕装置により破砕され、材料ごとに遊離された廃棄物は軽量物分別装置により発泡ウレタン等の発泡成形材を分離し、発泡成形材は軽い廃棄物として発泡材回収装置に送られ、発泡成形材を分別された重い廃棄物は金属分別装置に送られる。この段階で地球環境保護のため、オゾン層破壊の原因となる冷媒や発泡剤を分別できる。
【0026】一方、前処理装置で分別された圧縮機、モータ等の金属塊は破砕装置によって破砕され、軽量物分別装置からでた重い廃棄物と一緒になって金属分別装置に送られる。
【0027】又、前記破砕装置が冷却装置と衝撃破砕機からなるものでは、金属の低温脆性を利用して比較的小さな衝撃により破砕することができる。
【0028】前記分離された発泡成形材を破砕する破砕機と該破砕された発泡成形材を固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離する分離装置と該気体の発泡剤を冷却し液化して回収する発泡剤冷却装置とからなる発泡剤回収装置とを備えているので、軽量物分別装置で分離された発泡成形物は発泡材回収装置の粉砕機で粉砕され、分離装置により固体のプラスチック(樹脂)部分と気体の発泡剤とを分離し、気体は冷却装置で冷却して液体にして回収することができる。この結果、発泡剤として一般に多く使用されているフロンとプラスチック材料が分離されそれぞれ回収され、従来回収を行わなかった冷媒及び発泡剤のフロンの回収が可能になる又、前記廃棄処理装置が、前記冷凍破砕装置で破砕された大物金属と前記軽量物分別装置で破砕された発泡成形材以外の廃棄物とから鉄系の金属、非鉄系の金属をそれぞれ分別する金属分別装置を備えており、前記金属分別装置が、磁気選別機と渦電流選別機とからなるものであるから、この金属分別装置ではまず磁気選別機で鉄系の金属を分別し、つぎに渦電流選別機で非鉄系の金属を分離するすることができる。
【0029】又、前記金属分別装置が、磁気選別機と渦電流選別機の間に前記磁気選別機よりも磁力を大きくしたステンレス選別機を設けたものでは、上記金属、非金属の分別の他にステンレスの分別が可能となる。
【0030】又、前記廃棄物処理装置が、渦電流選別機の後段に、非鉄金属分別用の比重選別機を分岐して設けたものあるいは、前記金属分別装置の後段にプラスチック分別装置を設けたものあるいは、前記プラスチック分別装置が、プラスチックの低温での脆化特性を利用して破砕するための冷却装置と破砕機と、分別するための篩い選別機とからなるものあるいは、前記篩い選別機が比重選別装置または静電分離装置のいずれかの装置単体またはこれらの複合した装置からなるものであるから、金属分別装置を通った廃棄物の内容はプラスチック類が主となるが、プラスチック分別装置では、まず冷却装置で0〜−60℃程度の低温に冷却後、衝撃力が主に働く破砕機により衝撃破砕を行う。ここではプラスチックの材質の違いによる脆化点の相違を利用してプラスチック系の廃棄物を選択的に破砕するもので、塩化ビニール系のプラスチックは脆化点が高いため他と比較してより細かく破砕される。従って、低温破砕機で破砕された廃棄物を篩い選別機にかけることにより、大部分が塩化ビニール系のプラスチックからなる細かい廃棄物と、塩化ビニール系が非常に少ないプラスチックからなる比較的粗い廃棄物とに分別できる。
【0031】又、前記金属分別装置とプラスチック分別装置との間に静電分離機からなる静電分離装置が設けられているものあるいは、前記静電分離装置が乾燥機を備えているものでは、静電分離装置でプラスチック類を分別できるので、材木等を分別することが出来る。
【0032】このように、金属類の回収に加えプラスチック類も分別処理して再利用に適したプラスチック類も資源として回収するので、埋立て処理にする廃棄物の量を大幅に減少させることが可能となる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1により説明する。図1は、本実施例の廃棄物処理装置の全体構成を示す図である。図1において、1は廃棄物を概ね種類別に分けて貯蔵するストックヤード、2はストックヤード1から前処理装置3に廃棄物を供給する供給装置、3は前処理装置で、冷媒回収手段4、大形硝子取り出し手段5、金属塊分別手段6からなる。7は一段ないし二段の破砕機からなる破砕装置、8は軽量物分別装置、9は金属分別装置で、磁気選別機10、渦電流選別機11から構成される。12はプラスチック分別装置で、これは冷却装置13、破砕機14、篩い選別機15からなる。また16は金属塊を破砕する冷凍破砕装置で、冷却装置17、破砕機18からなり、19は発泡剤回収装置で、発泡整形材を粉砕する粉砕機20、発泡剤と樹脂の分離装置21と発泡剤冷却装置22から構成される。
【0034】収集車によって収集された廃棄家電品はストックヤード1に冷蔵庫、エアコン、テレビ、洗濯機他と概ね4種類に分類されて貯蔵される。ストックヤード1に貯蔵された廃棄家電品は供給装置2により種類別に取り出され前処理装置3に送られる。前処理装置3では廃棄家電品が冷蔵庫、エアコンの場合にはまず矢印101、101aに示すように後で述べる冷媒回収手段4により冷凍機内の冷媒を抜取り、矢印116で示すように冷媒を回収する。次に金属塊分別手段6で冷凍機から圧縮機を取りはずす。廃棄家電品がテレビの場合には、矢印102、102aに示すように、大形硝子類取り出し手段5によりブラウン管を取りはずす。又、廃棄家電品が洗濯機等で、冷蔵庫、エアコン、テレビ以外の廃棄家電品の場合には矢印103、103aに示すように金属塊分別装置6でモータ等の金属塊を取りはずす。ここで金属塊分別手段6の構造の1つとしては剪断機の一種であるギロチン式切断機が利用できる。又大形硝子類取り出し手段5はハンマーで硝子を数回たたいて破砕して分別する衝撃タイプの破砕機又はプレスなどの圧縮力でがラスを破砕して分別する構造を用いることが出来る。
【0035】これらの前処理が行われ上記の金属塊が除去された廃棄家電品は矢印104で示すように破砕装置7へ送られ、破砕装置7により1段ないし2段の破砕機構で50〜100mm程度の大きさに破砕するとともに材料ごとに遊離される。特に冷蔵庫の場合には発泡ウレタンを薄い鉄板から遊離させる必要があり、このためには多段の破砕機構が有利である。
【0036】破砕装置7により破砕され材料ごとに遊離された廃棄物は矢印105で示すように軽量物分別装置8へ送られ、軽量物分別装置8により発泡ウレタン等の発泡成形材を分離されて、発泡成形材は軽い廃棄物として矢印107で示すように発泡材回収装置19に送られ、発泡成形材を分別された重い廃棄物は矢印106で示すように金属分別装置9に送られる。ここで軽量物分別装置8の構造の1つとしては発泡成形材がそのほかの廃棄物と比較して非常に軽い性質を利用して、破砕装置7を出た廃棄物に空気を吹き付けて発泡成形材を飛ばし、その発泡成形材を分別する構造を用いることが出来る。また別の構造としては、傾斜式の振動コンベアを使用し、軽い発泡成形材を上部から、重いその他の廃棄物を下部から取り出す構造のものを用いることが出来る。
【0037】一方、前処理装置3の金属塊分別装置6によって分別された圧縮機、モータ等の金属塊は矢印113 で示されるように、冷凍破砕装置16に送られる。冷凍破砕装置16ではまず冷却装置17で−100℃以下の低温に冷された後、破砕機18にかけられ、金属の低温脆性を利用して比較的小さな衝撃により破砕され、軽量物分別装置8からでた重い廃棄物と一緒になって矢印106で示されるように金属分別装置9に送られる。
【0038】金属分別装置9ではまず磁気選別機10で鉄系の金属が分別され、矢印108で示すように鉄系として回収される。つぎに渦電流選別機11で非鉄系の金属が分離され、矢印109で示すように回収される。この結果、残りの廃棄物の内容はプラスチック類が主となる。このプラスチック系の廃棄物は、矢印110で示すようにプラスチック分別装置12に送られる。プラスチック分別装置12は冷却装置13、破砕機14、篩い選別機15から構成されており、プラスチック分別装置12では、まず冷却装置13で上記プラスチック系の廃棄物を0〜−60℃程度の低温に冷却後、破砕機14により衝撃破砕を行う。ここではプラスチックの材質の違いによる脆化点の相違を利用してプラスチック系の廃棄物を選択的に破砕するもので、塩化ビニール系のプラスチックは脆化点が高いため他のものと比較してより細かく破砕される。従って、破砕機14で破砕された廃棄物を篩い選別機15に通すことにより、大部分が塩化ビニール系のプラスチックからなる細かい廃棄物と、塩化ビニール系が非常に少ないプラスチックからなる比較的大きめの廃棄物とに分別できるので、塩化ビニール系のプラスチックは矢印111で示すように分離され、残りは再利用容易なプラスチックとして矢印112 で示されるように別に回収される。
【0039】一方、軽量物分別装置8で分離された発泡成形物は、矢印107で示すように発泡材回収装置19に送られ、まず粉砕機20で粉砕され、分離装置21により固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離される。ここで固体の樹脂部分は矢印114で示すように分別されて回収されるが、気体の発泡剤は周囲の空気と混合して、矢印115で示すように冷却装置22へ送られ、冷却装置22で冷却され、発泡剤は液化されて矢印116に示すように回収される。一方空気は矢印117に示すように粉砕機20へ戻る。この結果、発泡剤として使用されているフロンと樹脂部分(プラスチック材料)が分離されそれぞれ回収される。
【0040】以上のように分別、回収することにより、従来は回収を行うことが出来なかった冷媒及び発泡剤のフロンの回収が可能になる。又、金属類の回収に加えプラスチック類も分別処理して再利用に適したプラスチック類が資源として回収出来るので、埋立て処理にする廃棄物の量を大幅に減少させることが可能となる。
【0041】なお、本実施例においては、前処理装置3で圧縮機やモータ等の金属塊を取りはずすのは、次段の破砕装置7の機能と寿命を考慮したものである。すなわち、破砕装置7は薄い金属板の切断と同時にプラスチック類と金属とを剥離させる機能を持たせているため、破砕装置は70.1mm程度の薄板を切れるようにしている。したがって金属塊がここに入ると破砕刃の寿命を縮め上記の2つの機能が満足出来なくなり以後の処理に支障を来すためである。又、破砕装置7は大形の廃棄物を最初に破砕する装置で破砕時に大きな負荷のかかる可能性もあるため、この破砕機でさらに金属塊を噛み込むと破砕機がロックしやすくなるため、破砕機のロック防止の役目もしている。
【0042】本発明の他の実施例を図2により説明する。本実施例では図2に示すように、図1に示す実施例の金属分別装置9にステンレス選別機23、比重選別機24を、プラスチック分別装置12に比重選別機26を追加し、また金属分別装置9とプラスチック分別装置12の間に静電分離装置25を設けたものである。本実施例の廃棄物処理装置では、磁気選別機10で磁性体から成る鉄系の金属を分別した後の廃棄物には一般に磁石に付かないと言われているステンレスが含まれている場合と廃棄家電品の中でもテレビでケースとして使われている木材が含まれている場合も考慮している。一般に磁石に付かないと言われているステンレスも切削、曲げ等の加工が行われると組織が一部変化して弱いが磁石に吸引される性質が出て来る。製品に使われているステンレスはほとんどが加工されており、また本処理装置においても破砕装置7で切断等の加工が行われるので、ステンレス選別機23に入って来る廃棄物に含まれるステンレスは弱磁性体になっている。ここでのステンレス選別機23は磁性体である鉄系の金属を分離する一般の磁気選別機10よりも強力な磁力を発生させる磁気選別機で、弱磁性体となったステンレスを強力な磁力で吸引して分離するものである。
【0043】比重選別機24は渦電流選別機11で分離し、矢印109で示されるように回収した非鉄系金属を再生利用が容易になるように材質ごとに分別するものである。本実施例では使用量の多い銅、アルミを主体に銅系(矢印120で示すように回収される)、アルミ系(矢印121で示すように回収される)、その他の非鉄金属(矢印122で示すように回収される)の3種類に分別する場合を示した。この比重選別機24は非鉄金属を分離するものであるから、比重液として比重2以上の液体が必要であるが、このような液体は少ない。そこで本実施例の比重選別機には比重液として磁性流体を使用した。この磁性流体は磁場の中に置かれた時、印加される磁場の強さによって見掛け比重が変る性質を有しており、この性質を利用して比重選別を行うようにしたもので、磁場の強さを2種類用意することによって非鉄金属の3種類の分別が可能となる。
【0044】以上の結果、矢印110で示すように金属分別装置9を通過した廃棄物は主としてプラスチック類であるが、この廃棄物の中にはテレビのケースなどに使われた木材も残っていることが考えられる。従って、最終的に分別したプラスチックを再利用し易くするには、木材も分別しておく必要がある。このために金属分別装置9の後に設けたのが静電分離装置25である。静電分離装置25は静電分離機単体または乾燥機と静電分離機から構成される。静電分離装置25は静電気を利用し物質の帯電性の差を利用して分離するもので、プラスチックに比較すると木材の帯電性は非常に低いのでここで容易に木材を分離できる。
【0045】静電分離機25を出たプラスチック主体の廃棄物は矢印で示されるようにプラスチック分別装置12に送られる。プラスチック分別装置12では矢印111で示されるように、塩化ビニール系のプラスチックが多い廃棄物と矢印112で示されるように塩化ビニール系をほとんど含まないプラスチックの2種類に分別される。しかし、矢印111で示される廃棄物の中には塩化ビニール系以外の再利用し易いプラスチックも含まれているので、これを回収して再利用できるプラスチックを多くするために設けたのが比重選別機26である。塩化ビニール系のプラスチックの比重は1.2〜1.6と比較的大きいので、比重選別機26で沈降したものが塩化ビニール系プラスチックであり矢印124で示すように回収され、浮上したものが再利用可能プラスチックとして矢印125示すように分別回収される。以上述べたように、本実施例では図1に示した実施例と比較すると、金属類をさらに細かく分別するとともに、再利用に適したプラスチック類の回収率を向上させることが可能となる。なお図1、図2に示した実施例の金属分別装置において、磁気選別機、渦電流選別機、ステンレス選別機は各々1段の選別で記載されているが、各々の選別状態に応じて多段にすることも可能である。各選別を多段にすると、各々の選別効率をさらに向上することが可能となる。
【0046】図3は、図1または図2に示す実施例におけるプラスチック分別装置12の他の実施例を示す図である。これはプラスチックの分別に静電分離を使用したもので、本実施例におけるプラスチック分別装置12aは乾燥機27、粉砕機28、静電分離機29、比重選別機30から構成されている。図3において金属分別装置9で金属類を分別された廃棄物は乾燥機27で乾燥され、粉砕機28で粉砕されてその粒度そろえらえる。この粒度のそろえられたプラスチック系の廃棄物126は静電分離機29にかけられ、帯電性の良いプラスチック(ポリスチレン系、塩化ビニール系)として矢印127に示すように分別されるものと帯電性の低いそれ以外のプラスチック128に分別される。ここで分離された帯電性の良いプラスチックには塩化ビニール系のプラスチックを含んでいるので、これをさらに比重選別機30にかけて、塩化ビニール系のプラスチックを矢印129で示すように分別して除去し、再生しやすいプラスチックを矢印130で示すように取り出すことによりプラスチックの分別が可能となる。
【0047】本実施例では乾燥機27を設けたが、図2で示す実施例に本プラスチック分別装置12aを適用した場合のように、ここへ入って来る廃棄物が乾燥しているときには乾燥機27は無くとも良い。
【0048】図4はプラスチック分別装置12のさらに別の実施例を示す図である。このプラスチック分別装置12bは多段の静電分離でプラスチックを分離するものである。すなわち、このプラスチック分別装置12bは乾燥機27、粉砕機28を通って来た矢印126で示す粒度をそろえた廃棄物は第一段目の静電分離機29で帯電性の良いポリスチレン系と塩化ビニール系のプラスチックを矢印127で示すように分離し、さらにこれを二段目の静電分離機31でポリスチレン系(矢印132 で示すように分別される)と塩化ビニール系(矢印131で示すように分別される)に分離する方式である。
【0049】図5は冷媒回収手段4の実施例を示した図である。この冷媒回収装置4は冷凍機より冷媒を抜く口となる口金32、冷媒中のオイルを分離するオイル分離装置33、冷媒回収の動力を発生する圧縮装置34、冷媒を冷却液化する冷却装置35をパイプで外部と密閉する様に連結させたものである。冷媒回収装置4はまず圧縮装置34を動かし圧縮装置34の前の口金32からオイル分離装置33の部分の内部の圧力を下げ冷凍機からの冷媒を吸い取り、オイル分離機33で冷媒中のオイル分離後、圧縮装置34で冷媒は圧縮され高温高圧となって、冷却装置35で冷却液化される。
【0050】この液化された冷媒を矢印106に示すようにして冷媒ボンベ等に回収するものである。なお、口金32はクランプ装置の先端のクランプ部に鋭利な突起を設け、この突起により冷凍機配管に穴を開け、この穴より冷凍機内の冷媒を抜き取る構造となっている。
【0051】図6は破砕装置7の実施例を示した図である。この破砕装置7は前述したように廃棄物を粗目に破砕して廃棄物を材料ごとに分別すると同時に冷蔵庫の断熱材のように薄い鉄板に貼り付いている発泡ウレタン等を剥離させる機能が必要である。本実施例の破砕装置7は、まず一段目の破砕機36で廃棄物を帯状に破砕し、この帯状に破砕された廃棄物37を回転翼38で方向を変え、二段目の破砕機39で一段目の破砕機36と異なる方向に破砕するように構成している。多数の破砕刃40をシャフト41に取り付けて回転刃42を構成し、この回転刃42を2つのお互いの回転刃42a、42bどうしが噛み合うように構成したものである。ここで、図7に示すように破砕刃40の厚さ及び破砕刃40どうしの間隙は50〜100mmとし、回転刃42a、42bどうしを噛み合わせたとき刃と刃の間には1〜10mmの間隙を設けるようにしている。このように構成することにより廃棄物は概ね50〜100mmに剪断すると同時、剪断破砕時に回転刃42a、42bの間に間隙を設けられていることから、剪断能力は多少落ちるがこの間隙の効果により破砕機36、39は貼り付いている材料をはぎ取る方向にも力が加わる。この力により破砕機36、39は薄い鉄板上に貼り付いている断熱材のような発泡成形材を剥離させることが可能となる。
【0052】図8はストックヤード1と供給装置2の実施例を示した図である。本実施例は出来るだけ自動化するようにしたものである。ストックヤード1は受け入り口43、コンベア44、形状判別装置45、入替え機46、コントロール装置47及び貯蔵用コンベア48からなる。又、供給装置2はコントロール装置49と供給用コンベア50からなる。本構成において、ストックヤード1では収集車によって収集された廃棄物は受け入り口43からコンベア44に載せられる。コンベア44に載せられた廃棄物はコンベア44に設けられた形状判別装置45により廃棄物の種類が判別され、入替え機46のところへ運ばれる。一方、コントロール装置47は形状判別装置45の識別データをもとに廃棄物の種類に応じた貯蔵用コンベア48a、48b、48c、48dの一つを選択し、適合する入替え機46を稼働させてそれに対応する貯蔵用コンベア48に該廃棄物を載せ、貯蔵する。この貯蔵用コンベア48に貯蔵された廃棄物はBコントロール装置49からの指令で指令に該当する廃棄物を供給コンベア50上に取り出され、このコンベアで前処理装置3へ運ばれる。以上の構成により、ストックヤード1には廃棄物の種類ごとに廃棄物を貯蔵でき、処理することが出来るようになる。なお、形状判別装置45にはX線透過方式を利用できるが、人間の目による判別でも良い。
【0053】以上のように廃棄物処理装置を構成することにより、廃棄物のほとんどの部分が再利用出来ることになり、埋立て地不足対策とともに資源の有効利用が可能となる。さらに、オゾン層破壊の原因として規制されているフロンの回収も可能となる。
【0054】図9から図14は本発明の別の実施例を示す図である。図9にストックヤード1、供給装置2、前処理装置3及び金属塊破砕装置16を示す。収集車401 により運ばれてきた冷蔵庫402 、洗濯機403 、テレビ404 はコンベアなどの供給装置2前処理装置3に送られる。前処理装置3では冷蔵庫402 処理の場合はまず冷媒回収手段4で冷凍機内の冷媒を抜き取る。冷媒回収手段4は図9R>9、10に示すように、口金32、オイルポット301 、圧縮装置34、液循環ポンプ406 からなり、ここで回収した冷媒及びオイルはそれぞれ冷媒回収ポット407 、オイル回収ポット410 に入れられ、矢印408、409に示すようにそれぞれ再生、処理工場へ送られる。
【0055】冷媒を抜かれた冷蔵庫402 は次に圧縮機302 、磁石入りゴムパッキン等303 をはずされ供給装置7に送られる。又洗濯機403 はモータ、クラッチ等304 の金属塊部品がはずされ、テレビ404 はブラウン管306 をはずされ(ブラウン管306 をはずした残りはほとんど箱体305 である。)、図11に示す破砕装置7に送られる。
【0056】一方、前処理装置3で取り外された圧縮機302、モータ、クラッチ等304 の金属塊部品は金属塊破砕装置16で破砕処理される。この金属塊破砕装置16では廃棄物の金属塊部品は冷却装置17において液体空気等の冷却媒体1601で鉄系金属の脆化点以下に冷却され、破砕装置18で衝撃破砕される。この結果、鉄系金属は細かく破砕される。この破砕された廃棄物はコンベア1602で図12に示す金属分別装置9へ送られる。さらに、冷却装置17で金属塊を冷却して気化した冷却媒体は冷ガス1602として発泡剤回収装置19やプラスチック分別装置12の冷却用冷熱源として利用できる。
【0057】破砕装置7では廃棄物は油圧コントロールシステム702 によって制御される搬入コントローラ701 で搬入量を制御されながら第一破砕機703 に投入され 100mm程度の大きさに破砕され、さらに第二破砕機704 で50mm程度に破砕される。
【0058】破砕装置7で破砕された廃棄物は軽量物分別装置8の発泡成形材風選機801 で発泡ポリウレタンを分離する。発泡ポリウレタンを分離された廃棄物は金属分別装置9でまず穴計 80〜100mmのスクリーン901 によりひも状の被覆銅線902 を分離し、二段の鉄磁選機903、904により鉄系の金属908 を分離する。さらに、磁石を回転させてなるアルミニウム選別機905 の渦電流でアルミニウム906 等の非鉄金属をを選別し、磁力でさらに鉄系の金属908 を分離する。これらの金属を分離された廃棄物は主としてプラスチック廃棄物907であり、これは図13に示すプラスチック分別装置12に送られる。一方ここで分離された鉄系金属908 は矢印909に示すように鉄再生工場へ、アルミニウム906は矢印910に示すようにアルミニウム再生工場へ送られる。
【0059】プラスチック分別装置12では液体窒素タンク1201からの液体窒素を蒸発器1202で蒸発させ低温室1203へ噴射してここへ送られてきたプラスチック主体の廃棄物を−20〜−40℃に冷却しブロワ1205で再び蒸発器1202へ戻される。ここで冷却された廃棄物は選別破砕機14で破砕する。これを篩い分離器15で篩い分けして大まかに分離する。この時、篩い下からは塩化ビニール系の多いプラスチックを受け補っぱ1208に取り出すことが出来るが、この中にはまだ再利用が容易な塩化ビニール系以外のプラスチックも含まれている。再利用が容易な塩化ビニール系以外のプラスチックの回収を善くすると共に、材料ごとの分別も可能にするために設けたのが水利用セパレータ(比重選別器)1209である。
【0060】発泡成形材風選機801 で分離された発泡ポリウレタンは図14に示す発泡剤回収装置19に送られる。発泡成形材はサイクロンセパレータ802 で輸送用の空気と分離されホッパー1903に入る。ホッパー1903にはスライドゲート1901、1902で出入口が閉じられる樹脂と発泡剤の分離装置1904がある。ここでは圧縮又は粉砕等が行われ樹脂と発泡剤の分離が行われる。分離された樹脂は分離装置1904で圧縮固められスライドゲート1902を開けて外部に取り出され、矢印1906に示すようにポリウレタン処理状に送られる。一方、分離装置1904で分離された発泡剤はブロワー1907により活性炭吸着等1909で活性炭に吸着される。活性炭に吸着された発泡剤は熱により脱着され冷却装置1914などの冷熱源を使ってクーラー1911,1912で冷却し液化発泡剤1913として回収される。
【0061】本実施例ではプラスチック分別装置12、発泡剤回収装置19の冷熱源はそれぞれ用意しているが、この冷熱源としては金属塊破砕装置16で冷凍破砕を使用しているときにはこの排冷熱1603を利用しても良い。
【0062】図15から図20は本発明の別の実施例を示す図である。これは前処理装置3の無い例である。図15にストックヤード1、供給装置2を示す。フロン回収車(地区循環(クーラー用))420 、パッカー車(フロン回収装置付き(冷蔵庫含む))421 、パッカー車(フロン回収装置付き(冷蔵庫含まず))422 、トラック423等により運ばれてきた廃棄物はストックヤード1に入れられる。またフロン回収車420 、パッカー車(フロン回収装置付き(冷蔵庫含む))421 におけるフロンは矢印425に示すようにこのラインで回収し、油分離及びボトリングをおこなう。このストックヤード1は部屋状をして外部にたいし出来るだけ密閉構造になるようにし、臭気防止からストックヤード内の空気を矢印426 に示すように臭気処理装置へ導くようにしている。又、ここ出た汚水(油)は下部に設けた穴より汚水(油)処理導く(矢印429 )。ストックヤード1に貯蔵された廃棄物は供給装置2のクレーン427 で図16に示す破砕装置7へ供給する。この破砕装置7の跳出破砕機707 の廃棄物供給口には防爆シャッタ706 、跳出破砕機707 の上部には非常よう吹き出しぐち705 が有り、廃棄物としてガスボンベなどが入ってきて破砕時に爆発が生じたときの安全を図るようにしている。跳出破砕機707 は廃棄物の破砕時モータ、圧縮機などの金属塊の部品を跳ねだし、外の部分はここで破砕されシュレッダー711 に送られる。跳ねだされた金属塊部品はコンベア709 で金属塊破砕装置16へ送る。一方、テレビ、レンジ、ステレオ等の小物家電品等428 はテレビ専用投口708 より跳出破砕機707 をバイパスしてシュレッダー711 に送られる。シュレッダー711 は廃棄物を破砕すると共に、材料ごとに遊離する。又ここででてきた油などの汚水は矢印712に示すように汚水処理装置へ流され処理される。シュレッダー711 破砕、遊離された廃棄物は軽量物分別装置8の発泡成形材風選機713 で発泡ポリウレタンを分離し。発泡成形材を分離された廃棄物は図18に示す金属分別装置に送られる。分離した発泡ポリウレタンは粉砕され樹脂と発泡剤に分離される。この樹脂部分はホッパー710 から外部に取り出される。一方、発泡剤は跳出破砕機707 、シュレッダー711 で発生したものも含めた図20に示す発泡剤回収装置19に送られる。
【0063】一方、跳出破砕機707 で跳ねだされた圧縮機、モータ、クラッチ等の金属塊部品はこんべあ709 により金属塊破砕装置16に送られ、破砕処理される。この金属塊破砕装置16では廃棄物の金属塊部品は冷却装置17において液体空気等の冷却媒体1604で鉄系金属の脆化点以下に冷却され、破砕装置18で衝撃破砕される。この結果、鉄系金属は細かく破砕される。この破砕された廃棄物はSUS又はアルミ製のコンベア1605で金属分別装置9へ送られる。さらに、冷却装置17で金属塊を冷却して気化した冷却媒体は冷ガス1602として発泡剤回収装置19やプラスチック分別装置12の冷却用冷熱源として利用できる。
【0064】金属分別装置9に送られた廃棄物は磁石を回転させて渦電流も発生できるようにした磁選機911 を二段回通して、否てつきんぞく912、鉄系金属914、その他の廃棄物913 に分別する。廃棄物913 はスクリーン916 にかけられ、まだ分離もれになった銅線917 を回収し、さらに5〜10mm程度の篩いによりガラス等919をぶんりする。これは矢印920 に示すように焼結ブロック等の処理にまわす。ガラス等を分離された廃棄物はほとんどがプラスチックである。この廃棄物は次にプラスチック分別装置12に送られる。
【0065】プラスチック分別装置12では金属塊破砕装置16から送られてきた冷ガス1602は温度調整装置1211で温度を調整され低温室1212へ噴射され、ここへ送られてきたプラスチック主体の廃棄物を−20〜−40℃に冷却しブロワ1205で再び温度調整装置1211へ戻される。ここで冷却された廃棄物は選別破砕機14で破砕する。これを篩い分離器15で篩い分けして大まかに分離する。この時、篩い下からは塩化ビニール系の多いプラスチックを受け補っぱ1208に取り出すことが出来るが、この中にはまだ再利用が容易な塩化ビニール系以外のプラスチックも含まれている。再利用が容易な塩化ビニール系以外のプラスチックの回収を善くすると共に、材料ごとの分別も可能にするために設けたのが水利用セパレータ(比重選別器)1209である。なお、水利用セパレータ(比重選別器)1209で使用する比重液は使用中に次第に汚れて来る。そこで比重液管理装置1216はこの比重液の比重管理に設けたものである。
【0066】発泡成形材風選機713 で分離された発泡ポリウレタンの樹脂部分を分離した発泡剤は跳出破砕機707 、シュレッダー711 で発生したものも含め送風機1916によりフィルター1915を介して発泡剤回収装置19に送られる。ここでは発泡剤の自己蒸発を利用した深冷槽1919で液化させ水分離機1923で水1924を分離してフロン1925を回収する。さらに深冷槽1919に入る前に分流させた空気分の多い発泡剤は前の実施例と同様に活性炭吸着等1909で活性炭に吸着される。活性炭に吸着された発泡剤は熱により脱着され冷却装置1914などの冷熱源を使ってクーラー1911,1912で冷却し液化発泡剤1913として回収される。
【0067】本実施例ではプラスチック分別装置12、発泡剤回収装置19の冷熱源はそれぞれ用意しているが、この冷熱源としては金属塊破砕装置16で冷凍破砕を使用しているときにはこの排冷熱1603を利用しても良い。
【0068】以上全ての処理を総括的に行う装置についての実施例を述べたが、この装置では各々の要素が必要に応じて組合せて部分的な使用も可能である。その例として、供給装置2、破砕装置7、金属分別装置9にプラスチック分別装置12を付加して、従来一貫して行われてはいなかったプラスチックの分別を行う装置や供給装置2、破砕装置7、金属分別装置9からなるか、又はこの装置にプラスチック分別装置12をふかしたそうちにおいて、大形硝子取り出し手段5、冷媒回収手段4、金属塊分別集団6の内の少なくとも一つの手段を有する前処理装置3を供給装置2の前又は後に設けた廃棄物処理装置も有効である。さらにこれら各々の装置において金属塊を破砕する低温破砕を並列に設置することは、金属塊破砕の破砕動力低減や破砕機の寿命をのばすのに有効である。
【0069】さらにフロン回収を行った後に低温破砕をするように構成することにより、低温破砕時の冷却剤の汚れを減少させることができる。
【0070】さらに供給装置2、破砕装置7、金属分別装置9からなるか、又はこの装置にプラスチック分別装置12を付加した装置において、破砕装置7の後に軽量物分別装置8を入れ、この軽量物分別装置8から主ルートとは分岐させて発泡剤回収装置を設ける等、部分的な組む合わせも有効な組合せであると考えられる。
【0071】
【発明の効果】本発明の廃棄物処理装置を以上のごとく構成したことにより大形廃棄物のほとんどの部分を回収し、再利用出来るようになり、地球資源の有効利用が可能となる。また廃棄するものが非常に少なくなるので、従来からの埋立て地不足の対策にもつながる。さらに本システムでは焼却処理がほとんど無くなり、焼却によって発生する炭酸ガスによる地球の温暖化の防止にも大きく貢献する。また本システムは従来の廃棄物システムでは考慮されていなかった冷媒や発泡剤として大量に使用されているフロンの回収も行っている。オゾン層破壊の原因から規制されているフロンの回収が出きることで、地球環境保護に大きく貢献出きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す廃棄物処理装置の全体構成の説明図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す廃棄物処理装置の全体構成の説明図である。
【図3】本発明におけるプラスチック分別装置の別の実施例の構成の説明図である。
【図4】本発明におけるプラスチック分別装置の別の実施例の構成の説明図である。
【図5】本発明における冷媒回収手段の実施例の説明図である。
【図6】本発明における破砕装置の構造を説明しる斜視図である。
【図7】破砕装置に使用される破砕機回転刃の部分拡大斜視図である。
【図8】本発明のストックヤードと供給装置の構成の説明図である。
【図9】本発明の別の実施例におけるストックヤード、供給装置、前処理装置、金属塊破砕装置の構成の説明図である。
【図10】図9に係わる実施例における冷媒回収手段の構成の説明図である。
【図11】図9に係わる実施例における破砕装置と軽量物分別装置の構成の説明図である。
【図12】図9に係わる実施例における金属分別装置の構成の説明図である。
【図13】図9に係わる実施例におけるプラスチック分別装置の構成の説明図である。
【図14】図9に係わる実施例における発泡剤回収装置の構成の説明図である。
【図15】本発明のさらに別の実施例におけるストックヤード、供給装置の構成の説明図である。
【図16】図15に係わる実施例における破砕装置の構成の説明図である。
【図17】図15に係わる実施例における破砕装置と金属塊破砕装置の構成の説明図である。
【図18】図15に係わる実施例における金属分別装置の構成の説明図である。
【図19】図15に係わる実施例におけるプラスチック分別装置の構成の説明図である。
【図20】図15に係わる実施例における発泡剤回収装置の構成の説明図である。
【符号の説明】
1…ストックヤード、2…供給装置、3…前処理装置、7…破砕装置、8…軽量物分別装置、9…金属分別装置、12…プラスチック分別装置、16…冷凍破砕装置、19…発泡剤回収装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】廃棄物を貯蔵するストックヤードと、前記廃棄物から冷媒を回収する冷媒回収手段と前記廃棄物から金属塊分別手段とからなる前処理装置と、前記ストックヤードから廃棄物を前処理装置に供給する供給装置と、前記金属塊分別手段で分離された大物金属を破砕する冷凍破砕装置と、該大物金属を分離された廃棄物を破砕する破砕装置と、該破砕された廃棄物から発泡成形材とそれ以外の廃棄物とを分離する軽量物分別装置と、前記分離された発泡成形材を破砕する破砕機と該破砕された発泡成形材を固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離する分離装置と該気体の発泡剤を冷却し液化して回収する発泡剤冷却装置とからなる発泡剤回収装置とを備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
【請求項2】廃棄物を貯蔵するストックヤードと、前記廃棄物から硝子類を取はずす大形硝子類取り出し手段と前記廃棄物から金属を分離する分離する金属塊分別手段とからなる前処理装置と、前記ストックヤードから廃棄物を前処理装置に供給する供給装置と、該分離された大物金属を破砕する冷凍破砕装置と、該金属を分離された廃棄物を破砕する破砕装置と、該破砕された廃棄物から発泡成形材とそれ以外の廃棄物とを分離する軽量物分別装置と、前記分離された発泡成形材を破砕する破砕機と該破砕された発泡成形材を固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離する分離装置と該気体の発泡剤を冷却し液化して回収する発泡剤回収装置とを備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
【請求項3】廃棄物を貯蔵するストックヤードと、前記廃棄物から金属を分離する金属塊分別手段とからなる前処理装置と、前記ストックヤードから廃棄物を前処理装置に供給する供給装置と、該分離された大物金属を破砕する冷凍破砕装置と、該金属を分離された廃棄物を破砕する破砕装置と、該破砕された廃棄物から発泡成形材とそれ以外の廃棄物とを分離する軽量物分別装置と、前記分離された発泡成形材を破砕する破砕機と該破砕された発泡成形材を固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離する分離装置と該気体の発泡剤を冷却し液化して回収する発泡剤回収装置とを備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
【請求項4】前記廃棄処理装置が、前記冷凍破砕装置で破砕された大物金属と前記軽量物分別装置で破砕された発泡成形材以外の廃棄物とから鉄系の金属、非鉄系の金属をそれぞれ分別する金属分別装置を備えている請求項1から3のいずれかに記載の廃棄物処理装置。
【請求項5】前記金属分別装置が、磁気選別機と渦電流選別機とからなる請求項4に記載の廃棄物処理装置。
【請求項6】前記金属分別装置が、磁気選別機と渦電流選別機の間に前記磁気選別機よりも磁力を大きくしたステンレス選別機を設けた請求項5に記載の廃棄物処理装置。
【請求項7】前記廃棄物処理装置が、渦電流選別機の後段に、非鉄金属分別用の比重選別機を分岐して設けた請求項5または6に記載の廃棄物処理装置。
【請求項8】前記金属分別装置の後段にプラスチック分別装置を設けた請求項4から7のいずれかに記載の廃棄物処理装置。
【請求項9】前記金属分別装置とプラスチック分別装置との間に静電分離機からなる静電分離装置が設けられている請求項8に記載の廃棄物処理装置。
【請求項10】前記静電分離装置が乾燥機を備えている請求項9に記載の廃棄物処理装置。
【請求項11】前記プラスチック分別装置が、プラスチックの低温での脆化特性を利用して破砕するための冷却装置と破砕機と、分別するための篩い選別機とからなる請求項8から10のいずれかに記載の廃棄物処理装置。
【請求項12】前記篩い選別機が比重選別装置または静電分離装置のいずれかの装置単体またはこれらの複合した装置からなる請求項11に記載の廃棄物処理装置。
【請求項13】前記破砕装置が冷却装置と衝撃破砕機からなる請求項1から12のいずれかに記載の廃棄物処理装置。
【請求項1】廃棄物を貯蔵するストックヤードと、前記廃棄物から冷媒を回収する冷媒回収手段と前記廃棄物から金属塊分別手段とからなる前処理装置と、前記ストックヤードから廃棄物を前処理装置に供給する供給装置と、前記金属塊分別手段で分離された大物金属を破砕する冷凍破砕装置と、該大物金属を分離された廃棄物を破砕する破砕装置と、該破砕された廃棄物から発泡成形材とそれ以外の廃棄物とを分離する軽量物分別装置と、前記分離された発泡成形材を破砕する破砕機と該破砕された発泡成形材を固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離する分離装置と該気体の発泡剤を冷却し液化して回収する発泡剤冷却装置とからなる発泡剤回収装置とを備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
【請求項2】廃棄物を貯蔵するストックヤードと、前記廃棄物から硝子類を取はずす大形硝子類取り出し手段と前記廃棄物から金属を分離する分離する金属塊分別手段とからなる前処理装置と、前記ストックヤードから廃棄物を前処理装置に供給する供給装置と、該分離された大物金属を破砕する冷凍破砕装置と、該金属を分離された廃棄物を破砕する破砕装置と、該破砕された廃棄物から発泡成形材とそれ以外の廃棄物とを分離する軽量物分別装置と、前記分離された発泡成形材を破砕する破砕機と該破砕された発泡成形材を固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離する分離装置と該気体の発泡剤を冷却し液化して回収する発泡剤回収装置とを備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
【請求項3】廃棄物を貯蔵するストックヤードと、前記廃棄物から金属を分離する金属塊分別手段とからなる前処理装置と、前記ストックヤードから廃棄物を前処理装置に供給する供給装置と、該分離された大物金属を破砕する冷凍破砕装置と、該金属を分離された廃棄物を破砕する破砕装置と、該破砕された廃棄物から発泡成形材とそれ以外の廃棄物とを分離する軽量物分別装置と、前記分離された発泡成形材を破砕する破砕機と該破砕された発泡成形材を固体の樹脂部分と気体の発泡剤とに分離する分離装置と該気体の発泡剤を冷却し液化して回収する発泡剤回収装置とを備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
【請求項4】前記廃棄処理装置が、前記冷凍破砕装置で破砕された大物金属と前記軽量物分別装置で破砕された発泡成形材以外の廃棄物とから鉄系の金属、非鉄系の金属をそれぞれ分別する金属分別装置を備えている請求項1から3のいずれかに記載の廃棄物処理装置。
【請求項5】前記金属分別装置が、磁気選別機と渦電流選別機とからなる請求項4に記載の廃棄物処理装置。
【請求項6】前記金属分別装置が、磁気選別機と渦電流選別機の間に前記磁気選別機よりも磁力を大きくしたステンレス選別機を設けた請求項5に記載の廃棄物処理装置。
【請求項7】前記廃棄物処理装置が、渦電流選別機の後段に、非鉄金属分別用の比重選別機を分岐して設けた請求項5または6に記載の廃棄物処理装置。
【請求項8】前記金属分別装置の後段にプラスチック分別装置を設けた請求項4から7のいずれかに記載の廃棄物処理装置。
【請求項9】前記金属分別装置とプラスチック分別装置との間に静電分離機からなる静電分離装置が設けられている請求項8に記載の廃棄物処理装置。
【請求項10】前記静電分離装置が乾燥機を備えている請求項9に記載の廃棄物処理装置。
【請求項11】前記プラスチック分別装置が、プラスチックの低温での脆化特性を利用して破砕するための冷却装置と破砕機と、分別するための篩い選別機とからなる請求項8から10のいずれかに記載の廃棄物処理装置。
【請求項12】前記篩い選別機が比重選別装置または静電分離装置のいずれかの装置単体またはこれらの複合した装置からなる請求項11に記載の廃棄物処理装置。
【請求項13】前記破砕装置が冷却装置と衝撃破砕機からなる請求項1から12のいずれかに記載の廃棄物処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図5】
【図11】
【図13】
【図15】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
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【図8】
【図9】
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【図12】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開平5−147040
【公開日】平成5年(1993)6月15日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−317643
【出願日】平成3年(1991)12月2日
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【公開日】平成5年(1993)6月15日
【国際特許分類】
【出願日】平成3年(1991)12月2日
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
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