説明

廃棄物運搬管理システム

【課題】廃棄物の運搬及び処理に関して厳格な管理を行うことができる廃棄物運搬管理システムを提供すること。
【解決手段】廃棄物運搬管理システムは、システム管理者Aの領域に配置されたセンターサーバ1が、廃棄物排出現場Bの路側装置2bと、再資源化処理場Cの路側装置2cと、中間処理場Dの路側装置2dと、最終処分場Eの路側装置2eと、運搬車両Tの通信装置6とにネットワークNを介して接続される。運搬車両Tが廃棄物排出現場Bに到着すると、DSRCアンテナ3bを通じて路側装置2bのDSRC通信部212が車載器7から機器番号を受信し、識別情報変換部213が機器番号を変換して利用車番号を生成する。利用車番号がセンターサーバ1に送信され、センターサーバ1の認証部112がデータベースDBを参照して車載器7の認証を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業廃棄物として例えば工事現場で発生する掘削土を処理場へ運搬する運搬車両の管理に用いられる廃棄物運搬管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
事業活動に伴って生成される産業廃棄物は、例えば廃棄物の種類に応じて脱水や中和や焼却等の中間処理が施された後、埋立てによる最終処分に付される。排出業者が排出した産業廃棄物は、収集運搬業者によって中間処理業者に運搬され、中間処理業者が処理を行った後、収集運搬業者によって最終処分場に運搬される。排出業者は、排出した産業廃棄物が確実に処理され、最終処分が施されたことを管理する義務があり、この管理を行うために、廃棄物管理票を発行することが行われている。
【0003】
廃棄物管理票は、産業廃棄物の種類、数量、収集運搬業者名、中間処分業者名、及び、最終処分業者名等が記入された複数の紙の書類であり、排出業者から収集運搬業者へ産業廃棄物と共に渡された後、中間処理業者に受け取られる。中間処理業者による処理が完了すると、廃棄物管理票に処理が完了した旨の記載がされて収集運搬業者と排出業者に返却される。廃棄物管理票の残部は、中間処理が行われた廃棄物と共に、中間処理業者から収集運搬業者に渡された後、最終処分業者に受け取られる。産業廃棄物の最終処分が完了すると、廃棄物管理票の残部に含まれる返信用の書類に、処理が完了した旨の記載がされて、収集運搬業者と排出業者に返却される。このようにして、廃棄物管理票により、産業廃棄物に対して運搬、中間処理、及び、最終処分が行われたことを事後的に確認できるようにして、産業廃棄物の適切な処理が確実に行われるようにしている。
【0004】
しかしながら、廃棄物管理票は、紙の書類で作成されるため、改ざんや偽造が容易であり、その結果、産業廃棄物の不適切な処理による環境汚染が生じる不都合や、不法投棄が行われる不都合を招く場合がある。
【0005】
そこで、特許文献1に示すように、廃棄物の処理に関する情報を電子的に受け渡すことにより、改ざんや不正発行を防止する輸送管理システムが提案されている。この廃棄物の輸送管理システムは、産業廃棄物を収容する容器と運搬車両にICタグを夫々貼り付け、容器のICタグに、容器に収容した物品名、重量、行先コード、発生場地名コード等を書き込むと共に、運搬車両のICタグに車両番号を書き込んでいる。産業廃棄物の発生場と処理場と保管場の出入口には、運搬車両用のゲートと、ICタグリーダ/ライタと、車用重量計を設けている。産業廃棄物を積載した運搬車両が産業廃棄物の発生場を出る際、出口のICタグリーダ/ライタで容器のICタグと運搬車両のICタグを読み取って廃棄物の種類と行き先と車両番号を検出すると共に、車用重量計で運搬車両の重量を計測する。これらICタグから読み出した情報と運搬車両の重量の情報を、ネットワークを介して産廃管理サーバに保存する。運搬車両が処理場に到着すると、入口のICタグリーダ/ライタで容器と運搬車両のICタグを読み取ると共に、車用重量計で車両の重量を計測する。処理場で検出した情報及び計測重量が、発生場で検出した情報及び計測重量と一致しており、かつ、積載された廃棄物の行先が当該処理場である場合、途中で不法投棄をせずに処理場に到着したと判定し、ゲートを開けて車両を入場させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−122333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の廃棄物の輸送管理システムは、情報を格納するICタグを産業廃棄物の容器と運搬車両に貼り付けるので、これらのICタグが着脱可能である。したがって、ICタグの取替えによる運搬車両の成りすましや、情報の不正な書き換え等が行われやすく、廃棄物の不正な処理が行われる可能性がある。したがって、廃棄物の運搬及び処理に関して厳格な管理を行いにくいという問題がある。
【0008】
そこで、本発明の課題は、廃棄物の運搬及び処理に関して厳格な管理を効率的に行うことができる廃棄物運搬管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の廃棄物運搬管理システムは、廃棄物を運搬する運搬車両に搭載され、第1識別情報が格納された車載器と、
廃棄物の排出場所及び廃棄物の処理場に配置され、運搬車両の車載器と無線通信を行って第1識別情報を取得し、取得した第1識別情報を変換して第2識別情報を生成する路側装置と、
路側装置とネットワークを通じて接続され、車載器に格納された第1識別情報が変換されてなる第2識別情報に、運搬車両に関する車両情報と、廃棄物の排出場所に関する排出場所情報と、廃棄物の内容に関する廃棄物情報と、廃棄物の排出場所及び廃棄物の処理場への入出場の日時に関する日時情報と、廃棄物が処理される処理場に関する処理場情報とを関連付けて格納するデータベースを有するセンターサーバと、
上記路側装置が車載器から受信した第1識別情報を変換してなる第2識別情報と、上記センターサーバのデータベースに格納された第2識別情報とを照合して上記車載器の認証を行う認証部と、
上記路側装置が運搬車両の車載器から取得した第1識別情報を変換してなる第2識別情報に基づく認証結果と、上記車両情報と、上記排出場所情報と、上記廃棄物情報と、上記日時情報と、上記処理場情報のうちの少なくとも1つに応じて、廃棄物の排出場所及び/又は廃棄物の処理場における運搬車両の進行を制御する進行制御装置と
を備えることを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、路側装置により、廃棄物の運搬車両に搭載された車載器と無線通信が行われて第1識別情報が取得され、この第1識別情報が変換されて第2識別情報が生成される。この第2識別情報に、運搬車両に関する車両情報と、廃棄物の排出場所に関する排出場所情報と、廃棄物の内容に関する廃棄物情報と、廃棄物の排出場所及び廃棄物の処理場への入出場の日時に関する日時情報と、廃棄物が処理される処理場に関する処理場情報とが関連付けられて、センターサーバのデータベースに格納される。認証部により、上記路側装置が車載器から受信した第1識別情報を変換してなる第2識別情報と、上記センターサーバのデータベースに格納された第2識別情報とが照合されて、上記車載器の認証が行われる。上記路側装置が運搬車両の車載器から取得した第1識別情報を変換してなる第2識別情報に基づく認証結果と、上記車両情報と、上記排出場所情報と、上記廃棄物情報と、上記日時情報と、上記処理場情報のうちの少なくとも1つに応じて、進行制御装置により、廃棄物の排出場所及び/又は廃棄物の処理場における運搬車両の進行が制御される。このように、運搬車両を、車載器から取得された識別情報に基づいて認証するので、運搬車両に貼り付けたICタグの情報に基づいて認証を行う従来の輸送管理システムと比較して、運搬車両の成りすましを効果的に防止できる。また、車両情報と排出場所情報と廃棄物情報と処理場情報を、センターサーバのデータベースに格納するので、廃棄物の容器や運搬車両に貼り付けたICタグに情報を格納する従来の輸送管理システムと比較して、情報の不正な書き換えを効果的に防止でき、したがって、廃棄物の不正な処理を効果的に防止できる。
【0011】
また、上記路側装置とセンターサーバの間で、車載器から取得した第1識別情報が変換されてなる第2識別情報を送受信するので、第1識別情報の外部への漏洩を防止でき、したがって、第1識別情報を用いたサービスへの影響を防止できる。
【0012】
ここで、車載器とは、車両に搭載され、車両に対応付けられて一意的に付与された識別情報が格納され、無線通信によって識別情報を送信する機能を有する機器をいい、例えば、DSRC方式の双方向無線通信(以下「DSRC通信」という。)によって有料道路の通行料金を自動収受するETC(Electronic Toll Collection system:料金自動収受システム、登録商標)車載器を利用することができる。
【0013】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記センターサーバのデータベースは、廃棄物の重量に関する重量情報と、廃棄物が処理される処理場に関する処理場情報と、廃棄物の排出業者に関する排出業者情報と、廃棄物の処理業者に関する処理業者情報と、廃棄物の運搬業者に関する運搬業者情報とが上記第2識別情報に関連付けて格納され、
上記センターサーバのデータベースに格納された情報に基づいて、所定の運搬車両による廃棄物の運搬に関連して、上記排出場所情報と、上記廃棄物情報と、上記日時情報と、上記重量情報と、上記処理場情報と、上記排出業者情報と、上記処理業者情報と、上記運搬業者情報を含むマニフェスト情報を生成するマニフェスト情報生成部を有する。
【0014】
上記実施形態によれば、センターサーバのデータベースに、廃棄物の重量に関する重量情報と、廃棄物が処理される処理場に関する処理場情報と、廃棄物の排出業者に関する排出業者情報と、廃棄物の処理業者に関する処理業者情報と、廃棄物の運搬業者に関する運搬業者情報とが、運搬車両の車載器に対応する第2識別情報に関連付けられて格納される。このデータベースに格納された情報に基づいて、所定の運搬車両による廃棄物の運搬に関連する上記排出場所情報と、上記廃棄物情報と、上記重量情報と、上記日時情報と、上記処理場情報と、上記排出業者情報と、上記処理業者情報と、上記運搬業者情報を含むマニフェスト情報が、マニフェスト情報生成部によって生成される。このように、運搬車両による廃棄物の運搬が行われるに伴い、センターサーバのデータベースに格納された情報に基づいて、マニフェスト情報生成部によってマニフェスト情報を自動的に生成することができるので、例えば排出場所情報や廃棄物情報を手動で媒体に書き込む場合と比較して、情報の改ざんの機会を少なくでき、その結果、信頼性の高いマニフェスト情報を得ることができる。
【0015】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記路側装置が上記車載器と最初に通信を行った際に車載器から受信したワイヤレスコールナンバを、上記車載器から取得した第1識別情報を変換してなる第2識別情報と関連付けてセンターサーバに格納する副登録部と、
上記車載器から受信したワイヤレスコールナンバを用いて認証を行う副認証部と
を備える。
【0016】
上記実施形態によれば、路側装置が車載器と最初に通信を行った際に車載器から受信したワイヤレスコールナンバを、副登録部により、上記車載器から取得した第1識別情報を変換してなる第2識別情報と関連付けてセンターサーバに格納する。副認証部により、路側装置が車載器と無線通信を行う際に車載器から取得したワイヤレスコールナンバを用いて、車載器の認証を行う。すなわち、路側装置が車載器から取得したワイヤレスコールナンバと、副登録部によりセンターサーバのデータベースに格納されたワイヤレスコールナンバとを副認証部が照合して車載器の認証を行う。副認証部による車載器の認証を、第2識別情報を用いた認証部による認証と併用することにより、確実かつ厳正に車載器の認証を行うことができる。また、副認証部によってワイヤレスコールナンバを用いて車載器の認証を行うことにより、路側装置が第2識別情報を生成できない場合や、センターサーバのデータベースに格納された第2識別情報に誤りがある場合等に、第2識別情報で認証が行うことができなくても、副認証部によって車載器の認証を行うことができる。したがって、車載器の認証を安定して行うことができ、その結果、安定性の高い廃棄物運搬管理システムが得られる。
【0017】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記センターサーバのデータベースに車両情報が登録されていない未登録の運搬車両に関し、この運搬車両の車載器から路側装置が取得した第1識別情報を、この運搬車両の車両情報と共に、車載器の登録情報を管理する管理サーバに送信して管理サーバの登録情報との照合を依頼し、照合結果が肯定的である場合に、上記未登録の運搬車両の情報をセンターサーバのデータベースに格納させる登録部を備える。
【0018】
上記実施形態によれば、廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場に未登録の運搬車両が到来した場合、この車載器から路側装置によって取得された第1識別情報が、登録部により、運搬車両の車両情報と共に管理サーバに送信されて管理サーバの登録情報との照合が依頼され、照合結果が肯定的である場合に、上記未登録の運搬車両の情報がセンターサーバのデータベースに格納される。したがって、未登録の運搬車両であっても、廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場に到来して路側装置と通信を行えば、迅速にデータベースに登録して廃棄物の運搬を開始させることができる。
【0019】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記認証部による認証結果が否定的である場合、上記路側装置が上記車載器から取得した第1識別情報を変換してなる第2識別情報、車両情報、及び、上記車載器から受信したワイヤレスコールナンバのうちの少なくとも1つを識別情報として、上記車載器を搭載する運搬車両の情報を関連付けてセンターサーバのデータベースに登録する簡易登録部を備える。
【0020】
上記実施形態によれば、例えば車載器が未登録であることや、登録済みであるもののデータベースに格納された第2識別情報が誤りであること等に起因して、認証部による認証結果が否定的となった場合、路側装置が車載器から取得した第1識別情報を変換してなる第2識別情報、車両情報、及び、上記車載器から受信したワイヤレスコールナンバのうちの少なくとも1つを識別情報として、簡易登録部により、上記車載器を搭載する運搬車両の情報を関連付けてセンターサーバのデータベースに登録することができる。したがって、車載器の登録時に誤った第2識別情報が登録されてしまった場合や、車載器の登録が行われていない場合に、迅速に運搬車両の登録を行って廃棄物の運搬を行わせることができる。
【0021】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記センターサーバに格納されていた第2識別情報を、上記車載器から取得した第1識別情報を変換してなる第2識別情報に書き換えて修正する第2識別情報修正部を備えることを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【0022】
上記実施形態によれば、センターサーバのデータベースに格納された第2識別情報が誤りであっても、第2識別情報修正部により、現実の車載器から取得した第1識別情報を変換してなる真正の第2識別情報に書き換えて修正することができる。
【0023】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場に進入又は退出する運搬車両のナンバープレートを撮影する撮影装置と、
上記撮影装置で撮影されたナンバープレートの画像から抽出された車両情報と、上記センターサーバのデータベースに登録された車両情報とを照合する撮影情報照合部とを備える。
【0024】
上記実施形態によれば、廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場に進入又は退出する運搬車両のナンバープレートが撮影装置によって撮影され、この撮影装置で撮影されたナンバープレートの画像から抽出された車両情報と、センターサーバのデータベースに登録された車両情報とが、撮影情報照合部によって照合される。このように、車載器から取得した識別情報に基づく認証に加えて、ナンバープレートに記載された車両情報に基づいて運搬車両を認証するので、高い精度で運搬車両を識別でき、したがって、運搬車両の不正な入場や退場を防止できる。
【0025】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場に進入又は退出する運搬車両の積荷部分を撮影する撮影装置を備え、
上記センターサーバのデータベースに、上記撮影装置で撮影された積荷部分の画像から把握される積荷の状況に関する積荷情報が、上記運搬車両の第2識別情報に関連付けられて格納される。
【0026】
上記実施形態によれば、廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場に進入又は退出する運搬車両の積荷部分が、撮影装置によって撮影される。例えば、運搬車両がダンプトラックである場合、ダンプトラックの積荷部分である荷台が撮影装置で撮影される。撮影装置によって撮影されたダンプトラックの荷台の撮影画像に基づいて、この荷台に積載された廃棄物の種類及び状態が把握される。例えば、荷台に積載された廃棄物が、土、コンクリートガラ、砂利及び石のいずれかであるかが把握される。また、例えば廃棄物の処理場の出口で撮影された撮影画像に基づいて、荷台が空であることが確認されると、確実に廃棄物が荷降しされたことが把握される。一方、上記運搬車両がタンク車である場合、タンク車の積荷部分であるタンク部分が、撮影装置で撮影される。したがって、撮影画像がタンク部分であれば、この運搬車両が搬送する廃棄物は、例えば泥のような高水分量の廃棄物であることが把握される。このように、撮影装置で撮影された積荷部分の画像から把握される例えば積荷の種類や、積荷としての土の水分量や、積荷の形態に関する情報が、積荷情報として、第2識別情報に関連付けられて、センターサーバのデータベースに格納される。データベースに積荷情報を格納することにより、廃棄物を積載したときの運搬車両の積荷の状況を、事後的に確認することができる。また、データベースに格納された積荷情報を分析することにより、廃棄物の積載場所や、荷降し場所を、事後的に確認することができる。
【0027】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、
上記運搬車両に搭載され、現在位置を測定すると共に、測定された位置に関する測位情報を送信する測位端末装置と、
上記測位端末装置から送信された測位情報を受信する測位情報受信装置と、
上記測位情報受信装置で受信された測位情報に基づいて検出された上記運搬車両の現在位置が、上記運搬車両が運搬する廃棄物に対応して予め定められた運搬経路から外れているときに、警告情報を出力する警告装置と
を備える。
【0028】
上記実施形態によれば、運搬車両に搭載された測位端末装置により、上記運搬車両の現在位置が測定されると共に、測定された位置に関する測位情報が送信される。上記測位端末装置は、例えばGPS(Global Positioning System;全地球測位システム)機能を有する携帯情報端末で構成することができる。測位情報受信装置により、測位端末装置から送信された測位情報が受信され、この測位情報により、運搬車両の現在位置が検出される。この運搬車両の現在位置が、上記運搬車両が運搬する廃棄物に対応して予め定められた運搬経路から外れているときに、警告装置によって警告情報が出力される。したがって、例えば道路交通への影響や、道路の周辺住民への影響等を考慮して予め定められた運搬経路を、運搬車両が通行しているか否かをリアルタイムで監視できる。さらに、運搬車両が、予め定められた運搬経路から外れた場合には、警告情報を運搬車両に直接又は間接に伝達して警告を行うことにより、運搬車両を正規の運搬経路へ迅速に戻すことができる。
【0029】
ここで、上記測位情報受信装置及び警告装置をセンターサーバに設置し、警告装置から出力された警告情報をセンターサーバから運搬車両へ送信する機能を付加するのが好ましい。この場合、運搬車両に搭載された測位端末装置に、上記警告装置から送信された警告情報を受信する警告情報受信部と、警告情報受信部が警告情報を受信するに伴って、光や文字や音等を発して運搬車両の運転者に警告を行う警告実行部とを設置するのが好ましい。上記警告情報発信部と警告実行部が設けられた測位端末装置は、GPS機能を有する携帯情報端末で構成することができる。
【0030】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記運搬車両が運搬する廃棄物に対応して予め定められた運搬経路に関する交通情報を収集する交通情報収集部と、
上記交通情報収集部が収集した交通情報の内容に応じて、上記運搬車両に、走行経路の変更を指示する経路変更指示部を備える。
【0031】
上記実施形態によれば、交通情報収集部により、運搬車両が運搬する廃棄物に基づいて予め定められた運搬経路に関し、例えば交通量や速度制限の変更や事故の発生等の交通情報が収集される。収集された交通情報の内容に応じて、運搬車両に、経路変更指示部によって走行経路の変更が指示される。例えば、事故が発生した場合、事故の発生場所を迂回する走行経路に変更される。したがって、運搬車両の走行経路を交通状況に応じて柔軟に変更することができ、交通状況に起因して廃棄物の運搬時間が長くなる不都合を防止できる。
【0032】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記進行制御装置は、上記廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場に到着した運搬車両に関して、上記センターサーバのデータベースから抽出された車両情報が、上記排出場所又は処理場への入場許可が予め登録された車両情報と一致する場合に、上記運搬車両の上記廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場への進入を許可する。
【0033】
上記実施形態によれば、廃棄物の排出場所又は処理場に到着した運搬車両に関して、路側装置によって生成された第2識別情報に基づいてセンターサーバのデータベースから抽出された車両情報が、上記排出場所又は処理場への入場許可が予め登録された車両情報に一致する場合に、進行制御装置によって運搬車両は登録済みであると認識され、この運搬車両の排出場所又は処理場への進入が許可される。ここで、車両情報には、運搬車両の車検証に記載される情報や、車種や、運搬車両の所属等が該当する。上記進行制御装置により、予め登録された運搬車両を確実かつ迅速に排出場所又は処理場へ入場させることができる。ここで、進行制御装置による進入の許可は、ゲート装置の開動作や信号機の点灯等によって運搬車両へ伝えることができる。
【0034】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記進行制御装置は、上記廃棄物の処理場に到着した運搬車両に関して、上記センターサーバのデータベースから抽出された排出場所情報が、上記処理場に対応して予め登録された排出場所と一致する場合に、上記運搬車両の上記廃棄物の処理場への進入を許可する。
【0035】
上記実施形態によれば、廃棄物の処理場に到着した運搬車両に関して、路側装置によって生成された第2識別情報に基づいてセンターサーバのデータベースから抽出された排出場所情報が、上記処理場に対応して予め登録された排出場所と一致する場合に、進行制御装置により、上記運搬車両は正規の排出場所から排出された廃棄物を運搬してきたものと認識され、この運搬車両の処理場への進入が許可される。ここで、進行制御装置による進入の許可は、ゲート装置の開動作や信号機の点灯等によって運搬車両へ伝えることができる。
【0036】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記認証部による車載器の認証結果と、この認証結果に関して上記車載器と無線通信が行われた位置の情報とに基づいて、上記車載器が搭載された運搬車両の走行経路の履歴を表す経路履歴情報を記録する経路履歴記録部を備え、
上記進行制御装置は、上記廃棄物の排出場所又は処理場に到着した運搬車両に関して、上記経路履歴記録部に記録された経路履歴情報が、上記排出場所又は処理場に対応して予め定められた走行経路と一致する場合に、上記運搬車両の上記廃棄物の排出場所又は処理場への進入又は退出を許可する。
【0037】
上記実施形態によれば、経路履歴記録部により、認証部による車載器の認証結果と、この認証結果に関して上記車載器と無線通信が行われた位置の情報とに基づいて、上記車載器が搭載された運搬車両の走行経路の履歴を表す経路履歴情報が記録される。例えば、運搬車両が所定の排出場所から処理場に到る経路の途中に、処理場の渋滞を防止するための待機所を経由することを義務付けている場合、この待機所に設置された路側装置との無線通信の履歴が経路履歴情報に含まれていれば、進行制御装置により、上記運搬車両は正規の走行経路を走行したとして、処理場への進入を許可する。これにより、処理場に到着した運搬車両について、その運搬車両の走行経路を確認し、不正な経路を走行した運搬車両の進入を防止することができる。また、例えばGPS等の他の装置を用いなくても、既存の車載器の無線通信機能を利用して、運搬車両の走行経路を容易かつ安価に検知することができる。
【0038】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記進行制御装置は、上記廃棄物の処理場に到着した運搬車両に関して、上記センターサーバのデータベースから抽出された日時情報に基づいて算出された運搬経過時間が、基準の時間範囲から外れる場合に、上記運搬車両を係員に誘導する。
【0039】
上記実施形態によれば、運搬車両が廃棄物の処理場に到着し、この処理場に設置されている路側装置が上記運搬車両の車載器と無線通信を行って第1識別情報を取得して第2識別情報を生成し、この第2識別情報に基づいてセンターサーバのデータベースから日時情報を抽出する。抽出された日時情報には、上記運搬車両が、この廃棄物の処理場に到着する前に出発した排出場所又は他の処理場の出発日時が含まれる。この日時情報に基づいて、上記運搬車両が廃棄物を運搬する間に経過した運搬経過時間が算出される。この運搬経過時間が、基準の時間範囲から外れる場合、すなわち、基準の時間範囲の下限よりも短い場合や、基準の時間範囲の上限よりも長い場合に、この運搬車両が係員に誘導される。上記基準の時間範囲は、運搬車両に廃棄物が積載された排出場所と、運搬車両が到着した処理場との間の距離に基づき、必要に応じて走行経路や交通状況等を考慮して、予め定められる。運搬経過時間が基準の時間範囲の下限よりも短い場合や、上限よりも長い場合には、廃棄物の性状変化が想定の範囲から外れる可能性がある。例えば、運搬経過時間が基準の時間範囲の下限よりも短い場合は、廃棄物からの水分の蒸発量や分離量が比較的少ない傾向にある。一方、例えば、運搬経過時間が基準の時間範囲の上限よりも長い場合は、廃棄物からの水分の蒸発量や分離量が比較的多い傾向にある。これらの場合に、上記運搬車両を係員に誘導することにより、廃棄物が予め想定された処理に適合するか否かを係員に判断させて、廃棄物に適切な処理を行うことができる。また、上記運搬経過時間が基準の時間範囲から外れる場合、運搬車両に積載した廃棄物の載せ替えや、登録された運搬車両と異なる運搬車両への車載器の載せ替え等により、廃棄物の不正な処理が企図されている可能性がある。このような場合に、上記運搬車両を係員に誘導することにより、処理場に到着した運搬車両や廃棄物が正当か否かを判断し、廃棄物の不正な処理を防止することができる。
【0040】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記廃棄物の排出場所及び処理場に配置され、廃棄物を積載した運搬車両の重量を計測する重量計測装置を備え、
上記センターサーバのデータベースは、上記重量計測装置によって計測された廃棄物及び運搬車両の重量に関する重量情報を、上記第2識別情報に関連付けて格納する重量情報格納領域を有し、
上記進行制御装置は、上記廃棄物の処理場に到着した運搬車両に関して、上記センターサーバのデータベースの重量情報格納領域に格納された重量情報が運搬の前後の間で実質的に一致し、かつ、上記センターサーバのデータベースに格納された廃棄物情報が運搬の前後の間で実質的に一致する場合に、上記運搬車両の上記処理場への進入を許可する。
【0041】
上記実施形態によれば、廃棄物の排出場所及び処理場に配置された重量計測装置により、廃棄物を積載した運搬車両の重量が計測され、この重量計測装置によって計測された廃棄物及び運搬車両の重量に関する重量情報が、センターサーバのデータベースが有する重量情報格納領域に、第2識別情報に関連付けられて格納される。運搬車両が廃棄物の処理場に到着すると、路側装置によって生成された第2識別情報に基づいて、センターサーバのデータベースに格納された重量情報と廃棄物情報が運搬の前後について参照される。重量情報が運搬の前後の間で実質的に一致し、かつ、廃棄物情報が運搬の前後で実質的に一致する場合に、この運搬車両の処理場への進入が許可される。このように、運搬車両による廃棄物の運搬の前後について重量情報と廃棄物情報を比較し、いずれの情報も同一の場合に処理場への進入を許可することにより、廃棄物の積み替えや、予め定められた処理場以外の処理場で廃棄物の一部を処理する等の不正を防止することができる。
【0042】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記廃棄物の処理場は、複数の種類の廃棄物に夫々対応して処理を行う複数の処理領域を有し、
上記進行制御装置は、上記廃棄物の処理場に到着した運搬車両に関して、上記センターサーバのデータベースに格納された廃棄物情報に対応する処理を行う処理領域へ、上記運搬車両を誘導する。
【0043】
上記実施形態によれば、複数の処理領域を有する処理場に運搬車両が到着したとき、この運搬車両が搭載する廃棄物に関する廃棄物情報が確認され、進行制御装置により、上記廃棄物情報に対応する処理を行う処理領域に運搬車両が誘導される。したがって、複数種類の廃棄物の処理を行う処理場において、運搬車両を効率的に通行させて所定の処理領域へ導くことができ、廃棄物の処理効率を高めることができる。上記進行制御装置は、処理領域への運搬車両の誘導を、処理場に設置された信号機を制御し、信号機の動作により、運搬車両の運転者に進行すべき方向や場所を示して行うことができる。また、運搬車両に搭載された車載器の無線通信機能や、測位端末装置の警告実行部の機能等を用いて、所定の処理領域への進行を指示する進行指示信号を送信し、進行指示信号を受信した車載器や測位端末装置が、進行指示信号の内容を表す音声や表示を出力して、運搬車両の運転者に進行すべき方向や場所を示してもよい。
【0044】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記進行制御装置は、上記廃棄物の処理場に到着した運搬車両に関して、上記センターサーバのデータベースに格納された日時情報に基づいて算出された運搬経過時間に対応する処理を行う処理領域へ、上記運搬車両を誘導する。
【0045】
上記実施形態によれば、複数の処理領域を有する処理場に運搬車両が到着したとき、この運搬車両が搭載する廃棄物に関してセンターサーバのデータベースに格納された日時情報が確認され、進行制御装置により、上記日時情報に基づいて算出された運搬経過時間に対応する処理を行う処理領域に運搬車両が誘導される。したがって、時間の経過に応じて性質が変化する廃棄物に対して、運搬車両による運搬の間に経過した時間に応じた適切な処理を行うことができる。
【0046】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記センターサーバのデータベースに、廃棄物の重量に関する重量情報と、廃棄物の排出業者に関する排出業者情報と、廃棄物の運搬業者に関する運搬業者情報と、廃棄物を運搬する運搬車両の走行経路の履歴を表す経路履歴情報とが上記第2識別情報に関連付けて格納され、
上記廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場に進入した運搬車両に関し、上記認証部による認証結果と、上記センターサーバのデータベースに格納された車両情報と、排出場所情報と、廃棄物情報と、日時情報と、上記重量情報と、上記排出業者情報と、上記運搬業者情報と、上記経路履歴情報とのうちの少なくとも一つを表示する情報端末を備える。
【0047】
上記実施形態によれば、センターサーバのデータベースに、重量情報と、排出業者情報と、運搬業者情報と、経路履歴情報とが第2識別情報に関連付けて格納される。廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場に進入した運搬車両に関し、認証部による認証結果と、上記センターサーバのデータベースに格納された車両情報と、排出場所情報と、廃棄物情報と、日時情報と、上記重量情報と、上記排出業者情報と、上記運搬業者情報と、上記経路履歴情報とのうちの少なくとも一つが、情報端末に即時に表示される。したがって、この情報端末を、廃棄物の排出場所又は処理場の係員に携帯させることにより、この排出場所又は処理場に到着した運搬車両の情報を係員に認識させて、係員に運搬車両を適切かつ迅速に誘導させることができる。
【0048】
一実施系形態の廃棄物運搬管理システムは、上記情報端末は、上記廃棄物情報に対応する積載物情報の修正入力、上記車両情報の修正入力、上記車載器を搭載する運搬車両の簡易登録を指示する入力、及び、上記第2識別情報の修正を指示する入力のうちの少なくとも1つを入力する入力部を有する。
【0049】
上記実施形態によれば、情報端末の入力部を通して、実際に排出された廃棄物に適合するように、廃棄物情報に対応する積載物情報の修正入力を行うことができる。したがって、積載物である廃棄物の種類が急遽変更された場合や、積載物を積載せずに退出する必要が生じた場合等に、センターサーバに格納すべき情報を迅速に変更することができ、廃棄物運搬管理の正確性を確保することができる。また、必要に応じて車両情報の修正を入力し、センターサーバに格納される車両情報を修正できる。また、車載器が未登録である場合、上記車載器から取得した第1識別情報を変換してなる第2識別情報、車両情報、及び、上記車載器から受信したワイヤレスコールナンバのうちの少なくとも1つを識別情報として、上記車載器を搭載する運搬車両の情報を関連付けてセンターサーバのデータベースに登録する簡易登録を指示することができる。また、登録済みの車載器の第2識別情報が誤りであった場合、センターサーバに誤って登録された第2識別情報を、上記車載器から取得した第1識別情報を変換してなる真正の第2識別情報に置き換えて修正するように指示することができる。
【0050】
一実施形態の廃棄物運搬管理システムは、上記廃棄物の排出場所又は処理場は、工程の進行に伴って廃棄物が排出又は処理される工事現場を含み、
上記工事現場の工程の進捗に関する進捗情報を取得する進捗情報取得部と、
上記工事現場から上記運搬車両が搬出した廃棄物又は処理場で処理された廃棄物に関して上記センターサーバのデータベースに格納された廃棄物情報及び重量情報と、上記進捗情報取得部が取得した進捗情報とを照合する進捗情報照合部とを備える。
【0051】
上記実施形態によれば、廃棄物の排出場所又は処理場としての工事現場に関して、進捗情報取得部により、上記工事現場の進捗情報が取得される。進捗情報照合部により、上記工事現場から排出されて運搬車両が搬出した廃棄物、又は、上記処理場で処理された廃棄物に関して、センターサーバのデータベースに格納された廃棄物情報と重量情報が、上記進捗情報取得部によって取得された進捗情報と照合される。このように、所定の廃棄物に関する廃棄物情報及び重量情報を、同一の廃棄物を異なる方法で管理した結果である進捗情報と照合することにより、廃棄物の発生量又は処理量と、進捗情報とを相互に検証でき、また、情報の誤りを検出することができる。ここで、工事現場の進捗情報とは、工事の進捗の程度を表す情報であり、例えば、既に終了した工程の数や、使用した材料の重量又は体積や、掘削又は埋め戻した土の重量又は体積や、トンネルや盛土等の線形構造物の伸延距離によって表すことができる。また、進捗情報は、工事の全体の工程数に対して既に終了した工程数の占める割合や、工事の全材料の重量又は体積に対して既に投入した材料の重量又は体積の占める割合や、工事で掘削又は埋め戻す全ての土の重量又は体積に対して既に掘削又は埋め戻した土の重量又は体積の占める割合や、工事の全長に対する伸延距離の割合等によって、表すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】トンネル工事に適用された本発明の実施形態の廃棄物運搬管理システムの主要部を示す模式図である。
【図2】廃棄物排出業者における廃棄物運搬管理システムの構成部分を示す模式図である。
【図3】再資源化業者における廃棄物運搬管理システムの構成部分を示す模式図である。
【図4】中間処理業者における廃棄物運搬管理システムの構成部分を示す模式図である。
【図5】最終処分場における廃棄物運搬管理システムの構成部分を示す模式図である。
【図6】システム管理者に配置される機器の構成を示す図である。
【図7】廃棄物排出業者に配置される機器の構成を示す図である。
【図8】ハンディ端末の構成を示す図である。
【図9】再資源化業者に配置される機器の構成を示す図である。
【図10】中間処理業者に配置される機器の構成を示す図である。
【図11】センターサーバのデータベースに格納される車両情報の例を示す模式図である。
【図12】センターサーバのデータベースに格納されるイベント情報の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本発明の実施形態を、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0054】
実施形態では、本発明の廃棄物運搬管理システムを、トンネル工事で発生する廃棄物としての掘削土の処理に適用した例を説明する。本実施形態の廃棄物運搬管理システムは、有料道路の通行料金の収受のために車両に搭載されたETC車載器(以下「車載器」という。)を利用して、廃棄物の運搬管理を行うものである。
【0055】
図1は、トンネル工事に適用された廃棄物運搬管理システムの主要部を示す模式図であり、図1に示すように、廃棄物運搬管理システムの管理を行うシステム管理者Aの領域に配置されたセンターサーバ1が、トンネル工事現場である廃棄物排出現場Bに配置された路側装置2bと、廃棄物としての掘削土の1次処理を行う再資源化処理場Cに配置された路側装置2cと、廃棄物の2次処理を行う中間処理場Dに配置された路側装置2dと、廃棄物の最終処分場Eに配置された路側装置2eとにネットワークNを介して接続されている。また、センターサーバ1は、ネットワークNを介して、運搬車両Tの通信装置6と通信可能になっている。
【0056】
システム管理者Aの領域に配置されたセンターサーバ1は、運搬車両Tに搭載された車載器の識別情報を管理する機器番号管理サーバSaと、廃棄物の発生と運搬と処理に関する情報を蓄積するマニフェストサーバSmと、トンネル工事の管理者によって管理される出来高サーバSvとに接続可能になっている。機器番号管理サーバSaは、車両に車載器を取り付ける際に、車両の所有者から申請された車両のナンバープレートの情報や、車種や、所有者名等で構成される車両情報を、車載器に一意的に付された第1識別情報としての機器番号と、これに対応する車載器管理番号とに関連付けて管理している。
【0057】
廃棄物排出現場Bには、図2に示すように、掘削土が発生する掘削箇所B1と、この掘削箇所B1から公道に通じる工事車両道路の車両出口の近傍に設置され、この車両出口に接近した運搬車両Tの車載器7との間で無線信号を送受信するDSRCアンテナ3bと、車両出口を開閉するゲート装置4bと、ゲート装置4bの前で停止した運搬車両Tのナンバープレートを撮影する撮影装置としてのネットワークカメラ12bと、運搬車両Tの重量を計測する重量計測装置としてのトラックスケール5bが設置されている。さらに、廃棄物排出現場Bには、掘削土の搬出や車両登録に関する係員によって操作される情報端末としてのハンディ端末9bが設けられている。上記DSRCアンテナ3b、ゲート装置4b及びトラックスケール5bは、路側装置2bに接続されて動作が制御される。
【0058】
再資源化処理場Cには、図3に示すように、廃棄物の種類に応じて互いに異なる処理を行う複数の処理領域としての処理ピットC1,C2,C3が設けられている。再資源化処理場Cの車両入口の近傍には、車両入口に接近した運搬車両Tの車載器7との間で無線信号を送受信するDSRCアンテナ31cと、車両入口を開閉するゲート装置41cと、ゲート装置41cの前で停止した運搬車両Tのナンバープレートを撮影するネットワークカメラ12cと、運搬車両Tの重量を計測するトラックスケール51cが設置されている。車両入口からゲート装置41cを通って処理場内に進入した位置に、進行すべき方向を指示して運搬車両Tを所定の処理ピットC1,C2,C3へ誘導する誘導手段としての誘導表示装置11が設置されている。一方、再資源化処理場Cの車両出口の近傍には、車両出口に接近した運搬車両Tの車載器7との間で無線信号を送受信するDSRCアンテナ32cと、車両出口を開閉するゲート装置42cと、ゲート装置42cの前で停止した運搬車両Tの積荷を撮影するネットワークカメラ10cと、運搬車両Tの重量を計測するトラックスケール52cが設置されている。さらに、再資源化処理場Cの領域には、掘削土の搬入出や車両登録に関する係員によって操作される情報端末としてのハンディ端末9cが設けられている。上記DSRCアンテナ31c,32c、ゲート装置41c,42c及びトラックスケール51c,52cは、路側装置2cに接続されて動作が制御される。
【0059】
中間処理場Dには、図4に示すように、中間処理として汚泥の脱水処理を行う脱水ピットD1が設けられている。中間処理場Dの車両入口の近傍には、車両入口に接近した運搬車両Tの車載器7との間で無線信号を送受信するDSRCアンテナ31dと、車両入口を開閉するゲート装置41dと、運搬車両Tの重量を計測するトラックスケール51dが設置されている。一方、中間処理場Dの車両出口の近傍には、車両出口に接近した運搬車両Tの車載器7との間で無線信号を送受信するDSRCアンテナ32dと、車両出口を開閉するゲート装置42dと、ゲート装置42dの前で停止した運搬車両Tの積荷を撮影するネットワークカメラ10dと、運搬車両Tの重量を計測するトラックスケール52dが設置されている。上記DSRCアンテナ31d,32d、ゲート装置41d,42d及びトラックスケール51d,52dは、路側装置2dに接続されて動作が制御される。
【0060】
最終処分場Eには、図5に示すように、最終処分として土が埋め立てられる埋立ピットE1が設けられている。最終処分場Eの車両入口の近傍には、車両入口に接近した運搬車両Tの車載器7との間で無線信号を送受信するDSRCアンテナ31eと、車両入口を開閉するゲート装置41eと、運搬車両Tの重量を計測するトラックスケール51eが設置されている。一方、最終処分場Eの車両出口の近傍には、車両出口に接近した運搬車両Tの車載器7との間で無線信号を送受信するDSRCアンテナ32eと、車両出口を開閉するゲート装置42eと、ゲート装置42eの前で停止した運搬車両Tの積荷を撮影するネットワークカメラ10eと、運搬車両Tの重量を計測するトラックスケール52eが設置されている。上記DSRCアンテナ31e,32e、ゲート装置41e,42e及びトラックスケール51e,52eは、路側装置2eに接続されて動作が制御される。
【0061】
図6は、システム管理者Aの領域に配置されたセンターサーバ1の構成を示すブロック図である。センターサーバ1は、ネットワークNを通して路側装置2b,2c,2d,2e、通信装置6及びハンディ端末9b,9cと通信を行うネットワーク通信部111と、路側装置2b,2c,2d,2eから受信した第2識別情報としての利用車番号の認証を行う認証部112と、データベースDBの情報の読み出し及び書き込みを制御するデータベース制御部113と、廃棄物排出現場B、再資源化処理場C、中間処理場D及び最終処分場Eへの運搬車両Tの入退場の制御を行う入退場制御部114と、誘導表示装置11を制御して再資源化処理場C内における運搬車両Tの進路を指示する進路指示部115と、運搬車両Tをシステムに登録する車両登録部116と、運搬車両Tの通信装置6から受信した測位情報に基づいて警告を行う警告装置としての警告部117と、図示しない交通情報サーバから交通情報を受信する交通情報受信部118と、交通情報に応じて運搬車両Tの経路の変更を指示する経路変更指示部119と、ハンディ端末9b,9cに送信する情報であって、そのハンディ端末9b,9cの存在する場所に入場中の運搬車両Tに関する情報を生成する在車情報生成部120と、トンネル工事の管理者が設置する出来高サーバSvに接続して、トンネル工事の出来高との照合を行う出来高情報照合部121と、マニフェストサーバSmへ出力するマニフェスト情報を生成するマニフェスト情報生成部122と、ネットワークカメラ10c,10d,10e,12b,12cで撮影された画像の処理を行う画像処理部123を備える。
【0062】
上記データベースDBには、運搬車両Tに搭載された車載器7に対応する第2識別情報としての利用車番号に関連付けて、車両情報と、排出場所情報と、廃棄物情報と、日時情報と、処理場情報とが格納される。車両情報は、運搬車両Tの自動車登録番号、車種、所有者名等の車両に関する情報である。排出場所情報は、運搬車両Tが運搬する廃棄物が排出された場所を表す情報である。廃棄物情報は、廃棄物の内容に関する情報であり、廃棄物が例えば掘削土の場合は、土の種類や、含有物等の物性に関する情報である。日時情報は、運搬車両Tが廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場へ入場又は退場した日時を表す情報であり、認証部112による認証が行われた日時や、ゲート制御部214がゲート装置4b,41c,42c,41d,42d,41e,42eを開き動作させた日時を採用するのが好ましい。処理場情報は、廃棄物を処理した処理場を表す情報である。なお、データベースDBには、車載器7の利用車番号と共に、路側装置2b,2c,2d,2eが車載器7から受信するWCN(ワイヤレスコールナンバ)を、識別情報として用いるために格納してもよい。
【0063】
また、データベースDBには、第2識別情報としての利用車番号に関連付けて、廃棄物に関する重量情報と、処理場情報と、排出業者情報と、処理業者情報と、運搬業者情報とが格納される。重量情報は、廃棄物排出現場B、再資源化処理場C、中間処理場D及び最終処分場Eに設置された重量計測装置としてのトラックスケール5b,51c,52c,51d,52d,51e,52eによって計測された廃棄物及び運搬車両の重量に関する情報である。なお、トラックスケール5b,・・・の計量値から運搬車両Tの自重を減じた値であって、廃棄物の重量の値を表す情報を、重量情報として格納してもよい。処理場情報は、廃棄物に施す処理を行う処理場に関する情報である。排出業者情報は、廃棄物の排出業者を表す情報であり、実施形態では、工事現場の請負者を表す情報が該当する。処理業者情報は、廃棄物の処理業者を表す情報であり、実施形態では、再資源化処理場C、中間処理場D及び最終処分場Eの各々の運営事業者を表す情報が該当する。運搬業者情報は、廃棄物の運搬業者を表す情報であり、実施形態では、運搬車両Tを運営する事業者を表す情報が該当する。
【0064】
また、データベースDBには、第2識別情報に関連付けて、撮影装置としてのネットワークカメラ10c,10d,10eで撮影された運搬車両Tの積荷部分である荷台の画像が格納される。また、撮影装置としてのネットワークカメラ12b,12cで撮影された運搬車両Tのナンバープレートの画像と、この画像に基づいて生成された車両情報としての自動車登録番号とが格納される。
【0065】
また、データベースDBには、運搬車両Tの通信装置6から受信した測位情報が、運搬車両Tの車載器7に対応する車両情報に関連付けて格納される。さらに、データベースDBには、運搬車両Tの車載器が路側装置2b,2c,2d,2eと無線通信を行って認証を受けた履歴が、運搬車両Tが走行した経路を示す経路履歴情報として格納される。また、データベースDBには、廃棄物排出現場Bや積載する廃棄物に応じて、運搬車両Tが走行すべき経路として予め定められた運搬経路が格納される。
【0066】
運搬車両Tには、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)によって現在位置を測定し、測定した位置に関する測位情報を、ネットワークNを介してセンターサーバ1に送信する測位端末装置としての通信装置6と、有料道路の通行料金の収受に用いられる車載器7が搭載されている。
【0067】
センターサーバ1と路側装置2b,2c,2d,2e及びハンディ端末9b,9cとの間は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に準拠した通信方式により、SSL/TLS(Secure Socket Layer/ Transport Layer Security)の暗号化やスクランブル等で機密性を高めた通信が行われる。ネットワークNは、公衆回線及び専用回線のいずれでもよい。
【0068】
図7は、廃棄物排出現場Bに配置された路側装置2bとネットワークカメラ12bの構成を示すブロック図である。路側装置2bは、ネットワークNを通してセンターサーバ1と通信を行うネットワーク通信部211と、DSRCアンテナ3bを通じて車載器7と無線通信を行うDSRC通信部212と、DSRC通信部212が車載器7から取得した機器番号を変換して利用車番号を生成する識別情報変換部213と、ゲート装置4bの動作を制御するゲート制御部214と、DSRC通信部212による車載器7との無線通信の実行や、ゲート装置4bの動作や、トラックスケール5bの計測等のセンターサーバ1に報告すべきイベントが生じた場合、イベントの発生時刻を付加してイベントの内容を表すイベントデータを生成するイベントデータ生成部215を備える。
【0069】
ネットワークカメラ12bは、ネットワークNを通じてセンターサーバ1と通信を行うネットワーク通信部300と、撮影対象を撮影して画像情報を生成するカメラ301とを有する。なお、他の箇所に設置されたネットワークカメラ10c,10d,10e,12b,12cも、同様の構成を有する。
【0070】
図8は、廃棄物排出現場Bで操作されるハンディ端末9bの構成を示すブロック図である。ハンディ端末9bは、ネットワークNを通してセンターサーバ1と通信を行うネットワーク通信部211と、センターサーバ1から受信した情報を示す表示部216と、センターサーバ1へ送信する情報や指令を入力する入力部217と、未登録の運搬車両Tをセンターサーバ1のデータベースDBへ登録する旨の指示、又は、登録済みの情報を、車載器7から路側装置2bで読み取った情報又は車載器7から路側装置2bで読み取った情報に基づく情報に置き換えて修正する旨の指示を行う登録修正指示部218を備える。
【0071】
図9は、再資源化処理場Cに配置された路側装置2cと、誘導表示装置11と、ネットワークカメラ10c,12cの構成を示すブロック図である。路側装置2cは、廃棄物排出現場Bに配置された路側装置2bと実質的に同一のネットワーク通信部211と、DSRC通信部212と、識別情報変換部213と、ゲート制御部214と、イベントデータ生成部215を備える。誘導表示装置11は、運搬車両の進行すべき方向を光や文字で表示する誘導表示部311と、ネットワークNを通じてセンターサーバ1と通信を行うネットワーク通信部310を有する。各ネットワークカメラ10c,12cは、ネットワーク通信部300及びカメラ301を有する。
【0072】
図10は、中間処理場Dに配置された路側装置2dの構成を示すブロック図である。路側装置2dは、廃棄物排出現場Bに配置された路側装置2bと実質的に同一のネットワーク通信部211と、DSRC通信部212と、識別情報変換部213と、ゲート制御部214と、イベントデータ生成部215を備える。
【0073】
最終処分場Eに配置された路側装置2eは、図10に示した中間処理場Dの路側装置2dと実質的に同一の構成を有する。すなわち、路側装置2eは、ネットワークNを通してセンターサーバ1と通信を行うネットワーク通信部と、DSRCアンテナ31e,32eを通じて車載器7と無線通信を行うDSRC通信部と、DSRC通信部が車載器7から取得した機器番号を変換して利用車番号を生成する識別情報変換部と、ゲート装置41e,42eの動作を制御するゲート制御部と、イベントの内容を表すイベントデータを生成するイベントデータ生成部を備える。
【0074】
上記センターサーバ1、路側装置2b,2c,2d,2e及びハンディ端末9b,9cは、CPU、記憶装置、入出力装置及び通信モジュール等で構成されたコンピュータであり、記憶装置に格納されたプログラムがCPUで実行されて、各機能が有する各機能を奏するように構成されている。
【0075】
上記構成の廃棄物運搬管理システムは、次のように動作する。
【0076】
まず、廃棄物排出現場B又は再資源化処理場Cへの入場が許可された運搬車両Tに関して、廃棄物運搬管理システムへの登録が行われる。廃棄物運搬管理システムへの登録では、まず、登録対象の運搬車両Tの管理者から、運搬車両Tに搭載された車載器7の車載器管理番号と共に、ナンバープレート、車種、車両重量及び所属等の車両情報がシステム管理者Aに通知される。システム管理者Aは、運搬車両Tの管理者から通知された車載器管理番号を、車載器の機器番号を管理する機器番号管理者に通知する。機器番号管理者は、システム管理者Aから通知された車載器管理番号に基づき、この車載器管理番号と関連付けてデータベースで管理している機器番号を、秘密管理された所定の変換方法によって変換して利用車番号を生成し、生成した利用車番号をシステム管理者Aへ交付する。システム管理者Aは、機器番号管理者から交付された利用車番号を、運搬車両Tの管理者から通知された車両情報に関連付けて、センターサーバ1のデータベースDBに格納する。
【0077】
図11は、センターサーバ1のデータベースDBに格納された情報の例であり、車載器管理番号及び利用車番号に関連付けて、路側装置2b,2c,2d,2eが車載器7と無線通信を行う際に車載器7から受信するWCNと、自動車登録番号と、車種と、車両重量と、所属する運搬業者の情報が格納される。また、廃棄物の搬出場所と、搬出時にデータベースDBに自動入力すべき廃棄物情報のデフォルト値が積載物情報として予め格納される。
【0078】
一方、路側装置2b,2c,2d,2eには、機器番号管理者から交付された変換ソフトウェアが、機密保持状態でインストールされ、識別情報変換部213として機能するようになっている。
【0079】
廃棄物運搬管理システムへの登録が完了した運搬車両Tが、廃棄物排出現場Bに進入し、廃棄物としての掘削土を積載して出口に到着すると、ネットワークカメラ12bのカメラ301が運搬車両Tのナンバープレートを撮影すると共に、廃棄物排出現場Bの出口に設置されたトラックスケール5bが、掘削土を積載した運搬車両Tの重量を計測する。そして、DSRCアンテナ3bを通じて路側装置2bのDSRC通信部212が、運搬車両Tの車載器7と無線通信を行って車載器7から機器番号を受信する。DSRC通信部212が機器番号を受信すると、路側装置2bの識別情報変換部213が機器番号を変換して利用車番号を生成する。路側装置2bのイベントデータ生成部215は、識別情報変換部213が生成した利用車番号と、トラックスケール5bが計測した運搬車両Tの重量に関する重量情報とを含むイベントデータを生成し、このイベントデータがネットワーク通信部211によりセンターサーバ1へ送信される。また、ネットワークカメラ12bのネットワーク通信部300により、撮影画像がセンターサーバ1に送信される。
【0080】
センターサーバ1のデータベースDBには、廃棄物排出現場Bの掘削箇所B1から生じる掘削土の種類が、廃棄物情報として自動的に入力される。データベースDBに自動入力される廃棄物情報は、例えば毎日の掘削作業の開始時等に定期的に、あるいは、掘削箇所B1から生じた掘削土の種類が変化したときに、廃棄物排出現場Bのハンディ端末9bから送信されて設定される。
【0081】
センターサーバ1のネットワーク通信部111が路側装置2bからイベントデータを受信すると、認証部112がデータベースDBを参照し、イベントデータに含まれる利用車番号が登録されているか否かを照合する。利用車番号が登録されていると、ネットワーク通信部111が認証成功の旨と、運搬車両Tに関する車両情報と、掘削土の重量情報と、廃棄物情報と、日時情報を、廃棄物排出現場Bのハンディ端末9bに送信する。
【0082】
廃棄物排出現場Bのハンディ端末9bは、ネットワーク通信部211が認証成功の旨と、車両情報と、重量情報と、廃棄物情報と、日時情報を受信すると、これらの内容を表示部216に表示する。ハンディ端末9bを操作する係員は、表示部216に表示された内容を確認し、表示された廃棄物情報が、実際に運搬車両Tに積載された掘削土を表す積載物情報と異なる場合、正しい積載物情報を、入力部217を通じて入力する。入力された積載物情報は、ハンディ端末9bのネットワーク通信部211を通じてセンターサーバ1へ送信される。
【0083】
センターサーバ1のネットワーク通信部111が積載物情報を受信すると、データベース制御部113は、利用車番号に関連付けてデータベースDBに格納する。この時点以降、データベース制御部113は、廃棄物排出現場Bから廃棄物を積載して退出する他の運搬車両Tについても、廃棄物情報として、上記積載物情報の内容を自動入力する。
【0084】
センターサーバ1の入退場制御部114は、認証部112による認証が成功すると、運搬車両Tの廃棄物排出現場Bからの退場を許可する許可情報を路側装置2bに送信する。路側装置2bは、許可情報を受信すると、ゲート制御部214がゲート装置4bを制御してゲートを開動作させ、開いたゲートを通って運搬車両Tが廃棄物排出現場Bから掘削土を搬出する。
【0085】
ここで、運搬車両Tが廃棄物運搬システムに未登録であった場合、あるいは、廃棄物運搬管理システムへの運搬車両Tの登録の際に、誤った車載器管理番号の通知等に起因して誤った利用車番号が登録された場合、センターサーバ1の認証部112による認証の結果が否定的となる。この場合、係員がハンディ端末9bの入力部217を操作し、この操作に基づいて、登録修正指示部218によって運搬車両Tの登録が指示される。すなわち、路側装置2bのDSRC通信部212が車載器7との無線通信で取得したWCNと、入力部217を通じて係員が入力した運搬車両Tのナンバープレート等の車両情報と、運搬車両Tの登録を指示する旨の情報が、登録修正指示部218によってセンターサーバ1に送信される。センターサーバ1は、ハンディ端末9bの登録修正指示部218からの情報を受信すると、車両登録部116が、既に受信した利用車番号に関連付けてWCN及び車両情報をデータベースDBに格納し、上記運搬車両Tを廃棄物運搬管理システムに登録する。この場合、車両登録部116は、簡易登録部として機能する。また、センターサーバ1の車両登録部116は、ハンディ端末9bの登録修正指示部218からの情報を受信すると、WCN又は車両情報をキーとしてデータベースDBを検索し、一致するWCN又は車両情報が抽出された場合、抽出されたWCN又は車両情報に関連付けられていた利用者番号が登録時に誤って登録されたとして、路側装置2bから受信したイベントデータに含まれる利用車番号を正規の利用者番号としてデータベースDBに登録して修正する。この場合、車両登録部116は、第2識別情報修正部として機能する。このようにして、未登録の運搬車両Tを迅速に登録でき、また、センターサーバ1に不正確な利用車番号が登録された場合に、WCNや車両情報を識別情報として、迅速に登録のやり直しを行うことができる。
【0086】
また、運搬車両Tが路側装置2bと無線通信を行う際、車載器7にICカードが挿入されていない場合、車載器7は、路側装置2bに機器番号を送信できない構造となっていることが多い。そこで、データベースDBに、利用車番号と共にWCNを格納しておくことにより、路側装置2bのDSRC通信部212が車載器7との無線通信で取得したWCNを識別情報として用いて、車載器7の認証を行うことができる。この場合、センターサーバ1に図示しない副登録部及び副認証部を設け、センターサーバ1が路側装置2bから利用車番号と併せてWCNを受信したときに、上記副登録部が利用車番号と関連付けてWCNを格納し、上記副認証部がデータベースDBに格納されたWCNと照合して認証を行う。このように、WCNに関する副登録部及び副認証部をセンターサーバ1に設置することにより、安定して車載器7の認証を行うことができる。なお、利用車番号を用いた認証部112による認証と、WCNを用いた副認証部による認証とを併用してもよく、この場合、認証を確実かつ厳正に行うことができる。
【0087】
廃棄物排出現場Bから掘削土を搬出した運搬車両Tは、通信装置6に内蔵されたGPS機能によって現在位置が測定され、測定された位置に関する測位情報がセンターサーバ1に送信される。運搬車両Tは、道路交通に与える影響や、道路の周辺住民への影響を考慮して、廃棄物排出現場Bや積載する廃棄物に応じて予め定められた運搬経路を走行することが定められている。センターサーバ1は、測位情報受信装置として機能するネットワーク通信部111により、運搬車両Tの測位情報を受信する。ネットワーク通信部111が受信した測位情報が、予め定められた運搬経路から外れている場合、その旨を検出した警告部117が警告情報を生成する。警告情報は、運搬経路から外れている旨を示す情報と、正規の経路を示す情報とを含む。センターサーバ1の警告部117が生成した警告情報は、ネットワーク通信部111によって運搬車両Tの通信装置6に送信される。通信装置6が警告情報を受信すると、通信装置6に設けられた警告実行部としてのスピーカが、警告音を発すると共に、警告情報に含まれる情報で示される正規の経路に戻るように音声通知を行う。こうして通信装置6による警告を受けて、運転者により搬送車両Tの走行経路が正規の経路に戻される。センターサーバ1は、データベース制御部113が、データベースDBの利用車番号に関連付けられた備考欄に、走行経路の警告を行った旨を示す情報を格納する。
【0088】
また、センターサーバ1の交通情報受信部118が、交通情報サーバから、運搬車両Tの走行経路に交通渋滞が生じた旨の情報を受信すると、経路変更指示部119が運搬車両Tに経路を変更する旨の指示を行う。運搬車両Tが通信装置6を通して経路を変更する旨の指示を受けると、運転者により走行経路が変更される。これにより、運搬車両Tが交通渋滞を避けて走行でき、運搬車両Tが交通渋滞をさらに悪化させる不都合や、交通渋滞によって掘削土の運搬時間が長くなる不都合を防止できる。
【0089】
廃棄物排出現場Bから掘削土を搬出した運搬車両Tが再資源化処理場Cに到着すると、再資源化処理場Cの入口に設置された入口トラックスケール51cが、掘削土を積載した運搬車両Tの重量を計測する。これと共に、路側装置2cのDSRC通信部212が、車両入口の入口DSRCアンテナ31cを通して運搬車両Tの車載器7と無線通信を行って機器番号を受信し、識別情報変換部213が機器番号を変換して利用車番号を生成する。さらに、ネットワークカメラ12cが運搬車両Tのナンバープレートを撮影して撮影画像をセンターサーバ1へ送信し、センターサーバ1の画像処理部123が、ナンバープレートの撮影画像から自動車登録番号を表す登録番号情報を抽出する。これらの動作に伴い、路側装置2cのイベントデータ生成部215が、運搬車両Tの利用車番号と重量情報を含むイベントデータを生成し、ネットワーク通信部211が上記イベントデータをセンターサーバ1へ送信する。
【0090】
センターサーバ1のネットワーク通信部111がイベントデータを受信すると、認証部112がデータベースDBを参照して、利用車番号を照合すると共に、廃棄物排出現場Bを出場する際に計測された重量情報と再資源化処理場Cに到着した際の重量情報とを比較し、さらに、画像処理部123で抽出された登録番号情報で示される自動車登録番号を照合する。利用車番号と自動車登録番号が登録されており、搬出の際の重量から実質的に変化が無い場合、認証成功の旨と重量が適合した旨の情報を、ネットワーク通信部111が廃棄物排出現場Bのハンディ端末9bに送信する。また、認証部112は、利用車番号に関連付けられてデータベースDBに格納された積載物情報と、車両情報と、日時情報と、重量情報をハンディ端末9bに送信する。さらに、データベースDBに格納された積載物情報に基づいて、進路指示部115が、積載物情報で表される掘削土を再資源化処理場C内のいずれの処理ピットC1,C2,C3で処理を行うべきであるかを判断し、該当する処理ピットC1,C2,C3を示すピット指示情報を誘導表示装置11に送信する。また、入退場制御部114が、運搬車両Tの再資源化処理場Cへの入場を許可する許可情報を路側装置2cに送信する。
【0091】
再資源化処理場Cのハンディ端末9cは、ネットワーク通信部211が認証成功の旨と重量情報と積載物情報と車両情報と日時情報を受信すると、これらの内容を表示部216に表示する。これにより、ハンディ端末9bを操作する係員は、表示部216に表示された内容を確認して、運搬車両Tが登録された車両であることと、積載された掘削土の種類を認識できる。また、運搬車両Tの廃棄物排出現場Bからの退出日や掘削土の重量の妥当性を確認できる。一方、再資源化処理場Cの路側装置2cは、許可情報を受けると、ゲート制御部214が入口ゲート装置41cを制御してゲートを開動作させる。また、誘導表示装置11は、ネットワーク通信部310がセンターサーバ1の進路指示部115からピット指示情報を受信し、ピット指示情報に応じて誘導表示部311が作動し、運搬車両Tを所定の処理ピットC1,C2,C3へ誘導する。運搬車両Tは、開いた入口ゲート装置41cを通って場内へ進入し、誘導表示装置11で誘導された処理ピットC1,C2,C3へ走行し、掘削土を投入する。
【0092】
再資源化処理場Cで収集された土や、所定の処理が施された土は、土の性質や含水量に応じて、中間処理場Dに運搬されて中間処理が行われる。中間処理を行うべき処理対象土を再資源化処理場Cから中間処理場Dへ運搬車両Tで運搬する場合、処理対象土を積載した運搬車両Tが再資源化処理場Cの出口に到着すると、再資源化処理場Cの出口トラックスケール52cが運搬車両Tの重量を計測すると共に、路側装置2cのDSRC通信部212が出口DSRCアンテナ32cを通じて車載器7と無線通信を行って機器番号を受信し、識別情報変換部213が機器番号を変換して利用車番号を生成する。また、ネットワークカメラ10cのカメラ301が運搬車両Tの荷台の内部を撮影し、撮影画像がネットワーク通信部300でセンターサーバ1に送信される。路側装置2cのイベントデータ生成部215が、利用車番号と重量情報とを含むイベントデータを生成し、ネットワーク通信部211によってセンターサーバ1へ送信される。センターサーバ1は、撮影画像を受信すると、画像処理部123が撮影画像に日時を付加して出力する。なお、画像処理部123は、ネットワークカメラ10cの撮影画像から、荷台に廃棄物が積載されているか否かを解析し、その解析結果を出力してもよい。また、ネットワークカメラ10cの撮影した画像を係員が視認し、画像の内容から廃棄物の量や種類を推測してもよい。画像処理部123により日時が付加された撮影画像は、もしあれば、廃棄物が荷台に存在するか否かの解析結果や、廃棄物の量や種類に関する推測情報と共に、センターサーバ1のデータベースDBに格納される。
【0093】
また、センターサーバ1では、ネットワーク通信部111がイベントデータを受信し、認証部112が利用車番号に基づいて車載器7の認証を行う。車載器7の認証が成功すると、認証成功の旨と、運搬車両T及び処理対象土の重量情報と、廃棄物情報と、日時情報が、センターサーバ1から再資源化処理場Cのハンディ端末9cに送信される。
【0094】
再資源化処理場Cのハンディ端末9cは、認証成功の旨と重量情報と廃棄物情報と日時情報を受信すると、その内容を表示部216に表示する。表示された内容が係員に確認されると、運搬車両Tに実際に積載された積載物が目視されて比較され、実際の積載物が表示部216に表示された内容と異なる場合は、運搬車両Tに積載された処理対象土の種別を表す積載物情報が、正しい情報として、係員によって入力部217を通じて入力される。入力された積載物情報は、ハンディ端末9cからセンターサーバ1へ送信される。
【0095】
センターサーバ1が受信した積載物情報は、データベース制御部113により、利用車番号に関連付けてデータベースDBに格納される。
【0096】
センターサーバ1は、車載器7の認証が成功すると、データベースDBに積載物情報を格納すると共に、入退場制御部114により、運搬車両Tの再資源化処理場Cからの退場を許可する許可情報を路側装置2cに送信する。路側装置2cは、許可情報を受信すると、ゲート制御部214が出口ゲート装置42cを制御してゲートを開動作させ、開いたゲートを通って運搬車両Tが再資源化処理場Cから処理対象土を搬出する。
【0097】
再資源化処理場Cから処理対象土を搬出した運搬車両Tは、廃棄物排出現場Bから再資源化処理場Cへ掘削土を運搬した運搬車両Tの場合と同様に、通信装置6が測位情報をセンターサーバ1へ送信し、測位情報が予め定められた運搬経路から外れている場合は警告部117が警告情報を生成し、警告情報がセンターサーバ1から通信装置6へ送信されて、通信装置6により警告が実行される。また、センターサーバ1の交通情報受信部118が受信する交通情報に応じて、経路変更指示部119によって運搬車両Tに運搬経路を変更する旨の指示が行われる。
【0098】
再資源化処理場Cから処理対象土を搬出した運搬車両Tが中間処理場Dに到着すると、路側装置2dのDSRC通信部212が入口DSRCアンテナ31dを通して運搬車両Tの車載器7と無線通信を行って機器番号を受信し、識別情報変換部213が機器番号を変換して利用車番号を生成する。これと共に、中間処理場Dの入口に設置された入口トラックスケール51dが、処理対象土を積載した運搬車両Tの重量を計測する。これらの動作に伴い、路側装置2dのイベントデータ生成部215が、運搬車両Tの利用車番号と重量情報を含むイベントデータを生成し、生成されたイベントデータがセンターサーバ1へ送信される。
【0099】
センターサーバ1が路側装置2dからイベントデータを受信すると、認証部112がデータベースDBを参照して利用車番号の照合を行うと共に、再資源化処理場Cを出場する際に計測された重量情報と中間処理場Dに到着した際の重量情報とを比較する。利用車番号が登録されており、搬出の際の重量から実質的に変化が無い場合、処理対象土が正常に運搬されたとして、入退場制御部114が、運搬車両Tの中間処理場Dへの入場を許可する許可情報を路側装置2dに送信する。
【0100】
中間処理場Dの路側装置2dは、許可情報を受けると、ゲート制御部214が入口ゲート装置41dを制御してゲートを開動作させる。運搬車両Tは、開いた入口ゲート装置41dを通って場内へ進入し、処理ピットD1へ処理対象土を投入する。処理ピットD1への処理対象土の投入が完了すると、運搬車両Tが中間処理場Dの出口に進み、出口DSRCアンテナ32dを通じて路側装置2dのDSRC通信部212が車載器7と無線通信を行って機器番号を受信する。路側装置2dの識別情報変換部213が機器番号を変換して利用車番号を生成し、中間処理場Dの出口に設置された出口トラックスケール52dが運搬車両Tの重量を計測すると共に、ネットワークカメラ10dが運搬車両Tの荷台の内部を撮影する。これらの動作に伴い、路側装置2dのイベントデータ生成部215が、運搬車両Tの利用車番号と重量情報を含むイベントデータを生成し、生成されたイベントデータがセンターサーバ1へ送信される。また、センターサーバ1の画像処理部123が、ネットワークカメラ10dの撮影した画像を解析し、荷台に処理対象土が存在していないことを認識し、処理対象土が中間処理場Dで除荷されたことを確認する。なお、画像処理部123がネットワークカメラ10dの撮影画像に日時を付加して出力し、出力された撮影画像を係員が視認して処理対象土が除荷されたことを確認してもよい。
【0101】
センターサーバ1では、ネットワーク通信部111がイベントデータを受信し、認証部112が利用車番号に基づいて車載器7の認証を行う。車載器の認証が成功すると、入退場制御部114が、運搬車両Tの中間処理場Dからの退場を許可する許可情報を路側装置2dに送信する。路側装置2dは、許可情報を受信すると、ゲート制御部214が出口ゲート装置42dを制御してゲートを開動作させ、開いたゲートを通って運搬車両Tが中間処理場Dから退出する。
【0102】
再資源化処理場Cや中間処理場Dで、最終処分が可能な状態に処理された処理済土は、再資源化処理場Cから最終処分場Eへ運搬車両Tで運搬され、最終処分場Eの埋立ピットE1に投入されて、最終処分が行われる。運搬車両Tが再資源化処理場Cから最終処分場Eへ処理済土を運搬する場合においても、再資源化処理場Cから中間処理場Dへ処理対象土を運搬する場合と同様に、再資源化処理場Cの出口と最終処分場Eの入口で車載器を認証し、走行経路を監視し、また、運搬の前後で重量情報の照合を行う。さらに、運搬車両Tが最終処分場Eを退出する際に、ネットワークカメラ10eの撮影画像に基づいて、処理済土が除荷されたことを確認する。
【0103】
上記ネットワークカメラ10eによって撮影された撮影画像は、センターサーバ1の画像処理部123により、運搬車両Tの荷台に処理残土が存在するか否かが解析され、処理済土が除荷されたか否かが確認される。あるいは、画像処理部123で撮影画像に日時が付与されて出力され、出力された撮影画像が係員に参照されることにより、処理済土が除荷されたか否かが確認されてもよい。
【0104】
上述の運搬車両Tによる運搬に関する情報は、各路側装置2a,2b,2c,2d,2eからイベントデータとしてセンターサーバ1へ送信され、データベースDBのテーブルに、図12に示すように格納される。これらのデータに基づいて、センターサーバ1のマニフェスト情報生成部122により、運搬車両Tによる廃棄物の運搬に関連して、廃棄物の搬出及び搬入を行った日時と、廃棄物が排出された場所に関する排出場所情報と、廃棄物の内容に関する廃棄物情報と、廃棄物の重量に関する重量情報と、廃棄物を処理する場所に関する処理場情報と、廃棄物の排出業者に関する排出業者情報と、廃棄物の処理業者に関する処理業者情報と、廃棄物の運搬業者に関する運搬業者情報とが、運搬車両Tの利用車番号に関連付けられてなるマニフェスト情報が生成される。なお、マニフェスト情報は、運搬車両Tの運転者に関する運転者情報を含んでもよい。マニフェスト情報生成部122で生成されたマニフェスト情報はマニフェストサーバSmへ送信され、マニフェストサーバSmの管理者によって、廃棄物の運搬及び処理を示す情報として登録されて保存される。
【0105】
上記センターサーバ1のデータベースDBに格納されたデータは、廃棄物排出現場Bのトンネル工事現場の管理者によって管理されるトンネル工事の掘削工程の進捗情報と照合され、検証が行われる。すなわち、センターサーバ1の進捗情報取得部としての出来高情報照合部121が、トンネル工事現場の管理者によって出来高が入力される出来高サーバSvから、トンネル工事の掘削工程の進捗情報を受信する。出来高サーバSvから受信する進捗情報は、照合の対象期間において、掘削が進行した距離と、掘削を行った地盤の種類と、掘削の断面積が含まれ、この進捗情報から、掘削土の種類と重量を算出する。また、出来高情報照合部121は、データベースDBに格納された情報のうち、廃棄物排出現場Bから搬出された掘削土に関する積載物情報と重量情報を集計する。このデータベースDBに基づく掘削土の積載物情報及び重量情報と、進捗情報から算出された掘削土の種類及び重量を照合し、互いの差が所定の許容範囲内であるか否かを確認する。互いの差が所定の許容範囲内である場合、廃棄物運搬管理システムによって生成したマニフェスト情報の正確さを検証できる。また、互いの差が所定の許容範囲を越えた場合、マニフェスト情報に誤りが存在する可能性を検出できる。
【0106】
このように、本実施形態の廃棄物運搬管理システムによれば、廃棄物排出現場Bや再資源化処理場Cへ入場する運搬車両Tを、車載器を利用して認証するので、登録されていない運搬車両のなりすましや不正入場を防止することができる。また、運搬車両Tの登録情報や、積載する掘削土に関する情報を、センターサーバ1に格納するので、運搬する掘削土の内容や重量の改ざんを防止でき、その結果、掘削土の不正な処理や不法投棄を防止できる。また、センターサーバ1で一元的に収集された情報に基づいて、改ざんが困難な信頼性の高いマニフェスト情報を生成することができる。さらに、運搬車両Tの走行経路をリアルタイムで監視できるので不正経路の通行を防止でき、また、経路の交通状況に応じて運搬車両Tの経路を変更できるので、運搬時間の遅滞を防止できる。
【0107】
ところで、本実施形態の廃棄物運搬管理システムは、廃棄物排出現場B、再資源化処理場C、中間処理場D及び最終処分場Eの各々に存在する運搬車両Tを特定し、運搬車両Tの所在の管理を行うことができる。例えば廃棄物排出現場Bで操作されるハンディ端末9bに、係員から入力部217を通じて在車情報の要求指令が入力されると、ハンディ端末9bからセンターサーバ1へ在車情報を要求する旨の在車要求情報が送信される。センターサーバ1が在車要求情報を受信すると在車情報生成部120が起動され、在車情報生成部120は、データベースDBに格納された日時情報に基づいて、廃棄物排出現場Bに存在する運搬車両Tの車両情報を収集する。在車情報生成部120が収集した運搬車両Tの車両情報が、センターサーバ1からハンディ端末9bへ送信され、ハンディ端末9bは表示部216に運搬車両Tの車両情報を表示する。このようにして、廃棄物排出現場Bの係員は、ハンディ端末9bを通して、廃棄物排出現場Bに存在する運搬車両Tの車両情報を知ることができる。また、廃棄物排出現場Bで操作されるハンディ端末9bを通して、他の場所に存在する運搬車両Tの車両情報を収集することも可能である。
【0108】
また、本実施形態の廃棄物運搬管理システムは、ネットワークカメラ10c,10d,10eが撮影した画像を、センターサーバ1の画像処理部123によって解析し、荷台に積載物が存在するか否かを検出する。したがって、再資源化処理場C、中間処理場D及び最終処分場Eから廃棄物が搬出されたことを確認できる。なお、搬送車両Tがダンプトラックである場合、上記ネットワークカメラ10c,・・・によって積荷部分としての荷台が撮影されるが、運搬車両Tがタンク車である場合、タンク車の積荷部分としてのタンク部分が撮影される。この場合、タンク部分が撮影された画像により、運搬される廃棄物の水分量が高いことを把握できる。また、上記ネットワークカメラ10c,・・・は、再資源化処理場C、中間処理場D及び最終処分場Eの車両出口に配置したが、車両入口に配置してもよい。また、車両の積荷部分を撮影するカメラは、廃棄物排出現場Bの車両出口又は車両入口に配置してもよい。
【0109】
上記再資源化処理場Cや中間処理場Dの車両入口にカメラを設置し、運搬車両Tの積荷部分を撮影する場合、センターサーバ1の進路指示部115により、運搬車両Tの再資源化処理場Cや中間処理場Dへの入場を制御することができる。すなわち、運搬車両Tが再資源化処理場Cや中間処理場Dに到着し、路側装置2c,2dが上記運搬車両Tの車載器7と無線通信を行って機器番号を取得して利用車番号を生成し、この利用車番号に基づいてセンターサーバ1のデータベースDBから積荷情報を抽出する。抽出された積荷情報は、運搬車両Tによる運搬の開始時に排出場所や処理場で撮影された画像に基づいて解析された積荷の有無を表す情報であり、例えば、再資源化処理場Cへ到着する前に廃棄物排出現場Bの出口で撮影された画像に基づく積荷情報や、中間処理場Dへ到着する前に再資源化処理場Cの出口で撮影された画像に基づく積荷情報である。この積荷情報が、運搬車両Tによる運搬の後に再資源化処理場Cや中間処理場Dでカメラ10c,10dで撮影された画像に基づく積荷情報と異なる場合、進行制御部としての進路指示部115は、誘導表示装置11を制御して、係員窓口に運搬車両Tを誘導する。これにより、運搬の前後で積荷情報が異なる運搬車両Tの対応を係員に行わせることができる。ここで、運搬の前後で積荷情報が異なる原因は、次のようなものがある。例えば、運搬車両Tが運搬する掘削土等の廃棄物が運搬の途中で不法投棄されることにより、あるいは、空荷の運搬車両Tに無登録の排出場所で廃棄物が積載されることにより、積荷情報が異なることとなる。また、運搬車両Tの車載器7の載せ替えによって車両が異なる場合にも、積荷情報が異なることとなる。このように、運搬車両Tの運搬の前後における積荷情報に基づいて、廃棄物の不法投棄や無断積載や車載器7の積み替えを係員に検査させることにより、不正な処理を防止することができる。
【0110】
上記センターサーバ1に設けられた進行制御部による運搬車両Tの係員への誘導は、進路指示部115が誘導表示装置11を制御して行うほか、運搬車両Tの車載器7に音声で窓口への移動を促す音声指示装置を接続し、この音声指示装置を通じて行ってもよい。すなわち、進行制御部が、誘導に関する誘導情報を、路側装置2bを通じて車載器7に送信し、音声指示装置が誘導情報の内容を読み上げる音声を出力して、運転者に運搬車両Tを係員窓口へ誘導させてもよい。また、運搬車両Tに、無線通信機能を有して音声で係員窓口への移動を促す音声指示装置を設置し、センターサーバに設けられた進行制御部が無線通信機能を用いて音声指示装置へ誘導情報を直接送信してもよい。また、通信装置6が、上記音声指示装置の機能を有してもよい。
【0111】
さらに、進行制御部としての進路指示部115は、センターサーバ1のデータベースDBから抽出した積荷情報に基づいて、積載物情報で表される掘削土を再資源化処理場C内のいずれの処理ピットC1,C2,C3で処理を行うべきであるかを判断し、該当する処理ピットC1,C2,C3を示すピット指示情報を路側装置2cに送信して、再資源化処理場C内の運搬車両Tの進行を制御してもよい。
【0112】
さらに、再資源化処理場Cや中間処理場Dへ到着した運搬車両Tに関し、運搬の前後で積荷情報が異なる場合、入退場制御部114が、運搬車両Tの再資源化処理場Cや中間処理場Dへの入場を拒否する旨の拒否情報を路側装置2cに送信し、拒否情報を受信した路側装置2c,2dが、ゲート制御部214に入口ゲート装置41cを閉じた状態を維持させて運搬車両Tの入場を拒否してもよい。
【0113】
さらに、上記実施形態において、運搬車両Tが再資源化処理場C、中間処理場D及び最終処分場Eから退出する際にカメラ10c,10d,10eで撮影された画像から形成された積荷情報は、この運搬車両Tの到着地の係員が保持するハンディ端末9b,9cに送信するのが好ましい。運搬車両Tの到着地の係員が保持するハンディ端末9b,9cに、運搬車両Tが出発する場所で生成された積荷情報を送信することにより、この運搬車両Tの出発地における廃棄物としての掘削土の積載状況を、上記到着地の係員が把握でき、到着した運搬車両Tの廃棄物の現在の状態と比較することができる。なお、上記ハンディ端末は、廃棄物排出現場B及び再資源化処理場C以外に、中間処理場D及び最終処分場Eの係員に保持させてもよい。
【0114】
本実施形態の廃棄物運搬管理システムでは、運搬車両Tの通信装置6から受信した測位情報に基づいて運搬車両Tが予め定められた運搬経路を通行しているかを確認し、定められた運搬経路を通行していない場合は警告部117で警告を行ったが、運搬車両Tの通行経路の履歴を、運搬車両Tが到着した廃棄物の処理場への進入の可否の判断に用いてもよい。すなわち、廃棄物排出現場Bで廃棄物としての掘削土を積載した運搬車両Tが、再資源化処理場Cに到着すると、再資源化処理場Cの路側装置2cが車載器7との無線通信により利用車番号を生成し、この利用車番号をセンターサーバ1に送信する。センターサーバ1は、利用車番号を受信すると、データベースDBに格納されている経路履歴情報を利用車番号に基づいて抽出する。この経路履歴情報で表される経路が、上記廃棄物排出現場Bから再資源化処理場Cに至る経路として予め定められた運搬経路と一致する場合に、入退場制御部114が、運搬車両Tの再資源化処理場Cへの入場を許可する許可情報を路側装置2cに送信する。一方、上記経路履歴情報で表される経路が予め定められた運搬経路と一致しない場合は、入退場制御部114が、運搬車両Tの再資源化処理場Cへの入場を拒否する旨の拒否情報を路側装置2cに送信する。拒否情報を受信した路側装置2cは、ゲート制御部214が入口ゲート装置41cを閉じた状態を維持し、また、必要に応じて、運搬車両Tに情報を伝達する表示装置等に、進入を拒否する旨を表示する。これにより、廃棄物排出現場Bや再資源化処理場Cの周辺、及び、廃棄物排出現場Bから再資源化処理場Cに至る経路における騒音公害や粉塵公害を防止するために予め定められた運搬経路を通行しないで、再資源化処理場Cに到着した運搬車両Tを、公害防止義務違反として、入場を拒否することができる。なお、運搬車両Tの経路履歴情報に基づく入場の可否の判断は、再資源化処理場C以外に、中間処理場D及び最終処分場Eで行ってもよく、また、再資源化処理場C等を経由して廃棄物排出現場Bに再び入場するときに行ってもよい。
【符号の説明】
【0115】
1 センターサーバ
2b,2c,2d,2e 路側装置
3b,31c,32c,31d,32d,31e,32e DSRCアンテナ
4b,41c,42c,41d,42d,41e,42e ゲート装置
5b,51c,52c,51d,52d,51e,52e トラックスケール
6 運搬車両Tの通信装置
7 車載器
112 認証部
114 入退場制御部
115 進路指示部
111,211 ネットワーク通信部
212 DSRC通信部
213 識別情報変換部
214 ゲート制御部
T 運搬車両
N ネットワーク
DB データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を運搬する運搬車両に搭載され、第1識別情報が格納された車載器と、
廃棄物の排出場所及び廃棄物の処理場に配置され、運搬車両の車載器と無線通信を行って第1識別情報を取得し、取得した第1識別情報を変換して第2識別情報を生成する路側装置と、
路側装置とネットワークを通じて接続され、車載器に格納された第1識別情報が変換されてなる第2識別情報に、運搬車両に関する車両情報と、廃棄物の排出場所に関する排出場所情報と、廃棄物の内容に関する廃棄物情報と、廃棄物の排出場所及び廃棄物の処理場への入出場の日時に関する日時情報と、廃棄物が処理される処理場に関する処理場情報とを関連付けて格納するデータベースを有するセンターサーバと、
上記路側装置が車載器から受信した第1識別情報を変換してなる第2識別情報と、上記センターサーバのデータベースに格納された第2識別情報とを照合して上記車載器の認証を行う認証部と、
上記路側装置が運搬車両の車載器から取得した第1識別情報を変換してなる第2識別情報に基づく認証結果と、上記車両情報と、上記排出場所情報と、上記廃棄物情報と、上記日時情報と、上記処理場情報のうちの少なくとも1つに応じて、廃棄物の排出場所及び/又は廃棄物の処理場における運搬車両の進行を制御する進行制御装置と
を備えることを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記センターサーバのデータベースは、廃棄物の重量に関する重量情報と、廃棄物が処理される処理場に関する処理場情報と、廃棄物の排出業者に関する排出業者情報と、廃棄物の処理業者に関する処理業者情報と、廃棄物の運搬業者に関する運搬業者情報とが上記第2識別情報に関連付けて格納され、
上記センターサーバのデータベースに格納された情報に基づいて、所定の運搬車両による廃棄物の運搬に関連して、上記排出場所情報と、上記廃棄物情報と、上記日時情報と、上記重量情報と、上記処理場情報と、上記排出業者情報と、上記処理業者情報と、上記運搬業者情報を含むマニフェスト情報を生成するマニフェスト情報生成部を有することを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記路側装置が上記車載器と最初に通信を行った際に車載器から受信したワイヤレスコールナンバを、上記車載器から取得した第1識別情報を変換してなる第2識別情報と関連付けてセンターサーバに格納する副登録部と、
上記車載器から受信したワイヤレスコールナンバを用いて認証を行う副認証部と
を備えることを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記センターサーバのデータベースに車両情報が登録されていない未登録の運搬車両に関し、この運搬車両の車載器から路側装置が取得した第1識別情報を、この運搬車両の車両情報と共に、車載器の登録情報を管理する管理サーバに送信して管理サーバの登録情報との照合を依頼し、照合結果が肯定的である場合に、上記未登録の運搬車両の情報をセンターサーバのデータベースに格納させる登録部を備えることを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記認証部による認証結果が否定的である場合、上記路側装置が上記車載器から取得した第1識別情報を変換してなる第2識別情報、車両情報、及び、上記車載器から受信したワイヤレスコールナンバのうちの少なくとも1つを識別情報として、上記車載器を搭載する運搬車両の情報を関連付けてセンターサーバのデータベースに登録する簡易登録部を備えることを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項6】
請求項2又は5に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記センターサーバに格納されていた第2識別情報を、上記車載器から取得した第1識別情報を変換してなる第2識別情報に書き換えて修正する第2識別情報修正部を備えることを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場に進入又は退出する運搬車両のナンバープレートを撮影する撮影装置と、
上記撮影装置で撮影されたナンバープレートの画像から抽出された車両情報と、上記センターサーバのデータベースに登録された車両情報とを照合する撮影情報照合部とを備えることを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場に進入又は退出する運搬車両の積荷部分を撮影する撮影装置を備え、
上記センターサーバのデータベースに、上記撮影装置で撮影された積荷部分の画像から把握される積荷の状況に関する積荷情報が、上記運搬車両の第2識別情報に関連付けられて格納されることを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記運搬車両に搭載され、現在位置を測定すると共に、測定された位置に関する測位情報を送信する測位端末装置と、
上記測位端末装置から送信された測位情報を受信する測位情報受信装置と、
上記測位情報受信装置で受信された測位情報に基づいて検出された上記運搬車両の現在位置が、上記運搬車両が運搬する廃棄物に対応して予め定められた運搬経路から外れているときに、警告情報を出力する警告装置と
を備えることを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記運搬車両が運搬する廃棄物に対応して予め定められた運搬経路に関する交通情報を収集する交通情報収集部と、
上記交通情報収集部が収集した交通情報の内容に応じて、上記運搬車両に、走行経路の変更を指示する経路変更指示部を備えることを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項11】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記進行制御装置は、上記廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場に到着した運搬車両に関して、上記センターサーバのデータベースから抽出された車両情報が、上記排出場所又は処理場への入場許可が予め登録された車両情報と一致する場合に、上記運搬車両の上記廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場への進入を許可することを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項12】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記進行制御装置は、上記廃棄物の処理場に到着した運搬車両に関して、上記センターサーバのデータベースから抽出された排出場所情報が、上記処理場に対応して予め登録された排出場所と一致する場合に、上記運搬車両の上記廃棄物の処理場への進入を許可することを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項13】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記認証部による車載器の認証結果と、この認証結果に関して上記車載器と無線通信が行われた位置の情報とに基づいて、上記車載器が搭載された運搬車両の走行経路の履歴を表す経路履歴情報を記録する経路履歴記録部を備え、
上記進行制御装置は、上記廃棄物の排出場所又は処理場に到着した運搬車両に関して、上記経路履歴記録部に記録された経路履歴情報が、上記排出場所又は処理場に対応して予め定められた走行経路と一致する場合に、上記運搬車両の上記廃棄物の排出場所又は処理場への進入又は退出を許可することを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項14】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記進行制御装置は、上記廃棄物の処理場に到着した運搬車両に関して、上記センターサーバのデータベースから抽出された日時情報に基づいて算出された運搬経過時間が、基準の時間範囲から外れる場合に、上記運搬車両を係員に誘導することを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項15】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記廃棄物の排出場所及び処理場に配置され、廃棄物を積載した運搬車両の重量を計測する重量計測装置を備え、
上記センターサーバのデータベースは、上記重量計測装置によって計測された廃棄物及び運搬車両の重量に関する重量情報を、上記第2識別情報に関連付けて格納する重量情報格納領域を有し、
上記進行制御装置は、上記廃棄物の処理場に到着した運搬車両に関して、上記センターサーバのデータベースの重量情報格納領域に格納された重量情報が運搬の前後の間で実質的に一致し、かつ、上記センターサーバのデータベースに格納された廃棄物情報が運搬の前後の間で実質的に一致する場合に、上記運搬車両の上記処理場への進入を許可することを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項16】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記廃棄物の処理場は、複数の種類の廃棄物に夫々対応して処理を行う複数の処理領域を有し、
上記進行制御装置は、上記廃棄物の処理場に到着した運搬車両に関して、上記センターサーバのデータベースに格納された廃棄物情報に対応する処理を行う処理領域へ、上記運搬車両を誘導することを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項17】
請求項16に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記進行制御装置は、上記廃棄物の処理場に到着した運搬車両に関して、上記センターサーバのデータベースに格納された日時情報に基づいて算出された運搬経過時間に対応する処理を行う処理領域へ、上記運搬車両を誘導することを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項18】
請求項1に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記センターサーバのデータベースに、廃棄物の重量に関する重量情報と、廃棄物の排出業者に関する排出業者情報と、廃棄物の運搬業者に関する運搬業者情報と、廃棄物を運搬する運搬車両の走行経路の履歴を表す経路履歴情報とが上記第2識別情報に関連付けて格納され、
上記廃棄物の排出場所又は廃棄物の処理場に進入した運搬車両に関し、上記認証部による認証結果と、上記センターサーバのデータベースに格納された車両情報と、排出場所情報と、廃棄物情報と、日時情報と、上記重量情報と、上記排出業者情報と、上記運搬業者情報と、上記経路履歴情報とのうちの少なくとも一つを表示する情報端末を備えることを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項19】
請求項18に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記情報端末は、上記廃棄物情報に対応する積載物情報の修正入力、上記車両情報の修正入力、上記車載器を搭載する運搬車両の簡易登録を指示する入力、及び、上記第2識別情報の修正を指示する入力のうちの少なくとも1つを入力する入力部を有することを特徴とする廃棄物運搬管理システム。
【請求項20】
請求項2に記載の廃棄物運搬管理システムにおいて、
上記廃棄物の排出場所又は処理場は、工程の進行に伴って廃棄物が排出又は処理される工事現場を含み、
上記工事現場の工程の進捗に関する進捗情報を取得する進捗情報取得部と、
上記工事現場から上記運搬車両が搬出した廃棄物又は処理場で処理された廃棄物に関して上記センターサーバのデータベースに格納された廃棄物情報及び重量情報と、上記進捗情報取得部が取得した進捗情報とを照合する進捗情報照合部とを備えることを特徴とする廃棄物運搬管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−190281(P2012−190281A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53496(P2011−53496)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(505413255)阪神高速道路株式会社 (46)
【出願人】(397005903)財団法人関西環境管理技術センター (1)