説明

建物の建築情報の提供システム

【課題】建物の建築依頼者が、建築費などの情報を建築供給者から透明性をもって直接早期に入手が可能であるとともに、建築供給者も建築案件に関する情報を容易に得ることができる建物の建築情報の提供システムを実現する。
【解決手段】インターネット100と接続されたサーバーの各記憶装置41,51,61に、建築依頼者および建築供給者の住所氏名等や、あらかじめ建築案件の設計図から算出された工事種別毎の積算数量を記憶する。インターネット100と接続された端末装置の表示部において工事種別毎の積算数量を表示する。建築供給者は、端末装置の表示部における画面から建築案件の工事種別毎の単価を入力し、入力された単価はサーバーの記憶装置71に記憶するとともに、端末装置の表示部において表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建物の建築情報の提供システムに関する。具体的には、建物の建築を依頼する者において、建築を供給する者から建築費を主とする建築に関する情報を透明性をもって直接かつ早期に入手することができるとともに、施工をする建築供給者にとっても建築案件に関する情報を容易に得ることができる建物の建築情報の提供システムを提供せんとするものである。
【背景技術】
【0002】
住宅などの建物の建築の依頼を企図する者は、従来は、出版物やチラシ広告等の印刷物などから建物に関する情報を得たり、あるいは、建物の展示場に足を運んだうえで、ハウス・メーカーの営業斡旋を受けることにより、建物の建築を依頼している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、印刷物からの情報やハウス・メーカーの営業斡旋に基づいて建物の建築を依頼する従来の方法によると、建物建築における屋根工事・外壁工事などの各種別の工事を行う施工業者への依頼については、建築依頼者(施主)には決定権がなく、建築供給者であるハウス・メーカー側の判断で一方的に決定されている。
【0004】
その結果、大手ハウス・メーカーからの中小ハウス・メーカーへの下請け発注に伴う紹介手数料や経費の上乗せなど、本来は建築には必要としない費用が発生して建築価格を上昇させる事態を招くという解決すべき課題があった。
【0005】
また、建築依頼から実際に建築請負契約を締結するまでには、数週間から数カ月程度の期間を要し、例えば、契約締結に至る建築供給者は最終的には1業者のみであっても、その前に、建築依頼者は、複数の建築供給者に対して建築費用の見積書や図面の作成を依頼して、建築費用等について対比をすることから、そのための余分な手数と時間がかかってしまうという未解決の課題があった。
【0006】
さらには、建築依頼者が建築に関する専門知識を有しないことを奇貨として、根拠のない見積価格を提示したり、あるいは、各建築供給者間で見積価格にばらつきがあったりして、当該建築情報に対しての信頼性低下による建築供給者への不信感や各建築供給者毎の異なる積算数量や単価による価格帯についての混乱が、建築依頼者側に生じるという解決すべき課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、上記課題に照らし、本発明はなされたものである。そのために、本発明では、画面を送信するプログラムおよび入力された文字情報から所定の情報を検索するプログラムを含むメイン・プログラムと地域毎に設定された最低入札価格および最低入札価格に乗ずる係数を記憶する記憶手段、建築依頼者の会員情報を記憶する記憶手段、建築供給者の業者情報を記憶する記憶手段、少なくとも建築案件の工事種別毎の積算数量を記憶する記憶手段および少なくとも建築供給者からの工事種別毎の単価を記憶する記憶手段を有する、インターネットと接続されたサーバー手段と、サーバー手段より送信される画面を表示する表示手段と文字情報および工事種別毎の単価を入力する入力手段を有する、インターネットと接続された端末手段とにより構成され、入札する建築供給者が端末手段における入力手段を介して入力する工事種別毎の単価に工事種別毎の積算数量を乗じて算出される入札価格であって設定された最低入札価格に係数を乗じた価格以下でないもののうち最も低い工事種別毎の入札価格および最も低い工事種別毎の入札価格を合算した合計最低入札価格を少なくとも表示する建築案件毎の画面をサーバーが送信するように構成した。
【発明の効果】
【0008】
本発明によるならば、各種別の工事毎に、建築依頼者と、建築依頼者が所在する地域で事業を営む施工業者とが直接に契約を締結することができるようになるので、建築依頼者にとっては、つぎのような効果がある。すなわち、下請け発注に伴う紹介手数料や経費の上乗せなどの本来は建築には不要な費用の発生による建築価格の上昇を抑制することができる。のみならず、施工業者間の価格競争が惹起されることにより、建築費用の一層の低価格を実現することができる。
【0009】
また、入札価格低下への期待感の下に、入札状況の変移をリアルタイムで掌握することができるとともに、入札が完了すれば、直ちに施工業者との契約締結の段階に移れることから、契約締結に至るまでの期間を短縮することが可能となる。さらには、積算数量は、コンピュータ・ソフトウェアにより算出された数値を統一的に用いるので、積算数量が施工業者毎に異なるという事態を回避することができる。このことは、とくに建築依頼者は建築に関しては専門知識を有しない個人が多いことから、そのような建築依頼者にとっては、著しく有益である。
【0010】
他方、建築供給者にとっては、つぎのような効果がある。すなわち、小規模な事業を展開する建築供給者であっても、工事請負契約締結の可能性の機会を増やすことが可能となる。また、建築供給者の受注量が増えれば、建築供給者が所在する地域の活性化にも寄与することになる。したがって、本発明によりもたらされる効果は、極めて大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、文字情報から所定の情報を検索する検索用プログラムなどを含むメイン・プログラムと地域毎に設定された最低入札価格およびこれに乗ずる係数を記憶する記憶装置、建築依頼者の会員情報を記憶する記憶装置、建築供給者の業者情報を記憶する記憶装置、建築案件の工事種別毎の積算数量などを記憶する記憶装置および建築供給者からの工事種別毎の単価などを記憶する記憶装置を有するサーバーと、サーバーより送信される画面を表示する表示部と工事種別毎の単価などを入力する入力部を有する端末装置とにより構成され、入札する建築供給者が端末装置における入力装置を介して入力する工事種別毎の単価に工事種別毎の積算数量を乗じて算出される入札価格であって設定された最低入札価格に係数を乗じた価格以下でないもののうち最も低い工事種別毎の入札価格および最も低い工事種別毎の入札価格を合算した合計最低入札価格を少なくとも表示する建築案件毎の画面をサーバーが送信するように構成されている。以下、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0012】
本発明の一実施例の構成を、図1に示し説明する。ここで、図1は、本実施例における建物の建築情報の提供システム全体の構成概念を示す構成概念図である。
【0013】
図1において、10は、本発明による建物の建築情報の提供システム全体を管理するサーバーであり、通信回線網であるインターネット100に接続している。また、201ないし204は、本システムを利用する建築依頼者(施主)および建築供給者(施工業者)が使用する、CRT(陰極線管)あるいはLCD(液晶ディスプレイ)などの表示部およびキーボードやマウスなどの入力部を有する端末装置であり、インターネット100に接続している。
【0014】
図2は、本システムを管理するサーバー10の回路構成を示している。図中、20は、CPU(中央処理装置)などを用いた制御装置であり、サーバー10各部の動作制御、データの転送、種々の演算、データの一時的な格納などを行う。この制御装置20には、出力制御部80および入力制御部90がそれぞれ接続されている。出力制御部80は、インターネット100と接続した端末装置201〜204(図1)に送出する制御装置20からのデータの出力制御をし、入力制御部90は、インターネット100を介して制御装置20に入力する端末装置201〜204からのデータの入力制御をする。
【0015】
また、制御装置20には、各記憶装置30,40,50,60,70がそれぞれ接続されており、1つの記憶装置30には、制御装置20が実行するメイン・プログラム31が記憶される。メイン・プログラム31は、端末装置201〜204の表示部にメニュー画面を表示させるプログラム、建築供給者が文字検索により必要な情報を得るための検索用プログラム、端末装置201〜204の表示部に入札状況を表示するプログラムなどにより構成される。また、この記憶装置30には、端末装置201〜204より送られてくる所定の情報が、一時的に記憶される。
【0016】
他の各記憶装置40,50,60,70には、会員ファイル41、業者ファイル51、建築情報ファイル61および入札ファイル71が、それぞれ記憶される。会員ファイル41は、図3(a)に示すように、建築依頼者に付与される会員登録番号によって統括され、会員ID、パスワード、建築依頼者の住所・氏名・希望する間取り・建築予定地などの情報(以下、「会員情報」という。)を集積するファイルである。この会員情報は、建築依頼者が、端末装置201〜204からインターネット100を介して会員ファイル41に書き込むが、本システムの運営者(以下、「システム運営者」という。)が、その管理するコンピュータ(以下、「運営者コンピュータ」という。)から補充的に書き込むこともある。
【0017】
業者ファイル51は、図3(b)に示すように、建築供給者に付与される業者登録番号によって統括され、業者ID、パスワード、建築供給者の住所・名称・工事種別・資本金などの情報(以下、「業者情報」という。)を集積するファイルである。この業者情報は、システム運営者が、運営者コンピュータからインターネット100を介して業者ファイル51に書き込む。
【0018】
建築情報ファイル61は、図3(c)に示すように、建築案件の建築情報に付与される建築情報番号によって統括され、物件ID、建築設計図より割り出された屋根工事・外壁工事・設備工事等の工事種別毎の積算数量などの情報を集積するファイルである。ここにおける情報は、システム運営者が、運営者コンピュータからインターネット100を介して建築情報ファイル61に書き込む。
【0019】
入札ファイル71は、図3(d)に示すように、建築案件毎の入札に付与される入札登録番号によって統括され、入札ID、案件番号、工事種別単位で発生する工事単価などの建築供給者からの入札に係るデータを集積するファイルである。この入札に係るデータは、建築供給者が、端末装置201〜204からインターネット100を介して入札ファイル71に書き込む。
【0020】
以上のような構成要素からなる本システムにおいては、建築依頼者の建築案件に係る工事種別毎の積算数量を、建築供給者に情報として提供することが必要となる。この工事種別毎の積算数量についての情報は、サーバー10の建築情報ファイル61に記憶される。そこで、積算数量についての情報を建築情報ファイル61に記憶させる場合の処理の流れについて、図4のフローチャートにより説明する。
【0021】
図4において、まず、システム運営者が、あらかじめ建築依頼者の希望間取りを基に作成された建築案件の建築設計図から工事種別毎の積算数量を求める(S101)。積算数量は、建築設計図から積算数量を算出するための既知のコンピュータ・ソフトウェアを用いて求める。
【0022】
積算数量が求められたならば、これをシステム運営者が運営者コンピュータに入力装置を介して入力する(S102)。ついで、入力された積算数量が正しいか否かが問われる(S103)。正しくない場合は(S103N)、ステップS101からの作業を繰り返す。
【0023】
ステップS103において、入力された積算数量が正しい場合は(S103Y)、出品物である建築案件の利点などをアピールする出品アピール、建築予定地等の文字情報を運営者コンピュータに入力する(S104)。入力が完了したならば、当該文字情報をサーバー10の建築情報ファイル61にオンライン伝送により入力して記憶させる(S105)
【0024】
そこで、サーバー10の建築情報ファイル61への文字情報の入力が完了したか否かが問われる(S106)。完了していなければ(S106N)、ステップS104からの作業を繰り返し、完了しているのであれば(S106Y)、建築供給者にとって必要な情報はサーバー10の建築情報ファイル61に記憶されたので、作業を終了する。
【0025】
以上のようにして、建築案件の工事種別毎の積算数量についての情報が提供されると、これに対して、建築供給者が工事種別毎に入札を行うことになる。その場合、建築供給者からの工事種別毎の単価についての情報は、サーバー10の入札ファイル71に記憶される。そこで、工事種別毎の単価についての情報を入札ファイル71に記憶させる場合の処理の流れについて、図5のフローチャートにより説明する。
【0026】
図5において、システム運営者は、最低入札価格と、有効最低入札価格を算出するための最低入札価格に乗ずる係数を設定する(S201)。これは、入札価格が極度に低い場合の建築工事の質・建築物の品質に対する建築依頼者の不安感を解消して、その信頼性を確保するためのものである。最低入札価格と、これに乗ずる係数は、それぞれの地域の事情が異なることを考慮して設定するが、下記表1は、その一例を示すものである。
【0027】
【表1】

【0028】
上記表1は、入札した建築供給者が、東京都に所在する業者である場合と、北海道に所在する業者である場合とを例として示している。ここにおける有効最低入札価格を算出するための係数は、建築地域の標準単価、建築規模、建築依頼者の自己資金額などの諸要素を総合的に勘案して、システム運営者が設定する。設定された最低入札価格と係数は、運営者コンピュータを介してサーバー10のメイン・プログラム31に記憶される。
【0029】
図5において、最低入札価格と係数が設定されたならば、入札が行われる(S202)。その場合、建築供給者の端末表示部には入札画面が表示されるが、これについては後述する。
【0030】
建築供給者からの入札が行われると、その入札価格が有効最低入札価格(最低入札価格×係数)以下か否かが問われ(S203)、有効最低入札価格以下でなければ(S203N)、入札期限に到達したか否かが問われる(S204)。
【0031】
そこで、入札期限に到達していなければ(S204N)、入札期限のn(nは正数)分前か否かが問われる(S205)。入札期限のn分前であれば(S205Y)、入札期限をm(mはm=nである場合を含む正数)分延長し(S206)、有効な入札として入札価格を表示して(S207)、ステップS202からの作業を繰り返す。
【0032】
ステップS205において、入札期限のn分前でなければ(S205N)、有効な入札として入札価格を表示して(S207)、ステップS202からの作業を繰り返す。
【0033】
他方、ステップS203において、入札価格が有効最低入札価格以下であれば(S203Y)、これを無効な入札とし(S208)、入札終了直前の入札まで有効として(S209)、作業を終了する。また、ステップS204において、入札期限に到達している場合は(S204Y)、これを無効な入札とし(S208)、入札終了直前の入札まで有効として(S209)、作業を終了する。
【0034】
つぎに、以上説明した本システムによる入札が行われる場合の、建築供給者および建築依頼者のそれぞれの端末表示部における表示画面について、図6ないし図9により説明する。なお、図1に示した各端末装置201〜204のうち、ここでは、建築供給者は端末装置201を使用し、建築依頼者は他の端末装置203を使用するものとする。
【0035】
図6ないし図8は、建築供給者の端末装置201の表示部における表示画面を示している。建築供給者が端末装置201を起動させて、インターネット100(図1)を介して端末装置201とサーバー10が接続されると、制御装置20(図2)は、記憶装置30に記憶されたメイン・プログラム31から命令データを読み出し、これに従って端末装置201を制御し、端末装置201の表示部においては、図6(a)に示す、トップ画面であるメイン・メニュー画面が表示される。
【0036】
このメイン・メニュー画面には、「会員ログイン」および「業者ログイン」の各ボタンが設けられており、表示されたマウス・カーソルをいずれかのボタンの表示領域に位置させてクリックすれば、そのボタンに表示された処理を行うようになっている。
【0037】
そこで、入札する建築供給者が、付与された業者IDおよびパスワードを用いて「業者ログイン」ボタンをクリックしてログインすると、図6(b)に示す、建築供給者が利用するメニューを表示する業者メニュー画面に遷移する。この業者メニュー画面には、「案件検索」および「入札状況」の各ボタンが設けられており、「案件検索」ボタンをクリックすると、図7(a)に示す、建築案件に係る情報を表示する案件検索画面に遷移する。
【0038】
この案件検索画面の上部には、建築案件が所在するエリアを選択するための選択ボックスと、入札受付中か入札終了かを選択する選択ボックスと、検索を実行する「検索する」ボタンとが設けられている。
【0039】
例えば、図示するように、目的エリアとして「東京都」を選択するとともに、「入札受付中」を選択して「検索する」ボタンをクリックすると、案件番号、エリアおよび工事名称を示す情報が表示される。これらの情報の中から、例えば、A邸工事の詳細内容を知りたい場合は、表示画面中の「A邸工事」の右側に設けられている「案件詳細」ボタンをクリックする。
【0040】
「案件詳細」ボタンをクリックすると、図7(b)に示す、建築案件の詳細内容を表示する案件詳細画面に遷移する。この案件詳細画面には、工事種別、積算数量、単価および入札が決定したか否かを示す情報が表示される。
【0041】
ここで、図中の単価を表示する単価ボックスには、既に表示されている価格よりも低い価格で入札する場合は、屋根工事業者、外壁工事業者、設備工事業者などが、該当する単価ボックス内にそれぞれ入札価格を入力する。図示する例は、各種別の工事の最低単価がそれぞれ5万円であり、その単価で入札が決定していることを示している。なお、図中の「入札決定」は、入札期限に到達した場合において、有効最低入札価格が存在するときに、サーバー10のメイン・プログラム31からの命令データを読み出した制御装置20の制御によって表示される。
【0042】
他方、図6(b)に示した業者メニュー画面において、「入札状況」ボタンをクリックすると、図8に示す、建築案件についての現在の入札状況の大要を表示する入札状況画面に遷移する。すなわち、建築案件の案件番号、建築案件が所在するエリア、工事名称、工事種別、入札価格および最低価格が、入札状況画面に表示される。
【0043】
このように、建築供給者が本システムを利用するならば、自己が施工を所望する工事種別毎の、しかも地域毎の建築案件の情報を容易に得ることができるとともに、他の同業者の入札価格の動向、入札受付中か入札は既に終了しているか等の情報も入手することが可能となる。
【0044】
図9は、建築依頼者の端末装置203の表示部における表示画面を示している。建築依頼者が、端末装置203を起動させて、インターネット100を介してサーバー10と端末装置203が接続されると、サーバー10の制御装置20の制御によって、端末装置203の表示部においては、図9(a)に示す、トップ画面であるメイン・メニュー画面(図6(a)の画面と同一)が表示される。
【0045】
このメイン・メニュー画面において、会員IDおよびパスワードを用いて建築依頼者が、「会員ログイン」ボタンをクリックしてログインすると、図9(b)に示す、建築依頼者が利用するメニューを表示する会員メニュー画面に遷移する。この会員メニュー画面には、「逆オークション入札状況」ボタンが設けられており、このボタンをクリックすると、図9(c)に示す、工事種別毎に建築供給者からの入札価格のうちの最も低い入札価格などを表示する入札一覧画面に遷移する。
【0046】
この入札一覧画面には、工事種別毎に入札件数および最低入札価格が表示されるとともに、現時点での各工事種別の最低入札価格を合算した最低合計入札価格が表示される。例えば、「外壁工事(3) 5,000,000」の表示は、外壁工事の入札件数は3件であり、最低入札価格が5百万円であることを示しており、「現在15,000,000」は、現時点で千五百万円が最低合計入札価格であることを示している。
【0047】
また、この入札一覧画面において、工事種別の表示領域をクリックすると、図9(d)に示す、当該種別の工事の入札に係る情報を表示する入札履歴画面に遷移する。この入札履歴画面には、入札順序、業者名および入札価格が表示される。例えば、「[2] 業者B 5,300,000」は、2番目に入札した建築供給者は業者Bであり、入札価格は5百3十万円であることを示している。
【0048】
このように、建築依頼者が本システムを利用するならば、屋根工事・外壁工事・設備工事などの工事種別毎の最低入札価格、これらを合算した最低合計入札価格、業者名などの入札に係る情報を、建築供給者から直接かつ早期に、しかも、透明性をもって入手することができることになる。
【0049】
以上説明した本システムを建築依頼者および建築供給者が利用することによって、建築案件の各種別の工事についての入札が決定したならば、建築依頼者と各工事種別の施工業者とは、それぞれ建築請負契約の締結について別途協議することになる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施例における建物の建築情報の提供システム全体の構成概念を示す構成概念図である。
【図2】図1に示したサーバーの回路構成を示す回路構成図である。
【図3】図2に示した各記憶装置に記憶されるファイルの内容を説明するための説明図である。
【図4】図3に示した建築情報ファイルに建築案件の積算数量についての情報を記憶する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図3に示した入札ファイルに工事種別毎の単価についての情報を記憶する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】建築供給者の端末装置の表示部における画面を示す表示図である。
【図7】建築供給者の端末装置の表示部における他の画面を示す表示図である。
【図8】建築供給者の端末装置の表示部におけるさらに他の画面を示す表示図である。
【図9】建築依頼者の端末装置の表示部における画面を示す表示図である。
【符号の説明】
【0051】
10 サーバー
20 制御装置
30,40,50,60,70 記憶装置
31 メイン・プログラム
41 会員ファイル
51 業者ファイル
61 建築情報ファイル
71 入札ファイル
80 出力制御部
90 入力制御部
100 インターネット
201〜204 端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面を送信するプログラムおよび入力された文字情報から所定の情報を検索するプログラムを含むメイン・プログラムと地域毎に設定された最低入札価格および前記最低入札価格に乗ずる係数を記憶するための第1の記憶手段(30)、建築依頼者の会員情報を記憶するための第2の記憶手段(40)、建築供給者の業者情報を記憶するための第3の記憶手段(50)、少なくとも建築案件の工事種別毎の積算数量を記憶するための第4の記憶手段(60)および少なくとも前記建築供給者からの前記工事種別毎の単価を記憶するための第5の記憶手段(70)を有する、インターネット(100)と接続されたサーバー手段(10)と、
前記サーバー手段より送信される前記画面を表示するための表示手段と前記文字情報および前記工事種別毎の単価を入力するための入力手段を有する、前記インターネットと接続された端末手段(201〜204)とからなり、
入札する前記建築供給者が前記端末手段における前記入力手段を介して入力する前記工事種別毎の単価に前記第4の記憶手段に記憶された前記工事種別毎の積算数量を乗じて算出される入札価格であって前記設定された最低入札価格に前記係数を乗じた価格以下でないもののうち最も低い前記工事種別毎の前記入札価格および前記最も低い前記工事種別毎の前記入札価格を合算した合計最低入札価格を少なくとも表示する前記建築案件毎の前記画面を前記サーバーが送信するように構成された建物の建築情報の提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−48592(P2009−48592A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−216742(P2007−216742)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(504069200)ウィンズホーム株式会社 (2)