説明

建築内外装用ペーパーパネルボード

【課題】従来の石膏ボードは割れやすく、重いという短所があった。この短所を有する、石膏ボードにとって替わるだけでなく、石膏ボード以上に使用用途が多種多様に渡り、施工に関して圧倒的に扱いやすい、建築内外装用パネルボードを提供する。
【解決手段】ハニカム構造を有する紙の両面を紙で挟み込んだ構造のペーパーハニカムボードを用い、更に硬質な素材と断熱材を敷設することで、強度と軽量性と断熱性を併せ持つペーパーパネルボードを形成するものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築内外装用ペーパーパネルボードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅の壁や天井の施工には石膏ボードが大量に採用されている。
【0003】
これは石膏ボードが非常に安価な製品であり、収縮や変形も少なく、更には断熱・防火の性能により、施工箇所が限定されないからである。
【0004】
しかし、石膏ボードは、割れやすく、重量が重いという短所がある。
【0005】
上記の割れやすく、重量が重いという石膏ボードの短所は、施工する側にとっては、大きな課題であり、特に天井部への施工には非常に神経を使う作業となり、作業効率の悪いものである。
【0006】
上記のように弱点を持つ、石膏ボードを改良する為の発明、ならびに石膏ボードに替わる製品の発明、開発がなされてきた。
【特許文献1】特開2004−92329号公報
【特許文献2】特開2003−293515号公報
【特許文献3】特開2005−171744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の内外装材として広く多くに採用されている石膏ボードと同等の機能を有し、なおかつ、割れやすく、重量が重いという石膏ボードの短所をなくし、作業効率が大幅に上昇し、切削加工にも優れ、意匠性に優れ、使用用途が従来の石膏ボードよりも広がる、建築内外装用パネルボードを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明における建築内外装用ペーパーパネルボードは、材質が紙であることが最大の特徴であり、石膏ボードで問題となっていた、重量の重さを解決し、更には使用用途が広がる。
【0009】
本発明における建築内外装用ペーパーパネルボードは、ハニカム構造を有するために、材質が紙であるにも関わらず、建築材として必要な強度を保持することが可能である。
【0010】
実際に、耐火ドアの芯材として採用されている実績もあり、その他各種建築材として採用されている為、建築材としての強度的に十分対応できることは明らかである。
【0011】
又、芯材の強度が建材の強度を満たすものであるにも関わらず、紙製であるので、緩衝性・意匠性に優れており、床材や化粧材として使用することにも適している。
【0012】
更に、紙製であるために、切削加工に優れ、石膏ボードのように石膏の粉が飛散し、作業箇所周辺・施工者が汚れることがない。
【0013】
前述の切削加工に優れる点から、内外装の一部改修に際する、取り壊し等の工事の手間が省け、作業効率が格段に上がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本請求項1における、本発明のペーパーパネルボードを図1のように箱構造にすることで、平たい一面構造のペーパーパネルボードと比べ、四隅の強度を大幅に増している。
【0015】
更には、本請求項2、3において、図2のように、敷設する硬質な素材からなる板や断熱材をはめ込むことが出来る構造になっており、敷設される硬質な素材からなる板や断熱材が上下左右にずれることを防ぐ機能を有している。
【0016】
本請求項2における、硬質な素材からなる板は本発明のペーパーパネルボードを釘打ち固定する際に、より強固に固定することを目的としている。
【0017】
本請求項2における、硬質な素材からなる板において、素材を特に限定することはない。
【0018】
ただし、重量が軽いという、本発明のペーパーパネルボードの特性を活かすには、重量の軽い材質を採用することが望ましい。
【0019】
本請求項2における、硬質な素材からなる板において、形状を特に限定することはない。
【0020】
ただし、重量が軽いという、本発明のペーパーパネルボードの特性を活かすには、図4のように、戸や障子の骨格のような格子構造を有する板を採用することが望ましい。
【0021】
なお、上記のように格子構造を有する板を採用する場合、図5のように、釘打ち可能箇所として、表面に表記しておくと、更に施工しやすくなる。
【0022】
本請求項2、3において、敷設される硬質な素材からなる板や断熱材の敷設方法は特に限定しない。
【0023】
硬質な素材からなる板や断熱材を本発明のペーパーパネルボードに敷設する方法は特に限定しない。
【0024】
ただし、硬質な素材からなる板や断熱材を本発明のペーパーパネルボードに、図4のように敷設することが、重量が軽いという、本発明のペーパーパネルボードの特性を活かすには、最も望ましい。
【0025】
本発明のペーパーパネルボードを使用するにあたっては、防水・防湿・撥水・不燃の機能を付与することが最良の使用方法となる。
【0026】
防水・防湿・撥水・不燃の機能が付加されることにより、建築法により施工箇所を制限されることなく、オールマイティな建材として内外壁・天井・床など様々な用途で使用することが可能となる。
【0027】
本発明請求項3において、敷設する断熱材は、断熱性能が高く、重量の軽いものを採用することが望ましい。
【0028】
上述のように、断熱性能が高く、重量の軽い特性を持つ断熱材をペーパーパネルボードに敷設することで、本発明のペーパーパネルボードの、重量が軽く、施工しやすいという長所を失うことなく、活かすことが可能となる。
【0029】
特に、本発明のペーパーパネルボードに敷設する断熱材には、エアキャップを使った断熱材を採用することが本発明のペーパーパネルボードの特性を最大限に活かす意味で望ましい。
【0030】
エアキャップを使った断熱材に関して、エアキャップを単体で使う場合、エアキャップを複層構造にする場合、遮熱効果に優れる金属箔を貼り付けて使う場合など、様々な使用方法が考えられる為、特に使用方法を限定することはない。
【0031】
又、上記の「遮熱効果に優れる金属箔を貼り付けて使う場合」の金属箔の貼り付け方法に関して、特に方法を限定することはない。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の建築内外装用ペーパーパネルボードは、石膏ボードと同等の機能性能を持ち、更には軽量であり、切削加工に優れるという特徴から、施工が楽でスピーディーになることで、作業工数の削減・人件費の削減が可能になる。
【0033】
又、紙製であることから、安価な建築内外装用ペーパーパネルボードを提供することが可能となる。
【0034】
更には、紙製であることの最大のメリットとして意匠性に優れるため、建築デザイナーやユーザーの希望した意匠を実現することが可能である。
【0035】
又、本発明の建築内外装用ペーパーパネルボードの材料として、再生紙や古紙を利用することで、リサイクルによる資源の有効利用が可能となる。
【0036】
製品の寸法に関しては、内外装用建築材料として市場に出ているものの寸法を採用することで、従来の設計・施工手順に則した建築物に対して利用することが可能である。
【0037】
上述のように、製品の寸法を設定するが、切削加工に優れる本発明のペーパーパネルボードの特性を活かすことで、特殊な形状にも対応可能である。
【0038】
更に、紙製である為、転倒時の衝撃が緩衝され、乳幼児や高齢者にとって、安心して使用できる床材となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本請求項1の、箱構造を有する建築内外装用ペーパーパネルボード
【図2】本発明で用いるペーパーハニカムの構造
【図3】本請求項2、3の、硬質な素材や断熱材の建築内外装用ペーパーパネルボードへの敷設方法
【図4】本請求項3の、硬質な素材や断熱材の建築内外装用ペーパーパネルボードへの敷設方法例
【図5】本発明の建築内外装用ペーパーパネルボードの釘打ち箇所表記例
【符号の説明】
【0040】
1紙
2ペーパーハニカム
3建築内外装用ペーパーパネルボードへ敷設される、硬質な素材や断熱材
4建築内外装用ペーパーパネルボードへ敷設される、硬質な素材
5建築内外装用ペーパーパネルボードへ敷設される、断熱材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカム構造を有する紙の両面を紙で挟み込んだ構造のペーパーハニカムボードを用い、箱構造を有することを特徴とする建築内外装用ペーパーパネルボード。
【請求項2】
ハニカム構造を有する紙の両面を紙で挟み込んだ構造のペーパーハニカムボード、もしくは本請求項1記載の建築内外装用ペーパーパネルボードに、硬質な素材からなる板を敷設する構造を有することを特徴とする建築内外装用ペーパーパネルボード。
【請求項3】
断熱材を、本請求項1、2記載の建築内外装用ペーパーパネルボードに敷設する構造を有することを特徴とする建築内外装用ペーパーパネルボード。
【請求項4】
防水機能を有する材料からなることを特徴とした、本請求項1、2、3記載の建築内外装用ペーパーパネルボード。
【請求項5】
防湿機能を有する材料からなることを特徴とした、本請求項1、2、3、4記載の建築内外装用ペーパーパネルボード。
【請求項6】
撥水機能を有する材料からなることを特徴とした、本請求項1、2、3、4、5記載の建築内外装用ペーパーパネルボード。
【請求項7】
不燃機能を有する材料からなることを特徴とした、本請求項1、2、3、4、5、6記載の建築内外装用ペーパーパネルボード。
【請求項8】
不燃剤を含浸させることを特徴とした、本請求項1、2、3、4、5、6記載の建築内外装用ペーパーパネルボード。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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