説明

建設機械の制御装置

【課題】建設機械が行う各種作業の内容に適合した所望のレバー操作性を得るようにする。
【解決手段】操作レバーが操作されたときに、必要に応じてスイッチ操作により、2つの油圧ポンプのうち一方の油圧ポンプと作業機との間の圧油供給路に設けられた操作弁をオンオフさせ、操作レバーが単位操作量だけ操作された際の作業機のスピード変化の大きさを変化させる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】操作レバーの操作に応じて作業機を駆動するようにした建設機械にあっては、操作レバーの一定単位操作量あたりに、作業機を駆動する油圧アクチュエータへ供給される圧油流量の大きさ(油圧ポンプの吐出流量の大きさ)によって、操作レバーの操作性が変化する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来、操作レバーの操作ストロークと油圧ポンプの吐出流量Qとの関係は、第19図のaに示すごとく一義的なものに定まっており、操作レバーの操作性を作業種類に応じて変化させることができないことになっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の目的はかかる従来の問題点を解決することにあり、そのため本発明では、エンジンによって駆動される2つの油圧ポンプと、前記2つの油圧ポンプと作業機との間の両圧油供給路にそれぞれ設けられ、操作レバーの操作量に応じた流量の圧油を前記作業機に供給する操作弁とを有し、前記操作レバーの操作に応じて前記作業機を駆動するようにした建設機械において、前記操作レバーが操作されたときに、前記2つの油圧ポンプのうち一方の油圧ポンプと前記作業機との間の圧油供給路に設けられた操作弁をオフする制御手段と、スイッチオン操作に応じて前記制御手段を作動させるとともに、スイッチオフ操作に応じて前記制御手段の作動状態を解除するスイッチとを具えるようにしている。
【0005】上記制御手段は、スイッチオンされることでポンプを分離させる機能が働く制御手段である。
【0006】すなわち、負荷の大きい作業を行うときには、操作レバーが単位操作量操作された際の作業機のスピード変化は大きいことが操作レバーの特性上望ましい。このような特性は2つのポンプを合流することによって得られる(本願の第19図の特性a)。そこで、高負荷の作業を行う場合に、スイッチオフ操作、つまり制御手段をオフしてポンプ分離機能をオフさせることで、高負荷作業に適合した特性を得るようにしている。
【0007】一方、負荷の小さい作業を行うときには、操作レバーが単位操作量だけ操作された際の作業機のスピード変化は小さい方が、微操作作業を行う上で望ましい。このような特性は2つのポンプを分離させ一方のポンプの吐出圧油によって作業機を動かすことで達成される(本願の第19図の特性b)。
【0008】そこで、低負荷の微操作作業を行う場合には、スイッチオン、つまり制御手段をオンしてポンプ分離機能をオンさせることで、微操作作業に適合した特性を得るようにしている。
【0009】このように、本発明によれば、作業内容に応じた所望のレバー操作性が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0011】第1図は、パワ―ショベル40に適用した本発明に係る制御装置の一実施例を示す。この実施例は、第2図に示すような構成を示した操作盤OPを有している。この操作盤OPは、第3図にパネルレイアウトを、また第4図に第3図のA−A線断面図をそれぞれ示すように、パネル表面に合成樹脂からなる可撓性シ―ト1が張設されている。このシ―ト1は遮光性を有しているが、その適所に付されたスイッチ位置表示マ―ク21〜211、点灯表示マ―ク3、文字マ―クおよび図柄マ―クには透光性が付与されている。
【0012】マ―ク21〜211の付された各部位におけるシ―ト1の背面側には、それぞれ押釦スイッチ41〜411が配設され、またマ―ク3の付された各部位におけるシ―ト1の背面側にはそれぞれ発光ダイオ―ド5が配設されている。そして、パネル上方部には、液晶表示器6が配設されている。
【0013】ケ―シング7内には、上記各透光性マ―クをシ―ト1の背面側から照射するための照明用ランプ8と、液晶表示器6をその背面側から照射するための照明用ランプ9が設けられている。
【0014】上記各押釦スイッチ41〜411は、押圧時のみオンする形式のものであり、マ―ク21〜211の部位を押圧してシ―ト1を撓ませることによりオンされる。次表1は、これらのスイッチ41〜411の操作項目と、その操作によって指示される内容を示す。
【0015】


上表に示す作業モ―ド「掘削」、「整正」、 「微操作」および「重掘削」は、パワ―ショベルの基本作業種類を示し、このうち「整正」は地ならし作業を、また「微操作」は作業機の微小操作を意味している。
【0016】また、パワ―モ―ド「S」、「L」および「H」は、エンジンの出力の指示と、該エンジン出力を100とした場合の油圧ポンプの出力割合を指示する制御モ―ドである。なお、上記ポンプの出力割合は、例えばH=100%(約100%)、L=50%、S=80%である。
【0017】さらにオ―トデセルは、オペレ―タが作業機操作レバ―を中立位置に戻した際に、エンジン回転数を予設定低回転数まで低下させる制御モ―ドを意味する。
【0018】またソフトモ―ドは、上記作業機操作レバ―が中立位置に戻された場合に、その作業機の油圧アクチュエ―タに流れる油を瞬時に遮断しないで第5図に示す如く徐々に減少させる制御モ―ドを意味している。
【0019】そして、優先モ―ドはパワ―ショベルのブ―ムシリンダ―、ア―ムシリンダ―および旋回用モ―タのいずれに対して供給油量を増加させるかを指示する制御モ―ドである。
【0020】なお、旋回ロックはパワ―ショベルの上部旋回体をロックさせることを意味し、またファンは暖房機のファンを意味している。
【0021】第2図に示した信号S1〜S11は、上記表1に示す指示内容A〜Kを示す信号であり、これらの信号は出力回路12を介して出力される。また信号S8、S9およびS10は、それぞれブザ―15、ファン16およびワイパ17に加えられ、信号S11は照明ランプ8,9とライト(前照灯、作業灯)18に加えられる。
【0022】なお、信号S1,S2,S6,S9,S10およびS11は、それぞれ複数ビット構成の信号であり、各ビットの論理レベルの組合わせによって指示内容を表示する。
【0023】第6図ないし第17図は、CPU11の処理手順を示す。
【0024】CPU11では、まず電源の投入時点、つまりパワ―ショベルのキ―スイッチがオンされた時点で、該パワ―ショベルの最も標準的な操作モ―ドを設定するための初期設定処理が実行される(ステップ100)。すなわち、作業モ―ドカウンタの内容を1にして作業モ―ドを「掘削」に設定する処理と、パワ―モ―ドカウンタの内容を1にしてパワ―モ―ドを「S」にする処理と、オ―トデセルフラグを“H”にしてオートデセルモードを「ON」に設定する処理と、ソフトモードフラグを“L”にしたソフトモードを「OFF」に設定する処理と、走行スピードフラグを“L”にして走行スピードモードを「LO」に設定する処理と、優先モードカウンタの内容を0にして優先モードを「標準」にする処理と、旋回ロックフラグを“L”にして旋回ロックについての指示内容を 「OFF」にする処理と、ブザーキャンセルフラグを“L”にしてブザーキャンセルについての指示内容を「OFF」にする処理と、ファンフラグを“L”にしてファンについての指示内容を「OFF」にする処理と、ワイパカウンタの内容を0にしてワイパについての指示内容を「OFF」にする処理と、照明・ライトカウンタの内容を「OFF」にする処理と、照明・ライトカウンタの内容を0にして照明・ライトについての指示内容を「OFF」にする処理とが初期設定処理として実行される。
【0025】CPU11では、上記初期設定処理ののち、前記押釦スイッチ41,42,…411がONされたか否かが順次判断される(ステップ101,102…111)。そして、ステップ101においてスイッチ41がONされたと判断された場合には、第7図に示す作業モード処理が実行されたのち手順がステップ102に移行される。
【0026】第7図に示した動作手順では、まずソフトモードフラグを“L”にしてソフトモードを「OFF」にする処理が実行され(ステップ120)、ついで作業モードカウンタの内容に1を足す処理が実行される(ステップ121)。そして、作業モードカウンタの内容が4であるか否かの判断、1であるか否かの判断および2であるか否かの判断が行なわれ、(ステップ122,123および 124)、該カウンタの内容が4,1および2のいずれでもない場合、つまり3の場合、作業モードを「微操作」に設定する処理と、パワーモードカウンタを2にしてパワーモード「L」を設定する処理と、オートデセルフラグを“L”にしてオートデセルモードを「OFF」にする処理とが行なわれる(ステップ125)。
【0027】また、ステップ122で作業モードカウンタの内容が4であると判断された場合には、作業モードカウンタの内容を0にしたのち(ステップ126)、作業モードを「重掘削」に設定する処理と、パワーモードカウンタの内容を0にしてパワーモードを「H」にさせる処理と、オートデセルフラグを“H”にしてオートデセルモードを 「ON」にさせる処理がそれぞれ実行される(ステップ127)。
【0028】更に、ステップ123で作業モードカウンタの内容が1であると判断された場合には、作業モードを「掘削」に設定する処理と、パワーモードカウンタの内容を1にしてパワーモードを「S」にさせる処理と、オートデセルフラグを“H”にしてオートデセルモードを「ON」にさせる処理がそれぞれ実行される(ステップ128)。
【0029】更にまた、ステップ124で作業モードカウンタの内容が2であると判断された場合には、作業モードを「整正」に設定する処理と、パワーモードカウンタの内容を1にしてパワーモードを「S」にさせる処理と、オートデセルフラグを“L”にしてオートデセルモードを「OFF」にさせる処理がそれぞれ実行される(ステップ129)。
【0030】上記のようにスイッチ41がON操作された場合には、パワ―モ―ド、オ―トデセルモ―ドが作業種類に適合する内容に設定されるが、これらのモ―ドはスイッチ42,43をON操作することによって任意に変更することができる。
【0031】すなわち、第6図に示したステップ102でスイッチ42のON操作が判断されると。第8図に示すように、CPU11のパワ―モ―ドカウンタの内容が1だけ増加される(ステップ130)。ついで該カウンタの内容が3であるか否かおよび1であるか否かが判断され(ステップ131,132)、それらの判断結果がいずれもNOである場合には、つまりパワ―モ―ドカウンタの内容が2である場合には、パワ―モ―ド「L」が指示される(ステップ133)。
【0032】また、ステップ131でパワ―モ―ドカウンタの内容が3であると判断された場合には、該カウンタの内容が0にされたのち(ステップ134)、パワ―モ―ド「H」が指示され(ステップ135)、さらにステップ132で、上記カウンタの内容が1であると判断された場合には、パワ―モ―ド「S」が指示される(ステップ136)。この手順によれば、パワ―モ―ドスイッチ42が操作される度にパワ―モ―ドが変化される。なお、上記するようにパワ―モ―ド「S」、「L」および「H」はそれぞれパワ―モ―ドカウンタの内容1,2および0に対応している。
【0033】一方、第6図におけるステップ103でオ―トデセルスイッチ43のON操作が判断された場合には、第9図に示すようにオ―トデセルフラグが反転されたのち(ステップ140)、オ―トデセルフラグが“H”であるか否かが判断される(ステップ141)。そして、“H”でないと判断された場合にはオ―トデセル「OFF」が指示され(ステップ142)、“H”であると判断された場合にはオ―トデセル「ON」が指示される(ステップ143)。
【0034】したがって、オ―トデセル「ON」状態でスイッチ43がON操作されるとオ―トデセル「OFF」が指示され、またオ―トデセル「OFF」状態でスイッチ43がON操作されるとオ―トデセル「ON」が指示される。
【0035】つぎに、第6図におけるステップ104でソフトモ―ドスイッチ44のON操作が判断された場合には、第10図に示す如く、第9図の手順140〜143に準じた手順150〜153が実行され、これによってスイッチ44がON操作される毎にソフトモ―ドが変化される。
【0036】また、第6図に示したステップ106で優先モ―ドスイッチ46のON操作が判断された場合には、第12図に示す如く、優先モ―ドカウンタの内容に1が足され(ステップ170)、ついで該カウンタの内容が4であるか否か、1であるか否かおよび2であるか否かがそれぞれ判断され(ステップ171,172および173)、それらの判断結果がいずれもNOである場合には、つまり優先モ―ドカウンタの内容が3である場合には、「旋回」が指示される。
【0037】そして、ステップ171で上記カウンタの内容が4であると判断された場合には、該カウンタの内容が0にされたのち(ステップ175)、優先モ―ド「標準」が指示される(ステップ176)。更にステップ172でカウンタの内容が1であると判断された場合には、優先モ―ド「ブ―ム」が指示され(ステップ177)、また、ステップ 173でカウンタの内容が2と判断された場合には優先モ―ド「ア―ム」が指示される(ステップ178)。
【0038】上記するように、優先モ―ド「標準」、「ブ―ム」、「ア―ム」および「旋回」は、それぞれ優先モ―ドカウンタの内容0,1,2および3に対応している。そして、スイッチ46の操作によってこのカウンタの内容を変化させることにより任意の優先モ―ドを指示することができる。
【0039】なお、第6図におけるステップ105、107および108で走行スピ―ドスイッチ45、旋回ロックスイッチ47およびブザ―キャンセルスイッチ48のON操作が判断された場合には、第11図、第13図および第14図に示す如く、第9図の手順140〜143に準じた手順160〜163、180〜183および190〜193がそれぞれ実行される。
【0040】ここで、走行スピードスイッチ45がON操作された場合の作用について説明する。
【0041】走行スピードスイッチ45は、パワーショベル40の走行体を駆動する図示せぬ油圧モータの斜板傾転角を「高速(Hi)」、「低速(Lo)」の2段階のいずれかの角度に切り換えるためのスイッチである。
【0042】よって、第11図に示されるように、スイッチ45がオン操作されると、それに応じて、走行スピードフラグが「H」に反転され(ステップ160)、上記油圧モータの斜板傾転角が「高速(Hi)」に切り換えられ、上記走行体の走行スピードが「高速(Hi)」の速度に設定される(ステップ161の判断YES、ステップ163)。この状態で、さらにスイッチ45がオン操作されると、それに応じて、走行スピードフラグが「L」に反転され(ステップ160)、上記油圧モータの斜板傾転角が「低速(Lo)」に切り換えられ、上記走行体の走行スピードが「低速(Lo)」の速度に設定される(ステップ161の判断NO、ステップ162)。以下、スイッチ45のオン操作が繰り返される毎に、上記走行体の走行スピードを「高速(Hi)」の速度に設定する処理、上記走行体の走行スピードを「低速(Lo)」の速度に設定する処理が順次繰り返される。
【0043】つぎに、旋回ロックスイッチ47がON操作された場合の作用について説明する。
【0044】旋回ロックスイッチ47は、前述したように、パワーショベル40の上部旋回体の動きをロックさせるためのスイッチである。
【0045】よって、第13図に示されるように、スイッチ47がオン操作されると、それに応じて、旋回ロックフラグが「H」に反転され(ステップ180)、旋回ロック機能が働き、上記上部旋回体がロックされる(ステップ181の判断YES、ステップ183)。この状態で、さらにスイッチ47がオン操作されると、それに応じて旋回ロックフラグが「L」に反転され(ステップ180)、旋回ロック機能が解除され、上部旋回体の動きがアンロックされるようになる(ステップ181の判断NO、ステップ182)。以下、スイッチ47のオン操作が繰り返される毎に、上記上部旋回体のロック状態、上記上部旋回体のアンロック状態が順次繰り返される。
【0046】つぎに、ブザーキャンセルスイッチ48がON操作された場合の作用について説明する。
【0047】ここで、ブザーキャンセルスイッチ48は、第3図に示す操作盤OPの図柄マークから明かなように、警告状態になると作動するブザー15の鳴動をオフさせるためのスイッチである。
【0048】よって、第14図に示されるように、スイッチ48がオン操作されると、それに応じて、ブザーキャンセルフラグが「H」に反転され(ステップ190)、ブザーキャンセル機能が働き、ブザー15の作動をオフする(ステップ191の判断YES、ステップ193)。この状態で、さらにスイッチ48がオン操作されると、それに応じてブザーキャンセルフラグが「L」に反転され(ステップ190)、ブザーキャンセル機能が解除され、ブザー15が作動(オン状態)するようになる(ステップ191の判断NO、ステップ192)。以下、スイッチ48のオン操作が繰り返される毎に、ブザー15の作動オフの状態、ブザー15の作動オンの状態が順次繰り返される。
【0049】また、第6図におけるステップ109,110および111でファンスイッチ49、ワイパスイッチ410および照明・ライトスイッチ411のON操作が判断された場合には、第15図、第16図および第17図に示す如く、第8図の手順130〜136に準じた手順200、206、210〜216および220〜226がそれぞれ実行される。
【0050】なお、CPU11は、第6図に示した初期設定処理100の処理結果および第7図ないし第17図に示した処理結果を表示させる作用をなす。
【0051】すなわち、たとえば作業モ―ドのうちの「重掘削」が指示された場合には、第2図に示した表示駆動回路19を介して第3図に示す文字マ―ク(重掘削)の部位に位置する発光ダイオ―ド5を点灯させる。これにより、オペレ―タは現在「重掘削」モ―ドが指示されていることを視認することができる。
【0052】更にCPU11は、エンジン水温、燃料の量、エンジン油圧等を検出するセンサ201〜20nの出力信号を入力し、これらのセンサの検出結果およびこの検出結果の以上を表示駆動回路19を介して液晶表示器6に表示する作用もなす。
【0053】前記操作盤OPより出力される信号S1〜S7は、第1図に示すポンプコントロ―ラ30に加えられる。
【0054】同図に示す可変容量型油圧ホンプ31,32は、それぞれエンジン33によって駆動され、斜板駆動用サ―ボアクチュエ―タ34,35によってそれらの斜板31a,32aの傾転角を変化させることにより1回転当たりの吐出流量がそれぞれ変化される。
【0055】ポンプ31の吐出圧油は、ア―ム用Lo操作弁36,図示していない左走行用操作弁、旋回用操作弁およびブ―ム用Hi操作弁を介して、ア―ムシリング41,図示していない左走行モ―タ、旋回モ―タおよびブ―ムシリンダ42にそれぞれ供給される。
【0056】一方、ポンプ32の吐出圧油は、ア―ム用Hi操作弁37,図示していない右走行用操作弁、バケット用操作弁、ブ―ム用Lo操作弁を介してア―ムシリンダ41,図示していない右走行モ―タ、バケットシリンダ43およびブ―ムシリンダ42にそれぞれ供給される。
【0057】ア―ム用PPC弁38は、レバ―38aが矢印E方向に操作された場合に、ア―ム用Lo操作弁36のパイロットポ―ト36aにパイロット圧油を供給し、かつア―ム用Hi操作弁37のパイロットポ―ト37aに常開ソレノイド弁39を介してパイロット圧油を供給するものである。
【0058】パイロットポ―ト36a,37aにパイロット圧油が作用すると、ア―ム用Lo 操作弁36,ア―ム用Hi 操作弁37は、ポンプ31,32から吐出される圧油をア―ムシリンダ41の伸張側シリンダ室にそれぞれ供給して、ア―ム44を車体後方側に作動させる。
【0059】なお、掘削時には、車体後方側にア―ム44が作動される。
【0060】一方、PPC弁38のレバ―38aが矢印F方向に操作された場合には、パイロット圧油がア―ム用Lo 操作弁36のパイロットポ―ト36bおよびア―ム用Hi 操作弁37のパイロットポ―ト37bにそれぞれ供給され、これによりポンプ 31,32から吐出される圧油がア―ムシリンダ41の縮退側シリンダ室に供給される。この結果、ア―ム44が車体前方側に駆動される。周知のようにダンプ作業時には、ア―ム44が車体前方側に駆動される。
【0061】なお、前記した走行用操作弁、旋回用操作弁等についてもPPC弁38と同様の機能をもつ各別なPPC弁が併用される。
【0062】上記ソレノイド弁39は、ポンプコントロ―ラ30から出力される信号によって閉路される。該ソレノイド弁39が閉路されると、ア―ム用Hi 操作弁37のパイロットポ―ト37aとPPC弁38間が閉止されるので、該弁38のレバ―38aがE方向に操作された場合ポンプ31から吐出される圧油のみがア―ム用Lo操作弁36を介してア―ムシリンダ41に供給される。
【0063】第19図に示すaおよびbは、それぞれ上記弁39が開路および閉路しているときのPPC弁 38に付設されたレバ―38aのストロ―ク量とポンプ31,32の吐出流量Q(l/min )との関係を示す。
【0064】同図から明らかなように、2つのポンプ31,32の吐出油がア―ムシリンダ41に合流供給されている場合に較べて一方のポンプ32が分離されて1つのポンプ31のみの吐出油がシリンダ 41に供給されている場合は、流量変化量に対するレバ―ストロ―ク量の変化量が大きい。
【0065】これは、レバ―38aによる微少コントロ―ル機能が向上することを意味している。結局、弁39は、レバ―38aがE方向に操作されたときに一方のポンプ32をア―ム44についての油圧供給路から分離する機能を有している。
【0066】上記パイロット圧油は、TVC弁51にも供給される。TVC弁51で制御されたパイロット圧油は、CO弁52およびNC弁53を介してサ―ボアクチュエ―タ34に供給され、またCO弁54およびNC弁55を介してサ―ボアクチュエ―タ35に供給される。
【0067】なお、上記各弁51〜55を含む油圧系は、例えば特開昭61−81587号によって公知である。
【0068】TVC弁(トルク・バリアブル・コントロ―ル)51は、ポンプ31,32の合成吸収馬力を一定にさせるべく設けられている。すなわち該弁51は、ポンプ31,32の吐出圧P1,P2を入力して、第20図の特性A1,A2およびA3に示すように平均圧力((P1+P2)/2とポンプ31,32の合成吐出流量Qの積が一定、つまり上記合成吸収馬力が近似的に一定となるようにサ―ボアクチュエ―タ34,35を介して斜板31a,32aの傾転角を制御する。
【0069】このTVC弁51には、コントロ―ラ30より特性選択信号が加えられ、この信号によって上記特性A1,A2およびA3のいずれかが選択設定される。
【0070】CO弁52,54は、それぞれポンプ31,32の吐出圧を入力して、これらの吐出圧が所定のカットオフ圧を超えた場合にそれらの弁52,54の吐出圧を急激に減少させ、斜板31a,32aを最小位置に戻す作用をなす。
【0071】いま、ポンプ31,32を1つのポンプとみなした場合、上記CO弁52,54は第20図に示すようにカットオフラインGに沿って該ポンプの吐出流量Qを急減させる。
【0072】CO弁52,54は、常閉ソレノイド弁56を介してポンプ50に接続されている。このソレノイド弁56が付勢されていない状態では上記CO弁52,54は上記したカットオフ動作を行なう。コントロ―ラ30の出力信号によってソレノイド弁56が閉路された場合、CO弁52,54にパイロット圧が作用して上記カットオフ機能が失なわれるので、ポンプ31,32の吐出圧P1, P2は図示していないリリ―フ弁のリリ―フ圧まで上昇可能となる。
【0073】上記ソレノイド弁56を閉路させる場合には、オペレ―タによってカットオフ解除スイッチ70が操作される。
【0074】NC弁53は、ポンプ31に接続された全ての操作弁が中立状態になった場合に、該弁53の出力圧を減少させる作用をなす。
【0075】すなわち、上記各操作弁の中立状態下においては、図示していないジェットセンサにキャリオ―バ―流量が信号として入力され、これによって該センサに圧力差をもつ2つの圧力が生じる。NC弁53は、この2つの圧力を入力し、それらの圧力の差が大きくなるに伴なってその出力圧を減少する作用をなす。
【0076】このNC弁53の出力圧の減少は、斜板31aの傾転角を小さくさせる。したがって、このNC弁53は、各操作弁の中立時におけるポンプ31の吐出流量を減少させて、エネルギ―ロスを防止する機能をもつ。
【0077】NC弁55もポンプ32に対して同様の作用をなす。
【0078】第1図に示したエンジン33には、燃料噴射ポンプ61とガバナ62が併設されている。ガバナ62の燃料コントロ―ルレバ―62aは、モ―タ63で駆動され、該レバ―62aの駆動位置はセンサ64で検出される。
【0079】スロットル量設定器65は、ダイヤル65aと、このダイヤル65aで回動されるポテンショメ―タ65bとから成っている。電気ガバナコントロ―ラ60は、設定器65より出力される第1スロットル信号と、ポンプコントロ―ラ30より出力される第2スロットル信号とを比較し、それらのうちの小さい方の信号に基づいてモ―タ63を駆動する。
【0080】ガバナ62は、第18図に例示するような特性に従ってエンジン33の出力トルクを制御する。
【0081】同図におけるレギュレ―ションラインl1は、第1スロットル信号もしくは第2スロットル信号によって最大目標エンジン回転数が指示されたときに設定され、上記第1もしくは第2スロットル信号で指示される目標エンジン回転数が小さくなるに伴ってレギュレ―ションラインl2,l3,…が順次決定される。つまり、ガバナ62は、いわゆるオ―ルスピ―ドガバナの機能をもつ。
【0082】以下、この実施例の具体的な作用を説明する。なお、以下においては、スロットル量設定器65が最大位置にセットされているものとする。次表2は、この実施例の主たる作用をまとめて示している。


ポンプコントロ―ラ30に入力される作業モ―ド信号S1は、前述したように「重掘削」、「掘削」、「整正」および「微操作」の各作業モ―ドのいずれかを指示する。
【0083】いま、「重掘削」モ―ドが指示されているとすると、第7図のステップ127に示したように、操作盤OPより出力されるパワ―モ―ド信号S2の内容が「H」に、またオ―トデセル信号S3の内容が「ON」になる。
【0084】そこで、コントロ―ラ30は、パワ―モ―ドの内容「H」に基づいてエンジン33の出力馬力を高馬力PS−Hに設定する処理と、エンジン33の回転数を高回転数NAに設定する処理とを実行する。
【0085】すなわち、第20図に示した等馬力特性A1を設定するため信号をTVC弁51に加えるとともに、最大スロットル量を示す第2スロットル信号をガバナコントロ―ラ60に加える。
【0086】これにより、ポンプ31,32の合成吸収トルクは、第21図の特性AH に従った大きさを示す。
【0087】また、最大目標回転数NA ′を示す上記第2スロットル信号は、ガバナコントロ―ラ60において、スロットル量設定器65の出力信号と比較される。
【0088】この設定器65の出力信号は現在、最大目標エンジン回転数NA ′を示す大きさに設定されており、したがってこの場合には、コントロ―ラ60よりこの最大目標エンジン回転数NA ′に対応するモ―タ駆動信号がガバナ駆動モ―タ63に加えられる。これによりモ―タ63は最高速レギュレ―ションラインlA が設定されるように燃料コントロ―ルレバ―62aを作動させ、この結果、エンジン33の出力トルクとポンプ31,32の合成吸収トルクとがPH 点(最大馬力点)でマッチングすることになる。
【0089】かくして、重掘削モ―ドが指示された場合には、エンジン33の出力馬力がPS−H(最大馬力点の馬力)に、またエンジン回転数がNA に自動設定される。
【0090】一方、ポンプコントロ―ラ30は、オ―トデセル信号S3の内容「ON」に基づいて、レバ―中立検出センサ71で各PPC弁に付設された操作レバ―(図面には、ア―ム用PPC弁38のレバ―38aのみ示されている)がすべて中立位置にセットされていることが検出された場合にのみ、つまりパワ―ショベル40が作業を休止していることが検出された場合にのみ、デセル信号をガバナコントロ―ラ60に加える。
【0091】コントロ―ラ60は、デセル信号に基づき、エンジン33の目標回転数をそれまで第2スロットル信号で設定されていた最高目標回転数NA ′から第21図(a) に示した値ND ′に変更する処理を実行する。
【0092】これにより、第21図(a) に示したレギュレ―ションラインlD が設定されるようにガバナモ―タ63が作動され、その結果エンジン回転数が大幅に低下される。
【0093】上記のように重掘削モ―ドでパワ―モ―ド「H」が設定された場合、非作業時におけるエンジン騒音および燃費がきわめて大きくなる。上記デセル信号は、上記非作業時においてエンジン回転数を大幅に低下させるので、この非作業時の騒音と燃費を低減することができる。
【0094】上記重掘削モ―ドが指示された場合、ポンプコントロ―ラ30は、ポンプ分離機能を「OFF」させる作用もなす(前記表2参照)すなわち、常開ソレノイド弁39に付勢信号を出力せず、該弁39の常開状態を継続させる作用をなす。
【0095】この場合、前述したようにポンプ31,32の双方から吐出される圧油によってア―ムシリンダ41が駆動され、これによって重掘削に適した力をア―ム41に付与することができる。
【0096】一方、コントロ―ラ30は、重掘削モ―ド指示時にCO弁52,54によるカットオフ動作を 「ON」にさせる。つまり、常閉ソレノイド弁 56に付勢信号を出力せず、これによってCO弁52,53に前述したカットオフ動作を行なわせる。
【0097】以上述べたように、操作盤OPで重掘削モ―ドが指示された場合には、重掘削作業に適合したパワ―モ―ドHが選択されて、エンジンの馬力がPS−Hに、またその回転数がNA にそれぞれ自動設定される。
【0098】また、ポンプ分離機能、カットオフ機能およびオ―トデセル機能がそれぞれ「OFF」,「ON」および「ON」に自動設定される。
【0099】以上の機能は、前記表2の太線枠内に示されている。
【0100】つぎに操作盤OPで「掘削モ―ド」が指示されている場合について説明する。
【0101】この場合には、第7図のステップ128に示すように、操作盤OPでパワ―モ―ド「S」が選定されるとともに、オ―トデセル「ON」が選定される。そこで、コントロ―ラ30は、第20図に示した等馬力特性A2を得るための信号をTVC弁51に出力するとともに、目標エンジン回転数NB ′を指示する第2スロットル信号をコントロ―ラ60に与える。
【0102】回転数NB ′は、設定器65の設定回転数NA ′よりも小さいので、コントロ―ラ60は、上記目標エンジン回転数NB ′に対応するモ―タ駆動信号をモ―タ63に与え、これによりガバナ62が第21図(b) に示したレギュレ―ションラインlB を設定する。
【0103】それ故、ポンプ31,32の合成吸収トルクとエンジン33の出力トルクは、Ps ′点でマッチングし、この結果、エンジン33は、出力馬力 PS−S(<PS−H)、回転数NB で運転される。
【0104】つまり、通常の掘削に適した運転状態となる。
【0105】なお、ポンプ分離機能、カットオフ機能およびオ―トデセル機能についての指示内容は、重掘削時のそれと同じであるから説明を省略する。
【0106】前記表2には、掘削モ―ド指示時に自動設定される内容が太線枠内に示されている。
【0107】操作盤OPで「整正モ―ド」が指示された場合には、掘削モ―ド指示時におけるパワ―モ―ドSと同じ内容のパワ―モ―ドSが自動設定され、TVC弁51またはエンジン33に対し、上記と同様の処理が実行される。
【0108】一方、この「整正モ―ド」指示時には、第7図のステップ129で示したようにオ―トデセル「OFF」が設定されることになる。したがってコントロ―ラ30は、たとえレバ―中立位置検出センサ71が中立状態を検出してもデセル信号をガバナコントロ―ラ60に出力しない。
【0109】このように整正モ―ド時にデセル動作を行なわないのは、以下の理由による。すなわち、整正作業時には、作業機操作レバ―が頻繁に中立位置に戻される。したがって、その度にデセル処理でエンジン回転数を低下させた場合、適正な作業が行なえなくなるからである。
【0110】一方、整正モ―ド指示時は、表2の太線枠内で示したように、ポンプ分離機能とカットオフ機能が共に「ON」に設定される。すなわち、ポンプコントロ―ラ30より常開ソレノイド弁39に付勢信号が加えられて、該弁39が閉路され、これにより、PPC弁38のレバ―38aがE方向に操作されたとき、つまりア―ムシリンダ41を伸張させる方向に操作されたときにポンプ31のみから吐出される圧油がア―ムシリンダ41に作用することになる。すなわち、ア―ムシリンダ41の伸張時に一方のポンプ32が該シリンダ41から分離される。
【0111】なお、レバ―38がF方向に操作されたときには、ポンプ31,ポンプ32の双方の吐出油がシリンダ41を縮退作動させる。
【0112】結局ポンプ分離「ON」処理は、ア―ム44の反時計回り方向(掘削作業方向)への作動をポンプ31のみの吐出圧油で行ない、時計回り方向(ダンプ作業方向)への作動を2つのポンプ31,32の合流圧油で行なうことを意味し、この処理によって整正時の仕上面精度が作業量を減少させずに向上する。
【0113】また、ポンプ32は、図示していないバケット用操作弁を介してバケットシリンダ43に接続されているので、上記分離「ON」処理を行なえば、PPC弁38のレバ―38aをE方向に操作したときに、ポンプ31でア―ムシリンダ41が作動され、ポンプ32でバケットシリンダが作動されることになる。
【0114】したがってア―ムシリンダ41、バケットシリンダ43間に負荷の干渉がなくなるので、整正時の仕上面精度が向上する。
【0115】なお、カットオフ「ON」処理については前述したので説明を省略する。
【0116】操作盤OPで微操作モ―ドが指示された場合には、第7図のステップ125に示すごとくパワ―モ―ド「L」が該操作盤OPで設定される。そこでポンプコントロ―ラ30は、表2の「微操作モ―ド」の欄に示すパワ―モ―ド「L」を得るべく以下の処理を行なう。
【0117】すなわち、TVC弁51に第20図の等馬力特性A3を得るための信号を与え、第21図(c) に示したポンプ吸収トルク特性AL を設定する。
【0118】一方、目標回転数Nc ′を示す第2スロットル信号をガバナコントロ―ラ60に出力し、これによって該コントロ―ラ60は、同図(c) に示したレギュレ―ションラインlc が設定されるようにガバナモ―タ63を駆動する。
【0119】この結果、ポンプ31,32の合成吸収トルクとエンジン33の出力トルクとがPL ″点でマッチングし、これによりエンジン33は、出力馬力PS−L2(<PS−S<PS−H)、回転数Nc で運転される。
【0120】なお、ポンプ分離、カットオフおよびオ―トデセルについては、前記整正モ―ドの場合と同じである。
【0121】表2に示したように、この実施例では各作業モ―ドが操作盤OPで指示された場合に、それらの作業モ―ドに適したパワ―モ―ド、ポンプ分離機能、カットオフ機能およびオ―トデセル機能が自動設定されるが、これらの機能以外の機能、例えば前記ソフト機能や優先機能等を自動設定の内容に加えることも当然可能である。そしてこれらのうちポンプ分離機能を除く機能を手動で任意に設定することも可能である。
【0122】すなわち、第8図、第9図に示すようにパワ―モ―ドの種類およびオ―トデセルのON,OFFは、手動で任意に選択でき、カットオフ機能は、第1図に示すカットオフ解除用釦口スイッチ70の操作によって任意にその解除を行なうことができる。なお、表2に示すPS−L1(>PS−L2)は第21図(b) のマッチング点PL についての馬力である。
【0123】ところで、第21図に示したポンプ吸収特性AH を設定した場合、ポンプ吸収トルクとエンジントルクとのマッチングが困難になることがある。そこで、最大馬力点PH でポンプで駆動する場合は、特性AH に代えて同図に点線で例示したような特性AH ′を設定することが好ましい。
【0124】この特性AH ′は、TVC弁51では得られないが、たとえば、つぎのようにして得ることができる。
【0125】すなわち、ポンプ31,32の圧力P1,P2を圧力センサでそれぞれ検出し、かつエンジン33の回転数Nを回転数センサ72で検出すれば上記特性AH ′がエンジン回転数Nを変数とする単調増加関数であることから、圧力P1,P2の平均値(P1+P2)/2とNとから上記特性AH ′にしたがった吸収トルクを得るためのポンプ31,32の斜板傾転角を求めることができる。そこで、その傾転角となるように斜板31a,32aを制御すれば、上記特性AH ′が得られる。なお、上記表2における各種機能のON,OFFは、適用する建設機械の機種に応じて設定されるので、上表の内容に限定されない。
【0126】また上記実施例では、オ―トデセルON時のデセル回転数として1つの回転数ND ′を設定しているが、第1図に示した回転数設定器65と同様な設定器もしくは適宜な切換スイッチを用いて所望のデセル回転数を設定できるように構成することも可能である。
【0127】さらに、上記カットオフ解除スイッチ70によるカットオフ解除は、通常、重掘削時に必要とするので、このスイッチ70が押されている間、コントロ―ラ30,60に以下のような処理を実行させることも可能である。
【0128】a.いずれの作業モ―ドとパワ―モ―ドが選択されていたとしても、作業モ―ドを「重掘削モ―ド」に、またパワ―モ―ドを「重掘削 モ―ドのパワ―モ―ドH」にそれぞれ切換える。
【0129】b.ポンプ31,32にそれぞれ接続されるメインリリ―フバルブのセット圧を通常のセット圧からそれよりも10〜20kg/cm2程度高いセット圧に変更する。なお、これらのセット圧は、CO弁52,54のカットオフ圧よりも当然高く設定される。
【0130】この場合、セット圧可変形のリリ―フ弁が使用され、該弁の切換は例えばコントロ―ラ30で制御される電磁弁(図示せず)によってリリ―フ弁に作用するパイロット圧を変化させることに行なわれる。もちろん、電気的信号を直接加えてセット圧を変化することができるリリ―フ弁を使用することも可能である。
【0131】c.スイッチ70を押し続けても、数秒後(例えば7〜10秒程度)にはすべての機能をスイッチ作動前の状態に自動復帰させる。
【0132】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、操作レバーが操作されたときに、必要に応じてスイッチ操作により、2つの油圧ポンプのうち一方の油圧ポンプと作業機との間の圧油供給路に設けられた操作弁をオンオフさせるようにしたので、建設機械が行う各種作業の内容に適合した所望のレバー操作性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、本発明に係る制御装置の一実施例を示したブロック図。
【図2】第2図は、操作盤の構成を示したブロック図。
【図3】第3図は、操作盤のパネルレイアウトを示した正面図。
【図4】第4図は、第3図A−A線による断面図。
【図5】第5図はソフトモ―ド処理についての説明図。
【図6】第6図は、第1図に示したCPUの処理手順を示すフロ―チャ―ト。
【図7】第7図は、第1図に示したCPUの処理手順を示すフロ―チャ―ト。
【図8】第8図は、第1図に示したCPUの処理手順を示すフロ―チャ―ト。
【図9】第9図は、第1図に示したCPUの処理手順を示すフロ―チャ―ト。
【図10】第19図は、第1図に示したCPUの処理手順を示すフロ―チャ―ト。
【図11】第11図は、第1図に示したCPUの処理手順を示すフロ―チャ―ト。
【図12】第12図は、第1図に示したCPUの処理手順を示すフロ―チャ―ト。
【図13】第13図は、第1図に示したCPUの処理手順を示すフロ―チャ―ト。
【図14】第14図は、第1図に示したCPUの処理手順を示すフロ―チャ―ト。
【図15】第15図は、第1図に示したCPUの処理手順を示すフロ―チャ―ト。
【図16】第16図は、第1図に示したCPUの処理手順を示すフロ―チャ―ト。
【図17】第17図は、第1図に示したCPUの処理手順を示すフロ―チャ―ト。
【図18】第18図は、ガバナの作用を示した特性図。
【図19】第19図は、ポンプ分離機能の説明図。
【図20】第20図は、TVC弁の作用を示した特性図。
【図21】第21図は、各種作業時における作用を示した特性図。
【符号の説明】
OP…操作盤、41〜411…押釦スイッチ、11…CPU、30…ポンプコントロ―ラ、31,32…定容量型油圧ポンプ、33…エンジン、38…PPC弁、51…TVC弁、60…電気ガバナコントロ―ラ、61…燃料噴射ポンプ、62…ガバナ、63…モ―タ、65…スロットルダイヤル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンによって駆動される2つの油圧ポンプと、前記2つの油圧ポンプと作業機との間の両圧油供給路にそれぞれ設けられ、操作レバーの操作量に応じた流量の圧油を前記作業機に供給する操作弁とを有し、前記操作レバーの操作に応じて前記作業機を駆動するようにした建設機械において、前記操作レバーが操作されたときに、前記2つの油圧ポンプのうち一方の油圧ポンプと前記作業機との間の圧油供給路に設けられた操作弁をオフする制御手段と、スイッチオン操作に応じて前記制御手段を作動させるとともに、スイッチオフ操作に応じて前記制御手段の作動状態を解除するスイッチとを具えた建設機械の制御装置。

【図5】
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【図19】
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【図1】
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【図4】
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【図9】
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【図2】
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【図3】
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【図10】
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【図20】
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【図6】
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【図11】
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【図7】
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【図8】
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【図13】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図17】
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【図21】
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