建設機械の情報表示装置
【課題】言語の異なる多数の国で、的確な警報/故障の情報表示が可能な建設機械の情報表示装置を提供する。
【解決手段】警報/故障の発生により、第1のデータテーブルからエラーコードとエラーメッセージが指定された言語のテキスト形式を得る。処理手段は、エラーメッセージの単語分けを行って表示画面の表示スケールの規定字数以下か否かチェックし、その規定字数以下ならばそのままエラーコードと併せて表示させ、以上であれば第2のデータテーブルにより略語処理を行いその規定字数以下にした上でこの略語のエラーメッセージをエラーコードと併せて表示する。このときに、キーパッドによりポップアップ機能入力がなされると、略語に代って略語前のエラーメッセージをポップアップ表示する。
【解決手段】警報/故障の発生により、第1のデータテーブルからエラーコードとエラーメッセージが指定された言語のテキスト形式を得る。処理手段は、エラーメッセージの単語分けを行って表示画面の表示スケールの規定字数以下か否かチェックし、その規定字数以下ならばそのままエラーコードと併せて表示させ、以上であれば第2のデータテーブルにより略語処理を行いその規定字数以下にした上でこの略語のエラーメッセージをエラーコードと併せて表示する。このときに、キーパッドによりポップアップ機能入力がなされると、略語に代って略語前のエラーメッセージをポップアップ表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械、例えば油圧ショベルは、各種の圧力センサ、温度センサ等の計器類、電磁比例弁などの各種のアクチュエータエンジン関連の各種の状態量検出器等を持つ。
運転室には、モニタ画面があり、各種の計測データの情報表示や異常発生時の異常を示す警報/故障情報表示を行う。
かかる建設機械の情報表示装置の公知文献として、特許文献1がある。
この特許文献1は、異常情報提供装置であって、各種の計測データや状態量を取込み、表示を行うと共に、処理して異常発生情報を得てこれを表示し、更に、異常の詳細がわかるような詳細情報をも表示可能にしたものである。
この表示を実現したのがコントローラ、キーパッドである。コントローラは、各種の計測データや状態量を取込み、処理して表示情報化して表示画面に表示させる。キーパッドは、表示画面上のカーソルの位置や表示処理やプログラム実行処理をマンマシンにて行うべく、操作員による各種操作可能な手動操作手段である。
コントローラは、CPU、入出力インターフェース、各種のメモリ、表示部、を持つ。表示部が前記の各種の表示情報の表示手段となり、また、入出力インターフェースにつながるものの1つが、上記キーパッドである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−82961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
異常発生時の表示は、建設機械の使用される現場や操作員の言語によってなされる。日本では日本語、英語圏では英語という具合である。これらの言語については上記特許文献1には特に記載はないが、一般的にはデータテーブルに、エラーコードに対応して格納されており、コントローラは、故障発生を計測データや状態量に基づき検出したときに、その検出事例に対応するエラーコードを検索し、このエラーコードに対応する異常を示す警報/故障情報を、上記データテーブルから読出す。そして、エラーコードと併せて対応する異常を示す警報/故障情報を表示画面に表示する。
然るに、多言語を使用する国や、言語の異なる国境を作業現場とする事例にあっても、操作者に適合した言語による異常を示す警報/故障情報の表示が必要となる。
建設機械の規模によっても異なるが、通常使用されている油圧ショベルにあっては、300〜400の異常情報数にもなる。これらを言語別にすべてデータとして用意しておくことは、メモリ容量の負担となる。
更に、国によっては、一般的に略語を用いない例(例えばブルガリア語)があり、途中で略語を表示してもその後で全文を表示しなければならないことになる。
本発明の目的は、こうした問題を解決する建設機械の情報表示装置を提供するものである。
更に本発明は、限られたメモリ容量の中で、異常を示す警報/故障情報の表示画面サイズに応じた表示を可能にする建設機械の情報表示装置を提供することを目的とする。
更に本発明は、多言語での使用にあっても異常を示す警報/故障情報の表示画面サイズに応じた略語表示を可能にする建設機械の情報表示装置を提供することを目的とする。
更に本発明は、異常を示す警報/故障情報の表示画面サイズに応じた略語の表示と共に、その後で全文表示を可能にする建設機械の情報表示装置を提供するものである。
更に本発明は、作業の途中にあって、異なる言語の表示が要求されたときも異常を示す警報/故障情報の表示画面サイズに応じた略語表示だけでなく、その後でその要求言語に従った全文表示を可能にする建設機械の情報表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、運転室に設置されたモニタ画面に、動作状態又は環境状態を示す情報を表示すると共に、エラー発生時のそのエラーコード及び文字及び又は記号を含むエラーメッセージを表示可能とする建設機械の情報表示装置であって、エラー発生時にそのエラー対応のエラーコード及び文字及び又は記号を含む第1のエラーメッセージをデータとして得、この文字及び又は記号を含むエラーメッセージの字数が表示画面上の表示すべき表示スペースの表示可能字数よりも大きいときに、表示可能な字数になるように、エラーメッセージを略語化して第2のエラーメッセージを得る第1手段と、この第2のエラーメッセージ又は表示可能な字数よりも小さいときの上記第1のエラーメッセージを上記該当する表示スペース上にエラーコードと併せて表示させる第2手段と、
運転室の操作者に近接した位置に配置され又は配置可能なポップアップ操作入力機能を持つ操作手段と、上記第2のエラーメッセージ表示後にあって、この操作手段からポップアップ操作の入力がなされたことを受けて、上記該当する表示スペースに近接して、略語化前の第1のエラーメッセージをポップアップにより表示させる第3手段と、
を備える建設機械の情報表示装置を開示する。
【0006】
更に本発明は、上記第1手段は、単語と略語の関係を示すデータテーブルと、上記得られた第1のエラーメッセージの字数を計数し、表示すべき表示スペースの表示可能字数よりも大きいか否かを判定する判定手段と、表示可能字数よりも大きいときに第1のエラーメッセージを単語に分ける分割手段と、この各単語について上記データテーブルを参照して、表示すべき表示スペースの字数よりも小さくなるように略語化して、第2のエラーメッセージを得る処理手段と、を備えるものとした建設機械の情報表示装置を開示する。
【0007】
更に本発明は、上記データテーブルは、単語の種類又は内容とによって略語の優先度コードが付加され、この優先度コードの高い順から略語処理を行うものとした建設機械の情報表示装置を開示する。
【0008】
更に本発明は、上記操作手段は、表示言語切替えの操作入力機能を持ち、この入力を受けたときの上記第2、第3手段は表示中の言語を、指定された言語に切替えて表示させるものとした建設機械の情報表示装置を開示する。
【0009】
更に本発明は、上記第3の手段は、指定された言語として、ポップアップ入力がされたときの第1のエラーメッセージを含むものとした建設機械の情報表示装置を開示する。
【0010】
更に本発明は、上記操作手段は、キーパッドとする建設機械の情報表示装置を開示する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ショベル等の建設機械にあって、限られたメモリ容量の中で、その表示画面に、異常を示す警報/故障情報の略語を表示可能にできると共に、略語に代る異常を示す警報/故障情報の全文をも簡便に表示可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のコントローラ2による略語処理のフローチャート例を示す図である。
【図2】本発明の表示部50の警報/故障の表示画面例を示す図である。
【図3】本発明の表示部50の表示画面でのエラーコードとエラーメッセージ表示例を示す図である。
【図4】本発明のエラーメッセージデータテーブル101の具体例図である。
【図5】本発明の単語別の略語を示すデータテーブル102の具体例図である。
【図6】本発明の表示部50の第1のエラーメッセージ、第2のエラーメッセージの表示画面例図である。
【図7】本発明の表示部50の第1エラーメッセージ、はみ出した第1エラーメッセージの表示画面例図である。
【図8】本発明の表示部50のポップアップの表示画面例図である。
【図9】本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態の対象となる建設機械の構造を表す側面図である。
【図10】図1に示した本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態の適用対象である油圧ショベルに搭載された油圧システムの一例の概略構成をセンサ類とともに表す図である。
【図11】本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態の適用対象である図1に示した油圧ショベルに設置された運転室内部の構成をそれぞれ表す側面図である。
【図12】本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態の適用対象である図1に示した油圧ショベルに設置された運転室内部の構成をそれぞれ表す上面図である。
【図13】本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態を構成する表示装置の電源オン後の通常画面(=初期画面)表示状態を表す正面図である。
【図14】本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態を構成するコントローラのハードウェア構成を表す図である。
【図15】本発明のキーパッドの操作部例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
先ず、本発明の建設機械の一例としての油圧ショベルについて全体説明を、図9〜図14を用いて行う。
図9は、本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態の対象となる建設機械(この例では油圧ショベル)の構造を表す側面図である。
【0014】
油圧ショベル1は、走行体12と、走行体12上に旋回可能に設けれられた旋回体13と、旋回体13の前部左側に設けられた運転室14と、旋回体13の前部中央に俯仰動可能に設けられたフロント作業機(掘削作業装置)15とを備えている。フロント作業機15は、旋回体13に回動可能に設けられたブーム16と、このブーム16の先端に回動可能に設けられたアーム17と、このアーム17の先端に回動可能に設けられたバケット18とで構成されている。また運転室14内には(機体側)コントローラ2が設置されている。
【0015】
なお、図9においては、油圧ショベル1は、機体重量数百トンクラスで例えば海外の鉱山等において用いられることの多い超大型ショベル(バックホウタイプ)を例にとって図示しているが、本発明の適用対象としてはこれに限られるものではない。すなわち、日本国内において各種建設工事現場等において最も活躍する機体重量数十トンクラスのいわゆる大型ショベル、中型ショベルや、小規模工事現場で活躍するそれよりさらに小型のいわゆるミニショベル等に適用してもよい。
【0016】
図10は、図9に示した本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態の適用対象である油圧ショベル1に搭載された油圧システムの一例の概略構成をセンサ類とともに表す図である。
【0017】
この図10において、油圧ショベル1に搭載された油圧システム20は、例えば、油圧ポンプ21a,21bと、ブーム用コントロールバルブ22a,22b、アーム用コントロールバルブ23、バケット用コントロールバルブ24、旋回用コントロールバルブ25、走行用コントロールバルブ26a,26bと、ブームシリンダ27、アームシリンダ28、バケットシリンダ29、旋回モータ30、走行モータ31a,31bとを備えている。
【0018】
油圧ポンプ21a,21bはいわゆる電子ガバナタイプの燃料噴射装置(図示せず)を備えた2つのディーゼルエンジン32(図では1つのみで略示する。以下適宜、単にエンジン32という)により回転駆動されて圧油を吐出し、コントロールバルブ(制御弁)22a,22b〜26a,26bは油圧ポンプ21a,21bから油圧アクチュエータ27〜31a,31bに供給される圧油の流れ(流量及び流れ方向)を制御し、油圧アクチュエータ27〜31a,31bはブーム16、アーム17、バケット18、旋回体13、走行体12の駆動を行う。これら油圧ポンプ12a,21b、コントロールバルブ22a,22b〜26a,26b及びエンジン32は旋回体13の後部の収納室(エンジン室)に設置されている。
【0019】
コントロールバルブ22a,22b〜26a,26bに対して操作レバー装置33,34,35,36が設けられている。操作レバー装置33の操作レバーを十字の一方向X1に操作するとアームクラウドのパイロット圧又はアームダンプのパイロット圧が生成されてアーム用コントロールバルブ23に印加され、操作レバー装置33の操作レバーを十字の他方向X2に操作すると右旋回のパイロット圧又は左旋回のパイロット圧が生成され、旋回用コントロールバルブ25に印加される。
【0020】
操作レバー装置34の操作レバーを十字の一方向X3に操作するとブーム上げのパイロット圧又はブーム下げのパイロット圧が生成されてブーム用コントロールバルブ22a,22bに印加され、操作レバー装置34の操作レバーを十字の他方向X4に操作するとバケットクラウドのパイロット圧又はバケットダンプのパイロット圧が生成され、バケット用コントロールバルブ24に印加される。また、操作レバー装置35,36の操作レバーを操作すると、左走行のパイロット圧及び右走行のパイロット圧が生成され、走行用コントロールバルブ26a,26bに印加される。なお、操作レバー装置33〜36はコントローラ2とともに運転室14内に配置されている。
【0021】
以上のような油圧システム20にセンサ40〜46,47a,47b,47c等が設けられている。センサ40は、フロント作業機15の操作信号としてこの例ではブーム上げのパイロット圧を検出する圧力センサであり、センサ41は旋回操作信号としてシャトル弁41aを介し取り出された旋回パイロット圧を検出する圧力センサであり、センサ42は走行操作信号としてシャトル弁42a,42b,42cを介して取り出された走行のパイロット圧を検出する圧力センサである。
【0022】
センサ43はエンジン32のキースイッチのON・OFFを検出するセンサであり、センサ44はシャトル弁44aを介して取り出された油圧ポンプ21a,21bの吐出圧力、即ちポンプ圧を検出する圧力センサであり、センサ45は油圧システム1の作動油の温度(油温)を検出する油温センサである。センサ46は、エンジン32の回転数を検出する回転数センサである。センサ47aは、エンジン32の燃料噴射装置によって噴射される噴射量(いいかえれば燃料消費量)を検出する燃料センサであり、センサ47bは、エンジン32のターボブースト圧力を検出する圧力センサであり、センサ47cはエンジン32を冷却する冷却水(ラジエータ水)の温度(例えば上部マニホールドにおける温度及び出口における温度)を検出する温度センサである。また図の煩雑化を避けるために図示を省略するが、このほかにも例えばエンジン32に関しては各シリンダごとに排気温度を検出するセンサ、電子ガバナ装置のスロットル位置を検出するセンサ、燃料レベルを検出するセンサ、バッテリ電圧を検出するセンサ、吸気マニホールドの温度を検出するセンサ、ラジエータの上部マニホールドにおける圧力を検出するセンサ、ラジエータの前面における空気温度を検出するセンサ、ラジエータの冷却ファンの油圧モータ入口圧力(油圧)を検出するセンサ、冷却水ポンプの吐出圧力を検出するセンサ、インタークーラの温度を検出するセンサ、オイルクーラの入口・出口温度、出口圧力を検出するセンサ、ブーム16に関してブーム角度を検出するセンサ、また周囲環境として大気圧を検出するセンサ、大気温度を検出するセンサ等、各種のセンサが設けられている。これらセンサ40〜46,47a,47b,47c等(以下適宜、単にセンサ40等という)の検出信号は、いずれもコントローラ2に送られ収集される。
【0023】
なお、以上は操作レバーをいずれも油圧パイロット方式の場合を例にとって説明したが、これに限られず、いわゆる電気レバー方式でもよい。この場合、操作状態を検出する方式はパイロット圧検出ではなく、電気レバー方式の操作レバー装置からの電気出力(指令信号)自体を検出信号とすればよい。
【0024】
コントローラ2は、上記センサ40等により検出された油圧ショベル1の動作状態に関わる状態量及び周囲環境に関わる状態量を収集し、その検出結果に応じて運転室14内に各種表示を行うためのものであり、本発明の最も大きな特徴は、その運転室14内における表示態様にある。
【0025】
図11及び図12は、本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態の適用対象である図9に示した油圧ショベルに設置された運転室内部の構成をそれぞれ表す側面図及び上面図である。
【0026】
図11及び図12において、運転室14内の操作者が着座する座席14Aより前方には、前述の走行用操作レバー装置35,36の手でも足でも操作可能な左・右走行用操作レバー35a,36aが設けられている。また、座席14Aの左・右両側には、前述した操作レバー装置33,34の十字操作式の左・右手動操作レバー33a,34aがそれぞれ備えている。座席14Aの左側には左コンソール48Lが、座席14Aの右側には右コンソール48Rが設けられている。
【0027】
また運転室14内には、本発明の建設機械の情報表示装置の要部を構成する表示手段としての表示部50及び操作手段としてのキーパッド51が設けられている。キーパッド51は携帯形の例もある。表示部50は、運転室14前方壁のうち着座した操作者からみて左前方位置において操作レバー33aより若干高い高さ方向位置に設けられている。キーパッド51は座席14Aの左側の操作レバー33a及び左コンソール48Lのさらに左側に設けられている。
【0028】
図11及び図12に戻り、前述のコントローラ2は、運転室14内の適宜の箇所(例えば座席14Aの下側)に収納されている。
【0029】
図13は、本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態を構成する上記コントローラ2のハードウェアを表す図である。
【0030】
図13において、コントローラ2は、入出力インターフェース2a,2b,CPU(中央処理演算部)2c、RAMとROMと各種のデータテーブルを含んだメモリ2d、及びタイマ2e、表示部2f(50)、キーパッド51を備えている。
【0031】
入出力インターフェース2aは、上述したセンサ40等により、フロント作業機15、旋回、走行のパイロット圧の検出信号、エンジン32のキースイッチONの検出信号、ポンプ21a,21bのポンプ圧の検出信号、油温の検出信号、エンジン32の回転数検出信号、冷却水温度検出信号、燃料消費量検出信号、ターボブースト圧力検出信号、エンジン32排気温度検出信号、スロットル位置検出信号、吸気マニホールド温度検出信号、ラジエータ上部マニホールド圧力検出信号、ラジエータ前面空気温度検出信号、ラジエータ冷却ファン油圧モータ入口圧検出信号、冷却水ポンプ吐出圧検出信号、インタークーラ温度検出信号、オイルクーラ入口・出口温、出口圧検出信号、ブーム角度検出信号、大気圧検出信号、大気温度検出信号等をそれぞれ入力する。なおエンジン23についてはディレート制御状態(=冷却水オーバーヒート、オイル圧低下時等においてエンジン出力を低下させる公知の制御)であることをそのディレート制御信号を検出することにより検出し、このディレート検出信号を入力して活用するようにしてもよい。
更に、CPU2cは、キーパッド51からの操作入力を取込み、マンマシン操作に利用する。
【0032】
CPU2cは、入出力インターフェース2aからの検出信号を元に所定の演算処理を行い、演算結果をメモリ2dに格納する。その際、適宜タイマ(時計機能を含む)2eを用いる。またタイマ2eをセンサ40等からの各検出信号の取り込み間隔(周期)設定のために用いてもよい。
【0033】
更に、メモリ2dはCPU2cに上記の演算処理を行わせるための制御プログラム及び後述の図1の処理を行う略語処理プログラムを格納した記録媒体としてのROM、演算途中のデータを一時的に記憶する記憶手段としてのRAM、後述の図4、図5のデータテーブル102、103を備えている。
【0034】
図14は、本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態を構成する上記構成のコントローラ2の処理機能を表す機能ブロック図である。
【0035】
図14において、コントローラ2は、信号入力処理部2A、後述の図2の表示領域E2への各種メータ表示制御部2B、図2の領域E1、E3、E4への警報/故障表示制御部2C、画面表示制御部2Dを有している。
【0036】
信号入力処理部2Aは、各センサ等40からの検出信号及びキーパッド51からの操作信号Xを取り込み、所定の受信処理を行った後、上記各制御部2B〜2Dへと出力する。
【0037】
各種メータ表示制御部2Bは、上記表示部50の初期画面のメータ表示領域E2に対応するものであり、センサ45,46,47b,47c等からのエンジン回転数検出信号、ラジエータ冷却水温検出信号、ターボブースト圧検出信号、燃料レベル検出信号、作動油温度検出信号、大気温度検出信号、バッテリ電圧検出信号に基づき、検出した各状態量データ(基本データ)に対応する表示を行うための表示信号(基本データ表示信号)を、表示部50のメータ表示領域E2へ出力する。
【0038】
警報/故障表示制御部2Cは、警報に関しては上記表示部50の表示領域E1、E3、E4への表示を、警報可否判定機能と、警報表示信号生成機能に基づいて行う。
【0039】
警報可否判定機能は、上述した各センサ40等からの各検出信号(状態量データ)に基づき、それらが予め定めたしきい値範囲内(異常でない範囲)に収まっているかどうかを判定するものである。所定のしきい値範囲内に収まっていない場合は、警報を発するべき状態(異常状態)であると判定され、これを警報情報として警報表示信号生成機能へと出力する。
【0040】
警報表示信号生成機能では、この警報情報を受けて、対応する警報表示を行うための表示信号(警報表示信号)を、表示部50の警報表示領域E1へ出力する。警報表示領域E1では、各警報を、例えばその内容に関連づけて予め定められた警報マークによって表示する。各警報の詳細な説明は省略するが、例えば、警報表示領域E1に共通するエンジン32に係わる警報としては、燃料レベル低下警報、ラジエータ冷却水レベル低下警報、ラジエータ冷却水オーバーヒート警報、エンジン排気温度過熱警報等がある。警報表示領域E1における油圧系に係わる警報としては、作動油レベル低下警報、作動油オーバーヒート警報等がある。
【0041】
なお、上記2つの機能のうち、警報可否判定機能は、コントローラ2外部に別途設けてもよい。すなわち、各センサ自体がしきい値との対比によって正常か異常かを判定し異常時には警報情報をコントローラ2の警報表示信号生成機能へ送信するようにしてもよいし、さらに各センサごと(あるいはある程度関連する複数のセンサからなるセンサグループごと)に制御装置(サブコントローラ)を設けてこれが上記判定及び警報情報の送信を行うようにしてもよい。
【0042】
また、上記警報表示信号生成機能からの警報表示信号は、表示部50の画面が初期画面(最初の画面)から操作者の操作によって警報リスト表示画面以降に遷移された場合の各種表示のために、画面表示制御部2Dにも入力される。
【0043】
警報/故障表示制御部2Cは、故障に関しては上記表示部50の初期画面の故障表示領域E3、E4への表示を、故障有無判定機能と、故障表示信号生成機能に基づいて行う。
【0044】
故障有無判定機能は、上述した各センサ40等からの各検出信号(状態量データ)に基づき、それらが故障状態であるかどうかを判定するものである。判定に手法としては例えば故障状態を以下の故障モードに類型化する。
(1)状態量データ自体は正常(センサは正常)であるが、油圧ショベル1の当該部位としてありえない値となっている(システム異常)場合;
(2)状態量データが安定せず、不安定な場合;
(3)検出信号の電圧レベルが過大又は高圧側に短絡している場合;
(4)検出信号の電圧レベルが過小又は低圧側に短絡している場合;
(5)検出信号の電流レベルが過小又は回路がオープンになっている場合;
(6)検出信号の電圧レベルが過大又は接地側に短絡している場合;
(7)機械的応答が不良(目標値と実測値との差が過大)の場合;
(8)異常な周波数、パルス幅、周期の場合;
上記のいずれかに該当する場合は、故障であると判定され、これを故障情報として故障表示信号生成機能へと出力する。
【0045】
故障表示信号生成機能では、この故障情報を受けて、対応する故障表示を行うための表示信号(故障表示信号)を、表示部50の故障表示領域50Bcへ出力する。故障表示領域50Bcでは、各故障表示を、例えばその故障が発生した部位の番号と上記故障モード番号とによって(=エラーコード)表示する。この故障には各センサ40又はこれに接続されるケーブルの短絡及び断線、通信系の通信不良、コントローラ2自体の異常、弁のスプールの中立位置異常・スティック(固着)等がある。
【0046】
なお、故障有無判定機能は、コントローラ2の外部に別途設けてもよい。すなわち、各センサ自体が自己モニタ機能によって正常か異常かを判定し異常時には故障情報をコントローラ2の故障表示信号生成機能へ送信するようにしてもよいし、さらに各センサごと(あるいはある程度関連する複数のセンサからなるセンサグループごと)に制御装置(サブコントローラ)を設けてこれが上記判定及び故障情報の送信を行うようにしてもよい。
【0047】
また、上記故障表示信号生成機能からの故障表示信号は、表示部50の画面が初期画面から操作者の操作によって故障リスト表示画面以降に遷移された場合(後述)の各種表示のために、画面表示制御部2Dにも入力される。
【0048】
画面表示制御部2Dは、表示部50の画面全体のレイアウト制御機能を担うものである。前述の初期画面のレイアウト全体(状態量データ自体の部分や警報・故障表示自体を除く枠組み・フォーム部分)を表示すると共に、上記信号入力処理部2Aから直接入力されるキーパッド操作信号X、警報/故障表示制御部2Cからの警報/故障表示信号、故障表示信号に応じて表示部50に表示制御信号を出力し、その画面を上記した初期画面からさらに別の画面に遷移させて切り換え表示させる。
【0049】
キーパッド51の操作部例を図15に示す。
キーパッド51は、表示部50の表示画面100での各種の操作入力手段としての機能を持つ。第1はカーソルの移動とクリックのための入力操作機能部51A、略語処理プログラム等のプログラム起動・中断・終了のための入力操作機能部51B〜51D、操作に困ったときの支援部51Eを持つ。例えば略語処理プログラムの起動は、「○」キーと「*」キーとの同時ON、略語処理プログラムの中断・終了は「×」キーのONによる。更に画面ポップアップ表示機能を持つ。画面ポップアップ表示機能は、新たな別キーを設定してもよく、又は上記キーの組み合わせによっての例もある。尚、言語切替はメニュー画面から設定させている。図15の操作部はあくまで一例にすぎない。据置き型のものも、携帯型のものもある。
【0050】
初期画面は、その後の運転状況、環境状況、異常/故障などの状況に応じて、他の画面へと切替わる。切替えは、状況に応じて自動的に行う場合、状況を操作者が判断して手動操作にて行う場合、とがある。後者は、キーパッド51を用いて行う。このキーパッドは操作者に近接して配置、又は操作者の携帯端末である。
【0051】
他の画面には、警報/故障発生時のそのリスト画面、警報/故障個所の詳細図、警報/故障のエラーコード及びそのエラーメッセージ画面、等がある。
エラーコードとは、エラーの種別や個所対応にコード化したものであり、取り扱い説明書や、メンテナンス、修理等で標準化されている例が多い。そのエラーコードに対応する情報がエラーメッセージであり、例えば警報/故障の状況を示す情報、原因を示す情報、エラーへの対処法を示す情報、の少なくとも1つを含む。
本実施例では、故障の他に警報についても広義のエラーとして扱い、警報情報の種別をエラーコード化し、且つ警報情報そのものをエラーメッセージとして扱う。
【0052】
以上、本発明のエラーの略語処理について詳述する。
表示部50の表示画面例100を図2、3に示す。表示画面は、コントローラ2が制御する。図2は通常時の表示画面、図3は異常やエラー発生時の表示画面であり、この切替えはコントローラ2自体によって又はコントローラ2とキーパッド51とが協同して行う。
図2に示す通常時の表示画面は、画面上方に警報ランプ表示領域E1があり、警報発生時に各種のランプがその対応個所に点灯する。中段には各種メータ表示領域E2があり、例えば図では左から作業油温度メータM1、冷却水温度メータM2、タコメータM3、エンジンオイル圧メータM4、エンジンオイル温度メータM5、燃料メータM6、バッテリーメータM7等が画像として表示してある。
下段には、エラーコード及びメッセージ表示領域E3、最下段にはキーガイダンス表示領域E4があり、エラー発生時の表示領域となる。
【0053】
図3は、表示領域E1,E2にエラー表示が生じたときに、そのエラーリストを画面100全体に表示させた例である。図3の表示例では、次の2つのエラー表示例としてある。
(1)エラーコード=20600−019
エラーメッセージ=ELU Communication Error
(2)エラーコード=11033−000
エラーメッセージ=EHCValveStick/HighPress(ArmRoll−OutOpe)
【0054】
図3のエラーメッセージ表示領域E5の1行分の文字数サイズは、有限な最大字数以下であって、エラーメッセージの中には、この最大字数を超える字数の事例がある。上記(1)のエラーメッセージは本来のものであって最大字数以下の例、(2)は最大字数以下にした略語を示すメッセージ例であり、この(2)の例では略語前の本来のメッセージは最大字数を超えている。
本実施例では、上記(2)の最大字数を超える本来のエラーメッセージに対して、略語処理を行って、最大字数以下の文字数に略語化している。
【0055】
図1は、コントローラ内のCPU等の処理手段による略語化処理フローを示す。この処理は、コントローラ内のROM等に搭載した略語処理プログラムによって、CPUと各種のデータテーブルのデータとを利用して実行される。更に、実行の過程に、キーパッドによる操作が可能になっている。
【0056】
上述の各種のデータテーブルを説明する。
図4は、エラーメッセージデータテーブル101の例を示し、図5は単語単位の略語を示すデータテーブル102の例を示す。
【0057】
図4のエラーメッセージデータテーブル101は、言語別(英語、日本語、その他の言語、予備エリア)に区分され、同一エラーコード別に、各言語で正規テキストとしての本来のメッセージ内容(文字)をデータとして格納してある。
例えば、エラーコード11033−000では、英語では図3に表示した文字データが格納され、日本語では「EHC弁スティック/圧力上限異常(アーム引き操作)」なる文字データが格納されている。その他の言語でもそれぞれの言語テキストデータで格納されている。尚、予備エリアは、追加分である。
エラーメッセージテーブル101のその右側欄には、略語表示データを持つが、これは前述の略語処理プログラムによって処理された結果を格納しておくものである。通常は、処理の要求毎に得られ、その都度、略語を示すデータとして格納したものであり、その後の使用では、略語がすでに得られて格納されているときには略語処理プログラムを作動させることなく、この略語を示すデータを読み出して画面に表示する。
【0058】
図5の単語単位の略語を示すデータテーブル102は、言語(英語、日本語、その他)別に、エラーメッセージの正規テキストの各単位文字毎に、略語を示すデータを格納したものである。各単位文字の中で略語を示すデータがあるものもあれば、ないものもあり、これらはあくまでその言語圏での略語の有無によって定める。例えば英語での「EHC」は、それ自体が単語で且つ略語である故に、英語での略語は存在しない。日本語では「EHC弁」として正式語であり、その略語はない。英語での「Pressure」は、略語として「Press」があり、日本語では正式なものが「圧力」であるが略語は存在しない。
このように単語とその略語とは、言語圏によって種々であり、略語化処理にはこのデータテーブルの存在が不可欠である。
単語には、言語としての単語の他に、カンマ等の記号があり、各種記号に対しても略語を作ってデータテーブル102の中に格納してある。例えばカンマは省略可の表記、スペースも省略可の表示が可能である。スラッシュ(/)については、その前後で特別の区別をする関係から省略はしないようにする。その他、各種の記号に応じた処理の仕方がありうる。
【0059】
図1の略語処理フローを説明する。
操作者のキーパッドの操作指示で自動的に、略語処理プログラムを起動する(フローF1)。このときの表示言語は、初期画面が必ず特定の言語、例えば英語表示という約束がなされていれば、英語表示となる。操作者がキーパッドで言語指定すれば、その指定言語での表示となる。ここでは英語表示とする。
エラー表示又はエラーが発生しているか否かを自動的に確認し(フローF2)、エラー表示又はエラー発生でなければ、エラーメッセージ未表示とする(フローF4)。
通常は、エラー発生とエラー表示とは原因と結果の故に必ず一致する。略語処理プログラムの始動は、コントローラでエラー発生が確認されたときに自動的に行うことも、エラー表示を操作者がみてキーパッドでマンマシン操作で起動させることもある。
エラー発生又はエラー表示を確認すると、表示してあるエラーコード(又はコントローラで得たエラーコード)から、図4のデータテーブル101を利用してエラーメッセージデータ(これを第1のエラーメッセージデータと呼ぶ)(例えばテキストデータ形成)を読出す(フローF3)。
【0060】
次に、読出したエラーメッセージデータの字数を計数し、それが表示スケールで定まる最大字数以内か否かを確認する(フローF5)。例えば、最大字数を“41”とした場合、エラーコード11033−000に対する英語正式テキストの字数は、スペースを含めると56字となり、表示サイズとしての限界値である41字数を超えてしまい、全字表示ができない。
もし、字数が41字未満であれば、略語処理をすることなく、そのまま表示する。
字数が41字以上にあっては、テキストデータのスペースを区切りに単語に分ける(フローF6)。この分けた単語について、図5のデータテーブル102を検索して、単語毎に略語を見つける(フローF8)。
【0061】
次に上位の単語から該当する略語に置き換える処理を行う(フローF9)、置き換えた字列に対して再び字数を計数する(フローF10)。
【0062】
この計数で41字未満になっていれば、第2のエラーメッセージデータとしての略語テキストを表示させる(フローF11)。もし、41字以上であれば、再び図5のデータテーブルを参照して再度の略語処理を行う(フローF9)。
この再度の略語処理とは、略語に優先度を設けている事例が該当する。前述の図5のテーブル説明では記載しなかったが、文字そのものの略語がある場合は、これの略語を最優先とし、スペースやカンマ等の記号の一部に関しては2次優先とする如き、優先度コードをデータテーブル102に付加(例えば「略語」の隣に優先度コード欄を設けておき、文字別/記号別等の予め定めた優先度1、2、・・・等を付加しておく)しておき、この優先度に応じてフローF9とF10とを繰返せばよい。通常は、最優先と次の優先の2つの度数区分でよいが、3区分以上の事例もありうる。これは文字そのものに対しても可能であり、いずれも言語やその文化圏の様子に応じて定める。
【0063】
最終的に、すべてのテキストを41字未満にできるようにすることが好ましい。
次に、41字未満が達成されれば、その略語テキストデータの表示を行う(フローF11)。
【0064】
これによって略語処理は終了するが、本実施例では、略語表示したその直後に、リスト画面時の全文エラーメッセージガイダンス処理を行う(フローF12)。このガイダンスに従って、該当エラーメッセージ表示操作を行う(フローF13)。そして、表示画面に入れなかったエラーメッセージを、ポップアップの形式で表示画面100のエラーメッセージ表示スペースに近接したポップアップ画面103上に表示させる(フローF14)。ポップアップ操作がなければ通常表示処理、即ち、ポップアップ処理をせずにそのまま略語表示を続け、確認をもって終了する(フローF15)。ポップアップは、ポップアップ操作画面を表示して行ってもよく、又はキーパッド51の操作部51B〜51Cのいずれか又はその組合せの同時ONの如き機能を与えることで実現する。
【0065】
図3の処理を具体例で説明する。
具体例は、エラーコード「11033−0000」文字メッセージ「EHC Valve Stick/High Pressure(Arm Roll−Out Operation)」とする。
上記文字メッセージはスペースを含めて56字数であり、最大字数41よりも大きく、表示画面の該当表示個所には表示しきれない。これらの一連の処理が図1のフローF2、F3、F5で行われる。
文字メッセージの字数が最大字数41を超えているため、フローF8ではテキストデータのスペースを区切りに単語毎に分ける処理を行う。この結果は以下となる。スラッシュ及びカッコはそれぞれ1つの単語として扱う。
「EHC」「Valve」「Stick」「/」「High」「Pressure」「(」「Arm」「Roll−Out」「Operation」「)」
また、この例では、カンマはないが、カンマも1つの単語として扱う。
【0066】
上記区分した単語について上位の単語(EHC)から、データテーブル102を参照して略語があるか否かを順次チェックし、略語があれば略語を読出し、略語がなければそのまま元の単語を残す(フローF9)。データテーブル102では、略語は「Pressure」→「Press」、「Operaition」→「Ope」の2つである。かくして得た略語処理結果により次の略語文字メッセージのテキストデータとなる。
「EHC Valve Stick/High Press(Arm Roll−Out Ope)」
【0067】
このテキストデータは、41字を超えている。そこで、再度の略語処理を行う(フローF10、F9)。この再度の略語処理では、優先度を利用する。図のデータテーブル102には示していないが、第1回の略語処理では「スペース」の略語処理を行わないように、「スペース」に対しては優先度2としておく。一方、第1回の略語処理では文字のみについて略語(スラッシュ、カッコを含めてよい)処理の優先度1としておき、この優先度1のみについて略語処理を行う。
【0068】
この第1回目の優先度1のみについての略語処理結果が上記略語テキストデータである。そこで、優先度2の「スペース」に対しては、「削除」(又は取り除き)という略語化を行うようにしておく。これにより、上記第1回目の略語を示すテキストデータに対する第2回の略語化処理では、「スペース」がすべて除かれて以下の如き略語を示すメッセージのテキストデータとなる。
「EHCValveStick/HighPress(ArmRoll−OutOpe)」
これは、41字以下の字数であり、表示サイズ内に収まる。かかる処理がフローF11からフローF10への処理である。
【0069】
図6は、表示画面100でのこの最終の略語を示すメッセージのエラーリスト画面での表示例を示す。図7は、略語処理前の正式メッセージの表示例を示し、右端が表示不能であることが示されている。
【0070】
図8は、ポップアップ画面例を示す。図7の2列目の該当メッセージ項目欄に折り重なるようにして、新しい画面103を表示する。この新しい画面103には、略語処理前の、メッセージ内容が表示される。これによって、略語によるメッセージのみでなく、略語前のメッセージを、操作者は読取ることができる。
【0071】
次に言語切替えについて説明する。言語切替えは、初期設定例と途中設定例とがある。初期設定例とは、建設機械の作業前に操作者が設定する例であり、途中設定例とは、建設機械の作業中等の途中で、操作者が交代したりしたときに行う例である。いずれも、表示画面100に、各種設定メニュー画面を表示させ、その中から言語選択画面を選択して表示させ、言語選択を行う。途中切替えの他の例としては、次の如き例がある。例え、同一操作者であっても、略語を示すメッセージでは理解できにくいことがあり、全文のメッセージ表示が要求される。このとき、略語を示すメッセージとは、操作者の得意とする、異なる言語での全文のメッセージを要求してくる例がある。
【0072】
例えば、途中設定を行うには、言語切替画面を表示して言語切替えを行う。更に図4のデータテーブル101には、言語別、且つエラーコード別に、エラーメッセージが区分けされて記憶されているので、表示中のエラーコードにあって、別言語を要求したときその切替言語を用いたエラーメッセージの表現を行う。
【0073】
今、例えば英語表現であったとして、例えばブルガリア語への切替えを要求するときに、操作者はブルガリア語への切替えの操作を行う。これによって、その表示中のエラーコードに該当するブルガリア語のエラーメッセージが表示される。
この例で、ブルガリア語が略号処理しなければならない長文メッセージである場合、前述と同様にブルガリア語の略語処理を図5のテーブル、及び図3に従って行えばよいが、もし略語処理不可であれば(略語なしということ)、略語化はできない。このときには、一旦、表示スケールにそのスケール一杯に表示させた上で、全文のメッセージをその後で表示することが必要となる。この全文のメッセージの表示を行わせるのに、ポップアップ操作画面又はキーパッドによるポップアップ表示処理を使う。
【符号の説明】
【0074】
1 油圧ショベル
2 コントローラ
50 表示部
100 表示画面
101,102 データテーブル
F1〜F15 処理フロー
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械、例えば油圧ショベルは、各種の圧力センサ、温度センサ等の計器類、電磁比例弁などの各種のアクチュエータエンジン関連の各種の状態量検出器等を持つ。
運転室には、モニタ画面があり、各種の計測データの情報表示や異常発生時の異常を示す警報/故障情報表示を行う。
かかる建設機械の情報表示装置の公知文献として、特許文献1がある。
この特許文献1は、異常情報提供装置であって、各種の計測データや状態量を取込み、表示を行うと共に、処理して異常発生情報を得てこれを表示し、更に、異常の詳細がわかるような詳細情報をも表示可能にしたものである。
この表示を実現したのがコントローラ、キーパッドである。コントローラは、各種の計測データや状態量を取込み、処理して表示情報化して表示画面に表示させる。キーパッドは、表示画面上のカーソルの位置や表示処理やプログラム実行処理をマンマシンにて行うべく、操作員による各種操作可能な手動操作手段である。
コントローラは、CPU、入出力インターフェース、各種のメモリ、表示部、を持つ。表示部が前記の各種の表示情報の表示手段となり、また、入出力インターフェースにつながるものの1つが、上記キーパッドである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−82961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
異常発生時の表示は、建設機械の使用される現場や操作員の言語によってなされる。日本では日本語、英語圏では英語という具合である。これらの言語については上記特許文献1には特に記載はないが、一般的にはデータテーブルに、エラーコードに対応して格納されており、コントローラは、故障発生を計測データや状態量に基づき検出したときに、その検出事例に対応するエラーコードを検索し、このエラーコードに対応する異常を示す警報/故障情報を、上記データテーブルから読出す。そして、エラーコードと併せて対応する異常を示す警報/故障情報を表示画面に表示する。
然るに、多言語を使用する国や、言語の異なる国境を作業現場とする事例にあっても、操作者に適合した言語による異常を示す警報/故障情報の表示が必要となる。
建設機械の規模によっても異なるが、通常使用されている油圧ショベルにあっては、300〜400の異常情報数にもなる。これらを言語別にすべてデータとして用意しておくことは、メモリ容量の負担となる。
更に、国によっては、一般的に略語を用いない例(例えばブルガリア語)があり、途中で略語を表示してもその後で全文を表示しなければならないことになる。
本発明の目的は、こうした問題を解決する建設機械の情報表示装置を提供するものである。
更に本発明は、限られたメモリ容量の中で、異常を示す警報/故障情報の表示画面サイズに応じた表示を可能にする建設機械の情報表示装置を提供することを目的とする。
更に本発明は、多言語での使用にあっても異常を示す警報/故障情報の表示画面サイズに応じた略語表示を可能にする建設機械の情報表示装置を提供することを目的とする。
更に本発明は、異常を示す警報/故障情報の表示画面サイズに応じた略語の表示と共に、その後で全文表示を可能にする建設機械の情報表示装置を提供するものである。
更に本発明は、作業の途中にあって、異なる言語の表示が要求されたときも異常を示す警報/故障情報の表示画面サイズに応じた略語表示だけでなく、その後でその要求言語に従った全文表示を可能にする建設機械の情報表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、運転室に設置されたモニタ画面に、動作状態又は環境状態を示す情報を表示すると共に、エラー発生時のそのエラーコード及び文字及び又は記号を含むエラーメッセージを表示可能とする建設機械の情報表示装置であって、エラー発生時にそのエラー対応のエラーコード及び文字及び又は記号を含む第1のエラーメッセージをデータとして得、この文字及び又は記号を含むエラーメッセージの字数が表示画面上の表示すべき表示スペースの表示可能字数よりも大きいときに、表示可能な字数になるように、エラーメッセージを略語化して第2のエラーメッセージを得る第1手段と、この第2のエラーメッセージ又は表示可能な字数よりも小さいときの上記第1のエラーメッセージを上記該当する表示スペース上にエラーコードと併せて表示させる第2手段と、
運転室の操作者に近接した位置に配置され又は配置可能なポップアップ操作入力機能を持つ操作手段と、上記第2のエラーメッセージ表示後にあって、この操作手段からポップアップ操作の入力がなされたことを受けて、上記該当する表示スペースに近接して、略語化前の第1のエラーメッセージをポップアップにより表示させる第3手段と、
を備える建設機械の情報表示装置を開示する。
【0006】
更に本発明は、上記第1手段は、単語と略語の関係を示すデータテーブルと、上記得られた第1のエラーメッセージの字数を計数し、表示すべき表示スペースの表示可能字数よりも大きいか否かを判定する判定手段と、表示可能字数よりも大きいときに第1のエラーメッセージを単語に分ける分割手段と、この各単語について上記データテーブルを参照して、表示すべき表示スペースの字数よりも小さくなるように略語化して、第2のエラーメッセージを得る処理手段と、を備えるものとした建設機械の情報表示装置を開示する。
【0007】
更に本発明は、上記データテーブルは、単語の種類又は内容とによって略語の優先度コードが付加され、この優先度コードの高い順から略語処理を行うものとした建設機械の情報表示装置を開示する。
【0008】
更に本発明は、上記操作手段は、表示言語切替えの操作入力機能を持ち、この入力を受けたときの上記第2、第3手段は表示中の言語を、指定された言語に切替えて表示させるものとした建設機械の情報表示装置を開示する。
【0009】
更に本発明は、上記第3の手段は、指定された言語として、ポップアップ入力がされたときの第1のエラーメッセージを含むものとした建設機械の情報表示装置を開示する。
【0010】
更に本発明は、上記操作手段は、キーパッドとする建設機械の情報表示装置を開示する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ショベル等の建設機械にあって、限られたメモリ容量の中で、その表示画面に、異常を示す警報/故障情報の略語を表示可能にできると共に、略語に代る異常を示す警報/故障情報の全文をも簡便に表示可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のコントローラ2による略語処理のフローチャート例を示す図である。
【図2】本発明の表示部50の警報/故障の表示画面例を示す図である。
【図3】本発明の表示部50の表示画面でのエラーコードとエラーメッセージ表示例を示す図である。
【図4】本発明のエラーメッセージデータテーブル101の具体例図である。
【図5】本発明の単語別の略語を示すデータテーブル102の具体例図である。
【図6】本発明の表示部50の第1のエラーメッセージ、第2のエラーメッセージの表示画面例図である。
【図7】本発明の表示部50の第1エラーメッセージ、はみ出した第1エラーメッセージの表示画面例図である。
【図8】本発明の表示部50のポップアップの表示画面例図である。
【図9】本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態の対象となる建設機械の構造を表す側面図である。
【図10】図1に示した本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態の適用対象である油圧ショベルに搭載された油圧システムの一例の概略構成をセンサ類とともに表す図である。
【図11】本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態の適用対象である図1に示した油圧ショベルに設置された運転室内部の構成をそれぞれ表す側面図である。
【図12】本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態の適用対象である図1に示した油圧ショベルに設置された運転室内部の構成をそれぞれ表す上面図である。
【図13】本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態を構成する表示装置の電源オン後の通常画面(=初期画面)表示状態を表す正面図である。
【図14】本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態を構成するコントローラのハードウェア構成を表す図である。
【図15】本発明のキーパッドの操作部例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
先ず、本発明の建設機械の一例としての油圧ショベルについて全体説明を、図9〜図14を用いて行う。
図9は、本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態の対象となる建設機械(この例では油圧ショベル)の構造を表す側面図である。
【0014】
油圧ショベル1は、走行体12と、走行体12上に旋回可能に設けれられた旋回体13と、旋回体13の前部左側に設けられた運転室14と、旋回体13の前部中央に俯仰動可能に設けられたフロント作業機(掘削作業装置)15とを備えている。フロント作業機15は、旋回体13に回動可能に設けられたブーム16と、このブーム16の先端に回動可能に設けられたアーム17と、このアーム17の先端に回動可能に設けられたバケット18とで構成されている。また運転室14内には(機体側)コントローラ2が設置されている。
【0015】
なお、図9においては、油圧ショベル1は、機体重量数百トンクラスで例えば海外の鉱山等において用いられることの多い超大型ショベル(バックホウタイプ)を例にとって図示しているが、本発明の適用対象としてはこれに限られるものではない。すなわち、日本国内において各種建設工事現場等において最も活躍する機体重量数十トンクラスのいわゆる大型ショベル、中型ショベルや、小規模工事現場で活躍するそれよりさらに小型のいわゆるミニショベル等に適用してもよい。
【0016】
図10は、図9に示した本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態の適用対象である油圧ショベル1に搭載された油圧システムの一例の概略構成をセンサ類とともに表す図である。
【0017】
この図10において、油圧ショベル1に搭載された油圧システム20は、例えば、油圧ポンプ21a,21bと、ブーム用コントロールバルブ22a,22b、アーム用コントロールバルブ23、バケット用コントロールバルブ24、旋回用コントロールバルブ25、走行用コントロールバルブ26a,26bと、ブームシリンダ27、アームシリンダ28、バケットシリンダ29、旋回モータ30、走行モータ31a,31bとを備えている。
【0018】
油圧ポンプ21a,21bはいわゆる電子ガバナタイプの燃料噴射装置(図示せず)を備えた2つのディーゼルエンジン32(図では1つのみで略示する。以下適宜、単にエンジン32という)により回転駆動されて圧油を吐出し、コントロールバルブ(制御弁)22a,22b〜26a,26bは油圧ポンプ21a,21bから油圧アクチュエータ27〜31a,31bに供給される圧油の流れ(流量及び流れ方向)を制御し、油圧アクチュエータ27〜31a,31bはブーム16、アーム17、バケット18、旋回体13、走行体12の駆動を行う。これら油圧ポンプ12a,21b、コントロールバルブ22a,22b〜26a,26b及びエンジン32は旋回体13の後部の収納室(エンジン室)に設置されている。
【0019】
コントロールバルブ22a,22b〜26a,26bに対して操作レバー装置33,34,35,36が設けられている。操作レバー装置33の操作レバーを十字の一方向X1に操作するとアームクラウドのパイロット圧又はアームダンプのパイロット圧が生成されてアーム用コントロールバルブ23に印加され、操作レバー装置33の操作レバーを十字の他方向X2に操作すると右旋回のパイロット圧又は左旋回のパイロット圧が生成され、旋回用コントロールバルブ25に印加される。
【0020】
操作レバー装置34の操作レバーを十字の一方向X3に操作するとブーム上げのパイロット圧又はブーム下げのパイロット圧が生成されてブーム用コントロールバルブ22a,22bに印加され、操作レバー装置34の操作レバーを十字の他方向X4に操作するとバケットクラウドのパイロット圧又はバケットダンプのパイロット圧が生成され、バケット用コントロールバルブ24に印加される。また、操作レバー装置35,36の操作レバーを操作すると、左走行のパイロット圧及び右走行のパイロット圧が生成され、走行用コントロールバルブ26a,26bに印加される。なお、操作レバー装置33〜36はコントローラ2とともに運転室14内に配置されている。
【0021】
以上のような油圧システム20にセンサ40〜46,47a,47b,47c等が設けられている。センサ40は、フロント作業機15の操作信号としてこの例ではブーム上げのパイロット圧を検出する圧力センサであり、センサ41は旋回操作信号としてシャトル弁41aを介し取り出された旋回パイロット圧を検出する圧力センサであり、センサ42は走行操作信号としてシャトル弁42a,42b,42cを介して取り出された走行のパイロット圧を検出する圧力センサである。
【0022】
センサ43はエンジン32のキースイッチのON・OFFを検出するセンサであり、センサ44はシャトル弁44aを介して取り出された油圧ポンプ21a,21bの吐出圧力、即ちポンプ圧を検出する圧力センサであり、センサ45は油圧システム1の作動油の温度(油温)を検出する油温センサである。センサ46は、エンジン32の回転数を検出する回転数センサである。センサ47aは、エンジン32の燃料噴射装置によって噴射される噴射量(いいかえれば燃料消費量)を検出する燃料センサであり、センサ47bは、エンジン32のターボブースト圧力を検出する圧力センサであり、センサ47cはエンジン32を冷却する冷却水(ラジエータ水)の温度(例えば上部マニホールドにおける温度及び出口における温度)を検出する温度センサである。また図の煩雑化を避けるために図示を省略するが、このほかにも例えばエンジン32に関しては各シリンダごとに排気温度を検出するセンサ、電子ガバナ装置のスロットル位置を検出するセンサ、燃料レベルを検出するセンサ、バッテリ電圧を検出するセンサ、吸気マニホールドの温度を検出するセンサ、ラジエータの上部マニホールドにおける圧力を検出するセンサ、ラジエータの前面における空気温度を検出するセンサ、ラジエータの冷却ファンの油圧モータ入口圧力(油圧)を検出するセンサ、冷却水ポンプの吐出圧力を検出するセンサ、インタークーラの温度を検出するセンサ、オイルクーラの入口・出口温度、出口圧力を検出するセンサ、ブーム16に関してブーム角度を検出するセンサ、また周囲環境として大気圧を検出するセンサ、大気温度を検出するセンサ等、各種のセンサが設けられている。これらセンサ40〜46,47a,47b,47c等(以下適宜、単にセンサ40等という)の検出信号は、いずれもコントローラ2に送られ収集される。
【0023】
なお、以上は操作レバーをいずれも油圧パイロット方式の場合を例にとって説明したが、これに限られず、いわゆる電気レバー方式でもよい。この場合、操作状態を検出する方式はパイロット圧検出ではなく、電気レバー方式の操作レバー装置からの電気出力(指令信号)自体を検出信号とすればよい。
【0024】
コントローラ2は、上記センサ40等により検出された油圧ショベル1の動作状態に関わる状態量及び周囲環境に関わる状態量を収集し、その検出結果に応じて運転室14内に各種表示を行うためのものであり、本発明の最も大きな特徴は、その運転室14内における表示態様にある。
【0025】
図11及び図12は、本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態の適用対象である図9に示した油圧ショベルに設置された運転室内部の構成をそれぞれ表す側面図及び上面図である。
【0026】
図11及び図12において、運転室14内の操作者が着座する座席14Aより前方には、前述の走行用操作レバー装置35,36の手でも足でも操作可能な左・右走行用操作レバー35a,36aが設けられている。また、座席14Aの左・右両側には、前述した操作レバー装置33,34の十字操作式の左・右手動操作レバー33a,34aがそれぞれ備えている。座席14Aの左側には左コンソール48Lが、座席14Aの右側には右コンソール48Rが設けられている。
【0027】
また運転室14内には、本発明の建設機械の情報表示装置の要部を構成する表示手段としての表示部50及び操作手段としてのキーパッド51が設けられている。キーパッド51は携帯形の例もある。表示部50は、運転室14前方壁のうち着座した操作者からみて左前方位置において操作レバー33aより若干高い高さ方向位置に設けられている。キーパッド51は座席14Aの左側の操作レバー33a及び左コンソール48Lのさらに左側に設けられている。
【0028】
図11及び図12に戻り、前述のコントローラ2は、運転室14内の適宜の箇所(例えば座席14Aの下側)に収納されている。
【0029】
図13は、本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態を構成する上記コントローラ2のハードウェアを表す図である。
【0030】
図13において、コントローラ2は、入出力インターフェース2a,2b,CPU(中央処理演算部)2c、RAMとROMと各種のデータテーブルを含んだメモリ2d、及びタイマ2e、表示部2f(50)、キーパッド51を備えている。
【0031】
入出力インターフェース2aは、上述したセンサ40等により、フロント作業機15、旋回、走行のパイロット圧の検出信号、エンジン32のキースイッチONの検出信号、ポンプ21a,21bのポンプ圧の検出信号、油温の検出信号、エンジン32の回転数検出信号、冷却水温度検出信号、燃料消費量検出信号、ターボブースト圧力検出信号、エンジン32排気温度検出信号、スロットル位置検出信号、吸気マニホールド温度検出信号、ラジエータ上部マニホールド圧力検出信号、ラジエータ前面空気温度検出信号、ラジエータ冷却ファン油圧モータ入口圧検出信号、冷却水ポンプ吐出圧検出信号、インタークーラ温度検出信号、オイルクーラ入口・出口温、出口圧検出信号、ブーム角度検出信号、大気圧検出信号、大気温度検出信号等をそれぞれ入力する。なおエンジン23についてはディレート制御状態(=冷却水オーバーヒート、オイル圧低下時等においてエンジン出力を低下させる公知の制御)であることをそのディレート制御信号を検出することにより検出し、このディレート検出信号を入力して活用するようにしてもよい。
更に、CPU2cは、キーパッド51からの操作入力を取込み、マンマシン操作に利用する。
【0032】
CPU2cは、入出力インターフェース2aからの検出信号を元に所定の演算処理を行い、演算結果をメモリ2dに格納する。その際、適宜タイマ(時計機能を含む)2eを用いる。またタイマ2eをセンサ40等からの各検出信号の取り込み間隔(周期)設定のために用いてもよい。
【0033】
更に、メモリ2dはCPU2cに上記の演算処理を行わせるための制御プログラム及び後述の図1の処理を行う略語処理プログラムを格納した記録媒体としてのROM、演算途中のデータを一時的に記憶する記憶手段としてのRAM、後述の図4、図5のデータテーブル102、103を備えている。
【0034】
図14は、本発明の建設機械の情報表示装置の一実施の形態を構成する上記構成のコントローラ2の処理機能を表す機能ブロック図である。
【0035】
図14において、コントローラ2は、信号入力処理部2A、後述の図2の表示領域E2への各種メータ表示制御部2B、図2の領域E1、E3、E4への警報/故障表示制御部2C、画面表示制御部2Dを有している。
【0036】
信号入力処理部2Aは、各センサ等40からの検出信号及びキーパッド51からの操作信号Xを取り込み、所定の受信処理を行った後、上記各制御部2B〜2Dへと出力する。
【0037】
各種メータ表示制御部2Bは、上記表示部50の初期画面のメータ表示領域E2に対応するものであり、センサ45,46,47b,47c等からのエンジン回転数検出信号、ラジエータ冷却水温検出信号、ターボブースト圧検出信号、燃料レベル検出信号、作動油温度検出信号、大気温度検出信号、バッテリ電圧検出信号に基づき、検出した各状態量データ(基本データ)に対応する表示を行うための表示信号(基本データ表示信号)を、表示部50のメータ表示領域E2へ出力する。
【0038】
警報/故障表示制御部2Cは、警報に関しては上記表示部50の表示領域E1、E3、E4への表示を、警報可否判定機能と、警報表示信号生成機能に基づいて行う。
【0039】
警報可否判定機能は、上述した各センサ40等からの各検出信号(状態量データ)に基づき、それらが予め定めたしきい値範囲内(異常でない範囲)に収まっているかどうかを判定するものである。所定のしきい値範囲内に収まっていない場合は、警報を発するべき状態(異常状態)であると判定され、これを警報情報として警報表示信号生成機能へと出力する。
【0040】
警報表示信号生成機能では、この警報情報を受けて、対応する警報表示を行うための表示信号(警報表示信号)を、表示部50の警報表示領域E1へ出力する。警報表示領域E1では、各警報を、例えばその内容に関連づけて予め定められた警報マークによって表示する。各警報の詳細な説明は省略するが、例えば、警報表示領域E1に共通するエンジン32に係わる警報としては、燃料レベル低下警報、ラジエータ冷却水レベル低下警報、ラジエータ冷却水オーバーヒート警報、エンジン排気温度過熱警報等がある。警報表示領域E1における油圧系に係わる警報としては、作動油レベル低下警報、作動油オーバーヒート警報等がある。
【0041】
なお、上記2つの機能のうち、警報可否判定機能は、コントローラ2外部に別途設けてもよい。すなわち、各センサ自体がしきい値との対比によって正常か異常かを判定し異常時には警報情報をコントローラ2の警報表示信号生成機能へ送信するようにしてもよいし、さらに各センサごと(あるいはある程度関連する複数のセンサからなるセンサグループごと)に制御装置(サブコントローラ)を設けてこれが上記判定及び警報情報の送信を行うようにしてもよい。
【0042】
また、上記警報表示信号生成機能からの警報表示信号は、表示部50の画面が初期画面(最初の画面)から操作者の操作によって警報リスト表示画面以降に遷移された場合の各種表示のために、画面表示制御部2Dにも入力される。
【0043】
警報/故障表示制御部2Cは、故障に関しては上記表示部50の初期画面の故障表示領域E3、E4への表示を、故障有無判定機能と、故障表示信号生成機能に基づいて行う。
【0044】
故障有無判定機能は、上述した各センサ40等からの各検出信号(状態量データ)に基づき、それらが故障状態であるかどうかを判定するものである。判定に手法としては例えば故障状態を以下の故障モードに類型化する。
(1)状態量データ自体は正常(センサは正常)であるが、油圧ショベル1の当該部位としてありえない値となっている(システム異常)場合;
(2)状態量データが安定せず、不安定な場合;
(3)検出信号の電圧レベルが過大又は高圧側に短絡している場合;
(4)検出信号の電圧レベルが過小又は低圧側に短絡している場合;
(5)検出信号の電流レベルが過小又は回路がオープンになっている場合;
(6)検出信号の電圧レベルが過大又は接地側に短絡している場合;
(7)機械的応答が不良(目標値と実測値との差が過大)の場合;
(8)異常な周波数、パルス幅、周期の場合;
上記のいずれかに該当する場合は、故障であると判定され、これを故障情報として故障表示信号生成機能へと出力する。
【0045】
故障表示信号生成機能では、この故障情報を受けて、対応する故障表示を行うための表示信号(故障表示信号)を、表示部50の故障表示領域50Bcへ出力する。故障表示領域50Bcでは、各故障表示を、例えばその故障が発生した部位の番号と上記故障モード番号とによって(=エラーコード)表示する。この故障には各センサ40又はこれに接続されるケーブルの短絡及び断線、通信系の通信不良、コントローラ2自体の異常、弁のスプールの中立位置異常・スティック(固着)等がある。
【0046】
なお、故障有無判定機能は、コントローラ2の外部に別途設けてもよい。すなわち、各センサ自体が自己モニタ機能によって正常か異常かを判定し異常時には故障情報をコントローラ2の故障表示信号生成機能へ送信するようにしてもよいし、さらに各センサごと(あるいはある程度関連する複数のセンサからなるセンサグループごと)に制御装置(サブコントローラ)を設けてこれが上記判定及び故障情報の送信を行うようにしてもよい。
【0047】
また、上記故障表示信号生成機能からの故障表示信号は、表示部50の画面が初期画面から操作者の操作によって故障リスト表示画面以降に遷移された場合(後述)の各種表示のために、画面表示制御部2Dにも入力される。
【0048】
画面表示制御部2Dは、表示部50の画面全体のレイアウト制御機能を担うものである。前述の初期画面のレイアウト全体(状態量データ自体の部分や警報・故障表示自体を除く枠組み・フォーム部分)を表示すると共に、上記信号入力処理部2Aから直接入力されるキーパッド操作信号X、警報/故障表示制御部2Cからの警報/故障表示信号、故障表示信号に応じて表示部50に表示制御信号を出力し、その画面を上記した初期画面からさらに別の画面に遷移させて切り換え表示させる。
【0049】
キーパッド51の操作部例を図15に示す。
キーパッド51は、表示部50の表示画面100での各種の操作入力手段としての機能を持つ。第1はカーソルの移動とクリックのための入力操作機能部51A、略語処理プログラム等のプログラム起動・中断・終了のための入力操作機能部51B〜51D、操作に困ったときの支援部51Eを持つ。例えば略語処理プログラムの起動は、「○」キーと「*」キーとの同時ON、略語処理プログラムの中断・終了は「×」キーのONによる。更に画面ポップアップ表示機能を持つ。画面ポップアップ表示機能は、新たな別キーを設定してもよく、又は上記キーの組み合わせによっての例もある。尚、言語切替はメニュー画面から設定させている。図15の操作部はあくまで一例にすぎない。据置き型のものも、携帯型のものもある。
【0050】
初期画面は、その後の運転状況、環境状況、異常/故障などの状況に応じて、他の画面へと切替わる。切替えは、状況に応じて自動的に行う場合、状況を操作者が判断して手動操作にて行う場合、とがある。後者は、キーパッド51を用いて行う。このキーパッドは操作者に近接して配置、又は操作者の携帯端末である。
【0051】
他の画面には、警報/故障発生時のそのリスト画面、警報/故障個所の詳細図、警報/故障のエラーコード及びそのエラーメッセージ画面、等がある。
エラーコードとは、エラーの種別や個所対応にコード化したものであり、取り扱い説明書や、メンテナンス、修理等で標準化されている例が多い。そのエラーコードに対応する情報がエラーメッセージであり、例えば警報/故障の状況を示す情報、原因を示す情報、エラーへの対処法を示す情報、の少なくとも1つを含む。
本実施例では、故障の他に警報についても広義のエラーとして扱い、警報情報の種別をエラーコード化し、且つ警報情報そのものをエラーメッセージとして扱う。
【0052】
以上、本発明のエラーの略語処理について詳述する。
表示部50の表示画面例100を図2、3に示す。表示画面は、コントローラ2が制御する。図2は通常時の表示画面、図3は異常やエラー発生時の表示画面であり、この切替えはコントローラ2自体によって又はコントローラ2とキーパッド51とが協同して行う。
図2に示す通常時の表示画面は、画面上方に警報ランプ表示領域E1があり、警報発生時に各種のランプがその対応個所に点灯する。中段には各種メータ表示領域E2があり、例えば図では左から作業油温度メータM1、冷却水温度メータM2、タコメータM3、エンジンオイル圧メータM4、エンジンオイル温度メータM5、燃料メータM6、バッテリーメータM7等が画像として表示してある。
下段には、エラーコード及びメッセージ表示領域E3、最下段にはキーガイダンス表示領域E4があり、エラー発生時の表示領域となる。
【0053】
図3は、表示領域E1,E2にエラー表示が生じたときに、そのエラーリストを画面100全体に表示させた例である。図3の表示例では、次の2つのエラー表示例としてある。
(1)エラーコード=20600−019
エラーメッセージ=ELU Communication Error
(2)エラーコード=11033−000
エラーメッセージ=EHCValveStick/HighPress(ArmRoll−OutOpe)
【0054】
図3のエラーメッセージ表示領域E5の1行分の文字数サイズは、有限な最大字数以下であって、エラーメッセージの中には、この最大字数を超える字数の事例がある。上記(1)のエラーメッセージは本来のものであって最大字数以下の例、(2)は最大字数以下にした略語を示すメッセージ例であり、この(2)の例では略語前の本来のメッセージは最大字数を超えている。
本実施例では、上記(2)の最大字数を超える本来のエラーメッセージに対して、略語処理を行って、最大字数以下の文字数に略語化している。
【0055】
図1は、コントローラ内のCPU等の処理手段による略語化処理フローを示す。この処理は、コントローラ内のROM等に搭載した略語処理プログラムによって、CPUと各種のデータテーブルのデータとを利用して実行される。更に、実行の過程に、キーパッドによる操作が可能になっている。
【0056】
上述の各種のデータテーブルを説明する。
図4は、エラーメッセージデータテーブル101の例を示し、図5は単語単位の略語を示すデータテーブル102の例を示す。
【0057】
図4のエラーメッセージデータテーブル101は、言語別(英語、日本語、その他の言語、予備エリア)に区分され、同一エラーコード別に、各言語で正規テキストとしての本来のメッセージ内容(文字)をデータとして格納してある。
例えば、エラーコード11033−000では、英語では図3に表示した文字データが格納され、日本語では「EHC弁スティック/圧力上限異常(アーム引き操作)」なる文字データが格納されている。その他の言語でもそれぞれの言語テキストデータで格納されている。尚、予備エリアは、追加分である。
エラーメッセージテーブル101のその右側欄には、略語表示データを持つが、これは前述の略語処理プログラムによって処理された結果を格納しておくものである。通常は、処理の要求毎に得られ、その都度、略語を示すデータとして格納したものであり、その後の使用では、略語がすでに得られて格納されているときには略語処理プログラムを作動させることなく、この略語を示すデータを読み出して画面に表示する。
【0058】
図5の単語単位の略語を示すデータテーブル102は、言語(英語、日本語、その他)別に、エラーメッセージの正規テキストの各単位文字毎に、略語を示すデータを格納したものである。各単位文字の中で略語を示すデータがあるものもあれば、ないものもあり、これらはあくまでその言語圏での略語の有無によって定める。例えば英語での「EHC」は、それ自体が単語で且つ略語である故に、英語での略語は存在しない。日本語では「EHC弁」として正式語であり、その略語はない。英語での「Pressure」は、略語として「Press」があり、日本語では正式なものが「圧力」であるが略語は存在しない。
このように単語とその略語とは、言語圏によって種々であり、略語化処理にはこのデータテーブルの存在が不可欠である。
単語には、言語としての単語の他に、カンマ等の記号があり、各種記号に対しても略語を作ってデータテーブル102の中に格納してある。例えばカンマは省略可の表記、スペースも省略可の表示が可能である。スラッシュ(/)については、その前後で特別の区別をする関係から省略はしないようにする。その他、各種の記号に応じた処理の仕方がありうる。
【0059】
図1の略語処理フローを説明する。
操作者のキーパッドの操作指示で自動的に、略語処理プログラムを起動する(フローF1)。このときの表示言語は、初期画面が必ず特定の言語、例えば英語表示という約束がなされていれば、英語表示となる。操作者がキーパッドで言語指定すれば、その指定言語での表示となる。ここでは英語表示とする。
エラー表示又はエラーが発生しているか否かを自動的に確認し(フローF2)、エラー表示又はエラー発生でなければ、エラーメッセージ未表示とする(フローF4)。
通常は、エラー発生とエラー表示とは原因と結果の故に必ず一致する。略語処理プログラムの始動は、コントローラでエラー発生が確認されたときに自動的に行うことも、エラー表示を操作者がみてキーパッドでマンマシン操作で起動させることもある。
エラー発生又はエラー表示を確認すると、表示してあるエラーコード(又はコントローラで得たエラーコード)から、図4のデータテーブル101を利用してエラーメッセージデータ(これを第1のエラーメッセージデータと呼ぶ)(例えばテキストデータ形成)を読出す(フローF3)。
【0060】
次に、読出したエラーメッセージデータの字数を計数し、それが表示スケールで定まる最大字数以内か否かを確認する(フローF5)。例えば、最大字数を“41”とした場合、エラーコード11033−000に対する英語正式テキストの字数は、スペースを含めると56字となり、表示サイズとしての限界値である41字数を超えてしまい、全字表示ができない。
もし、字数が41字未満であれば、略語処理をすることなく、そのまま表示する。
字数が41字以上にあっては、テキストデータのスペースを区切りに単語に分ける(フローF6)。この分けた単語について、図5のデータテーブル102を検索して、単語毎に略語を見つける(フローF8)。
【0061】
次に上位の単語から該当する略語に置き換える処理を行う(フローF9)、置き換えた字列に対して再び字数を計数する(フローF10)。
【0062】
この計数で41字未満になっていれば、第2のエラーメッセージデータとしての略語テキストを表示させる(フローF11)。もし、41字以上であれば、再び図5のデータテーブルを参照して再度の略語処理を行う(フローF9)。
この再度の略語処理とは、略語に優先度を設けている事例が該当する。前述の図5のテーブル説明では記載しなかったが、文字そのものの略語がある場合は、これの略語を最優先とし、スペースやカンマ等の記号の一部に関しては2次優先とする如き、優先度コードをデータテーブル102に付加(例えば「略語」の隣に優先度コード欄を設けておき、文字別/記号別等の予め定めた優先度1、2、・・・等を付加しておく)しておき、この優先度に応じてフローF9とF10とを繰返せばよい。通常は、最優先と次の優先の2つの度数区分でよいが、3区分以上の事例もありうる。これは文字そのものに対しても可能であり、いずれも言語やその文化圏の様子に応じて定める。
【0063】
最終的に、すべてのテキストを41字未満にできるようにすることが好ましい。
次に、41字未満が達成されれば、その略語テキストデータの表示を行う(フローF11)。
【0064】
これによって略語処理は終了するが、本実施例では、略語表示したその直後に、リスト画面時の全文エラーメッセージガイダンス処理を行う(フローF12)。このガイダンスに従って、該当エラーメッセージ表示操作を行う(フローF13)。そして、表示画面に入れなかったエラーメッセージを、ポップアップの形式で表示画面100のエラーメッセージ表示スペースに近接したポップアップ画面103上に表示させる(フローF14)。ポップアップ操作がなければ通常表示処理、即ち、ポップアップ処理をせずにそのまま略語表示を続け、確認をもって終了する(フローF15)。ポップアップは、ポップアップ操作画面を表示して行ってもよく、又はキーパッド51の操作部51B〜51Cのいずれか又はその組合せの同時ONの如き機能を与えることで実現する。
【0065】
図3の処理を具体例で説明する。
具体例は、エラーコード「11033−0000」文字メッセージ「EHC Valve Stick/High Pressure(Arm Roll−Out Operation)」とする。
上記文字メッセージはスペースを含めて56字数であり、最大字数41よりも大きく、表示画面の該当表示個所には表示しきれない。これらの一連の処理が図1のフローF2、F3、F5で行われる。
文字メッセージの字数が最大字数41を超えているため、フローF8ではテキストデータのスペースを区切りに単語毎に分ける処理を行う。この結果は以下となる。スラッシュ及びカッコはそれぞれ1つの単語として扱う。
「EHC」「Valve」「Stick」「/」「High」「Pressure」「(」「Arm」「Roll−Out」「Operation」「)」
また、この例では、カンマはないが、カンマも1つの単語として扱う。
【0066】
上記区分した単語について上位の単語(EHC)から、データテーブル102を参照して略語があるか否かを順次チェックし、略語があれば略語を読出し、略語がなければそのまま元の単語を残す(フローF9)。データテーブル102では、略語は「Pressure」→「Press」、「Operaition」→「Ope」の2つである。かくして得た略語処理結果により次の略語文字メッセージのテキストデータとなる。
「EHC Valve Stick/High Press(Arm Roll−Out Ope)」
【0067】
このテキストデータは、41字を超えている。そこで、再度の略語処理を行う(フローF10、F9)。この再度の略語処理では、優先度を利用する。図のデータテーブル102には示していないが、第1回の略語処理では「スペース」の略語処理を行わないように、「スペース」に対しては優先度2としておく。一方、第1回の略語処理では文字のみについて略語(スラッシュ、カッコを含めてよい)処理の優先度1としておき、この優先度1のみについて略語処理を行う。
【0068】
この第1回目の優先度1のみについての略語処理結果が上記略語テキストデータである。そこで、優先度2の「スペース」に対しては、「削除」(又は取り除き)という略語化を行うようにしておく。これにより、上記第1回目の略語を示すテキストデータに対する第2回の略語化処理では、「スペース」がすべて除かれて以下の如き略語を示すメッセージのテキストデータとなる。
「EHCValveStick/HighPress(ArmRoll−OutOpe)」
これは、41字以下の字数であり、表示サイズ内に収まる。かかる処理がフローF11からフローF10への処理である。
【0069】
図6は、表示画面100でのこの最終の略語を示すメッセージのエラーリスト画面での表示例を示す。図7は、略語処理前の正式メッセージの表示例を示し、右端が表示不能であることが示されている。
【0070】
図8は、ポップアップ画面例を示す。図7の2列目の該当メッセージ項目欄に折り重なるようにして、新しい画面103を表示する。この新しい画面103には、略語処理前の、メッセージ内容が表示される。これによって、略語によるメッセージのみでなく、略語前のメッセージを、操作者は読取ることができる。
【0071】
次に言語切替えについて説明する。言語切替えは、初期設定例と途中設定例とがある。初期設定例とは、建設機械の作業前に操作者が設定する例であり、途中設定例とは、建設機械の作業中等の途中で、操作者が交代したりしたときに行う例である。いずれも、表示画面100に、各種設定メニュー画面を表示させ、その中から言語選択画面を選択して表示させ、言語選択を行う。途中切替えの他の例としては、次の如き例がある。例え、同一操作者であっても、略語を示すメッセージでは理解できにくいことがあり、全文のメッセージ表示が要求される。このとき、略語を示すメッセージとは、操作者の得意とする、異なる言語での全文のメッセージを要求してくる例がある。
【0072】
例えば、途中設定を行うには、言語切替画面を表示して言語切替えを行う。更に図4のデータテーブル101には、言語別、且つエラーコード別に、エラーメッセージが区分けされて記憶されているので、表示中のエラーコードにあって、別言語を要求したときその切替言語を用いたエラーメッセージの表現を行う。
【0073】
今、例えば英語表現であったとして、例えばブルガリア語への切替えを要求するときに、操作者はブルガリア語への切替えの操作を行う。これによって、その表示中のエラーコードに該当するブルガリア語のエラーメッセージが表示される。
この例で、ブルガリア語が略号処理しなければならない長文メッセージである場合、前述と同様にブルガリア語の略語処理を図5のテーブル、及び図3に従って行えばよいが、もし略語処理不可であれば(略語なしということ)、略語化はできない。このときには、一旦、表示スケールにそのスケール一杯に表示させた上で、全文のメッセージをその後で表示することが必要となる。この全文のメッセージの表示を行わせるのに、ポップアップ操作画面又はキーパッドによるポップアップ表示処理を使う。
【符号の説明】
【0074】
1 油圧ショベル
2 コントローラ
50 表示部
100 表示画面
101,102 データテーブル
F1〜F15 処理フロー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転室に設置されたモニタ画面に、動作状態又は環境状態を示す情報を表示すると共に、エラー発生時のそのエラーコード及び文字及び又は記号を含むエラーメッセージを表示可能とする建設機械の情報表示装置であって、
エラー発生時にそのエラー対応のエラーコード及び文字及び又は記号を含む第1のエラーメッセージをデータとして得、この文字及び又は記号を含むエラーメッセージの字数が表示画面上の表示すべき表示スペースの表示可能字数よりも大きいときに、表示可能な字数になるように、エラーメッセージを略語化して第2のエラーメッセージを得る第1手段と、
この第2のエラーメッセージ又は表示可能な字数よりも小さいときの第1のエラーメッセージを上記該当する表示スペース上にエラーコードと併せて表示させる第2手段と、
運転室の操作者に近接した位置に配置され又は配置可能なポップアップ操作入力機能を持つ操作手段と、
上記第2のエラーメッセージ表示後にあって、この操作手段からポップアップ操作の入力がなされたことを受けて、上記該当する表示スペースに近接して、略語化前の第1のエラーメッセージをポップアップにより表示させる第3手段と、
を備える建設機械の情報表示装置。
【請求項2】
上記第1手段は、
単語と略語の関係を示すデータテーブルと、
上記得られた第1のエラーメッセージの字数を計数し、表示すべき表示スペースの表示可能字数よりも大きいか否かを判定する判定手段と、
表示可能字数よりも大きいときに第1のエラーメッセージを単語に分ける分割手段と、
この各単語について上記データテーブルを参照して、表示すべき表示スペースの字数よりも小さくなるように略語化して、第2のエラーメッセージを得る処理手段と、
を備えるものとした請求項1に記載の建設機械の情報表示装置。
【請求項3】
上記データテーブルは、単語の種類又は内容とによって略語の優先度コードが付加され、この優先度コードの高い順から略語処理を行うものとした請求項2の建設機械の情報表示装置。
【請求項4】
上記操作手段は、表示言語切替えの操作入力機能を持ち、この入力を受けたときの上記第2、第3手段は表示中の言語を、指定された言語に切替えて表示させるものとした請求項1に記載の建設機械の情報表示装置。
【請求項5】
上記第3の手段は、指定された言語として、ポップアップ入力がされたときの第1のエラーメッセージを含むものとした請求項4に記載の建設機械の情報表示装置。
【請求項6】
上記操作手段は、キーパッドとする請求項1〜5のいずれかに記載の建設機械の情報表示装置。
【請求項1】
運転室に設置されたモニタ画面に、動作状態又は環境状態を示す情報を表示すると共に、エラー発生時のそのエラーコード及び文字及び又は記号を含むエラーメッセージを表示可能とする建設機械の情報表示装置であって、
エラー発生時にそのエラー対応のエラーコード及び文字及び又は記号を含む第1のエラーメッセージをデータとして得、この文字及び又は記号を含むエラーメッセージの字数が表示画面上の表示すべき表示スペースの表示可能字数よりも大きいときに、表示可能な字数になるように、エラーメッセージを略語化して第2のエラーメッセージを得る第1手段と、
この第2のエラーメッセージ又は表示可能な字数よりも小さいときの第1のエラーメッセージを上記該当する表示スペース上にエラーコードと併せて表示させる第2手段と、
運転室の操作者に近接した位置に配置され又は配置可能なポップアップ操作入力機能を持つ操作手段と、
上記第2のエラーメッセージ表示後にあって、この操作手段からポップアップ操作の入力がなされたことを受けて、上記該当する表示スペースに近接して、略語化前の第1のエラーメッセージをポップアップにより表示させる第3手段と、
を備える建設機械の情報表示装置。
【請求項2】
上記第1手段は、
単語と略語の関係を示すデータテーブルと、
上記得られた第1のエラーメッセージの字数を計数し、表示すべき表示スペースの表示可能字数よりも大きいか否かを判定する判定手段と、
表示可能字数よりも大きいときに第1のエラーメッセージを単語に分ける分割手段と、
この各単語について上記データテーブルを参照して、表示すべき表示スペースの字数よりも小さくなるように略語化して、第2のエラーメッセージを得る処理手段と、
を備えるものとした請求項1に記載の建設機械の情報表示装置。
【請求項3】
上記データテーブルは、単語の種類又は内容とによって略語の優先度コードが付加され、この優先度コードの高い順から略語処理を行うものとした請求項2の建設機械の情報表示装置。
【請求項4】
上記操作手段は、表示言語切替えの操作入力機能を持ち、この入力を受けたときの上記第2、第3手段は表示中の言語を、指定された言語に切替えて表示させるものとした請求項1に記載の建設機械の情報表示装置。
【請求項5】
上記第3の手段は、指定された言語として、ポップアップ入力がされたときの第1のエラーメッセージを含むものとした請求項4に記載の建設機械の情報表示装置。
【請求項6】
上記操作手段は、キーパッドとする請求項1〜5のいずれかに記載の建設機械の情報表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−168960(P2011−168960A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31010(P2010−31010)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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