説明

引き違い窓

【課題】
室内への侵入阻止を実効あらしめる引き違い窓の提供。
【解決手段】
窓枠の内部に、矩形の枠体の内部にペアガラスを嵌装して形成された障子を一対装着し、前記一対の障子が締め具によりロックされるようにした引き違い窓において、前記ペアガラスが室外から破損されたことを検知するセンサと、前記ペアガラス間の上部に配設され、前記センサの作動時に、通電されることにより前記枠体の内部を封鎖すべく下方向に展伸する、形状記憶合金で作製したバリア体とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引き違い窓に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、引き違い窓は、窓枠と、この窓枠内に水平方向に移動可能な一対の障子とを備えており、この一対の障子が窓枠の開口を閉鎖している間、防犯上、一対の障子は、締め具などの締め具により、相互にロックされる。しかして、このロックは、障子のガラスを破れば、外部から簡単に解除され易いことから、例えば特許文献1は、締め具がリモコンでないとロック解除されない構造を採用することで、締め具操作による窓の開放が阻止される。結果、侵入者の侵入が防止できる。
【特許文献1】特許第3383879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
確かに特許文献1に開示された引き違い窓は、優れたものであるが、汎用性にかける。つまり、引き違い窓が、面積が広い吐き出し窓の場合は、ガラスを破れば、侵入者は、締め具のロック解除をせずに室内に侵入できるからである。
【0004】
それ故に、本発明は、ガラスが破られても、室内への侵入阻止を実効あらしめる引き違い窓を提供することを、その技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、請求項1に記載のように、
「窓枠の内部に、矩形の枠体の内部にペアガラスを嵌装して形成された障子を一対装着し、前記一対の障子が締め具によりロックされるようにした引き違い窓において、前記ペアガラスが室外から破損されたことを検知するセンサと、前記ペアガラス間の上部に配設され、前記センサの作動時に、通電されることにより前記枠体の内部を封鎖すべく下方向に展伸する、形状記憶合金で作製したバリア体とを設けた、引き違い窓。」
を構成したことである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、ガラスが破損されても、バリア体が枠内で下方向に展伸して、破損で開放された枠体を封鎖するので、侵入者の侵入を阻止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、添付図面に依拠して、本発明に係る引き違い窓の実施形態の一例について説明する。
【0008】
図1及び図2において、引き違い窓10は、建物の壁に嵌装される窓枠11と、この窓枠11の内部に左右方向に相対移動可能な装着されて窓枠11の開口部を開閉する一対の障子12・12とから構成される。一対の障子12・13が窓枠11の開口部を閉鎖しているとき、締め具である締め具14をロック位置に変移させると、一対の障子12・13がロックされ、一方の障子12が他方の障子13に対する水平方向の相対移動ひいては窓枠11の開口部の開放が阻止される。
【0009】
障子12(13)は、上框12A、下框12B並びに上框12A及び下框12Bを連結する一対の縦框12C・12Cからなる矩形枠12F(上框13A、下框13B並びに上框13A及び下框13Bを連結する一対の縦框13C・13Cからなる矩形枠13F)の中に、所定の間隔をおいて平行配置される室外側ガラス15及び室内ガラス16を嵌装することにより構成される。ガラス15・16の間には、バリア体20が上框12Aに近接配置される。バリア体20は、形状記憶合金で作製されており、通電されていない状態では、図1及び図2に示すように、圧縮されて、全体として筐体を呈するが、通電されると、図3のように蛇腹的に伸長する特性を備える。尚、上框12Aの内面に刻設された溝(図示略)及び下框12Bの内面に刻設された溝(図示略)にはバリア体20の一方端部及び他方端部は嵌着されており、バリア体20の、通電時の伸長の際、バリア体20の一方端部及び他方端部は、夫々、上框12Aの内面に刻設された溝(図示略)及び下框12Bの内面に刻設された溝(図示略)に沿って下方向にガイドされる。
【0010】
障子12(13)の室内側のガラス16上には、室内から脱着できるように、センサ30が装着されている。このセンサ30は、ガラス16が破損されると、信号を制御装置40に送る。しかして、この信号を受けた制御装置40は、図4に示されるスイッチ41を閉成して、電源42からバリア体20に通電をなすようになっているので、この通電により、バリア体20は圧縮された状態から伸長して、図5に示されるように、障子12(13)の矩形枠12F矩形枠12F(矩形枠13F)の開口を閉塞する。ガラス16は、外部からの侵入者がガラス15と同時に破損するのが通例であるので、侵入者の家屋内への侵入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】: 本発明に係る引き違い窓の実施形態の一例の、室内側から見た正面図。
【図2】: 図1の引き違い窓における、障子の縦断面図。
【図3】: ガラス破損時の、障子の縦断面図。
【図4】: 図1の引き違い窓における、制御系のブロック図。
【符号の説明】
【0012】
10:引き違い窓
11:窓枠
12・13:障子
14:締め具
15・16:ペアガラス
20:バリア体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠の内部に、矩形の枠体の内部にペアガラスを嵌装して形成された障子を一対装着し、前記一対の障子が締め具によりロックされるようにした引き違い窓において、前記ペアガラスが室外から破損されたことを検知するセンサと、前記ペアガラス間の上部に配設され、前記センサの作動時に、通電されることにより前記枠体の内部を封鎖すべく下方向に展伸する、形状記憶合金で作製したバリア体とを設けた、引き違い窓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−63638(P2006−63638A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−247218(P2004−247218)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)