説明

弾球遊技機

【課題】盤面全体を透明板で形成し且つ従来からのベニヤ製遊技盤を用いた遊技盤ユニットと互換性のある遊技盤ユニットを搭載した弾球遊技機を、少ない部品点数で実現する。
【解決手段】遊技部品が装着された遊技盤31とこの遊技盤31の背面側に着脱可能に装着され且つ遊技部品を後側から覆う裏カバー51とを有する遊技盤ユニット6と、所定板厚tに形成された遊技盤ユニット6をその外周部において着脱可能に保持する遊技盤ユニット装着枠とを備えた弾球遊技機で、裏カバー51に、遊技盤31の外周に沿ってその後側に一定幅で配設された板厚調整リブ52を一体に設け、遊技盤31の板厚と板厚調整リブ52の幅とを合わせて所定板厚tと一致するように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の弾球遊技機は、矩形枠状の外枠と、この外枠に対して開閉自在に装着された前枠とを備え、この前枠に設けられた遊技盤ユニット装着枠に遊技盤ユニットが例えば前側から着脱可能に装着されている。この遊技盤ユニットは、液晶式表示手段、入賞ユニット、ランプユニット等の各種遊技部品が着脱自在に装着された遊技盤と、この遊技盤の裏側に着脱自在に装着され且つ遊技部品を裏側から覆う裏カバーとを備えており、遊技盤ユニット装着枠はこの遊技盤の外周部を着脱可能に保持するように構成されている。
【0003】
ところで、遊技盤ユニットを構成する遊技盤には、従来から主にベニヤ板が用いられてきたが、液晶表示手段の大型化が進み、遊技盤の前面側に装飾部材等を配置するためのスペースが不十分となってきたことなどから、樹脂製の透明板を遊技盤として使用し、その透明板の後側に各種装飾部材、演出部材等を配置した機種も増えつつある。
【0004】
この樹脂製の透明板を遊技盤として使用する場合、その板厚等の基本形状を従来からのベニヤ製の遊技盤と同一にすれば、従来からの機種に対しても、ベニヤ製の遊技盤を用いた遊技盤ユニットに代えて樹脂製の透明遊技盤を用いた遊技盤ユニットをそのまま搭載することが可能であるが、現時点では、種々の制約により樹脂製透明板を従来のベニヤ製の遊技盤と同じ板厚に形成することは難しい。
【0005】
そこで、例えば特許文献1に記載された発明では、厚さ等の基本形状をベニヤ製遊技盤と同一に形成した遊技盤セット枠を用意し、その遊技盤セット枠にそれよりも板厚の小さい樹脂製の透明遊技盤を嵌め込んで遊技盤ユニットを形成することにより、樹脂製の透明遊技盤を用いつつ、従来のベニヤ製遊技盤を用いた遊技盤ユニットと互換性を持たせることを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−334072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、少なくとも遊技盤セット枠の分だけ従来よりも部品点数が多くなるという問題がある。また、遊技盤セット枠の内側に透明遊技盤を嵌め込むため、盤面全体を一枚の透明板で形成することはできず、透明な領域を周辺部まで十分に広くとることができないという問題もある。
【0008】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、盤面全体を透明板で形成し且つ従来からのベニヤ製遊技盤を用いた遊技盤ユニットと互換性のある遊技盤ユニットを搭載した弾球遊技機を、少ない部品点数で実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、遊技部品35,37,39,41,43が装着された遊技盤31と該遊技盤31の背面側に着脱可能に装着され且つ前記遊技部品35,37,39,41,43を後側から覆う裏カバー51とを有する遊技盤ユニット6と、所定板厚tに形成された前記遊技盤ユニット6をその外周部において着脱可能に保持する遊技盤ユニット装着枠21とを備えた弾球遊技機において、前記裏カバー51に、前記遊技盤31の外周に沿ってその後側に一定幅で配設された板厚調整リブ52を一体に設け、前記遊技盤31の板厚と前記板厚調整リブ52の幅とを合わせて前記所定板厚tと一致するように構成したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来からのベニヤ製遊技盤よりも板厚の薄い遊技盤31を用いつつベニヤ製遊技盤を用いた遊技盤ユニットと互換性を持たせることができ、しかも盤面全体を透明板で形成することができ、更にそのような遊技盤ユニットを少ない部品点数で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態を示すパチンコ機の全体斜視図である。
【図2】同パチンコ機のガラス扉及び前面開閉板を取り外した状態での正面図である。
【図3】同パチンコ機の前枠の斜視図である。
【図4】同パチンコ機の遊技盤ユニットの正面図である。
【図5】同パチンコ機の遊技盤ユニットの背面図である。
【図6】同パチンコ機の遊技盤ユニットの分解斜視図である。
【図7】同パチンコ機の遊技盤ユニットの分解斜視図である。
【図8】図4におけるA矢視断面図である。
【図9】図5におけるB矢視断面図である。
【図10】図5におけるC矢視断面図である。
【図11】遊技盤ユニットの遊技盤ユニット装着枠への装着状態を示す側面断面図である。
【図12】遊技盤ユニットの遊技盤ユニット装着枠への装着状態を示す平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図12は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。
【0013】
前枠3は例えば合成樹脂製で、図2,図3等に示すように、外枠2の前面側に当接する矩形状の枠部4と、この枠部4の内側下部に配置される下部装着部3aと、枠部4の内側上部に配置される上部装着部3bとを一体に備え、下部装着部3aに発射手段5等が、上部装着部3bに遊技盤ユニット6等が夫々配置されている。枠部4は、上下一対の横枠部4a,4bと、左右一対の縦枠部4c,4dとで構成されており、前枠3はその左右一端側、例えば左縦枠部4c側に設けられた上下方向のヒンジ7により外枠2に枢支されている。
【0014】
また前枠3の前側には、図1に示すように、下部装着部3aに対応する前面開閉板9と、上部装着部3bに対応するガラス扉10とがヒンジ7と同じ側のヒンジ11により開閉自在に枢支されている。前面開閉板9には、その前側に、発射手段5に供給するための遊技球を貯留する供給皿12、発射手段5を作動させるための発射ハンドル13等が設けられている。また、ガラス扉10には、遊技盤ユニット6側の遊技領域6aに対応するガラス窓14が形成されている。
【0015】
下部装着部3aは、下横枠部4bの上側に沿って横長状に形成されており、図2に示すようにその前側の例えば左右方向略中央に発射手段5が配置され、前面開閉板9側の供給皿12からこの発射手段5に発射用の遊技球が供給されるようになっている。また、発射手段5の左側には、前枠3の裏側の払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を前面開閉板9側の供給皿12に排出するための払い出し口15等が、右側には下部スピーカ16等が夫々配置されている。
【0016】
上部装着部3bは、枠部4の内側で且つ下部装着部3aの上側に配置され、図2,図3等に示すように外枠2の内側に嵌合可能な後ろ向き膨出状に形成されており、その前部に遊技盤ユニット6を装着可能な遊技盤ユニット装着枠21が設けられている。また、上部装着部3bにおける遊技盤ユニット装着枠21よりも後側が後部ケース22となっており、更に上部の左右両端側には一対の上部スピーカ23が着脱自在に装着されている。後部ケース22には、遊技盤ユニット6の後部側が嵌合する開口部22aが形成されている。
【0017】
遊技盤ユニット6は、図4〜図10等に示すように、アクリル板その他の樹脂製透明板よりなる透明遊技盤31、この透明遊技盤31の裏側に装着される裏装着部材32、この裏装着部材32の後側に装着される集球カバー33等で構成されている。
【0018】
透明遊技盤31は、板厚は従来のベニヤ製遊技盤よりも薄いが、外形形状は従来のベニヤ製遊技盤と一致するように形成されており、その前面側に遊技領域6aの外側を取り囲むように前面装飾部材34が装着され、またその遊技領域6a内には、図2に示すように表示枠35、通過ゲート36を備えたゲートユニット37、開閉式入賞手段38を備えた開閉入賞ユニット39、大入賞手段40を備えた大入賞ユニット41、普通入賞手段42を備えた普通入賞ユニット43等の遊技部品が装着されている。
【0019】
なお、透明遊技盤31には、図6等に示すように、表示枠35等の各遊技部品に対応する複数の装着孔44の他、前面装飾部材34の裏側に突設された位置決め突起45に対応する複数の位置決め孔46、アウト口47等が前後方向貫通状に形成されている。
【0020】
前面装飾部材34の内周側には、発射手段5により発射された遊技球を案内するガイドレール48が配置されている。また、表示枠35(図2)は、透明遊技盤31の後側に配置された液晶表示ユニット等よりなる画像表示手段49に対応する開口窓50を備え、この開口窓50を介して前側から画像表示手段49の表示画面49aを視認可能となっている。
【0021】
裏装着部材32は、透明遊技盤31に装着された表示枠35等の遊技部品を後側から覆う裏カバー51と、透明遊技盤31側の外周に沿ってその後側に配置される一定幅の板厚調整リブ52と、それら裏カバー51と板厚調整リブ52とを連結する連結板53とを一体に備えている。
【0022】
裏カバー51は、透明遊技盤31の後側に所定距離離間して略平行に配置される背壁54と、その背壁54の外周側から透明遊技盤31の背面側まで前向きに延設される周壁55とで後ろ向き膨出状に形成されており、その内部が、図示しない各種装飾部材、演出部材等の配置空間となっている。
【0023】
裏カバー51には、背壁54に矩形状の表示窓56が形成されており、画像表示手段49はその表示画面49aを表示窓56に一致させた状態で背壁54の後側に着脱自在に装着されている。画像表示手段49の背面側には、例えば演出制御基板が格納された演出基板ケース、液晶制御基板が格納された液晶基板ケース(共に図示省略)等が着脱自在に装着されるようになっている。また、裏カバー51の下部側には、例えば周壁55から背壁54側に跨って開口部59が形成され、この開口部59を覆うように集球カバー33が装着されている。
【0024】
板厚調整リブ52は、透明遊技盤31と従来のベニヤ製遊技盤との板厚の差を埋めるためのもので、裏カバー51の周壁55を取り囲むように、例えば透明遊技盤31の外周の略全周にわたって後ろ向き一定幅で配設されており、図8〜図10に示すように、透明遊技盤31の板厚と板厚調整リブ52の幅とを合わせた値が従来のベニヤ製遊技盤の板厚tと一致するようになっている。なお、板厚調整リブ52は必ずしも透明遊技盤31の全周にわたって設ける必要はなく、間欠的に配置してもよいが、その場合、少なくとも付勢手段83d、上ロック手段85a、下ロック手段85bに対応する部分の近傍に配置することが望ましい。
【0025】
連結板53は、上部側の上部連結板(第2連結板)53aと下部側の下部連結板(第1連結板)53bとで構成されている。上部連結板53aは、透明遊技盤31の裏面側に沿って板厚調整リブ52の前縁側と裏カバー51の前縁側とを一体に連結しており、その複数箇所で透明遊技盤31の裏側にねじ止め固定されるようになっている。
【0026】
また、下部連結板53bは、板厚調整リブ52の後縁側と裏カバー51の周壁55とを一体に連結するように透明遊技盤31に対して所定の間隔を空けて平行に配置されている。ここで、上述したように透明遊技盤31の板厚と板厚調整リブ52の幅とを合わせた値が従来のベニヤ製遊技盤の板厚tと一致しているため、下部連結板53bの背面側が、従来のベニヤ製遊技盤を用いた遊技盤ユニットにおける遊技盤の背面側に相当し、この下部連結板53bの背面側が集球カバー(所定の装着部材の一例)33を装着するための集球カバー装着部61となっている。
【0027】
また、下部連結板53b上には、透明遊技盤31の裏側にねじ止めするための前向き凹入状のねじ止め固定部62と、集球カバー33側の位置決め突起63に対応する位置決め孔64と、集球カバー33を後側からねじ止めするための前向き突起状の固定ボス65とが例えば夫々複数設けられている。
【0028】
集球カバー33は、開閉式入賞手段38、大入賞手段40、普通入賞手段42等に入賞し、又はアウト口47を経て透明遊技盤31の裏側に案内された遊技球を集めて回収通路(図示省略)側へと案内するもので、裏カバー51の背壁54の下部側を後側から略覆う後カバー部66と、裏カバー51の周壁55の下部側を左右両側及び下側から略覆う横カバー部67a及び下カバー部67bと、横カバー部67a及び下カバー部67bの前縁側から外向きに延設された例えば複数の固定用鍔部68とを一体に備え、集球カバー装着部61に着脱自在に固定されている。
【0029】
後カバー部66には、例えば略矩形状の開口部69が形成されており、その開口部69を後側から略塞ぐように、例えば主制御基板が格納された主制御基板ケース(図示省略)が着脱自在に装着されるようになっている。
【0030】
また、下カバー部67には、下向き開口状に形成された排出口71と、遊技球を排出口71側に案内する案内傾斜部72とが設けられており、裏カバー51内から開口部59を経て流下してきた遊技球は案内傾斜部72により一箇所に集められて排出口71から回収通路(図示省略)へと排出されるようになっている。
【0031】
固定用鍔部68には、ねじ挿通孔73と前向き突出状の位置決め突起63とが設けられており、集球カバー33は、この位置決め突起63を集球カバー装着部61側の位置決め孔64に後側から嵌合させることにより位置決めされ、更に固定用鍔部68の後側からねじ挿通孔73を介して集球カバー装着部61側の固定ボス65に固定ねじをねじ込むことにより、集球カバー装着部61に着脱自在に固定されている。
【0032】
なお、上述したように、集球カバー装着部61が設けられている下部連結板53bの背面側は、従来のベニヤ製遊技盤を用いた遊技盤ユニットにおける遊技盤の背面側に相当するため、下部連結板53bの背面側に集球カバー33を装着するように構成することにより、同一形状の集球カバー33を透明遊技盤31用とベニヤ製遊技盤用とで共通に使用することができる。
【0033】
なお、遊技盤ユニット6には、例えばその上縁側と下縁側に内向き凹入状の切欠部75,76が、透明遊技盤31とその前後の前面装飾部材34、裏装着部材32とにわたって形成されており、裏装着部材32側の板厚調整リブ52はその切欠部75,76に沿って設けられている。
【0034】
以上のような遊技盤ユニット6を保持する遊技盤ユニット装着枠21は、図2,図3等に示すように、上横枠部4aに沿って設けられる上支持枠81、下部装着部3aの上縁側に設けられる下支持枠82、左縦枠部4cに沿って設けられる左支持枠83、右縦枠部4dに沿って設けられる右支持枠84の他、遊技盤ユニット6を解除可能に固定する複数、例えば2つのロック手段85a,85b等を備えている。
【0035】
上下左右の支持枠81〜84は、夫々遊技盤ユニット6をその上下左右の縁部において支持するもので、遊技盤ユニット6の外周面に沿って設けられる周壁部81a〜84aと、遊技盤ユニット6における外周部背面に沿って配置される後壁部81b〜84bとを夫々備えている。
【0036】
また、支持枠81〜84のうちの一つ、例えば左支持枠83側には、周壁部83aから透明遊技盤31の前面側に沿って突設される前面支持部83cと、後壁部83b上又はその内周側に配置され且つ遊技盤ユニット6の端部(左端部)を前側の前面支持部83c側に付勢する板ばね等よりなる付勢手段83dとが、例えば左支持枠83の上下両端側に夫々設けられており、遊技盤ユニット6の左縁部をその外周側及び前後両側の三方から挟み込むと共に付勢手段83dにより前側、即ち前面支持部83c側に押圧して支持するようになっている。
【0037】
なお、遊技盤ユニット6側の左縁部上端側には、図7に示すように、上側の付勢手段83dに対応して、上部連結板53aの背面側に板厚調整リブ52と同じ高さの被押圧リブ86が例えば縦横に設けられており、上側の付勢手段83dはこの被押圧リブ86の後端側を、下側の付勢手段83dは下部連結板53bの背面側を、夫々前向きに押圧するようになっている。
【0038】
ロック手段85a,85bは、遊技盤ユニット6における前面支持部83cとは反対の端部側に対応して配置され、例えば上支持枠81の右端部近傍に上ロック手段85aが、下支持枠82の右端部近傍に下ロック手段85bが夫々設けられており、遊技盤ユニット6側の切欠部75,76はこれら上下のロック手段85a,85bに対応する位置に設けられている。
【0039】
ロック手段85a,85bは、前後方向の軸部87と、この軸部87の前端側に半径方向の例えば二方向に突出するように設けられる固定摘まみ部88と、軸部87の軸方向中間部分に半径方向外側に向けて突設される突起部89とを例えば一体に備え、上支持枠81,下支持枠82の後壁部81b,82bの前側に回転自在に突設されている。
【0040】
また、ロック手段85a,85bは、固定摘まみ部88が切欠部75,76に干渉しないで前後に通過可能な向き、例えば縦向きとなる解除位置(図?に二点鎖線で示す)と、固定摘まみ部88が切欠部75,76を通過不可能な向き、例えば横向きとなるロック位置(図6に実線で示す)との間で軸廻りに回転可能となっており、ロック位置では固定摘まみ部88が切欠部75,76の周辺部で遊技盤ユニット6の前面側に係合するようになっている。
【0041】
なお、例えば前面装飾部材34には、切欠部75,76の近傍に固定摘まみ部88のロック方向への回転軌跡に対応して前側への突出量が徐々に増加する傾斜部90が設けられており、固定摘まみ部88を解除位置からロック位置まで回転させる際、固定摘まみ部88が傾斜部90に徐々に乗り上げて遊技盤ユニット6を後ろ向きに押圧するようになっている。
【0042】
更に、ロック手段85a,85bの突起部89は、固定摘まみ部88が解除位置にあるときには切欠部75,76に干渉せず、固定摘まみ部88が解除位置からロック位置まで回転される際に切欠部75,76の内面側を透明遊技盤31の盤面に沿って所定の基準位置、例えば遊技盤ユニット装着枠21の左下部に向けて押圧するように構成されている。
【0043】
以上のような構成を有するパチンコ機において、遊技盤ユニット6を遊技盤ユニット装着枠21に装着する際には、図11,図12に示すように、ガラス扉10を開放した状態で、まず遊技盤ユニット6の左縁部を左支持枠83側の後壁部83bと前面支持部83cとの間に嵌め込んだ後、遊技盤ユニット6の右縁部を右支持枠84側に嵌め込み、上下のロック手段85a,85bを順次時計方向に90度回転させてロックする。
【0044】
これにより、遊技盤ユニット6の左縁部は、上下の付勢手段83dにより前向きに付勢されて透明遊技盤31の前面側が前面支持部83cに押し付けられた状態で前後方向に支持され、また遊技盤ユニット6の右縁部は、その前面側が上下のロック手段85a,85bにより後ろ向きに押圧され、背面側の板厚調整リブ52が上後壁部81b,下後壁部82b及び右後壁部84bに当接した状態で遊技盤ユニット装着枠21内に保持される。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機では、裏カバー51に、透明遊技盤31の外周に沿ってその後側に一定幅で配設された板厚調整リブ52を一体に設け、透明遊技盤31の板厚と板厚調整リブ52の幅とを合わせてベニヤ製遊技盤の板厚tと一致するように構成しているため、従来からのベニヤ製遊技盤よりも板厚の薄い透明遊技盤31を用いつつベニヤ製遊技盤を用いた遊技盤ユニットと互換性を持たせることができ、しかも盤面全体を透明板で形成することができ、更にそのような遊技盤ユニットを少ない部品点数で実現できる。
【0046】
また、遊技盤ユニット装着枠21は、遊技盤ユニット6を前側から着脱可能に構成されると共に、遊技盤ユニット6の外周面に沿って配置される周壁部81a〜84aと、遊技盤ユニット6の背面側に沿って配置される後壁部81b〜84bとを備え、遊技盤ユニット6を遊技盤ユニット装着枠21に装着したとき、板厚調整リブ52の後端側が後壁部81b〜84bに略当接するように構成されているため、遊技盤ユニット装着枠21により遊技盤ユニット6を確実に保持することができると共に、透明遊技盤31の前面側の位置を、ベニヤ製遊技盤を用いた場合の前面側の位置と一致させることができる。
【0047】
また、透明遊技盤31と平行に配置され且つ板厚調整リブ52の後縁側とその内側の裏カバー51とを一体に連結する下部連結板53bを備え、この下部連結板53bの背面側に、集球カバー33を着脱自在に装着可能な集球カバー装着部61を設けているため、集球カバー装着部61の位置をベニヤ製遊技盤の背面側と一致させることができ、透明遊技盤31を用いた遊技盤ユニット6とベニヤ製遊技盤を用いた遊技盤ユニットとで共通の集球カバー33を用いることが可能である。
【0048】
更に、板厚調整リブ52の前縁側と裏カバー51の前縁側とを透明遊技盤31の裏面側に沿って一体に連結する上部連結板53aを備え、集球カバー33を装着する部分には下部連結板53bを配置し、それ以外の部分には上部連結板53aを配置しているため、ベニヤ製遊技盤を用いた遊技盤ユニットと共通の集球カバー33を用いることを可能としつつ、上部連結板53aを併用することで透明遊技盤31への装着状態を安定させることができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では透明遊技盤31を用いたが、遊技盤が透明であるか否かに関係なく、またその素材が木材であるか合成樹脂であるか等に関係なく、従来のベニヤ製遊技盤よりも薄い遊技盤を用いる場合には全て本発明を適用可能である。例えば、従来よりも薄いベニヤ製遊技盤を本発明に適用すれば、遊技盤ユニットの軽量化が可能である。
【0050】
実施形態では、遊技盤ユニット装着枠21に対して遊技盤ユニット6を前側から着脱可能な構成としたが、遊技盤ユニット装着枠21に対して遊技盤ユニット6を後側から着脱可能な構成であっても同様に適用可能である。
【0051】
実施形態では、上側の付勢手段83dに対応して遊技盤ユニット6に被押圧リブ86を設けたが、例えばこの上側の付勢手段83dに対応する位置にも、下側の付勢手段83dと同様、第1連結板53bを設けてもよい。
【0052】
なお、実施形態ではパチンコ機について例示したが、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機でも同様に実施可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0053】
t 所定板厚
6 遊技盤ユニット
21 遊技盤ユニット装着枠
31 透明遊技盤
33 集球カバー(装着部材)
35 表示枠(遊技部品)
37 ゲートユニット(遊技部品)
39 開閉入賞ユニット(遊技部品)
41 大入賞ユニット(遊技部品)
43 普通入賞ユニット(遊技部品)
51 裏カバー
52 板厚調整リブ
53a 上部連結板(第2連結板)
53b 下部連結板(第1連結板)
61 集球カバー装着部(装着部)
81a〜84a 周壁部
81b〜84b 後壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技部品(35,37,39,41,43)が装着された遊技盤(31)と該遊技盤(31)の背面側に着脱可能に装着され且つ前記遊技部品(35,37,39,41,43)を後側から覆う裏カバー(51)とを有する遊技盤ユニット(6)と、所定板厚(t)に形成された前記遊技盤ユニット(6)をその外周部において着脱可能に保持する遊技盤ユニット装着枠(21)とを備えた弾球遊技機において、前記裏カバー(51)に、前記遊技盤(31)の外周に沿ってその後側に一定幅で配設された板厚調整リブ(52)を一体に設け、前記遊技盤(31)の板厚と前記板厚調整リブ(52)の幅とを合わせて前記所定板厚(t)と一致するように構成したことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記遊技盤ユニット装着枠(21)は、前記遊技盤ユニット(6)を前側から着脱可能に構成されると共に、前記遊技盤ユニット(6)の外周面に沿って配置される周壁部(81a〜84a)と、前記遊技盤ユニット(6)の背面側に沿って配置される後壁部(81b〜84b)とを備え、前記遊技盤ユニット(6)を前記遊技盤ユニット装着枠(21)に装着したとき、前記板厚調整リブ(52)の後端側が前記後壁部(81b〜84b)に略当接するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記遊技盤(31)と平行に配置され且つ前記板厚調整リブ(52)の後縁側とその内側の前記裏カバー(51)とを一体に連結する第1連結板(53b)を備え、前記第1連結板(53b)の背面側に、所定の装着部材(33)を着脱自在に装着可能な装着部(61)を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記板厚調整リブ(52)の前縁側と前記裏カバー(51)の前縁側とを前記遊技盤(31)の裏面側に沿って一体に連結する第2連結板(53a)を備え、前記装着部材(33)を装着する部分は前記第1連結板(53b)を、それ以外の部分は前記第2連結板(53a)を配置したことを特徴とする請求項3に記載の弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−6056(P2013−6056A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−196159(P2012−196159)
【出願日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【分割の表示】特願2011−95907(P2011−95907)の分割
【原出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】