説明

弾球遊技機

【課題】演出選択画像の表示等によりファンファーレ演出等の重要演出を邪魔することのない弾球遊技機を提供する。
【解決手段】大当たり判定手段による判定結果に基づいて遊技図柄を変動表示する遊技図柄表示手段と、遊技図柄表示手段の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて大当たり状態を発生させる大当たり状態発生手段と、高確率移行条件の成立に基づいて、大当たり確率がそれ以外の通常確率状態中よりも高くなる高確率状態を発生させる高確率状態発生手段と、大当たり状態中に大当たり中演出を行う演出手段と、次回の大当たり状態中に行われる大当たり中演出の種類について外部からの選択操作を受け付ける選択操作受付手段と、選択操作に基づいて大当たり中演出の種類を選択する大当たり中演出選択手段とを備えた弾球遊技機で、大当たりとなる可能性が高い高確率状態中(S2:Yes)に選択操作の受付(S2a)を行うように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な弾球遊技機であるパチンコ機では、図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて、その検出時に取得された乱数値により大当たり判定を行うと共にその判定結果に基づいて遊技図柄を変動させ、その変動後の停止図柄が予め定められた大当たり態様となることに基づいて、例えば大入賞口の開放が所定ラウンド継続される大当たり状態を発生させるものが主流となっている。
【0003】
遊技図柄が大当たり態様で停止すると、大当たり状態の発生前に、液晶表示手段、音声、ランプ等の各種演出手段により遊技者に大当たり状態の発生を知らせるファンファーレ演出が行われ、またその後の大当たり状態中もそれら演出手段による大当たり中演出が実行される。
【0004】
ところで、従来の弾球遊技機では、遊技者の遊技意欲をより高めるべく、この大当たり中演出の種類を遊技者が選択できるように構成されたものが存在する。そのような従来の弾球遊技機のうち、例えば特許文献1に記載されたパチンコ機では、遊技者による大当たり中演出の種類の選択はその前のファンファーレ演出中に行うことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−202938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
演出の種類を遊技者が選択できるようにするためには、例えば遊技者が操作可能な操作ボタン等を設けると共に、その操作ボタンによる選択操作が可能な期間(選択操作有効期間)中に、例えば選択可能な演出の一覧を液晶表示手段等に表示し、操作ボタンの操作に伴ってそれら一覧表示された演出の1つを強調表示する等により、遊技者による選択操作を受け付け可能に構成することが必要である。
【0007】
しかしながら、例えば特許文献1に記載のパチンコ機では、選択操作有効期間がファンファーレ演出中となっているため、ファンファーレ演出中にその演出を邪魔するように液晶表示手段に演出選択画像を表示する必要があり、遊技者を祝福するという意味で非常に重要なファンファーレ演出の演出性が低下してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、演出選択画像の表示等によりファンファーレ演出等の重要演出を邪魔することのない弾球遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、図柄始動手段16が遊技球を検出することに基づいて取得された乱数値により大当たり判定を行う大当たり判定手段71と、この大当たり判定手段71による判定結果に基づいて遊技図柄を変動表示する遊技図柄表示手段23と、前記大当たり判定手段71で大当たりと判定され、前記遊技図柄表示手段23の変動後の停止図柄が予め定められた大当たり態様となることに基づいて大当たり状態を発生させる大当たり状態発生手段55と、高確率移行条件の成立に基づいて、前記大当たり判定手段71によって大当たりと判定される確率がそれ以外の通常確率状態中よりも高くなる高確率状態を発生させる高確率状態発生手段57bと、前記大当たり状態中に大当たり中演出を行う演出手段27,81,82と、次回の前記大当たり状態中に行われる前記大当たり中演出の種類について外部からの選択操作を受け付ける選択操作受付手段87と、前記選択操作に基づいて前記大当たり中演出の種類を選択する大当たり中演出選択手段85とを備えた弾球遊技機において、前記高確率状態中の所定期間に前記選択操作受付手段87を作動させるように構成したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、選択操作受付手段87の作動中に表示される演出選択画像等によってファンファーレ演出等の重要演出を邪魔することなく大当たり中演出の種類を選択させることができる。しかも、選択操作受付手段87が作動する所定期間は大当たり状態が発生する可能性が高い高確率状態中に限られているため、その期間が必要以上に長くなることもない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるパチンコ機の全体斜視図である。
【図2】同じく遊技盤の正面図である。
【図3】同じく制御系のブロック図である。
【図4】同じく大当たり中演出選択処理のフローチャートである。
【図5】同じく選択操作受付処理のフローチャートである。
【図6】同じく画像表示装置上の表示画像の変遷の一例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における大当たり中演出選択処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図6は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
【0013】
前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。また、例えば貯留皿6の前側には、遊技者が前側から操作可能な操作ボタン8等が設けられている。
【0014】
ガラス扉4の裏側には、図2に示す遊技盤11が着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段(図柄始動手段)16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
【0015】
センターケース14には、液晶式等の画像表示装置21の他、普通図柄表示手段22、特別図柄表示手段(遊技図柄表示手段)23、普通保留個数表示手段24等が設けられている。画像表示装置21は、演出図柄表示手段25、特別保留個数表示手段26、大当たり演出表示手段27、演出選択画像表示手段28等を構成している。
【0016】
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
【0017】
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
【0018】
特別図柄始動手段16は、特別図柄表示手段23による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口16a,16bと、下特別始動口16bを開閉する開閉手段29とを備え、例えばセンターケース14の下側に配置されている。上特別始動口16aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口16bは、開閉手段29により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段29が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
【0019】
特別図柄表示手段23は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄(遊技図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口16a,16bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口16a,16bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
【0020】
特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいが、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのようなそれ自体としては特別な意味を持たない図柄を割り当てることが望ましい。
【0021】
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する大当たり状態中に特別始動口16a,16bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、特別保留個数表示手段26が大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
【0022】
演出図柄表示手段25は、例えば特別図柄表示手段23による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示装置21の表示画面21aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口16a,16bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
【0023】
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。また本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄も外れ態様となるものとする。なお、演出図柄表示手段25は、特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
【0024】
特別保留個数表示手段26は、特別保留個数分のシンボルXの表示個数により特別保留個数を表示するもので、表示画面21a上の所定位置に特別保留個数分のシンボルXを表示するようになっている。
【0025】
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板30を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段23の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて大当たり状態が発生したときに、開閉板30が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。本実施形態の開放パターンは、大入賞手段17の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段17を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
【0026】
大当たり演出表示手段27は、大当たり状態開始前のファンファーレ演出、大当たり状態中の大当たり中演出等を構成する演出画像の表示を行うもので、特別図柄表示手段23の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて大当たり状態が発生する際に、その大当たり状態の発生に先だってファンファーレ演出画像を画像表示装置21の表示画面21aに表示し(図6(f)等)、またその後の大当たり状態中は所定の大当たり中演出画像を同じく画像表示装置21の表示画面21aに表示する(図6(g)〜(i))ように構成されている。
【0027】
演出選択画像表示手段28は、大当たり中演出の種類を選択するための演出選択画像を表示するもので、後述する高確率状態中に演出選択画像を画像表示装置21の表示画面21aに表示する(図6(a)〜(e))ように構成されている。
【0028】
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、31は主制御基板、32は演出制御基板で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
【0029】
主制御基板31は、主に遊技盤11側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段41、普通始動口チェック処理手段42、普通乱数記憶手段43、普通図柄処理手段44、普通利益状態発生手段45、普通図柄表示制御手段46、特別乱数作成処理手段51、特別始動口チェック処理手段52、特別乱数記憶手段53、特別図柄処理手段54、大当たり状態発生手段55、特別図柄表示制御手段56、特別遊技状態発生手段57、制御コマンド送信手段58等を備えている。
【0030】
普通乱数作成処理手段41は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段42は、普通図柄始動手段15による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段41で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段43に記憶させるように構成されている。
【0031】
普通図柄処理手段44は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当たり判定手段61、普通停止図柄選択手段62、変動時間選択手段63等を備えている。当たり判定手段61は、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かの判定を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段43に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
【0032】
なお本実施形態では、当たり判定手段61による当たり判定に用いる当たり判定値の数を、後述する特別遊技状態中とそれ以外の通常遊技状態中とで異ならせることにより、特別遊技状態中の当たり確率(例えば1/1.3)が通常遊技状態中の当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定されている。
【0033】
普通停止図柄選択手段62は、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当たり態様と外れ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果に基づいて、当たり判定の場合には
「○」が、外れ判定の場合には「×」が画一的に選択される。変動時間選択手段63は、普通図柄の変動時間を選択するものである。本実施形態では、特別遊技状態中における変動時間(例えば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
【0034】
普通利益状態発生手段45は、普通図柄処理手段44の当たり判定手段61による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、下特別始動口16bの開閉手段29を複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。本実施形態では、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は特別開閉パターンが選択されるようになっている。
【0035】
普通図柄表示制御手段46は、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段63で選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段62で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0036】
特別乱数作成処理手段51は、変動後の特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる1又は複数種類の変動パターン乱数、変動後の特別図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
【0037】
特別始動口チェック処理手段52は、特別図柄始動手段16への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち特別始動口16a,16bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段51で作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として特別乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
【0038】
特別図柄処理手段54は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、大当たり判定手段71、変動パターン選択手段72、特別停止図柄選択手段73等を備えている。大当たり判定手段71は、乱数抽選により変動後の特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定を行うもので、特別図柄表示手段23が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段53に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること
(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段53に最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かによって大当たり/外れの判定を行うように構成されている。
【0039】
本実施形態では、大当たり判定値として、後述する高確率状態中以外の通常確率状態中には例えば0〜349の乱数値のうちの例えば「7」が、高確率状態中にはその「7」に加えて「17」「27」等の複数個(例えば合計10個)が設定されているものとする。
【0040】
変動パターン選択手段72は、演出図柄の変動パターンを選択するもので、大当たり判定手段71による大当たり/外れの判定結果と、例えば特別図柄の変動開始時に取得される変動パターン選択乱数値とに基づいて、複数種類の変動パターンの中から1つを選択するように構成されている。
【0041】
特別停止図柄選択手段73は、特別図柄の変動後の停止図柄を選択するもので、例えば変動パターン選択手段72による変動パターンの選択結果と、特別乱数記憶手段53に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値又は特別図柄の変動開始時に取得される外れ図柄乱数値とに基づいて、例えばリーチ大当たり変動パターンの場合には大当たり態様の何れかを、リーチ外れ変動パターン又はリーチなし外れ変動パターンの場合にはリーチ外れ態様又はリーチなし外れ態様の何れかを選択するように構成されている。
【0042】
大当たり状態発生手段55は、大入賞手段17を所定の開放パターンに従って開放する大当たり状態を発生させるためのもので、大当たり判定手段71による判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて大当たり状態を発生させるようになっている。
【0043】
特別図柄表示制御手段56は、特別図柄表示手段23の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて特別図柄表示手段23による特別図柄の変動を開始させ、変動パターン選択手段72で選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、特別停止図柄選択手段73で選択された停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
【0044】
特別遊技状態発生手段57は、大当たり状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、時短状態発生手段57aと高確率状態発生手段57bとを備えている。時短状態発生手段57aは、特別乱数記憶手段53に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が所定の高確率判定値と一致しない場合に、特別遊技状態の1つとして所定期間、例えば特別図柄が所定回数変動するまで時短状態を発生させるように構成されている。時短状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段23の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、特別始動口16bの開閉手段29の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。
【0045】
高確率状態発生手段57bは、特別乱数記憶手段53に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が所定の高確率判定値と一致した場合に、特別遊技状態の1つとして所定期間、例えば次の大当たり確定まで高確率状態を発生させるように構成されている。高確率状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば時短状態と同様の処理も並行して行われるようになっている。
【0046】
制御コマンド送信手段58は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄の停止を指示する変動停止コマンド等を演出制御基板32側に送信する機能、特別遊技状態発生手段57による特別遊技状態の開始時及び終了時にその特別遊技状態に応じて特別遊技状態開始コマンド、特別遊技状態終了コマンド等を演出制御基板32側に送信する機能、特別保留個数を指定する特別保留個数指定コマンドを演出制御基板32側に送信する機能の他、例えば特別利益状態等の各種遊技状態に基づいて、画像、音声、ランプの制御コマンドを演出制御基板32側に送信する機能等を備えている。
【0047】
演出制御基板32は、演出図柄表示手段25、特別保留個数表示手段26、大当たり演出表示手段27、演出選択画像表示手段28等を構成する画像表示装置21、音声出力手段81、ランプ手段82等の各種演出手段を制御するもので、演出図柄制御手段83、特別保留個数表示制御手段84、大当たり中演出選択手段85、大当たり演出制御手段86等を備えている。
【0048】
演出図柄制御手段83は、演出図柄表示手段25の表示制御及びそれに伴う音声出力手段81、ランプ手段82の制御を行うもので、主制御基板31から変動パターン指定コマンドを受信した場合に、指定された変動パターンに基づいて演出図柄表示手段25による演出図柄の変動及びそれに伴う音声出力、ランプ発光を開始させると共に、変動停止コマンドを受信したときに、特別停止図柄指定コマンドと変動パターン指定コマンドとに基づいて選択された停止図柄で演出図柄の変動を停止させ、またそれに伴う音声出力、ランプ発光を停止させるようになっている。
【0049】
特別保留個数表示制御手段84は、特別保留個数表示手段26の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段16により新たに遊技球が検出され、主制御基板31から特別保留個数指定コマンドを受信したときに、その特別保留個数指定コマンドが第何番目の保留記憶に対応するものであるかに基づいて、画像表示装置21の表示画面21a上の所定位置にシンボルXを1個追加的に表示するように構成されている。
【0050】
また、特別図柄表示手段23による図柄変動が新たに開始され、特別保留個数が減少する場合には、特別保留個数表示制御手段84は、特別図柄表示手段23による図柄変動開始時に主制御基板31から送信されるコマンド、例えば変動パターン指定コマンドを受信することを条件に、特別保留個数表示手段26に表示されている第1番目のシンボルXを消去すると共に、第2番目以降のシンボルXが表示されている場合にはそれらを1個ずつ前側にシフトするようになっている。
【0051】
大当たり中演出選択手段85は、操作ボタン8による遊技者の選択操作に基づいて次回の大当たり中演出の種類を選択するもので、大当たり中演出の種類について操作ボタン8による選択操作を受け付ける選択操作受付手段87を備え、例えば定期割り込み毎に図4に示す大当たり中演出選択処理を実行するように構成されている。
【0052】
大当たり中演出選択手段85による大当たり中演出選択処理(図4)では、まず主制御基板31からの特別遊技状態開始コマンド、特別遊技状態終了コマンド等に基づいて、高確率状態が開始したか、高確率状態中か、高確率状態が終了したか、或いはそれ以外かが判定される(S1,S2,S3)。そして、高確率状態が開始したと判定された場合には(S1:Yes)、選択操作受付手段87が作動する選択操作有効期間(所定期間)が開始される(S1a)。即ち、演出図柄表示手段25、特別保留個数表示手段26等が表示されている画像表示装置21の表示画面21aの一部に演出選択画像表示手段28が表示され、この演出選択画像表示手段28上に例えば大当たり中演出の種類(例えば演出A〜C)に対応する複数種類の選択画像が一覧表示されると共に、操作ボタン8による選択操作が有効となる(図6(a))。
【0053】
このとき、それら複数種類の演出種類のうちの1つ(例えば演出A)を例えば初期値として演出選択画像表示手段28上で強調表示してもよい。この場合、演出種類記憶領域にはその演出種類(例えば演出A)が初期値として記憶される。
【0054】
また、高確率状態中であると判定された場合には(S2:Yes)、選択操作受付手段87により選択操作受付処理(S2a)が実行される。この選択操作受付処理では、例えば図5に示すように、まず操作ボタン8が操作されたか否かが判定され(S11)、操作ボタン8が操作されたと判定された場合には(S11:Yes)、演出選択画像表示手段28上における強調表示の対象、即ち選択対象が次の演出種類(例えば演出B)に切り換えられ(S12;図6(a)→(b))、演出種類記憶領域に新たに選択された演出種類(例えば演出B)が記憶(更新)される(S13)。
【0055】
このように、高確率状態中は、操作ボタン8が操作される毎に選択対象が所定の順序で順次切り換わり、それに応じて演出選択画像表示手段28での強調表示の対象及び演出種類記憶領域への記憶データも切り換えられる(図6(a)〜(e))。
【0056】
そして、例えば変動後の特別図柄が大当たり態様となった場合など、高確率状態が終了したと判定された場合には(図4のS3:Yes)、選択操作有効期間が終了し、選択操作受付手段87の作動が停止される(S3a)。即ち、画像表示装置21の表示画面21aから演出選択画像表示手段28が消去され、それ以降は操作ボタン8による選択操作が無効となる。
【0057】
大当たり演出制御手段86は、大当たり演出表示手段27の表示制御及びそれに伴う音声出力手段81、ランプ手段82の制御を行うもので、ファンファーレ演出制御手段88、大当たり中演出制御手段89等を備えている。ファンファーレ演出制御手段88は、大当たり状態開始前のファンファーレ演出を制御するもので、変動後の特別図柄が大当たり態様となった後、大当たり状態が開始されるまでの期間中、画像表示装置21上の大当たり演出表示手段27に大当たり状態の発生を知らせるファンファーレ演出画像を表示する(図6(f))と共にそれに伴う音声出力、ランプ発光を行わせるようになっている。
【0058】
大当たり中演出制御手段89は、大当たり中演出選択手段85による選択結果に基づいて大当たり状態中の大当たり中演出を制御するもので、大当たり中演出選択手段85の演出種類記憶領域に記憶されている演出種類を読み出し、その演出種類に対応する大当たり中演出画像を大当たり状態のラウンド進行等に合わせて画像表示装置21上の大当たり演出表示手段27に表示する(図6(g)〜(i)…)と共にそれに伴う音声出力、ランプ発光を行わせるようになっている。
【0059】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、大当たり中演出の種類について操作ボタン8による選択操作を受け付ける選択操作受付手段87を作動させる選択操作有効期間を、大当たり確率が通常確率状態中よりも高くなる高確率状態中に設定しており、その操作有効期間は少なくとも特別図柄が大当たり態様となった時点で終了するため、選択操作有効期間中に画像表示装置21に表示される演出選択画像表示手段28によってファンファーレ演出を邪魔することなく大当たり中演出の種類を選択させることができる。しかも、選択操作有効期間は、大当たり状態が発生する可能性が高い高確率状態中に限られているため、選択操作有効期間が必要以上に長くなることもない。
【0060】
図7は本発明の第2の実施形態を例示し、特別図柄の変動中の期間を選択操作有効期間から除外した例を示している。即ち、高確率状態中(S2:Yes)であっても、特別図柄が変動中であれば(S4:Yes)、選択操作受付処理(S2a)を実行しないように構成されている。
【0061】
このように構成することで、選択操作有効期間中に画像表示装置21に表示される演出選択画像表示手段28によって演出図柄表示手段25による演出図柄の変動表示を邪魔することがないという利点がある。
【0062】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第2の実施形態では、特別図柄の変動中の期間を選択操作有効期間から除外したが、この場合には大当たり中演出の種類を選択したいと考えた遊技者が発射操作を停止することによって遊技のスムーズな進行を阻害してしまうという問題がある。そこで、逆に特別図柄の変動停止中の期間を選択操作有効期間から除外するように構成してもよい。これにより、大当たり中演出の種類を選択したいと考えた遊技者が発射操作を停止する必要はなく、遊技のスムーズな進行が期待できる。
【0063】
それ以外にも、選択操作有効期間は高確率状態中の任意の期間に設定することが可能であり、例えばいわゆるデモ中のみを選択操作有効期間としてもよい。
【0064】
実施形態では、選択操作有効期間の終了時点で選択されている演出を、自動的に次の大当たり中演出に設定するように構成したが、例えば選択操作有効期間中であっても特定の確定操作によりその時点で選択されている演出を次の大当たり中演出として確定させることも可能である。特定の確定操作としては、例えば操作ボタン8を特定回数連打する操作等が考えられる。
【0065】
選択対象となる大当たり中演出の種類としては、大当たり演出表示手段27に表示する画像の種類の他、音声出力手段81から出力するBGMや効果音の種類、ランプ手段82による発行パターンの種類、或いはそれらの組み合わせ等、どのようなものでもよい。
【0066】
選択操作に用いる操作手段としては、他の演出でも使用される操作手段を用いてもよいし、専用の操作手段を用いてもよい。また、その操作手段は押しボタン式に限られるものではなく、レバー式、スライド式等の各種スイッチ、或いはモーションセンサ等を用いてもよい。
【0067】
また本発明は、特別図柄表示手段23及び特別図柄始動手段16を複数組搭載したパチンコ機等の各種パチンコ機はもちろん、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0068】
16 特別図柄始動手段(図柄始動手段)
23 特別図柄表示手段(遊技図柄表示手段)
27 大当たり演出表示手段(演出手段)
55 大当たり状態発生手段
57b 高確率状態発生手段
71 大当たり判定手段
81 音声出力手段(演出手段)
82 ランプ手段(演出手段)
85 大当たり中演出選択手段
87 選択操作受付手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄始動手段(16)が遊技球を検出することに基づいて取得された乱数値により大当たり判定を行う大当たり判定手段(71)と、この大当たり判定手段(71)による判定結果に基づいて遊技図柄を変動表示する遊技図柄表示手段(23)と、前記大当たり判定手段(71)で大当たりと判定され、前記遊技図柄表示手段(23)の変動後の停止図柄が予め定められた大当たり態様となることに基づいて大当たり状態を発生させる大当たり状態発生手段(55)と、高確率移行条件の成立に基づいて、前記大当たり判定手段(71)によって大当たりと判定される確率がそれ以外の通常確率状態中よりも高くなる高確率状態を発生させる高確率状態発生手段(57b)と、前記大当たり状態中に大当たり中演出を行う演出手段(27,81,82)と、次回の前記大当たり状態中に行われる前記大当たり中演出の種類について外部からの選択操作を受け付ける選択操作受付手段(87)と、前記選択操作に基づいて前記大当たり中演出の種類を選択する大当たり中演出選択手段(85)とを備えた弾球遊技機において、前記高確率状態中の所定期間に前記選択操作受付手段(87)を作動させるように構成したことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記所定期間は、前記遊技図柄が前記大当たり態様となった時点又はそれ以前に終了するように構成したことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項3】
前記遊技図柄表示手段(23)による図柄変動中の期間を前記所定期間から除外したことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記遊技図柄表示手段(23)による図柄変動停止中の期間を前記所定期間から除外したことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−99615(P2013−99615A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−35926(P2013−35926)
【出願日】平成25年2月26日(2013.2.26)
【分割の表示】特願2011−235223(P2011−235223)の分割
【原出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】