説明

弾球遊技機

【課題】 操作ハンドルの回動量の調整を容易にする。
【解決手段】 遊技機1に固定されるハンドルベース20と、ハンドルベース20正面に固定されるタッチ盤21と、上部に操作凸部22を有し、タッチ盤21正面に回動自由に嵌合され、一定の回動範囲を許容されたハンドル23と、により構成された操作ハンドル17において、ハンドルベース20上面に目盛31を設け、ハンドル23の上面であって操作凸部22の左側部近辺に指示マーク30を設ける。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操作ハンドルの操作により遊技球を遊技盤上に発射させる弾球遊技機に関し、詳しくは前記操作ハンドルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように、従来の弾球遊技機50の操作ハンドル51は、弾球遊技機50に固定されるハンドルベース52と、ハンドルベース52正面に固定されるタッチ盤53と、上部近辺に操作凸部54を有し、タッチ盤53正面に回動自由に嵌合され、一定の回動を許容されるハンドル55と、により構成されている。操作ハンドル51内部には、タッチ盤53に接続されるタッチセンサー(図示略)と、ハンドル55に係合され、ハンドル55の回動に連動するボリュームスイッチ(図示略)とが備えられており、遊技客が操作ハンドル51のタッチ盤53に触れた状態でハンドル55を右に回動させることによって弾球遊技機50裏面に設置されている制御基盤(図示略)を介して発射装置(図示略)を作動させ遊技球を発射させるというものであった。また、ハンドル55の回動量を調整することによって前記ボリュームスイッチのボリュームを大小変化させ、前記発射装置の発射トルクを増減させ、遊技球の飛距離を調整可能に構成されたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような弾球遊技機の操作ハンドルでは、遊技客が操作ハンドル回動量を調整した上で遊技球を発射させていても、遊技を中断した場合には操作ハンドルは待機位置に戻ってしまうので再度遊技を開始する際に操作ハンドルを再調整しなければならなかった。また、遊技機の種類によっては、特別遊技状態となった時、遊技の途中で操作ハンドルを最大に右に回動させて(所謂「右打ち」)遊技球を発射させるものもあり、この場合、特定遊技状態が終了して操作ハンドルの回動量を前回調整した状態に戻すのは容易ではなく再度操作ハンドルの回動量の調整をしなければならなかった。これにより、遊技客は操作ハンドルの回動量が調整できるまでは安定した遊技球の発射ができず、無駄な遊技球を消費させられてしまうといった課題が考えられた。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を課題を解決するために、本発明の遊技機は、発射される遊技球の飛距離を回動量に応じて調整する操作ハンドルを有する弾球遊技機において、前記操作ハンドルの上面近辺に設けられ、操作ハンドルの回動量を示す回動位置表示手段を備えて構成される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の弾球遊技機は上記構成により、操作ハンドルを回動し遊技球を発射させる際、回動位置表示手段によって前記操作ハンドルの回動量が表示されるように作用する。
【0006】
【具体例】本発明の具体例について図1〜図4を参照して説明すると、図1に示す弾球遊技機(以下、単に遊技機という)1には遊技盤2が備えられると共に、遊技盤2の前面は、ガラス枠3を介して前面枠4に装着された二重のガラス5a,5bで覆われている。これにより、遊技盤2と内側のガラス5aとの間には遊技領域6が形成される。尚、遊技盤2には周知のチャツカーや役物等が配置されているが、これらの図示及び説明は省略する。
【0007】前面枠4の上部にはいわゆる大当りが発生した際に点灯する大当りランプ7が組み付けられている。また、前面枠4は、右側部に設けられた鍵8を操作することにより、左側部の裏面側に装着されているヒンジ(図示略)を軸として開閉可能である。前面枠4の下方には、上受皿10及び下受皿11が一体的に設けられた皿部材12が配されている。上受皿10及び下受皿11には、それぞれに遊技機1からの遊技球を排出するための上皿排出口13及び下皿排出口14が開口している。また、皿部材12には複数の小孔からからなるスピーカー面15が設けられており、スピーカー面15の裏面には遊技状態に応じて音声を発生するスピーカー(図示略)が装着されている。更に皿部材12には、上受皿10から供給された遊技球の発射の停止を指示する発射停止スイッチ16が設置されている。尚、遊技球は皿部材12に設けられた操作ハンドル17を操作することにより遊技盤2上の遊技領域6に発射される。この皿部材12は左側部の裏面側に装着されているヒンジ(図示略)を軸として開閉可能であるが、通常の使用時には、皿部材12は前面枠4によって上辺部分を押えられ開放を防止されている。従って、皿部材12を開くには、前面枠4を開放し右裏側のロック(図示略)を解除する必要がある。また、遊技機1の裏面には、遊技機1を制御する電子制御装置や遊技球を排出したりする機構等が備えられているが、これらは周知の技術であり図示及び説明は省略する。
【0008】次に、前述した操作ハンドル17について、図2〜図4を参照して詳しく説明する。操作ハンドル17は、図2に示すように遊技機1に固定されるハンドルベース20と、ハンドルベース20正面に固定されるタッチ盤21と、上部に操作凸部22を有し、タッチ盤21正面に回動自由に嵌合され、一定の回動範囲を許容されたハンドル23と、により構成されている。操作ハンドル17内部には図3に示すようにタッチスイッチ24及びボリュームスイッチ25が設けられており、タッチスイッチ24はタッチ盤21に接続され、ボリュームスイッチ25のスイッチの先端はハンドル23裏面に係合されている。タッチスイッチ24からは遊技客がタッチ盤21に触れているかのタッチ信号が遊技機1裏面に配置された制御基盤26に送られる。また、ボリュームスイッチ25のスイッチはハンドル23を回動することによって連動され、ボリュームの大小が調整されるように構成されており、ボリューム信号は制御基盤26に送られる。制御基盤26はタッチ信号及びボリューム信号を受けることによって発射装置27を作動させ、前記ボリュームの大小によって、発射装置27の発射トルクを大小変化させるように構成されている。このことから、発射トルクの変化によって、発射される遊技球の飛距離も変化させることができる。尚、本具体例の操作ハンドル17のハンドル23は、図4(a)に示すように操作凸部22が操作ハンドル17の中央から若干左側に位置している時が待機状態、即ち、ボリュームスイッチ25のボリュームがオフの状態であり、図4(b)に示すように操作凸部22が操作ハンドル17の中央から若干右側に位置している時が最大回動状態であり、ボリュームスイッチ25のボリュームが最大の状態である。尚、前述したハンドル23の回動範囲は操作ハンドル17内部に設けられているストッパー(図示略)によって制限されている。
【0009】また、図2及び図4に示すように、ハンドル23の上面であって操作凸部22の左側部近辺には三角形状の指示マーク30が設けられており、ハンドルベース20の上面には、1〜5までのアラビア数字が横一列に整列された目盛31が設けられている。更に前述したアラビア数字の各々の間には棒線状の小目盛が3本ずつ設けられている。指示マーク30及び目盛31は、ハンドル23が前述した待機状態の時には、図4(a)に示すように、ハンドル23の指示マーク30が目盛31のアラビア数字の0を指し、ハンドル23が最大に右に回動した時には、図4(b)に示すように、ハンドル23の指示マーク30が目盛31のアラビア数字の5を指すように構成されている。
【0010】上述した構成の操作ハンドル17においては、遊技客がタッチ盤21に手を触れ、ハンドル23を右に回動させると、上受皿10から供給された遊技球は発射装置27によって発射されるが、ハンドル23に設けられている指示マーク30及びハンドルベース20に設けられている目盛31によってハンドル23の現状の回動量が表示される
【0011】上記詳細に説明したように、本具体例の遊技機1においては、ハンドル23の回動量を調整した際に遊技客が指示マーク30によって指示されている目盛31のアラビア数字を記憶しておくことにより、遊技を中断したり、一時的にハンドル23の回動量を変化させたりしても前回調整した回動量に簡単に戻すことができる。更に本具体例においては、目盛31に前述した小目盛が設けられているので微細なハンドル23の回動量の調整をすることができる。これにより、ハンドル23の回動量の調整が簡素化され、遊技客は無駄な遊技球を消費させられる虞がなくなるといった優れた効果を有する。尚、本具体例においては、指示マーク30及び目盛31が回動量表示手段に対応する。
【0012】
【発明の効果】本発明の弾球遊技機によると、操作ハンドルの回動量が回動位置表示手段によって表示されるので、遊技客が前記回動量を調整し、その回動位置を記憶しておくことにより、途中で回動位置を変更しても前回調整した回動位置に容易に戻すことができる。これにより、操作ハンドルの回動量の調整が簡略化され、遊技客は無駄な遊技球を消費させられる虞がなくなるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本具体例の遊技機を示す正面図である。
【図2】本具体例の操作ハンドルを示す斜視図である。
【図3】本具体例の発射装置及び操作ハンドルを示すブロック図である。
【図4】本具体例の操作ハンドルの動作を示す摸式図であり、図4(a)は操作ハンドルのハンドルの待機状態を示す平面図であり、図4(b)は操作ハンドルのハンドルの最大回動状態を示す平面図である。
【図5】従来の遊技機の操作ハンドルを示す平面図である。
【符号の説明】
1,50・・・遊技機(弾球遊技機)
2・・・遊技盤 3・・・ガラス枠 4・・・前面枠
5a,5b・・・ガラス 6・・・遊技領域 7・・・大当りランプ
8・・・鍵 10・・・上受皿 11・・・下受皿
12・・・皿部材 13・・・上皿排出口 14・・・下皿排出口
15・・・スピーカー面 16・・・発射停止スイッチ
17,51・・・操作ハンドル 20,52・・・ハンドルベース
21,53・・・タッチ盤 22,54・・・操作凸部
23,55・・・ハンドル 24・・・タッチスイッチ
25・・・ボリュームスイッチ 26・・・制御基盤
27・・・発射装置 30・・・指示マーク 31・・・目盛

【特許請求の範囲】
【請求項1】発射される遊技球の飛距離を回動量に応じて調整する操作ハンドルを有する弾球遊技機において、前記操作ハンドルの上面近辺に設けられ、操作ハンドルの回動量を示す回動位置表示手段を備えることを特徴とする弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開平9−108409
【公開日】平成9年(1997)4月28日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−297813
【出願日】平成7年(1995)10月20日
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)