説明

後処理装置

【課題】
電力の供給が停止した状態であっても、簡易な構成によって扉の開閉を検出することを可能とするとともに、不必要なイニシャル処理を省略することができる後処理装置を提供する。
【解決手段】
後処理装置100は、少なくとも1つの扉20と、電荷を蓄積し、かつ、扉20が開いた状態において電荷が抜け、扉20が閉じた状態において電荷が維持される電荷蓄積部31と、画像形成装置200からの電力の供給が再開された場合に、電荷蓄積部31に蓄積された電荷量に応じて、画像形成装置200からの電力の供給が停止している間に扉20が開いたか否かを検出する制御ユニット40とを備える。制御ユニット40(は、扉20が開いたことを検出しなかった場合には、イニシャル処理を実行させず、扉20が開いたことを検出した場合には、イニシャル処理を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置から供給される電力によって動作する後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタなどの画像形成装置に併設された後処理装置が知られている。後処理装置は、ソート処理、穴空け(パンチ)処理、ステープル処理、冊子(中折り)処理、中綴じ処理、裁断処理などを行う。
【0003】
一般的に、後処理装置は、AC電源を有しておらず、画像形成装置から供給される電力によって動作する。画像形成装置は、後処理装置の状態を把握しながら、後処理装置と連動して動作する。
【0004】
ここで、後処理装置に設けられた扉を開いて、後処理装置に設けられた処理機構に対して何らかの操作が行われるケースがある。このように、後処理装置に設けられた扉が開かれると、画像形成装置が把握する後処理装置の状態が実際の状態と異なってしまう可能性がある。これは、画像形成装置や後処理装置の誤動作を引き起こす原因となる。
【0005】
従って、後処理装置に設けられた扉が開かれた場合には、後処理装置は、処理機構の位置を初期位置に戻すイニシャル処理を実行する。
【0006】
ところで、画像形成装置の電源が切断されると、後処理装置への電力の供給も停止する。後処理装置への電力の供給が停止した状態では、後処理装置に設けられた扉の開閉を検出することができない。
【0007】
従って、後処理装置への電力の供給が再開された場合には、後処理装置は、扉の開閉が行われたか否かによらずに、イニシャル処理を実行する。
【0008】
なお、画像形成装置に接続されるオプション装置に二次電池を設けることによって、必要に応じて、二次電池からオプション装置に電力を供給する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−148026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、後処理装置には、複数の処理機構が設けられていることが考えられる。後処理装置への電力の供給が再開された際に、全ての処理機構のイニシャル処理を同時に実行すると、一時的に電力が不足する可能性がある。一方で、各処理機構のイニシャル処理を順に実行すると、全ての処理機構のイニシャル処理に必要な時間が長くなってしまう。
【0010】
なお、二次電池と、二次電池から供給される電力によって扉の開閉を検出するセンサとを後処理装置に設けることによって、後処理装置への電力の供給が停止した状態において扉の開閉を検出することも考えられる。
【0011】
しかしながら、このような構成では、センサの検出結果をメモリに格納する回路などを設ける必要があり、後処理装置のコストが上昇する。また、二次電池に蓄積された電力が無くなる可能性も考慮しなければならない。
【0012】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、電力の供給が停止した状態であっても、簡易な構成によって扉の開閉を検出することを可能とするとともに、不必要なイニシャル処理を省略することができる後処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の一の特徴において、後処理装置(後処理装置100)は、画像形成装置(画像形成装置200)から供給される電力によって動作する。後処理装置は、少なくとも1つの扉(扉20)と、電荷を蓄積し、かつ、扉が開いた状態において電荷が抜け、扉が閉じた状態において電荷が維持されるように構成された電荷蓄積部(電荷蓄積部31)と、画像形成装置からの電力の供給が再開された場合に、電荷蓄積部に蓄積された電荷量に応じて、画像形成装置からの電力の供給が停止している間に扉が開いたか否かを検出する制御部(制御ユニット40)とを備える。制御部は、扉が開いたことを検出しなかった場合には、イニシャル処理を実行させず、扉が開いたことを検出した場合には、イニシャル処理を実行させる。
【0014】
かかる特徴によれば、電荷蓄積部は、扉が開いた状態において電荷が抜け、扉が閉じた状態において電荷が維持される。制御部は、画像形成装置からの電力の供給が再開された場合に、電荷蓄積部に蓄積された電荷量に応じて、画像形成装置からの電力の供給が停止している間に扉が開いたか否かを検出する。従って、画像形成装置からの電力の供給が停止した状態であっても、簡易な構成によって扉の開閉を検出することができ、後処理装置のコストの上昇を抑制できる。
【0015】
また、制御部は、扉が開いたことを検出しなかった場合には、イニシャル処理を実行させず、扉が開いたことを検出した場合には、イニシャル処理を実行させる。これによれば、不必要なイニシャル処理を省略することができる。従って、画像処理装置の電力が一時的に不足することをできる限り抑制でき、かつ、イニシャル処理に必要な時間をできる限り短縮することが可能となる。
【0016】
その他の特徴において、後処理装置は、画像形成装置から供給される電力によって、電荷蓄積部に電荷を補充する補充部(電荷補充部32)をさらに備える。補充部は、画像形成装置からの電力の供給が再開されてからイニシャル処理が終了するまでの間に、電荷蓄積部への電荷の補充を完了する。
【0017】
その他の特徴において、制御部は、電荷蓄積部に蓄積された電荷量が所定閾値を下回った場合に、扉が開いたと検出する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電力の供給が停止した状態であっても、簡易な構成によって扉の開閉を検出することを可能とするとともに、不必要なイニシャル処理を省略することができる後処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下において、本発明の実施形態に係る後処理装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0020】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである
。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(後処理装置の概略)
以下において、本実施形態に係る後処理装置100の概略について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る後処理装置100及び画像形成装置200の概略を示す斜視図である。
【0021】
図1に示すように、後処理装置100は、複写機やプリンタなどの画像形成装置200に併設されている。なお、画像形成装置200の詳細な説明については、省略する。
【0022】
後処理装置100は、画像形成装置200によって画像が形成された用紙の後処理を行う。後処理装置100は、例えば、ソート処理、穴空け処理、ステープル処理、冊子処理、中綴じ処理、裁断処理などをそれぞれ行う処理機構10を備えている。
【0023】
後処理装置100は、1つの扉20を備えている。扉20は、一般的に、処理機構10に対して何らかの操作が行われる際に開かれる。
(後処理装置の機能)
次に、本実施形態に係る後処理装置100の機能について、図面を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る後処理装置100及び画像形成装置200を示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、後処理装置100は、AC電源を有しておらず、画像形成装置200から供給される電力によって動作する。なお、AC電源210は、画像形成装置200に設けられている。
【0025】
後処理装置100設けられる処理機構10としては、例えば、用紙を基準に従って一部毎に変位させるソート処理機構11、用紙に穴を開ける穴空け処理機構12、用紙の束にステープル処理を施すステープル処理機構13、用紙を中心で折る冊子処理機構14、中心で折られた用紙を綴じる中綴じ処理機構15や、用紙を裁断する裁断処理機構17などがある。
【0026】
後処理装置100は、扉20の開閉に伴って電荷の蓄積量を変化させるスイッチユニット30と、後処理装置100を総括的に制御する制御ユニット40(制御部)とを有する。なお、スイッチユニット30の構成については、後述する(図3参照)。
【0027】
制御ユニット40は、画像形成装置200の電源がOFFである際(以下、電源OFF時)の扉20の開閉を検出する検出部41と、処理機構10にイニシャル処理を実行させるイニシャル処理部42と、処理機構10に後処理動作を実行させる後処理動作部43とを有する。
【0028】
検出部41は、後述する電荷蓄積部31を監視する。検出部41は、画像形成装置200からの電力の供給が再開された場合(すなわち、電源投入時)に、電荷蓄積部31に蓄積された電荷量に応じて、画像形成装置200からの電力の供給が停止している間に扉20が開いたか否かを検出する。
【0029】
イニシャル処理部42は、電源投入時において、扉20が開いたことが検出部41によって検出されなかった場合には、処理機構10にイニシャル処理を実行させず、扉20が開いたことが検出部41によって検出された場合には、処理機構10にイニシャル処理を実行させる。なお、イニシャル処理とは、処理機構10の位置を初期位置に戻す処理を示す。
【0030】
後処理動作部43は、画像形成装置200からの指示に基づいて、処理機構10に後処理を実行させる。なお、処理機構10が通常行う後処理には、ソート処理、穴空け処理、ステープル処理、冊子処理、中綴じ処理、裁断処理などがある。
(スイッチユニットの構成)
次に、本実施形態に係るスイッチユニット30の構成について、図面を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係るスイッチユニット30を示す回路図である。
【0031】
図3に示すように、スイッチユニット30は、電荷を蓄積する電荷蓄積部31と、電荷蓄積部31に電荷を補充する電荷補充部32と、扉20の開閉に連動する扉スイッチ部33とによって構成される。
【0032】
電荷蓄積部31は、電荷を蓄積し、かつ電荷を放出するキャパシターによって構成される。電荷蓄積部31は、電荷補充部32と扉スイッチ部33との間に接続されている。電荷蓄積部31と電荷補充部32との間には、抵抗R1及び接続点P1が設けられる。電荷蓄積部31と扉スイッチ部33との間には、接続点P1及び接続点P2が設けられる。
【0033】
電荷補充部32は、画像形成装置200からの電力によって、電荷蓄積部31に電荷を補充するダイオードによって構成される。電荷補充部32は、画像形成装置200と抵抗R1との間に接続されている。なお、抵抗R1と制御ユニット40との間には、接続点P1及び接続点P2を介して、抵抗R1及び抵抗R3よりも電荷が流れにくい保護抵抗R2が設けられる。
【0034】
扉スイッチ部33は、扉20が開いた状態においては、ポイント33aとポイント33bとを導通してON(図3の破線a)となり、扉20が閉じた状態においては、ポイント33aとポイント33bとを導通せずにOFF(図3の実線b)となるスイッチを構成する。扉スイッチ部33は、電荷蓄積部31とアースEとの間に設けられている。扉スイッチ部33とアースEとの間には、抵抗R3が設けられている。
【0035】
以下において、(A)画像形成装置200の電源がONであるケース(以下、ケースA)、(B)画像形成装置200の電源がOFFであるケース(以下、ケースB)について、図3を参照しながら説明する。
(A)ケースA
ケースAでは、後処理装置100に画像形成装置200からの電力が供給されている。ケースAにおいて、扉20が開かれた状態と、扉20が閉じた状態とが考えられる。
【0036】
扉20が開かれた状態及び扉20が閉じた状態は、画像形成装置200からの電力で作動する検出手段(例えば、センサー)によって検出される。すなわち、検出手段は、上述したスイッチユニット30以外の手段である。
【0037】
なお、扉20が閉じた状態で、電荷補充部32は、画像形成装置200からの電力の供給が再開されてからイニシャル処理が終了するまでの間に、抵抗R1を介して電荷蓄積部31への電荷の補充を完了する。
(B)ケースB
ケースBでは、後処理装置100に画像形成装置200からの電力の供給が停止している。ケースBにおいて、ケース1と同様に、扉20が開かれた状態と、扉20が閉じた状態とが考えられる。
【0038】
扉20が開かれた状態では、扉スイッチ部33がON(図3の破線a参照)となり、電荷蓄積部31に蓄積された電荷は、保護抵抗R2よりも電荷が流れやすい抵抗R3側へ向
かう。つまり、電荷蓄積部31に蓄積された電荷は、接続点P1及び接続点P2を介して扉スイッチ部33を抜け、抵抗R3及び接続点P3を介してアースEから抜ける。
【0039】
扉20が閉じた状態では、扉スイッチ部33がOFF(図3の実線b参照)となり、電荷蓄積部31に蓄積された電荷は、維持される。
【0040】
このように、電荷蓄積部31は、扉20が開いた状態において電荷が抜け、扉20が閉じた状態において電荷が維持されるように構成されている。
【0041】
検出部41は、画像形成装置200からの電力の供給が再開された場合に、電荷蓄積部31に蓄積された電荷量を測定する。具体的には、検出部41は、抵抗R2を流れる電流に基づいて、接点P1での電圧を検出する。検出部41は、検出した接続点P1の電圧に基づいて、電荷蓄積部31に蓄積された電荷量を検出する。そして、検出部41は、電荷蓄積部31に蓄積された電荷量に応じて、画像形成装置200からの電力の供給が停止している間に扉20が開いたか否かを検出する。
(電荷蓄積部に蓄積される電荷量の変化)
次に、本実施形態に係る電荷蓄積部31に蓄積される電荷量の変化について、図面を参照しながら説明する。図4は、電源ON時の初期状態における電荷蓄積部31に蓄積される電荷量の変化を説明するための図である。図5は、電源OFF時に扉20が所定時間以上開いた状態における電荷量の変化を説明するための図である。図6は、電源OFF時に扉20が閉じている状態における電荷蓄積部31に蓄積される電荷量の変化を説明するための図である。
【0042】
ここで、図4〜図6において、線Aは、画像形成装置200の電源の状態(ON又はOFF)を示す。すなわち、画像形成装置200の電源がONである場合には、後処理装置100に画像形成装置200から電力が供給される。一方で、画像形成装置200の電源がOFFである場合には、後処理装置100に画像形成装置200からの電力の供給が停止している。
【0043】
線Bは、電荷蓄積部31に蓄積される電荷量の変化を示す。なお、図6において、線Bは、扉20が閉じている状態での電荷蓄積部31に蓄積されている電荷量を示し、線B’は、扉20が所定時間内開いていた状態での電荷蓄積部31に蓄積されている電荷量を示す。
【0044】
線Cは、イニシャル処理の実行(ON又はOFF)を示す。すなわち、イニシャル処理の実行がONである場合には、イニシャル処理が実行される。一方で、イニシャル処理の実行がOFFである場合には、イニシャル処理が実行されない。
【0045】
線Dは、電荷蓄積部31に蓄積されている電荷量の所定閾値を示す。この所定閾値は、所定時間扉20が開かれたことを判断するための閾値である。所定時間とは、扉20が開かれても、処理機構10に対しての操作が行われていないと判断できる時間(例えば、1sec程度)とする。
<初期状態>
図4に示すように、画像形成装置200にAC電源210からの電力の供給が開始される初期状態(例えば、工場出荷時)において、画像形成装置200の電源がONとなった場合、電荷蓄積部31は、電荷補充部32からの電荷を蓄積しつつ(10sec程度蓄積しつつ)、処理機構10は、イニシャル動作を実行する。
【0046】
なお、電荷補充部32への電荷の補充が完了するまでの時間(t1)は、イニシャル処理が終了するまでの時間(t2)よりも短い。このため、電荷補充部32は、画像形成装
置200からの電力の供給が再開されてからイニシャル処理が終了するまでの間に、電荷蓄積部31への電荷の補充を完了できる。
<扉20が所定時間以上開いた状態>
図5に示すように、画像形成装置200の電源がOFFの間に、扉20が所定時間以上開いた状態において、電荷蓄積部31に蓄積された電荷量は、扉スイッチ部33が導通してONとなることで、除々に少なくなっていく。電荷蓄積部31に蓄積された電荷量は、扉20が開いている時間が長くなることに伴って、0となる場合もある。
【0047】
画像形成装置200の電源が再度ONになった場合、検出部41は、電荷蓄積部31に蓄積された電荷量が所定閾値(a)を下回っていると、扉20が開かれたと判断する。イニシャル処理部42は、扉20が開いたことが検出部41によって検出されたため、処理機構10にイニシャル処理を実行させる。従って、電荷蓄積部31は、電荷補充部32からの電荷を蓄積しつつ(10sec程度蓄積しつつ)、処理機構10は、イニシャル動作を実行する。
【0048】
なお、上述した初期状態と同様に、電荷補充部32への電荷の補充が完了するまでの時間(t1)は、イニシャル処理が終了するまでの時間(t2)よりも短い。このため、電荷補充部32は、画像形成装置200からの電力の供給が再開されてからイニシャル処理が終了するまでの間に、電荷蓄積部31への電荷の補充を完了できる。
<扉20が閉じている状態>
図6(線B)に示すように、画像形成装置200の電源がOFFの間に、扉20が閉じている状態において、電荷蓄積部31に蓄積された電荷量は、扉スイッチ部33が導通せずにOFFとなっていることで、維持される。
【0049】
画像形成装置200の電源が再度ONになった場合、検出部41は、電荷蓄積部31に蓄積された電荷量が所定閾値(a)以上に維持されていると、扉20が開かれなかったと判断する。イニシャル処理部42は、扉20が開いたことが検出部41によって検出されなかったため、処理機構10にイニシャル処理を実行させない。
【0050】
ここで、扉20が閉じている状態には、扉20が所定時間内開いていた状態を含む。図6(線B’)に示すように、画像形成装置200の電源がOFFの間に、扉20が所定時間内開いていた状態において、電荷蓄積部31に蓄積された電荷量は、少なくなる。具体的には、電荷量は、扉20が開放された状態になると、所定時間内には扉スイッチ部33がONとなることで除々に少なくなり、扉20が閉じた状態となると、扉スイッチ部33がOFFとなることで維持される。
【0051】
画像形成装置200の電源が再度ONになった場合、検出部41は、電荷蓄積部31に蓄積された電荷量が所定閾値(a)を下回っていないため、扉20が開いていないと判断する。イニシャル処理部42は、扉20が開いたことが検出部41によって検出されなかったため、処理機構10にイニシャル処理を実行させない。従って、電荷蓄積部31は、電荷補充部32からの電荷を蓄積しつつ(すなわち、扉20が開いた状態で抜けた電荷を蓄積しつつ)、処理機構10は、イニシャル動作を実行しない。
(制御ユニット40の動作)
次に、本実施形態に係る制御ユニット40の動作について、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施形態に係る制御ユニット40の動作を示すフロー図である。
【0052】
図7に示すように、ステップ10において、制御ユニット40は、画像形成装置200の電源がOFFからONになったか否かを判定する。すなわち、制御ユニット40は、画像形成装置200の電源が投入されたか否かを判定する。制御ユニット40は、画像形成装置200の電源がOFFからONになったと判断した場合には、ステップ20の処理に
移る。一方で、制御ユニット40は、画像形成装置200の電源がOFFからONになっていないと判断した場合(すなわち、電源ON時)には、ステップ50の処理に移る。
【0053】
ステップ20において、制御ユニット40は、電源OFF時に扉20が開いたことが検出部41によって検出されたか否かを判定する。制御ユニット40は、扉20が開いたことが検出部41によって検出された場合、すなわち、電源OFF時に扉20が開かれたと判断した場合には、ステップ30の処理に移る。一方で、制御ユニット40は、扉20が開いたことが検出部41によって検出されなかった場合には、ステップ40の処理に移る。
【0054】
ステップ30において、制御ユニット40は、処理機構10にイニシャル処理を実行させる。従って、処理機構10は、イニシャル処理を実行する。
【0055】
ステップ40において、制御ユニット40は、処理機構10イニシャル処理を実行させずに待機し、ステップ10の処理に戻る。
【0056】
このように、本実施形態では、電源OFF時に扉20が開かれたと判断した場合にのみ、イニシャル処理が実行される。
【0057】
次に、ステップ10で画像形成装置200の電源がOFFからONになっていないと判断された場合(すなわち、電源ON時)では、ステップ50において、制御ユニット40は、扉20が開閉されたことが画像形成装置200からの電力で作動する検出手段(例えば、センサー)によって検出されたか否かを判定する。制御ユニット40は、扉20が開閉されたことが検出手段によって検出された場合には、ステップ60の処理に移る。一方で、制御ユニット40は、扉20が開閉されたことが検出手段によって検出されなかった場合には、ステップ70の処理に移る。
【0058】
ステップ60において、制御ユニット40は、処理機構10にイニシャル処理を実行させる。従って、処理機構10は、イニシャル処理を実行する。
【0059】
ステップ70において、制御ユニット40は、処理機構10イニシャル処理を実行させずに待機し、ステップ10の処理に戻る。
(作用・効果)
本実施形態では、電荷蓄積部31は、電源OFF時に扉20が開いた状態において電荷が抜け、扉20が閉じた状態において電荷が維持される。検出部41は、画像形成装置200からの電力の供給が再開された場合に、電荷蓄積部31に蓄積された電荷量に応じて、画像形成装置200からの電力の供給が停止している間に扉20が開いたか否かを検出する。従って、電力の供給が停止した状態であっても、簡易な構成によって扉20の開閉を検出することができ、後処理装置100のコストの上昇を抑制できる。
【0060】
また、制御ユニット40は、扉20が開いたことが検出部41によって検出されなかった場合には、処理機構10にイニシャル処理を実行させず、扉20が開いたことが検出部41によって検出された場合には、処理機構10にイニシャル処理を実行させる。これによれば、不必要なイニシャル処理を省略することができる。従って、画像処理装置の電力が一時的に不足することをできる限り抑制でき、かつ、イニシャル処理に必要な時間をできる限り短くすることが可能となる。
【0061】
また、電荷補充部32は、画像形成装置200からの電力の供給が再開されてからイニシャル処理が終了するまでの間に、電荷蓄積部31への電荷の補充を完了する。これによれば、画像形成装置200からの電力の供給が再開されるたびに、常に、電荷補充部32
は、扉20が開いた状態で電荷蓄積部31から抜けた電荷を補充できる。従って、画像形成装置200から独立した二次電池を設ける必要がなくなる。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0062】
実施形態では、後処理装置100は、例えば、ソート処理、穴空け処理、ステープル処理、冊子処理、中綴じ処理、裁断処理などを行うものとして説明したが、これに限定されるものではなく、他の処理を行ってもよいことは勿論である。
【0063】
実施形態では、後処理装置100は、1つの扉20を備えているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、複数の扉20を備えていてもよい。例えば、後処理装置100は、ソート処理機構11に対応した扉20や、穴空け処理機構12に対応した扉20などを備えていてもよい。
【0064】
この場合、検出部41は、ソート処理機構11に対応した扉20の開閉を検出できるとともに、穴空け処理機構12に対応した扉20の開閉をも検出できる。これによれば、イニシャル処理部42は、ソート処理機構11又は穴空け処理機構12のそれぞれにイニシャル処理を実行させるか否かを指示できる。
【0065】
実施形態では、電荷補充部32は、スイッチユニット30に設けられているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、画像形成装置200に設けられていてもよいことは勿論である。
【0066】
この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施形態に係る後処理装置100及び画像形成装置200の概略を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る後処理装置100及び画像形成装置200を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る後処理装置100を示す回路図である。
【図4】電源ON時の初期状態における電荷蓄積部31に蓄積される電荷量の変化を説明するための図である。
【図5】電源OFF時に扉20が所定時間以上開いた状態における電荷量の変化を説明するための図である。
【図6】電源OFF時に扉20が閉じている状態における電荷蓄積部31に蓄積される電荷量の変化を説明するための図である。
【図7】本実施形態に係る制御ユニット40の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0068】
10…処理機構、11…ソート処理部、12…穴空け処理部、13…ステープル処理部、14…冊子処理部、15…中綴じ処理部、17…裁断処理部、20…ステップ、20…扉、30…スイッチユニット、31…電荷蓄積部、32…電荷補充部(補充部)、33…扉スイッチ部、40…制御ユニット、41…検出部、42…イニシャル処理部、43…後処理動作部、100…後処理装置、、200…画像形成装置、210…AC電源


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から供給される電力によって動作する後処理装置であって、
少なくとも1つの扉と、
電荷を蓄積し、かつ、前記扉が開いた状態において電荷が抜け、前記扉が閉じた状態において電荷が維持されるように構成された電荷蓄積部と、
前記画像形成装置からの電力の供給が再開された場合に、前記電荷蓄積部に蓄積された電荷量に応じて、前記画像形成装置からの電力の供給が停止している間に前記扉が開いたか否かを検出する制御部とを備え、
前記制御部は、前記扉が開いたことを検出しなかった場合には、イニシャル処理を実行させず、前記扉が開いたことを検出した場合には、前記イニシャル処理を実行させることを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
前記画像形成装置から供給される電力によって、前記電荷蓄積部に電荷を補充する補充部をさらに備え、
前記補充部は、前記画像形成装置からの電力の供給が再開されてから前記イニシャル処理が終了するまでの間に、前記電荷蓄積部への電荷の補充を完了することを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記電荷蓄積部に蓄積された電荷量が所定閾値を下回った場合に、前記扉が開いたと検出することを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−66556(P2010−66556A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233149(P2008−233149)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】