説明

微小チャネルプレートの製造の間にガラスフローを低減するためのデバイスおよび方法

【課題】微小チャネルプレートの製造の間にブールを融合するとき、ガラスフローの量を低減するように構成されたブールを提供する。
【解決手段】微小チャネルプレートを製作する際の使用のためのブールであって:複数の平坦な内表面を有するエッチング不能なガラスから形成される中空ガラスチューブであって、各表面は、ほぼ平面状であって、そして該チューブの長軸にほぼ平行に延びるチューブを備える。好ましくは、このブールは、複数の光ファイバーをさらに備え、該光ファイバーの各々が、エッチング不能な材料から形成されるクラッデング層およびエッチング可能な材料から形成されるコア、および該平坦な内表面と該光ファイバーとの間に位置するエッチング不能な材料から形成される複数の支持ロッドを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、光増幅器(image intensifier)との使用のための微小チャネルプレートに関し、そしてより詳細には、このプレートの製造の間のガラスフローを低減するための配置に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
微小チャネルプレートは、光増幅器における電子の増倍管(multiplier)として用いられている。それらは、それらを通じて延びるチャネルのアレイを有し、そして光カソードと蛍光体(phosphor)スクリーンとの間に位置決めされている薄いガラスプレートである。光カソードから入来する電子は、この微小チャネルプレートの入力側に入り、そしてチャネル壁を打つ。電圧が、この微小チャネルプレートを横切って印加されるとき、これらの入来電位、または一次電子は増幅され、二次電子を生成する。これらの二次電子は、次に、この微小チャネルプレートの背面端部でこのチャネルから出、そして蛍光体スクリーン上にイメージを生成するために用いられる。
【0003】
一般に、微小チャネルプレートの製作は、ファイバー引き寄せプロスセで開始する。エッチング可能なコアロッドが、エッチング不能の珪酸チューブ内で引かれ、コアロッドとクラッディング層から構成される丸いファイバーを形成する。これらのファイバーは、次に束にされ、そして複数ファイバーの束として知られる等辺の六角形形状の予備形態に引かれる。各複数ファイバーの束は、10,000を超えるコアロッド部位を含み得る。これらの六角形状の複数ファイバーの束は、ガラスパッキングチューブにパックされ、そしてエッチング不能な六角形形状の支持ロッドが、この束と円筒形の壁との間にパックされ、加熱プロセスで一緒に融合されるブールを形成し、リムガラスおよび光ファイバーの固形ブールを生成する。次のプロセス工程は、ガラスブールのスプライシング工程、面取り工程、および研磨工程を必要とする。その後、プレートをエッチングし、プレート内のコアロッドを取り除き、従って、チャネルを形成し、その各々は、クラッディング層により規定される。次にこれらのチャネルは、能動化され、そして金属化される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記に記載のプロセスに関与する幾何学的形状のため、ファイバーが一緒に融合されるとき、上記ガラスパッキングチューブ22の円筒形の内壁と支持ロッド24との間の距離は変動する。図面の図1を参照のこと。換言すれば、最外層ファイバーと上記ガラスパッキングチューブの内表面との間の隙間のスペース(または開放スペース)は、一定ではない。この変動は、ガラスチューブ22の内壁が、融合操作の間に、他よりはむしろいくつかのロッド24に接触することを意味する。この時間に依存するファイバーの接触は、ファイバー束16およびパッキングスキーム内のそれらの個々のファイバーを、融合操作の間に起こる時間の間にシフトさせる。このファイバーのシフトは、これら束内のコアロッドを、融合操作の開始に先立って、各々により確立された位置から移動させる。より緊密に一緒であるファイバーの移動は、エッチングプロセスの後のチャネル壁の喪失に至り得る。なぜなら、チャネル間に壁を形成するために十分なクラッディングガラスがないからである。これらの喪失したチャネル壁は、イオン障壁またはフィルム放射点、低減された構造的一体性および破裂のような任意の数の欠陥に至り得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、微小チャネルプレートを製作する際の使用のための一般にエッチング不能なガラスから形成される中空のパッキングチューブを含む。このパッキングチューブは、複数の平坦な内表面を有する。各表面は、ほぼ平坦であって、そして上記チューブの長軸にほぼ平行に延びる。
【0006】
別の局面では、本発明は、複数の光ファイバーを有し、その各々が、エッチング可能な材料から形成されるコアおよびエッチング不能な材料から形成されるクラッディング層、およびエッチング不能な材料から形成される複数の支持ロッドを有するブールを含む。これらファイバーおよびロッドは、ガラスパッキングチューブ中に配置され、これらロッドは、上記ファイバーと上記パッキングチューブの平坦な内表面との間に配置される。
【0007】
なお別の局面では、本発明は、微小チャネルプレートを形成する方法を含む。この方法は、エッチング不能なクラッディングにより取り囲まれるエッチング可能なコアを有するファイバーの束を提供する工程、上記ファイバーを、複数の平坦な内表面を有するガラスパッキングチューブにパッキングする工程、該ファイバーと該パッキングチューブの該平坦な内表面との間に複数の支持ロッドを位置決めし、パックされたブールを形成する工程、およびこのパックされたブールを固形ブールに融合する工程を包含する。
【0008】
詳細には、本発明は、微小チャネルプレートを製作する際の使用のためのブールに関し、このブールは、複数の平坦な内表面を有するエッチング不能なガラスから形成される中空ガラスチューブであって、各表面は、ほぼ平面状であって、そして該チューブの長軸にほぼ平行に延びるチューブを備え得る。
【0009】
上記ブールは、複数の光ファイバーをさらに備え得、該光ファイバーの各々は、エッチング不能な材料から形成されるクラッディング層およびエッチング可能な材料から形成されるコア、および該平坦な内表面と該光ファイバーとの間に位置するエッチング不能な材料から形成される複数の支持ロッドを有し得る。
【0010】
上記ガラスチューブは少なくとも8つの平坦な内表面を有し得る。
【0011】
上記ガラスチューブは12の平坦な内表面を有し得る。
【0012】
上記平坦な表面の幅は変動し得る。
【0013】
上記第1の複数の平坦な表面の各々の幅は第1の寸法を有し、そして第2の複数の平坦な表面の各々の幅は該第1の幅とは異なる第2の寸法を有し得る。
【0014】
1つの実施形態では、上記第1の寸法は、前記第2の寸法より小さい。
【0015】
上記ファイバー、ロッドおよびガラスチューブは一緒に融合され得る。
【0016】
上記支持ロッドは、上記チューブの平坦な内表面を係合するための平坦な表面を含む断面形状を有し得る。
【0017】
本発明はまた、1つの局面で、上記のブールから形成される微小チャネルプレートに関する。
【0018】
本発明はまた、微小チャネルプレートを形成する方法に関し、この方法は、1束のファイバーを提供する工程であって、各ファイバーは、エッチング不能なクラッディングにより取り囲まれるエッチング可能なコアを有する工程;複数の該束を、エッチング不能な材料から形成され、そして複数の平坦な内表面を有する中空のガラスチューブにパッキングする工程;該ファイバーと該平坦な内表面との間に複数の支持ロッドを位置決めし、パックされたブールを形成する工程;および該ファイバー、ガラスチューブおよび支持ロッドを融合する工程、を包含する。
【0019】
上記ガラスチューブは少なくとも8つの平坦な内表面を有し得る。
【0020】
上記ガラスチューブは12の平坦な内表面を有し得る。
【0021】
上記平坦な表面の幅は変動し得る。
【0022】
上記第1の複数の平坦な表面の各々の幅は第1の寸法を有し、そして第2の複数の平坦な表面の各々の幅は該第1の幅とは異なる第2の寸法を有し得る。
【0023】
上記第1の寸法は、上記第2の寸法より小さくても良い。
【0024】
上記支持ロッドは、平坦な表面を含む断面形状を有し、そしてここで、上記支持ロッドの平坦な表面の少なくともいくつかは、前記チューブの平坦な内表面を係合し得る。
【0025】
本発明はまた、上記の方法により形成される微小チャネルプレートに関する。
【0026】
本発明は、添付の図面と組み合わせて、以下の詳細な説明を参照することにより良好に理解され得る。
【発明の効果】
【0027】
図1に示される先行技術のブールの開放スペース300と、図5に見られる開放スペースとの間の比較は、開放領域の大きな減少を示す。この減少は、先行技術ブールと比較したとき容易に50%を超える。このような開放スペースの減少は重要である。なぜなら、それは、融合プロセスの間のガラスの流れを減少するからである。ガラスフローの任意のレベルは、ブール内のファイバーの各束内のコアロッドを移動させる。このコアロッドの移動は、上記で論議されたように、各コア部位間のクラッディング寸法を減少する能力を有している。2つの部位の間のクラッドガラス厚みの減少が大きすぎる場合、そのときは、エッチング工程の間にこのクラッドガラスが完全になくなる可能性がある。2つのコア部位の間の任意のクラッドグラスの不在は、プレート内のチャネル壁をなくならせ、これは、このプレートの性能を損傷する。従って、開放スペースの減少を相伴うガラスフローの減少は、ブール内の各六角形状のファイバー束内のコアの均一性を増加する。均一性におけるこの増加は、丸い内壁をもって形成される先行技術のパッキングチューブと比較したとき優れたプレートを生成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(発明の詳細な説明)
本発明は、ブールを形成するために用いられるガラスパッキングチューブ550に関し、そしてこのチューブは、微小チャネルプレートの製造の間にブールを融合するとき、ガラスフローの量を低減するように構成されている。より詳細には、本発明によるこのパッキクングチューブ550は、エッチング不能なガラスから作製され、そして512を通る複数の平坦な内表面501を有する。これらの平坦な表面は、平面状の表面であり、そしてこのガラスパッキングチューブ550内に、ファイバー束16と支持ロッド24のパッキングを可能にし、その一方、最も外の支持ロッドと、パッキンクチューブの内表面との間に(丸い内面と比較したとき)最小の開口スペースを維持する。この開放スペースの最小化は、それが、融合されたブールを形成する融合プロセスの間にガラスの流れを低減するので有利である。
【0029】
図3は、電子増倍管としての使用のための微小チャネルプレートを製造するために用いられる出発ファィバー10を示す。このファィバー10は、ガラスコア12およびこのコアを取り囲むガラスクラッディング14を含む。このコア12は、コアが次に除去され得るように、適切なエッチング溶液中でエッチング可能である材料から作製される。このガラスクラッディング14は、上記ガラスコア2と実質的に同じ軟化点を有するガラスから作製される。クラッディング14のガラス材料は、コア12のそれとは、それが、コア材料をエッチングするために用いられる条件下で、それをエッチング不能にするより高い鉛含量を有する点で異なっている。従って、このクラッディング14は、ガラスコア12のエッチング後に残り、そして残存するチャネル32の境界になる。
【0030】
光ファイバー10は、以下の様式で形成され得る。ロッドを同軸に取り囲むエッチング可能なガラスロッドとクラッディングチューブを、ゾーン加熱炉を取り込んだ引通し機(draw machine)中で垂直にぶら下げる。この炉の温度をガラスの軟化点まで高める。ロッドとチューブを一緒に融合し、そして単一のファイバー10に引く。このファイバー10を延性機構中に供給し、そこで、速度は、所望のファイバー直径が達成されるまで調節される。次に、ファイバー10は、より短い長さまで切断される。
【0031】
次に、数千の切断長さの単一ファイバー10を、グラファイト鋳型中にスタックし、そして図4に示されるような複数繊維束16を形成するために加熱され、ここで、このファイバー10の切断長さは、六角形形態に融合されている。この六角形形態は、より良好なスタッキング配列を提供する。
【0032】
この複数ファイバーまたは束16は、数千の単一ファイバー10を含み、その各々は、上記で論議したコア12およびクラッディング14を有する。この束16は、次に、引通し機中に垂直にぶら下げられ、そして個々のファイバーの六角形形態をなお維持しながら、ファイバー直径を再び低減するために引かれる。この束16は、次に、より短い長さに切断され得る。
【0033】
次に、多くの切断複数ファイバー束16が、図5に示されるような、正確な内径ボアガラスパッキングチューブ550にパックされる。このパッキングチューブ550は、上記ガラスクラッディング14と類似であるガラス材料から作製され、そしてそれはまた、ガラスコア12をエッチング除去するとき、エッチング不能である。このグラスパッキングチューブ550は、ファイバー10のそれとほぼ同じである膨張係数を有する。鉛ガラスパッキングチューブ550は、最終的に、図2に示されるような微小チャネルプレートの固体リムの縁になる。
【0034】
微小チャネルプレートを形成するためのプロセッシングの間に、各束16のファイバー10を保護するために、複数の支持構造が、チューブの512を通じて束16と平坦な内表面501との間のガラスパッキングチューブ550中に位置決めされる。この支持構造は、後にコア12をエッチングするために用いられるエッチング条件下でエッチングされず、そしてガラスファイバーと融合するために必要な強度と能力を有する任意の材料の六角形ロッドの形態をとり得る。このような支持構造は、支持ロッド24として示されている。この支持ロッドは、1つの光ファイバーであり得るか、または好ましくは、数百までの任意の数のファイバーの束であり得る。1つの支持ロッドの最終的な幾何学的形態および外径は、束16のそれと実質的に同じである。従って、ファイバー10、支持ロッド24およびパッキングチューブ550によって形成されるアセンブリは、図5に示されるようなパックされたブール500である。
【0035】
このブール500は、次に、炉中にぶら下げられ、そして真空系に接続される。炉の温度を束16および支持ロッド24の材料の軟化点まで高める。束16は、一緒に融合し、そして支持ロッド24は、その隣接する束16に、およびパッキングチューブ550の内表面に融合する。
【0036】
この加熱工程の間に、支持ロッド24は、ガラスパッキングチューブ550の内表面と束16との間のクッションとして作用する。このクッション作用は、個々のファイバー10が熱処理の間に変形しないように構造的支持を提供する。さらに、支持ファイバー24のこのクッション効果は、ファイバー10の変形を引き起こすことなく融合の間により高い熱を用いることを可能にする。
【0037】
融合されたブールは、次に、薄い断面のプレートにスライスされる。この平坦な端部表面は、研がれおよび研磨される。チャネル32を形成するため、ファイバー10のコア12は、希塩酸でのエッチングにより除去される。エッチングの後、この高鉛含量のグラスクラッディング14は残り、そしてチャネル32を形成する。支持ロッド24もまた固体のまま残り、そしてそれ故、ガラスパッキングチューブ550の固形リムから微小チャネル32への良好な遷移を提供する。
【0038】
エッチングの後、これらプレートを水素ガスの雰囲気中に配置し、それによって、エッチングされない鉛ガラスの酸化鉛を低減し、クラッディング電子を放射性にする。このようにして、半導体層が、ガラスクラッディング14の各々中に形成され、そしてこの層は、各微小チャネル32に連結される表面から内側に延びる。
【0039】
薄い金属層は、微小チャネルプレートの平坦な端部表面の各々への電気的接点として付与され、それは、電場が、金属化接点により微小チャネルプレートを横切って確立されるとき、電子のための入口経路および出口経路を提供する。
【0040】
図5は、複数の平坦または平面状の内表面501〜512を有して形成されるパッキリングチューブ550を有するパックされたブール500の断面図を示す(図5の場合では、平坦な表面の数は12である)。平坦であることにより、それは、各表面が平面を形成し、そして各平面、すなわち、各表面が、長軸方向に、かつチューブ550の中央軸600に平行に延び、そしてこのチューブの外壁の半径にほぼ垂直である。これらの内表面は、機械加工、またはガラスパッキングチューブの内表面を(成形マンドレル上で)マンドレル収縮することのいずれかにより提供され得る。このようなガラスチューブを形成するためのこのような技法は、当業者に公知である。側面の数は変動し得、そして融合されたブールのサイズおよび形状に依存する。ブールがほぼ環状の断面を有する本明細書に開示の実施形態では、チューブ550は、少なくとも8つの平坦な表面、そして好ましくは12のこのような表面を有することが好ましい。
【0041】
内表面501〜512のため、支持ロッド24は、内表面との接触に耐えるか、またはそれに非常に緊密に近接するかのいずれかで、チューブ550中に押され得る。ロッド24が六角形断面を有する好ましい実施形態では、少なくともいくつかのロッドの平坦な表面は、パッキングチューブ550の平坦な内表面501〜512のいくつかにのしかかり、そしてその他のロッドのいくつかの最高点が平坦な表面にのしかかる。このようにして、ロッド24とチューブ550との間の開放スペースが、平坦な内表面501〜512間の最高点の近傍に主にある。さらに、開放スペースの減少を最大にするため、複数側面のガラスパッキングチューブの端面または表面が、異なる幅(チューブ550の長軸を横切る寸法)を有することが特定の束寸法にとってしばしば好ましい。図5はこの特徴を示す。平坦な表面の幅における変動は、形成されるブールのサイズおよび形状に依存する。本明細書に開示の実施形態では、2つの異なる幅が開示されている。幅表面501、503、505、507、509および511は同じ寸法であり、そして表面502、504、506、508、510および512の幅より小さく、そしてこの後者のグループのすべては、同じ寸法である。その他の所望のブールの形状には、異なる改変例が用いられ得る。
【0042】
図1に示される先行技術のブールの開放スペース300と、図5に見られる開放スペースとの間の比較は、開放領域の大きな減少を示す。この減少は、先行技術ブールと比較したとき容易に50%を超える。このような開放スペースの減少は重要である。なぜなら、それは、融合プロセスの間のガラスの流れを減少するからである。ガラスフローの任意のレベルは、ブール内のファイバーの各束内のコアロッドを移動させる。このコアロッドの移動は、上記で論議されたように、各コア部位間のクラッディング寸法を減少する能力を有している。2つの部位の間のクラッドガラス厚みの減少が大きすぎる場合、そのときは、エッチング工程の間にこのクラッドガラスが完全になくなる可能性がある。2つのコア部位の間の任意のクラッドグラスの不在は、プレート内のチャネル壁をなくならせ、これは、このプレートの性能を損傷する。従って、開放スペースの減少を相伴うガラスフローの減少は、ブール内の各六角形状のファイバー束内のコアの均一性を増加する。均一性におけるこの増加は、丸い内壁をもって形成される先行技術のパッキングチューブと比較したとき優れたプレートを生成する。
【0043】
本発明を、特定の実施形態を参照して本明細書に説明および記載しているが、本発明は、示された詳細に限定する意図はない。むしろ、種々の改変が、本発明から逸脱することなく請求項の等価物の領域および範囲内で詳細になされ得る。さらに、端面が内表面である形状のパッキングチューブの使用は、内部ファイバーの移動が所望されない外側チューブ内のファイバーの束を必要とする任意の他適用に関して用いられ得る。
【産業上の利用可能性】
【0044】
光増幅器における電子の増倍管(multiplier)として用いられる微小チャネルプレートおよびその製造方法が提供される。この製造方法は、端面が内表面である形状のパッキングチューブを使用し、内部ファイバーの移動が所望されない外側チューブ内のファイバーの束を必要とする任意の他適用に関して用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、先行技術によるパックされたブールの断面図である。
【図2】図2は、微小チャネルプレートの一部切欠図である。
【図3】図3は、微小チャネルプレートを製作することで用いられるファイバーの部分図である。
【図4】図4は、微小チャネルプレートを製作することにおける使用のための図1に示される束の部分図である。
【図5】図5は、本発明によるパックされたブールの断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10 ファイバー
12 ガラスコア14
14 ガラスクラッディング
16 ファイバー束
24 支持ロッド
500 ブール
501、502、503、504、505、506、507、508、509、510、511、512 内表面
550 パッキングチューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小チャネルプレートを製作する際の使用のためのブールであって:
複数の平坦な内表面を有するエッチング不能なガラスから形成される中空ガラスチューブであって、各表面は、ほぼ平面状であって、そして該チューブの長軸にほぼ平行に延びるチューブを備える、ブール。
【請求項2】
請求項1に記載のブールであって:
複数の光ファイバーをさらに備え、該光ファイバーの各々が、エッチング不能な材料から形成されるクラッディング層およびエッチング可能な材料から形成されるコア、および該平坦な内表面と該光ファイバーとの間に位置するエッチング不能な材料から形成される複数の支持ロッドを有する、ブール。
【請求項3】
前記ガラスチューブが少なくとも8つの平坦な内表面を有する、請求項1に記載のブール。
【請求項4】
前記ガラスチューブが12の平坦な内表面を有する、請求項1に記載のブール。
【請求項5】
前記平坦な表面の幅が変動する、請求項1に記載のブール。
【請求項6】
第1の複数の平坦な表面の各々の幅が第1の寸法を有し、そして第2の複数の平坦な表面の各々の幅が該第1の幅とは異なる第2の寸法を有する、請求項1に記載のブール。
【請求項7】
前記第1の寸法が、前記第2の寸法より小さい、請求項6に記載のブール。
【請求項8】
前記ファイバー、ロッドおよびガラスチューブが一緒に融合される、請求項2に記載のブール。
【請求項9】
前記支持ロッドが、前記チューブの平坦な内表面を係合するための平坦な表面を含む断面形状を有する、請求項2に記載のブール。
【請求項10】
請求項8に記載のブールから形成される微小チャネルプレート。
【請求項11】
微小チャネルプレートを形成する方法であって:
1束のファイバーを提供する工程であって、各ファイバーは、エッチング不能なクラッディングにより取り囲まれるエッチング可能なコアを有する工程;
複数の該束を、エッチング不能な材料から形成され、そして複数の平坦な内表面を有する中空のガラスチューブにパッキングする工程;
該ファイバーと該平坦な内表面との間に複数の支持ロッドを位置決めし、パックされたブールを形成する工程;および
該ファイバー、ガラスチューブおよび支持ロッドを融合する工程、を包含する、方法。
【請求項12】
前記ガラスチューブが少なくとも8つの平坦な内表面を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ガラスチューブが12の平坦な内表面を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記平坦な表面の幅が変動する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
第1の複数の平坦な表面の各々の幅が第1の寸法を有し、そして第2の複数の平坦な表面の各々の幅が該第1の幅とは異なる第2の寸法を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の寸法が、前記第2の寸法より小さい、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記支持ロッドが、平坦な表面を含む断面形状を有し、そしてここで、該支持ロッドの平坦な表面の少なくともいくつかが、前記チューブの平坦な内表面を係合する、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法により形成される微小チャネルプレート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−16272(P2006−16272A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197474(P2004−197474)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(501274528)アイティーティー・マニュファクチュアリング・エンタープライゼズ・インコーポレーテッド (9)
【Fターム(参考)】