説明

微粒子分級装置

【課題】分級効率および分級精度が向上した微粒子分級装置を提供する。
【解決手段】微粒子分級装置は、第1導入口11と、第1排出口12とを有する第1流路10と、第2導入口21と、前記第1流路と接続する第1接続口22とを有する第2流路20と、第3導入口31と、前記第2流路よりも下流側において前記第1流路と接続する第2接続口と32を有する第3流路30と、前記第1流路と連続し、第1の幅の第1通路を有する第1フィルタ部61と、前記第1フィルタ部よりも下流側において前記第1流路と連続し、前記第1の幅よりも広い第2の幅の第2通路を有する第2フィルタ部62と、前記第1フィルタ部と連続し、第2排出口41を有する第4流路40と、前記第2フィルタ部と連続し、第3排出口51を有する第5流路50とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微粒子分級装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液相および固相の混濁液、あるいは液体中に、それぞれ異なる粒径を有する複数の固体粒子が分散した分散液から、所望の粒径毎に固相又は固体粒子を分級するための微粒子分級装置であって、数百マイクロメートル程度の微細なマイクロ流路を備えた微粒子分級装置が知られている。数百マイクロメートル程度の微細なマイクロ流路では、電場・遠心場などの外部操作を行わずとも、流れの体積に比べて表面積が非常に大きくなるため、その中に流体を導入すると、安定的に層流が形成される。このような微粒子分級装置は、例えば、工業的に均一な粒径をもつ合成粒子を製造する場合や、数種類の細胞が混合した細胞混合液(例えば、生体の血液など)から所望の粒径の細胞のみを分離回収する場合などに用いられる。
【0003】
例えば、非特許文献1には、2つの流路が合流するマイクロ流路を備える微粒子分級装置が開示されている。一方の流路には粒子を含む粒子分散液を連続的に導入し、他方の流路には粒子を含まない溶液を連続的に導入し、合流した流路内において、導入された粒子が片方の側壁に押し付けられながら流れる層流を形成し、壁からの粒子の中心位置(直径)の違いに基づいて、粒子を連続的に分離することが開示されている。
【0004】
しかしながら、非特許文献1で開示される分級装置では、例えば変形しやすい細胞のように流路の壁と粒子の中心位置との距離が変動する粒子を分離する場合には、所望のサイズの粒子を精度良く回収することは難しかった。また、回収される粒子のサイズ範囲を明確に決定することも難しく、高い分級精度を確保することは難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「マイクロ流路を用いた粒子の分級」(山田真澄、関実)、J.Vac.Soc.Jpn(真空)Vol.49、No.7、2006、p.10−p.14
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、分級効率および分級精度が向上した微粒子分級装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本形態に係る微粒子分級装置は、第1導入口と、第1排出口と、を有する第1流路と、第2導入口と、前記第1流路と接続する第1接続口と、を有する第2流路と、第3導入口と、前記第2流路よりも下流側において前記第1流路と接続する第2接続口と、を有する第3流路と、前記第1流路と連続し、第1の幅の第1通路を有する第1フィルタ部と、前記第1フィルタ部よりも下流側において前記第1流路と連続し、前記第1の幅よりも広い第2の幅の第2通路を有する第2フィルタ部と、前記第1フィルタ部と連続し、第2排出口を有する第4流路と、前記第2フィルタ部と連続し、第3排出口を有する第5流路と、を含み、前記第1フィルタ部は、少なくとも前記第2流路が前記第1流路と連続する位置よりも下流側から前記第3流路が前記第1流路と連続する位置までの間に配置され、前記第2フィルタ部は、前記第3流路が前記第1流路と連続する位置よりも下流側に配置され、前記第1フィルタ部は、前記第1流路の内壁面のうち、前記第2流路が連続する内壁面に向かい合う内壁面と連続し、前記第2フィルタ部は、前記第1流路の内壁面のうち、前記第3流路が連続する内壁面に向かい合う内壁面と連続する。
【0008】
本形態に係る微粒子分級装置によれば、第1フィルタ部は、第2流路が第1流路と連続する位置よりも下流側に配置され、第2フィルタ部は、第3流路が第1流路と連続する位置よりも下流側に配置される。これによれば、第2流路から流入した液体の圧力によって、第1流路を流れる液体は、第1フィルタ部側に押し付けられる。また、第1フィルタ部よりも下流側において、第3流路から流入した液体の圧力によって、第1流路を流れる液体は、再度、第2フィルタ部側に押し付けられる。したがって、本形態に係る微粒子分級装置において、第1流路にそれぞれ異なる粒径を有する複数の粒子を含む液体が導入された場合、これらの粒子は第2流路の下流側で第1フィルタ部側に押し当てられた後、第3流路の下流側で第2フィルタ部側に再度押し付けられる。
【0009】
ここで、第1フィルタ部は、第1の幅の第1通路を複数有することから、第1の幅を通過できる粒子は、第1フィルタ部から第4流路へ流れて分離される。次に、第2フィルタ部は、第1の幅よりも広い第2の幅の第2通路を複数有することから、第1の幅を通過できない粒子であって、第2の幅を通過できる粒子は、第2フィルタ部から第5流路へ流れて分離される。また、第2フィルタ部を通過できない粒子は、第1流路の第1排出口へ流れて回収することができる。
【0010】
以上より、本形態に係る微粒子分級装置によれば、導入された粒子と第1フィルタ部および第2フィルタ部との接触機会が増加する。したがって、該粒子を第1フィルタ部および第2フィルタ部に積極的に接触させることができるため、微粒子分級装置の分級効率が向上する。
【0011】
また、本形態に係る微粒子分級装置は、第1フィルタ部は、第1流路の内壁面のうち、第2流路が連続する内壁面に向かい合う内壁面と連続し、第2フィルタ部は、第1流路の内壁面のうち、第3流路が連続する内壁面に向かい合う内壁面と連続する。これによれば、第1フィルタ部および第2フィルタ部が、第1流路が延びる方向すなわち流体の流れる方向と平行な位置関係にあるため、第1フィルタ部および第2フィルタ部を通過できない粒子は、第1フィルタ部および第2フィルタ部に係留されにくく、第1流路の第1排出口側へ容易に流れることができる。したがって、第1フィルタ部および第2フィルタ部が詰まりにくい構造を有しているため、微粒子分級装置の分級効率が向上する。
【0012】
また、本形態に係る微粒子分級装置では、所定の粒径以下の粒子が第1フィルタ部および第2フィルタ部を通過することができる。これによれば、第1フィルタ部を通過できる粒子と、第2フィルタ部を通過できる粒子と、第1フィルタ部および第2フィルタ部を通過できない粒子とを精度よく分級することができる。したがって、微粒子分級装置の分級精度が向上する。
【0013】
(2)本形態に係る微粒子分級装置において、前記第1排出口は、前記第1導入口と連続していてもよい。
【0014】
これによれば、仮に、第1フィルタ部または第2フィルタ部を通過できる粒子が分級されなかった場合であっても、循環経路から第1流路へ再度導入される。したがって、分級されなかった粒子を循環させてフィルタ部に接触させることでより確実に分級することができるため、微粒子分級装置の分級精度がさらに向上する。
【0015】
(3)本形態に係る微粒子分級装置において、前記第2流路が前記第1流路に接続する角度は、90度以下であってもよい。
【0016】
これによれば、第1流路および第2流路に液体が導入された場合に、第1流路から導入された液体を、層流を維持しつつ、第1フィルタ部側へ寄せることができる。したがって、液体に含まれる粒子と第1フィルタ部との接触機会をより増加させることができるため、微粒子分級装置の分級効率がさらに向上する。
【0017】
(4)本形態に係る微粒子分級装置において、前記第3流路が前記第1流路に接続する角度は、90度以下であってもよい。
【0018】
これによれば、第1流路および第3流路に液体が導入された場合に、第1流路から導入された液体を、層流を維持しつつ、第2フィルタ部側へ寄せることができる。したがって、液体に含まれる粒子と第2フィルタ部との接触機会をより増加させることができるため、微粒子分級装置の分級効率がさらに向上する。
【0019】
(5)本形態に係る微粒子分級装置において、前記第1フィルタ部は、さらに、前記第2流路が前記第1流路と連続する位置において、前記第1流路と連続していてもよい。
【0020】
これによれば、第1接続部においても第1フィルタ部が配置されるため、第1フィルタ部と粒子との接触機会がさらに増加し、微粒子分級装置の分級効率がさらに向上する。
【0021】
(6)本形態に係る微粒子分級装置において、前記第1流路、前記第2流路、および前記第3流路の流路幅は、10μm以上、1000μm以下であってもよい。
【0022】
これによれば、本形態に係る微粒子分級装置に導入された液体の流れを容易に層流とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係る微粒子分級装置を模式的に示す平面図。
【図2】第2実施形態に係る微粒子分級装置を模式的に示す平面図。
【図3】第3実施形態に係る微粒子分級装置を模式的に示す平面図。
【図4】第4実施形態に係る微粒子分級装置を模式的に示す平面図。
【図5】第1実施形態に係る微粒子分級装置を適用した微粒子分級方法を模式的に説明する平面図。
【図6】第1実施形態に係る微粒子分級装置を適用した微粒子分級方法を模式的に説明する平面図。
【図7】第1実施形態に係る微粒子分級装置を適用した微粒子分級方法を模式的に説明する平面図。
【図8】第1〜第4実施形態に係る微粒子分級装置を適用した微粒子分級方法を説明するフローチャート図。
【図9】第1〜第4実施形態に係る微粒子分級装置を適用した微粒子分級システムを説明するブロック図。
【図10】第1実施形態に係る微粒子分級装置のシミュレーションにおけるモデル断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0025】
1. 第1実施形態に係る微粒子分級装置
図1は、第1実施形態に係る微粒子分級装置100を模式的に表す平面図である。
【0026】
なお、本実施形態の説明において、「平面図」という文言は、微粒子分級装置100が設置される仮想平面の法線方向から微粒子分級装置100を見た場合の平面図という意味で用いる。ただし、微粒子分級装置100が設置される「仮想平面」とは、微粒子分級装置100に導入される液体が流れる方向と常に平行な位置関係にある平面とする。図1における第1仮想直線A、第2仮想直線B、第3仮想直線Cおよび第4仮想直線Dは、仮想平面上において延びる仮想直線とする。以下、その他の実施形態においても同様である。
【0027】
また、本実施形態の説明においては、微粒子分級装置100が設置される仮想平面上において第1流路10の第2の部分16が延びる方向をX軸方向とし(図1参照)、X軸方向と直交する方向をY軸方向(第1流路10の第2の部分16の流路幅方向)とし、仮想平面の法線方向をZ軸方向(第1流路10の第2の部分16の深さ方向)として説明する。以下、その他の実施形態においても同様である。
【0028】
第1実施形態に係る微粒子分級装置100は、図1に示すように、流路の上流側となる第1導入口11と、流路の下流側となる第1排出口12と、を有する第1流路10と、第2導入口21と、第1流路10と連続する第1接続口22と、を有する第2流路20と、第3導入口31と、第2流路20よりも下流側において第1流路10と連続する第2接続口32と、を有する第3流路30と、第1流路10と連続し、第1の幅の第1通路61aを複数有する第1フィルタ部61と、第1フィルタ部61よりも下流側において第1流路10と連続し、第1の幅よりも広い第2の幅の第2通路62aを複数有する第2フィルタ部62と、第1フィルタ部61と連続し、第2排出口41を有する第4流路40と、第2フィルタ部62と連続し、第3排出口51を有する第5流路50と、を含む。
【0029】
第1流路10は、図1に示すように、流路の上流側となる第1導入口11と、流路の下流側となる第1排出口12と、を有する。
【0030】
第1流路10の、X軸方向に垂直な面で切った断面(以後「垂直断面」と記載する。)の形状は特に限定されない。第1流路10の垂直断面の形状は、例えば、矩形(正方形又は長方形)であってもよい。また、第1流路10の垂直断面の形状は、第1導入口11から第1排出口12までの間において同一であってもよいし、異なる箇所があってもよい。
【0031】
第1流路10の流路幅(図示の例では、Y軸方向の幅)、流路深さ(図示の例では、Z軸方向の深さ)および流路長さ(図示の例では、X軸方向の長さ)は、特に限定されない。第1流路10の流路幅は、例えば、10μm以上、100μm以下であり、第1流路10の流路深さは、例えば、10μm以上、100μm以下であってもよい。つまりは、第1流路10は、流路の幅および深さが、マイクロメートルのオーダーとなるように加工されたマイクロ流路である。これによれば、第1流路10に導入された液体の流れの体積に比べて表面積を非常に大きくすることができる。したがって、第1流路10に連続的に導入された液体の流れの状態を、容易に層流状態とすることができる。
【0032】
第1流路10は流路を区画する内壁面13によって構成される。第1流路10の垂直断面の形状が矩形である場合、第1流路10は、4つの内壁面13から構成される(図示の例では、両側面と底面のみ図示)。また、図示はされないが、第1流路10の垂直断面の形状が略円形である場合、円柱状に連続した内壁面から構成されていてもよい。
【0033】
ここで、図1に示すように、内壁面13のうち、後述される第2流路20および第3流路30が連続する側の内壁面を第1内壁面13aとし、第1内壁面と反対側の面であって、後述されるフィルタ部60が連続する側の内壁面を第2内壁面13bとする。
【0034】
第1流路10は、図1に示すように、第1の部分15と、第2の部分16とを有する。
【0035】
第1流路10の第1の部分15は、図1に示すように、第1導入口11から第1接続口22が連続する部分までを含む流路である。第1の部分15は、第1仮想直線A沿って延び、後述される第2流路20の第1接続口22が連続する第1接続部17を有する。本実施形態において、第1仮想直線Aは、X軸方向に沿った直線であって、後述される第3仮想直線Cと直交する直線である。図1に示すように、第1仮想直線Aは、第1流路10の第1の部分15の流路幅(Y軸方向における幅)の中心位置と重なっている。
【0036】
第1接続部17は、図1に示すように、第1流路10に後述される第2流路20の第1接続口22が連続する部分であり、第1仮想直線Aと第2仮想直線Cとが直交する部分である。図1に示すように、第1接続部17は、第1流路10の第1の部分15の一部である。
【0037】
第1流路10の第2の部分16は、図1に示すように、第1接続口22が連続する部分(第1接続部17)より下流側の流路である。つまりは、第2の部分16に第1接続部17は含まれない。第2の部分16は、第1の部分15の第1接続部17の下流側と連続し、第2仮想直線Bに沿って延び、後述される第3流路30の第2接続口32が連続する第2接続部18と、第1排出口12と、を有する。本実施形態において、第2仮想直線Bは、X軸方向に沿った直線であって、第1仮想直線Aと同一直線であり、後述される第4仮想直線Dと直交する直線である。図1に示すように、第2仮想直線Bは、第1流路10の第2の部分16の流路幅(Y軸方向における幅)の中心位置と重なっている。
【0038】
第2接続部18は、図1に示すように、第1流路10に後述される第3流路30の第2接続口32が連続する部分であり、第2仮想直線Bと第4仮想直線Dとが直交する部分である。図1に示すように、第2接続部18は、第1流路10の第2の部分16の一部である。
【0039】
ここで、本実施形態に係る微粒子分級装置100の変形例として、第1流路10の第1排出口12は、第1導入口11と連続した循環経路と接続されていてもよい。つまりは、第1流路10は、連続した循環流路であってもよい。これによれば、後述されるフィルタ部60(第1フィルタ部61または第2フィルタ部62)を通過できる粒子が仮に分級されなかった場合であっても、循環経路から第1流路10へ再度導入される。したがって、分離されなかった粒子を循環させてフィルタ部60に接触させることで確実に分級することができるため、第1流路が循環流路でない場合と比較して、微粒子分級装置100の分級精度をより向上させることができる(図9参照)。
【0040】
第2流路20は、図1に示すように、第2導入口21を有し、第3仮想直線Cに沿って延び、第1接続口22を有する。第1接続口22は、第1接続部17において第1内壁面13a側の第1流路10(第1の部分15)と連続する。本実施形態において、第3仮想直線Cは、Y軸方向に沿った直線である。図1に示すように、第3仮想直線Cは、第2流路20の流路幅(X軸方向における幅)の中心位置と重なっている。
【0041】
第2流路20の、Y軸方向に垂直な面で切った断面(以後「垂直断面」と記載する。)の形状は特に限定されない。第2流路20の垂直断面の形状は、例えば、矩形(正方形又は長方形)であってもよい。また、第2流路20の垂直断面の形状は、第2導入口21から第1接続口22までの間において同一であってもよいし、異なる箇所があってもよい。
【0042】
ここで、図1に示すように、第1接続口22を構成する4つの辺のうち、第1流路10の上流側(第1導入口11側)の辺を、辺22aとし、第1流路10の下流側(第1排出口12側)の辺を、辺22bとする。
【0043】
また、ここで、図1に示すように、第1流路10の上流から下流に向かう流路方向において、辺22aが位置するポイントをP(第1接続部17の上流側の位置)とし、辺22bが位置するポイントをP(第1接続部17の下流側の位置)とする。
【0044】
第2流路20の流路幅(図示の例では、X軸方向の幅)、流路深さ(図示の例では、Z軸方向の幅)および流路長さ(図示の例では、Y軸方向の長さ)は、特に限定されない。第2流路20の流路幅および流路深さは、例えば、第1流路10の流路幅および流路深さとそれぞれ同じであってもよい。これにより、第2流路20に連続的に導入された液体の流れの状態を、容易に層流状態とすることができる。
【0045】
第2流路20は流路を区画する内壁面23によって構成される。第2流路20の垂直断面の形状が矩形である場合、第2流路20は、4つの内壁面23から構成される(図示の例では、両側面と底面のみ図示)。また、図示はされないが、第2流路20の垂直断面の形状が略円形である場合、円柱状に連続した内壁面から構成されていてもよい。
【0046】
第3流路30は、図1に示すように、第3導入口31を有し、第4仮想直線Dに沿って延び、第2接続口32を有する。第2接続口32は、第2接続部18において第1内壁面13a側の第1流路10(第2の部分16)と連続する。本実施形態において、第4仮想直線Dは、Y軸方向に沿った直線である。図1に示すように、第4仮想直線Dは、第3流路30の流路幅(X軸方向における幅)の中心位置と重なっている。
【0047】
図1に示すように、第3流路30は、第2流路20と同じ方向に沿って延びる流路であり、第2流路20よりも下流側(第1排出口12側)において、第1流路10と連続する。図1に示すように、第3流路30は、第2流路20と当接せずに、一定距離を離間して配置される。
【0048】
第3流路30の、Y軸方向に垂直な面で切った断面(以後「垂直断面」と記載する。)の形状は特に限定されない。第3流路30の垂直断面の形状は、例えば、矩形(正方形又は長方形)であってもよい。また、第3流路30の垂直断面の形状は、第3導入口31から第2接続口32までの間において同一であってもよいし、異なる箇所があってもよい。
【0049】
ここで、第2接続口32を構成する4つの辺のうち、第1流路10の上流側(第1導入口11側)の辺を、辺32aとし、第1流路10の下流側(第1排出口12側)の辺を、辺32bとする。
【0050】
また、ここで、図1に示すように、第1流路10の上流から下流に向かう流路方向において、辺32bが位置するポイントをP(第2接続部18の下流側の位置)とする。
【0051】
第3流路30の流路幅(図示の例では、X軸方向の幅)、流路深さ(図示の例では、Z軸方向の幅)および流路長さ(図示の例では、Y軸方向の長さ)は、特に限定されない。第3流路30の流路幅および流路深さは、例えば、第1流路10の流路幅および流路深さとそれぞれ同じであってもよい。これにより、第3流路30に連続的に導入された液体の流れの状態を、容易に層流状態とすることができる。
【0052】
第3流路30は流路を区画する内壁面33によって構成される。第3流路30の垂直断面の形状が矩形である場合、第3流路30は、4つの内壁面33から構成される(図示の例では、両側面と底面のみ図示)。また、図示はされないが、第3流路30の垂直断面の形状が略円形である場合、円柱状に連続した内壁面から構成されていてもよい。
【0053】
本実施形態において、図1に示すように、第1流路10の第1の部分15に第2流路20が接続する接続角度aは、90度である。接続角度aは、第2流路20の内壁面23と第1流路10の第1の部分15の第1内壁面13aとが形成する角度であって、第1流路10および第2流路20に挟まれた角度である。
【0054】
また、本実施形態において、図1に示すように、第1流路10の第2の部分16に第3流路30が接続する接続角度bは、90度である。接続角度bは、第3流路30の内壁面33と第1流路10の第2の部分16の第1内壁面13aとが形成する角度であって、第1流路10および第3流路30に挟まれた角度である。
【0055】
第4流路40は、図1に示すように、後述される第1フィルタ部61と連続し、第2排出口41を有する。言い換えれば、第4流路40は、後述される第1フィルタ部61を介して第1流路10と連通する。本実施形態において、第4流路40の延びる方向は特に限定されない。例えば、図1に示すように、第1フィルタ部61と接続した後、第1流路10が延びる方向と同じ方向に延びていてもよい。
【0056】
第4流路40の、X軸方向に垂直な面で切った断面(以後「垂直断面」と記載する。)の形状は液体を流すことができる限り特に限定されない。第4流路40の垂直断面の形状は、例えば、矩形(正方形又は長方形)であってもよい。また、第4流路40の垂直断面の形状は、第1フィルタ部61と連続する部分から第2排出口41までの間において同一であってもよいし、異なる箇所があってもよい。
【0057】
第4流路40の流路幅(図示の例では、Y軸方向の幅)、流路深さ(図示の例では、Z軸方向の深さ)および流路長さ(図示の例では、X軸方向の長さ)は、特に限定されない。第4流路40の流路幅および流路深さは、例えば、第1流路10の流路幅および流路深さとそれぞれ同じであってもよい。また、第4流路40の流路幅および流路深さは、例えば、第1流路10の流路幅および流路深さよりも、それぞれ大きくてもよい。
【0058】
第5流路50は、図1に示すように、後述される第2フィルタ部62と連続し、第3排出口51を有する。言い換えれば、第5流路50は、後述される第2フィルタ部62を介して第1流路10と連通する。本実施形態において、第5流路50の延びる方向は特に限定されない。例えば、図1に示すように、第1フィルタ部61と接続した後、第1流路10が延びる方向と同じ方向に延びていてもよい。
【0059】
第5流路50の、X軸方向に垂直な面で切った断面(以後「垂直断面」と記載する。)の形状は液体を流すことができる限り特に限定されない。第5流路50の垂直断面の形状は、例えば、矩形(正方形又は長方形)であってもよい。また、第5流路50の垂直断面の形状は、第2フィルタ部62と連続する部分から第3排出口51までの間において同一であってもよいし、異なる箇所があってもよい。
【0060】
第5流路50の流路幅(図示の例では、Y軸方向の幅)、流路深さ(図示の例では、Z軸方向の深さ)および流路長さ(図示の例では、X軸方向の長さ)は、特に限定されない。第5流路50の流路幅および流路深さは、例えば、第1流路10の流路幅および流路深さとそれぞれ同じであってもよい。また、第5流路50の流路幅および流路深さは、例えば、第1流路10の流路幅および流路深さよりも、それぞれ大きくてもよい。
【0061】
フィルタ部60(第1フィルタ部61および第2フィルタ部62)は、図1に示すように、第3流路30が連続する側(第1内壁面13a側)と反対側(第2内壁面13b側)の第1流路10の第2の部分16において、第1流路10と連続する。
【0062】
フィルタ部60(第1フィルタ部61および第2フィルタ部62)は、図1に示すように、第1流路10の第2の部分16と、第4流路40および第5流路50と、の間に設けられる。フィルタ部60は、第1流路10の第2の部分16を構成する第2内壁面13bにおいて、第1流路10の第2の部分16と、第4流路40および第5流路50とを連通する。言い換えれば、第1流路10の第2の部分16の第2内壁面13bの一部は、フィルタ部60の一部を構成している。
【0063】
また、フィルタ部60は、第1流路10の流路方向(第1流路が延びる方向すなわち流体の流れる方向)と平行な位置に設けられる。これにより、フィルタ部60を通過できない粒子は、フィルタ部60に係留されにくく、第1流路の第1排出口側へ容易に流れることができる。したがって、フィルタ部60がこのように配置されることで、フィルタ部が詰まることによる分級効率の低下を防ぐことができる。
【0064】
第1フィルタ部61は、図1に示すように、第2流路20が第1流路10と連続する位置であるP(第1接続部17の下流側の位置)からP(第2接続部18の下流側の位置)までの間の領域に形成される。
【0065】
第1フィルタ部61の構成は、特定の粒径以下の粒子を通過させることができる限り、特に限定されない。例えば、第1フィルタ部61は、第1の幅W1の第1通路61a(第1流路10の第2の部分16と第4流路40とを連通する通路)を複数有する。第1フィルタ部61は、複数の第1通路61aが一定の間隔をおいて形成されたスリット状のフィルタ部であってもよい。また、第1フィルタ部61は、複数の第1通路61aが一定の間隔で隣り合うように形成されたメッシュ状のフィルタ部であってもよい。
【0066】
第2フィルタ部62は、図1に示すように、第3流路30が第1流路10と連続する位置であるP(第2接続部18の下流側の位置)よりも下流側に配置される。図1に示すように、第2フィルタ部62は、Pにおいて、第1フィルタ部61と連続して形成されていてもよい。また、図示はされないが、第1フィルタ部61および第2フィルタ部62は、互いに離間して形成されていてもよい。
【0067】
第2フィルタ部62の構成は、特定の粒径以下の粒子を通過させることができる限り、特に限定されない。例えば、第2フィルタ部62は、第1の幅W1よりも広い第2の幅W2の第2通路62a(第1流路10の第2の部分16と第5流路50とを連通する通路)を複数有する。第2フィルタ部62は、複数の第2通路62aが一定の間隔で隣り合うように形成されたスリット状のフィルタ部であってもよい。また、第2フィルタ部62は、複数の第2通路62aが一定の間隔で隣り合うように形成されたメッシュ状のフィルタ部であってもよい。
【0068】
ここで、第1通路61aの幅W1および第2通路62aの幅W2は、例えば、6.5μm以上16.8μm以下であってもよい。これによれば、生体の血液成分を含む液体が導入された場合、単球を回収する精度を高めることができる。一般的な単球の直径は、他の血液成分と比べてサイズの大きい13〜20μm程度である。したがって、第1通路61aおよび第2通路62aの最も狭い箇所の幅は、一般的な単球の直径に対して50〜80%となる6.5μm以上16.8μm以下の範囲から選択されてもよい。これによって、単球を回収する精度を高めることができる。
【0069】
以上の構成により、第1実施形態に係る微粒子分級装置100を構成する。第1流路10、第2流路20、第3流路30、第4流路40および第5流路50が形成される部材の材料は、特に限定されない。材料としては、例えば、ガラス、シリコンなどの無機材料、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、シリコーン樹脂(PDMS)などの樹脂材料、又はそれらを組み合わせたハイブリッド材料などを挙げることができる。
【0070】
微粒子分級装置100の製造方法は、特に限定されず、公知の成型加工やマイクロマシン微細加工技術(MEMS)によって製造することができる。例えば、公知のフォトリソグラフィー技術などによって溝が形成された基板や穴が形成された基板を適宜組み合わせることによって、第1実施形態に係る微粒子分級装置100を製造してもよい。
【0071】
なお、上記の本実施形態に係る微粒子分級装置100の説明においては、3種類の粒径範囲によって粒子を分級する場合を、本実施形態に係る微粒子分級装置100の一例として説明した。しかしながら、本実施形態に係る微粒子分級装置100の変形例として、例えば、4種類以上の粒径範囲によって粒子を分級する場合、第2流路20の下流側に第3流路30を設け、第1フィルタ部61の下流側に第2フィルタ部62を設けた条件と同様の条件でもって、第3流路30および第2フィルタ部62の下流側に複数の流路およびフィルタ部をそれぞれ設けてもよい。具体的には、4種類の粒径範囲によって粒子を分級する場合、第6流路を第3流路30の下流側に設け、かつ、第2の幅W2よりも広い第3の幅の第3通路を複数有する第3フィルタ部を第2フィルタ部62の下流側に設け、第6流路から流入する液体の圧力によって、第1流路10の第2内壁面13b側に押し付けられた粒子を第3フィルタ部によって分級してもよい。
【0072】
本実施形態に係る微粒子分級装置100およびその変形例は、例えば、以下の特徴を有する。
【0073】
本形態に係る微粒子分級装置100によれば、第1フィルタ部61は、第2流路20が第1流路10と連続する位置よりも下流側に配置され、第2フィルタ部62は、第3流路30が第1流路10と連続する位置よりも下流側に配置される。これによれば、第2流路20から流入した液体の圧力によって、第1流路10を流れる液体は、第1フィルタ部61側(第2内壁面13b側)に押し付けられる。また、第1フィルタ部61よりも下流側において、第3流路30から流入した液体の圧力によって、第1流路10を流れる液体は、再度、第2フィルタ部62側に押し付けられる。したがって、本形態に係る微粒子分級装置100において、第1流路10にそれぞれ異なる粒径を有する複数の粒子を含む液体が導入された場合、これらの粒子は第2流路20の下流側で第1フィルタ部61側に押し当てられた後、第3流路30の下流側で第2フィルタ部62側に再度押し付けられる。
【0074】
ここで、第1フィルタ部61は、第1の幅W1の第1通路61aを複数有する。したがって、第1の幅W1を通過できる粒子は、第1フィルタ部61から、第4流路40へ効率よく流れることができる。次に、第2フィルタ部62は、第1の幅W1よりも広い第2の幅W2の第2通路62aを複数有する。したがって、第1の幅W1を通過できない粒子であって、第2の幅W2を通過できる粒子は、第2フィルタ部62から、第5流路50へ効率よく流れることができる。また、第2フィルタ部62を通過できない粒子は、第1流路10の第1排出口12へ効率よく流れることができる。すなわち、第1フィルタ部61および第2フィルタ部62によって、異なる大きさの粒子を効率よく分離できる。
【0075】
以上より、本形態に係る微粒子分級装置100によれば、導入された粒子が層流によって第1フィルタ部61および第2フィルタ部62に押し付けられるので、粒子と第1フィルタ部61および第2フィルタ部62との接触機会が増加する。したがって、微粒子分級装置の分級効率が向上する。
【0076】
また、本形態に係る微粒子分級装置100によれば、第1フィルタ部61および第2フィルタ部62は、第3流路30が連続する側と反対側の第1流路10において、第1流路10と連続する。これによれば、第1フィルタ部61および第2フィルタ部62が、第1流路10が延びる方向と平行な位置関係にあるため、第1フィルタ部61および第2フィルタ部62を通過できない粒子は、第1フィルタ部61および第2フィルタ部62に係留されにくく、第1流路10の第1排出口12側へ容易に流れることができる。したがって、第1フィルタ部61および第2フィルタ部62が詰まりにくい構造を有しているため、微粒子分級装置の分級効率が向上する。
【0077】
また、本形態に係る微粒子分級装置100によれば、所定の粒径以下の粒子のみが第1フィルタ部61を通過することができ、第1フィルタ部61を通過できない粒子であって、所定の粒径以下の粒子のみが第2フィルタ部62を通過することができる。これによれば、第1フィルタ部61を通過できる粒子と、第2フィルタ部62を通過できる粒子と、第1フィルタ部61および第2フィルタ部62を通過できない粒子と、を精度よく分級することができる。したがって、微粒子分級装置の分級精度が向上する。
【0078】
2. 第2実施形態に係る微粒子分級装置
図2は、第2実施形態に係る微粒子分級装置200を模式的に表す平面図である。第1実施形態に係る微粒子分級装置100と同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0079】
本実施形態に係る微粒子分級装置200では、図2に示すように、第1流路10に第2流路20が接続する接続角度aは、90度より小さい。第2流路20が沿って延びる第3仮想直線Cは、第1仮想直線Aと直交せず、直交する位置よりも第1流路10側に傾斜して延びる。接続角度aは、特に限定されず、0度<a<90度を満たす。より好適には、接続角度aは、特に限定されず、20度<a<90度を満たす。例えば、接続角度aは、第3仮想直線Cが、第1フィルタ部61と交差するように調整され、角度を決定してもよい。
【0080】
また、図2に示すように、第1流路10に第3流路30が接続する接続角度bは、90度より小さい。第3流路30が沿って延びる第4仮想直線Dは、第2仮想直線Bと直交せず、直交する位置よりも第1流路10側に傾斜して延びる。接続角度bは、特に限定されず、0度<b<90度を満たす。より好適には、接続角度bは、特に限定されず、20度<b<90度を満たす。例えば、接続角度bは、第4仮想直線Dが、第2フィルタ部62と交差するように調整され、角度を決定してもよい。
【0081】
第2実施形態に係る微粒子分級装置200においても、第1実施形態に係る微粒子分級装置100と同様な効果を奏する。
【0082】
また、第2実施形態に係る微粒子分級装置200によれば、第2流路20の延びる方向(第3仮想直線C)の延長線上に、第1フィルタ部61が配置され、第3流路30の延びる方向(第4仮想直線D)の延長線上に、第2フィルタ部62が配置される(図2参照)。これによれば、第1流路10、第2流路20および第3流路30に液体が導入された場合、第1フィルタ部61方向および第2フィルタ部62方向へそれぞれ向く液体の流れを第1実施形態における各流路の配置よりも積極的に形成することができる。したがって、液体に含まれる粒子と第1フィルタ部61方向および第2フィルタ部62との接触機会をより増加させることができるため、微粒子分級装置200の分級効率をより向上させることができる。
【0083】
3. 第3実施形態に係る微粒子分級装置
図3は、第3実施形態に係る微粒子分級装置300を模式的に表す平面図である。第1実施形態に係る微粒子分級装置100と同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0084】
本実施形態に係る微粒子分級装置300では、図3に示すように、第1フィルタ部61は、さらに、第1接続部17における第2内壁面13bにおいても設けられる。言い換えれば、第1フィルタ部61は、さらに上流側(第1導入口11側)のPの位置までへ延び、第2流路20が第1流路10と連続する位置(第1接続部17)においても、第1流路10と連続する。
【0085】
第3実施形態に係る微粒子分級装置300においても、第1実施形態に係る微粒子分級装置100と同様な効果を奏する。
【0086】
また、第3実施形態に係る微粒子分級装置300においても、「2.第2実施形態に係る微粒子分級装置」の項で説明した種々の変形と同様の変形が可能である。
【0087】
4. 第4実施形態に係る微粒子分級装置
図4は、第4実施形態に係る微粒子分級装置400を模式的に表す平面図である。第1実施形態に係る微粒子分級装置100と同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0088】
本実施形態に係る微粒子分級装置400では、図4に示すように、第1の部分15が沿って延びる第1仮想直線Aと、第2の部分16が沿って延びる第2仮想直線Bとが同一直線上に配置されず、第1接続部17において互いに交差する直線である。言い換えれば、第1流路10は、第1接続部17において、屈曲した流路である。本実施形態において、第1仮想直線A、第2仮想直線Bおよび第3仮想直線Cは、それぞれ異なる方向に延び、第1接続部17において互いに交差する直線である。
【0089】
第4実施形態に係る微粒子分級装置400においても、第1実施形態に係る微粒子分級装置100と同様な効果を奏する。
【0090】
また、第4実施形態に係る微粒子分級装置400においても、「2.第2実施形態に係る微粒子分級装置」および「3.第3実施形態の変形例に係る微粒子分級装置」の項で説明した種々の変形と同様の変形が可能である。
【0091】
5 微粒子分級方法および微粒子回収方法
5.1 微粒子分級方法
以下において、微粒子分級および回収方法について図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、第1実施形態に係る微粒子分級装置100を適用した場合の微粒子分級方法として説明するが、第2実施形態に係る微粒子分級装置200、第3実施形態に係る微粒子分級装置300および第4実施形態に係る微粒子分級装置400も同様に適用することができる。
【0092】
図5は、本実施形態に係る微粒子分級装置100の第1接続部17よりも上流側の第1流路10において、液体が流れる状態を説明する図である。図6は、本実施形態に係る微粒子分級装置100の第1接続部17周辺において、液体が流れる状態を説明する図である。図7は、本実施形態に係る微粒子分級装置100の第2接続部18周辺において、液体が流れる状態を説明する図である。図8は、微粒子分級方法を説明するフローチャート図である。
【0093】
本実施形態に係る微粒子分級方法は、微粒子分級装置100(200、300、400)を用いて行う。分散媒に互いに異なる粒径を有する複数の粒子が分散した第1溶液と、分散媒からなる第2溶液および第3溶液と、を使用して、粒子を分級する。図8に示すように、本実施形態に係る微粒子分級方法は、微粒子分級装置100(200、300、400)に第1溶液、第2溶液および第3溶液をそれぞれ導入する工程と(S1)と、第1流路10の第1接続部17にて、第1接続口22から流入する第2溶液でもって、第1溶液に含まれる粒子を第1接続部17の第2内壁面13b側に押し付ける工程(S2)と、第1フィルタ部61において、複数の粒子の内、所定の粒径以下の粒子を第4流路40へ通過させ、所定粒径より小さい粒子を分離する工程(S3)と、第1流路10の第2接続部18にて、第2接続口32から流入する第3溶液でもって、第1溶液に含まれる粒子を第2接続部18の第2内壁面13b側に押し付ける工程(S4)と、第2フィルタ部62において、複数の粒子の内、所定の粒径以下の粒子を第5流路50へ通過させ、所定粒径より小さい粒子を分離する工程(S5)と、を含む。以下に詳細を説明する。
【0094】
まず、微粒子分級装置100を準備する。準備される微粒子分級装置は、第1〜第4実施形態のいずれかに係る微粒子分級装置であってもよいし、それぞれの実施形態を組み合わせた変形例に係る微粒子分級装置であってもよい。次に、第1溶液、第2溶液および第3溶液を準備し、微粒子分級装置100にそれぞれ導入する(S1)。
【0095】
第1流路10の第1導入口11に導入される液体である第1溶液は、固相又は固体粒子などが分散媒に分散した溶液である。例えば、図5に示すように、第1溶液では、分散媒に少なくとも3種類の互いに異なる粒径を有する粒子(図示の例では、「粒子α」、「粒子β」及び「粒子γ」であり、「粒子αの粒径>粒子βの粒径>粒子γの粒径」とする)が分散している。図1に示すように、第1導入口11から導入された第1溶液は、X軸方向に流れて、後述される第2溶液が合流する第1接続部17に流入する。ここで、図示されないポンプを介して、所定の圧力でもって第1溶液を導入してもよい。第1溶液を第1流路10に導入する圧力をP1とする。
【0096】
ここで、第1溶液は、例えば、生体の血液成分(リンパ球や単球など)が分散されて含まれている液体であってもよい。
【0097】
第2流路20の第2導入口21に導入される液体である第2溶液は、固相又は固体粒子などを含まない、分散媒のみからなる溶液(バッファ溶液)である。図1に示すように、第2導入口21から導入された液体は、Y軸方向に流れて、第1接続口22から第1流路10に流入する。ここで、図示されないポンプを介して、所定の圧力でもって第2溶液を導入してもよい。第2溶液を第2流路20に導入する圧力をP2とする。
【0098】
第3流路30の第3導入口31に導入される液体である第3溶液は、第2溶液と同様に、固相又は固体粒子などを含まない、分散媒のみからなる溶液(バッファ溶液)である。図1に示すように、第3導入口31から導入された液体は、Y軸方向に流れて、第2接続口32から第1流路10に流入する。ここで、図示されないポンプを介して、所定の圧力でもって第3溶液を導入してもよい。第3溶液を第3流路30に導入する圧力をP3とする。
【0099】
ここで、第2溶液および第3溶液は、例えば、血液そのものであってもよいし、成分採血した血液や、血液と他の液体との混合液であってもよい。
【0100】
図5に示すように、第1導入口11から導入された第1溶液は、X軸方向(流路方向)に流れる層流F1を形成する。ここで、図5〜図7における矢印は、液体の流れる向きと流速を示す。図5に示すように、層流状態の液体は、流路の中心ほど流速が早く(矢印が長く)、内壁面に近いほど流体と内壁面との摩擦によって流速が遅い(矢印が短い)。
【0101】
次に、図6に示すように、第1接続部17にて、第1接続口22から流入する第2溶液で、第1溶液に含まれる粒子(図示の例では、「粒子α」、「粒子β」及び「粒子γ」)を第1接続部17の第2内壁面13b側に押し付ける(S2)。
【0102】
第1接続部17には第2流路20と連通した第1接続口22が設けられている。第1接続口22からは、Y軸方向に流れる第2溶液(F2)が第1流路10流入し、層流F1(第1溶液)を第2内壁面13b側へ押し付ける。したがって、第1接続部17では、第2内壁面13b側に押し当てられた層流F1´が形成される。これに伴い、層流F1´に含まれる複数の粒子(「粒子α」、「粒子β」及び「粒子γ」)も、第1接続部17において第2内壁面13b側に押し付けられる。
【0103】
次に、第1フィルタ部61において、複数の粒子の内、所定の粒径以下の粒子(図示の例では「粒子γ」)を第4流路40へ通過させ、粒子を粒径によって分離する(S3)。
【0104】
層流F1´は、第2内壁面13b側に押し当てられて、第1流路10の第2の部分16に導入される。第1流路10の第2の部分16の第2内壁面13b側には、第4流路40と連通する第1フィルタ部61が設けられているため、層流F1´は、慣性によって第1フィルタ部61に押し当てられ、異なる粒径を有する複数の粒子は、粒径により分離される。例えば、図6に示すように、第1フィルタ部61を通過できない粒径を有する粒子αおよび粒子βは、そのまま第1流路10の第2の部分16を流れる。図6に示すように、第1フィルタ部61を通過できる粒径を有する粒子γは、第1フィルタ部61から第4流路40へ流れ、第2排出口41から排出され、回収される。
【0105】
ここで、第1フィルタ部61を通過できない粒子αおよび粒子βを含み、第1流路10の下流側へ流れる液体を第4溶液とし、第1フィルタ部61を通過した粒子γを含み、第4流路40側へ流れる液体を第5溶液とする。この場合、図示されないイジェクターを介して、所定の圧力でもって第5溶液を第2排出口41から排出してもよい。第5溶液を第4流路40から排出する圧力をP4とする。
【0106】
次に、図7に示すように、第2接続部18にて、第2接続口32から流入する第3溶液(F3)で、第1溶液に含まれる粒子(図示の例では、「粒子α」及び「粒子β」)を第2接続部18の第2内壁面13b側に押し付ける(S4)。
【0107】
第2接続部18には第3流路30と連通した第2接続口32が設けられている。第2接続口32からは、Y軸方向に流れる第3溶液が流入し、層流F1´(第4溶液)を第2内壁面13b側へ押し付ける。したがって、第2接続部18では、第2内壁面13b側に押し当てられた層流F1´が確実に形成または維持される。これに伴い、層流F1´に含まれる複数の粒子(「粒子α」及び「粒子β」)も、第2接続部18において第2内壁面13b側に確実に押し付けられる。
【0108】
次に、第2フィルタ部62において、複数の粒子の内、所定の粒径以下の粒子(図示の例では「粒子β」)を第5流路50へ通過させ、粒子を粒径によって分離する(S5)。
【0109】
層流F1´は、第2内壁面13b側に確実に押し当てられて、第2接続部18の下流側に導入される。第1流路10の第2接続部18の下流側には、第5流路50と連通する第2フィルタ部62が設けられているため、層流F1´は、慣性によって第2フィルタ部62に押し当てられ、異なる粒径を有する複数の粒子は、粒径により分離される。例えば、図7に示すように、第2フィルタ部62を通過できない粒径を有する粒子αは、そのまま第1流路10の下流側へ流れ、第1排出口12から排出され、回収される。また、図7に示すように、第2フィルタ部62を通過できる粒径を有する粒子βは、第2フィルタ部62から第5流路50へ流れ、第3排出口51から排出され、回収される。
【0110】
ここで、第2フィルタ部62を通過した粒子βを含み、第5流路50側へ流れる液体を第6溶液とし、第2フィルタ部62を通過できない粒子αを含み、第1流路10の下流側へ流れる液体を第7溶液とする。この場合、図示されないイジェクターを介して、所定の圧力でもって第6溶液および第7溶液を、第3排出口51および第1排出口12からそれぞれ排出してもよい。第6溶液を第3排出口51から排出する圧力をP5とする。第7溶液を第1排出口12から排出する圧力をP6とする。
【0111】
本実施形態に係る微粒子分級方法において、第1溶液を第1導入口11に導入する圧力P1、第2溶液を第2導入口21に導入する圧力P2、第3溶液を第3導入口31に導入する圧力P3、第4溶液を第2排出口41から排出する圧力P4、第6溶液を第3排出口51から排出する圧力P5、第7溶液を第1排出口12から排出する圧力P6は、全て同じ圧力に設定してもよい。
【0112】
また、本実施形態に係る微粒子分級方法において、第2溶液を導入する圧力P2のみが、そのほかの圧力よりも大きくなるように設定してもよい。これによれば、より確実に第1溶液中の粒子を、第2内壁面13b側に押し付けることができるため、分級の確実性を向上させることができる。
【0113】
また、本実施形態に係る微粒子分級方法において、第4溶液および第6溶液を排出する圧力P4およびP5が、そのほかの圧力よりも大きくなるように設定してもよい。これによれば、第1流路10から、フィルタ部60を介した第4流路40や第5流路50への流れを積極的に形成することができ、第1溶液に含まれる粒子をより確実にフィルタ部60へ接触させることができる。
【0114】
また、本実施形態に係る微粒子分級方法において、第7溶液を排出する圧力P6が、そのほかの圧力よりも大きくなるように設定してもよい。フィルタ部60(第1フィルタ部61および第2フィルタ部62)を通過できない粒子を含む第7溶液が、フィルタ部60の側方を流れる流速をより速くすることができるため、フィルタ部60(第1フィルタ部61および第2フィルタ部62)を詰まりにくくすることができる。
【0115】
5.2 微粒子回収方法
本実施形態に係る微粒子分級方法は、「5.1 微粒子分級方法」の項で説明した回収方法に加えて、第1導入口11に第1溶液ではなく、第2溶液および第3溶液と同様な固相又は固体粒子などを含まない、分散媒のみからなる溶液(バッファ溶液)や洗浄液を導入することを含む。
【0116】
これによって、微粒子分級装置100(200、300、400)に第1溶液を導入して粒子の分級を行った場合に、第1流路またはフィルタ部60に残存する可能性のある粒子を、洗浄液等によって第1排出口12、第2排出口31、または第3排出口51へ導くことができる。したがって、より確実に、微粒子分級装置100内に係留した粒子を回収することができる。
【0117】
6. 微粒子分級システム
図9は、微粒子分級システム1000を説明するためのブロック図である。図9において、白矢印は液体の流れおよび配管を示している。
【0118】
微粒子分級システム1000は、微粒子分級装置100(200、300、400)、第1溶液が収容される第1容器110、第2溶液が収容される第2容器112、第3溶液が収容される第3容器113、第1排出口12から排出される溶液を回収する第1回収容器124、第2排出口41から排出される溶液を回収する第2回収容器130および第3排出口51から排出される溶液を回収する第3回収容器131を含む。
【0119】
図9に示される例では、微粒子分級システム1000は、上記構成に加えて、ポンプ114、115、116、バルブ122を含んで構成されている。図示はされないが、微粒子分級システム1000は、CPU(Central Processing Unit)とメモリーとを有するコンピューターなどからなる制御部や、制御部と電気的に接続された圧力センサーなどをさらに含んでいてもよい。制御部は、圧力センサーによる圧力の検出結果に基づいて、バルブの開閉やポンプの動作を制御する。
【0120】
第1容器110には、第1溶液が収容される。第1溶液の例としては、例えば、生体の血液成分を含む液体を挙げることができる。第2容器112および第3容器には、第2溶液および第3溶液が収容される。第2溶液および第3溶液の例としては、例えば、洗浄液(例えば、生理食塩水、培養液、緩衝液など)を挙げることができる。
【0121】
ポンプ114によって、第1溶液は、第1導入口11に導入され、ポンプ115によって、第2溶液は、第2導入口21に導入され、ポンプ116によって、第3溶液は、第3導入口31に導入される。
【0122】
バルブ122は、三方弁バルブであり、第1フィルタ部61および第2フィルタ部62を通過しない粒子を含む第7溶液の流れを制御する。バルブ122は、第7溶液を第1回収容器124又は微粒子分級装置100の第1導入口11へ送ることができる。ここで、図示はしないが、バルブ122と第1導入口11との間にポンプが設けられていてもよい。
【0123】
第1回収容器124は、微粒子分級装置100(200、300、400)の第1流路10の第1排出口12から排出される液体を収容する。第1回収容器124には、フィルタ部60(第1フィルタ部61および第2フィルタ部62)を通過しなかった血液成分中の単球が回収されていてもよい。
【0124】
第1回収容器124は、単球を樹状細胞に誘導するための試薬を添加したり、培地交換したりするためのバルブが設けられていてもよい。第1回収容器124の内壁面は、樹状細胞が剥離しやすい構造や材質で構成されていることが好ましい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))などの撥水性材料、親水コート表面を持つ高分子有機化合物又は無機化合物などで構成されていたり、微小凹凸やマイクロポスト状の構造を有していたりしてもよい。
【0125】
第2回収容器130は、微粒子分級装置100(200、300、400)の第4流路40の第2排出口41から排出される液体を収容する。第2回収容器130には、第1フィルタ部61を通過した血液成分が回収されていてもよい。
【0126】
第3回収容器131は、微粒子分級装置100(200、300、400)の第5流路50の第3排出口51から排出される液体を収容する。第3回収容器131には、第2フィルタ部62を通過した血液成分が回収されていてもよい。
【0127】
7. シミュレーション例
次に、シミュレーション例について説明する。シミュレーションソフトには、STAR−LT(株式会社シーディー・アダプコ・ジャパン社製)を用いた。液体の物性条件は水の物性をモデルとし、分子量18、参照温度293.1K、密度998.2kg/m3、体積膨張率0、比熱4183J/kg・K、分子粘性0.001002Pa・s、熱伝導率0.603W/m・K、形成熱−15870000、形成温度298.1Kとした。
【0128】
図10は、シミュレーション例について説明するための微粒子分級装置のモデル断面図である。図10に示されるモデルでは、第1流路10に第1導入口11が設けられ、第2流路20に第2導入口21が設けられ、第3流路30に第3導入口31が設けられている。フィルタ部60は、スリット状のフィルタ部であって、第4流路40と連続する第1フィルタ部61と第5流路50と連続する第2フィルタ部62とが設けられている。液体の流れる方向から見た第1流路10の断面の形状は長方形、幅は100μm、高さは30μmである。また、第1フィルタ部61の第1通路61aの幅は5μmであり、第2フィルタ部62の第2通路62aの幅は10μmである。
【0129】
上記条件において、各流路における液体の速度ベクトル(流れの状態)ついてのシミュレーションを行った。
【0130】
図10に表示される矢印は、液体の速度ベクトルを表す。
【0131】
図10に示すように、第1流路10において液体は層流状態であった。第2流路20から流入した液体の流れによって、第1流路10を流れる液体は、第2内壁面13b側へ押し付けられており、これによって、第1フィルタ部61を通過する流れが発生したことがわかった。また、第3流路30から流入した液体の流れによって、第1流路10を流れる液体は、さらに確実に第2内壁面13b側へ押し付けられており、これによって、第2フィルタ部62を通過する流れが発生したことがわかった。
【0132】
以上のシミュレーション結果から、微粒子分級装置100(200、300、400)は、第1流路10の第1接続部17において、第2流路20が接続することによって、第1フィルタ部61へ向く流れを積極的に発生させることが確認された。また、第1流路10の第2接続部18において、第3流路30が接続することによって、第2フィルタ部62へ向く流れを積極的に発生させることが確認された。これにより、第1流路10を流れる粒子が、第1接続部17や第2接続部18において、第2内壁面13b側へ押し付けられ、第1フィルタ部61および第2フィルタ部62との接触機会が増加することが確認された。
【0133】
なお、上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態および各変形例は、複数を適宜組み合わせることが可能である。
【0134】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0135】
10 第1流路、11 第1導入口、12 第1排出口、13 内壁面、
13a 第1内壁面、13b 第2内壁面、15 第1の部分、16 第2の部分、
17 第1接続部、18 第2接続部、20 第2流路、21 第2導入口、
22 第1接続口、23 内壁面、30 第3流路、31 第3導入口、
32 第2接続口、33 内壁面、40 第4流路、41 第2排出口、
50 第5流路、51 第3排出口、60 フィルタ部、61 第1フィルタ部、
61a 第1通路、62 第2フィルタ部、62a 第2通路、
100、200、300、400 微粒子分級装置、110 第1容器、
112 第2容器、113 第3容器、114、115、116 ポンプ、
122 バルブ、124 第1回収容器、130 第2回収容器、
131 第3回収容器、1000 微粒子分級システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導入口と、第1排出口と、を有する第1流路と、
第2導入口と、前記第1流路と接続する第1接続口と、を有する第2流路と、
第3導入口と、前記第2流路よりも下流側において前記第1流路と接続する第2接続口と、を有する第3流路と、
前記第1流路と連続し、第1の幅の第1通路を有する第1フィルタ部と、
前記第1フィルタ部よりも下流側において前記第1流路と連続し、前記第1の幅よりも広い第2の幅の第2通路を有する第2フィルタ部と、
前記第1フィルタ部と連続し、第2排出口を有する第4流路と、
前記第2フィルタ部と連続し、第3排出口を有する第5流路と、
を含み、
前記第1フィルタ部は、少なくとも前記第2流路が前記第1流路と連続する位置よりも下流側から前記第3流路が前記第1流路と連続する位置までの間に配置され、前記第2フィルタ部は、前記第3流路が前記第1流路と連続する位置よりも下流側に配置され、
前記第1フィルタ部は、前記第1流路の内壁面のうち、前記第2流路が連続する内壁面に向かい合う内壁面と連続し、
前記第2フィルタ部は、前記第1流路の内壁面のうち、前記第3流路が連続する内壁面に向かい合う内壁面と連続する、微粒子分級装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1排出口は、前記第1導入口と連続する、微粒子分級装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第2流路が前記第1流路に接続する角度は、90度以下である、微粒子分級装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項において、
前記第3流路が前記第1流路に接続する角度は、90度以下である、微粒子分級装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項において、
前記第1フィルタ部は、さらに、前記第2流路が前記第1流路と連続する位置において、前記第1流路と連続する、微粒子分級装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項において、
前記第1流路、前記第2流路、および前記第3流路の流路幅は、10μm以上、1000μm以下である、微粒子分級装置。

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−239991(P2012−239991A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113193(P2011−113193)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】