説明

微細印刷装置

【課題】装置の小型化を達成することができ、高精度の微細印刷が可能であり、タクトタイムの短縮化により生産性の向上を達成することができる微細印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷対象物となる基材を載置する基材テーブル1と、表面に印刷パターンに対応する凹部が形成された印版部材を載置する印版テーブル2と、基材にインクを印刷するための印刷ユニット3と、印刷ユニット3を水平方向に往復移動させる印刷ユニット3移動手段と、を備えており、印刷ユニット3は、ドクターブレード33、34を備えるスキージ31と、凹部に供給されたインクを表面に転写するとともに該転写されたインクを基材表面に印刷するブランケットロール32と、が一体化されてなり、基材テーブル1と印版テーブル2は固定され、印刷ユニット3が印刷ユニット3移動手段により水平方向に往復移動することによって基材に印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス等における微細パターンの印刷を行う微細印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路基板や表示デバイス等の半導体デバイスにおける電極パターンには極めて高い精度が要求される。
従来、このような半導体デバイスにおける電極パターン形成は、フォトリソグラフィー法により行われていた。
しかし、フォトリソグラフィー法は、工程が複雑であって、パターン形成のための露光装置が必要であることや材料ロスが多いことなどから、生産性が悪く、製造コストが高くなるという問題があった。
【0003】
電極パターン形成のための別の方法としてはスクリーン印刷法が知られている。
スクリーン印刷法によれば、フォトリソグラフィー法に比べて工程を簡略化することができるが、微細パターン(例えば30μm以下のライン間隔のパターン)を形成することは困難である。
【0004】
このような問題点に鑑みて、近年、凹版オフセット印刷法が電極パターンの形成に用いられるようになっている。
凹版オフセット印刷法に用いられる印刷装置は、表面に印刷パターンに応じた凹部が形成されたグラビアロールと、該グラビアロールに回転しながら接触して前記凹部に充填されたインクを受理するブランケットロールとを備えており、該ブランケットロールに受理されたインクをガラス基板等の表面に転写することによって、ガラス基板等の表面に所定の電極パターン等を形成することができる(例えば、下記特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1の印刷装置は、グラビアロールの熱膨張及び形状に起因して印刷精度が低下するという問題があった。
係る問題点を解決するために、本出願人は、印刷対象物となる基材を載置する基材テーブルと、表面に印刷パターンに対応する凹部が形成されたガラス板からなる印版部材を載置する印版テーブルと、表面に供給されたインクを印版部材の表面に転写するとともに転写後に表面に残ったインクを基材表面に転写するブランケットロールを備える微細印刷装置を提案している(下記特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、特許文献2の微細印刷装置は、基材テーブルと印版テーブルが水平方向に移動することにより印版部材へのインクの供給及び基材へのインクの印刷を行っていた。基材や印版部材の長さが長い場合、基材テーブルや印版テーブルが水平方向に移動するので全体として基材テーブルと印版テーブルの長さの合計の何倍もの距離を必要とし、装置が大型化してしまうという問題を有している。また、印刷工程のインク供給セッティングにおいては、現状スキージの調整にエアシリンダを用いているため、セッティングに時間がかかり、且つインク供給セッティングの再現性も劣り印刷精度にも影響が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−289731号公報
【特許文献2】特開2010−042553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記問題点を解決すべく達成されたものであり、装置の小型化を達成することができ、高精度の微細印刷が可能であり、タクトタイムの短縮化により生産性の向上を達成することができる微細印刷装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、印刷対象物となる基材を載置する基材テーブルと、表面に印刷パターンに対応する凹部が形成された印版部材を載置する印版テーブルと、前記基材にインクを印刷するための印刷ユニットと、前記印刷ユニットを水平方向に往復移動させる印刷ユニット移動手段と、を備えており、前記印刷ユニットは、前記印版テーブル上に載置された印版部材表面に供給されたインクを一様に均すとともに前記印版部材の前記凹部にインクを供給し、前記印版部材表面の余分なインクを掻き取る、ドクターブレードを備えるスキージと、前記凹部に供給されたインクを表面に転写するとともに該転写されたインクを前記基材表面に印刷するブランケットロールと、が一体化されてなり、前記基材テーブルと前記印版テーブルは固定され、前記印刷ユニットが前記印刷ユニット移動手段により水平方向に往復移動することによって前記基材に印刷することを特徴とする微細印刷装置に関する。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記ブランケットロールを昇降させるブランケットロール昇降手段と、前記スキージを昇降及び回転させるスキージ駆動手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載の微細印刷装置に関する。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記スキージが、ハの字型を形成する2つのドクターブレードを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の微細印刷装置に関する。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記印刷ユニット移動手段がサーボモータを備えることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の微細印刷装置に関する。
【0013】
請求項5に係る発明は、前記スキージ駆動手段がサーボモータを備えることを特徴とする請求項2乃至4いずれかに記載の微細印刷装置に関する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、スキージとブランケットロールが一体化されてなる印刷ユニットを水平方向に往復移動させる印刷ユニット移動手段を備え、基材テーブルと印版テーブルは固定され、印刷ユニットが印刷ユニット移動手段により水平方向に往復移動することによって基材に印刷することにより、従来の微細印刷装置のように印版テーブルや基材テーブルの移動スペースを必要としないため、装置の小型化を達成できる。また、テーブルが移動して転写及び印刷を行う従来の印刷装置に比べて移動距離が小さいため、タクトタイムを短縮することができ、これにより印刷物の生産性の向上を達成することができる。
請求項1に係る発明によれば、一つのスキージにより印版部材へのインクの供給と余分なインクの掻き取りを行うので、駆動部品の数を減らすことができ、また動作が単純化するのでインク供給の再現性が良くなり印刷精度を向上させることができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、スキージを昇降及び回転させるスキージ駆動手段、を備えることにより、印版部材表面のインクの均し及び掻き取りの際に、スキージのみを昇降させることができるので、ブランケットロールが印版部材表面及び基材表面に接触してしまうことを防ぐことができる。
請求項2に係る発明によれば、ブランケットロールを昇降させるブランケットロール昇降手段を備えることにより、印版部材からブランケットロールへの転写及びブランケットロールから基材表面への印刷の際に、ブランケットロールのみを昇降させることができるので、スキージが印版部材表面及び基材表面に接触してしまうことを防ぐことができる。
これらにより、印版部材表面のインクの均しから基材へのインクの印刷まで、簡単な構成で連続的に確実に行うことが可能となる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、スキージがハの字型を形成する2つのドクターブレードを備えていることにより、印版部材表面のインクの均しと凹部への供給、及び余分なインクの掻き取りを1つのスキージで行うことが可能となり、これにより、均し時のドクターブレードの昇降方向位置と、掻き取り時のドクターブレードの昇降方向位置がずれることがないので、均し及び掻き取りを精度良く行うことができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、印刷ユニット移動手段がサーボモータを備えることにより、印刷ユニットを精度良く移動させることができ、転写位置のずれ等の印刷精度の低下を防止することができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、スキージ駆動手段がサーボモータを備えることにより、スキージの調整やセッティングを容易に行うことができる。
また、スキージの角度及び昇降位置の精度を向上させることができる。これによりブランケットロールへの転写前に印版部材の表面(凸部)にインクが残るのを防ぐことができ、印刷精度の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る微細印刷装置の全体構成を示す概略側面図である。
【図2】印版部材の概略拡大断面図である。
【図3】印版部材へのインクの供給の動作を説明するための概略図である。
【図4】印版部材上面のインクの掻き取りの動作を説明するための概略図である。
【図5】印版部材凹部のインクのブランケットロールへの転写の動作を説明するための概略図である。
【図6】ブランケットロールから基材への印刷の動作を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る微細印刷装置の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る微細印刷装置の全体構成を示す概略側面図である。
本発明に係る微細印刷装置は、印刷対象物となる基材を載置する基材テーブル(1)と、表面に印刷パターンに対応する凹部が形成された印版部材を載置する印版テーブル(2)と、基材にインクを転写するための印刷ユニット(3)と、を基台(4)の上部に備えており、印刷ユニット(3)を水平方向に往復移動させる印刷ユニット移動手段(図示せず)をさらに備えている。
【0021】
基材は、上面が水平となるように配置された基材テーブル(1)上に載置固定され、基材テーブル(1)は、基台(4)の上部に固定して配設されている。
本発明において、印刷対象物となる基材は、半導体デバイスに用いられるガラス基板やシリコンウエハ、樹脂基板、樹脂フィルム等である。
【0022】
印版部材は、上面が水平となるように配置された印版テーブル(2)上に載置固定され、印版テーブル(2)は、基台(4)の上部に固定され、基材テーブル(1)と並設されている。
本発明において、印版部材としては、ガラスが好適に用いられるが、鋼等を用いることもできる。
【0023】
図2は、印版部材の概略拡大断面図である。
印版テーブル(2)上面に載置される印版部材(5)の表面(上面)には、印刷パターンに対応する凹部(6)が形成されている。
印版部材(5)の凹部(6)にインクが供給され、この凹部(6)に供給されたインクが、後述するブランケットロール(32)に転写され、次いでこのブランケットロール(32)に転写されたインクが基材テーブル(1)上に載置された基材に印刷される。
【0024】
基材テーブル(1)と印版テーブル(2)の上部には、印刷ユニット(3)が配設される。印刷ユニット(3)は、印版テーブル(2)上面に載置された印版部材表面に供給されたインクを一様に均すとともに印版部材の凹部にインクを供給し、印版部材表面の余分なインクを掻き取る、ドクターブレード(33)(34)を備えるスキージ(31)と、印版部材の凹部に供給されたインクを表面に転写するとともにこの転写されたインクを基材表面に印刷するブランケットロール(32)と、が一体化されてなる。
【0025】
本発明に係る微細印刷装置は、印刷ユニット移動手段(図示せず)を備え、印刷ユニット(3)は印刷ユニット移動手段により水平方向に移動することにより、後述する印版部材(5)の凹部(6)へのインクの供給、ブランケットロール(32)へのインクの転写、及び基材へのインクの印刷を行う。
本発明に係る微細印刷装置は、基材テーブル(1)や印版テーブル(2)が移動しないので、基材テーブル(1)や印版テーブル(2)の移動スペースを必要とせず、これにより、装置の小型化を達成することができる。また、印刷ユニット(3)の移動距離が小さいため、タクトタイムを短縮することができ、これにより印刷物の生産性の向上を達成することができる。
また、本発明に係る微細印刷装置は、スキージ駆動手段及びブランケットロール昇降手段を備えており、後述する印版部材(5)の凹部(6)へのインクの供給、ブランケットロール(32)へのインクの転写、及び基材へのインクの印刷の際に、スキージ及びブランケットロールを昇降させることができる。
【0026】
印刷ユニット移動手段、スキージ駆動手段及びブランケットロール昇降手段は、サーボモータ、リニアモータ、油圧シリンダ、空圧シリンダ、ラックアンドピニオン等の任意のレシプロ機構から構成することができ、特にサーボモータが好適に使用される。
【0027】
スキージ(31)は、印版テーブル(2)上に載置される印版部材(5)上面のインクの均し及び掻き取りを行うためのドクターブレードを備えている。
ドクターブレードは、図1に示すように2つのドクターブレード(33)(34)がハの字型を形成するように配設されるのが好ましい。
ドクターブレードとしては、スチール製、プラスチック製及びゴム製のものを用いることができ、特にスチール製のものが好適に用いられる。
印刷ユニット移動手段によりスキージ(31)が印版テーブル(2)上に載置される印版部材の上に来るところまで印刷ユニット(3)を水平移動させ、スキージ駆動手段によりスキージ(31)を降下させ、片側のドクターブレード(33)の先端を印版テーブル(2)の表面との間隔が印版テーブル(2)上に載置される印版部材上面に供給されたインクの厚みよりも小さくなるところまで反時計回り方向に回転させ、この状態で印刷ユニット移動手段によりスキージ(31)を図1の矢印A方向に移動させることにより、印版部材(5)表面に供給されたインクを一様に均すとともに印版部材(5)の凹部(6)にインクを供給することができる。
【0028】
印版部材(5)表面のインクの均し及び印版部材(5)の凹部(6)へのインクの供給の後、サーボモータ等によりスキージ(31)は、もう一方のドクターブレード(34)先端を印版テーブル(2)の表面との間隔がインクの均し時よりも小さくなるところまで時計回り方向に回転し、この状態でスキージ(31)をインクの均し時とは逆方向(図1の矢印B方向)に水平移動させる。これにより、印版部材(5)表面の余分なインクを掻き取ることができる。
本発明においては、一つのスキージで印版部材へのインクの供給及び余分なインクの掻き取りを行うので、駆動部品の数を減らすことができ、また動作が単純化するのでインク供給の再現性が良くなり印刷精度を向上させることができる。
さらに、スキージ(31)の回転及び昇降がサーボモータ駆動であると、ドクターブレード(34)の先端位置の精度を向上させることができるので、ブランケットロール(32)への転写前に本来あってはならない余分なインクが、印版部材(5)表面(凸部)に残留してしまうことを防ぐことができ、これにより印刷精度の低下を防止することができる。
【0029】
印版テーブル(1)上に載置された印版部材(5)上面がブランケットロール(32)の外周面に当接した状態でブランケットロール(32)が回転することにより、印版部材(5)の凹部(6)に供給されたインクはブランケットロール(32)の外周面に転写される。
【0030】
ブランケットロール(32)は、従来公知のグラビアロール印刷装置に設けられたブランケットロールと同様の構造を有しているものであって、その表面はシリコーンゴム等の凹凸のないゴム層で形成されている。
ブランケットロール(32)はサーボモータ等により回転駆動され、サーボモータの駆動は後述する制御装置によって制御することができる。
【0031】
ブランケットロール(32)の外周面に転写されたインクは、印刷ユニット移動手段及びブランケットロール昇降手段によってブランケットロール(32)が基材(7)に当接し、サーボモータ等によってブランケットロール(32)が回転することにより、基材(7)表面に印刷される。
【0032】
ブランケットロール(32)の上部には、クリーニング部材(9)を備えることができる。クリーニング部材(9)は昇降可能に設置され、印刷パターンを変更する際に、ブランケットロール(32)外周面と当接した状態でブランケットローラ(32)が回転することにより、ブランケットロール(32)外周面のインクを掻き落とすことができる。
【0033】
印刷ユニット移動手段、印刷ユニット昇降手段、ブランケットロール昇降手段、スキージ駆動手段、及びサーボモータは、コンピュータからなる制御装置(8)により、予め設定された駆動パターンに従って駆動される。
【0034】
以下、上記構成からなる微細印刷装置の動作について説明する。
<1.印版部材上面へのインクの供給>
図3は、印版部材へのインクの供給の動作を説明するための概略図である。
印版テーブル(2)上に載置された印版部材(5)の左端にインク(K)が供給される。印刷ユニット(3)は、スキージ(31)の左側のドクターブレード(33)先端がインクが供給された印版部材(5)上に来るように水平移動し、次いでドクターブレード(33)が印版部材(5)に近づくように下降する(図3矢印1)。
次いで、ドクターブレード(33)の先端と印版部材(5)上面との距離が供給されたインクの厚み以下になるところまで、スキージ(31)が反時計回り方向に回転し(図3矢印2)、印刷ユニット(3)が図3における右方向に水平移動する(図3矢印3)。これにより、印版部材(5)表面にインクが一様に均されると共に、印版部材(5)の凹部(6)(図2参照)にインクが供給される。
【0035】
<2.印版部材上面のインクの掻き取り>
図4は、印版部材上面のインクの掻き取りの動作を説明するための概略図である。
スキージ(31)は時計回り方向に回転し、元の回転位置に戻る。次いで、スキージ(31)の右側のドクターブレード(34)先端が印版部材(5)上面に均されたインクの右端位置に来るように水平移動する。
次いで、ドクターブレード(34)の先端と印版部材(5)上面との距離が印版部材(5)上面の一様に均されたインクの厚み以下になるところまで、スキージ(31)が時計回り方向に回転し(図4矢印1)、印刷ユニット(3)が図4における左方向に水平移動する(図4矢印2)。これにより、印版部材(5)上面の余分なインクが掻き取られる。
【0036】
<3.印版部材凹部のインクのブランケットロールへの転写>
図5は、印版部材凹部のインクのブランケットロールへの転写の動作を説明するための概略図である。
スキージ(31)は上昇し、印刷ユニット(3)はブランケットロール(32)が印版テーブル(2)上に載置された印版部材(5)上に来るように図5における左方向に水平移動する。
次いで、ブランケットロール(32)は印版部材(5)上面に当接するところまで下降する(図5矢印1)。印刷ユニット(3)は、ブランケットロール(32)を時計回り方向に回転させながら(図5矢印2,3)、図5における右方向に水平移動する。これにより、印版部材(5)の凹部(6)に供給されたインクがブランケットロール(32)外周面に転写される。
【0037】
<4.ブランケットロールから基材への印刷>
図6は、ブランケットロールから基材への印刷の動作を説明するための概略図である。
印刷ユニット(3)は、インクが転写されたブランケットロール(32)を時計回り方向に回転させながら(図6矢印1)、さらに図6における右方向に水平移動する。ブランケットロール(32)は基材(7)に当接しながら回転を続け(図6矢印2,3)、印刷ユニット(3)はブランケットロール(32)が右端に来るまで図6における右方向に水平移動する。
印版部材(5)と基材(7)の水平方向の位置は、基材(7)への印刷開始位置が所望の位置となるように、ブランケットロール(32)の径を考慮して決定される。
【0038】
上記<1>〜<4>の工程を経ることにより、印版部材上面に形成された印刷パターンをブランケットロールを介して高精度で基材上に印刷することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、タッチパネル、LCD、PDP、有機EL、太陽電池等の半導体デバイスにおける電極パターンの形成のために好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 基材テーブル
2 印版テーブル
3 印刷ユニット
4 基台
5 印版部材
6 凹部
7 基材
8 制御装置
9 クリーニング部材
31 スキージ
32 ブランケットロール
33 ドクターブレード
34 ドクターブレード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷対象物となる基材を載置する基材テーブルと、
表面に印刷パターンに対応する凹部が形成された印版部材を載置する印版テーブルと、
前記基材にインクを印刷するための印刷ユニットと、
前記印刷ユニットを水平方向に往復移動させる印刷ユニット移動手段と、を備えており、
前記印刷ユニットは、
前記印版テーブル上に載置された印版部材表面に供給されたインクを一様に均すとともに前記印版部材の前記凹部にインクを供給し、前記印版部材表面の余分なインクを掻き取る、ドクターブレードを備えるスキージと、
前記凹部に供給されたインクを表面に転写するとともに該転写されたインクを前記基材表面に印刷するブランケットロールと、が一体化されてなり、
前記基材テーブルと前記印版テーブルは固定され、前記印刷ユニットが前記印刷ユニット移動手段により水平方向に往復移動することによって前記基材に印刷することを特徴とする微細印刷装置。
【請求項2】
前記ブランケットロールを昇降させるブランケットロール昇降手段と、
前記スキージを昇降及び回転させるスキージ駆動手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載の微細印刷装置。
【請求項3】
前記スキージが、ハの字型を形成する2つのドクターブレードを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の微細印刷装置。
【請求項4】
前記印刷ユニット移動手段がサーボモータを備えることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の微細印刷装置。
【請求項5】
前記スキージ駆動手段がサーボモータを備えることを特徴とする請求項2乃至4いずれかに記載の微細印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−82123(P2013−82123A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223494(P2011−223494)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(593008427)日本電子精機株式会社 (12)