説明

微細気泡発生装置

【課題】微細気泡の発生にともない酸素溶解水中の溶存酸素濃度が余分に低下するのを抑制することができる微細気泡発生装置を提供すること。
【解決手段】微細気泡発生装置1において、酸素溶解水の圧力を急激に低下させて微細気泡5を発生させ、微細気泡を含んだ水を吐出する微細気泡吐出部16と、酸素溶解水の圧力を徐々に低下させて酸素溶解水を吐出する酸素溶解水吐出部17とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽内の湯水中などに微細気泡を発生させる微細気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、浴槽内の湯水をポンプによって循環させながら、浴槽から取り出した湯水に空気を溶解させ、酸素の溶解した酸素溶解水を浴槽内に送り出す微細気泡発生装置が知られている。浴槽内に噴出する酸素溶解水では、溶解した酸素が減圧にともなって析出し、微細気泡が発生する。微細気泡は、浴槽内の湯水を白濁させ、牛乳風呂のような趣を与え、また、肌の保湿効果などがあり、温泉に匹敵する入浴の効能をもたらす。
【0003】
本出願人も、これまでに微細気泡を発生させる微細気泡発生装置について数多くの提案をし、また、実際に提供してきている。たとえば、下記特許文献1では、高酸素濃度の空気を生成する酸素富化装置を微細気泡発生装置と組み合わせた微細気泡発生浴槽装置を提案している。
【0004】
この微細気泡発生浴槽装置では、酸素富化装置から高酸素濃度の空気を供給する空気供給経路を2つの分岐経路に分岐し、そのうちの1つを微細気泡発生装置に連通させ、他の1つを浴室内またはジェットバス装置の空気取込口に連通させている。
【0005】
上記微細気泡発生浴槽装置は、酸素富化装置から高酸素濃度の空気を供給するときに微細気泡発生装置以外に浴室内に供給することができ、浴室内の酸素濃度を上げて肺呼吸を楽にさせ、快適な入浴を可能にする。また、ジェットバス装置から高酸素濃度の空気の気泡を含んだ湯水を噴出させることができ、高酸素濃度の空気が入浴者の顔付近に当たり、上記と同様な効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−324001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載した微細気泡発生浴槽装置が備える微細気泡発生装置は、微細気泡を発生させるが、
一般に、酸素溶解水中の酸素は、溶存酸素濃度が高いほど気化しやすく、特に微細気泡は比表面積が大きいため、溶存酸素濃度を高濃度に保つことは難しくなっている。上記したような肌の保湿効果などの入浴の効能をもたらすためには、浴槽中の溶存酸素濃度をある程度以上高くしておく必要があり、湯水中の溶存酸素濃度の低下を抑えることが微細気泡発生装置に要求される。
【0008】
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、微細気泡の発生にともない酸素溶解水中の溶存酸素濃度が余分に低下するのを抑制することができる微細気泡発生装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の特徴を有している。
【0010】
第1の発明は、水に酸素を溶解させた酸素溶解水中から酸素を析出させて微細気泡を発生させる微細気泡発生装置において、酸素溶解水の圧力を急激に低下させて微細気泡を発生させ、微細気泡を含んだ水を吐出する微細気泡吐出部と、酸素溶解水の圧力を徐々に低下させて酸素溶解水を吐出する酸素溶解水吐出部とを備えていることを特徴としている。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明の特徴において、酸素溶解水吐出部からの吐出と微細気泡吐出部からの吐出を切り替える切替手段をも備えていることを特徴としている。
【0012】
第3の発明は、上記第1または第2の発明の特徴において、酸素溶解水吐出部が微細気泡吐出部の外周に配置されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
上記第1の発明によれば、微細気泡発生装置は、酸素溶解水の圧力を急激に低下させて微細気泡を発生させ、微細気泡を含んだ水を吐出する微細気泡吐出部と、酸素溶解水の圧力を徐々に低下させて酸素溶解水を吐出する酸素溶解水吐出部とを備えているので、微細気泡が生成する流路と微細気泡を含まない酸素溶解水の流路とに分けることができる。このため、微細気泡の発生にともなう酸素溶解水中の溶存酸素濃度の余分な低下を抑制することができ、微細気泡の供給と酸素溶解水の供給を両立させることができる。
【0014】
上記第2の発明によれば、上記第1の発明の効果に加え、入浴者は、微細気泡と酸素溶解水の効能を選択して享受することができる。
・ 上記第3の発明によれば、上記第1または第2の発明の効果に加え、酸素溶解水吐出部が微細気泡吐出部の外周に配置されているので、微細気泡を含んだ水と酸素溶解水をともに吐出する際に、微細気泡吐出部に酸素溶解水が混ざりにくくなり、酸素溶解水吐出部から吐出する酸素溶解水中の溶存酸素濃度の低下を抑制することができる。また、微細気泡吐出部と酸素溶解水吐出部を、これらをともに備えた吐出ユニットとして構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の微細気泡発生装置の第1実施形態を示した構成図である。
【図2】本発明の微細気泡発生装置の第2実施形態を示した構成図である。
【図3】本発明の微細気泡発生装置の第3実施形態を示した構成図である。
【図4】図3に示した微細気泡発生装置における吐出ユニットを示した断面図である。
【図5】流路の形状による流速分布の変化を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
図1は、本発明の微細気泡発生装置の第1実施形態を示した構成図である。
【0017】
第1実施形態として示した微細気泡発生装置1は、浴槽2に並設されたものであり、浴槽2内の湯水3を一旦浴槽2の外部に取り出し、溶解タンク4において湯水3中に空気を溶解させ、酸素の溶解した酸素溶解水を生成し、この酸素溶解水を浴槽2に送り出して湯水3中に微細気泡5を供給する。
【0018】
微細気泡発生装置1は、浴槽2内の湯水3を浴槽2の外部に取り出した後、浴槽2に戻す、湯水3の循環を行うポンプ6を備えている。また、微細気泡発生装置1は、湯水3の循環経路7を備えている。ポンプ6は、循環経路7の途中に配設されている。
【0019】
循環経路7は、配管8、9、10によって形成されており、ポンプ6の吸い込み側と、浴槽2の側壁部に設けることのできる、湯水3を浴槽2の外部に取り出すための吸込口11とが、配管8によって接続されている。ポンプ6の吐出側は、溶解タンク4と配管9によって接続されている。溶解タンク4は、浴槽2と配管10によって接続されている。配管10の下流端は、浴槽2において吸込口11が配設された側壁部とは異なる側壁部に配設された第1の噴射口12に連通している。
【0020】
また、循環経路7は、下流側の配管10において分岐し、分岐経路13が微細気泡発生装置1に配設されている。分岐経路13は配管14によって形成され、配管14の上流端は配管10の途中に接続され、下流端は、第1の噴射口12が配設された浴槽2の側壁部に、第1の噴射口12とは異なる位置に配設された第2の噴射口15に連通している。
【0021】
微細気泡発生装置1は、また、微細気泡吐出部16と酸素溶解水吐出部17を備えている。微細気泡吐出部16は、分岐経路13を形成する配管14の下流端に接続されるとともに、浴槽2の側壁部に配設され、第2の噴射口15と連通している。酸素溶解水吐出部17は、循環経路7の下流側を形成する配管10の下流端に接続されるとともに、浴槽2の側壁部に配設され、第1の噴射口12と連通している。
【0022】
微細気泡吐出部16は、溶解タンク4内において加圧下で湯水3に空気を溶解させて生成した、酸素の溶解した酸素溶解水の圧力を急激に低下させて微細気泡を発生させるものであり、微細気泡を含んだ水を第2の噴射口15を通じて浴槽2内に吐出するものである。酸素溶解水吐出部17は、溶解タンク4内で生成した上記酸素溶解水の圧力を徐々に低下させ、微細気泡をほとんど含まない酸素溶解水を第1の噴射口12を通じて浴槽2内に吐出するものである。
【0023】
微細気泡吐出部16と酸素溶解水吐出部17では、酸素溶解水の流速分布を異ならせることによって微細気泡の発生の有無を制御することができる。すなわち、微細気泡吐出部16では、酸素溶解水の流速分布を速くし、飽和水蒸気圧以下の圧力分布にして、酸素溶解水が流通する際に酸素溶解水中から酸素を析出させ、微細気泡を発生させる。一方、酸素溶解水吐出部17では、酸素溶解水の流速分布を低速または均一にして飽和水蒸気圧より大きくなるようにし、微細気泡の発生を抑制する。このような微細気泡吐出部16および酸素溶解水吐出部17は、たとえばノズルユニットなどとして構成することができ、ノズルユニットの流路の管径によって流速分布を調整することができるる。
【0024】
以上の微細気泡発生装置1は、次のように動作する。
【0025】
たとえば、浴室内のスイッチ操作などによってポンプ6が駆動すると、浴槽2内の湯水3を吸込口11から吸い込み、配管8、ポンプ6および配管9を通じて溶解タンク4内に湯水3が噴出し、供給される。このとき、湯水3は、溶解タンク4の上部に貯留する空気を巻き込み、空気と混合され、また、空気が湯水3に溶解し、酸素の溶解した酸素溶解水が生成する。
【0026】
微細気泡発生装置1には、溶解タンク4に到る循環経路7の途中、すなわち、配管8、9のいずれかの途中にエジェクタなどを接続することができる。この場合、湯水3の流通にともなって発生する負圧を利用して浴室内の空気を吸引し、湯水3と混合して気液混合流体として溶解タンク4に供給することができる。
【0027】
このようにして、溶解タンク4内に貯留していた空気およびエジェクタなどによって吸引される浴室内の空気が湯水3に溶解し、酸素溶解水中の溶存酸素濃度が十分に高くなる。
【0028】
生成した酸素溶解水は、配管10を通じてそのうちの一部が酸素溶解水吐出部17に流入する。酸素溶解水吐出部17では、酸素溶解水の圧力が徐々に低下するので、溶解した酸素はほとんど析出することはなく、微細気泡の発生が抑制される。その結果、酸素溶解水中の溶存酸素濃度は十分高く保たれ、酸素溶解水吐出部17は、溶存酸素濃度の高い酸素溶解水を第1の噴射口12を通じて浴槽2に向けて吐出する。
【0029】
酸素溶解水の他の一部は、分岐経路13を形成する配管14を通じて微細気泡吐出部16に流入する。微細気泡吐出部16では、酸素溶解水の圧力が急激に低下するため、キャビテーションが発生し、酸素溶解水中の酸素が析出して微細気泡5が発生する。微細気泡5を含んだ湯水は、微細気泡吐出部16から第2の噴射口15を通じて浴槽2内に吐出される。微細気泡の発生にともない浴槽2内の湯水3は白濁し、温泉水のような趣を呈する。
【0030】
このように、微細気泡発生装置1では、微細気泡吐出部16と酸素溶解水吐出部17を備えているので、微細気泡5が生成する流路(分岐経路13に相当)と微細気泡を含まない酸素溶解水の流路(循環経路7に相当)とに分かれている。このため、微細気泡5を浴槽2内に供給することができる一方で、酸素溶解水吐出部17から酸素溶解水そのものを供給することができ、微細気泡5の発生にともなう酸素溶解水中の溶存酸素濃度の余分な低下を抑制することができる。微細気泡発生装置1は、微細気泡5の供給と酸素溶解水の供給を両立させることができる。浴槽2内の湯水3中の溶存酸素濃度は高く保持され、入浴者は、微細気泡5ばかりでなく、酸素溶解水それ自体の効能も享受することができる。
【0031】
なお、微細気泡発生装置1には、上記特許文献1に記載した酸素富化装置を組み合わせることもでき、高酸素濃度の空気を入浴者に供給して入浴の効能などを一層高めることができる。
(第2実施形態)
図2は、本発明の微細気泡発生装置の第2実施形態を示した構成図である。
【0032】
図2において、図1に示した第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、以下その説明を省略する。
【0033】
第2実施形態として示した微細気泡発生装置1では、循環経路7から分岐経路13が分岐する分岐部18、すなわち、配管14の上流端が配管10に接続される接続部に、切替手段として切替バルブ19が配設され、溶解タンク4内で生成した酸素溶解水の経路を切替バルブ19によって切替可能としている。酸素溶解水の経路は、切替バルブ19によって分岐経路13または循環経路7に切り替えられ、分岐経路13を流通する場合には、酸素溶解水は微細気泡吐出部16から吐出されるため、微細気泡5が発生し、微細気泡5が浴槽2内に供給される。循環経路7を流通する場合には、酸素溶解水は酸素溶解水吐出部17から吐出されるため、微細気泡5の発生はほとんどなく、溶存酸素濃度の十分に高い酸素溶解水が浴槽2内に供給される。
【0034】
このように、微細気泡発生装置1では、微細気泡5と酸素溶解水の浴槽2内への供給は切替可能であり、いずれか一方のみの供給が可能である。入浴者は、微細気泡5と酸素溶解水の効能を選択して享受することができる。微細気泡5を浴槽2内へ供給する場合は、入浴者の保温効果が高まり、酸素溶解水を浴槽2内へ供給する場合は、入浴者の保湿効果が高まる傾向にある。
【0035】
なお、切替バルブ19の切り替えは、たとえばモータ20を付設し、操作スイッチの入力にともなう電気信号にしたがって自動的に行ったり、切替レバーを付設し、手動操作可能にしたりするなど、適宜な方式により行うことができる。
【0036】
また、切替バルブ19は、分岐経路13と循環経路7に流通させる酸素溶解水の流量を調整し、酸素溶解水を分岐経路13と循環経路7の両方に流通させ、各経路13、7の流量を相対的に変化させて制御するものとすることもできる。この場合、図1に示した第1実施形態の微細気泡発生装置1とほぼ同等な機能を実現することができる。
(第3実施形態)
図3は、本発明の微細気泡発生装置の第3実施形態を示した構成図であり、図4は、図3に示した微細気泡発生装置における吐出ユニットを示した断面図である。
【0037】
図3において、図1に示した第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、以下その説明を省略する。
【0038】
第3実施形態として示した微細気泡発生装置1では、循環経路7の下流側に位置し、溶解タンク4と浴槽2を接続する配管10の下流端に吐出ユニット22が接続され、吐出ユニット22は、浴槽2において吸込口11が配設された側壁部とは異なる側壁部に配設されている。吐出ユニット22が配設された浴槽2の側壁部には第3の噴射口21が配設され、吐出ユニット22は第3の噴射口21と連通している。
【0039】
図4は、図3に示した微細気泡発生装置における吐出ユニットを示した断面図である。
【0040】
吐出ユニット22は、微細気泡吐出部23と酸素溶解水吐出部24を備え、微細気泡吐出部23は、吐出ユニット22の中心部に配置され、酸素溶解水吐出部24は、微細気泡吐出部23の外周に配置されている。微細気泡吐出部23と酸素溶解水吐出部24は、ともに酸素溶解水の流路25、26を形成するものであり、微細気泡吐出部23の流路25は、入口27側において吐出ユニット22の長さ方向に沿ってまっすぐに延びている。また、微細気泡吐出部23の流路25は、入口27と出口28の間の中間において管径が次第に拡大され、出口28側において再び吐出ユニット22の長さ方向にまっすぐに延びている。一方、酸素溶解水吐出部24の流路26は、入口29側において湾曲しつつ管径が縮小され、縮小された管径は、入口29と出口30の間の中間で次第に拡大され、出口30は、微細気泡吐出部23の出口28から遠ざかり、吐出ユニット22の外周縁近くに配置されている。
【0041】
また、微細気泡吐出部23と酸素溶解水吐出部24の流路25、26は、入口27、29の形状が異なってもいる。微細気泡吐出部23の流路25の入口27は、エッジ部27aが略直角に切り立っているが、酸素溶解水吐出部24の流路26の入口29は、エッジ部29aがなだらかに湾曲し、R状に形成されている。このような入口27、29の形状の相違によって、微細気泡吐出部23の流路に流入する酸素溶解水には微細気泡5が発生し、酸素溶解水吐出部24の流路26に流入する酸素溶解水には微細気泡5はほとんど発生しない。
【0042】
図5は、流路の形状による流速分布の変化を示した模式図である。
【0043】
大管径部31から小管径部32に流入する酸素溶解水の挙動は、小管径部32の入口33の形状によって変化する。入口33のエッジ部33aが略直角に切り立っている場合、小管径部32の外周部を流れる酸素溶解水の流速vが非常に速くなり、これにともない酸素溶解水の圧力が飽和水蒸気圧以下に急激に低下する。その結果、流速分布がピークとなる、小管径部32の外周部付近pにおいてキャビテーションが発生し、微細気泡5が発生する。
【0044】
一方、入口33のエッジ部33bがなだらかに湾曲し、R状に形成されている場合、酸素溶解水の流速Vは、上記酸素溶解水の流速vと比較して遅く、流速分布は管径方向に均一または小管径部32の中央部で最大となる。このため、酸素溶解水の圧力は飽和水蒸気圧よりも高く、また、小管径部32をその長さ方向に流れるにつれて徐々に低下し、キャビテーションはほとんど発生しない。
【0045】
このような実験的知見に基づいて、図4に示した吐出ユニット22の微細気泡吐出部23と酸素溶解水吐出部24は形成されている。吐出ユニット22の入口22aに流入する酸素溶解水のうち、微細気泡吐出部23の流路25に流入する酸素溶解水には微細気泡5が発生し、微細気泡吐出部23は、微細気泡5を含んだ水を流路25の出口28から吐出する。酸素溶解水吐出部24の流路26に流入する酸素溶解水には微細気泡5はほとんど発生せず、酸素溶解水吐出部24は、溶存酸素濃度が十分に高い酸素溶解水を流路26の出口30から吐出する。
【0046】
このように、吐出ユニット22では、微細気泡吐出部23および酸素溶解水吐出部24の両方を備えるとともに、酸素溶解水吐出部24が微細気泡吐出部23の外周に配置されているので、微細気泡5が生成する流路25と微細気泡を含まない酸素溶解水の流路26とに分かれている。高濃度の酸素溶解水が気泡に接触すると酸素が気泡の中に気化し、酸素溶解水の溶存酸素濃度が低下する原因となるが、酸素溶解水吐出部24を吐出ユニット22の外周部に配置すると、拡散しやすい酸素溶解水を外側に向けて吐出し、流動抵抗が大きく拡散しにくい微細気泡5を微細気泡吐出部23から中央部に吐出することができるため、微細気泡吐出部23に酸素溶解水が混ざりにくくなり、酸素溶解水吐出部24から吐出する酸素溶解水中の溶存酸素濃度の低下を抑制することができる。
【0047】
また、吐出ユニット22に、微細気泡吐出部23、酸素溶解水吐出部24の両方を備えているため、微細気泡5を浴槽2内に供給することができる一方で、酸素溶解水吐出部24から酸素溶解水そのものを供給することができ、微細気泡5の発生にともなう酸素溶解水中の溶存酸素濃度の余分な低下を抑制することができる。微細気泡発生装置1は、微細気泡5の供給と酸素溶解水の供給を両立させることができる。浴槽2内の湯水3中の溶存酸素濃度は高く保持され、入浴者は、微細気泡5ばかりでなく、酸素溶解水それ自体の効能も享受することができる。
【0048】
なお、第3実施形態の微細気泡発生装置1にも、上記特許文献1に記載した酸素富化装置を組み合わせることができ、高酸素濃度の空気を入浴者に供給して入浴の効能などを一層高めることができる。
【0049】
本発明の微細気泡発生装置は、以上の実施形態によって限定されるものではない。微細気泡吐出部および酸素溶解水吐出部をはじめとして、溶解タンクやポンプなどの構成には各種の態様が可能である。また、微細気泡発生装置を設置可能とする対象は、浴槽に限定されることはなく、微細気泡および酸素溶解水の両方の供給が必要とされる各種の装置などとすることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 微細気泡発生装置
5 微細気泡
16、23 微細気泡吐出部
17、24 酸素溶解水吐出部
19 切替バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に酸素を溶解させた酸素溶解水中から酸素を析出させて微細気泡を発生させる微細気泡発生装置において、酸素溶解水の圧力を急激に低下させて微細気泡を発生させ、微細気泡を含んだ水を吐出する微細気泡吐出部と、酸素溶解水の圧力を徐々に低下させて酸素溶解水を吐出する酸素溶解水吐出部とを備えていることを特徴とする微細気泡発生装置。
【請求項2】
酸素溶解水吐出部からの吐出と微細気泡吐出部からの吐出を切り替える切替手段をも備えていることを特徴とする請求項1に記載の微細気泡発生装置。
【請求項3】
酸素溶解水吐出部が微細気泡吐出部の外周に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の微細気泡発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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