説明

心磁図の分類のための機械学習の使用

心臓の電気生理学的活動により放出される磁界を測定する心磁図法(MCG)におけるパターン認識に機械学習を使用することが本明細書に開示される。直接カーネル法が、異常なMCG心臓パターンを正常なMCG心臓パターンから区別するために使用される。教師なし学習では、直接カーネルをベースとした自己組織化マップが導入される。教師あり学習では、直接カーネル部分最小二乗法及び(直接)カーネルリッジ回帰が使用される。これらの結果は次に、従来のサポートベクトルマシン及びカーネル部分最小二乗法を用いて比較される。これらの方法に対するハイパーパラメータは、検査前に、トレーニングデータの妥当性検証サブセットに調整される。最も有効な前処理もまた、局所、垂直、水平及び二次元(グローバル)のマハラノビススケーリング、ウェーブレット変換、及びフィルタリングによる変数選択を用いて、調査される。結果は、3つの方法すべて同様に、訓練を受けた熟練者により実現される分類の質を上回って、有望なものであった。したがって、心拍記録データを分類する装置及びそれに関連する方法が開示され、この方法は、電磁的な心臓活動を感知するセンサから取得した感知データに対してカーネル変換を適用し、その結果、機械学習を用いて変換データを分類する前に変換データを得ることを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心磁図(magnetocardiogram)の分類のための機械学習の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
心磁図法(MCG;magnetocardiography)は、1960年代初めに有望な診断ツールとして発表されたが、その臨床上の有用性が立証されるまでにほぼ30年を要した。現在、MCGは、世界中の病院の医師により使用されている心臓学における新たな技術の1つである。MCG法の臨床応用は、現代の多チャンネルセンサ技術、高度なソフトウェア、及び磁気シールド室なしにその装置を使用できるようにしたハードウェアにおける最近の改善による大きな恩恵を受けている。
【0003】
MCGによる観察は、迅速で安全であり、かつ完全に非侵襲性である。したがって、このことは患者にとって非常に便利である。現在、多くのグループが参照データのライブラリの構築とデータの標準化について研究している。MCGが既に臨床的に有用な結果をもたらしているいくつかの臨床応用がある。例えば、MCGは、急性心筋梗塞を診断して場所を特定し、心筋梗塞患者を悪性心室性不整脈に対する感受性の有無で分類して、心臓移植後の心室肥大及び拒絶反応を検出し、心室早期興奮及び多くの種類の不整脈の部位を場所を特定し、かつ胎児性不整脈及び伝導障害を明らかにすることができる(非特許文献40)。加えて、MCGの他のいくつか臨床応用、すなわち心筋症(拡張型、肥大型、不整脈惹起性、糖尿病性)の検出とリスクの層別化、特発性心室細動後のリスクの層別化、心筋生存度の検出と場所の特定、ならびに胎児の成長及び神経の完全性のフォローアップが、近年研究されている。いくつかの研究は、MCGが、例えば心筋梗塞後の、または遺伝性のQT延長症候群における、再分極の変化に非常に敏感であることを示している(非特許文献42)。MCGの応用及び現在使用されている分析技術における最も関連のある概説は、非特許文献41に見出すことができる。
【特許文献1】米国特許第5,092,343号明細書
【特許文献2】米国特許第5,280,792号明細書
【特許文献3】米国特許第5,465,308号明細書
【特許文献4】米国特許第5,680,866号明細書
【特許文献5】米国特許第5,819,007号明細書
【特許文献6】米国特許第6,128,608号明細書
【特許文献7】米国特許第6,248,063号明細書
【特許文献8】米国特許第6,443,889号明細書
【特許文献9】米国特許第6,572,560号明細書
【特許文献10】米国特許第6,714,925号明細書
【特許文献11】米国特許第6,728,691号明細書
【特許文献12】米国特許第5,417,221号明細書
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【非特許文献9】T. Kohonen [1997] "Self-Organizing Maps, 2nd Edition," Springer
【非特許文献10】R. Rosipal and L. J. Trejo [2001] "Kernel Partial Least Squares Regression in Reproducing Kernel Hilbert Spaces," Journal of Machine Learning Research, Vol. 2, pp. 97-128
【非特許文献11】B. Scholkopf and A. J. Smola [2002] "Learning with Kernels," MIT Press
【非特許文献12】B. Scholkopf, A. Smola, and K-R Muller [1998] "Nonlinear Component Analysis as a Kernel Eigenvalue Problem," Neural Computation, Vol. 10, 1299-1319, 1998
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【非特許文献18】J. Principe, N. R. Euliano, and W. C. Lefebre [2000] "Neural and Adaptive Systems; Fundamentals through Simulations," John Wiley & Sons, Inc.
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【非特許文献23】A. N. Tikhonov and V. Y. Arsenin [1977] "Solutions of ill-Posed Problems," W. H. Winston, Washington D.C.
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【非特許文献26】Poggio, T., and Smale S., [2003] "The Mathematics of Learning: Dealing with Data," To appear in "Notices of the AMS," May 2003
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【非特許文献29】Svante Wold, Michael Sjostrom, and Lennart Eriksson [2001] "PLS-Regression: a Basic Tool of Chemometrics," Chemometrics and Intelligent Laboratory Systems, 58:109-130
【非特許文献30】Moller, M. F., [1993] "A Scaled Conjugate Gradient Algorithm for Fast Supervised Learning," Neural Networks, Vol. 6, pp. 525-534
【非特許文献31】H. Ritter, T. Kohonen, "Self-Organizing Semantic Maps," Biological Cybernetics, Vol. 61, pp. 241-254, 1989
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【非特許文献42】M. Makijarvi, K. Brockmeier, U. Leder, et al., "New trends in clinical magnetocardiography" in Biomag96: Proc. of the 10th Internat. Conf. on Biomagnetism, Aine C., et al., eds., New York, Springer, 2000, 410-417
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、重要な課題は、MCGデータの人による解釈によってもたらされるばらつきを低減または排除し、しかも、リアルタイム診断に適合するコンピュータ処理時間を維持しながら、マシンベースでの分類性能と一般化(generalization)の質とを大幅に向上させることである。
【0005】
測定データに対して人工知能(機械学習)を使用する場合、1.データの測定、2.測定データの前処理、3.適応分類子(adaptive classifier)のトレーニング、という3つの基本ステップが常に実行される。EKG/ECGデータまたは他の生物学データに対するこの基本的な取組みを採用した特許としては、特許文献1〜11が含まれる。
【0006】
MCGフィールドパターンの分析に対する人工知能の使用は、今日まで極めて限定されている。生体磁気(biomagnetic)信号の分析における人工知能の応用に関する参考文献の1つは、特許文献12であり、この特許文献は、電気生理学的活動の結果として発生するフィールドパターンを被験体の体外で多チャンネル測定装置を用いて測定するステップと、測定されたフィールドパターンに対応する特徴ベクトルを生成するステップと、特徴ベクトルを適応分類子に供給するステップと、局所化可能な電気生理学的活動の代理モデル(surrogate model)により生成されたトレーニングフィールドパターンを用いて適応分類子をトレーニングするステップと、を含む、被験生物の体内で生じる電気生理学的活動により生成されたフィールドパターンを分類する方法を開示している。この方法は、選択された局所化可能な代理モデルによって各フィールドパターンが生成され得る確率を示す、適応分類子のある出力における各フィールドパターンに対する確率値を生成するさらなるステップを含む。EKG/ECGに関する上記で引用した参考文献と同様に、この文献は、測定データに対する機械学習の一般的な適用可能性を考察しているが、分類性能と一般化の質とをどのように改善するかの具体例は提示していない。
【0007】
すべての場合において、成功を決定付ける2つの主要な基準は、分類性能と一般化の質である。最適ではない前処理がなされたデータをトレーニングすることは、質の悪い分類結果につながるが一方、いわゆるオーバートレーニング(過学習)により、実世界(real-world)データの適切な認識に対して適応分類子が一般化されることが防止される。
【0008】
成功への鍵はデータを最適に前処理することにあり、これは、本明細書に引用されるいずれの参考文献によっても、今日まで実現されていない。詳細に調べられたデータセットがどの分類に属するかを決定するすべての特徴を識別することは、非常に重要である。これらの特徴を識別することは、自明でもなければ瑣末なことでもない。さらに、これらの特徴は、生物系(biological system)により、また測定データの種類により、ばらつくことがある。その結果、人工知能ベースの手順の多くは、前処理がどのように実行されるかという点で異なっている。
【0009】
本明細書で詳細に開示するように、機械学習のためのデータの前処理にカーネル変換及びウェーブレット変換を使用することにより、正確な分類、一般化の質、処理速度の観点において、先行技術に対して大幅な改善をもたらす機械学習を成功させる手法の基礎が提供される。このことは、本明細書に引用される先行技術のいずれにも、開示または示唆されていない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
心臓の電気生理学的活動によって放出される磁界を測定する心磁図法(MCG)におけるパターン認識に機械学習を使用することが、本明細書に開示される。直接カーネル法が、異常なMCG心臓パターンを正常なものと区別するために使用される。教師なし学習に対しては、直接カーネルをベースとした自己組織化マップが導入される。教師あり学習に対しては、直接カーネル部分最小二乗法及び(直接)カーネルリッジ(kernel ridge)回帰が使用される。これらの結果は次に、従来のサポートベクトルマシン及びカーネル部分最小二乗法を用いて比較される。これらの方法に対するハイパーパラメータは、検査前に、トレーニングデータの妥当性検証サブセット(validation subset)に調整される。前処理もまた、局所、垂直、水平及び二次元(グローバル)のマハラノビススケーリング(Mahalanobis scaling)、ウェーブレット変換、及びフィルタリングによる変数選択を用いて吟味される。結果は、3つの方法すべてで同様のものであって、訓練を受けた熟練者によって実現される分類の質を上回って、有望なものであった。
【0011】
本明細書に開示されるものは、心拍記録データを分類する装置及びそれに関連する方法であり、これらは、機械学習を用いて変換データを分類する前に、電磁気的な心臓活動を感知するセンサから取得した感知データに対してカーネル変換を適用し、変換データを得ることを有する。
【0012】
新規であると考えられる本発明の特徴は、添付の特許請求の範囲にて説明される。しかしながら、本発明及びそのさらなる目的及び利点は、以下に簡単に説明する添付図面と併せて下記の説明を参照することにより、最もよく理解できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本開示は、人の心臓の電気生理学的活動により放出される磁界を測定する心磁図(MCG)法におけるパターン認識に対する、直接カーネル法及びサポートベクトルマシンの使用について説明している。(電磁干渉から特にシールドされていない)通常の病室で使用できるMCG用のSQUID(超伝導量子干渉素子)に基づく測定装置が、現在別個に開発されている。システムの動作は、コンピュータ制御され、その大部分が自動化されている。専用のソフトウェアが、正確な24ビット制御及びデータ取得のために使用され、その後、フィルタリング、平均化、電気/磁気活動の場所の特定、心臓電流の再構成、及び診断スコアの算出が行われる。
【0014】
MCG記録の解釈は、依然として課題として残っている。したがって、本開示は、分析のために人による入力を最小限にするために、MCG測定値の解釈を自動化する方法について考察している。検査は、米国における主な死亡原因である心臓発作につながり得る、多くの一般的な心臓疾患で生じる状態である虚血を検出することに焦点を当てているが、これは模範例であり、これに限定されるものではない。
【0015】
科学的には、本開示は、記述子(ディスクリプタ)(データポイント)の数がデータセット数を上回る、2分類の分離に関する問題(病変のある心臓対健康な心臓)を考察している。したがって、本開示は、この問題を解決する2つの課題に焦点を当てている。
【0016】
解決すべき第1の論点は、この問題が線形、非線形のどちらであるかということであるが、それは、線形か非線形かによって、問題解決の可能性を持つ候補となる関数のクラスが決まるためである(「仮説(hypotheses)」または「機械学習技術(machine learning techniques)」として知られている)。本発明の目的は、前処理段階で、分離プロセス自体を線形に保ちつつ、非線形性があればそれを符号化することである。後者は、実際の機械学習を実行する前に、(非線形)カーネル変換をデータに適用することにより、達成することができる(ここでは、カーネル変換されたデータに対して実行する技術を「非線形」技術と称する)。したがって、データが非線形性を含んでいる場合、純粋に線形の方法は、非線形技術と比較して、処理能力が劣る。
【0017】
第2の目的は、分離の問題を実際に解決する機械学習技術を発見(または開発)することである。ここでの焦点は、最良の解決法よりもむしろ、データに対して等しく良好に実行される技術のクラスを見つけることにある。このことは、選択された複数のモデル及びそれらの一般化の能力の信頼度を確立する助けとなる(トレーニングセットにないデータを正しく分離する仮説の能力は、その「一般化(generalization)」として既知である)。トレーニングデータ上で最適に動作するが、観測されていないデータを予測できないモデルを開発することは容易である(この現象はオーバートレーニングと称されることが多い)。しかしながら、わずかなデータのみに基づいて良好な予測ができるモデルを構築(及び調整)することは、非常に困難である。
【0018】
最初に、データ取得及び前処理について考察する。特に、異なる学習方法に対してどの種類の前処理が適するかを考察する。その後、本発明の課題に対する異なる機械学習技術の性能の比較、及び予測の質の評価と正則化パラメータの選択に関する方法論といった、核心となる結果を提示する。その後、特徴の選択について考察する。
【0019】
データ取得及び前処理:
MCGデータは、互いに隣接する位置で4回の連続測定を行うことにより、胴体より上の36箇所で取得される。各位置において、結果的に36の別個の時系列となる1000Hzのサンプリング速度を用いて、9個のセンサが心臓磁界を90秒間測定する。虚血の診断においては、0.5Hz〜20Hzの帯域幅が必要であり、そのため6次ベッセル(Bessel)フィルタ特性を用いる100Hzでのハードウェアローパスフィルタが適用され、
同じ特性を用いるがより高次の、20Hzでの付加なデジタルローパスフィルタがそれに続いて適用される。残った確率的雑音成分を除去するために、心臓周期のRピークの最大値をトリガポイントとして用いて時系列全体が平均化される。自動分類に対しては、均等に間隔を空けた32のポイントに対するデータが測定データから補間される、心臓周期のJポイントとTピークとの間の時間窓からのデータ(非特許文献5)を使用した。トレーニングデータは、訓練を受けた熟練者ならば視覚的に分類することが容易な73の症例からなる。検査は、その心磁図が、訓練を受けた視覚的な分類を行う熟練者を惑わせたまたは混乱させた患者を含む、36の症例の組に対して行われた。
【0020】
データは、本例では、最初に各信号から偏り(バイアス)を減算することにより前処理された。次に、局所、垂直、水平、及び二次元(グローバル)のマハラノビス(Mahanalobis)スケーリング、及びウェーブレット変換を含む、本例の多変量時系列信号に対して最も有効な前処理を調べた。重要な考慮点は、データの局所性を保存することであり、これは各信号に対してDaubechies-4ウェーブレット変換(非特許文献3)を適用することで達成された。補間された時間信号それぞれのデータセットが比較的小さいため(32)、この変換が選択された。入力におけるデータの局所性を観察するSOM方法及びK−PLS方法のみが、この変換を必要としなかった。次に、最初に36個の信号すべてに対して、次に(SOMベースの方法以外の方法について)垂直に、データのマハラノビススケーリングを行った。STセグメント内の均等に間隔を空けられた32のポイントに対して補間され(非特許文献5)、個々の信号それぞれに対してマハラノビススケーリングを行った後の、36個の信号の典型的なデータセットが、図1に示される。
【0021】
MCGデータ分類のための予測モデリング:
機械学習の目的は、知的意思決定の基本要素のいくつかをコンピュータに委ねることである。現在の形態では、機械学習の大部分は、ロバストな分類、回帰ツール、及び特徴選択方法の開発に基づいている。
【0022】
心臓病の診断との関連において、機械学習の最終目的は、そのモデルを説明できる意味のある特徴を識別し、透明性を有する、熟練者の規準の定式化を可能にすることである。
【0023】
機械学習の重要な要素は、オーバートレーニングを防止することである。Tikhonovの正則化(regularization)の概念は、それを行うための機械学習における有力な概念である。機械学習における第2の課題は、信頼性のある非線形方法を構築する必要があることである。サポートベクトルマシン(SVM)、ならびに、カーネル主成分分析、カーネルリッジ回帰及び部分最小二乗法のような他のカーネルベースの方法は、機械学習方法に非線形性と正則化を組み込む有力な方法である。
【0024】
機械学習における現在の課題は、データよりもむしろ特徴(features)に関する大きな問題、多くの不確実性とデータ中の雑音に関する問題、及び混合モード(mixture mode)を伴う順序付けらていない多クラス分類に関する問題にある。
【0025】
適切な前処理に対する必要性は、ドメインに大きく依存するが、異なる前処理方法を検討すること、及びドメインの専門的技術をこの前処理段階に組み込むことが、機械学習を機能させる重要な要素である。
【0026】
本発明の目的は、「最良の」機械学習方法だけでなく、データに対して等しく良好に実行される技術のクラスを特定することである。したがって、本発明は、機械学習のコミュニティで最も重要なツールであるSVMを考慮している。SVMよりも調整が容易で、あるいはSVMよりもハードウェアへの実装が容易であるが、SVMと同等に動作することが期待される他のカーネルベースの方法も使用している。
【0027】
機械学習を成功させる1つの鍵は、データの前処理にある。多くの異なる前処理のシナリオが検討するに値する。4種類の前処理を次のように区別する。
1. 正規化:これは、データを比較できるようにするために必要である。これは通常、データをスケーリングして偏り(バイアス)を除くことを意味している。ただし、多くの選択肢がある;
2. 情報の局在化:ここで局在化とは、情報の大部分を含む係数(coefficient)が最初に示されるように、データを再構成する変換を適用することを意味する。1つの顕著な例が、情報の局所性も保持するウェーブレット変換である;
3. 特徴(feature)の選択:これは通常、既に変換されたデータに対して実行される。これは、情報をまったくまたはほとんど含まない係数を取り除いて、入力ドメインの次元の数を減少させることを意味する。これは学習の速度を上げるのに特に有用である;
4. カーネル変換:カーネル変換は、回帰モデルを非線形にする洗練された方法である。カーネルは、データセット自体のデータ間または他のデータ(例えば、サポートベクトル(非特許文献2))との間での、データセットにおける類似性指標を含む行列である。
【0028】
このことが心拍曲線の分類を向上させるための多数の手法の組み合わせを与えることは、明白である。
【0029】
最初に正規化(normalization)について考慮すると、これは、すべての記述子(ディスクリプタ)をセンタリングしてそれらを分散が1であるようにする、機械学習において一般的な手順である。次に、同様のプロセスが応答(レスポンス)に対して適用される。このセンタリングと分散の正規化との手順は、マハラノビススケーリングとして知られている。マハラノビススケーリングは、データを前処理する唯一の方法ではないものの、おそらく、広範に良好に適用される最も一般的で最もロバストな前処理方法である。特徴ベクトルを
【0030】
【数1】

【0031】
と表わした場合、マハラノビススケーリングは、再スケーリングされた特徴ベクトル
【0032】
【数2】

【0033】
を与え、次のようにまとめることができる。
【0034】
【数3】

【0035】
は平均値を表わし、
【0036】
【数4】

【0037】
の標準偏差を表わす。
【0038】
36の時系列が(時間軸に沿って)個々にスケーリングされる場合に「水平マハラノビススケーリング」と称し、1つの時間事例における36ポイントすべてがスケーリングされる場合に「垂直マハラノビススケーリング」と称し、32の時間事例すべてにおける36ポイントすべてがスケーリングされる場合に「グローバルマハラノビススケーリング」と称するものとする。
【0039】
次に局在化について考える。ウェーブレット変換(非特許文献10)を適用することは、一方で情報の「ホットスポット(熱いスポット)」を局在化し、他方ではシグナルに寄与しない「コールドエリア(冷たい領域)」を局所化する助けとなる。ウェーブレット変換をフーリエ変換よりも好適なものにしている特性は、個々のウェーブレット関数が空間内に局在していることである。フーリエ正弦関数及び余弦関数はそうではない。ウェーブレット変換は、基底関数の単一の集合ではなく、可能性のある基底関数の無限集合を有する。
【0040】
「母関数」の拡張(dilation)及び平行移動、及び「解析ウェーブレット」Φ(x)により、ウェーブレット基底としても知られている直交基底が定義される。
【0041】
【数5】

【0042】
変数s及びlは整数であり、母関数Φ(x)をスケーリングし拡張して、Daubechiesウェーブレットファミリーなどのウェーブレットを生成する。スケーリング指数sはウェーブレットの幅を表わし、位置指数lはその位置を与える。母関数は再スケーリングされるかまたは2のべき乗で「拡張」され、整数により平行移動されることに留意されたい。ウェーブレット基底を特に興味深いものにしているのは、スケーリング及び拡張に起因する自己相似性である。母関数が分かれば、その基底に関するすべてを知ることができる。
【0043】
異なる分解能でこのデータドメインを拡張するために、解析ウェーブレットが次のスケーリング方程式に使用される。
【0044】
【数6】

【0045】
ここで、W(x)は母関数Φ(x)に対するスケーリング関数であり、ckはウェーブレット係数である。ウェーブレット係数は、次の形態の線形制約及び二次制約を満たさなければならない。
【0046】
【数7】

【0047】
ここで、δはデルタ関数であり、lは位置指数である。
【0048】
ウェーブレットの最も有用な特徴の1つは、所与の問題に適合させた所与のウェーブレット系に対して科学者が定義係数を選択できる容易性にある。Daubechiesの論文(非特許文献3)において、著者は多項式の振る舞いを表わすのに非常に有効なウェーブレット系の特定のファミリーを発展させた。MCG時系列に対して、いわゆる「Daubechies 4」ウェーブレットは最適な性能を示した。
【0049】
次にカーネル変換を考える。カーネル変換とその調整(チューニング)は、心拍曲線の分類を改善する能力の重要な要素である。したがって、この概念をさらに詳細に説明し、カーネル変換を適用する際に一般に見落とされるいくつかの主要な問題を具体的に指摘する。
【0050】
カーネル変換は、回帰モデルを非線形にするエレガントな方法である。カーネル変換は、少なくともヒルベルト(Hilbert)が数学の文献でカーネルを発表した1900年代初めに遡る。カーネルは、データセット自体のデータ間または他のデータとの間での、データセットにおける類似性指標を含む行列である。カーネルは、従来、特徴カーネルが属性または特徴間の線形類似性指標を含んでいる主成分分析における、相関行列として使用されている。サポートベクトルマシンでは、カーネルのエントリは、特徴間よりもむしろデータ間の類似性指標であり、それらの類似性指標は、通常、非線形である。多くの可能性のある非線形類似性指標があるが、数学的に扱いやすいものであるためには、カーネルは特定の条件、いわゆるMercer条件を満たさなければならない(非特許文献2,11,15)。
【0051】
【数8】

【0052】
上式は、n個のデータに対するデータカーネル行列
【0053】
【数9】

【0054】
の一般的な構造を示す。カーネル行列は、各エントリが2つのデータベクトル間の(線形または非線形の)類似性を含んだ対称行列である。線形類似性指標であるドット積や、非線形類似性指標であるラジアル基底関数カーネルすなわちRBFカーネルのような類似性のメトリクス(数的指標)を定義する多くの異なる可能性がある。RBFカーネルは最も広く用いられる非線形カーネルであり、そのエントリは次式により定義される。
【0055】
【数10】

【0056】
上記のカーネル定義では、カーネルのエントリは、(類似性ではなくむしろ)非類似性指標である、データポイント間のユークリッド距離を負の指数項(negative exponential)に含んでいることに留意されたい。負の指数項はまた、RBFカーネルのParzen窓の幅である自由パラメータσも含んでいる。Parzen窓を選ぶ適切な選択は、通常、超調整(ハイパーチューニング)とも呼ばれる外部の妥当性検証セットに対する付加のチューニングにより決定される。σを正確に選択することは難しくなく、モデルの質が安定するσの選択に関し、通常、比較的広い範囲が存在する。
【0057】
カーネル変換は、ここでは別個の前処理段階におけるデータ変換として適用される。データを非線形データカーネルに実際に置き換えて、従来の線形予測モデルを適用する。従来の線形アルゴリズムがデータの非線形カーネル変換に関して使用される方法が示され、ここでは「直接カーネル法」と定義される。このような直接カーネル法のエレガントさ及び利点は、問題の非線形アスペクトがカーネル内で捕捉され、その非線形アスペクトが適用されるアルゴリズムに対して透明(transparent)なことである。
【0058】
カーネル変換をニューラルネットワーク型のフロー図として表わすこともでき、その際第1の隠れ層はカーネル変換されたデータを生成し、第1層の重みは単にトレーニングデータの記述子(ディスクリプタ)である。第2層は、カーネルリッジ回帰(図9参照)などの、数値計算法で算出できる重みを含んでいる。ラジアル基底関数カーネルを使用した場合、このタイプのニューラルネットワークは、第2層の重みが異なった方法で算出されることを除き、ラジアル基底関数ニューラルネットワーク(非特許文献17,18)に非常に類似して見えると考えられる。
【0059】
カーネルをセンタリングすることにより偏りを処理することも重要である。次の一般的な予測式を考える。
【0060】
【数11】

【0061】
ここで、重みベクトル
【0062】
【数12】

【0063】
に到達するためにデータ行列Xnmに適用され、定数オフセット項はない。センタリングされたデータに対して、このオフセット項(「偏り」)は常にゼロであり、明示的に含まれる必要がないことが分かる。式(7)を適用するよりもむしろ、この偏りを含むより一般的な予測モデルは、次のように記述できる。
【0064】
【数13】

【0065】
ここでbはバイアス項である。マハラノビススケーリングにより最初にデータをセンタリングすることにしているので、このバイアス項はゼロであり無視できる。
【0066】
カーネルを処理する場合、何らかの種類の偏り(バイアス)が必要なため、状況はより複雑になる。ここでは実際に良好に機能する手法(レシピ)のみを示しており、理由についてのさらなる詳細に関しては、参考文献を参照されたい(非特許文献11,12,16,19)。カーネル変換を適用する前にデータがマハラノビススケーリングされた場合であっても、カーネルは依然として、予測モデルの中のバイアス項を削除できるようにするために何らかの種類のセンタリングを必要とする。カーネルをセンタリングする簡単な方法は、トレーニングデータカーネルの各列から平均を減算して、テストカーネルをセンタリングする際に、その平均を後のリコールのために保存する方法である。カーネルをセンタリングする第2のステップは、新たに取得した垂直センタリングされたカーネルを、今度は行ごとに検索し、各水平行から行平均を減算するステップである。
【0067】
テストデータのカーネルは、同様の手順にしたがって、一貫した方法でセンタリングする必要がある。この場合、トレーニングデータのカーネルからの保存された列平均は、テストデータのカーネルを垂直センタリングするために使用されることになる。この垂直センタリングされたテストカーネルは、次に、水平に、すなわち各行に対してセンタリングされ、垂直センタリングされたテストカーネルの平均が算出され、垂直センタリングされたテストカーネルの各水平エントリが、そのエントリから行平均を差し引いたものに置き換えられる。
【0068】
上述したようなカーネルをセンタリングするこのアルゴリズムの利点は、直角データカーネルにも同様に適用されることである。データを前処理し、カーネル変換をこのデータに適用し、次に、トレーニングデータ、妥当性検証データ、及びテストデータに対してカーネルをセンタリングするフローチャートが図10に示されている。
【0069】
教師なし及び教師あり学習方法の両方を調べた。教師なし学習では、直接カーネル(DK)−SOMが使用されたが、これはSOMが新規性の検出及び自動クラスタリングに適用されることが多いためである。使用されたDK−SOMは、エッジがラップされていない9×18の六角グリッドを有する。教師あり学習では、関連するパラメータを複雑なデータ空間から抽出するのに有効な従来のサポートベクトルマシン、Rosipal(非特許文献10)に提案されているようなカーネル部分最小二乗法K−PLS、直接カーネル部分最小二乗法(DK−PLS)、及び最小二乗サポートベクトルマシン(すなわち、カーネルリッジ回帰としても既知のLS−SVM)という、4つのカーネルベースの回帰アルゴリズムが使用された。
【0070】
サポートベクトルマシンすなわちSVMは、その有効性、モデルに対する柔軟性、予測能力、及び理論的な透明性から、強力な機械学習ツールであることが証明されている(非特許文献2,11,15)。SVMの非線形特性はカーネル変換のみの結果であるが、一方、自己組織化マップすなわちSOM)(非特許文献9)などの他の方法は、種々の近傍ベースの操作を組み込んでいるため、本質的に非線形である。SVMとは異なり、SOMは、しばしば、回帰または分類の予測ではなく、むしろ二次元マップ上の高次元データの隠れた類似性/クラスタ構造を明らかにする可視化ツール(非特許文献4)として使用される。
【0071】
解析のために自家で開発されたAnalyze/StripMinerソフトウェアパッケージ(非特許文献14)が使用されたが、SVMモデルのためのSVMLib(非特許文献1)も使用された。トレーニングセットを使用して、DK−SOM、SVM、DK−PLS及びLS−SVMでのパラメータの値が検査前に最適化された。異なるデータ前処理を用いたにも関わらず、結果は、訓練を受けた熟練者により得られた分類の質に類似しており、すべての検査方法に関して類似している。このことは、検査された方法のいずれにおいてもオーバートレーニングがなかったことを示すため、重要である。DK−PLS、SVMLib、及びLS−SVMの間の一致は特に良好であり、これらのデータにおけるこれらの方法間での顕著な差はない。結果を図2及び3に示す。図2は、陰性及び陽性の例に関して、正しく分類されたパターンの数及び誤りの数を列挙している。図3は、予測の質に対する付加の指標を示す。さらなる結果を図8に示す。図8において、RMSEは二乗平均誤差の平方根(小さいほどよい)を表わし、CC(%)は正しく分類された例の百分率を意味する。DK−PLS法において最良の結果が得られ、この方法はまた最良のロバスト性を示した。これは既に、これらの患者に対して58%である3つの標準的な検査(ECG、ECHO、及びTroponin-I)を組み合わせたものよりも、予測の正確さに関する性能が優れている。
【0072】
調整後、SVMにおけるParzen窓の幅σを10に選択した。SVMLibの正則化パラメータCは、非特許文献10に示唆されるように、1/λに設定された。他の応用(非特許文献14)及びスケーリングの実験による経験に基づいて、n元のデータカーネルに対するリッジパラメータλは、次の式から決定された。
【0073】
【数14】

【0074】
より一般的かつ経験的に、λはデータ数nの(3/2)乗に比例することを本発明者等は見出している。
【0075】
直接カーネル法(DK−PLS及びLS−SVM)、K−PLS、及び従来のカーネルベースのSVM(SVMLib)の間の一致は、この式から得られるリッジパラメータに対して最適に近い選択がされていることを示している。
【0076】
次に、回帰の問題のためにモデルの質を評価するメトリクスを考えると、誤差を捕捉する別の方法は、二乗平均誤差の平方根(RMSE)指標によるものであり、これは(トレーニングセットまたはテストセットのいずれかに対して)二乗誤差の平均値として、次式により定義される。
【0077】
【数15】

【0078】
二乗平均誤差の平方根は、同じデータに対する異なる予測方法の性能を比較するのに有効なやり方であるが、データに対する応答がどのようにスケーリングされたかにRMSEが依存するという意味では、絶対的なメトリクスではない。この不利な条件を克服するために、応答値のスケーリング及び大きさに対する依存がより少ない付加の誤差指標も使用される。トレーニングされたモデルの質を評価するのに使用される第1のメトリクスはr2であり、これは次式にしたがって、応答の目標値と予測との間の相関の二乗係数として定義される。
【0079】
【数16】

【0080】
ここでntrainは、トレーニングセット中のデータポイントの数を表わす。r2は0と1との間の値をとり、r2の値が大きいほどモデルは良好である。モデルの質の評価に使用することに対する明白な不利益は、
【0081】
【数17】

【0082】
がyの関数としてプロットされた場合に、線に予測がどれだけ良好に従っているかを示す線形相関しか表現しないことである。r2が1の場合にはほぼ完璧なモデルが期待されるが、常にそうなるわけではない。トレーニングされたモデルの質を評価する第2のより強力な指標は、ケモメトリックモデリング(chemometric modeling)(非特許文献6)でしばしば用いられる、いわゆる「Press r squared」またはR2であり、ここでR2は非特許文献7のように定義される。
【0083】
【数18】

【0084】
2は残差も考慮しているため、r2よりも良好な指標と考えられる。r2と同様に、R2は0〜1の範囲であり、R2の値が大きいほどモデルは良好である。R2のメトリクスは、通常、r2よりも小さい。大きなデータセットでは、R2はr2に収束する傾向にあり、そのようなデータに対するr2とR2との比較により、隠れた偏りが明らかになることが多い。
【0085】
妥当性検証セットまたはテストセットの質を評価するため、同様のメトリクスq2及びQ2を導入する。ここでq2及びQ2は、テストセット内のデータに対して、それぞれ、1−r2、1−R2として定義される。テストデータ上で完璧な予測をするモデルに対して、q2及びQ2はゼロになると予想される。トレーニングセット及びテストセット間で対称なメトリクスを導入する理由は、実際的には混同を避けるためである。Q2及びq2の値は、妥当性検証セットまたはテストセットに当てはまり、良好な予測モデルを得るために、これらの値は非常に低くなることが予想される。R2及びr2の値は、トレーニングデータに当てはまり、予測が実際の値に近い場合、両方の値が1に近くなることに容易に気付く。したがって、これらのいずれかが1と大幅に異なることは、モデルの予測能力が低いことを示している。
【0086】
部分最小二乗法などの線形方法は、カーネル法と比較して、予測モデルが劣った結果になる。K−PLS及びDK−PLSに対して、5つの潜在変数が選択されたが、その結果は、潜在変数の数の厳密な選択には大きく依存していなかった。K−PCAの直接カーネル版(非特許文献11,12,16)である直接カーネル主成分分析(DK−PCA)も試験されたが、その結果は、主成分の数の選択により敏感であり、他の直接カーネル法を用いて得られた結果ほど良好ではなかった。
【0087】
ウェーブレット変換されたデータ及びDK−PLSに基づいた心磁図データに対する典型的な予測結果を図4に示す。この図から、予測の中で全部で6つのデータポイント(健康なまたは陰性の症例1件及び虚血の症例5件)が誤って分類されていることが理解できる。これらの症例は、訓練を受けた熟練者にとっても、専用の方法により取得された時間依存性を持つ磁場の二次元での視覚表示に基づいて、正しく識別することが困難である。
【0088】
医療データにおいて、偽陰性の例と偽陽性の例との間の、または感度と特異性(偽陽性及び偽陰性に関連した異なるメトリクス)との間のトレードオフを形成できることが重要な場合が多い。機械学習方法では、このようなトレードオフは、分類を解釈するための閾値を変更することにより容易に達成できる。例えば、図4では、判別値としてゼロを使用するのではなく、判別閾値をより望ましいレベルに向かってシフトさせ、これにより偽陽性/偽陰性比に影響を与えることができる。
【0089】
判別値のこのような変更により起こり得るすべての結果の概要は、上述の例に関して図5に示したように、ROC曲線で表示することができる。ROC(受信者動作特性;Receiver Operator Characteristics)曲線の概念は、1940年代における、航空機を識別するためのレーダーの初期の開発がその起源であり、非特許文献13に概要が示されている。
【0090】
図6は、直接カーネル主成分分析(DK−PCA)(図示左側)及び直接カーネルPLS(DK−PLS)(図示右側)に基づいた、73個のトレーニングデータの投影を示している。病変のある症例は黒丸で示されている。図6の右側は、図6の左側に示されたDK−PCAの結果と比較して、DK−PLSの最初の2つの成分に基づいた、異なるクラス間のより明確な分離とより広いマージンを示している。これらの薬学プロット(pharmaplot)上に濃い色及び薄い色の十字でそもそも示されているテストデータは、両方の方法に対して健康な症例と病変のある症例との間の非常に良好な分離を示している。
【0091】
直接カーネルSOMに基づいた、ラップアラウンドモードでの六角グリッド上の典型的な9×18自己組織化マップが図7に示されている。ラップアラウンドモードとは、左側と右側の境界線(及び頂部と底部の境界線)が合流しており、マップがトロイダル投影を展開したものであることを意味している。濃い色の六角形は病変のある症例を示し、薄い色の六角形は健康な症例を示す。完全に塗り潰された六角形は、トレーニングデータの位置を示し、白及び陰影の付いた数字は、健康な及び病変のある検査症例のパターン識別子である。分類の誤りのほとんどは、実際にはマップでの境界領域で生じている。マップ内のセルは、半教師あり学習により着色されている、すなわち36×32=1152個の特徴を含む各データベクトルが、その色を示す付加のフィールドにより増加される。データベクトルにおける色のエントリは、重みベクトルと同様の方法で更新されるが、当たり(winning)セルを判定するために距離のメトリクスを算出するのには使用されない。通常のSOMを実施することで得られるマップは、直接カーネルDK−SOMで得られるものと非常に類似している。128MHzのペンティアムIIIコンピュータ上でDK−SOMを生成するための実行時間は、通常のSOMを生成するために必要な960秒ではなく、28秒であったが、これは、データに対してカーネル変換を行った後、データの次元の数が当初の1152から73(トレーニングデータの数)に効果的に減少したためである。SOM及びDK−SOMに対して、学習ベクトルの量子化をともなう教師ありモードで微調整が実行された(非特許文献9)。SOM及びDK−SOMに基づく結果は、依然として、非常に良好であるものの、他のカーネルベースの方法(SVMLib、LS−SVM、及びK−PLS)で得られる結果ほど良好ではない。
【0092】
特徴の選択:
上述の節で示した結果は、1152(36×32)個の記述子すべてを用いて取得したものであった。正確にどの時点でまたはどのウェーブレット信号で、及び各患者について異なる位置で測定された36の心磁図信号のどれに対して、良好なバイナリ分類に必要な最も重要な情報が位置付けられたかを識別できれば、このドメインの熟練者にとって最も情報が有益になるであろう。このような情報は特徴選択により導き出すことができる。
【0093】
特徴選択、すなわちデータベクトルに対して最も重要な入力パラメータの識別は、フィルタリングモード及びラップアラウンドモードの2つの異なる方法で進めることができる。通常、これらの2つの手法は互いに別個に使用されるが、本開示及び関連する請求項の範囲内で、組み合わせることもできる。
【0094】
フィルタリングモードでは、特徴は、所定の、通常は教師なしの手順に基づいて、除去される。このような手順の例は、PLSをケモメトリクス(chemometrics)に応用する場合によく見られるように、4σ異常値(outlier)を含む記述子列の除去であることができる。フィルタリングモードで「カズン(cousin)」記述子、すなわち別の記述子と95%より大きい相関を示す特徴を除外することも一般的である。モデリング方法によっては、カズン記述子を除外し、さらに、(i)応答変数に対して最も高い相関を示す、または(ii)ドメインの熟練者に対してモデルを説明するための最も明瞭なドメイン透明性を有する、のいずれかである記述子のみを保持することも、一般的な方法である場合が多い。
【0095】
特徴選択の第2のモードは、ラップアラウンドモードに基づくものである。良好な予測モデルを得るのに必要な、最も関係のある特徴のみを保持することを意図する。多くの場合、モデリングの質は、最適な特徴サブセットの適切な選択の後で向上する。正しい特徴のサブセットの決定は、異なる概念に基づいて実施することができ、その結果得られる特徴のサブセットは、モデリング方法に依存する場合が多い。ラップアラウンドモードにおける特徴の選択は、通常、トレーニングセット及び妥当性検証セットを使用して進行し、妥当性検証セットは、記述子の不審なセット(suspicious set)を選択することによりモデルがオーバートレーニングされていないことを確認するのに使用される。特徴選択の2つの一般的に適用可能な方法は、遺伝的アルゴリズムと感度分析の使用に基づいている。
【0096】
遺伝的アルゴリズム手法の目的は、トレーニングセットから、妥当性検証セットでも同様に良好な性能を示す最適な特徴のサブセットを取得できるようにすることである。
【0097】
感度分析の概念(非特許文献8)は特徴の顕著性を有効に使うことであり、すなわち、予測モデルがいったん構築されると、モデルは各記述子の平均値に対して使用され、記述子は最小値と最大値との間で1つずつ微調整される。記述子に対する感度は、予測される応答における変動である。記述子に対する感度が低い場合、それは良好なモデルを作成するのに必要な記述子ではないと仮定される。最も感度が低い特徴のいくつかは1つの反復ステップ中に除外することができ、感度分析の手順は、最適に近い特徴のセットが得られるまで複数回繰り返される。遺伝的アルゴリズム手法と感度分析手法の両方は、完全なソフト演算方法であり、相当数の経験則と経験を必要とする。両方の手法の利点は、遺伝的アルゴリズム及び感度手法が特定のモデリング方法に依存しない一般的な方法であるという点である。
【0098】
機械学習に関するさらなる解説:
ここでは適用可能なすべての機械学習技術を概観するのではなく、最初に、線形問題及び非線形問題に対する最新の解決法であるサポートベクトルマシン(SVM)を単純には使用しない理由を説明する。上述したように、科学的には、安定した解を確実に得るために、所定の問題に対して等しく良好に実行される技術のクラスを見つけることが目標である。このクラスの中で、最適なモデルは、チューニングが容易で最速に実行されるものである。これらのモデルを標準としてのSVMと比較することが、あらゆる新しく開発された技術の性能を検証する助けとなる。
【0099】
教師あり学習に関して、ジレンマから抜け出す道を見出すために多数のモデルが開発された理由である、教師あり学習におけるいわゆる機械学習パラドックスをここで簡単に説明する。
【0100】
データセット中にN個のデータポイントとm個の記述的特徴があると仮定して、データ行列をXNm、応答ベクトルを
【0101】
【数19】

【0102】
として表わすのが慣例である。n個のトレーニングデータポイントから導かれる推論モデルであるが、サンプル外のデータ(すなわちN−n検証データ及びテストデータのポイント)に対しても良好に機能するように、
【0103】
【数20】

【0104】
と表わされる帰納により、XNmから
【0105】
【数21】

【0106】
を推測するものとする。換言すれば、次式のような種類の線形予測モデルを構築することを目的としている。
【0107】
【数22】

【0108】
この式は、前のステップで決定しなければならない既知の重みベクトル
【0109】
【数23】

【0110】
を推測し、最良の例において、実際の学習は次式を満たす。
【0111】
【数24】

【0112】
ここで、Xnmはトレーニングデータであり、
【0113】
【数25】

【0114】
は既知の答え(「ラベル」)を表わす。
【0115】
データ行列は、通常、対称でないことに留意されたい。対称である場合には、データ行列の逆行列を用いて、簡単に解が見い出される。したがって、通常はyの正確な予測に至らないが最小二乗という意味では最適なyを予測する、擬似逆変換を適用するものとする。重みベクトルに対する擬似逆変換の解は、次式に示す通りである。
【0116】
【数26】

【0117】
F=XTmnnmは、いわゆる「特徴カーネル行列」であり、特徴が冗長であるときにのみ学習が発生するが、その結果KFの条件が不適切(階数(ランク)の不足)になるという、機械学習パラドックスの原因である。上述したように、このパラドックスを解決するいくつかの方法がある。
1. KFの階数の不足を主成分で修正する(特徴カーネルの固有ベクトルを算出する)ことによる(非特許文献18);
2. 正則化による。KFの代わりにKF+λIを使用する(リッジ回帰)(非特許文献17、20〜23);
3. 局所学習による。
【0118】
関連するパラメータを複雑なデータ空間から抽出するのに有効な従来のサポートベクトルマシン(非特許文献2,12,15)、Rosipal(非特許文献10)により提案されているようなカーネル部分最小二乗法(K−PLS)、直接カーネル部分最小二乗法(DK−PLS)、及び最小二乗サポートベクトルマシン(すなわちカーネルリッジ回帰(非特許文献24〜28)としても既知のLS−SVM)という、4つのカーネルベースの回帰アルゴリズムを使用した。さらに、直接カーネル主成分分析(DK−PCA)試験を行った。
【0119】
部分最小二乗法(PLS)は、QSAR及びケモメトリックにおける標準的な分析方法の1つである(非特許文献29)。カーネルPLS(K−PLS)は、最近開発されたPLSの非線形版であり、Rosipal及びTrejoにより紹介された(非特許文献10)。K−PLSはSVMと機能的には同等であるが、SVMと異なり、結果はそれよりわずかに安定したものとなる。K−PLSは、現在、人の血清アルブミンの結合親和性を予測するのに使用されている。
【0120】
本開示の基礎をなす研究において、K−PLSからDK−PLSへの改善をはかり、Analyze/StripminerプログラムにおいてK−PLS、DK−PLS、DK−PCA、及びLS−SVMに対するコードを開発するための初期の経験を利用した(非特許文献14)。K−PLSとDK−PLSとの違いは、K方法では特徴(データ)カーネル行列が使用されるが、DK方法ではこの行列が(非線形)カーネル変換された行列に置き換えられることである。逆行列を算出するために、Analyze/Stripminerプログラム中に導入された、Mollerのスケーリングされた共役勾配法(非特許文献30)を適用した。
【0121】
教師なし学習について言えば、SOM(非特許文献9,17,31〜36)は、Kohonenにより開発された教師なし学習のニューラルネットワークであることに気付く。SOMは、競合学習に基づいた反復方法である。これにより、高次元入力データ空間から、通常は一次元または二次元マップであるより低次元の出力マップへのマッピングが提供される(図11参照)。成分(またはデータポイント)が入力層にロードされ、競合学習アルゴリズムを使用して、SOMがトレーニングされる(非特許文献4)。重みは次式により更新される。
【0122】
【数27】

【0123】
ここでαは学習速度パラメータである。学習の結果として、入力データは「当たり(winning)」ニューロン上にマッピングされる。このプロセスの結果として、SOMは、次数の低減化及びクラスタ化のために頻繁に使用される。さらに、SOMの際立った特徴は、入力データ間の関連する距離が多かれ少なかれ保存されるように、出力マップ上での高次元の入力空間からの入力データのトポロジーが保存されるという点である(非特許文献38)。入力空間内で互いに近接して配置された入力データポイントは、出力マップ上で近傍のニューロンに対してマッピングされる。SOMベースの可視化方法は、データ探査のための多用途ツールである。これらの方法は、データのクラスタ化、相関検出及び予測に使用される(非特許文献4,39)。
【0124】
従来のSOMは、高次元入力データを低次元の出力マップに投影することに基づいた方法である。本明細書に開示されるのは、新規なカーネルベースのSOMである。カーネルSOMは、次に、元のデータ上ではなくカーネル表示されたデータ上でトレーニングされる。ここでカーネル変換されたデータを使用することは、SOMが本来非線形であるために、データの非線形性を「発見する」ためよりもむしろ、カーネルがより少ない有効な特徴を有するため、(学習)速度を向上させるためである。
【0125】
要約すれば、発明者等は、図12に示される機械学習ツールのセットを使用し発展させた。
【0126】
結論:
MCGデータのバイナリ分類は困難な課題を提示しているが、MCGが実際の臨床において成功すべきものであるとすれば、その解決は重要である。SOM及びSVMなどの現存の機械学習技術をMCGデータに適用することにより、74%の予測精度という結果が得られた。データを最初にウェーブレットドメインに変換し、ウェーブレット係数に対してカーネル変換を付加的に適用することにより、またウェーブレット変換なしにカーネル変換のみを適用することによっても、非常に顕著な改善が達成された。これにより予測精度は83%まで向上した。
【0127】
Rosipal(非特許文献10)により提案されたカーネルPLS(K−PLS)、直接カーネルPLS(DK−PLS)、サポートベクトルマシン(SVMLib)、及び最小二乗SVM(LS−SVM)の間での結果の一致は、一般的に非常に良好である。この場合、DK−PLSが優れた性能を示したが、カーネルベースの方法間での差異は有意ではない。この良好な一致は、直接カーネル法のロバスト性を示している。これは、式(1)によるリッジパラメータの選択が最適に近かった場合にのみ達成される。この選択により、ベクトルマシンにおける正則化パラメータCも定義され、ここでCは1/λとして得られる。
【0128】
得られた結果は、医学界にとって意義深いものである。冠状血管造影法により画定された虚血の検出に対して、92%の感度及び75%の特異性に到達するために、DK−PLSが使用された。MCGは、心臓の電気生理学における異常に対して敏感であり、したがって疾患の影響のみを診断可能な、純粋に機能的なツールであることに注目すべきである。しかしながら、最も基準となる検査(冠状血管造影法)は純粋に解剖学的なツールであり、虚血性心臓疾患の1つの原因を究明する。MCGは、最も基準となる検査では目に見えない異常を検出するため、本応用における比較的低い特異性を説明する「偽陽性」を常に生成する。
【0129】
カーネル変換は、ここでは別個の前処理段階におけるデータ変換として適用されていることに留意されたい。データは、実際には非線形データカーネルに置き換えられ、次に従来の線形予測モデルが適用される。従来の線形アルゴリズムがデータの非線形カーネル変換において使用される方法が、本明細書で「直接カーネル法」と称する方法として定義された。このような直接カーネル法のエレガントさ及び利点は、問題の非線形的側面が、カーネル内で捕捉されるとともに、適用されるアルゴリズムに対して透明なことである。
【0130】
本明細書で検討したカーネルは、事実上、ガウス型(Gaussian)であるが、これは模範例であり、これに限定されるものではない。例えば、限定することなく、いわゆるスプラインカーネルを使用してもよく、これは本開示の範囲内にあるものと見なされる。
【0131】
本発明の特定の好ましい特徴のみを例示し説明してきたが、多くの修正、変更、及び代替が当業者には想起されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのような修正及び変更のすべてを本発明の真の精神の範囲内にあるものとして包含するように意図していることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】6×6グリッドを有する36チャンネルに収集された、フィルタ処理され平均化された1心周期にわたる時間的MCGトレースを示す。
【図2】(36個のテストデータにおける陽性及び陰性の症例に対する)正しいパターン及び誤り、及び心磁図データための実行時間を示す図表である。サポートベクトルマシンライブラリ(SVMLib)及びカーネル部分最小二乗法(K−PLS)では時間ドメインを使用し、他の方法ではD−4ウェーブレットドメインを使用している。
【図3】心磁図データの予測モデルを作成するための異なる方法に対する質の指標を示す図表である。
【図4】ウェーブレット変換したデータに対するK−PLSに基づいた、35個の検査症例における誤差のプロットである。
【図5】偽陽性と偽陰性との間で見込まれるトレードオフを示す受信者動作特性(ROC)曲線である。
【図6】直接カーネル主成分分析(DK−PCA)(左)と直接カーネルPLS(DK−PLS)(右)とに基づいた73個のトレーニングデータの投影である。病変のある症例は黒丸で示されている。テストデータは図示しない。
【図7】ラップアラウンド(wrap-around)モードでの9×18直接カーネル自己組織化マップ(DK−SOM)に基づいた自己組織化マップ上に表示されたテストデータを示す。
【図8】テストデータセットに対して異なる技法を用いた虚血の予測の結果を示す。
【図9】データ前処理ステップとしての直接カーネル法の操作概略図である。
【図10】直接カーネル法においてカーネルセンタリングを用いたデータ前処理を示すフローチャートである。
【図11】自己組織化マップ(SOM)の典型的な構造図である。
【図12】心拍記録データの自動分類について本明細書で開示される技法の一覧表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械学習を用いて変換データを分類する前に、電磁的な心臓活動を感知するセンサから取得した感知データに対してカーネル変換を適用し、前記変換データを得る段階を有する、心拍記録データ(cardiography data)を分類する方法。
【請求項2】
前記カーネル変換を適用する前に、ウェーブレット変換を用いて前記感知データをウェーブレットドメインに変換する段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記感知データを患者の心臓に隣接した磁気センサから取得する段階をさらに有する、心磁図データ(magneto-cardiography data)を分類するための請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記感知データを患者の心臓に隣接した磁気センサから取得する段階をさらに有する、心磁図データを分類するための請求項2に記載の方法。
【請求項5】
機械学習を用いて前記変換データを分類する段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
機械学習を用いて前記変換データを分類する段階をさらに有する、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
機械学習を用いて前記変換データを分類する段階をさらに有する、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
機械学習を用いて前記変換データを分類する段階をさらに有する、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記カーネル変換はMercer条件を満たす、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記カーネル変換はラジアル基底関数を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記カーネル変換を適用する段階は、
前記変換データをニューラルネットワークの第1の隠れ層に割当てる段階と、
トレーニングデータ記述子(ディスクリプタ)を前記ニューラルネットワークの前記第1の隠れ層の重みとして適用する段階と、
前記ニューラルネットワークの第2の隠れ層の重みを数値的に算出する段階と、
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の隠れ層の前記重みを数値的に算出する前記段階は、前記第2の隠れ層の前記重みをカーネルリッジ回帰を用いて算出する段階をさらに有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
カーネル変換を適用する前記段階は、直接カーネル変換を適用する段階を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
自己組織化マップ(SOM)を用いて前記変換データを分類する段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
直接カーネル自己組織化マップ(DK−SOM)を用いて前記変換データを分類する段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
カーネル部分最小二乗(K−PLS)機械学習を用いて前記変換データを分類する段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
直接カーネル部分最小二乗(DK−PLS)機械学習を用いて前記変換データを分類する段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
最小二乗サポートベクトルマシン(LS−SVM)を用いて前記変換データを分類する段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
直接カーネル主成分分析(DK−PCA)を用いて前記変換データを分類する段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
サポートベクトルマシン(SVM/SVMLib)を用いて前記変換データを分類する段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
サポートベクトルマシン(SVM/SVMLib)を用いて前記変換データを分類する前記段階は、
n元のデータカーネルに対してSVMLib正則化(regularization)パラメータCをC=1/λに設定する段階をさらに含み、
ここで前記λが前記nの(3/2)乗に比例する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記変換データをサポートベクトルマシン(SVM/SVMLib)を用いて分類する前記段階は、
n元のデータカーネルに対してSVMLib正則化パラメータCをC=1/λに設定する段階をさらに含み、
ここで、
【数1】

である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記感知データをウェーブレットドメインに変換する前記段階は、Daubechiesウェーブレット変換を前記感知データに適用する段階を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項24】
前記心拍記録データの分類を改善する特徴(features)を前記ウェーブレットデータから選択する段階をさらに有する、請求項2に記載の方法。
【請求項25】
前記特徴を選択する前記段階は、前記ウェーブレットデータから選択された望ましくない特徴を除去する段階をさらに有する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
選択された望ましくない特徴を除去する前記段階は、前記ウェーブレットデータから範囲外のデータを除去する段階を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
選択された望ましくない特徴を除去する前記段階は、前記ウェーブレットデータからカズン(cousin)記述子を除去する段階を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記特徴を選択する前記段階は、前記ウェーブレットデータから選択された望ましい特徴のみを保持する段階をさらに有する、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
選択された望ましい特徴のみを保持する前記段階は、
トレーニングデータセットを用いる段階と、
前記トレーニングセットのオーバートレーニングが存在しないことを確認するために妥当性検証データセット(validation data set)を用いる段階と、
をさらに有する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
選択された望ましい特徴のみを保持する前記段階は、
遺伝的アルゴリズムを用いて前記トレーニングデータセットから最適な特徴のサブセットを取得する段階と、
前記妥当性検証データセットの性能を評価するために前記遺伝的アルゴリズムを用いる段階と、
をさらに有する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
選択された望ましい特徴のみを保持する前記段階は、
前記特徴の予測される応答に関して、前記ウェーブレットデータからの前記特徴の感度を測定する段階と、
前記特徴からの他の高感度の特徴と比較して相対的に低い感度を有する低感度の特徴を前記特徴から除去する段階と、
をさらに有する、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記特徴を選択する前記段階は、
前記ウェーブレットデータから選択された望ましくない特徴を除去する段階と、
前記ウェーブレットデータから選択された望ましい特徴のみを保持する段階と、
をさらに有する、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
前記感知データを正規化する段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記感知データを正規化する前記段階は、前記感知データをマハラノビス(Mahalanobis)スケーリングする段階を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記カーネル変換のカーネルをセンタリングする段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記カーネルをセンタリングする前記段階は、
トレーニングデータカーネルの各列から列平均を減算する段階と、
テストデータカーネルをセンタリングする際に後のリコールのために前記列平均を保存する段階と、
前記トレーニングデータカーネルの各行から行平均を減算する段階と、
を有する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記カーネルをセンタリングする前記段階は、
前記保存された列平均を前記テストデータカーネルの各列に加算する段階と、
各行に対して前記テストデータカーネルの平均を算出する段階と、
前記行平均を前記テストデータカーネルの各水平エントリから減算する段階と、
をさらに有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
心拍記録データを分類する装置であって、
機械学習を用いて変換データを分類する前に、電磁的な心臓活動を感知するセンサから取得した感知データに対してカーネル変換を適用し、前記変換データを得る、コンピュータ制御の記憶装置、処理装置及びプログラムを有する装置。
【請求項39】
前記カーネル変換を適用する前に、ウェーブレット変換を用いて前記感知データをウェーブレットドメインに変換する、コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記感知データを患者の心臓に隣接した磁気センサから取得する入力をさらに有する、心磁図データ(magneto-cardiography data)を分類するための請求項38に記載の装置。
【請求項41】
前記感知データを患者の心臓に隣接した磁気センサから取得する入力をさらに有する、心磁図データを分類するための請求項39に記載の装置。
【請求項42】
機械学習を用いて前記変換データを分類するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項38に記載の装置。
【請求項43】
機械学習を用いて前記変換データを分類するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項39に記載の装置。
【請求項44】
機械学習を用いて前記変換データを分類するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項40に記載の装置。
【請求項45】
機械学習を用いて前記変換データを分類するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項41に記載の装置。
【請求項46】
カーネル変換がMercer条件を満たす、請求項38に記載の装置。
【請求項47】
前記カーネル変換がラジアル基底関数を有する、請求項38に記載の装置。
【請求項48】
カーネル変換を適用する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、
前記変換データをニューラルネットワークの第1の隠れ層に割当て、
トレーニングデータ記述子(ディスクリプタ)を前記ニューラルネットワークの前記第1の隠れ層の重みとして適用し、
前記ニューラルネットワークの第2の隠れ層の重みを数値的に算出する、
コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項38に記載の装置。
【請求項49】
前記第2の隠れ層の前記重みを数値的に算出する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、前記第2の隠れ層の前記重みをカーネルリッジ回帰を用いて算出するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
カーネル変換を適用する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、直接カーネル変換を適用するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項38に記載の装置。
【請求項51】
自己組織化マップ(SOM)を用いて前記変換データを分類するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項38に記載の装置。
【請求項52】
直接カーネル自己組織化マップ(DK−SOM)を用いて前記変換データを分類するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項38に記載の装置。
【請求項53】
カーネル部分最小二乗(K−PLS)機械学習を用いて前記変換データを分類するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項38に記載の装置。
【請求項54】
直接カーネル部分最小二乗(DK−PLS)機械学習を用いて前記変換データを分類するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項38に記載の装置。
【請求項55】
最小二乗サポートベクトルマシン(LS−SVM)を用いて前記変換データを分類するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項38に記載の装置。
【請求項56】
直接カーネル主成分分析(DK−PCA)を用いて前記変換データを分類するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項38に記載の装置。
【請求項57】
サポートベクトルマシン(SVM/SVMLib)を用いて前記変換データを分類するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項38に記載の装置。
【請求項58】
サポートベクトルマシン(SVM/SVMLib)を用いて前記変換データを分類する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、
n元のデータカーネルに対してSVMLib正則化(regularization)パラメータCをC=1/λに設定するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに含み、
ここで前記λが前記nの(3/2)乗に比例する、請求項57に記載の装置。
【請求項59】
サポートベクトルマシン(SVM/SVMLib)変換を用いて前記変換データを分類する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、
n元のデータカーネルに対してSVMLib正則化パラメータCをC=1/λに設定するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに含み、
ここで、
【数2】

である、請求項57に記載の装置。
【請求項60】
前記感知データをウェーブレットドメインに変換する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、Daubechiesウェーブレット変換を前記感知データに適用するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムを有する、請求項39に記載の装置。
【請求項61】
前記心拍記録データの分類を改善する特徴(features)を前記ウェーブレットデータから選択するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項39に記載の装置。
【請求項62】
前記特徴を選択する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、前記ウェーブレットデータから選択された望ましくない特徴を除去するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項61に記載の装置。
【請求項63】
選択された望ましくない特徴を除去する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、前記ウェーブレットデータから範囲外のデータを除去するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムを有する、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
選択された望ましくない特徴を除去する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、前記ウェーブレットデータからカズン(cousin)記述子を除去するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムを有する、請求項62に記載の装置。
【請求項65】
前記特徴を選択する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、前記ウェーブレットデータから選択された望ましい特徴のみを保持するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項61に記載の装置。
【請求項66】
前記選択された望ましい特徴のみを保持する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、
トレーニングデータセットを使用し、
前記トレーニングセットのオーバートレーニングが存在しないことを確認するために妥当性検証データセット(validation data set)を使用する、
コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
選択された望ましい特徴のみを保持する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、
遺伝的アルゴリズムを用いて前記トレーニングデータセットから最適な特徴のサブセットを取得し、
前記妥当性検証データセットの性能を評価するために前記遺伝的アルゴリズムを用いる、
コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項66に記載の装置。
【請求項68】
選択された望ましい特徴のみを保持する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、
前記特徴の予測される応答に関して、前記ウェーブレットデータからの前記特徴の感度を測定し、
前記特徴からの他の高感度の特徴と比較して相対的に低い感度を有する低感度の特徴を前記特徴から除去する、
コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項66に記載の装置。
【請求項69】
前記特徴を選択する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、
前記ウェーブレットデータから選択された望ましくない特徴を除去し、
前記ウェーブレットデータから選択された望ましい特徴のみを保持する、
コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項61に記載の装置。
【請求項70】
前記感知データを正規化するコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項38に記載の装置。
【請求項71】
前記感知データを正規化する前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、前記感知データをマハラノビス(Mahalanobis)スケーリングするコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムを有する、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
前記カーネル変換のカーネルをセンタリングするコンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項38に記載の装置。
【請求項73】
前記カーネルをセンタリングする前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、
トレーニングデータカーネルの各列から列平均を減算し、
テストデータカーネルをセンタリングする際に後のリコールのために前記列平均を保存し、
前記トレーニングデータカーネルの各行から行平均を減算する、
コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムを有する、請求項72に記載の装置。
【請求項74】
前記カーネルをセンタリングする前記コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムは、
前記保存された列平均を前記テストデータカーネルの各列に加算し、
各行に対して前記テストデータカーネルの平均を算出し、
前記行平均を前記テストデータカーネルの各水平エントリから減算する、
コンピュータ制御の記憶装置、処理装置、及びプログラムをさらに有する、請求項73に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−527266(P2007−527266A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518791(P2006−518791)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/021307
【国際公開番号】WO2005/002313
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ペンティアム
【出願人】(504110823)カーディオマグ イメージング、 インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】CARDIOMAG IMAGING, INC.
【Fターム(参考)】