説明

心電計

【課題】心電計において、被験者の身体の一部分が誘導電極の各々に接触していることを検知可能とすること。
【解決手段】被験者Hmの心電波形を生成する心電計1であって、誘導電極ER,ELと、それら誘導電極ER,ELに、心電波形として被験者Hmから検出される信号の周波数よりも高い周波数であり、かつ想定電位よりも電位が高い上に、互いの電位が異なる検知信号SDr,SDlを入力する検知信号入力系40と、誘導電極ER,ELそれぞれを介して入力される信号Sr,Slの差分を表す差分信号Sdを導出する差分増幅器10と、差分信号Sdに基づいて、ステアリングホイールSWの把持状態を表す把持信号Sgを生成する把持検出回路20とを備えている。心電計1では、誘導電極ER,ELに対する被験者Hmの身体の接触態様(即ち、ステアリングホイールSWの把持状態)に応じて、差分信号Sdの電位が異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心電計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の運転者(以下、被験者とも称す)の心電波形を自動車内で測定することを目的として、ステアリングホイールに設けられた、少なくとも2つの誘導電極間に生じた電位差を計測して心電波形を測定する心電計が知られている。
【0003】
このような心電計を用いて、被験者の心電波形を正確に測定するためには、被験者の身体の一部分が誘導電極の各々に接触していることを、心電計自体が認識する必要がある。
この被験者の身体の一部分が誘導電極の各々に接触していることを心電計自体が認識する方法として、心電波形を模擬し、かつ所定の信号レベルよりも信号レベルの高い信号(以下、疑似ノイズ信号と称す)を、誘導電極の1つに印加することが考えられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
すなわち、特許文献1に記載の方法を適用した車載用心電計(以下、想定心電計と称す)100として、図8(A)に示すように、ステアリングホイールSWにおいて左右それぞれの手にて把持される部位に設けられた第一誘導電極ER及び第二誘導電極ELと、第一誘導電極ER及び第二誘導電極ELそれぞれと対をなす不関電極IR,ILとを備え、第二誘導電極ERに疑似ノイズ信号Snを印加するものが考えられる。この想定心電計100においては、図8(B)に示すように、第一誘導電極ERから入力された信号と第二誘導電極ELから入力された信号との電位差を導出する差分増幅回路101と、フィルタ102を通過した差分増幅回路101の出力を増幅する増幅器103とを備えている。
【0005】
このような想定心電計100では、ステアリングホイールSWが把持されていなければ、第一誘導電極ERと第二誘導電極ELとの間のインピーダンスが無限大となり、増幅器103からの出力が、疑似ノイズ信号Snの信号レベルに対応する値となる。一方、ステアリングホイールSWが左右両手で把持されると、第一誘導電極ERと第二誘導電極ELとの間のインピーダンスが小さくなり、増幅器103からの出力が、疑似ノイズ信号Snの信号レベルに対応する値よりも低くなる。この結果、想定心電計100においては、ステアリングホイールSWが左右両手で把持されたか否かを検出できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3906703号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ステアリングホイールSWを左手のみで把持した場合、想定心電計100では、増幅器103からの出力が、疑似ノイズ信号Snの信号レベルに対応する値よりも低くなり、ステアリングホイールSWが左右両手で把持されたものと誤検出してしまうという問題が生じる。
【0008】
つまり、想定心電計100では、被験者の身体の一部分が誘導電極ER,ELの各々に接触していることを心電計自体にて検知することが困難であるという問題が生じる。
そこで、本発明は、心電計において、被験者の身体の一部分が誘導電極の各々に接触していることを検知可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明は、被験者の心電波形を測定する心電計に関する。
本発明の心電計は、入力された信号を誘導する第一誘導電極及び第二誘導電極と、第一誘導電極及び第二誘導電極のそれぞれと対をなすように近接して配置される不関電極としての第一基準電極及び第二基準電極とを備える。さらに、本発明の心電計では、信号差分導出手段が、第一誘導電極からの信号と、第二誘導電極からの信号との電位差である信号差分を導出し、その導出した信号差分に基づいて、心電検出手段が、被験者の心電波形を検出する。
【0010】
ただし、本発明の心電計では、信号印加手段が、心電波形とは異なる態様を有した第一信号を第一誘導電極に印加すると共に、心電波形とは異なる態様を有し、かつ第一信号とは異なる態様の第二信号を第二誘導電極に印加し、信号差分導出手段で導出された信号差分に基づいて、接触検知手段が、第一誘導電極及び第二誘導電極への被験者の接触の状態を検知する。
【0011】
なお、ここでいう第一誘導電極,及び第二誘導電極は、入力される信号を誘導する電極であり、例えば、抵抗結合によって入力される信号を誘導する電極や、容量結合によって入力される信号を誘導する電極を含むものである。また、ここでいう第一基準電極及び第二基準電極の各々が第一誘導電極及び第二誘導電極に近接して配置されるとは、被験者の身体が第一誘導電極及び第二誘導電極の少なくともいずれか一方に接触する際に、その接触する第一誘導電極及び第二誘導電極と対をなす第一基準電極及び第二基準電極の一方にも接触するように配置されていることであり、例えば、ステアリングホイールにおいて、第一基準電極と第一誘導電極とが隣接して、第二基準電極と第二誘導電極とが隣接して配置されることを含む。
【0012】
さらに、ここでいう心電波形とは、人の心臓の拍動を引き起こす電気的信号であり、心電位が周期的かつパルス状に変化する電気的信号である。具体的には、一回の拍動で、いわゆる「P波」,「Q波」,「R波」,「S波」,「T波」などを1つのサイクルとした信号である。
【0013】
このような心電計では、被験者の身体の一部が第一誘導電極及び第二誘導電極に接触すると、被験者の身体を介して、第一誘導電極と第一基準電極とが、第二誘導電極と第二基準電極とが電気的に接続される。このとき、第一誘導電極と第一基準電極との間、及び第二誘導電極と第二基準電極との間のインピーダンスが小さなものとなり、信号差分は心電波形となる。
【0014】
一方、被験者の身体の一部が、第一誘導電極及び第二誘導電極のいずれにも接触していなければ、第一誘導電極と第一基準電極とが、第二誘導電極と第二基準電極とが電気的に接続されておらず、第一誘導電極と第一基準電極との間、及び第二誘導電極と第二基準電極との間のインピーダンスが無限大に維持される。この結果、信号差分は、第一信号に対応する電位と第二信号に対応する電位との電位差となる。
【0015】
さらに、被験者の身体の一部が第一誘導電極にのみに接触すると、第一誘導電極と第一基準電極との間のインピーダンスのみが小さくなり、第二誘導電極と第二基準電極との間のインピーダンスは無限大に維持される。このため、信号差分は第二信号に対応する電位となる。
【0016】
そして、被験者の身体の一部が第二誘導電極にのみに接触すると、第一誘導電極と第一基準電極との間のインピーダンスは無限大に維持され、第二誘導電極と第二基準電極との間のインピーダンスのみが小さくなる。このため、信号差分は第一信号に対応する電位となる。
【0017】
これらのことから、本発明の心電計によれば、第一誘導電極及び第二誘導電極に対する被験者の接触状態によって、信号差分導出手段で導出された信号差分が異なるため、被験者の身体の一部分が誘導電極の各々に接触していることを検知できる。
【0018】
本発明において、信号印加手段は、少なくとも心電波形の電位として想定される想定電位よりも電位が高い信号を、第一信号及び第二信号としても良い(請求項2)。
このような心電計によれば、被験者の身体の一部分が誘導電極に接触しているのか接触していないのかを、信号差分から明確にすることができる。
【0019】
また、本発明の心電計において、信号印加手段は、心電波形の周波数として想定される周波数よりも高い周波数の信号を、第一信号及び第二信号としても良い(請求項3)。
このような信号を第一信号及び第二信号とすれば、心電波形の計測に対する影響を低減できる。
【0020】
本発明の心電計における信号印加手段は、時間軸に沿って電位がパルス状に変化する信号を、第一信号及び第二信号としても良い(請求項4)。
このような心電計であれば、第一信号及び第二信号を、例えば、周知のマイクロコンピュータにて簡易に生成することができ、当該マイクロコンピュータのI/Oポートなどから出力することができる。
【0021】
本発明の心電計における信号印加手段は、第一信号と第二信号との位相が同一であり、かつ第二信号の電位を、第一信号の電位よりも低くすることを、第一信号とは異なる態様としても良い(請求項5)。
【0022】
このような心電計によれば、被験者の身体の一部が第一誘導電極にのみに接触する状況での信号差分と、被験者の身体の一部が第二誘導電極にのみに接触する状況での信号差分とは明確に相違するため、それぞれの状況を確実に検知できる。
【0023】
さらに、本発明の心電計における信号印加手段は、第二信号の位相を、第一信号の位相と相違させることを、第一信号とは異なる態様としても良い(請求項6)。
このような心電計によれば、被験者の身体の一部が第一誘導電極にのみに接触する状況での信号差分と、被験者の身体の一部が第二誘導電極にのみに接触する状況での信号差分とは明確に相違するため、各状況下であることを確実に検知できる。
【0024】
また、本発明の心電計における信号印加手段は、第二信号の周波数と第一信号の周波数とが異なることを、第一信号とは異なる態様としても良い(請求項7)。
このような心電計では、被験者の身体の一部が第一誘導電極にのみに接触する状況での信号差分と、被験者の身体の一部が第二誘導電極にのみに接触する状況での信号差分とは周波数が異なる。このため、接触検知手段が、信号差分の周波数を検出するように構成されていれば、それぞれの状況を検知できる。
【0025】
本発明の心電計において、第一誘導電極及び第二誘導電極と、信号印加手段との間には、コンデンサが設けられていても良い。この場合、信号印加手段は、第一信号及び第二信号を、コンデンサを介して第一誘導電極及び第二誘導電極に印加しても良い(請求項8)。
【0026】
このような心電計によれば、第一信号及び第二信号の出力能力を抑制することができる。
さらに、本発明の心電計において、第一誘導電極及び第二誘導電極と、信号印加手段との間には、保護抵抗が設けられていても良い。この場合、信号印加手段は、第一信号及び第二信号を、保護抵抗を介して第一誘導電極及び第二誘導電極に印加しても良い(請求項9)。
【0027】
このような心電計によれば、被験者の心電波形を計測する際の安全性をより向上させることができる。
また、本発明の心電計における心電検出手段は、接触検知手段にて、第一誘導電極及び第二誘導電極への被験者の接触を検知すると、被験者の心電波形を検出しても良い(請求項10)。
【0028】
このような心電計によれば、第一誘導電極及び第二誘導電極を介して入力される信号のノイズを心電波形として誤認識することを低減できる。
ところで、本発明の心電計では、第一誘導電極及び第二誘導電極と信号差分導出手段との間に、時定数設定手段が設けられ、当該時定数設定手段が、抵抗とコンデンサとが直列に接続されたCR回路の時定数を、入力された指令に従って設定し、接触検知手段にて、第一誘導電極及び第二誘導電極への被験者の接触を検知すると、指令出力手段が、時定数設定手段によるCR回路の時定数を短縮するように指令を出力しても良い(請求項11)。
【0029】
このような心電計によれば、第一誘導電極及び第二誘導電極に被験者の身体の一部が接触してから、被験者の電位と心電計の電位とが一致するまでに要する時間を短縮でき、この結果、心電波形の測定が開始されるまでに要する時間を短縮できる。
【0030】
さらに、本発明の心電計において、心電検出手段は、接触検知手段にて、第一誘導電極及び第二誘導電極への被験者の接触を検知したことを契機として、被験者の状態を表す生体情報の生成を実行しても良い(請求項12)。
【0031】
本発明の心電計は、生体情報を生成しても良い。この場合、被験者についてのより詳細な情報を取得できる。
ここでいう生体情報とは、少なくとも心拍数を含む情報であり、心電波形から生成可能な情報である。
【0032】
なお、本発明において、第一誘導電極及び第二誘導電極は、自動車のステアリングホイールや、シートに設置されていても良い(請求項13)。
このような心電計によれば、自動車の乗員は、心電波形の測定を意識しなくて良い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明が適用された心電計を構成する電極の設置位置を示す図である。
【図2】電極の設置位置を示す図である。
【図3】第一実施形態における心電計の構成を示す図である。
【図4】第二実施形態における心電計の構成を示す図である。
【図5】第二実施形態における心電計の動作を示すフローチャートである。
【図6】第二実施形態における心電計の効果を説明するグラフである。
【図7】心電計を構成する電極の設置位置の変形例を示す図である。
【図8】従来技術の心電計(想定心電計)について示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第一実施形態]
まず、図1,図2は、本発明が適用された心電計の一部を構成する電極群の設置位置を示す図である。図3は、本発明が適用された心電計の構成を示す図である。
【0035】
心電計1(図3参照)は、被験者Hmの心電波形を測定する装置であり、自動車に搭載される。なお、実施形態における被験者Hmは、運転席Dsに着座する人物(通常は、運転者)である。図3においては、被験者Hmの心臓90を、交流電源にて模式的に示した。
【0036】
なお、ここでいう心電波形とは、人の心臓の拍動を引き起こす電気的信号であり、心電位が周期的かつパルス状に変化する電気的信号である。具体的には、一回の拍動で、いわゆる「P波」,「Q波」,「R波」,「S波」,「T波」などを1つのサイクルとした信号である。
〈電極について〉
本発明が適用された心電計1は、図1に示すように、自動車に設けられたステアリングホイールSWに設置される電極群55を備えている。この電極群55は、図2に示すように、入力された信号を誘導する第一誘導電極ER、及び第二誘導電極ELと、不関電極としての第一基準電極IR、及び第二基準電極ILとを備えている。
【0037】
本実施形態においては、電極群55のうち、第一誘導電極ERと第一基準電極IRとが、ステアリングホイールSWにおいて右手で把持される部位に設けられており、電極群55のうち、第二誘導電極ELと第二基準電極ILとが、ステアリングホイールSWにおいて左手で把持される部位に設けられている。さらに、第一基準電極IRは、第一誘導電極ERと対をなし、被験者Hmの身体の一部分が第一誘導電極ERと共に接触するように、当該第一誘導電極ERに近接して配置されている。また、第二基準電極ILは、第二誘導電極ELと対をなし、被験者Hmの身体の一部分が第二誘導電極ELと共に接触するように、当該第二誘導電極ELに近接して配置されている。
〈主要部の構成について〉
次に、心電計1の主要部について、図3を参照して説明する。
【0038】
この心電計1は、電極群55に加えて、電極群55のうちの第一誘導電極ER及び第二誘導電極ELに、心電波形として被験者Hmから検出される信号の周波数よりも高い周波数の信号(以下、検知信号SDとする)を入力する検知信号入力系40と、第一誘導電極ERを介して入力される信号Srと第二誘導電極ELを介して入力される信号Slとの差分を表す差分信号Sdを導出する差分増幅器10とを備えている。
【0039】
さらに、心電計1は、差分増幅器10からの差分信号Sdに基づいて、被験者Hmの心電波形を生成する心電波形生成回路15と、差分増幅器10からの差分信号Sdに基づいて、ステアリングホイールSWの把持状態を表す把持信号Sgを生成する把持検出回路20とを備えている。さらには、心電計1は、把持信号Sgに基づいてステアリングホイールSWの把持状態を検出したり、心電波形に基づいて被験者Hmの状態を表す生体情報を生成するマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す)30と、マイコン30で生成した生体情報を報知する報知装置50とを備えている。
【0040】
このうち、報知装置50は、情報を報知する装置であり、情報を表示する表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)や、情報を音にて出力する音出力装置(例えば、スピーカ装置)を含む。
【0041】
このマイコン30は、電源を切断しても記憶内容を保持する必要のあるデータやプログラムを記憶するROMと、データを一時的に格納するRAMと、ROMまたはRAMに記憶されたプログラムに従って処理を実行するCPUとを少なくとも備えた周知のものである。さらに、マイコン30は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器31と、情報の入出力に使用するインターフェースであるI/Oポート32とを備えている。
【0042】
本実施形態において、マイコン30は、I/Oポート32を介して入力された把持信号Sgに基づいてステアリングホイールSWの把持状態を検出する把持判定部33と、A/D変換器31を介して入力された心電波形生成回路15からの信号に基づいて、被験者Hmの心電波形を生成する心電演算部34と、時間軸に沿って信号レベルがパルス状に変化する信号を検知信号SDとして、I/Oポート32を介して出力するPWM信号生成部35として機能する。なお、心電演算部34は、把持判定部33での判定の結果、ステアリングホイールSWが両手で把持されている場合に、心電波形を生体情報として生成して出力するように構成しても良い。さらには、心電演算部34は、心電波形に基づいて、被験者Hmの心拍数を少なくとも含む情報を生体情報として生成して出力するように構成しても良い。
【0043】
次に、検知信号入力系40は、第一誘導電極ERに検知信号SDの1つである第一検知信号SDrを入力する第一入力系41と、第二誘導電極ELに検知信号SDの1つである第二検知信号SDlを入力する第二入力系42とを備えている。
【0044】
このうち、第一入力系41は、第一分圧回路45と、カップリング回路5と、抵抗器R5とを備え、第一分圧回路45の一端がマイコン30のI/Oポート32に接続され、マイコン30のI/Oポート32に接続されていない第一分圧回路45の他端は、カップリング回路5に接続されている。さらに、カップリング回路5の第一分圧回路45に接続されていない他端は、抵抗器R5に接続され、抵抗器R5のカップリング回路5に接続されていない端部は、第一誘導電極ERに接続されている。
【0045】
そして、第一分圧回路45は、マイコン30からの検知信号SDの電位を、心電波形として一般的な被験者Hmから検出される信号の電位(以下、想定電位とする)よりも高い電位(以下、第一電位とする)とすることで、第一検知信号SDrを生成する回路である。カップリング回路5は、第一分圧回路45からの第一検知信号SDrに含まれる交流成分を通過する回路であり、コンデンサC5と、抵抗器R3とを備えたRC回路にて構成されている。抵抗器R5は、保護抵抗として機能する。
【0046】
つまり、第一入力系41によって、心電波形として被験者Hmから検出される信号の周波数よりも周波数が高く、かつ、想定電位よりも電位が高い信号が、第一検知信号SDrとして第一誘導電極ERに入力される。
【0047】
一方、第二入力系42は、第二分圧回路46と、カップリング回路6と、抵抗器R6とを備えている。これら第二分圧回路46と、カップリング回路6と、抵抗器R6との接続は、第一入力系41における第一分圧回路45と、カップリング回路5と、抵抗器R5との接続と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0048】
第二分圧回路46は、マイコン30からの検知信号SDの電位を、想定電位よりも電位が高く、かつ第一電位とは異なる電位(例えば、第一電位の整数倍ではない電位)とすることで、第二検知信号SDlを生成する回路である。カップリング回路6は、第二分圧回路46からの第二検知信号SDlに含まれる交流成分を通過する回路であり、コンデンサC6と、抵抗器R4とを備えたRC回路にて構成されている。抵抗器R6は、保護抵抗として機能する。
【0049】
つまり、第二入力系42によって、心電波形として被験者Hmから検出される信号の周波数よりも周波数が高く、かつ、想定電位よりも電位が高い上に、第一電位とは異なる電位の信号が、第二検知信号SDlとして第二誘導電極ELに入力される。
【0050】
次に、心電波形生成回路15は、差分増幅器10からの差分信号Sdに基づいて、被験者Hmの心電波形を生成する回路である。この心電波形生成回路15は、心電波形の周波数に相当する周波数(例えば、0.3〜35[Hz])の信号を通過するバンドパスフィルタ16と、バンドパスフィルタ16を通過した信号を増幅する増幅器17とを備えている。
【0051】
把持検出回路20は、差分増幅器10からの差分信号Sdに基づいて、ステアリングホイールSWの把持状態を表す把持信号Sgを生成する回路である。この把持検出回路20は、心電波形の周波数に相当する周波数(例えば、0.3〜35[Hz])よりも高い周波数(例えば、50[Hz]以上の周波数)の信号を通過するバンドパスフィルタ21(ハイパスフィルタでも良い)と、バンドパスフィルタ21を通過した信号を整流する整流回路22と、整流回路22にて整流された信号を増幅する増幅器23とを備えている。
【0052】
心電波形生成回路15におけるバンドパスフィルタ16と、把持検出回路20におけるバンドパスフィルタ21とでは、各フィルタ16,21を通過する信号の周波数帯域が異なる。
〈心電計の動作について〉
次に、心電計1の動作について説明する。
【0053】
まず、心電計1では、通常、第一誘導電極ERに第一検知信号SDrが、第二誘導電極ELに第二検知信号SDlが入力されている。
このとき、被験者Hmの身体の一部が、第一誘導電極ER及び第二誘導電極ELのいずれにも接触していなければ、第一誘導電極ER及び第二誘導電極ELの両方のインピーダンスが無限大であるため、差分増幅器10からの差分信号Sdの電位は、第一検知信号SDrの電位と第二検知信号SDlの電位との差分を増幅したものとなる。
【0054】
一方、被験者Hmの身体の一部が、第一誘導電極ER及び第二誘導電極ELのいずれか一方に接触すると、その接触した一方の誘導電極ERまたはELのインピーダンスが小さくなり、その接触した一方の誘導電極ERまたはELから差分増幅器10に入力される信号の電位は、「0」となる。よって、この場合、差分増幅器10からの差分信号Sdの電位は、被験者Hmの身体の一部が接触していない他方の第一誘導電極ER及び第二誘導電極ELから差分増幅器10に入力される信号の電位を増幅したものとなる。
【0055】
なお、被験者Hmの身体の一部が、第一誘導電極ER及び第二誘導電極ELの両方に接触すると、差分増幅器10からの差分信号Sdの電位は、被験者Hmの心電波形の電位を増幅したものとなる。
[第一実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の心電計1によれば、第一誘導電極ER及び第二誘導電極ELに対する被験者Hmの接触状態によって、差分増幅器10にて導出される差分信号Sdが異なる。このため、心電計1によれば、被験者Hmの身体の一部分が、第一誘導電極ER及び第二誘導電極ELの各々に接触していることを検知できる。
【0056】
また、本実施形態の心電計1では、検知信号SDの周波数が、心電波形として被験者Hmから検出される信号の周波数よりも高いため、心電波形と検知信号SDとをフィルタによって容易に切り分けられ、被験者Hmの心電波形の計測に対する影響を低減できる。
【0057】
そして、本実施形態における検知信号SDは、時間軸に沿って信号レベルがパルス状に変化するものであり、2つの分圧回路45,46によって第一検知信号SDrと第二検知信号SDlとが生成される。つまり、本実施形態の心電計1によれば、マイコン30や分圧回路45,46によって、第一検知信号SDrや第二検知信号SDlを容易に生成できる。
【0058】
また、心電計1では、第一誘導電極ER,第二誘導電極ELにカップリング回路5,6を介して第一検知信号SDr,第二検知信号SDlを入力している。このため、心電計1によれば、第一検知信号SDr,第二検知信号SDlの出力能力を抑制することができる。
【0059】
この結果、第一誘導電極ER及び第二誘導電極ELのうちの少なくとも一方に、被験者Hmの身体の一部が接触したときに、電位をより確実に“0”に近づけることができ、心電波形の検知性能を向上させることができる。
【0060】
さらに、心電計1によれば、第一検知信号SDr,第二検知信号SDlを抵抗器R5,R6を介して第一誘導電極ER,第二誘導電極ELに入力しているため、被験者Hmの心電波形をより安全に測定することができる。
【0061】
なお、本実施形態の心電計1によれば、ステアリングホイールSWに誘導電極ER,ELが設けられ、ステアリングホイールSWを把持するだけで心電波形を計測できるため、自動車の乗員は、心電波形の測定を意識する必要がない。
【0062】
さらには、本実施形態の心電計1によれば、心電波形生成回路15におけるバンドパスフィルタ16を通過する信号と、把持検出回路20におけるバンドパスフィルタ21を通過する信号との周波数帯域が異なるため、心電波形と、把持信号とを精度良く検知できる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
【0063】
本実施形態では、第一実施形態の心電計1とは異なる構成を中心に説明し、第一実施形態の心電計1と同様の構成については、同一の符合を付して説明を省略する。
〈主要部の構成について〉
ここで、図4は、本実施形態における心電計の構成を示す図である。
【0064】
本実施形態における心電計60は、電極群55に加えて、検知信号入力系40と、差分増幅器10と、心電波形生成回路15と、把持検出回路20と、マイコン30と、報知装置50と、被験者Hmの身体の一部と当該心電計60とを等電位とする時定数回路7,8とを備えている。
【0065】
時定数回路7は、第一誘導電極ERと差分増幅器10との間に設けられた回路であり、コンデンサC7と、コンデンサC7と直列に接続された抵抗器R7とを備えたCR回路を中心に構成されている。その時定数回路7は、抵抗器R7の抵抗値よりも抵抗値が小さい抵抗器R9と、その抵抗器R9に直列に接続されたスイッチS7とを備えている。
【0066】
また、時定数回路8は、第二誘導電極ELと差分増幅器10との間に設けられた回路であり、時定数回路7と同様、コンデンサC8と、コンデンサC8と直列に接続された抵抗器R8と、抵抗器R8の抵抗値よりも抵抗値が小さい抵抗器R10と、その抵抗器R10に直列に接続されたスイッチS8とを備えている。
【0067】
なお、マイコン30は、時定数回路7のスイッチS7及び時定数回路8のスイッチS8をオンする時定数制御信号Shを、I/Oポート32を介して出力する時定数制御部36として機能する。なお、時定数制御部36は、把持判定部33にて、ステアリングホイールSWが両手で把持されたものと判定されると、時定数制御信号Shを出力する。
〈心電計の動作について〉
次に、本実施形態の心電計60の動作について説明する。
【0068】
ここで、図5は、心電計60におけるマイコン30の動作を示すフローチャートである。
心電計60におけるマイコン30は、起動されると、図5に示すように、把持検出回路20からの把持信号Sgを取得し(S110)、把持信号Sgによって表されるステアリングホイールSWの把持状態が変化したか否かを判定する(S120)。
【0069】
このS120での判定の結果、把持状態が変化していなければ(S120:NO)、把持状態が変化するまで待機し、把持状態が変化すれば(S120:YES)、S130へと移行する。そのS130では、把持状態の変化の態様が、ステアリングホイールSWを両手で把持している状態から非把持である状態へと変化したか、ステアリングホイールSWを非把持である状態から両手で把持している状態へと変化したかを判定する。なお、ここでいう非把持とは、ステアリングホイールSWを片手で把持している状態、ステアリングホイールSWを左右いずれの手でも把持していない状態を含む。
【0070】
このS130での判定の結果、ステアリングホイールSWを両手で把持から非把持へと変化していれば、S110へと戻り、ステアリングホイールが両手で把持されるまで待機する。一方、S130での判定の結果、ステアリングホイールSWを非把持から両手で把持へと変化していれば、時定数制御信号Shの出力を開始する(S140)。
【0071】
続いて、予め規定された規定時間が、時定数制御信号Shの出力を開始してから経過したか否かを判定し(S150)、判定の結果、規定時間が経過していなければ(S150:NO)、経過するまで待機する。一方、規定時間が経過していれば(S150:YES)、時定数制御信号Shの出力を停止し(S160)、S110へと戻る。
【0072】
本実施形態においては、図5に示すフローチャートに従って動作することで得られる機能が、把持判定部33にて得られる機能、及び時定数制御部36にて得られる機能に相当する。
[第二実施形態の効果]
ここで、図6は、把持判定部33にて、ステアリングホイールSWが両手で把持されたことを検出してから、被験者Hmの心電波形の測定を開始するまでに要する時間を、本実施形態における心電計60と第一実施形態の心電計1との双方について示したグラフである。
【0073】
ただし、図6において、“Touch信号”が、把持信号Sgに相当し、その“Touch信号”が変化するタイミングが、ステアリングホイールSWが両手で把持されたことを検出したタイミングに相当する。また、図6において、“時定数制御なし”が、第一実施形態の心電計1における結果を、“時定数制御あり”が、本実施形態の心電計60における結果を表すものである。
【0074】
この図6に示すように、本実施形態の心電計60によれば、第一実施形態の心電計1に比べて、ステアリングホイールSWを両手で把持した時点から、被験者Hmの心電波形の計測を開始するまでに要する時間を短縮できる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0075】
上記実施形態では、第一検知信号SDrと第二検知信号SDlとは、同一の周波数であり、かつそれぞれの電位が異なるものであったが、第一検知信号SDrと第二検知信号SDlとは、これに限るものではなく、ステアリングホイールSWの把持状態を、ステアリングホイールSWを両手で把持している状態と、ステアリングホイールSWを左右のいずれかの手で把持している状態と、ステアリングホイールSWを把持していない状態とで切り分けて検知可能であれば、どのような信号でも良い。
【0076】
これを実現するための第一検知信号SDrと第二検知信号SDlとしては、例えば、第一検知信号SDrと第二検知信号SDlとの間で、位相を相違させる(例えば、180度未満ずらす)ことが考えられる。この場合、信号の位相を相違(遅延)させる信号遅延回路を、第一入力系41及び第二入力系42のいずれかに設ける必要がある。
【0077】
また、上述した把持状態の検知を実現するために、第一検知信号SDrと第二検知信号SDlとの周波数を相違させることも考えられる。この場合、検知信号SDを出力するPWM信号生成部35を、第一検知信号SDrと第二検知信号SDlとのそれぞれについて設けた上で、把持判定を実施するための回路を、第一検知信号SDrと第二検知信号SDlとのそれぞれに対して設ける必要がある。
【0078】
上記実施形態では、第一誘導電極ER,第二誘導電極EL、第一基準電極IR、及び第二基準電極ILの全てを、ステアリングホイールSWに設置していたが、第一誘導電極ER,第二誘導電極EL、第一基準電極IR、及び第二基準電極ILの設置位置は、ステアリングホイールSWに限るものではない。
【0079】
例えば、図7(A)に示すように、第一誘導電極ER,第二誘導電極EL、第一基準電極IR、及び第二基準電極ILの全てを、自動車における運転席Dsのシート内部に設けて良い。さらには、図7(B)に示すように、第一誘導電極ER,及び第二誘導電極ELを、自動車における運転席Dsのシート内部に設け、第一基準電極IR、及び第二基準電極ILを、ステアリングホイールSWに設けて良い。
【0080】
つまり、第一誘導電極ER,第二誘導電極EL、第一基準電極IR、及び第二基準電極ILは、被験者Hmが心電波形の計測に適した状態であることを、心電計1,60が検知可能であれば、どの位置に配置されていても良い。
【0081】
なお、第一誘導電極ER,第二誘導電極EL、第一基準電極IR、及び第二基準電極ILは、抵抗結合によって入力される信号を誘導する電極に限るものではなく、容量結合によって入力される信号を誘導する電極であっても良い。
[実施形態と特許請求の範囲との対応関係]
最後に、上記実施形態の記載と、特許請求の範囲の記載との関係を説明する。
【0082】
上記実施形態における差分増幅器10が、特許請求の範囲の記載における信号差分導出手段に相当し、心電波形生成回路15及び心電演算部34が、特許請求の範囲の記載における心電検出手段に相当し、PWM生成部35及び検知信号入力系40が、特許請求の範囲の記載における信号印加手段に相当し、把持検出回路20及び把持判定部33が、特許請求の範囲の記載における接触検知手段に相当する。
【0083】
さらに、上記第二実施形態における時定数回路7,8が、特許請求の範囲の記載における時定数設定手段に相当し、時定数制御部36が、特許請求の範囲の記載における指令出力手段に相当する。
【符号の説明】
【0084】
1…心電計 5,6…カップリング回路 7,8…時定数回路 10…差分増幅器 15…心電波形生成回路 16…バンドパスフィルタ 17…増幅器 20…把持検出回路 21…バンドパスフィルタ 22…整流回路 23…増幅器 30…マイコン 31…A/D変換器 32…I/Oポート 33…把持判定部 34…心電演算部 35…PWM信号生成部 36…時定数制御部 40…検知信号入力系 41…第一入力系 42…第二入力系 45,46…第一分圧回路,第二分圧回路 50…報知装置 55…電極群 60…心電計 C5〜C8…コンデンサ Ds…運転席 ER,EL…第一誘導電極,第二誘導電極 Hm…被験者 IR,IL…第一基準電極,第二基準電極 R3〜R10…抵抗器 S7,8…スイッチ SD…検知信号 SDr,SDl…第一検知信号,第二検知信号 SW…ステアリングホイール Sd…差分信号 Sg…把持信号 Sh…時定数制御信号 Sl,Sr…信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された信号を誘導する第一誘導電極及び第二誘導電極と、
前記第一誘導電極及び前記第二誘導電極のそれぞれと対をなすように近接して配置される不関電極としての第一基準電極及び第二基準電極と、
前記第一誘導電極からの信号と、前記第二誘導電極からの信号との電位差である信号差分を導出する信号差分導出手段と、
前記信号差分導出手段にて導出した信号差分に基づいて、被験者の心電波形を検出する心電検出手段と
を備えた心電計であって、
心電波形とは異なる態様を有した第一信号を前記第一誘導電極に印加すると共に、心電波形とは異なる態様を有し、かつ前記第一信号とは異なる態様の第二信号を前記第二誘導電極に印加する信号印加手段と、
前記信号差分導出手段で導出された信号差分に基づいて、前記第一誘導電極及び前記第二誘導電極への被験者の接触の状態を検知する接触検知手段と
を備えることを特徴とする心電計。
【請求項2】
前記信号印加手段は、
少なくとも心電波形の電位として想定される想定電位よりも電位が高い信号を、前記第一信号及び前記第二信号とする
ことを特徴とする請求項1に記載の心電計。
【請求項3】
前記信号印加手段は、
前記心電波形の周波数として想定される周波数よりも高い周波数の信号を、前記第一信号及び前記第二信号とする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の心電計。
【請求項4】
前記信号印加手段は、
時間軸に沿って電位がパルス状に変化する信号を、前記第一信号及び第二信号とする
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の心電計。
【請求項5】
前記信号印加手段は、
前記第一信号と前記第二信号との位相が同一であり、かつ前記第二信号の電位を、前記第一信号の電位よりも低くすることを、前記第一信号とは異なる態様とする
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の心電計。
【請求項6】
前記信号印加手段は、
前記第二信号の位相を、前記第一信号の位相と相違させることを、前記第一信号とは異なる態様とする
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の心電計。
【請求項7】
前記信号印加手段は、
前記第二信号の周波数と前記第一信号の周波数とが異なることを、前記第一信号とは異なる態様とする
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の心電計。
【請求項8】
前記第一誘導電極及び前記第二誘導電極と、前記信号印加手段との間には、コンデンサが設けられ、
前記信号印加手段は、
前記第一信号及び前記第二信号を、前記コンデンサを介して前記第一誘導電極及び前記第二誘導電極に印加する
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の心電計。
【請求項9】
前記第一誘導電極及び前記第二誘導電極と、前記信号印加手段との間には、保護抵抗が設けられ、
前記信号印加手段は、
前記第一信号及び前記第二信号を、前記保護抵抗を介して前記第一誘導電極及び前記第二誘導電極に印加する
ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の心電計。
【請求項10】
前記心電検出手段は、
前記接触検知手段にて、前記第一誘導電極及び前記第二誘導電極への被験者の接触を検知すると、前記被験者の心電波形を検出する
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の心電計。
【請求項11】
前記第一誘導電極及び前記第二誘導電極と前記信号差分導出手段との間に設けられ、抵抗とコンデンサとが直列に接続されたCR回路の時定数を、入力された指令に従って設定する時定数設定手段と、
前記接触検知手段にて、前記第一誘導電極及び前記第二誘導電極への被験者の接触を検知すると、前記時定数設定手段が、前記CR回路の時定数を短縮するように指令を出力する指令出力手段と
を備えることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の心電計。
【請求項12】
前記心電検出手段は、
前記接触検知手段にて、前記第一誘導電極及び前記第二誘導電極への被験者の接触を検知したことを契機として、前記被験者の状態を表す生体情報の生成を実行する
ことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の心電計。
【請求項13】
前記第一誘導電極及び前記第二誘導電極は、
自動車のステアリングホイールまたはシートに設置されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の心電計。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−52138(P2013−52138A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192920(P2011−192920)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】