説明

応力感応素子を有する半導体構造、および半導体構造内の応力を測定するための方法

半導体構造は、応力感応素子を有する。応力感応素子の特性は、半導体構造(100)の応力を表している。更に、半導体構造は電気素子(110)を有しうる。応力感応素子と電気素子は、共通の層構造(107)の一部を有する。分析部は、半導体構造(100)内の応力を表している応力感応素子の特性と、電気素子(110)の特性とを決定するように適合されうる。応力感応素子が特性され、決定された応力感応素子の特性に基づいて製造プロセスが変更されうる。電気素子への応力の影響を調べるために、電気素子(110)の特性が、応力感応素子の特性に関連付けられうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスの製造の分野に関し、より詳細には、半導体構造内の応力の測定に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、例えばトランジスタ、コンデンサ、抵抗器などの個々の回路素子を数多く有する。これらの素子は、導電ラインを介して内部的に接続され、メモリデバイス、論理素子、およびマイクロプロセッサなどの複雑な回路を形成している。集積回路の性能を改善するには、フィーチャサイズを縮小する必要がある。信号の伝達時間が短縮されたことで動作速度が高速化したことに加えて、フィーチャサイズの縮小により、回路の機能を拡張するために、回路内の機能要素の個数を増やすことが可能となる。今日、高性能の半導体構造は、フィーチャのサイズが0.1μm以下のことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
回路素子、導電ラインなどの構造要素のサイズが微細化すると、応力の影響がますます重要となる。導電ラインは、通常、層間絶縁膜内に埋め込まれている。層間絶縁膜中に応力が発生すると、導電ラインと、層間絶縁膜および/またはそれらの接続先の構造要素(他の導電ラインや回路素子など)の間の機械的接続が弱まることがある。これが集積回路の安定性に悪影響を与え、導電ライン間の接触抵抗の上昇を引き起こす。接触抵抗の上昇は、集積回路の機能に悪影響を与えると共に、過剰の発熱により、回路が急速に劣化することがある。また、応力のため、導電ラインが、その接続先の構造要素から剥がれてしまい、その結果、集積回路の不良が発生することがある。
【0004】
層間絶縁膜が、寄生容量による信号の伝達遅れを低減させるために用いられるlow−k材料を含む場合、層間絶縁膜の応力は、特に不都合となりうる。このような材料は結合力が比較的弱いため、応力が原因で、クラックが発生したり、導電ラインが層間絶縁膜から剥がれたりすることがある。
【0005】
逆に、応力は、回路素子の性能を向上させるために、意図的に利用することができる。半導体材料の引張応力または圧縮応力は、電子および正孔の移動度を変えることができる。引張応力を生じさせると電子の移動度が増加し、引張応力の大きさによって異なるが、最高20%の増加を得ることができ、これが直接、電気伝導度の増加につながる。応力によって誘起される電子の移動度の増加は、チャネル領域内の電荷キャリアの移動度を上げることによって、N型電界効果トランジスタの性能を向上させるために使用することができる。これに対し、P型電界効果トランジスタのチャネル領域内の圧縮応力は、正孔の移動度を増加させ、これをトランジスタの性能を向上させるために使用することができる。
【0006】
トランジスタのチャネル領域内で引張応力または圧縮応力を生じさせるため、例えば、チャネル領域またはその下にシリコン/ゲルマニウム層またはシリコン/カーボン層を挿入することが提案されている。別法では、歪スペーサ層を堆積し、歪スペーサ層をエッチングして、引張応力または圧縮応力を有するスペーサ要素をゲート電極の近くに形成することによって、チャネル領域内に応力を発生させることができる。
【0007】
このため、集積回路内の応力は、回路の性能に著しく影響する可能性がある。このため、半導体構造内の応力の測定は、集積回路の設計またはその構造要素において重要となりうる。
【0008】
以下に、現行技術による、半導体構造内の応力を測定するための方法について記載する。通常、基板の表面をスタイラスによってスキャンするのに適した機器であるプロファイラ(プロフィルメータ)を使用して、基板の曲率を測定する。その後、基板に材料の層が堆積される。材料の層の堆積によって応力が生じると、基板が湾曲する。このため、基板の曲率が変わる。層を堆積した後に、基板の曲率を再度測定する。その後、弾性理論によって導出された式を用いて、層の堆積の前後に測定した曲率から、膜内の応力が計算される。
【0009】
従来の方法による、半導体構造内の応力の測定に関する問題の1つに、応力の計算に基板の厚さが入るという点がある。基板が厚くなるに従い、所定の応力を受けて生じる曲率の変化が小さくなるため、測定の感度が低下してしまう。一方、薄い基板は重力によって容易に変形し、これも測定の精度に悪影響を与えることがある。
【0010】
従来の方法による、半導体構造内の応力の測定に関する別の問題に、基板の曲率を、多くても数センチメートルの範囲にわたって測定しなければならず、その結果、基板および/または堆積された層が不均一であると、測定結果の誤差が生じることがあるという点がある。
【0011】
従来の方法による、半導体構造内の応力の測定に関する更に別の問題に、第1の材料と第2の材料の間の応力を測定するために、これらの材料の一方からなる基板を用意するという点がある。これにより、特に材料が非常に高価であるか、測定のために処理するのが困難であるか、この両方の場合に、測定プロセスのコストが著しく増大することがある。
【0012】
従来の方法による、半導体構造内の応力の測定に関する更に別の問題に、半導体構造の処理中に、その場(in-situ)で測定を実行することができない点がある。
【0013】
上述の問題を鑑みて、半導体構造内の応力の精密な測定を可能にするシステムおよび方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以下では、本発明の一部の態様の基本を理解できるように、発明の概要を説明する。この概要は、本発明の全てを概観するものではない。本発明の主要または重要な要素を特定したり、本発明の範囲を詳細に記載することを意図するものでもない。その唯一の目的は、後述する詳細な説明に先だって、概念の一部を簡潔に示すことにある。
【0015】
本発明の説明のための実施形態によれば、半導体構造は応力感応素子を有する。応力感応素子の特性は、半導体構造内の応力状態を表している。更に、半導体構造は、電気素子を有する。応力感応素子と電気素子は、共通の層構造の一部を有する。
【0016】
本発明の別の説明のための実施形態によれば、半導体構造内の応力を測定するためのシステムは、半導体構造に形成された応力感応素子と、半導体構造に形成された電気素子と、を有する。応力感応素子と電気素子は、共通の層構造の一部を有する。このシステムは、半導体構造内の応力状態を表している応力感応素子の特性を決定するように適合された第1の分析部と、電気素子の特性を決定するように適合された第2の分析部と、を有する。
【0017】
本発明の更に別の説明のための実施形態によれば、半導体構造内の応力を測定するためのシステムは、半導体構造に形成された応力感応素子と、分析部と、を有する。分析部は、光源および光検出器を有する。分析部は、半導体構造内の応力状態を表している応力感応素子の特性を決定するように適合されている。
【0018】
本発明の更に別の説明のための実施形態によれば、半導体構造の製造プロセスを調整するための方法は、製造プロセスによって第1の半導体構造を形成するステップを有する。更に、この方法は、第1の半導体構造に応力感応素子を形成するステップを有する。応力感応素子の特性が決定される。この特性は、第1の半導体構造内の応力状態を表している。決定された応力感応素子の特性に基づいて製造プロセスが変更される。変更された製造プロセスによって第2の半導体構造が形成され、第2の半導体構造に電気素子が形成される。
【0019】
本発明の更に別の説明のための実施形態によれば、半導体構造の電気素子への応力の影響を調べるための方法は、半導体構造に応力感応素子を形成するステップと、半導体構造に電気素子を形成するステップと、を有する。応力感応素子の特性が決定される。この特性は、半導体構造内の応力状態を表している。電気素子の特性が決定される。電気素子の特性が応力感応素子の特性に関連付けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
添付の図面と併せて下記の説明を読めば、本発明が理解されるであろう。添付の図面においては、同一の参照符号は同じ要素を参照している。
【0021】
本発明は、種々の変形および代替形態を取り得るが、その特定の実施形態が、図面に例として図示され、ここに詳細に記載されているに過ぎない。しかし、この特定の実施形態の詳細な説明は、本発明を開示した特定の形態に限定することを意図するものではなく、反対に、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨ならびに範囲に含まれる全ての変形例、均等物および代替例を含むことを理解すべきである。
【0022】
本発明の例示的な実施形態を下記に記載する。簡潔を期すために、実際の実装の特徴を全て本明細書に記載することはしない。当然、実際の実施形態の開発においては、システム上の制約およびビジネス上の制約に適合させるなど、開発の具体的な目的を達成するために、実装に固有の判断が数多く必要とされ、これは実装によって変わるということが理解される。更に、この種の開発作業は複雑かつ時間がかかるものであるが、本開示の利益を受ける当業者に日常的な作業であるということが理解されよう。
【0023】
添付の図面を参照して本発明を説明する。説明のみを目的として、当業者に知られている細かい点を説明して本発明をわかりにくくすることのないように、さまざまな構造、システムおよびデバイスが、図面で模式的に示されている。それにも関わらず、本発明の例示的な例を記載および説明するために、添付の図面を添付する。本明細書において使用される語句は、関連技術の当業者が理解している意味と同じ意味に使用されていると理解および解釈すべきである。本明細書においてある語句が矛盾なく用いられている場合、その語句が特別な定義を有する、すなわち通常かつ慣用的に用いられ、当業者が理解している意味と異なる定義を有することはない。ある語句が特別な意味を有する、すなわち当業者の理解とは異なる意味に用いられる場合は、そのような特別な定義は本明細書に明示的に記載して、その特別な定義を直接的かつ明確に示す。
【0024】
本発明は、電気素子(導電ラインまたは電界効果トランジスタなど)への機械的応力の影響を決定すると共に、半導体構造の製造プロセスを調整するために、半導体構造内の機械的応力の測定を可能にする。応力感応素子は、半導体製造に使用される処理ステップにより、ウェハレベルでの製造プロセス中に実装されうる。測定は、半導体構造内の応力の増加および/または緩和をモニタするために、半導体構造の製造中にその場(in-situ)で実行されても、半導体構造の完成後に実行されても、この両方の時点で行なわれてもよい。本発明は、例えば、1つ以上の集積回路を有するウェハなどの半導体構造内の応力特性を、工場での製造工程中にその場(in-situ)またはインラインでモニタし、製造された半導体構造内の応力を制御するために製造工程を変更するために使用することができる。
【0025】
説明のための実施形態によれば、半導体構造は応力感応素子を有し、この応力感応素子の特性が、半導体構造内の応力状態を表している。更に、半導体構造は、電気素子を有してもよい。応力感応素子と電気素子は、共通の層構造の一部を有しうる。応力感応素子の特性を決定することによって、電気素子に影響する半導体構造内の応力を測定することができる。電気素子の特性を決定し、応力感応素子の特性に関連付けて、電気素子の性能への応力の影響を調べることができる。
【0026】
本発明の別の実施形態では、第1の半導体構造に応力感応素子が形成され、第1の半導体構造内の応力状態を表している応力感応素子の特性が決定される。この後、応力感応素子の特性から推測された第1の半導体構造内の応力状態を考慮に入れて、第1の半導体構造の製造に使用される製造プロセスが変更される。変更された製造プロセスによって第2の半導体構造が製造され、第2の半導体構造に電気素子が形成される。このため、第2の半導体構造の電気素子を、明確に定義された応力状態に置くことができる。
【0027】
半導体構造内の応力を測定するためのシステムは、半導体構造に形成された応力感応素子と、応力感応素子の特性を決定するように適合された分析部とを有しうる。より詳細には、この分析部は、光学手段により特性を決定するように構成されうる。更に、半導体構造に形成された電気素子の特性を決定するように適合された第2の分析部が設けられうる。
【0028】
図1は、本発明の説明のための一実施形態による半導体構造100の模式図である。半導体構造100は基板101を有する。基板101の上に層構造107が形成されている。層構造107は、第1の材料の層102、第2の材料の層104、および第3材料の層105を有する。半導体構造100の層102内を、長手方向xに延在する透過性材料のライン103の形で、応力感応素子が設けられている。層105は、導電ライン110の形で設けられた電気素子を有する。導電ライン110は、絶縁部分106によって、層105のほかの部分から分離されている。
【0029】
ライン103の透過性材料は、ガラス、ポリマー、セラミック材料または光に対して透過率の高い他の任意の材料などを含みうる。ここで、「光」との用語は、可視波長領域のほかに、赤外光と紫外光を含むことが理解されるべきである。セラミック材料は、酸化アルミニウム(Al)を含みうる。層102は、二酸化シリコンなどの第1の誘電材料を含みうる。層103は、水素添加シリコンオキシカーバイド(SiCOH)等のlow−k材料などの第2の誘電材料を含みうる。第3の材料は、銅などの金属を含みうる。本発明の別の実施形態では、第1の材料と第2の材料は、実質的に同じ誘電材料(二酸化シリコンなど)を含んでいてもよい。
【0030】
本発明の更に別の実施形態では、半導体構造100は、導電ライン以外の電気素子を有していてもよい。より詳細には、電気素子は、電界効果トランジスタを有していてもよい。
【0031】
このような実施形態では、層102と層105は、シリコンを含みうる。層104は、層105内に圧縮応力または引張応力を生じさせるように適合されており、例えば、シリコンとゲルマニウムの合金またはシリコンとカーボンの合金を含みうる。電界効果トランジスタのチャネル領域が、層105内に形成されうる。基板101は、二酸化シリコンなどの絶縁物材料を含みうる。このため、電界効果トランジスタは、シリコンオンインシュレータ構成で形成されている。別の実施形態では、基板101は、半導体材料(シリコンなど)を含んでいてもよい。
【0032】
応力感応素子103の特性は、半導体構造100内の応力状態を表している。
【0033】
この特性は、透過性材料のライン103を通る光の光路長でありうる。半導体構造100内に応力が存在していると、透過性材料のライン103が変形する。ライン103は、層構造107が引張圧力と圧縮応力のいずれを受けるかによって、長手方向xに伸長される(その結果ライン103が長くなる)か、長手方向xに圧縮されうる(その結果ライン103が短くなる)。
【0034】
ライン103が長くなると透過性材料のライン103の光路長も長くなり、ライン103が短くなると透過性材料のライン103の光路長も短くなる。このため、透過性材料のライン103を通る光の光路長は、ライン103の、半導体構造100内の応力状態を表している特性である。
【0035】
本発明の別の実施形態では、半導体構造100内の応力状態を表している透過性材料のライン103の特性は、透過性材料のライン103で反射された光の波長である。
【0036】
このために、ライン103は、屈折率が長手方向xに周期的に変化する格子領域を有しうる。この格子領域は、透過性材料の屈折率がライン103の他の部分よりも高くなっているゾーンを有する。高屈折率のゾーンは、所定の間隔を置いて設けられている。
【0037】
屈折率の変化のために、光がブラッグ効果により散乱する。所定の波長を有する光が、透過性材料のライン103を、長手方向xと実質的に平行する伝搬方向に通過すると、光の一部が、屈折率の高い各ゾーンで伝搬方向と逆の後方に散乱される。
【0038】
透過性材料内の光の波長が高屈折率ゾーンの間隔の2倍に実質的に等しい場合、高屈折率ゾーンで反射された光の一部は、強め合うように干渉する。その結果、光の大部分が格子部分によって反射され、この光に対する透過性材料のライン103の透過率が下がる。
【0039】
逆に、透過性材料中の光の波長が高屈折率ゾーンの間隔の2倍と大きく異なる場合、高屈折率ゾーンで反射される光の部分が、弱め合うように干渉する。このため、光が格子領域で反射されず、格子領域を透過する。
【0040】
連続する波長の光が透過性材料のライン103を通ると、透過性材料中で高屈折率ゾーンの間隔の2倍と実質的に等しい波長を有する光の部分が反射される。残りの光は、透過性材料のライン103を実質的に透過する。このため、反射光のスペクトルには、高屈折率ゾーンの間隔を表す特徴的波長(characteristic wavelength)のピークが含まれる。透過光のスペクトルは、特徴的波長において最小値を有する。
【0041】
半導体構造100内に応力が存在していると、透過性材料のライン103は、伸長または圧縮される。これにより、高屈折率ゾーンの間隔が増減する。この結果、ライン103の特徴的波長が増減する。このため、特徴的波長は、半導体構造100内の応力状態を表している特性である。
【0042】
ライン103は、半導体構造100の大部分に延在しうる。本発明の一部の実施形態では、半導体構造100は、複数のチップを有するウェハを有する。複数のチップは、上記の電気素子を有する電気素子を有する。ライン103は、製造プロセス後にウェハを切断するために設けられる、チップ間の間隔(スクライブライン)に形成されうる。これにより、余分なウェハ領域をほとんど必要とすることなく、半導体構造内に応力感応素子を設けることが可能となり有利である。本発明の別の実施形態では、ウェハは、ライン103が形成されたテスト構造を有する。
【0043】
格子領域は、透過性材料のライン103の大部分を構成しうる。このため、半導体構造100内の平均の応力を測定することができる。本発明の別の実施形態では、格子領域は、半導体構造100の一部のみを構成している。格子領域の長さは、400μm未満でありうる。本発明の別の実施形態では、格子領域の長さは、100μm未満または200μm未満でありうる。この場合、半導体構造100の狭い領域内の応力の特異的測定が可能となり、有利である。
【0044】
本発明の更に別の実施形態では、半導体構造100内の応力状態を表している透過性材料のライン103の特性は、透過性材料中の光の複屈折である。このような実施形態では、透過性材料は、ガラス、ポリマー、または当業者に公知の応力誘起複屈折を示す他の任意の透過性材料を含みうる。
【0045】
半導体構造100内に応力が存在していると、透過性材料のライン103も応力を受ける。この応力が、透過性材料の複屈折を引き起こす。当業者に周知のように、複屈折では、材料の屈折率は、透過性材料のライン103を通る光の偏光方向によって決まる。このため、ライン103を通る光の偏光状態が変わりうる。
【0046】
図5は、本発明の別の実施態様による半導体構造を示す。半導体構造500は、層構造507が形成されている基板を有する。層構造507は、第1の材料の層502、第2の材料の層504、および第3材料の層505を有する。図1を参照して説明した半導体構造100の層構造107と同様に、層構造507は、絶縁部分506によって層505の他の部分から分離された導電ライン510の形で設けられている電気素子を有する。別の実施形態では、導電素子は、電界効果トランジスタの形で設けられていてもよい。
【0047】
更に、半導体構造500は、弾性素子509も有する。弾性素子509は、トレンチ513をまたぎ、トレンチ513の側壁511,512に固定された梁520を有する。側壁511,512はマウントであり、梁520とトレンチ513の底面の間に間隔hを規定している。梁520は、層504の一部と層505の一部を有する。
【0048】
梁520が2層の材料の層を有している必要はない。本発明の別の実施形態では、梁520は、1層の材料の層のみを有していても3層以上の材料の層を有していてもよい。
【0049】
層構造507内に圧縮応力が存在している場合、梁520は、側壁511,512から梁520の中心部分に向かって作用する力を受け、梁520が撓みうる。力の影響下にある梁520の挙動は、当業者に公知の弾性理論によって決定することができる。力が小さい場合、梁はまっすぐな状態を保つ。力が臨界強度を超えると、梁が屈曲する。この時、梁の中心部分が、屈曲高さdだけ持ち上がる。梁520の屈曲と屈曲高さdは、半導体構造500内の応力状態を表している。屈曲高さdから、半導体構造500内の応力を計算することができる。
【0050】
本発明による半導体構造500の梁520は、図5に示すように、上に屈曲する必要はない。本発明の別の実施形態では、トレンチ513の底面から梁520の中心部分の高さが、側壁511,512に近い部分よりも低くなるように、梁520が下に屈曲し、屈曲高さdの値がマイナスの値となってもよい。
【0051】
半導体構造500内に引張歪みが存在している場合、梁は側壁511,512に向かって作用する力を受ける。このような力は、梁520を伸長させる傾向がある。梁520が伸長すると、梁に作用する力に対する梁520のスティフネス(stiffness)が増加する。このため、梁520のスティフネスは、半導体構造500内の応力状態を表している梁520の特性である。梁520のスティフネスから、弾性理論を用いて、半導体構造500内の応力を計算することができる。
【0052】
図7は、本発明の別の実施態様による半導体構造700を示す。半導体構造700は基板701を有し、その上に、第1の材料の層502、第2の材料の層504、および第3の材料の層505を有する層構造707が形成されている。層構造707は、導電ライン710を有する電気素子と、導電ライン710を層705の他の部分から分離している絶縁部分706とを有しうる。本発明の別の実施形態では、電気素子は、電界効果トランジスタを有しうる。
【0053】
半導体構造700は、弾性素子709を有する。弾性素子は、トレンチ713の上に設けられ、トレンチ713の側壁711に固定された片持梁720を有する。側壁711はマウントであり、片持梁720とトレンチ713の底面の間に間隔h’を画定している。梁は、層704,705の一部を有する。層704,705の一方または両方に応力が加わると、片持梁720の湾曲を含む片持梁720の撓みが発生する。湾曲のため、片持梁720の先端が、湾曲高さbだけ持ち上がる。片持梁720が上に湾曲するか下に湾曲するかによって、湾曲高さbは、正の値か負の値をとる。
【0054】
層704,705内の応力と湾曲高さbの関係は、当業者に公知の弾性理論によって導出することができる。このため、片持梁720の湾曲と、湾曲高さbは、半導体構造700内の応力状態を表している弾性素子の特性である。
【0055】
本発明は、応力感応素子を1つ有する半導体構造に限定されない。本発明による半導体構造は、複数の応力感応素子を有していてもよい。これらの応力感応素子は、実質的に同じで、半導体構造の異なる部分に配置されうる。このため、半導体構造の異なる部分の応力を決定することができる。
【0056】
本発明の別の実施形態では、半導体構造は、異なる応力感応素子を有する。例えば、半導体構造は、図5を参照して上で説明した半導体構造500の梁520と同様の梁の配列を有しうる。配列内の梁のは、長さまたは幅が異なりうる。当業者に周知のように、梁が屈曲する限界応力は梁の幅と長さによって決まり、長く幅の狭い梁は短く幅の狭い梁よりも限界応力が小さい。このため、寸法の異なる複数の梁について梁が屈曲しているかどうかを決定すれば、梁の屈曲高さを測定しない場合であっても、歪みの強度に関する情報を得ることができる。
【0057】
本発明の更に別の実施形態では、半導体構造は、種類の異なる応力感応素子を複数有しうる。例えば、複数の応力感応素子は梁、片持梁、および透過性材料のラインでありうる。このため、半導体構造内の応力を、複数の異なる方法で測定することができる。これは、応力をより正確に測定できるようになるため有利である。
【0058】
図2は、本発明の説明のための一実施形態による半導体構造内の応力を測定するためのシステム200を示す。システム200は、図1を参照して上で説明したような半導体構造100を有する。更に、システム200は、レーザなどの光源201も有する。光源201は、光束202を出射するように適合されている。第1のビームスプリッタ203は、光束202を第1の光束部分205と第2の光束部分204に分割するように適合されている。入力カプラ210は、第1の光束部分205を、半導体構造100の透過性材料のライン103に結合するように適合されている。入力カプラ210は、レンズを有しうる第1の集束光学素子を有しうる。第1の集束光学素子の焦点は、透過性材料のライン103の第1端部に設定されうる。出力カプラ211は、透過性材料のライン103から出る第1の光束205を結合するように適合されている。入力カプラ210と同様に、出力カプラ211は、レンズを有しうる第2の集束光学素子を有しうる。第2の集束光学素子の焦点は、透過性材料のライン103の第2端部に設定されうる。
【0059】
第1のミラー207は、第1の光束部分205を第2のビームスプリッタ208の方へ反射させるように適合されている。第2のミラー206は、第2の光束部分204を第2のビームスプリッタ208の方へ反射させるように適合されている。
【0060】
第2のビームスプリッタ208において、第1の光束部分205が第2の光束部分204と結合されて、一体化された光束216が形成される。第1の光束部分205と第2の光束部分204は、相互に干渉する。このため、第1のビームスプリッタ203、第1のミラー207、第2のミラー206、および第2のビームスプリッタ208は、全体として干渉計を形成している。
【0061】
光検出器209は、一体化された光束216の強度を測定するよう適合されている。一体化された光束216の強度は、透過性材料のライン103を通る光の光路長によって決まるが、これは、光路長によって、第1の光束部分205と第2の光束部分204の位相差が変わるためである。このため、透過性材料のライン103内の光の光路長の変化は、光検出器209によって測定された一体化された光束216の強度の変化から決定することができる。このため、干渉計、光源201、および光検出器209は、透過性材料のライン103内の光の光路長を決定するように適合された第1の分析部を形成している。
【0062】
更に、システム200は、第2の分析部214を有しうる。第1のワイヤ212と第2のワイヤ213は、第2の分析部と半導体構造100の電気素子を電気的に接続している。
【0063】
電気素子が導電ライン110を有する本発明の実施形態では、第2の分析部214は、電源と、導電ライン110中を流れる電流のアンペア数を測定するように適合された電流計と、電源によって供給される電圧を決定するように適合された電圧計とを有しうる。このため、オームの法則を使用して、導電ライン110の抵抗を決定することができるが、この抵抗には、導電ライン110と、半導体構造100内の別の構造要素と間の接触抵抗の寄与も含まれることがある。
【0064】
半導体構造100が電界効果トランジスタを有する本発明の実施形態では、第2の分析部214は、このほかに、第2の電源と、電界効果トランジスタのゲート電極と第2の電源の間を電気的に接続している第3のワイヤとを有しうる。第1のワイヤと第2のワイヤは、それぞれ、電源と、電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域の一方との間を電気的に接続するように構成されている。第2の電源によって供給される電圧は、電界効果トランジスタのチャネル領域を導電状態にするために使用されうる。電流計、電圧計および電源は、電界効果トランジスタのチャネル領域の抵抗を決定するために使用され、この抵抗から、チャネル領域中の電荷キャリアの移動度を計算することができる。
【0065】
本発明の別の実施形態では、第2の分析部214とワイヤ212,213を省略してもよい。このような実施形態では、半導体構造100が電気素子を有している必要はない。
【0066】
本発明の更に別の実施形態では、干渉計は第1および第2のビームスプリッタ203,208、ならびに第1および第2のミラー206,207の代わりに光ファイバを有していてもよい。第1のスプリット光ファイバは、光源201に接続されており、光束202を第1の光束部分205と第2の光束部分204に分割するように適合されている。第1の光束部分205を有する第1のスプリット光ファイバの第1端部205は、第1のスプリット光ファイバの第1端部を半導体構造110に接着するなどにより、透過性材料のライン103の第1端部に接続されている。このため、第1のスプリット光ファイバの第1端部は、光源201から出射された光を透過性材料のライン103に結合するように適合された入力カプラを形成している。第2のスプリット光ファイバの第1端部は透過性材料のライン103の第2端部と接続されており、このため、ライン103から出る光を結合するように適合された出力カプラを形成している。第1の光ファイバの第2端部と第2の光ファイバの第2端部は、相互に接続されている。このため、第2のスプリット光ファイバは、第1の光束部分205と第2の光束部分204を一体化して、一体化された光束216を形成するように適合されている。第2のスプリット光ファイバは、光検出器209に接続されている。
【0067】
図4は、本発明の別の実施形態による、半導体構造内の応力を測定するためのシステム400を示す。システム400は、図1を参照して上で説明したような半導体構造100を有する。このほかに、システム400は、光源401と光検出器409を有する。第1の光ファイバ414は、光源401を半導体構造100に接続しており、光源401から出射される光を、半導体構造100の透過性材料のライン103に供給するように適合されている。第2の光ファイバ416は、半導体構造100を光検出器409に接続しており、透過性材料のライン103を透過した光を光検出器409に供給する。光源401、光検出器409、ならびに第1および第2の光ファイバ415,416は、全体として透過性材料のライン103の光学特性を決定するように適合された分析部を形成している。
【0068】
このほかに、システム400は、図2を参照して説明したシステム200の第2の分析部214と同様の、半導体構造100の電気素子の特性を決定するように適合された第2の分析部414を有しうる。第2の分析部414は、ワイヤ412,413によって電気素子と接続されうる。
【0069】
光検出器409は、分光計を有しうる。このため、分析部は、透過性材料のライン103を透過した光のスペクトルを決定するように適合されている。半導体構造100の透過性材料のライン103が格子領域を有する場合、分光計を有する光検出器は特に有利である。本発明のこのような実施形態では、光源401は、複数の波長の光を出射するように構成されうる。より詳細には、光源401は、半導体構造100内に歪みが存在しない場合の、格子領域の特徴的波長の近傍の波長の連続的なバンドの光を出射するように適合されうる。
【0070】
透過光のスペクトルには、格子領域の特徴的波長における最小値が含まれ、これは、半導体構造100内の応力を表している。このため、スペクトル中の最小値の位置から、半導体構造100内の応力を決定することができる。
【0071】
本発明の別の実施形態では、光ファイバ415,416の代わりに、分岐光ファイバを有する。光ファイバ415と同様に、分岐光ファイバは半導体構造100の透過性材料のライン103に接続されている。分岐光ファイバの第1端部は、光源401に接続されている。分岐光ファイバの第2端部は、光検出器409に接続されている。このため、分岐光ファイバは、光源401から出る光を透過性材料のライン103に導き、ライン103で反射された光を光検出器409に導く。このため、分析部は、透過性材料のライン103で反射される光のスペクトルを決定するように適合されている。スペクトルには、ライン103の格子領域の特徴的波長におけるピークが含まれる。スペクトル中のピークの位置から半導体構造100内の応力を計算することができる。
【0072】
本発明の別の実施形態では、光源401は、第1の偏光方向を有する偏光を出射するように適合されている。別の実施形態では、光源は、非偏光を出射するように適合されており、光源401と第1の光ファイバ415の間、または第1の光ファイバ415と半導体構造100の間に、第1の偏光方向に偏光された光を透過するように適合された第1の偏波フィルタが設けられうる。このため、所定の偏光方向を有する偏光が、透過性材料のライン103に結合される。
【0073】
光検出器409は、半導体構造100を透過し、第2の偏光方向を有する光の強度を検出するように適合されている。このために、光検出器は、第2の偏波フィルタに提供された光の強度を検出するように適合された光センサを有しうる。別の実施形態では、第2の偏波フィルタは、半導体構造100と第2の光ファイバ416の間に設けられていてもよい。このため、分析部は、透過性材料のライン103を透過した光の偏光特性を検出するように適合されている。
【0074】
偏光特性を検出するように適合された分析部は、半導体構造100の透過性材料のライン103の応力を表している特性が、透過性材料中の光の複屈折である場合に特に有利である。
【0075】
透過性材料のライン103中の光の複屈折を検出するために、第1の偏光方向と第2の偏光方向は互いに直交しうる。透過性媒質内に複屈折が存在しなければ、第2の偏波フィルタは、ライン103を透過した光を実質的に遮蔽する。しかし、透過性材料が複屈折の場合、透過光の偏光特性が変わり、透過光の一部が第2の偏波フィルタを通過する。第2のフィルタを通過し、光検出器によって測定された光の強度は、半導体構造100内の応力を表している。
【0076】
本発明の更に別の実施形態では、システム400は、光ファイバ415,416の代わりに、第1の集束素子を有し、光源401によって出射された光を透過性材料のライン103に結合するように適合された入力カプラと、第2の集束素子を有し、透過性材料のライン103から出る光を結合するように構成された出力カプラを有する。第1の集束素子と第2の集束素子はそれぞれレンズを有しうる。
【0077】
図8は、本発明の更に別の実施形態よる、半導体構造内の応力を測定するためのシステム800を示す。システム800は、図5を参照して説明したような半導体構造500を有する。このほかに、システム800は、光束802を出射するように適合された光源801を有する。ビームスプリッタ803は、光束802を、第1の光束部分805と第2の光束部分804に分割するように適合されている。
【0078】
レンズを有しうる第1の集束素子810が、ビームスプリッタ803と半導体構造500の間に設けられている。第1の光束部分805は、第1の集束素子を通り、半導体構造500に入射する。レンズを有しうる第2の集束素子811が、ビームスプリッタ803と基準面806の間に設けられている。基準面806は平面でありえる。第2の光束部分804は、第2の集束素子を通り、基準面806に入射する。
【0079】
第1の光束部分805は、半導体構造500から反射される。梁520の表面から反射された第1の反射光812は、第1の集束素子812とビームスプリッタ803を通り、光検出器809に向かう。同様に、第2の光束部分804は、基準面806から反射される。基準面806から反射された第2の反射光813は、ビームスプリッタ803で反射されて、光検出器809に向かう。ビームスプリッタ803において、第1の反射光812と第2の反射光813は、相互に干渉し、一体化された光束816が形成される。このため、ビームスプリッタ803、第1の集束素子810、第2の集束素子811、および基準面806は、全体として干渉計を形成している。光検出器809は、一体化された光束816の強度を測定するように適合されている。
【0080】
第1の集束素子810と第2の集束素子811は、梁520と基準面806が光検出器809上に結像されるように適合されうる。このため、梁520の像と基準面806の像の重畳(superposition)が、光検出器809の位置で形成される。光検出器809は、梁520の像と基準面806の像の重畳を記録するように構成された2次元センサを有しうる。本発明の特定の実施形態では、検出器809は、電荷結合デバイスまたは写真フィルムを有しうる。
【0081】
一体化された光束816の強度は、第1の反射光812と第2の反射光813の間の位相差を表している。位相差は、梁520の高さプロファイルを表している。梁520が屈曲している場合、梁520の高さプロファイルは湾曲形状となり、中心部分の高さは、側壁511,512の近くの梁520の周辺部分の高さよりも高くなる。中心部分と周辺部分の高さの差は、半導体構造500内の応力を表している梁520の特性である屈曲高さdに実質的に等しい。
【0082】
このため、検出器809によって測定された一体化された光束816の強度の分析から、半導体構造500内の応力を決定することができる。
【0083】
本発明の別の実施形態では、システム800は、半導体構造500の代わりに、図7を参照して上で説明した半導体構造700を有する。第1のビーム部分805は半導体構造700に入射し、第1の反射光812が片持梁720の表面から反射される。このため、片持梁720の高さプロファイルと、したがって片持梁720の湾曲は、検出器809によって測定された一体化されたビーム816の光の強度の分析から決定することができる。
【0084】
図9は、本発明の別の実施形態による、半導体構造内の応力を測定するためのシステム900を示す。システム900は、図5を参照して上で説明したような半導体構造500を有する。更に、このシステムは、光束902を出射するように適合された光源901も有する。ビームスプリッタ903は、光束902の一部分905を、半導体構造500の方へ反射させる。この部分905は、ビームスプリッタ903と半導体構造500の間に設けられた第1の集束素子910を通る。第1の集束素子910は、レンズを有しうる。その後、部分905は、半導体構造500に入射し、半導体構造500によって少なくとも一部が反射される。本発明のこの実施形態では、梁520に入射した光の一部が梁520を透過するように、梁520は多少の透過性を有する。
【0085】
第1の反射光912は、梁520の表面から反射されて、集束素子910とビームスプリッタ903を通る。第2の反射光913は、トレンチ513の底面から反射されて、集束素子910とビームスプリッタ903を通る。第1の反射光912と第2の反射光913は、光検出器909に入射する。
【0086】
集束素子は、梁520とトレンチ513が検出器909上に結像されるように適合されうる。このため、半導体構造500の像が検出器909に形成される。図8を参照して説明した実施形態の光検出器809と同様に、光検出器909は、半導体構造500の像を記録するように構成された2次元センサを有しうる。
【0087】
第1の反射光912と第2の反射光913は相互に干渉する。このため、ビームスプリッタ903と集束素子910は、全体として干渉計を形成している。光検出器809によって記録された光の強度は、第1の反射光912と第2の反射光913の位相差を表しており、これが、半導体構造500内の応力状態を表している梁520のプロファイルを表している。
【0088】
このため、光検出器909によって測定された光の強度の分析から、半導体構造500内の応力を決定することができる。
【0089】
本発明の別の実施形態では、システム900は、半導体構造500の代わりに、図7を参照して上で説明した半導体構造700を有する。
【0090】
光束902の一部分905が、半導体構造700の方へ反射されて、半導体構造700に入射する。第1の反射光912が、片持梁720の表面から反射される。第2の反射光913が、トレンチ713の底面から反射される。第1の反射光912と第2の反射光は相互に干渉し、その結果、光検出器809によって記録された光の強度は片持梁720の高さプロファイルを表している。このため、記録された光の強度から、片持梁720の湾曲と湾曲高さbを決定することができる。
【0091】
上で説明した半導体基板内の応力を測定するためのシステムでは、半導体構造内の応力状態を表している応力感応素子の特性は、光学手段によって非接触方式で決定される。しかし、別の実施形態では、応力感応素子の特性が、各種の接触方法によって決定されてもよい。
【0092】
半導体構造内の応力を測定するためのシステムは、原子間力顕微鏡を有していてもよい。当業者に公知の原子間力顕微鏡は、片持梁の端部にその先端が配置されている。先端がサンプルに接近すると、サンプルと先端の間の力によって片持梁が撓み、この撓みが周知の手段によって検出されうる。先端によってサンプルの表面がスキャンされる際に、力が実質的に一定となるように、先端とサンプルの距離が、フィードバック機構を使用して調整される。フィードバック機構は、先端とサンプルの間の距離を調整するように適合された圧電素子を有しうる。このようにして、サンプルの高さプロファイルを決定することができる。
【0093】
このシステムは、図5を参照して上に記載したような半導体構造500を有しうる。梁520の高さプロファイルが、原子間力顕微鏡によってスキャンされうる。高さプロファイルから、梁520の撓みと屈曲高さdを決定することができる。高さプロファイルおよび/または屈曲高さdから、半導体構造500内の応力を計算することができる。
【0094】
本発明の別の実施態様では、システムは、図7を参照して上に記載したような半導体構造700を有する。片持梁720の高さプロファイルが原子間力顕微鏡によってスキャンされて、高さプロファイルから湾曲高さbが決定されうる。高さプロファイルおよび/または湾曲高さbから半導体構造内の応力を計算することができる。
【0095】
原子間力顕微鏡を有する半導体構造内の応力を測定するためのシステムでは、原子間力顕微鏡は、弾性素子に力を加えるように適合されていてもよい。このために、圧電素子が作動され、弾性素子と先端の間の距離を、弾性素子のスキャンに使用される距離より短い距離に短縮される。この結果、弾性素子が撓みうる。撓んだ弾性素子は、原子間力顕微鏡の片持梁に力を及ぼす。この力の強度が、弾性素子のスティフネスを表している。
【0096】
本発明の一実施態様では、システムは、図5を参照して上に記載したような半導体構造500を有する。原子間力顕微鏡は、梁520に力を加えるように適合されており、このため、半導体構造500内の応力状態を表している梁520のスティフネスを決定するように適合されている。
【0097】
本発明の別の実施形態では、半導体構造500は、梁520の代わりに膜を有していてもよい。膜は、側壁511,512のほかに、梁520の一方の側に設けられた第3の側壁に固定されていてもよい。このため、半導体構造500は、膜と層502の間に空洞を有する。梁520と同様に、膜は層504,505の一部を有しうる。半導体構造500内に圧縮応力が存在している場合、膜が撓む、すなわち基板501から離れてアーチ状に上方に迫り上がる。半導体構造500内に引張応力が存在している場合、膜のスティフネスが増大する。このため、膜の迫り上がりと膜のスティフネスは、半導体構造500内の応力状態を表している膜の特性である。
【0098】
図10は、本発明の更に別の説明のための実施形態による、半導体構造内の応力を測定するためのシステム1000を示す。システム1000は、半導体構造1001を有する。半導体構造1001は、基板1001に形成された第1の材料の層1002を有する。層1002に、応力感応素子1003が形成されている。応力感応素子1003は、複数のトレンチ1006〜1010を有する格子1005の形で設けられた弾性素子を有する。トレンチ1006〜1010間にライン1016〜1020が設けられている。格子1005の長さはlである。隣接するトレンチ間の間隔はsである。トレンチ1006〜1010の深さは、格子1005の厚さより小さい値でありうる。本発明の別の実施形態では、トレンチ1006〜1010は、格子1005を貫通している。更に、応力感応素子1003は、格子1005と層1002の間に間隔hを画定するように構成されたマウント1004を有する。
【0099】
格子1005が、格子1005の面の成分を有し、溝1006〜1010の方向に対して直交する(図10の矢印1050で示す)応力を受けると、応力が引張応力か圧縮応力かに応じて、格子の長さlが増減する。長さlが変化すると、トレンチ1006〜1010の間隔sも変化する。このため、長さlと間隔sは、半導体構造1100内の応力状態を表している応力感応素子1003の特性である。
【0100】
システム1000は、半導体構造1100に加えて回折計を有する。回折計1200は、光源1040と光検出器1012を有する。光源1040は、格子1005に入射する光束1011を出射するように適合されている。光束1011の方向は、格子1005の表面に直交する方向に対して角度αをなしている。格子1005の各ラインにおいて、光束1011からの光の一部分が散乱される。
【0101】
検出器1012は、グリッド1005の表面に対して直交する方向と角度βをなす方向に散乱された光が検出器1012に到達するように配置されている。検出器1012は、グリッド1005から検出器1012のほうに散乱された光の強度を測定するように適合されている。
【0102】
ライン1016〜1020で散乱された光部分は相互に干渉する。隣接するラインから散乱された光部分同士の光路差が光束1011の光の波長の整数倍に実質的に等しい場合、干渉は強め合いとなり、検出器1012によって受光される光の強度が高くなる。等しくない場合、干渉は弱め合いとなり、検出器1012によって受光される光の強度が低くなる。光路差は、角度α,βとグリッド1005の隣接するラインの間隔sによって決まる。
【0103】
光束1011の方向と格子1005の表面に直交する方向の角度αの所定の値について、検出器1012によって測定された光の強度は角度βの所定の値において最大値となり、ライン1016〜1020間の間隔sを表している。このため、散乱光強度が最大となる角度βを測定することによって、間隔sを決定することができる。このため、回折計1012は、半導体構造1100内の応力状態を表している間隔sを決定するように適合されている。
【0104】
本発明の別の実施形態では、システム1000は、顕微鏡を有しうる。格子1005の長さlおよび/またはトレンチ1006〜1010の間隔sは、格子1005の顕微鏡画像から測定することができる。顕微鏡は、応力感応素子1003の特性を光学的に検査することができる光学顕微鏡、電子顕微鏡(特に走査型電子顕微鏡)、または原子間力顕微鏡を有しうる。
【0105】
半導体構造1100は、応力感応素子1003のほかに、電気素子を有しうる。電気素子は、図1,5,7を参照して説明した本発明の実施形態の導電ライン110,510,710と同様の導電ラインを有しうる。本発明の別の実施形態では、半導体構造1100が、電界効果トランジスタを有する電気素子を有してもよい。
【0106】
システム1000は、回折計1200のほかに、電気素子の特性を測定するように適合された分析部を有しうる。電気素子が導電ラインを有する場合、分析部は、導電ラインの抵抗を測定するように適合されうる。電気素子が電界効果トランジスタを有する場合、分析部は、電界効果トランジスタのチャネル領域内での電荷キャリアの移動度を測定するように適合されうる。
【0107】
本発明の一実施形態による、半導体構造の製造プロセスを調整するための方法と、半導体構造の電気素子への応力の影響を調べる方法を、以下に記載する。
【0108】
第1の半導体構造が、第1の製造プロセスによって形成される。第1の半導体構造は、図1を参照して上で説明したような半導体構造100でありうる。この製造プロセスでは、最初に基板100が用意される。次に、基板101に第1の材料の層102が堆積される。これは、物理気相成長法、化学気相成長法および/またはプラズマ促進化学気相成長法などの当業者に公知の成膜技術によって行うことができる。
【0109】
第1の半導体構造100に透過性材料のライン103が形成される。このために、層102にトレンチが形成され、これは当業者に公知のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術によって行うことができる。次に、半導体構造100に透過性材料の層が堆積される。半導体構造100を平坦化し、透過性材料の層のトレンチから出ている部分を除去するために研磨工程が実行される。この研磨工程には、化学的機械研磨が含まれうる。
【0110】
本発明の一部の実施形態では、図3を参照して後述するように、透過性材料のライン103に格子領域が形成される。格子領域の形成では、レーザ301によって出射されたレーザ光線302を第1の光束部分304と第2の光束部分305に分割することが行なわれうる。これは、ビームスプリッタ303によって行うことができる。レーザ光線302には、紫外光が含まれうる。第1の光束部分304は、第1のミラー306によって第1の半導体構造の方へ反射される。第2の光束部分305は、第2のミラー307によって第1の半導体構造100の方へ反射される。第1の光束部分304と第2の光束部分305は、半導体構造100で相互に干渉する。透過性材料のライン103の特定のゾーンに到達した第1の光束部分304の光と第2の光束部分305の光の位相差は、ライン103の長手方向xにおけるゾーンの位置によって決まる。このため、ライン103に沿って、第1の光束部分と第2の光束部分が強め合うように干渉するゾーンと、第1の光束部分と第2の光束部分が弱め合うように干渉するゾーンが交互に現れる。強め合う干渉のゾーンは、受光する光の強度が高い。このようなゾーンでは、透過性材料の屈折率が上昇するが、このことは、エネルギー性光子によって透過性材料の化学結合が切断されることにより説明することができる。このため、高屈折率のゾーンが形成される。弱め合う干渉のゾーンは、受光する光の強度が低い。このようなゾーンでは、透過性材料の屈折率は、実質的に変わらない。
【0111】
製造プロセスでは、更に、層102の上に、図1に示す第2の材料の層104と第3の材料の層105が堆積される。これは、公知の成膜技術によって行うことができる。
【0112】
第1の半導体構造100に電気素子が形成されうる。本発明の一実施態様では、電気素子は導電ライン110を有し、これは、後述するようにダマシン技術によって形成されうる。層105を堆積する前に、層104の上に絶縁部分106が形成される。これは、当業者に公知のフォトリソグラフィ技術によって行うことができる。本発明の別の実施形態では、絶縁部分106が層104に形成されてもよい。このために、絶縁部分106から出ている層104の部分が薄肉化されるが、これは当業者に公知のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術によって行うことができる。層104から失われる材料は、これを見越して半導体構造100に堆積する層104の膜厚を増やすことで事前に対処することができる。第3の材料の層105を堆積した後、絶縁部分106から余分の第3の材料を除去し、半導体構造100の表面を平坦化するために研磨工程が実行される。
【0113】
本発明の別の実施形態では、第1の半導体構造は、図5を参照して上で説明したような半導体構造500である。図6aは、製造プロセスの第1段階における半導体構造500を示す。製造プロセスでは、最初に、基板501に層502が堆積される。応力感応素子509の形成では、層502の上に犠牲層508が形成される。これは、既知の成膜技術とパターニング技術を使用して行うことができる。
【0114】
図6bは、製造プロセスのその後の段階の半導体構造500を示す。製造プロセスでは、更に、半導体構造500上に層504が堆積される。層504の、犠牲層508に堆積される部分の厚さと、層502に堆積される部分の厚さが実質的に等しいため、犠牲層508の上で層504の表面が盛り上がっている。この隆起を除去し、層504を平坦面とするために、化学的機械研磨プロセスなどの研磨工程が実行されうる。
【0115】
半導体構造500に、導電ライン510の形で設けられる電気素子が形成されうる。このために、層504上に絶縁部分506が形成される。図1〜4を参照して説明した方法における絶縁部分106の形成と同様に、絶縁部分は、半導体構造500上に絶縁体の層を堆積し、これをパターニングするか、または別の実施形態では、層504の絶縁部分506以外の部分を薄肉化することによって形成されうる。
【0116】
図6cは、製造プロセスのその後の段階の半導体構造500を示す。製造プロセスでは、半導体構造500上に第3の材料の層505を堆積し、層505を平坦化して、層505を平坦面とすると共に、絶縁部分506の上の層505の部分を除去することが行なわれる。
【0117】
その後、梁形成前構造515の近くにトレンチ部分514,516を形成することによって、応力感応素子の形成が続く。このために、層504,505と犠牲層508が、層504,505と犠牲層508の一部分を除去することによってパターニングされ、これは既知のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術によって行なわれうる。トレンチ部分514,516の底面は層502の表面である。梁形成前構造515は、残された犠牲層508の上に、層504,505の一部分を有する。
【0118】
残った犠牲層508が除去される。これは、半導体構造500を、犠牲層508の材料を選択的に除去するように適合されたエッチング剤に曝すことによって行なわれうるが、第1の材料の層、第2の材料の層および第3の材料の層502,504,505と絶縁部分506の材料は、エッチング剤の作用をほとんど受けない。残った犠牲層508が除去されると、トレンチ部分514,516が互いに接続されて、トレンチ513が形成され、トレンチ513をまたぐ梁520(図5を参照)が、梁形成前構造515の層504,505の一部分から形成される。
【0119】
このようにして、図5に示す半導体構造500が得られる。半導体構造500内に応力が存在していると、梁520に力がかかる。この応力は、層504,505の堆積時に発生し、第2の材料の結晶構造と第3の材料の結晶構造の不整合から生じる層504,505の残留応力によるものでありうる。応力は、基板と層502,504,505の材料の熱膨脹率が異なるために生じることもある。層が高温で堆積された場合、温度が低下すると層の材料が異なる収縮率で(differently)収縮する傾向がある。例えば、基板または層502の熱膨脹率が層504,505よりも大きい場合、層504,505の堆積後に温度が低下すると、層504,505が圧縮される。半導体構造500内に存在する圧縮応力が小さい場合、梁520は実質的にまっすぐな状態でとどまる。しかし、圧縮応力が限界応力を超えると、力が臨界強度を超え、上に詳述したように梁520が屈曲する。半導体構造500内に引張応力が存在している場合、梁520のスティフネスが増大する。
【0120】
半導体構造500が梁520の代わりに膜を有する本発明の一実施形態では、梁520の形成と同じように膜を形成することができる。犠牲層508と同様の犠牲層の上に、層504,505が堆積される。層504,505と犠牲層がパターニングされて、犠牲層の一部分の上に層504,505の一部分を有する膜形成前構造の近くに、トレンチ部分が形成される。その後、犠牲層の一部分を除去するエッチングを行って膜を完成させる。
【0121】
本発明の別の実施形態では、第1の半導体構造は、図7を参照して上で説明したような半導体構造700である。第1の半導体構造700の製造と応力感応素子709の形成は、第1の半導体構造500の製造と応力感応素子509の形成と同様に行うことができる。応力感応素子709の形成では、梁形成前構造515と同様の片持梁形成前構造の近くに、トレンチ部分514,516と同様のトレンチ部分が形成される。更に、片持梁形成前構造を横切る第3のトレンチ部分が形成される。犠牲層508と同様の犠牲層の残りが、層702を形成する層704,705の一部分を切り離している。
【0122】
半導体構造700が、犠牲層の材料を選択的に除去するように適合されたエッチング剤に曝されるが、半導体構造700の他の部分の材料は、エッチング剤の作用をほとんど受けない。このようにして、片持梁720とトレンチ713が形成される。
【0123】
本発明の更に別の実施形態では、第1の半導体構造は、図10を参照して上で説明したような半導体構造1100である。
【0124】
図11aは、製造プロセスの第1段階における半導体構造1100を示す。基板1001に層1002が堆積される。応力感応素子1005の形成では、層1002の上にマウント1004が形成され、これは、公知のフォトリソグラフィ技術によって行うことができる。
【0125】
図11bは、製造プロセスのその後の段階の半導体構造1100を示す。半導体構造1100に犠牲層1030が堆積される。次に、犠牲層1030の表面を平坦化し、マウント1004から犠牲層の一部分を除去するために化学的機械研磨プロセスが実行される。このようにして、マウント1004の上面が露出される。
【0126】
半導体構造1100の製造プロセスの更に別の段階が、図11cに示される。犠牲層1030と露出させたマウント1004の上面の上に格子1005が形成される。このために、犠牲層1030と、露出させたマウント1004の上面に格子材料の層が堆積される。次に、格子材料の層が、公知のフォトリソグラフィ技術によってパターニングされる。このようにして、トレンチ1006〜1010が形成される。トレンチは、既知の所定の間隔で設けられている。
【0127】
その後、半導体構造1100が、犠牲層1030の材料を選択的に除去するように適合されたエッチング剤に曝されるが、格子の材料、マウント1004の材料および層1002の材料は、エッチング剤の作用をほとんど受けない。
【0128】
このようにして、図10に示す半導体構造1100が得られる。格子材料の層の堆積中に、層内に応力が発生しうる。この応力は、例えば、格子材料の結晶構造と犠牲層1030の材料の結晶構造の不整合から生じうる。格子材料の層内の応力は、犠牲層1030と格子材料の層の熱膨脹率が異なるために生じることもある。格子材料の層が高温で堆積された場合、成膜プロセスの後、温度が低下すると、格子材料の層と犠牲層1030が異なる収縮率で(differently)収縮する傾向がある。しかし、格子材料の層と犠牲層は互いに固定されているため、層の収縮プロセスが抑止しあう。このため、この2層内で応力が発生する。
【0129】
犠牲層1030が除去されると、格子材料の層が犠牲層1030に固定されていたことによる抑止が消失し、格子1005は自由に緩和しうる。格子1005に応力がかかっている場合、格子1005の形状はこの緩和によって変わる。より詳細には、応力が、格子1005の面内にトレンチ1006〜1010の方向に対して直交する方向の成分を有する場合、格子1005のトレンチ1006〜1010の間隔sが、格子材料の層をパターニングした際に設定されたトレンチ1006〜1010の既定の間隔とは異なってくる。既定の間隔と間隔sのずれは、半導体構造1100の格子材料の層内の応力状態を表している特性である。
【0130】
半導体構造内の応力状態を表している応力感応素子の特性が決定される。
【0131】
第1の半導体構造が図1を参照して上で説明したような半導体構造100である本発明の実施形態では、応力感応素子の特性を決定する際に、透過性材料のライン103の特性が決定される。透過性材料のライン103の特性は、透過性材料のライン103を通る光の光路長でありうる。光路長は、図2を参照して上で説明したような半導体構造100を組み込んだ半導体構造内の応力を測定するためのシステム200によって決定することができる。光路長の変化は、一体化された光束216の強度の測定から決定することができる。
【0132】
本発明の別の実施形態では、透過性材料のライン103の特性は、透過性材料のライン103で反射される光の波長であってもよい。
【0133】
反射光の波長を決定する際には、図4を参照して上で説明したような、分光計を有する半導体構造内の応力を測定するためのシステム400に、半導体構造100が組み込まれうる。反射光の波長は、半導体構造100を透過する光のスペクトルおよび/または半導体構造100で反射される光のスペクトルを分析することによって決定することができる。
【0134】
本発明の更に別の実施形態では、透過性材料のライン103の特性は、ライン103を透過する光の複屈折であってもよい。複屈折の検出は、図4を参照して上で説明したような、透過光の偏光特性を検出するように適合された分析部を有する、半導体構造内の応力を測定するためのシステム400に、半導体構造100を組み込むことによって行うことができる。透過性材料のライン103中の光の複屈折は、第2の偏波フィルタを通過する光の強度を測定することによって検出することができる。
【0135】
第1の半導体構造が図5を参照して上で説明したような半導体構造500である本発明の実施形態では、応力感応素子の特性を決定する際に、弾性素子の撓みが決定されうる。これは、梁520が屈曲しているかどうかを決定することによって行うことができる。更に、屈曲高さdも測定されうる。
【0136】
本発明の一実施形態では、応力感応素子509の特性を決定する際に、図8を参照して上で説明した半導体構造内の応力を測定するためのシステムに半導体構造500が組み込まれる。上で詳述したように、梁520の撓みは、梁520の高さプロファイルを分析することによって検出することができ、これは、梁520の表面から反射される第1の反射光812と参照ビームである第2の反射光813の間の干渉パターンを有する一体化された光束816の強度の分析から決定することができる。また、梁520の屈曲高さは、高さプロファイルから決定することもできる。
【0137】
本発明の別の実施形態では、梁520の撓みは、図9を参照して上で説明した半導体構造内の応力を測定するためのシステムに半導体構造500を組み込むことによって決定することができる。上で詳述したように、梁520の高さプロファイルと、このため屈曲の有無と屈曲高さdは、光検出器909によって測定される、梁520の表面から反射される第1の反射光912とトレンチ513の底面から反射される第2の反射光の間の干渉パターンを有する光の強度から決定することができる。
【0138】
同様に、第1の半導体構造が図7を参照して上で説明した半導体構造700である本発明の実施形態では、応力感応素子の特性の決定では、片持梁720の撓みが決定されうる。半導体構造700内の応力を表す応力感応素子709の特性である片持梁720の湾曲と湾曲高さdは、片持梁の表面から反射される光と、トレンチ713の底面または参照ビームから反射される光の間の干渉パターンを観察することによって、決定することができる。干渉パターンは、図8を参照して上で説明したような半導体構造内の応力を測定するためのシステム800、または図9を参照して上で説明したような半導体構造内の応力を測定するためのシステムに、半導体構造700を組み込むことによって決定することができる。
【0139】
第1の半導体構造が図11を参照して上で説明したような半導体構造1100である本発明の実施形態では、応力感応素子の特性の決定では、トレンチ1006〜1010の間隔sが決定されてもよく、これは、応力感応素子から回折される光の回折パターンを分析することによって行うことができる。これは、図10に示すような回折計1200に半導体構造1100を組み込むことで行うことができる。
【0140】
本発明の一実施形態では、角度αが固定される。検出器1012を移動させることによって角度βが変化される。検出器1012に向かう方向に散乱される光の強度が、角度βの関数として測定される。次に、測定された強度が最大値となる角度βの値から、トレンチ1006〜1010の間隔sを求めることができ、これは、当業者に公知の計算によって行うことができる。
【0141】
本発明の別の実施形態では、角度βが固定され、光源1040を移動させることによって角度αが変化される。検出器1012に向かう方向に散乱される光の強度は、角度αの関数として測定される。次に、測定された強度が最大値となる角度αの値から、トレンチ1006〜1010の間隔sを求めることができ、これは、当業者に公知の計算によって行うことができる。
【0142】
本発明の更に別の実施形態では、角度αと角度βの両方が固定される。光源1040は、複数の波長の光を出射するように適合されている。より詳細には、光源1040は、連続スペクトルを有する光を出射するように適合されうる。
【0143】
格子1005で散乱される光のスペクトルが決定される。このために、光検出器1012は分光計を有しうる。上で詳述したように、ライン1016〜1020から反射される光の一部分間の位相差は、散乱光の波長によって決まる。このため、所定の角度の値α,βにおいて、散乱光のスペクトルが最大値となる。最大値の波長は、トレンチ1006〜1010の間隔を表している。検出器1012によって測定された散乱光のスペクトルからこの最大値の波長が決定され、最大値の波長から、当業者に公知の計算によって間隔sが決定される。
【0144】
本発明の更に別の実施形態では、光源1040は、複数の波長を出射するように適合されうる。更に、光源1040と光検出器1012の一方または両方を動かすことによって、角度α,βの一方が変化される。光検出器1012は分光計を有する。このため、角度α,βの値を変えて得た複数のスペクトルが記録されうる。複数のスペクトルを使用して、当業者に公知のコンピューターシミュレーション技術から間隔sを決定することができる。この方法では、間隔sをより正確に決定することができるほか、格子1005の別の特性(例えば、トレンチ1006〜1010の深さおよび/または格子1005の屈折率)も決定することができ、有利である。
【0145】
その後、測定された間隔sと、格子材料の層をパターニングする際に設定した既定のトレンチ間隔の差から、格子材料の層と犠牲層1030間の応力を計算することができる。
【0146】
半導体構造内の応力状態を表している応力感応素子の特性の決定は、製造プロセスが終了した後に実施してもよい。応力感応素子の特性の決定は、半導体構造内の電気素子の動作中に実施してもよい。このため、電気素子の動作によって誘起され、例えば、電流により発生した熱による、半導体構造の部分的な熱膨張等によって生じる応力の発生または緩和を、モニタすることができる。
【0147】
本発明の別の実施形態では、特に、第1の半導体構造が図1を参照して上で説明したような半導体構造100の場合、応力感応素子の特性を製造プロセス中にその場(in-situ)またはインラインでモニタすることができる。
【0148】
このために、半導体構造内の応力を測定するためのシステム200,400に半導体構造100が組み込まれ、このシステムが、物理気相成長法、化学気相成長法および/またはプラズマ促進化学気相成長法や当業者に公知の他の任意の成膜プロセスを実行するように適合された装置内に設けられうる。このため、層104,105の少なくとも一方の堆積時の半導体構造100内の応力の発生が、透過性材料のライン103の特性を決定することによって、連続的に、または複数の時点で観察することができる。更に、半導体構造100内の応力状態を表している透過性材料のライン103の特性を、層104の堆積および/または層105の堆積後に求めてもよい。このため、堆積が実施されない製造プロセスの間隔(interval)における半導体構造100内の応力の変化を観察することができ、これにより、半導体構造100内の応力を低下させる層104および/または層105の緩和過程のモニタが可能となる。
【0149】
応力感応素子の特性の決定は、材料の堆積以外の処理ステップ中に実施されてもよい。より詳細には、応力感応素子の特性の決定は、熱アニールプロセス中あるいはその後に行なわれてもよい。
【0150】
熱アニールでは、半導体構造が、所定時間、高温に曝される。熱アニール中に、半導体構造の複数の材料の熱膨脹率が異なることが原因で応力が発生することがある。しかし、熱アニールは、半導体構造内の応力緩和を促進することもあり、これは、高温により原子および/または分子の移動度が上がり、その結果、活動的で不利な高い応力状態をとっていた粒子がより好ましい状態に再編成されうるためである。
【0151】
熱アニールプロセス中に応力感応素子の特性を決定することは、半導体構造の温度を上げるように適合されたヒーターを追加を追加した半導体構造内の応力を測定するためのシステム200,400,800,900,1000に半導体構造を組み込み、ヒーターの動作中に応力感応素子の特性を決定することによって行うことができる。
【0152】
決定された応力感応素子の特性に基づいて、製造プロセスが変更されうる。
【0153】
製造プロセスは、その製造プロセスの1つ以上のパラメータを変更することによって変更されうる。パラメータは、製造ステップが実行される温度(例えば、半導体構造内の層の1つ以上が形成される温度)を含みうる。また、パラメータは、成膜プロセスの反応ガスの圧力または組成を含みうる。パラメータは、基板の組成および/または堆積する層のうちの1層の組成を含みうる。また、パラメータは、半導体構造100の構成要素の寸法(例えば、層の1つ以上の膜厚)または構造要素の横の寸法(例えば、導電ラインの幅および/または絶縁部分の幅)を含みうる。
【0154】
本発明の一部の実施形態では、製造プロセスの変更は、1つ以上の材料の追加の層を形成することでありうる。本発明の別の実施形態では、製造プロセスの変更は、層の形成を省略することでありうる。変更された製造プロセスによって、第2の半導体構造が形成されうる。
【0155】
変更された製造プロセスには、第2の半導体構造への電気素子の形成(例えば、第1の半導体構造の導電ライン110,510,710と同様の導電ラインおよび/または電界効果トランジスタの形成)が含まれていてもよい。製造プロセスの変更により、第2の半導体構造の電気素子は、第1の半導体構造の電気素子とは異なる応力状態を受けることができる。
【0156】
本発明の一部の実施形態では、第2の半導体構造に応力感応素子が形成され、これには、半導体構造100のライン103と同様の透過性材料のライン、半導体構造500の梁520と同様の梁、半導体構造の片持梁720と同様の片持梁、または半導体構造1100の格子1005と同様の格子が含まれうる。第2の半導体構造への応力感応素子の形成は、第1の半導体構造への応力感応素子の形成と実質的に同じ処理ステップによって行うことができる。
【0157】
第2の半導体構造内の応力状態を表している第2の半導体構造の応力感応素子の特性が、第1の半導体構造の応力感応素子の特性の決定と同様に決定されうる。
【0158】
第2の半導体構造の応力感応素子の特性が、第1の半導体構造の応力感応素子の特性と比較されてもよい。このため、製造プロセスの変更が、半導体構造内の応力に与える影響に関する情報を得ることができる。
【0159】
本発明の一部の実施形態では、第1の半導体構造が複数形成される。第1の半導体構造の各々は、他の半導体構造を形成するために使用する製造プロセスと異なる製造プロセスによって形成される。製造プロセスは、上に詳述したパラメータの1つ以上が異なっていてもよい。また、製造プロセスは、追加の材料層の形成の有無の点で異なっていてもよい。
【0160】
第1の半導体構造のそれぞれに応力感応素子が形成される。応力感応素子のそれぞれは、個々の半導体構造内の応力状態を表している特性を有する。複数の第1の半導体構造のそれぞれの応力感応素子の特性が決定される。このため、第1の半導体構造のそれぞれにおける応力に関する情報を得ることができる。
【0161】
第1の半導体構造のそれぞれにおける応力は、個々の第1の半導体構造を形成するために使用した製造プロセスのパラメータの1つ以上と関連付けられうる。このため、半導体構造内の応力の、1つ以上のパラメータへの依存関係を特定することができる。応力の1つ以上のパラメータへの依存関係を特定する際には、1つ以上のパラメータを含むデータと、これらのパラメータを有する製造プロセスによって形成された第1の半導体構造内の応力に、数学関数の近似(fitting)が行なわれうる。
【0162】
変更された製造プロセスによって第2の半導体構造が形成され、この製造プロセスの変更は、応力と、第1の半導体構造と、製造プロセスの1つ以上のパラメータとの間の、特定された依存関係に基づいて行なわれうる。
【0163】
製造プロセスの変更には、近似で得た数学関数に基づいて、1つ以上のパラメータの改良された値を決定することが行なわれうる。これは、最適化手法によって行うことができる。
【0164】
本発明の一部の実施形態では、製造プロセスの変更は、第2の半導体構造内の応力を低減させるように適合されている。1つ以上のパラメータの値が、近似で得た数学関数によって計算された応力を最小化することによって決定され、これは当業者に公知の最適化アルゴリズムによって行うことができる。
【0165】
本発明の別の実施形態では、製造プロセスの変更は、第2の半導体構造内の応力を、既定の目標応力値に近づけるように適合されている。1つ以上のパラメータの値が、近似で得た数学関数によって計算された応力と既定の応力値の差の二乗を最小化することによって得ることができる。別の実施形態では、近似で得た数学関数が既定の応力値をとる1つ以上のパラメータの値が決定されうる。これは、当業者に公知のアルゴリズムを解くことによって行うことができる。
【0166】
第2の半導体構造が、複数の電気素子を有する集積回路を有していてもよく、応力感応素子を有していなくてもよい。
【0167】
例えば本発明の一部の実施形態では、複数の第1の半導体構造のそれぞれに、電気素子(例えば、導電ラインまたは電界効果トランジスタ)が形成される。個々の電気素子の特性が決定されうる。電気素子が導電ラインを有する場合、ラインの比抵抗が決定されうる。電気素子が電界効果トランジスタを有する場合、個々の電界効果トランジスタのチャネル領域中の電荷キャリアの移動度が決定されうる。
【0168】
第1の半導体構造の電気素子の特性が、第1の半導体構造の応力感応素子の特性と関連付けられうる。このため、半導体構造内の応力への電気素子の特性の依存関係を特定することができる。電気素子の特性と半導体構造内の応力との間の依存関係を特定することは、電気素子の望ましい特性または望ましくない特性を、応力の影響によるものであると決定することができ、有利である。
【0169】
本発明の更に別の変形例では、第1の半導体構造への応力感応素子の形成では、フォトリソグラフィのアライメントの精度をテストするために使用する既知のオーバーレイ構造と同様の複数の周期的特徴の形成が行なわれてもよい。複数の周期的特徴の特性(例えば、周期的特徴の間隔および/または周期的特徴の屈折率および/または周期的特徴の寸法)が、回折法によって決定される。決定された周期的特徴の特性から、半導体構造内の応力を計算することができる。
【0170】
上記に記載した特定の実施形態は例に過ぎず、本発明は、本開示の教示の利益を得る当業者に自明の、異なるが均等の別法によって変更および実施されてもよい。例えば、上記のプロセス工程を記載した順序とは異なる順序で実行してもよい。更に、ここに記載した構成または設計の詳細が、添付の特許請求の範囲以外によって限定されることない。このため、上記に記載した特定の実施形態を変形または変更することが可能であり、このような変形例は全て本発明の範囲ならびに趣旨に含まれることが意図されることが明らかである。したがって、ここに保護を請求する対象は、添付の特許請求の範囲に記載したとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】本発明の一実施形態による半導体構造の模式図である。
【図2】本発明の一実施形態による、半導体構造内の応力を測定するためのシステムの模式図である。
【図3】本発明の一実施形態による半導体構造に応力感応素子を形成するためのレーザ装置の模式図である。
【図4】本発明の一実施形態による、半導体構造内の応力を測定するためのシステムの模式図である。
【図5】本発明の一実施形態による半導体構造の模式図である。
【図6a】本発明の一実施形態による半導体構造の製造段階を示す図である。
【図6b】本発明の一実施形態による半導体構造の製造段階を示す図である。
【図6c】本発明の一実施形態による半導体構造の製造段階を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による半導体構造の模式図である。
【図8】本発明の実施形態による、半導体構造内の応力を測定するためのシステムを示す図である。
【図9】本発明の実施形態による、半導体構造内の応力を測定するためのシステムを示す図である。
【図10】本発明の実施形態による、半導体構造内の応力を測定するためのシステムを示す図である。
【図11a】本発明の一実施形態による半導体構造の製造段階を示す図である。
【図11b】本発明の一実施形態による半導体構造の製造段階を示す図である。
【図11c】本発明の一実施形態による半導体構造の製造段階を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造であって、
応力感応素子であって、前記応力感応素子の特性が前記半導体構造(100)内の応力状態を表している応力感応素子と、
電気素子(110)と、を有し、
前記応力感応素子と前記電気素子(110)とは、共通の層構造(107)の一部を有する半導体構造。
【請求項2】
前記応力感応素子は、透過性材料のライン(103)を有する請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記応力感応素子は、弾性素子(509),(709)を有する請求項1に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記弾性素子(509),(709)と底面の間に間隔を画定するように構成された少なくとも1つのマウント(511),(512)を更に有する請求項3に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記層構造(107)は、少なくとも2層の異なる材料の層を有する請求項1に記載の半導体構造。
【請求項6】
半導体構造内の応力を測定するためのシステムであって、前記半導体構造(100)に形成された応力感応素子と、
前記半導体構造に形成された電気素子(110)と、を有し、前記応力感応素子と前記電気素子(110)とは、共通の層構造(107)の一部を有し、
前記半導体構造(100)内の応力状態を表している前記応力感応素子の特性を決定するように適合された第1の分析部と、
前記電気素子(110)の特性を決定するように適合された第2の分析部と、を有するシステム。
【請求項7】
前記応力感応素子は、透過性材料のライン(103)を有する請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記応力感応素子は、弾性素子(509),(709)を有する請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記層構造(107)は、少なくとも2層の異なる材料の層を有する請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記弾性素子(509),(709)と底面の間に間隔を画定するように構成された少なくとも1つのマウント(511),(512)を更に有する請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
半導体構造内の応力を測定するためのシステムであって、前記半導体構造(100)に形成された応力感応素子と、
光源(201)および光検出器(209)を有する分析部と、を有し、前記分析部は、前記半導体構造(100)内の応力状態を表している前記応力感応素子の特性を決定するように適合されているシステム。
【請求項12】
前記応力感応素子は、透過性材料のライン(103)を有し、前記分析部は、
前記光源(201)によって出射された光を前記透過性材料のライン(103)に結合するように適合された入力カプラと、
前記透過性材料のライン(103)から出る光を結合するように構成された出力カプラと、を有する請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
半導体構造の製造プロセスを調整するための方法であって、
前記製造プロセスによって第1の半導体構造(100)を形成するステップと、
前記第1の半導体構造(100)に応力感応素子を形成するステップと、
前記第1の半導体構造(100)内の応力状態を表している前記応力感応素子の特性を決定するステップと、
前記決定された前記応力感応素子の特性に基づいて前記製造プロセスを変更するステップと、
前記変更された製造プロセスによって第2の半導体構造を形成するステップと、
前記第2の半導体構造に電気素子(110)を形成するステップと、を有する方法。
【請求項14】
前記応力感応素子を形成するステップは、前記第1の半導体構造に透過性材料のライン(103)を形成するステップを有する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記応力感応素子の前記特性を決定するステップは、前記透過性材料のライン(103)で反射された光の波長を決定するステップを有する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記応力感応素子の前記特性を決定するステップは、前記透過性材料のライン(103)の光路長の変化を測定するステップを有する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記応力感応素子を形成するステップは、弾性素子(509),(709)を形成するステップを有する請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記応力感応素子の前記特性を決定するステップは、前記弾性素子(509),(709)の撓みを決定するステップを有する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
半導体構造の電気素子への応力の影響を調べるための方法であって、
前記半導体構造(100)に応力感応素子を形成するステップと、
前記半導体構造(100)に電気素子を形成するステップと、
前記半導体構造(100)内の応力状態を表している前記応力感応素子の特性を決定するステップと、
前記電気素子の特性を決定するステップと、
前記電気素子の前記特性を前記応力感応素子の前記特性と関連付けるステップと、を有する方法。
【請求項20】
前記応力感応素子を形成するステップは、前記半導体構造に透過性材料のライン(103)を形成するステップを有する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記応力感応素子を形成するステップは、弾性素子(509),(709)を形成するステップを有する請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【公表番号】特表2008−501119(P2008−501119A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515061(P2007−515061)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/010474
【国際公開番号】WO2005/119775
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(591016172)アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド (439)
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED