説明

性感部を刺激するためのシャワー式刺激具

【課題】モータ等を使用することなく水圧のみで機器に振動を与えることが可能で、しかもバイブレータ機能とシャワー機能とを併せ持った性感部を刺激するためのシャワー式刺激具を提供することを目的とするものである。
【解決手段】この発明の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具は、長さ方向の内側に内筒を収納固定した筒状本体と、この筒状本体に対して一定の間隔をおいて並設された噴射ノズルとを備え、
前記筒状本体の基端には内筒に給水する配管との連結部を設け、前記筒状本体の先端には内筒と筒状本体とを結ぶ連通部が形成されていて、内筒内からの給水を内筒と筒状本体との間の連通部に送出するとともに、前記連通部には筒状本体の前記先端に対して振動を与える振動付与手段が内蔵してあり、
前記噴射ノズルと前記筒状本体とを連結管で連結して、筒状本体に供給された給水を噴射ノズルに送り込んでその先端から噴射するようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性の性感部を刺激し、性感アップを目的としたリハビリ用の器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような夫婦生活の興奮療法のための刺激具としては特開平11−319013号公報(特許文献1参照)に記載された刺激具付属品が知られている。
【0003】
前記特開平11−319013号公報(特許文献1参照)に記載された発明は、周囲に切欠き部を有する円錐状基部、頂部の刺激用突起、および側面に直角に伸びる剛毛房を有しており、2つの領域または位置を同時に刺激することができるようにしたものであって、刺激具は逓降変圧器および防水性のケースを使用し、2000〜8000(好ましくは3000〜3600)回/分の速度で、10〜80(好ましくは20〜60)度の範囲から選ばれる操作角度で揺動するよう構成したものである。
【特許文献1】特開平11−319013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記先行技術は従来のいわゆるバイブレータの一種であって、本発明の目的とするようなバイブレータ機能とシャワー機能とを併せ持った機器に関するものではない。
【0005】
また、シャワー機能を持った局部洗浄装置は、ビデ機能付きの洗浄便座に見られるように極めて一般的なものであるが、手で持って自由に操作できるシャワー装置としては通常の身体洗浄のためのシャワー装置が存在するだけであり、女性の性感部を刺激し、性感アップを目的としたリハビリ用の器具としてのものではなかった。
【0006】
そこでこの発明においては、モータ等を使用することなく水圧のみで機器に振動を与えることが可能で、しかもバイブレータ機能とシャワー機能とを併せ持った性感部を刺激するためのシャワー式刺激具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具は、長さ方向の内側に内筒を収納固定した筒状本体と、この筒状本体に対して一定の間隔をおいて並設された噴射ノズルとを備え、
前記筒状本体の基端には内筒に給水する配管との連結部を設け、前記筒状本体の先端には内筒と筒状本体とを結ぶ連通部が形成されていて、内筒内からの給水を内筒と筒状本体との間の連通部に送出するとともに、前記連通部には筒状本体の前記先端に対して振動を与える振動付与手段が内蔵してあり、
前記噴射ノズルと前記筒状本体とを連結管で連結して、筒状本体に供給された給水を噴射ノズルに送り込んでその先端から噴射するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具において、前記振動付与手段は、前記内筒と筒状本体との間に送出される水流で前記連通部内を移動する球状重りからなることをも特徴とするものである。
【0009】
本発明の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具において、前記振動付与手段が、前記連通部内に設置されたスクリュと、スクリュの回転中心からスクリュの先端に延長するように取付けた連結紐と、連結紐の先端に取付けた球状重りからなることをも特徴とするものである。
【0010】
本発明の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具において、前記振動付与手段が、前記連通部内に設置された回転翼付きの回転軸と、回転軸に取付けた連結紐と、連結紐の先端に取付けた球状重りからなることをも特徴とするものである。
【0011】
本発明の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具において、前記噴射ノズルが、前記噴射ノズルと前記筒状本体とを結ぶ連結管からの給水量を調節するための開閉式バルブを備えてなることをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、モータ等を使用することなく水圧のみで機器に振動を与えることが可能で、しかもバイブレータ機能とシャワー機能とを併せ持った性感部を刺激するためのシャワー式刺激具を提供することが可能となった。
したがって、電気器具を使用しないので漏電による事故の危険がなく、しかも長期間使用しても故障の少ない、非常に取り扱いの容易な性感部を刺激するためのシャワー式刺激具を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下この発明の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具の実施の形態について、図面に基いて詳細に説明する。
図1はこの発明の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具の1実施例を示す概略断面図、図2は図1の機器に軟質被膜を被せた状態の概略断面図、図3(a),(b),(c)はそれぞれ振動付与手段の例を示す概略断面図である。
【0014】
図1および図2において、この発明の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具は、長さ方向の内側に1/2〜1/3の直径の内筒12を収納固定した筒状本体11と、この筒状本体11に対して一定の間隔をおいてほぼ平行に並設されている噴射ノズル13とを備えたものであって、筒状本体11がバイブレータ機能を、また噴射ノズル13がシャワー機能を発揮するようになっている。
【0015】
すなわち、前記筒状本体11の基端には内筒12に給水する配管21との連結部22を設け、前記筒状本体11の先端には内筒12と筒状本体11とを結ぶ連通部23が形成されていて、内筒12内からの給水を内筒12と筒状本体11との間の連通部23に送出するとともに、前記連通部23には筒状本体11の前記先端に対して振動を与える振動付与手段24が内蔵されているのである。
また、前記噴射ノズル13と前記筒状本体11とを連結管25で連結して、筒状本体11に供給された給水を噴射ノズル13に送り込み、その先端から噴射するように構成してある。
図中14,15はそれぞれ筒状本体11内の両端に配置したリング状のスペーサで、筒状本体11の先端側のスペーサ14上部には前記連通部23と内筒12の外周との間を結ぶ連通孔16が形成されている。
【0016】
図1および図2において、前記振動付与手段24は、前記内筒12と筒状本体11との間に送出される水流で前記連通部23内を移動する球状重り31からなるものである。
この例では前記連通部23を、球状重り31の外径よりも多少広くした所定の幅の重り可動室32と、その両側のスリット部33とで構成し、球状重り31の挙動が重り可動室32内で一定のリズムとなるように規制されている。
前記連通部23は、筒状本体11に対して取付け取外しが可能なように構成されており、内部の清掃や球状重り31の数を増やしたり減らしたりすることができるようになっている。
【0017】
図において34は内筒12の先端に取付けられた下向きの送水ガイドで、内筒12から送り込まれる水流を下向きに強制して、連通部23内で矢印方向の水流が起きるようにするためのものである。また、35は重り可動室32上部に配置したストッパで、球状重り31が重り可動室32を回動して前記送水ガイド34に強い衝撃を与えて損傷させることがないようにするとともに、このストッパ35に当たる衝撃で連通部23に振動を付与するよう機能する。
【0018】
図2において41はシリコン製の軟質被膜で、筒状本体11の外周に被せてある。この状態で筒状本体11を膣内に挿入し、前記振動付与手段24に振動を与えて性感を向上させるために使用するのである。
【0019】
本発明の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具においては、前記振動付与手段として、図3(a),(b),(c)に示すような例を採用することができる。
図3(a)の振動付与手段24は、前記実施例のように前記連通部23内に球状重り31を内蔵させたものである。
【0020】
図3(b)の振動付与手段24は、前記連通部23内に軸着されたスクリュ51と、スクリュ51の回転中心からスクリュ51の先端に延長するように取付けた連結紐52と、連結紐52の先端に取付けた球状重り53からなるものである。この例では、スクリュ51によって与えられる回転力で球状重り53を回転させ、球状重り53が連通部23の内壁との接触で連通部23に振動を付与するようにしたものである。もちろん、連通部23の内壁に所定の段差や凹凸を形成しておけばより確実に振動を付与することができる。
【0021】
図3(c)の振動付与手段24は、前記連通部23内に軸着された水車式の回転翼61と、回転翼61両側の回転軸62から連通部23内に延長するように取付けた連結紐63と、連結紐63の先端に取付けた球状重り64からなるものである。この例では、回転翼61によって与えられる回転力で球状重り64を回転させ、球状重り64が連通部23の内壁との接触で連通部23に振動を付与するようにしたものである。
【0022】
図1および図2において、前記噴射ノズル13は筒状本体11と平行な筒状に形成されており、その先端には多数の小さい噴射孔72を形成した噴射板71が取付けてある。
また筒状部分にはピストン73が進退可能に内蔵してあり、その後端は噴射ノズル13後端のねじ込み式キャップ74に一体化するよう連結されている。75はねじ込み式キャップ74の端部に形成した回転つまみである。
【0023】
前記ピストン73の前端にはコ字状断面の開閉式バルブ76が一体的に形成され、噴射ノズル13の筒状部分の絞られた先端に合致するサイズとなっている。したがって、開閉式バルブ76が前進して噴射板71に突き当たった位置においては噴射ノズル13への給水は停止され、開閉式バルブ76が後退して筒状部分の径の大きい位置では噴射ノズル13へ所定の給水が行われるようになる。もちろん、開閉式バルブ76の進退の程度に応じて、前記噴射ノズル13への前記筒状本体11からの給水量が調節できる。
図中77は前記ピストン73の中間位置に形成したピストン73後部へ水が入り込むのを防止する後壁、78は開閉式バルブ76、後壁77等の外周に取付けたパッキングである。
【0024】
イ)以上のように構成したこの発明の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具の使用に際しては、浴室等に付設された一般のシャワーヘッドを取外し、筒状本体11後部の配管21との連結部22に連結固定する。
ロ)次にシャワーの元栓で湯量と湯温とを調節する。このときつまみ75を操作して開閉式バルブ76を開放しておく。
ハ)その際、噴射ノズル13から噴射されたジェット噴流に手をかざし、手が後ろに押されたり、手に平に痛さを感じない程度の湯量に調整する。
また湯温は、生暖かい約25℃以下のぬる目の温度が望ましい。
【0025】
ニ)その上で開閉式バルブ76を閉じ、噴射ノズル13の先端を性感部と向き合わせる。そして徐々に開閉式バルブ76を開きながら噴射ノズル13からの湯量を性感を最も刺激する量に調節する。
湯量を希望する量に調節することが困難な場合には、前記元栓と併用して調整することができる。
ホ)このようにして噴射ノズル13からの湯量、湯温の調節が完了した上、前記筒状本体11の先端を女性の膣に挿入すれば、筒状本体11内の水流に応じて球状重り31が前記連通部23に衝撃を与えて細かい振動を付与するので、女性の性感がより開発されるのである。
【産業上の利用可能性】
【0026】
この発明は性感部を刺激するためのシャワー式刺激具は、振動付与手段によるバイブレータ機能とシャワー機能とを併用しつつ使用するのが効果的であるが、バイブレータ機能、シャワー機能をそれぞれ単独で使用する用途にも適用できる。
また水流のみならず、種々の薬液との混合液を使用したり、気流によって球状重りを点どうさせることもできる。その際、球状重りの重量を調節しておくことが望ましいのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具の1実施例を示す概略断面図である。
【図2】図1の機器に軟質被膜を被せた状態の概略断面図である。
【図3】(a),(b),(c)はそれぞれ振動付与手段の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0028】
11 筒状本体
12 内筒
13 噴射ノズル
14,15 スペーサ
16 連通孔
21 配管
22 連結部
23 連通部
24 振動付与手段
25 連結管
31 球状重り
31からなるものである。
32 重り可動室
33 スリット部
34 送水ガイド
35 ストッパ
41 軟質被膜
51 スクリュ
52 連結紐
53 球状重り
61 回転翼
62 回転軸
63 連結紐
64 球状重り
71 噴射板
72 噴射孔
73 ピストン
74 ねじ込み式キャップ
75 回転つまみ
76 開閉式バルブ
77 後壁
78 パッキング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向の内側に内筒を収納固定した筒状本体と、この筒状本体に対して一定の間隔をおいて並設された噴射ノズルとを備え、
前記筒状本体の基端には内筒に給水する配管との連結部を設け、前記筒状本体の先端には内筒と筒状本体とを結ぶ連通部が形成されていて、内筒内からの給水を内筒と筒状本体との間の連通部に送出するとともに、前記連通部には筒状本体の前記先端に対して振動を与える振動付与手段が内蔵してあり、
前記噴射ノズルと前記筒状本体とを連結管で連結して、筒状本体に供給された給水を噴射ノズルに送り込んでその先端から噴射するようにしたことを特徴とする性感部を刺激するためのシャワー式刺激具。
【請求項2】
前記振動付与手段が、前記内筒と筒状本体との間に送出される水流で前記連通部内を移動する球状重りからなることを特徴とする請求項1に記載の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具。
【請求項3】
前記振動付与手段が、前記連通部内に設置されたスクリュと、スクリュの回転中心からスクリュの先端に延長するように取付けた連結紐と、連結紐の先端に取付けた球状重りからなることを特徴とする請求項1に記載の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具。
【請求項4】
前記振動付与手段が、前記連通部内に設置された回転翼付きの回転軸と、回転軸に取付けた連結紐と、連結紐の先端に取付けた球状重りからなることを特徴とする請求項1に記載の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具。
【請求項5】
前記噴射ノズルが、前記噴射ノズルと前記筒状本体とを結ぶ連結管からの給水量を調節するための開閉式バルブを備えてなることを特徴とする請求項1に記載の性感部を刺激するためのシャワー式刺激具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−42074(P2010−42074A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206475(P2008−206475)
【出願日】平成20年8月9日(2008.8.9)
【出願人】(591251658)
【Fターム(参考)】