説明

性的刺激装置

性的刺激装置(1)は、バイブレータユニットが内部に配置されたケーシング(2)を備え、バイブレータユニットは、その出力軸に偏心体が設けられた電気モータを有している。連結ループ(5)は、装置を陰茎に連結するためにケーシングに一体に取り付けられている。装置のスイッチをオンオフするための弾性押圧可能ボタン(3)が設けられている。ボタン(3)を同一方向に押圧することにより装置をオンオフすることができるように、バイブレータユニットのスイッチは双安定である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、性的刺激装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、様々な性的刺激装置が知られている。例えば、陰茎の周りに装着するゴムリングとともに該リングに連結された電気振動装置を有する、いわゆる電動コンドームリングが知られている。振動装置のオンオフを行うスイッチが設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
英国特許第2414938号明細書には、オン/オフスイッチがプッシュロッドを有し、このプッシュロッドは、押圧されたとき、絶縁板を動作させてバッテリーと電気モータとの電気的接続を実現する電動コンドームリングが開示されている。偏心体が電気モータに接続され、これによりモータが回転した際に振動を生成する。製品を保管または運搬している間に、プッシュロッドが偶然押圧される場合があることが知られており、一旦これが生じると、装置のスイッチを切るためにプッシュロッドが偶然外方へ引き上げられることは、ほとんど可能性がない。結果として、電動コンドームリングが使用されるときそのバッテリーがなくなっているため、コンドームリングは廃棄される。プッシュロッドもまたかなり小さく、そして作動させるのに手間がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、性的刺激装置において、内部に配置されたバイブレータユニットを有するケーシングを備え、前記バイブレータユニットは、電気モータが収容されたハウジングであって、前記電気モータは、前記電気モータの動作により振動を生じる回転駆動可能な偏心体を有する、ハウジングと、前記ハウジング内に配置され、前記電気モータに電力を供給するバッテリーと、前記バッテリーの一方の極を前記電気モータの第1電極に接続する導電体と、前記バッテリーの他方の極を前記電気モータの第2電極に接続するスイッチとを有し、前記スイッチは、前記電気モータのスイッチを入れるために一方向に押圧可能であるとともに前記電気モータのスイッチを切るために前記一方向と同一の方向に押圧可能な双安定作動手段を有し、前記ハウジングは、前記作動手段上に載置され、弾性的に押下可能なシール要素を有する、性的刺激装置を提供する。
【0005】
ユーザーは、装置を作動させるために作動手段を押圧し、装置を切るために再び押圧するだけなので、とりわけスイッチの作動を単純化できる点で有利である。装置の偶然の作動を避けるため、作動手段が装置上に位置することが有利である。作動手段を同一の方向に押圧することによりバイブレータユニットをオンオフできるという効果により、仮に装置が偶然にスイッチオンされても、従来技術と比べて、偶然に再びスイッチオフされる可能性を高くすることができて有利である。
【0006】
バイブレータユニットがケーシング内に配置されているという利点により、バイブレータユニットが流体から保護され、これによりバイブレータユニット内での短絡を防止するのを助けるとともに、装置を衛生的にすることにもなる。ハウジングは、作動手段上に載置され、弾性的に押下可能なシール要素を有するという利点により、更に流体から保護することができる。
【0007】
シール要素は、装置の他の要素と比べて、相対的に柔軟かつ圧縮性のある材料から構成されていても良い。このことにより、シール要素の周囲に隣接するケーシングをシール要素まで効果的に掘り下げ、とりわけ効果的なシールを形成することができるので有利である。
【0008】
バイブレータユニットは、互いにシールされた一対のハーフシェルを有しうるハウジングを有しており、これにより更に装置の防水性をもたらす。好ましい実施の形態において、ハーフシェルは、超音波溶接を用いることにより互いにシールされており、これによりとりわけハウジングのシール性を良好にし、またこれは便利な製造方法である。
【0009】
本発明の実施の形態に対して、とりわけ欧州規格BS EN 60529:1192(筐体によって与えられる保護の度合い)に基づく防水試験を行った。第1試験(IPコード IPX6)は、本発明による装置および本発明によるバイブレータユニットに対して、強力な噴流の条件下における水の進入に対する耐性を測定したものであり、一方、第2試験(IPコード IPX7)は、一時的な浸水の条件下における耐性を測定したものである。装置およびバイブレータユニットはともに、両方の試験に合格した。
【0010】
いくつかの従来技術による装置もまたこれらの規格に対して試験を行った。1つのタイプの従来技術の装置において、オン−オフスイッチはスライド型スイッチの形状を有しており、一方、他のタイプの装置においては、交換不可能な小さいプラスチック片を除去することによりスイッチを投入される。この後者のタイプの装置は、一旦スイッチが入れられると、装置を切ることができず、かつバッテリーがエネルギーを使い果たすまで振動し続ける。これら従来技術の装置は、いずれも上述した防水試験に不合格となった。
【0011】
上述したように、本発明による装置およびバイブレータユニットが良好な防水レベルを有しているという事実により、バイブレータユニット内に位置する電子機器は、例えば短絡および金属要素の腐食等、液体による潜在的損害から保護される。ユーザーが発する流体が装置およびバイブレータユニットに浸入することも防止されるので、本発明は衛生的である。仮にこのような流体が装置内に残存した場合、バクテリアが増殖することができ、装置を潜在的に害する。
【0012】
有利には、スイッチの作動手段はバイブレータユニットのうち使用時に陰茎から遠い方の側を向いて配置され、このことにより使用中に作動手段が偶然ぶつけられることが起こりにくい。これは、使用中に不注意で装置がオンまたはオフされることを防止するのに役立つ。
【0013】
本発明はまた、性的刺激装置のためのバイブレータユニットにおいて、電気モータが収容されたハウジングであって、前記電気モータは、前記電気モータの動作により振動を生じる回転駆動可能な偏心体を有する、ハウジングと、前記ハウジング内に配置され、前記電気モータに電力を供給するバッテリーと、前記バッテリーの一方の極を前記電気モータの第1電極に接続する導電体と、前記バッテリーの他方の極を前記電気モータの第2電極に接続するスイッチとを備え、前記スイッチは、前記電気モータのスイッチを入れるために一方向に押圧可能であるとともに前記電気モータのスイッチを切るために前記一方向と同一の方向に押圧可能な双安定作動手段を有し、前記ハウジングは、前記作動手段上に載置され、弾性的に押下可能なシール要素を有する、バイブレータユニットを提供する。このバイブレータユニットは、したがって、スイッチオンおよびオフの方法が単純であるという利点を有しており、この効果により、バイブレータユニットは、様々な異なる装置の中で使用することができ、装置またはバイブレータユニットの適合調整が最小限で済む。さらに、上で論じたように、バイブレータユニットは良好な防水レベルを有する。
【0014】
以下、図面を例として参照することにより、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による性的刺激装置を示す斜視図。
【図2】図1に示す装置の背面図。
【図3】図1に示す装置の側面図。
【図4】図1に示す装置の正面図。
【図5】図1に示す装置内で用いられるバイブレータユニットの分解図。
【図6】スイッチオフされたバイブレータユニットの内部を示す図。
【図7】スイッチオンされたバイブレータユニットの内部を示す図。
【図8】バイブレータユニットの簡略化した回路図。
【図9】バイブレータユニットに用いられるスイッチの斜視図。
【図10】図1に示す装置内で用いられるバイブレータユニットの第2の実施の形態による分解図。
【図11】図10に示すバイブレータユニットの組み立てられた形態における斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1乃至図4に示す性的刺激装置1は、柔軟なゴム材料から作製され、弾性スリーブを形成するケーシング2を有している。バイブレータユニットは、ケーシング2内部に配置されている。ケーシングの上部であって、ケーシングのうち使用時に陰茎と正反対の側を向く側に、オン/オフ押しボタン3が設けられている。ボタン3は、薬用ドロップ形状に形成されるとともに、弾性的に圧縮可能なシール要素を有している。このシール要素は、防水のために、任意的にケーシング2内でバイブレータユニットに対してシールされても良い。あるいは、シールは耐水性を有していても良い。ケーシング2には、ボタン3が突き出る穴が形成されているが、ボタン3が完全に通過する必要はない。したがって、ケーシングは、バイブレータユニットのボタン3を除いてバイブレータユニットを完全に覆う。製造の際、バイブレータユニットは穴を通過してケーシング内に挿入される。このほか、ケーシング2およびボタン3を一体に構成し、これにより防水シールを保証しても良い。この場合、バイブレータユニットをケーシング2内に配置するために、例えばケーシングをバイブレータユニットの周りに成形する等、異なる方法が求められる。バイブレータユニット40は、ケーシング内に予備組立ユニットとして挿入され、これにより、容易に作動可能なスイッチ機構を様々な異なるタイプの装置の中で使用でき、そして装置またはバイブレータユニットの適合調整が最小限で済む。この点において主に考慮されることは、この装置は、押しボタン3を押すことができるように構成されており、かつバイブレータユニットを収容するのに十分なスペースを有していることである。
【0017】
ケーシングは、2つの閉じた端部領域4を有し、そのそれぞれが切頭ドーム形状を有し、実質的に平坦な円形端面を有している。ケーシング前面上に突起部が設けられ、これはとりわけクリトリスを刺激するための盛り上がった塊状部9からなり、この塊状部9は立方形形状を有していても良い。塊状部9の各側に、同様の目的のために役立つ一対の隆起部10が設けられている。
【0018】
ケーシング2に連結され、好ましくはそれと一体に形成されているのは、装置を陰茎に連結するための連結手段5である。連結手段5の前面に設けられているのは、膣を刺激するのに更に役立ついくつかの突起部7、8である。連結手段5は、適当な弾性ゴム材料から作製されうる、弾性リングまたは弾性ループを形成し、また連結手段5は少なくとも1つの脆弱点を有しており、これは、ここに示す実施の形態においては、弾性ループ5の材料中の一対の狭窄部6から構成されている。脆弱点6の目的は、必要な場合に、(弾性ループを破壊することにより)装置を容易かつ迅速に取り除けるようにすることである。
【0019】
図2にもっとも良く示されるように、これは装置の背面を示しているが、連結手段5はケーシング2に近接する領域22を有し、領域22は、その断面が、ケーシング2から遠い連結手段の領域23より広い。換言すれば、連結手段5は、ケーシングから離れるにつれて先細となっている。これによりケーシング2と連結手段5との間に強い連結がもたらされ、他方、連結手段5の他の領域は容易に引き伸ばすことができる。連結手段5の内周に、一連の小さい瘤または隆起部21が設けられ、これにより装置を陰茎の所定位置に保持することが容易となる。とりわけ瘤21は、ケーシング2により位置付けられる。
【0020】
図2から分かるであろうが、弾性ループ5の直径はケーシング2の長さに略等しい。さらに、ケーシング2の端面4は弾性ループと連続しており、美的に魅力あるデザインであるとともに、これもまた弾性ループ5とケーシング2との強い連結をもたらしている。好ましくはケーシング2と弾性ループ5とは、一体的な構成要素からなり、とりわけ一体成形されるが、別体に形成されてその後互いに連結されても良い。バイブレータユニット40は、ケーシング2内で、通常弾性ループ5に対して接線方向に方向付けられる。
【0021】
図5に分解された状態で示されているバイブレータユニット40は、成形により製造されても良い第1および第2の略半円筒形状のハーフシェル41、42から組み立てられたハウジングを有している。ハーフシェル41、42のうち少なくとも1つは、ハウジングの中身を所定位置に保持するのに役立つ内側リブ53を含んでいる。ハーフシェル41、42は、その一端にそれぞれねじ部51、52を含んでおり、ハーフシェル41、42を接合したときに、ねじ部51、52がねじ付きの管状連結体を形成し、ここに端部キャップ、例えばねじキャップ45を取付け可能であるとともに、シェル41、42を互いに保持する役割を果たすように構成されている。これに代えて、または追加的に、ハウジングハーフシェル41、42は、互いにスナップ式に係合されても良い。第1のハーフシェル41の上部に、作動ボタン3が配置されている。
【0022】
ハウジング41、42内部に収容されているものは、様々な電気接点とともに、電気モータ43、スイッチ54、および1つ以上のバッテリー44(本実施の形態では、2つのバッテリー)である。電気モータは、その出力駆動シャフトに連結された偏心体55を有し、これにより電気モータの動作により振動が生じる。導電体50は、電気モータの第1電極(この第1電極は、モータ43の金属ハウジングの側面から構成される)をバッテリーの金属ケーシングの側面によって形成されるバッテリー44の極に接続する細長い金属片から構成される。電気モータとバッテリーとの間に形成されるキャビティ内に位置するのは、電気モータ43のスイッチを入り切りするためのスイッチ54である。このスイッチは、部分的にキャビティ内に配置されても良く、あるいは完全にキャビティ内に配置されても良い。スイッチ54は、押しボタン47から構成される双安定作動手段47を含み、この押しボタン47は、前記スイッチを作動させて電気モータ43の電源を入れるために、ユーザーにより押圧されるものである。電気モータ43のスイッチを切るために、ユーザーは押しボタン47を再び押圧する。無論、実際上、ユーザーは、バイブレータユニットのハウジング上にある弾性ゴムのボタン3を押圧するのであり、このボタン3は押しボタン47に直接隣り合って位置している。スイッチ54の両側には、第1および第2金属接触板から構成される第1および第2接触手段48、49が設けられている。第1金属板48は、電気モータの長手端面に位置する電気モータの極56と、スイッチの第1端子61との間の電気的接続を成立させ(図5参照)、その一方、第2金属接触板49は、バッテリー44の端面に形成されたバッテリー44の極と、スイッチ54の第2端子62との間の電気的接続を成立させる。金属板48、49の主な目的は、標準化された要素であるスイッチ54を手元にある特定の用途に適合させることである。金属板48、49は、良好な電気的接続を提供するために、それらが接触する要素に対して弾性的に付勢された接触部分を含んでいても良い。O−リング46は、2つのハウジンクシェル41、42によって形成されるねじ付きの管状連結体の周囲に配置され、ハウジングとねじキャップ45との連結をシールするのに役立つ。キャップ45と反対側の端部近傍において、環状溝がハウジング周囲に延びており、この環状溝は、外側のケーシング内におけるバイブレータユニットの位置決めを容易に補助できるようにするために、ケーシング内部に成形されたリブを受容しても良い。
【0023】
バイブレータユニットの内側作動要素が互いに組み立てられた状態で図6および図7に示されており、図6ではスイッチ54が「オフ」の状態であり、図7では「オン」の状態である。スイッチ54の作動ボタン47は、スプリング65によって導電性を有するスイッチ板66に連結されており、スイッチ板66は、図7に示すように2つの接触端子61、62間の間隙を橋渡しする位置に移動可能であり、これにより電気モータのスイッチを入れる回路が完成する。スイッチの内部には、作動ボタン47を双安定とするためのラッチ手段が設けられ、このことにより、スイッチ接触板66が図6の「オフ」の位置に戻るように作動ボタンが再び押圧されるまで、スイッチはオン状態のままである。導電体50は、電気モータ43の側面と接触する第1湾曲部63と、バッテリー44の側面と接触する第2湾曲部64とを有している。
【0024】
図8は、スイッチ54、バッテリー44、および電気モータ43間の電気的な接続を図式的に示す単純な回路図である。本実施の形態において、2つのバッテリー44は直列に接続されているが、より低い出力の振動を生じるように、バッテリーを互いに並列に接続することも可能である。この点、例えば押しボタン3を押すことにより、ユーザーがバッテリーの直列接続または並列接続を選択できるようにバイブレータユニットの内部要素を構成することも可能である。
【0025】
図9は、第1および第2の接触板48、49(図5に示すものとわずかに異なる構成である)、電気端子61、62、および作動手段47を含むスイッチ54の詳細を示す。スイッチのハウジング91はプラスチック材料からなり、他方、接触板48、49および端子は金属からなる。
【0026】
図10は、バイブレータユニット68の他の好ましい実施の形態を示しており、これは、図5に示すバイブレータユニットと略同一であり、その同一の構成要素には同一の参照符号を用いている。主な相違点は、第1および第2の略半円筒形のハーフシェル70、71が、シーリングにより、換言すれば非機械的に、互いに連結されていることである。これにより、バイブレータユニットの防水性を良好にすることができ、これはハーフシェルが互いに機械的に連結されるときにおける防水レベルを上回るであろう。有利には、シーリングは、ハーフシェルがそこに沿って互いに係合する部分であるハーフシェル70、71周縁部に連続的になされ、またとりわけ周縁部全体であっても良い。例えば溶接(例えば超音波溶接および/または高周波溶接)、または化学シーリングを含む、様々なシーリング方法を用いることができ、また接着剤を用いても良い。したがってシーリングは永続的な効果を有し、ハーフシェル70、71を分離する場合、シールが破壊される。目下、好ましいシーリング方法は超音波溶接である。図5に示すバイブレータユニットの実施の形態において、端部キャップ45は、ハウジングを閉じるとともにシェル41、42を互いに保持するのを補助するために設けられている。端部キャップ45は取外し可能であり、バッテリー44の交換を可能にする。図10に示す実施の形態において、ユーザーがハーフシェル70、71を互いに分離して、その後それらを再付着することは不可能であり、したがってバイブレータユニット68は、バッテリー44が切れたときに使い捨てされることを意図される。このように使い捨てすることにより、バッテリーの寿命より長い期間にわたり装置を再利用することが不可能となるため、衛生を改善することにつながる。一方のハーフシェル71は、その周囲に延びるフランジ75を含み、かつ対応する切り込みがフランジを収容するために他方のハーフシェル70周囲に沿って設けられている。このような構成により、他の存在するものと比べてシェル間の連結の表面領域を広くすることができ、このことはシーリング工程で2つのハーフシェル70、71を互いに強く結合することに役立つ。
【0027】
図5および図10に示すバイブレータユニットの実施の形態において、押しボタン3は、シェル40、41、70、71を製造するための材料と比べて、軟らかく圧縮性のある弾性材料からなる。この2材料からなるシェルを製造する1つの特別な方法は、2ショット成形プロセスを用いることであり、すなわち、第1材料がシェルの一つの部分を作成するために金型内に射出され、その後、第2材料がシェルの他の部分を作成するために射出される。これはまた、シェルの複数の部分に異なる色を用いることも可能にする。これらの部分を別々に作成し、互いに連結することも勿論可能である。
【0028】
第1の実施の形態におけるバイブレータユニットのハウジングに設けられた1つの溝とは異なり、バイブレータユニット68は一対の環状溝74、77を有している。追加の溝に対応する追加のリブが、ケーシング内部に成形されていても良く、これにより、バイブレータユニットは、製造時に装着される際、ケーシング内に確実に位置決めされる。
【0029】
小さい切り込み76がハーフシェル70、71の一方に設けられ、これは、ケーシング内に装着されるときに、バイブレータユニットの位置合わせを補助するために用いられる。切り込み76の代わりに、マークまたはスリットを任意的に用いても良い。
【0030】
図5に示すような、スイッチ54に隣接する金属接触板48、49は、図10に示す実施の形態においては設けられておらず、スイッチ54は図9に示すとおりであり、これは図5より小さい接触板48、49を含んでいる。これにより構造を単純にすることができ、したがってユニット68を容易に製造することができる。
【0031】
バッテリー44の公称寿命は、約20分となるように選択される。この理由は、仮に装置が長時間にわたり使用または装着された場合、陰茎が傷つくおそれがあるからである。1回の使用時間の限度は30分であることが提案されている。図示した実施の形態において、35mAhの容量を有するG3−A型1.5Vのバッテリーが2個使用される。これにより、約100mAの電流と、21分の公称バッテリー寿命とが提供される。バッテリーによりもたらされる全エネルギーは、3Vに35mAhを乗じた、105mWhである。これはいくつかの従来のバイブレータユニットより全エネルギーが増加することを示している。従来のバイブレータユニットは、本装置より長寿命であると考えられるが、著しく弱い出力の振動しか生じない。バイブレータユニットの比較試験において、従来の装置に対する発生する振動の強さを測定するために加速度計を用いた。ここに開示したバイブレータユニットは、最大6g(ここでgは重力加速度)の測定された加速度を生じ、これは従来のバイブレータユニットが発生可能な値より大幅に高い。
【0032】
図5および図10は縦のハーフシェルを有しており、すなわちシェルはユニットの長手方向に沿う連結面を形成するが、他の構成も可能であろう。例えばバイブレータユニットは、一端または両端にねじ込まれまたはシールされた端部キャップが設けられた円筒から構成されていても良い。あるいは、ハーフシェルは、ユニットの長手方向に垂直な連結面を形成しても良く、この連結面はバイブレータユニットを二等分しても良い。斜めに傾斜した連結面とすることも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
性的刺激装置において、
内部に配置されたバイブレータユニットを有するケーシングを備え、
前記バイブレータユニットは、
電気モータが収容されたハウジングであって、前記電気モータは、前記電気モータの動作により振動を生じる回転駆動可能な偏心体を有する、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記電気モータに電力を供給するバッテリーと、
前記バッテリーの一方の極を前記電気モータの第1電極に接続する導電体と、
前記バッテリーの他方の極を前記電気モータの第2電極に接続するスイッチとを有し、
前記スイッチは、前記電気モータのスイッチを入れるために一方向に押圧可能であるとともに前記電気モータのスイッチを切るために前記一方向と同一の方向に押圧可能な双安定作動手段を有し、
前記ハウジングは、前記作動手段上に載置され、弾性的に押下可能なシール要素を有する、性的刺激装置。
【請求項2】
前記スイッチは、前記電気モータと前記バッテリーとの間に形成されたキャビティ内に位置する、請求項1記載の性的刺激装置。
【請求項3】
第1接触手段が、前記スイッチを前記バッテリーの前記他方の極に接続する、請求項1または2記載の性的刺激装置。
【請求項4】
第2接触手段が、前記スイッチを前記電気モータの前記第2電極に接続する、請求項3記載の性的刺激装置。
【請求項5】
前記第1接触手段は金属板からなる、請求項3記載の性的刺激装置。
【請求項6】
前記第2接触手段は金属板からなる、請求項4記載の性的刺激装置。
【請求項7】
前記装置を陰茎に連結する連結手段を含む、請求項1乃至6のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項8】
前記連結手段は、前記ケーシングに連結されるとともに、好ましくは前記ケーシングと一体に形成される、請求項7記載の性的刺激装置。
【請求項9】
前記連結手段は、前記陰茎周囲に延びる弾性ループを有する、請求項10記載の性的刺激装置。
【請求項10】
前記連結ループは、前記ケーシングに近接する領域において、前記ケーシングから遠い領域より大きい断面を有する、請求項9記載の性的刺激装置。
【請求項11】
前記連結ループは、前記ケーシングの長さに略等しい直径を有する、請求項9または10記載の性的刺激装置。
【請求項12】
前記ケーシングの端部が、前記弾性ループに連結されている、請求項9、10、または11記載の性的刺激装置。
【請求項13】
前記連結手段は、予め定められた脆弱点を有する、請求項8乃至12のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項14】
前記連結手段は、1以上の前方を向く突起を含む、請求項1乃至7のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項15】
前記スイッチの前記作動手段は、前記バイブレータユニットのうち使用時に陰茎から遠い方の側を向いて配置されている、請求項1乃至14のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項16】
前記ケーシングは、その内部に前記バイブレータユニットが挿入される弾性スリーブを有する、請求項1乃至15のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項17】
前記ケーシングの端部は密閉され、これによりケーシングが前記バイブレータユニットの端部を取り囲む、請求項1乃至16のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項18】
前記ケーシングは、前記バイブレータユニットの作動ボタンを除いて前記バイブレータユニットを完全に取り囲む、請求項1乃至17のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項19】
前記ケーシングは、クリトリスを刺激するための突起部を有する、請求項1乃至18のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項20】
前記突起部は、中央に位置する盛り上がった塊状部を有する、請求項19記載の性的刺激装置。
【請求項21】
前記塊状部は、立方形である、請求項20記載の性的刺激装置。
【請求項22】
前記盛り上がった塊状部から横方向にずれた位置に、少なくとも1つの盛り上がった隆起部が設けられている、請求項20または21記載の性的刺激装置。
【請求項23】
一対の盛り上がった隆起部が、前記盛り上がった塊状部の両側に設けられている、請求項22記載の性的刺激装置。
【請求項24】
前記バイブレータユニットは、予備組立体として前記ケーシング内に挿入されている、請求項1乃至23のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項25】
前記ケーシングに、前記作動手段に隣接して位置する穴が形成されている、請求項1乃至24のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項26】
前記バイブレータユニットは、前記穴を介して前記ケーシングに挿入される、請求項25記載の性的刺激装置。
【請求項27】
前記バイブレータユニットの前記ハウジングは、一対の略半円筒形状のハーフシェルを有する、請求項1乃至26のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項28】
前記ハーフシェルは、互いにシールされている、請求項27記載の性的刺激装置。
【請求項29】
前記ハーフシェルは、超音波溶接により互いにシールされている、請求項28記載の性的刺激装置。
【請求項30】
前記ハウジングは、端部キャップを有する、請求項1乃至29のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項31】
前記シール要素は、ゴム材料からなる、請求項1乃至30のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項32】
前記導電体は、前記バッテリーの前記一方の極を前記ハウジングの内側に沿って延びる前記電気モータの前記第1電極に接続し、前記バッテリーおよび前記電気モータは前記ケーシングの両端に隣接して位置する、請求項1乃至31のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項33】
前記作動手段は、前記スイッチを作動させるために、前記バイブレータユニットの長手方向軸に垂直な方向に押圧するように構成されている、請求項1乃至32のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項34】
複数のバッテリーが前記ハウジング内に配置され、前記複数のバッテリーは、互いに直列または並列に接続されている、請求項1乃至33のいずれか一項記載の性的刺激装置。
【請求項35】
性的刺激装置のためのバイブレータユニットにおいて、
電気モータが収容されたハウジングであって、前記電気モータは、前記電気モータの動作により振動を生じる回転駆動可能な偏心体を有する、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記電気モータに電力を供給するバッテリーと、
前記バッテリーの一方の極を前記電気モータの第1電極に接続する導電体と、
前記バッテリーの他方の極を前記電気モータの第2電極に接続するスイッチとを備え、
前記スイッチは、前記電気モータのスイッチを入れるために一方向に押圧可能であるとともに前記電気モータのスイッチを切るために前記一方向と同一の方向に押圧可能な双安定作動手段を有し、
前記ハウジングは、前記作動手段上に載置され、弾性的に押下可能なシール要素を有する、バイブレータユニット。
【請求項36】
前記双安定作動手段は、前記スイッチから離れる方向に弾性的に付勢される、請求項35記載のバイブレータユニット。
【請求項37】
前記作動手段を双安定とするために、ラッチ手段が前記スイッチ内に設けられている、請求項35または36記載のバイブレータユニット。
【請求項38】
前記ハウジングは、一対の略半円筒形状のハーフシェルを有する、請求項35乃至37のいずれか一項記載のバイブレータユニット。
【請求項39】
前記ハーフシェルは、互いにシールされている、請求項38記載のバイブレータユニット。
【請求項40】
前記ハーフシェルは、超音波溶接により互いにシールされている、請求項39記載のバイブレータユニット。
【請求項41】
溝が、前記ハウジングの端部領域において前記ハウジング周囲に延びている、請求項35乃至40のいずれか一項記載のバイブレータユニット。
【請求項42】
溝が、前記ハウジングの両端部領域に設けられている、請求項41記載のバイブレータユニット。
【請求項43】
本添付図面に実質的に記載されている、性的刺激装置。
【請求項44】
本添付図面に実質的に記載されている、バイブレータユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2009−542275(P2009−542275A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517433(P2009−517433)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際出願番号】PCT/GB2007/002530
【国際公開番号】WO2008/003980
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(502058482)エルアールシー・プロダクツ・リミテッド (11)
【Fターム(参考)】