説明

恒温恒湿装置

【課題】本発明は、環境試験の試験精度を低下させることなく、除霜動作を実行し、省エネルギーを図ることができる恒温恒湿装置を提供することを目的とした。
【解決手段】恒温恒湿装置1は、物品配置室3と空調用通路5とを有し、空調用通路5の内部に冷凍機の一部を構成する冷却除湿用熱交換器6が配されている。冷却装置20は、圧縮機23と、凝縮器24と、膨張手段25と、冷却除湿用熱交換器6の各機器が冷媒循環配管26で接続されて環状の冷媒循環回路22を構成し、相変化する冷媒が封入されたものである。冷却除湿用熱交換器6には、下部近傍に加熱用配管として機能する冷媒循環配管26の一部である副流路29が配されており、副流路29に流される高温冷媒の熱により除霜動作を実行することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の庫内や室内を目標とする温度及び湿度に調整可能な恒温恒湿装置に関するもので、特には環境試験装置として使用される恒温恒湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機器や部品等の耐久性をテストする方策として環境試験が知られている。
ところで、環境試験のうち、気温や湿度の変化に対する耐久性をテストする装置として、恒温恒湿装置と称される装置がある。この種の恒温恒湿装置は、ヒータと冷却装置と加湿装置とを備えており、庫内の温度や湿度の目標値を予め設定して、所望の環境を作りだすものである。
【0003】
ここで、恒温恒湿装置に採用する冷却装置は、圧縮機と凝縮器と膨張手段と蒸発器(熱交換器)とが、配管により接続されて循環回路を形成した構成を備え、その循環回路内に相変化する冷媒が封入されて冷凍サイクルが実行されるものである。即ち、冷却装置では、蒸発器で冷媒を低温気化させて、その気化熱により低温となるため、この蒸発器が庫内又は外付けの空調機部内に設置されることで庫内の空気を冷却することができる。
【0004】
ところで、庫内を長期間にわたって低温高湿とするような環境試験を行う場合、図10に示すように、庫内に配された蒸発器を構成する冷媒配管やその冷媒配管に取り付けられたフィン等に空気中の水蒸気が多量に着霜して、蒸発器の熱効率を低下させる問題があった。なお、図面上のドット領域は、霜を表している。
そこで、特許文献1では、冷凍サイクルが実行される循環回路にバイパス流路を設け、必要に応じて圧縮機で圧縮された高温の冷媒をバイパス流路を介して蒸発器に流して、直接的に霜を溶かして除霜する(直接的ホットガス式デフロスト、以下直接的デフロストとも言う)機能を備えた冷凍サイクル装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−19779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、除霜動作として、直接的デフロストを行うと、霜は蒸発器に着接した側(空気に晒されていない側)から溶けるため、蒸発器に着霜した霜は、除霜の最中に固着力が弱まり蒸発器から剥がされるように下方に落下する。特に蒸発器の最下部の霜は、下方に向かって大きく霜が成長するため、他の部分の霜より蒸発器から剥がれ易く、図11に示すように、大きな塊の状態で下方に落下する。これにより、落下した塊の霜や溶けた水の一部が、試料が設置された位置まで飛散する懸念があった。
【0007】
また、除霜動作として、直接的デフロストを採用すると、蒸発器における冷却作用を一時的に停止せざるを得ないため、一定の条件を、一定期間維持する必要がある環境試験には好ましくない。このため、直接的デフロストを除霜動作を行う度に実行すると、その度に試験環境が一時的に崩れ、試験精度が低下する問題があった。
【0008】
また、別の除霜手段として、加熱ヒータを蒸発器の近傍に設けて間接的に霜を溶かす方策がある。この手段によると、霜を表面側から徐々に溶かすことができるため、前記した問題を解決できるが、長期間に渡って行う環境試験では、電力消費が大きくなり、省エネルギーを図ることが難しくなるため避けたい。また、製造コストが掛かることや、装置全体が大型化して広い設置スペースを要する等の不満もある。
【0009】
従って、従来技術では、製造コストを低減したり、低温高湿の環境を長期間に渡って維持する必要がある環境試験において、試験精度を低下させることなく、除霜動作を実行し、さらに省エネルギーを図ることが困難であった。
【0010】
そこで、本発明では、上記した従来技術の問題に鑑み、環境試験の試験精度を低下させることなく、除霜動作を実行し、省エネルギーを図ることができる恒温恒湿装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、物品配置室と、当該物品配置室に対して循環空気流路を形成する空調用通路とを有し、前記空調用通路内部に少なくとも冷却用熱交換器が配された恒温恒湿装置において、前記冷却用熱交換器は、冷凍サイクルを構成する冷凍機の一部であり、当該冷凍機は、圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と、前記冷却用熱交換器の各機器が冷媒循環配管で接続されて環状の循環回路を構成し、当該循環回路内に相変化する冷媒が封入されたもので、前記冷却用熱交換器の下部近傍に圧縮機で圧縮された高温の冷媒が通過して加熱用配管として機能する冷媒循環配管の一部が配されていることを特徴とする恒温恒湿装置である。
【0012】
本発明の恒温恒湿装置は、冷凍サイクルを構成する冷凍機を備えており、少なくともその冷凍機の一部である冷却用熱交換器を内部に配して物品配置室を冷却するものである。
ここで、冷凍サイクルとは、循環回路内に封入された冷媒を相変化させて、その際の熱エネルギーの変化を利用する熱力学的サイクルであり、詳細には、冷媒を気体の状態で圧縮して高温高圧にした後、冷却して高圧状態の液体とし、さらにその液状の高圧冷媒の体積を膨張させて低圧にしてから、気化させて再び圧縮するという一連のサイクルである。
即ち、本発明の恒温恒湿装置では、冷却用熱交換器で冷媒が気化する際に、空調用通路における当該冷却用熱交換器を通過する空気と熱交換させることで、物品配置室を冷却して、低温環境を提供することができる。しかしながら、先に説明したように、長期間にわたって低温高湿とするような環境試験を行う場合、冷却用熱交換器を構成する冷媒配管やその冷媒配管に取り付けられたフィン等に空気中の水蒸気が多量に着霜する問題があった。
【0013】
そこで、本発明の恒温恒湿装置では、冷却用熱交換器の下部近傍に、加熱用配管として機能する冷媒循環配管の一部が配された構成とされている。即ち、例えば、圧縮機から吐出された高温の冷媒が冷却用熱交換器の下部近傍に流れるように冷媒循環配管の一部を迂回させる構成とすることができる。これにより、主に冷却用熱交換器の下部に着霜した霜を高温冷媒の熱で間接的に溶かすことができる(間接的ホットガス式のデフロスト、以下間接的デフロストとも言う)。このとき、冷却用熱交換器の下部に着霜した霜は、表面側(空気に晒された側)から徐々に溶けるため、霜の塊が形成されていても、塊の状態で下方に落下することが防止される。結果的に、霜の一部や水が物品配置室側などに飛散するという問題が解消される。
【0014】
さらに、本発明の恒温恒湿装置では、除霜動作の際に、加熱用配管に高温の冷媒を流すため、冷却用熱交換器の本来の機能を停止させることがない。即ち、長期間に渡って低温を維持するような環境試験であっても、例えば、着霜前から加熱用配管に高温の冷媒を流すことで、霜の成長を最小限に抑えることができるため、先に説明したような冷却用熱交換器を停止させる程の除霜動作(直接的デフロスト)を実行する必要がない、あるいは短時間の直接的デフロストで霜を溶かすことができ、結果的に試験精度が低下することが阻止される。
従って、本発明の恒温恒湿装置によれば、低温高湿の環境を長期間維持して行う試験であっても、除霜動作により試験精度がほぼ低下することがない。さらに、本発明に採用される除霜動作は、ヒータを採用する場合と比較して、電力を殆ど消費しないため、省エネルギーを期待することができる
【0015】
ところで、従来より、加湿器を備えた恒温恒湿装置がある。
そのような恒温恒湿装置に採用される加湿器には、水を霧状に放射するタイプや、皿に溜められた水を蒸発させるタイプのものがある。特に皿の水を蒸発するタイプの加湿器を採用して、冷却用熱交換器の下方にその加湿器を配した恒温恒湿装置では、除霜動作で霜の塊が落下すると、多量の水等が広範囲に飛散するという問題を抱えていた。
そこで、前記課題を解決するための請求項2に記載の発明は、物品配置室と、当該物品配置室に対して循環空気流路を形成する空調用通路とを有し、前記空調用通路内部に少なくとも加湿装置と冷却用熱交換器とが配された恒温恒湿装置において、前記加湿装置は、加湿用の水が溜められた水溜部を有し、前記冷却用熱交換器は、冷凍サイクルを構成する冷凍機の一部であり、当該冷凍機は、圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と、前記冷却用熱交換器の各機器が冷媒循環配管で接続されて環状の循環回路を構成し、当該循環回路内に相変化する冷媒が封入されたもので、冷却用熱交換器は、少なくとも水溜部の鉛直方向上側に配され、前記冷却用熱交換器の下部近傍に圧縮機で圧縮された高温の冷媒が通過して加熱用配管として機能する冷媒循環配管の一部が配されていることを特徴とする恒温恒湿装置である。
【0016】
本発明の恒温恒湿装置は、冷却用熱交換器が加湿装置の水溜部の鉛直方向上側に配された構成であると共に、冷却用熱交換器の下部近傍に、加熱用配管として機能する冷媒循環配管の一部が配された構成とされている。
即ち、たとえ冷却用熱交換器が、加湿装置で発生した蒸気を直接受けて、霜が発生しやすい環境であったとしても、冷却用熱交換器の下部近傍に配された加熱用配管により、着霜した霜を表面側から徐々に溶かすことができる。これにより、前記同様に、冷却用熱交換器の最下部に着霜した霜が、除霜中に下方に落下することが防止されるため、水溜部の水が物品配置室側などに飛散することがない。さらに、長期間に渡って低温を維持するような環境試験であっても、例えば、着霜前から加熱用配管に高温の冷媒を流すことで、霜の成長を最小限に抑えることができるため、先に説明したような冷却用熱交換器を停止させる程の除霜動作は必要なくなり、結果的に試験精度が低下することが阻止される。
【0017】
請求項3に記載の発明は、前記冷媒循環配管は、圧縮機から凝縮器に冷媒を流す主流路と、当該主流路に対して並列接続された副流路を有し、副流路の中間部が加熱用配管として機能することを特徴とする請求項1又は2に記載の恒温恒湿装置である。
【0018】
かかる構成によれば、冷媒循環配管が圧縮機から凝縮器に冷媒を流す主流路と主流路に対して並列接続された副流路とを有し、副流路の中間部が冷却用熱交換器の下部近傍に配されているため、例えば、副流路に開閉弁(電磁弁等)を配することで、必要に応じて副流路に高温の冷媒を流すことができる。換言すると、着霜することがない環境試験等を行う場合には、副流路のみに冷媒を流しておくことで、物品配置室を加熱する加熱器として用いることができるため、ヒータを使用するより省エネルギーとなる。即ち、本発明の恒温恒湿装置によれば、着霜するか否かに関わらず、副流路を加熱用配管(除霜用)又は加熱器(室内加熱用)として機能させることができるため、省エネルギーの効果が高い。
【0019】
請求項4に記載の発明は、加熱用配管に対する冷媒の通過を断続することが可能であり、空調用通路内が冷却用熱交換器に着霜する環境となった際に、加熱用配管に冷媒を通過させることを特徴とする請求項3に記載の恒温恒湿装置である。
【0020】
かかる構成によれば、恒温恒湿装置は、加熱用配管に対する冷媒の通過を断続することが可能であるため、合理的な制御ができる。即ち、本発明の恒温恒湿装置は、冷却用熱交換器に着霜する環境となったことを条件に、加熱用配管に高温の冷媒を通過させるため、冷却用熱交換器に着霜した霜をタイムリーに溶かすことができる。従って、本発明の恒温恒湿装置は、霜が大きく成長する前に溶かすことができるため、熱効率の面からも、環境試験の面からも好ましい構成である。
【0021】
請求項5に記載の発明は、加熱用配管に対する冷媒の通過を断続することが可能であり、空調用通路内が冷却用熱交換器に着霜する環境となり、当該環境が一定時間続いた場合に加熱用配管に冷媒を通過させることを特徴とする請求項3に記載の恒温恒湿装置である。
【0022】
かかる構成によれば、恒温恒湿装置は、加熱用配管に対する冷媒の通過を断続することが可能であるため、合理的な制御ができる。即ち、恒温恒湿装置は、冷却用熱交換器に着霜する環境となり、当該環境が一定時間続いたことを条件に、加熱用配管に高温の冷媒を通過させるため、冷却用熱交換器に着霜した霜を一定以上大きくさせることなく溶かすことができる。従って、本発明の恒温恒湿装置は、霜が一定以上大きく成長する前に溶かすことができるため、熱効率の面からも、環境試験の面からも好ましい構成である。
【0023】
請求項6に記載の発明は、加熱用配管に対する冷媒の通過を断続することが可能であり、空調用通路内が冷却用熱交換器に着霜する環境となることが所定の条件により予想される場合に、加熱用配管に冷媒を通過させることを特徴とする請求項3に記載の恒温恒湿装置である。
【0024】
かかる構成によれば、恒温恒湿装置は、加熱用配管に対する冷媒の通過を断続することが可能であるため、合理的な制御ができる。即ち、恒温恒湿装置は、冷却用熱交換器に着霜する環境となることが所定の条件により予想される場合に、加熱用配管に高温の冷媒を通過させるため、冷却用熱交換器に着霜する霜を効率的に溶かすことができる。従って、本発明の恒温恒湿装置では、実際に霜が発生する直前から除霜動作が行われて、霜が成長する前に溶かすことができるため、熱効率の面からも、環境試験の面からもより好ましい構成である。
【0025】
ここで、空気中の水蒸気は、冷却用熱交換器の温度が露点温度以下となるとその表面で液化して、さらに前記冷却用熱交換器の温度が摂氏ゼロ度以下となると氷や霜となる。即ち、露点温度以下、且つ摂氏ゼロ度以下という条件を基準に、除霜動作を制御することが効率的であると考えられる。
そこで、請求項7に記載の発明は、冷却用熱交換器における冷媒が気化する際の温度が空調用通路内を通過する空気の露点温度以下で、且つ冷却用熱交換器における冷媒が気化する際の温度が摂氏ゼロ度以下の温度となる条件が揃った場合に、冷却用熱交換器に着霜する環境とみなすことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の恒温恒湿装置である。
【0026】
かかる構成によれば、霜が形成される温度となったことを条件に、冷却用熱交換器が着霜する環境とみなすため、冷却用熱交換器に着霜する霜を効率的に溶かすことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の恒温恒湿装置は、冷凍機を構成する冷媒循環配管の一部を冷却用熱交換器の下部近傍に配置させて高温の冷媒を通過させるため、冷却用熱交換器の下部側に着霜した霜を表面側から徐々に溶かすことができる。これにより、塊の状態の霜が落下することを防止できたり、冷却用熱交換器の機能を一定時間停止させるほどの除霜動作を実行する必要がなくなるため、環境試験の試験精度が低下することがなくなる。さらに、除霜動作を長期間実行しても、ヒータを採用する場合と比較すると殆ど電力を消費しないため、省エネルギーを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係る恒温恒湿装置を示す概念図である。
【図2】図1のA部における冷却除湿用熱交換器と加熱用配管との関係を示す概念図である。
【図3】本実施形態に係る恒温恒湿装置の制御装置を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係る恒温恒湿装置の除霜動作を実行するタイミングを示すタイムチャートである。
【図5】冷却除湿用熱交換器に着霜した霜を溶かす状況を示す概念図である。
【図6】図2のA−A方向の模式的な断面図で、(a)は従来の恒温恒湿装置で、(b)は本発明の実施形態に係る恒温恒湿装置である。
【図7】本発明の別の実施形態に係る恒温恒湿装置を示す概念図である。
【図8】本発明のさらに別の実施形態に係る恒温恒湿装置を示す概念図である。
【図9】冷却除湿用熱交換器の変形例を示す概念図である。
【図10】冷却除湿用熱交換器に着霜した状態を示す概念図である。
【図11】直接的ホットガス式のデフロストを実行した場合の除霜状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0030】
恒温恒湿装置1は、図1に示すように、断熱材15によって囲まれた恒温恒湿槽2を備えている。恒温恒湿槽2の内部は、間仕切板16により、物品配置室3と、空調用通路5に分けられており、上部側と下部側に物品配置室3と空調用通路5とが連通する開口が設けられている。
物品配置室3は、環境試験の際に、試料となる機器や部品等を配置する空間で、当該室内の温度を検知する室内温度検知センサ11と、当該室内の相対湿度を検知する湿度検知センサ12が設けられている。室内温度検知センサ11は、例えば、公知の熱電対である。
【0031】
空調用通路5には、下部側から順番に、加湿器8、冷却除湿用熱交換器(冷却用熱交換器、蒸発器)6、加熱ヒータ7、ファン10が配されている。
加湿器8は、公知のもので、蒸気を供給するものである。
冷却除湿用熱交換器(蒸発器)6は、後述する冷却装置20の一部であり、内部に相変化する冷媒が流通する。
加熱ヒータ7は、公知の電気ヒータで、空調用通路5を通過する空気を加熱するものである。
ファン10は、公知のもので、空気を送り出すものである。
【0032】
本実施形態の恒温恒湿装置1では、ファン10によって恒温恒湿槽2内の空気が循環して、物品配置室3内に所望の環境が作られる。即ち、恒温恒湿槽2内の空気は、ファン10によって間仕切板16の下部側の開口から空調用通路5側に吸入され、空調用通路5を鉛直上方に向けて通過して、間仕切板16の上部側の開口から物品配置室3側に吐出される。
【0033】
より詳細に説明すると、ファン10が起動されると、空調用通路5内の空気がファン10に吸い込まれて、間仕切板16の上部側の開口から送り出される。これにより、物品配置室3内の壁面に沿うように空気の流れが形成される。そして、間仕切板16の下部側の開口に到達した空気が、再び空調用通路5内に導入される。
空調用通路5には、前記したように、空気の流れ方向に沿って順番に加湿器8、冷却除湿用熱交換器(冷却用熱交換器、蒸発器)6が配置されているため、空調用通路5に導入された空気は、加湿器8を通過してから、冷却除湿用熱交換器6側に流れる。即ち、本実施形態は、加湿器8と冷却除湿用熱交換器6が同時に作動されると、加湿器8で高湿にされた空気が冷却除湿用熱交換器6で除湿される構成である。そして、冷却除湿用熱交換器6を通過した空気は、冷却除湿用熱交換器6より空気の流れ方向下流側の加熱ヒータ6によって加熱されて、再びファン10に吸い込まれて前記上部側開口から送り出される。
【0034】
恒温恒湿装置1では、室内温度検知センサ11と湿度検知センサ12によって、物品配置室3内の温度と湿度が監視されている。そして、物品配置室3内の温度が設定環境の温度よりも低い場合には、冷却除湿用熱交換器6に流れる冷媒の流量を減少したり、加熱ヒータ7の出力を増大し、物品配置室3内の温度が設定環境の温度よりも高い場合には、冷却除湿用熱交換器6に流れる冷媒の流量を増加したり、加熱ヒータ7の出力を減少して、設定された温度に制御する。
また、物品配置室3内の湿度が、設定環境の湿度よりも低い場合には、加湿器8から蒸気を発生させて、空調用通路5を通過する空気に混入させる。
【0035】
次に、本実施形態で採用する冷却装置20について説明する。
【0036】
本実施形態で採用する冷却装置20は、気・液間で相変化する冷媒が流れる冷媒循環回路22を備えている。冷媒循環回路22は、相変化する冷媒を圧縮して凝縮し、これを蒸発させて冷却する一連のサイクル(冷凍サイクル)を実行するもので、圧縮機23、凝縮器(熱交換器)24、膨張弁(膨張手段)25、冷却除湿用熱交換器(蒸発器)6と、それらの機器を環状に接続する冷媒循環配管26を備えた冷凍機である。
【0037】
ここで、本実施形態の恒温恒湿装置1に採用された冷却除湿用熱交換器6について、具体的に説明すると、冷却除湿用熱交換器6は、図2に示すように、冷媒が流れる冷媒配管(冷媒流路部)31と、その冷媒配管31の周囲に設けられたフィン(放熱板)32を備えた熱交換器である。
【0038】
冷媒配管31は、1本に繋がった配管で形成されており、中途において複数回折り返されて蛇行した形状とされている。より具体的には、冷媒配管31は、上下方向(図2)及び図2の奥行き方向に立体的に広がりをもった構成とされており、図2の上側に冷媒の導入口31aが配され、下側に冷媒の吐出口31bが配されている。
フィン32は、上下及び奥行き方向(図2)に広がった薄板であり、冷媒配管31の水平方向(図2の左右方向)に伸びる部分に対してほぼ直交するように配されている。そして、複数のフィン32を用いることで、冷媒配管31を構成する隣り合う配管を上下及び奥行き方向に一定間隔おきに固定できるため、熱交換を効率的に行うことができる。なお、フィン32の端部側は、冷媒配管31から張り出した張出部34を備えている。
【0039】
従って、冷媒循環回路22の圧縮機23を起動すると、気相状態の冷媒が圧縮され、凝縮器で冷却されて、高圧状態の液体にされる。そして、その液状の冷媒は、膨張弁25を経て冷却除湿用熱交換器6に入り、低圧状態で気化される。そして、冷却除湿用熱交換器6が冷媒により低温とされ、空調用通路5を通過する空気を冷却することができる。なお、本実施形態の恒温恒湿装置1では、冷却除湿用熱交換器6における冷媒導入側に冷媒温度検知センサ28が設けられ、冷媒温度検知センサ28が検知する温度が所定の温度となるように、冷凍機が制御される。
具体的には、本実施形態の恒温恒湿装置1では、当該装置1が運転されている間は、冷凍機は常にオンにされており、精密な温度制御は加熱ヒータ7により行われている。
【0040】
また、本実施形態の恒温恒湿装置1では、特有の構成として、図1に示すように、冷媒循環回路22における圧縮機23と凝縮器24との間に2つの分岐路が設けられ、一方の分岐路の中間部が冷却除湿用熱交換器6の下部近傍に配され、他方の分岐路は冷却除湿用熱交換器6に接続されている。具体的には、圧縮機23と凝縮器24との間の冷媒循環配管26は、冷却時に冷媒が常時流れる主流路27と、主流路27に対して並列に接続された副流路(加熱用配管)29と、主流路27から冷却除湿用熱交換器6までショートカットしたバイパス流路39を有し、副流路29の中間部が冷却除湿用熱交換器6における最下部の冷媒配管31の水平方向に伸びる部分に対して平行に配されている。さらに、副流路29は、図2に示すように、冷却除湿用熱交換器6のフィン32の張出部34に当接するように配置されている。
【0041】
これにより、冷却除湿用熱交換器6に、圧縮機23で高温高圧にされた冷媒の熱を空気を通じて伝搬することが可能となると共に、フィン32の熱伝導性を利用して伝搬することが可能となる。なお、副流路29には副流路29に対する冷媒の流れを規制する電磁弁(開閉弁)30が設けられている。電磁弁30は、通電により開状態に制御できる常時閉型の弁である。
なお、バイパス流路39の中途にも、バイパス流路39に対する冷媒の流れを規制する電磁弁40が設けられており、電磁弁40を開状態とすることで、バイパス流路39に圧縮機23で高温高圧にされた冷媒を冷却除湿用熱交換器6に流すことができる。電磁弁40も前記同様、常時閉型の弁である。
【0042】
次に、本実施形態の恒温恒湿装置1に備えられた制御装置と、他の機器との関係について説明する。
【0043】
本実施形態で採用する制御装置50は、マイクロコンピュータ等によって構成され、図3に示すように、室内温度検知センサ11の信号と、湿度検知センサ12の信号と、冷媒温度検知センサ28の信号が入力される。そして、制御装置50には、室内温度検知センサ11から入力された室内温度と、湿度検知センサ12から入力された室内の相対湿度から水蒸気圧を算出し、その水蒸気圧を飽和水蒸気圧とする温度(露点温度)を算出する露点演算プログラム50aと、冷媒温度検知センサ28から入力された冷媒の蒸発温度が、前記露点演算プログラム50aで算出された露点温度以下であるのか、摂氏ゼロ度以下であるのか、それともその2つの条件を満たす温度であるのかが比較される比較演算プログラム50bが格納されている。
【0044】
ここで、先にも説明したように、一般的に、霜が形成される条件は、冷却除湿用熱交換器6の温度が空調用通路5(特に、加湿器8より空気の流れ方向下流側の隣接部)の露点温度以下、且つ摂氏ゼロ度以下という条件であり、このとき図10に示すように、空気中の水蒸気は氷状の霜(固体)となる。即ち、本実施形態では、この条件を基準に、特有の除霜動作の制御を行うこととしている。
【0045】
また、温度制御装置50には、設定器51が接続されている。設定器51は、設定環境の温度や湿度を入力する装置である。具体的には、運転開始からの経過時間を基準とした温度や湿度設定が可能である。
一方、温度制御装置50の出力側には、圧縮機駆動回路33と、電磁弁駆動回路55と、加湿器駆動回路56と加熱ヒータ駆動回路57が接続されている。
【0046】
従って、本実施形態の恒温恒湿装置1では、設定器51で所望の環境を設定でき、室内温度検知センサ11や湿度検知センサ12、冷媒温度検知センサ28の入力信号に基づいて、冷媒循環回路22や加湿器8、加熱ヒータ7を効率的に制御することができる。
【0047】
さらに、本実施形態の恒温恒湿装置1では、一定条件の下、除霜動作を実行することを可能としている。具体的に説明すると、図4のタイムチャートに示すように、冷却除湿用熱交換器6を通過する冷媒の温度が、空調用通路5内にある加湿器8より空気の流れ方向下流側の空気の露点温度以下、且つ摂氏ゼロ度以下という条件を満たしていない状態であれば、副流路29の電磁弁30は閉止状態を維持する。そして、冷却除湿用熱交換器6を通過する冷媒の温度が加湿器8より空気の流れ方向下流側の空気の露点温度以下、且つ摂氏ゼロ度以下という条件を満たした瞬間に、副流路29の電磁弁30が開状態とされ、加熱用配管(副流路)29による除霜動作が実行される。
【0048】
その除霜動作は、冷媒循環回路22の継続的な運転により冷却除湿用熱交換器6に着霜し始めた霜を溶かすために、副流路29に高温の冷媒を流す動作で、副流路29が加熱用配管としての機能を果たす。すると、図5に示すように、主に冷媒の熱気をもって冷却除湿用熱交換器6の下部の霜を溶かす(間接的デフロスト)。このとき、主流路27に対しても冷媒が流れるため、冷却除湿用熱交換器6の冷却機能を停止する必要がない。従って、本実施形態の恒温恒湿装置1によれば、除霜動作を実行しても環境試験の試験精度が低下することがない。
なお、前記した除霜動作は、着霜初期に霜を溶かすことができるため、霜が大きく成長することはない。即ち、バイパス流路39に高温の冷媒を流す直接的ホットガス式のデフロストを実行する必要はない、あるいは直接的ホットガス式のデフロストを実行したとしてもごく短時間の動作で済む。
【0049】
また、副流路29はフィン32の張出部34に当接した配置であるため、冷却除湿用熱交換器6の霜はフィン32に伝導した熱からも溶解される。ただし、本実施形態では、除霜中であっても、冷却除湿用熱交換器6に低温の冷媒が流通しているため、フィン32に伝導された熱で霜が急激に溶けることはない。即ち、フィン32に伝導された熱により、霜の塊が冷却除湿用熱交換器6から剥がされて落下するようなことはなく、複数の方向から伝わる熱により効率的に除霜することができる。
【0050】
また、副流路29を冷却除湿用熱交換器6の下側に配することで、冷却除湿用熱交換器6を通過する空気の流れが変化し、冷却除湿用熱交換器6に着霜しにくくなる。即ち、従来技術によれば、図6(a)に示すように、空気はほぼ鉛直上向き方向に流通していたが、本実施形態の恒温恒湿装置1のように、副流路29を冷却除湿用熱交換器6の下側に配することで、図6(b)に示すように、冷却除湿用熱交換器6の下部近傍で空気の流れが乱れて着霜しにくくなる。さらに、本実施形態の恒温恒湿装置1によれば、副流路29には高温の冷媒が流れるため、その熱気流により空気の流れがより乱れ易くなるため、従来技術と比較すると、冷却除湿用熱交換器6の最下部における着霜現象は抑制される。
【0051】
従って、本実施形態の恒温恒湿装置1は、冷却除湿用熱交換器6を通過する冷媒の温度が、空調用通路5(特に、加湿器8より空気の流れ方向下流側)の露点温度以下、且つ摂氏ゼロ度以下という条件を満足しない状態では、除霜動作は実行されず、その条件を満足した瞬間に本実施形態特有の除霜動作が実行されるため、着霜初期に霜をほぼ除去できる。そのため、バイパス流路39に高温冷媒を流して冷却動作を停止することがなくなる、あるいはバイパス流路39に高温冷媒を流してもごく短時間の動作で済むため、高い試験精度を確保することができる。また、本実施形態の恒温恒湿装置1は、従来技術と比較すると、副流路29により冷却除湿用熱交換器6の下部近傍で空気が乱れ易く着霜しにくい。
【0052】
ここで、直接的ホットガスのデフロスト時の作用について付言しておく。なお、図6に示す矢印は空気の流れを示す。
先にも説明したが、従来より、冷却装置の除霜動作として、バイパス流路を用いて蒸発器に直接高温の冷媒を流す動作(直接的デフロスト)がある。
この直接的デフロストは、電磁弁40を開状態として、冷却除湿用熱交換器6に圧縮機23で高温高圧にされた冷媒を流すことで、霜を配管と着接している側から溶かす動作である。この動作により、霜は配管から剥がれ落ちて塊の状態を維持して落下する。ところが、冷却除湿用熱交換器6の上部及び中間部に着霜している霜は、落下の際に着霜していた配管の下方に隣接する配管に衝突しながら落下するため、冷却除湿用熱交換器6から完全に離れる際にはほぼ液体の状態となる。そして、本発明では、ほぼ液体の状態となった霜が落下する際に、加熱用配管に衝突して加熱される。これにより、霜の塊の状態で落下することが防止されるため、直接的デフロストが有する欠点を解消できる。
【0053】
上記実施形態では、間接的デフロストを実行する条件として、冷媒の温度が空調用通路5の露点温度以下、且つ摂氏ゼロ度以下であるか否かを監視していたが、本発明はこれに限定されず、冷媒の温度が物品配置室3の露点温度以下、且つ摂氏ゼロ度以下であるか否かを監視して間接的デフロストを実行する条件としても構わない。
【0054】
上記実施形態では、冷媒温度検知センサ28の検知温度が、空調用通路5の露点温度以下、且つ摂氏ゼロ度以下の条件を満足した瞬間に除霜動作を実行する制御を備えた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、前記条件を満足してから一定時間経過したことを条件に、除霜動作を実行する制御を備えた構成であっても構わない。この制御によれば、一定以上の大きさの霜が形成されることはない。
【0055】
上記実施形態では、図1に示すように、霧状の水を噴射する構成の加湿器8を採用した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、図7に示すように、加湿器は加湿用の水が溜められた水溜部37を採用した構成であっても構わない。即ち、上記したように、副流路29により着霜初期に除霜動作が実行されるため、霜の塊が冷却除湿用熱交換器6の下方に位置する水溜部37に落下することがない。なお、水溜部37には、水の蒸発を促進させる電熱ヒータを備えることが望ましい。
【0056】
上記実施形態では、図1に示すように、主流路27と副流路29を設けて、必要に応じて副流路29に圧縮機23で高温にされた冷媒を流す構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図8に示すように、圧縮機23から凝縮器24の間の冷媒循環配管26を冷却除湿用熱交換器6の下部近傍まで迂回させる構成としても構わない。
【0057】
上記実施形態では、冷媒温度検知センサ28の検知温度が、空調用通路5の露点温度以下、且つ摂氏ゼロ度以下の条件を満足した場合に、除霜動作を実行する構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、空調用通路5の温度が、摂氏ゼロ度を下回った瞬間から除霜動作を実行したり、あるいは空調用通路5の温度が、露点温度を下回った瞬間に除霜動作を実行する制御を備えた構成であっても構わない。要するに、冷却除湿用熱交換器6に、着霜し得る環境となれば副流路29に高温の冷媒を流す制御が実行されればよい。
【0058】
上記実施形態では、除霜動作の際にのみ副流路29に高温の冷媒を流す制御を備えた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、物品配置室3を昇温させる場合に副流路29のみに高温の冷媒を流す制御を備えた構成であっても構わない。これにより、室温を昇温する場合でも、省エネルギーを図ることができる。なお、この場合、主流路27側にも電磁弁を設けることが好ましい。
【0059】
上記実施形態では、副流路29とフィン32の張出部34が接する構成を示したが、本発明はこれに限定されず、副流路29とフィン32の張出部34は離れていても構わない。これにより、副流路29の機能を使用しない場合において、冷凍機の負荷を軽減できる。
【0060】
上記実施形態では、副流路29と主流路27が分離した構成を示したが、本発明ではこれに限定されず、例えば、図9に示すように、副流路29と主流路27とを同一のフィン32を介して一体化した構成であっても構わない。この場合、フィン32の熱伝導率などを考慮して、冷凍機に過負荷が掛からない程度に副流路29と主流路27との間隔を調整することが望ましい。
【0061】
また、上記実施形態では、空調用通路5に空気の冷却と除湿を実行し得る冷却除湿用熱交換器を配した構成を示したが、本発明では、空気の冷却だけを実行し得る冷却用熱交換器を配した構成であっても構わない。
【符号の説明】
【0062】
1 恒温恒湿装置
2 恒温恒湿槽
3 物品配置室
5 空調用通路
6 冷却除湿用熱交換器(冷却用熱交換器)
20 冷却装置(冷凍機)
22 冷媒循環回路
23 圧縮機
24 凝縮器
25 膨張弁(膨張手段)
26 冷媒循環配管
27 主流路
28 冷媒温度検知センサ
29 副流路
32 フィン(放射板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品配置室と、当該物品配置室に対して循環空気流路を形成する空調用通路とを有し、前記空調用通路内部に少なくとも冷却用熱交換器が配された恒温恒湿装置において、
前記冷却用熱交換器は、冷凍サイクルを構成する冷凍機の一部であり、
当該冷凍機は、圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と、前記冷却用熱交換器の各機器が冷媒循環配管で接続されて環状の循環回路を構成し、当該循環回路内に相変化する冷媒が封入されたもので、
前記冷却用熱交換器の下部近傍に圧縮機で圧縮された高温の冷媒が通過して加熱用配管として機能する冷媒循環配管の一部が配されていることを特徴とする恒温恒湿装置。
【請求項2】
物品配置室と、当該物品配置室に対して循環空気流路を形成する空調用通路とを有し、前記空調用通路内部に少なくとも加湿装置と冷却用熱交換器とが配された恒温恒湿装置において、
前記加湿装置は、加湿用の水が溜められた水溜部を有し、
前記冷却用熱交換器は、冷凍サイクルを構成する冷凍機の一部であり、
当該冷凍機は、圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と、前記冷却用熱交換器の各機器が冷媒循環配管で接続されて環状の循環回路を構成し、当該循環回路内に相変化する冷媒が封入されたもので、
冷却用熱交換器は、少なくとも水溜部の鉛直方向上側に配され、
前記冷却用熱交換器の下部近傍に圧縮機で圧縮された高温の冷媒が通過して加熱用配管として機能する冷媒循環配管の一部が配されていることを特徴とする恒温恒湿装置。
【請求項3】
前記冷媒循環配管は、圧縮機から凝縮器に冷媒を流す主流路と、当該主流路に対して並列接続された副流路を有し、
副流路の中間部が加熱用配管として機能することを特徴とする請求項1又は2に記載の恒温恒湿装置。
【請求項4】
加熱用配管に対する冷媒の通過を断続することが可能であり、
空調用通路内が冷却用熱交換器に着霜する環境となった際に、加熱用配管に冷媒を通過させることを特徴とする請求項3に記載の恒温恒湿装置。
【請求項5】
加熱用配管に対する冷媒の通過を断続することが可能であり、
空調用通路内が冷却用熱交換器に着霜する環境となり、当該環境が一定時間続いた場合に加熱用配管に冷媒を通過させることを特徴とする請求項3に記載の恒温恒湿装置。
【請求項6】
加熱用配管に対する冷媒の通過を断続することが可能であり、
空調用通路内が冷却用熱交換器に着霜する環境となることが所定の条件により予想される場合に、加熱用配管に冷媒を通過させることを特徴とする請求項3に記載の恒温恒湿装置。
【請求項7】
冷却用熱交換器における冷媒が気化する際の温度が空調用通路内を通過する空気の露点温度以下で、且つ冷却用熱交換器における冷媒が気化する際の温度が摂氏ゼロ度以下の温度となる条件が揃った場合に、冷却用熱交換器に着霜する環境とみなすことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の恒温恒湿装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−163585(P2011−163585A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23918(P2010−23918)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000108797)エスペック株式会社 (282)