説明

患者を管理する方法及び装置

【課題】患者を管理する方法及び装置を提供する。
【解決手段】患者についての情報を収集して、この情報が患者の健康状態が、正常ではないことを示すイベントに該当するか否かをモニタリングする患者を管理する方法及び装置である。該モニタリング結果に基づいて、選択的に患者についての追加情報を収集し、かような情報に基づいて、患者に対する医療的処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者を管理する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2008年現在、米国内の患者管理市場は300億ドルに達し、米国内の慢性疾患者は、7,800万人であって、全体人口の35%である。特に、米国社会の高齢化が早く進行しているために、患者管理市場は、今後継続的に増加すると見られる。このような事情は、他の先進国ないし開発途上国でも同じである。代表的な慢性疾患項目としては、糖尿、高血圧、心血管疾患、肺疾患などがあるが、このような慢性疾患を持っている患者については、一貫したモニタリング(monitoring)が要求される。特に、このような慢性疾患は、教育を介して患者自らが管理をせねばならない疾病であるだけに、患者が病院で医療専門家に直接診療を受けるよりは、ホーム遠隔モニタリング(home tele−monitoring)のような解決策を利用し、患者が自宅内にいつつ医療サービスを受けるのが、社会的なコスト面では望ましいため、これのための研究開発が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009−223746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の少なくとも1つの実施形態が解決しようとする技術的課題は、医療専門家の作業量、患者の不便さを最小化するとともに、患者管理システムのロードを減らしめる装置及び方法を提供するところにある。また、前記方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読取り可能な記録媒体を提供するところにある。本実施形態が解決しようとする技術的課題は、前記のような技術的課題に限定されず、他の技術的課題が存在しうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するための本実施形態による患者管理方法は、患者についての情報を収集する段階と、前記収集された情報が前記患者の健康状態が正常ではないことを示すイベントに該当するか否かをモニタリングする段階と、前記モニタリング結果に基づいて、選択的に前記患者についての追加情報を収集する段階と、前記情報及び前記追加情報のうち、少なくとも一つに基づいて、前記患者に対する医療的処理を行う段階とを含む。
【0006】
前記技術的課題を解決するために、本実施形態はまた、前記の患者管理方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読取り可能な記録媒体を提供する。
【0007】
前記技術的課題を解決するための本実施形態による患者管理装置はまた、患者についての情報を収集する第1収集部と、前記収集された情報が前記患者の健康状態が正常ではないことを示すイベントに該当するか否かをモニタリングするモニタと、前記モニタリング結果に基づいて、選択的に前記患者についての追加情報を収集する第2収集部と、前記情報及び前記追加情報のうち、少なくとも一つに基づいて、前記患者に対する医療的処理を行う処理部とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の患者を管理する方法及び装置によれば、平常時には患者についての基本的な情報だけを収集しつつ、特定イベントが発生した場合にだけ、患者に関するさらに詳細な情報を収集することによって、患者が多くの情報に対応しなければならない不便さを解消させるとともに、患者管理システムのロードを減らすことができる。特に、患者の状態が良好であったり、患者の病症が軽微であったりする場合に、医療専門家の介入なしに患者に対する医療的処理を患者管理システム内で自動的に処理することによって、医療専門家の作業量(workload)を減らすことができる。
【0009】
患者の状態が良好であったり、または患者の病症が軽微であったりする場合がほとんどであるために、患者に対する医療的処理がほとんど自動的に処理される。これによって、患者の疾病管理のためのフィードバックがさらに速かになされ、医療専門家コストを減少させることができ、医療専門家らの人の失敗が介入する可能性が低くなることになり、効率的な疾病管理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態による患者管理システムの構成図である。
【図2】図1に図示された患者管理ゲートウェイ3のデータベースの保存内容を図示した図面である。
【図3】図1に図示された患者管理ゲートウェイ3の処理部36の詳細構成図である。
【図4】図1に図示された実施形態が患者の血糖値に対して適用される様子を図示した図面である。
【図5】本発明の一実施形態による患者管理方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による患者管理システムの構成図である。図1を参照すれば、本実施形態による患者管理システムは、患者管理サーバ1、患者端末2、及び患者管理ゲートウェイ3から構成される。患者管理サーバ1、患者管理ゲートウェイ3、及び患者端末2それぞれは、ネットワークを介して互いに通信し、このために、ネットワーク通信を支援する通信部14,24,37を具備する。本実施形態でのネットワークは、一般的にインターネットになるが、無線ラン(wireless LAN)他種のネットワークになりうることを本実施形態が属する技術分野で当業者ならば、理解することができるであろう。また、以下では、患者管理サーバ1、患者端末2、及び患者管理ゲートウェイ3が互いに別個の装置として存在するものとして説明するが、1つまたは2つの装置に統合されることもあることを、本実施形態が属する技術分野で当業者ならば、理解することができるであろう。例えば、患者端末2に患者管理ゲートウェイ3の機能が搭載されることもできる。
【0013】
図1を参照すれば、患者管理サーバ1は、医療知識データベース(DB)11、医療記録データベース12、医療情報提供部13及び通信部14から構成される。医療知識データベース11には、人の疾病についての情報、その疾病を治療するための情報のような医療知識(medical knowledge)が保存される。特に、本実施形態での医療知識データベース11には、人の疾病が予測されうる血糖値(blood glucose level)、血圧、脈拍、体温などについての情報が保存される。例えば、医療知識データベース11には、人の年齢、身長、体重などによる血糖値の非正常的な範囲を示す情報が保存される。医療記録データベース12には、患者の個人的な医療記録(medical record)が保存される。例えば、医療記録データベース12には、患者の糖尿病治療履歴などが記録される。
【0014】
医療情報提供部13は、医療知識データベース11に保存された医療知識、及び医療記録データベース12に保存された医療記録を、通信部14を介して患者管理ゲートウェイ3に伝送する。さらに詳細に説明すれば、医療情報提供部13は、医療知識データベース11に保存された医療知識、及び医療記録データベース12に保存された医療記録を周期的に伝送することもでき、患者管理サーバ1を運用する医療専門家の指示によって、伝送することもできる。本実施形態での医療専門家とは、一般的に医者を意味する。
【0015】
図1を参照すれば、患者端末2は、測定部21、問診部22、患者情報提供部23及び通信部24から構成される。測定部21は、患者端末2を使用する患者の生体信号、例えば、血糖値を測定する。患者の生体信号を測定する生体信号測定機は、患者端末2内に含まれることもあり、別途の装置として患者端末2に取り付けられたり、患者端末2と離隔された位置で連結されたりもする。また、生体信号測定機は、前記の形態とは異なる形態で具現されうることを、本実施形態が属する技術分野で当業者ならば、理解することができるであろう。さらに詳細に説明すれば、測定部21は、患者端末2を使用する患者の生体信号を周期的に測定することもでき、通信部24を介して入力された患者管理ゲートウェイ3を運用する医療専門家または患者の指示によって、測定することもできる。
【0016】
問診部22は、患者端末2を使用する患者に、患者の状態に関連した質疑を表示する。このような質疑の例としては、個人の物理的な特性、家族歴、生活スタイル、医療データのような患者の個人的な医療プロファイル、患者のメニュー及び食事量、運動の種類及び運動時間のような遠隔モニタリング情報などを挙げることができる。次に、問診部22は、このような質疑を認知した患者から、その質疑に係わる応答が入力される。さらに詳細に説明すれば、問診部22は、患者の状態に関連した質疑を周期的に表示することもでき、通信部24を介して入力された患者管理ゲートウェイ3を運用する医療専門家または患者の指示によって表示することもできる。
【0017】
患者情報提供部23は、測定部21によって患者の生体信号についての情報、問診部22に入力された問診内容を、通信部24を介して患者管理ゲートウェイ3に伝送する。さらに詳細に説明すれば、患者情報提供部23は、測定部21によって患者の生体信号についての情報、問診部22に入力された問診内容を周期的に伝送することもでき、通信部24を介して入力された患者管理ゲートウェイ3を運用する医療専門家または患者の指示によって伝送することもできる。
【0018】
図1を参照すれば、患者管理ゲートウェイ3は、医療情報データベース31、患者情報データベース32、情報収集部33、イベントモニタ34、追加情報収集部35、処理部36、及び通信部37から構成される。
【0019】
図2は、図1に示された患者管理ゲートウェイ3のデータベースの保存内容を図示した図面である。図2を参照すれば、医療情報データベース31には、通信部37を介して患者管理サーバ1から受信された医療知識及び医療記録が保存される。また、医療情報データベース31には、患者管理サーバ1から受信された医療知識及び医療記録以外に、モニタリングが必要なイベントの目録、患者に要求される追加情報の目録が保存される。このようなイベント目録、追加情報目録は、患者管理ゲートウェイ3を運用する医療専門家または患者によって随時更新されうる。
【0020】
図2を参照すれば、患者情報データベース32は、医療プロファイルデータベース321と遠隔モニタリングデータベース322とから構成される。医療プロファイルデータベース321には、個人の物理的特性(physical character)、家族歴(family history)、生活スタイル(life style)、医療データ(medical data)のような患者の個人的な医療プロファイルが記録される。ここで、個人の物理的特性の例としては、年齢、性別、人種、身長、体重などを挙げることができて、家族歴の例としては、父母、兄弟姉妹(sibling)が糖尿病(diabetes)、心臓病、高血圧(hypertension)であるか否かなどを挙げることができ、生活スタイルの例としては、喫煙、飲酒習慣などを挙げることができ、医療データの例としては、糖化血色素(HbA1C)、血圧、脂質(lipid)テスト結果などを挙げることができる。
【0021】
遠隔モニタリングデータベース322には、通信部37を介して患者端末2から受信された遠隔モニタリング(tele−monitoring)情報、例えば、患者端末2に取り付けられたり、または連結されたりする生体信号測定機によって測定された患者生体信号の情報、患者端末2を介した患者に対する問診内容などが記録される。患者生体信号の情報の例としては、血糖値などを挙げることができ、患者に対する問診内容の例としては、メニュー及び食事量、運動の種類及び運動時間、質疑応答などを挙げることができる。
【0022】
情報収集部33は、通信部14を介して患者端末2から、患者端末2を使用する患者についての情報を収集する。例えば、情報収集部33は、周期的に患者についての情報を収集することもでき、通信部14を介して患者端末2または患者管理患者管理サーバ1から、患者または医療専門家の指示を入力された場合に患者についての情報を収集することもできる。
【0023】
イベントモニタ34は、医療情報データベース31及び患者情報データベース32に保存されたデータに基づいて、情報収集部33に収集された情報が患者の状態が正常ではないことを示すイベントに該当するか否かをモニタリングする。このような非正常的イベントは、患者の血糖値(blood glucose level)が患者の状態が正常であることを示す範囲を超える場合を、その例に挙げることができる。さらに詳細に説明すれば、イベントモニタ34は、医療情報データベース31に保存された医療知識、医療記録、患者情報データベース32に保存された患者の個人的な医療プロファイル、患者に対する遠隔モニタリング情報に基づいて、情報収集部33に収集された情報が医療情報データベース31に保存されたイベント目録上のイベントのうち、いずれか一つに該当するかをモニタリングする。
【0024】
患者の血糖値を例に取れば、イベントモニタ34は、医療情報データベース31に保存された人の疾病が予測されうる血糖値のうち、患者情報データベース32に保存された患者の年齢、身長、体重による血糖値情報を抽出し、情報収集部33に収集された患者の血糖値が患者の状態が正常であることを示す範囲を超えていれば、それが医療情報データベース31に保存されたイベント目録上のイベントのうち、いずれか一つに該当するかをモニタリングする。
【0025】
追加情報収集部35は、イベントモニタ34のモニタリング結果、情報収集部33に収集された情報が患者の状態が正常ではないことを示すイベントに該当すれば、患者についての追加情報を収集する。情報収集部33によって収集される情報が患者の状態についての基本情報、例えば、患者の現在血糖値などであるものに比べ、追加情報収集部35に収集される情報は、患者の現在血糖値の要因として作用されうる事項についての情報、例えば、メニュー、食事量、運動の種類、運動時間などである。
【0026】
さらに詳細に説明すれば、追加情報収集部35は、医療情報データベース31に保存されている追加情報の目録を、通信部37を介して患者端末2に伝送することによって、通信部37を介して患者端末2に患者についての追加情報を要請する。これに対して応答として通信部37を介して患者端末2から患者についての追加情報を受信することによって、患者についての追加情報を獲得する。ここで、追加情報の目録は、医療情報データベース31に保存されているいくつかの目録のうち、血糖値に関連した目録であるのである。例えば、追加情報収集部35は、患者端末2に患者に対する問診内容を伝送することによって、患者についての追加情報を要請することもでき、患者端末2に患者の特定生体信号の測定を要請するメッセージを伝送することによって、患者についての追加情報を要請することもできる。
【0027】
処理部36は、情報収集部33によって収集された情報及び追加情報収集部35のうち、少なくとも一つによって収集された追加情報に基づいて、患者に対する医療的処理を行う。情報収集部33に収集された情報が、患者の状態が正常ではないことを示すイベントに該当しない場合ならば、追加情報収集部35による追加情報収集が行われないので、処理部36は、情報収集部33によって収集された情報に基づいて、患者に対する医療的処理を行う。情報収集部33に収集された情報が、患者の状態が正常ではないことを示すイベントに該当する場合ならば、処理部36は、一般的に追加情報収集部35によって収集された追加情報に基づいて、患者に対する医療的処理を行うが、情報収集部33によって収集された情報、及び追加情報収集部35によって収集された追加情報いずれにも基づいて、患者に対する医療的処理を行うこともできる。
【0028】
さらに詳細に説明すれば、処理部36は、情報収集部33によって収集された情報、及び追加情報収集部35によって収集された追加情報のうち、少なくとも一つに基づいて、患者に対する医療的処理方式のうち、いずれか一つを選択し、このように選択された方式によって、患者に対する医療的処理を行う。本実施形態での医療的処理方式としては、医療専門家の意思決定が要求される手動処理方式と、医療専門家の意思決定が要求されない自動処理方式とがある。
【0029】
図3は、図1に示された患者管理ゲートウェイ3の処理部36の詳細構成図である。図3を参照すれば、処理部36は、選択部361、手動処理部362、及び自動処理部363から構成される。
【0030】
選択部361は、追加情報収集部35によって収集された追加情報に基づいて、患者に対する医療的処理方式のうち、いずれか一つを選択する。選択部361は、追加情報収集部35によって収集された追加情報以外に、情報収集部33によって収集された情報も考慮し、患者に対する医療的処理方式のうち、いずれか一つを選択することもできる。さらに詳細に説明すれば、選択部361は、追加情報収集部35によって収集された追加情報が患者の疾病の診断と治療とに医療専門家の意思決定が要求される場合であるか否かによって、前記の手動処理方式と自動処理方式とのうち、いずれか一つを選択する。
【0031】
手動処理部362は、選択部361によって手動処理方式が選択されれば、情報収集部33によって収集された情報、及び追加情報収集部35によって収集された追加情報が示す患者の状態を認知した医療専門家の指示によって、患者に対する医療的処理を手動で行う。さらに詳細に説明すれば、手動処理部362は、情報収集部33によって収集された情報、及び追加情報収集部35によって収集された追加情報を分析し、その分析結果に基づいて、患者の状態に関する報告書を作成する。次に、手動処理部362は、通信部37を介して患者管理サーバ1に、これと共に作成された報告書を伝送することによって、患者管理サーバ1を運用する医療専門家に患者の状態を報告する。次に、手動処理部362は、通信部37を介して患者管理サーバ1から、患者の状態に関する報告を受けた医療専門家の指示を受信し、このように受信された指示によって、患者に対する医療的処理を行う。医療専門家の指示による手動的な医療処理の例としては、手動処理部362が通信部37を介して患者端末2に、医療専門家によって作成された処方箋、運動計画、メニューを伝送することによって、医療専門家として患者に患者の疾病管理に対するフィードバックを行わせる行為を挙げることができる。
【0032】
自動処理部363は、イベントモニタ34のモニタリング結果、情報収集部33に収集された情報が患者の状態が正常ではないことを示すイベントに該当せずとも、選択部361によって自動処理方式が選択されれば、情報収集部33によって収集された情報、及び追加情報収集部35によって収集された追加情報に基づいて、患者に対する医療的処理を自動的に行う。さらに詳細に説明すれば、自動処理部363は、情報収集部33によって収集された情報、及び追加情報収集部35によって収集された追加情報を分析し、その分析結果に基づいて、患者の状態に関する報告書を作成する。次に、自動処理部363は、通信部37を介して患者端末2に、このように作成された報告書を伝送することによって、自動的に患者に患者の疾病管理に対するフィードバックを行う。
【0033】
また、自動処理部363は、情報収集部33によって収集された情報、及び追加情報収集部35によって収集された追加情報に基づいて、患者に対する医療的処理に関する意思を自動的に決定する臨床決定支援システム(CDSS:clinical decision support system)を利用し、患者に対する医療的処理を自動的に行うこともできる。ここで、臨床決定支援システムは、ロバート・ヘイワード(Robert Hayward)博士によって提案されたものであり、患者に対する診断と治療とに関する意思決定を支援する。これまで知られていた臨床決定支援システムとしては、難聴診断システム、アレルギー性鼻炎診断システム、気管支喘息診断システム、白血病診断システム、高血圧管理システムなど、約1万余りと推定される。
【0034】
さらに詳細に説明すれば、自動処理部363は、情報収集部33によって収集された情報、及び追加情報収集部35によって収集された追加情報を臨床決定支援システムに提供する。次に、臨床決定支援システムは、情報収集部33によって収集された情報、及び追加情報収集部35によって収集された追加情報を分析し、その分析結果に基づいて、患者の状態による医療的処理に関する意思を決定する。次に、自動処理部363は、臨床決定支援システムによって決定された意思によって、患者に対する医療的処理を自動的に行う。臨床決定支援システムによって決定された意思による自動的な医療処理の例としては、通信部37を介して患者端末2に、臨床決定支援システムによって作成された処方箋、運動計画、メニューを伝送する行為を挙げることができる。
【0035】
図4は、図1に図示された実施形態が患者の血糖値に対して適用される様子を図示した図面である。
【0036】
イベントモニタ34は、情報収集部33に収集された患者の血糖値が患者の状態が正常であることを示す範囲を超えていれば、これが、医療情報データベース31に保存されたイベント目録上のイベントのうち、いずれか一つに該当するかをモニタリングする。情報収集部33に収集された患者の血糖値が、患者の状態が正常であることを示す範囲を超え、イベント目録に血糖値が含まれていれば、情報収集部33に収集された情報が、患者の状態が正常ではないことを示すイベントに該当することになる。
【0037】
追加情報収集部35は、イベントモニタ34のモニタリング結果、情報収集部33に収集された情報が、患者の状態が正常ではないことを示すイベントに該当すれば、図4に図示されたような12個の追加情報の目録を、通信部37を介して患者端末2に伝送する。もし患者がこの12個の追加情報のうち、少なくとも1つの項目を選択したならば、追加情報収集部35は、この項目に該当する患者についての追加情報を獲得することになる。例えば、患者が、テストストリップが満了していることを最初の項目として選択すれば、追加情報収集部35は、この患者のテストストリップが満了しているという追加情報を獲得することになる。
【0038】
患者がこの12個の追加情報のうち、4,5,10,12番目の項目を選択したならば、これは、患者の疾病の診断と治療とに医療専門家の意思決定が要求される場合であるから、選択部361は、手動処理方式を選択する。例えば、患者が、薬物処方が満了していることを示す4番目の項目を選択したならば、選択部361は、医療専門家による薬物処方が新たになされるようにするために、手動処理方式を選択する。患者がこの12個の追加情報のうち、1,2,3,6,7,8,9,11番目の項目を選択したならば、これは、患者の疾病の診断と治療とに医療専門家の意思決定が要求されない場合であるから、選択部361は、自動処理方式を選択する。例えば、患者が、テストストリームが満了していることを示す最初の項目を選択したならば、選択部361は、医療専門家の介入なしに、テストストリップを交換せよというメッセージを自動的に患者に伝えることができるようにするために、手動処理方式を選択する。
【0039】
患者が、薬物処方が満了していることを示す4番目の項目を選択したならば、手動処理部362は、この患者の薬物処方が満了しているという内容の報告書を作成し、通信部37を介して患者管理サーバ1に、このように作成された報告書を伝送することによって、医療専門家による薬物処方が新しくなされうるようにする。次に、手動処理部362は、通信部37を介して患者端末2に、医療専門家によって作成された処方箋を伝送する。
【0040】
患者が、テストストリップが満了していることを示す最初の項目を選択したならば、自動処理部363は、テストストリップを交換せよという内容の報告書を作成し、通信部37を介して患者端末2に、このように作成された報告書を伝送することによって、医療専門家の介入なしに、テストストリップを交換せよというメッセージを自動的に患者に伝えることができるようにする。
【0041】
図5は、本発明の一実施形態による患者管理方法のフローチャートである。図5を参照すれば、本実施形態による患者管理方法は、図1に図示された患者管理ゲートウェイ3で、時系列的に処理される段階から構成される。従って、以下省略された内容であっても、図1に図示された患者管理ゲートウェイ3について、以上で記述された内容は、本実施形態による患者管理方法にも適用される。
【0042】
101段階で、患者管理ゲートウェイ3は、患者端末2から患者端末2を使用する患者についての情報を収集する。102段階で、患者管理ゲートウェイ3は、医療情報データベース31及び患者情報データベース32に保存されたデータに基づいて、101段階で収集された情報が患者の状態が正常ではないことを示すイベントに該当するか否かをモニタリングする。103段階で、患者管理ゲートウェイ3は、102段階でのモニタリング結果、101段階で収集された情報が患者の状態が正常ではないことを示すイベントに該当すれば、104段階に進み、そうではなければ、106段階に進む。
【0043】
104段階で、患者管理ゲートウェイ3は、患者についての追加情報を収集する。105段階で、患者管理ゲートウェイ3は、104段階で収集された追加情報が患者の疾病の診断と治療とに、医療専門家の意思決定が要求される場合であるか否かによって、患者に対する医療的処理方式のうち、いずれか一つを選択し、このように選択された方式が手動処理方式ならば、106段階に進み、自動処理方式ならば、107段階に進む。106段階で、患者管理ゲートウェイ3は、101段階で収集された情報、及び104段階で収集された追加情報が示す患者の状態を認知した医療専門家の指示によって、患者に対する医療的処理を手動で行う。107段階で、患者管理ゲートウェイ3は、101段階で収集された情報、及び104段階で収集された追加情報に基づいて、患者に対する医療的処理を自動的に行う。
【0044】
一方、前述の本発明の実施形態は、コンピュータで実行できるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読取り可能な記録媒体を利用し、前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現されうる。また、前述の本発明の実施形態で使われたデータの構造は、コンピュータで読取り可能な記録媒体にさまざまな手段を介して記録されうる。前記コンピュータで読取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(read−only memory)、フロッピーディスク(登録商標)、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD−ROM、DVD(digital versatile disk)など)のような記録媒体を含む。
【0045】
以上、本発明についてその望ましい実施形態を中心に述べた。本発明が属する技術分野で当業者は、本発明が本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態で具現されうることを理解することができるであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなくして特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるあらゆる差異点は、本発明に含まれたものと解釈されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、ホーム遠隔モニタリング(home tele−monitoring)装置などに適用されうる。
【符号の説明】
【0047】
1 患者管理サーバ、
11 医療知識DB、
12 医療記録DB、
13 医療情報提供部、
14,24,37 通信部、
2 患者端末、
21 測定部、
22 問診部、
23 患者情報提供部、
3 患者管理ゲートウェイ、
31 医療情報DB、
32 患者情報DB、
33 基本情報収集部、
34 イベントモニタ、
35 追加情報収集部、
36 処理部、
361 選択部、
362 手動処理部、
363 自動処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者についての情報を収集する段階と、
前記収集された情報が前記患者の健康状態が正常ではないことを示すイベントに該当するか否かをモニタリングする段階と、
前記モニタリング結果に基づいて、選択的に前記患者についての追加情報を収集する段階と、
前記情報及び前記追加情報のうち、少なくとも一つの追加情報に基づいて、前記患者に対する医療的処理を行う段階と、
を含む患者管理方法。
【請求項2】
前記医療的処理を行う段階は、
前記追加情報に基づいて、前記患者に対する医療的処理方式のうち、いずれか一つを選択し、前記選択された方式によって、前記患者に対する医療的処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の患者管理方法。
【請求項3】
前記医療的処理を行う段階は、
前記追加情報に基づいて、前記患者に対する医療的処理方式のうち、第1方式または第2方式のいずれか一つを選択する段階と、
前記医療的処理方式のうち、第1方式が選択されれば、前記医療専門家の指示によって、前記患者に対する医療的処理を手動で行う段階と、
前記医療的処理方式のうち、第2方式が選択されれば、前記患者に対する医療的処理を自動的に行う段階と、
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の患者管理装置。
【請求項4】
前記医療的処理を手動で行う段階は、
医療専門家に前記患者の状態を報告し、前記報告を受けた医療専門家の指示によって、前記患者に対する医療的処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の患者管理装置。
【請求項5】
前記医療的処理を自動的に行う段階は、
前記患者の状態に関する報告書を作成し、前記作成された報告書を患者端末に伝送することを特徴とする請求項3に記載の患者管理装置。
【請求項6】
前記医療的処理を自動的に行う段階は、
臨床決定支援システム(CDSS)を利用し、前記患者に対する医療的処理を自動的に行うことを特徴とする請求項3に記載の患者管理装置。
【請求項7】
前記医療的処理を行う段階は、
前記モニタリングの結果、前記収集された情報が、前記患者の健康状態が正常ではないことを示すイベントに該当しなければ、前記患者に対する医療的処理を自動的に行うことを特徴とする請求項1に記載の患者管理装置。
【請求項8】
患者についての情報を収集する段階と、
前記収集された情報が、前記患者の健康状態が正常ではないことを示すイベントに該当するか否かをモニタリングする段階と、
前記モニタリング結果に基づいて、選択的に前記患者についての追加情報を収集する段階と、
前記情報及び前記追加情報のうち、少なくとも一つに基づいて、前記患者に対する医療的処理を行う段階と、を含む患者管理方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読取り可能な記録媒体。
【請求項9】
患者についての情報を収集する第1収集部と、
前記収集された情報が、前記患者の健康状態が正常ではないことを示すイベントに該当するか否かをモニタリングするモニタと、
前記モニタリング結果に基づいて、選択的に前記患者についての追加情報を収集する第2収集部と、
記情報及び前記追加情報のうち、少なくとも一つに基づいて、前記患者に対する医療的処理を行う処理部と、
を含む患者管理装置。
【請求項10】
前記処理部は、
前記追加情報に基づいて、前記患者に対する医療的処理方式のうち、いずれか一つを選択し、前記選択された方式によって、前記患者に対する医療的処理を行うことを特徴とする請求項9に記載の患者管理装置。
【請求項11】
前記処理部は、
前記追加情報に基づいて、前記患者に対する医療的処理方式のうち、第1方式または第2方式のいずれか一つを選択する選択部と、
前記医療的処理方式のうち、第1方式が選択されれば、前記医療専門家の指示によって前記患者に対する医療的処理を手動で行う手動処理部と、
前記医療的処理方式のうち、第2方式が選択されれば、前記患者に対する医療的処理を自動的に行う自動処理部と、
を含むことを特徴とする請求項9または10に記載の患者管理装置。
【請求項12】
前記手動処理部は、
医療専門家に前記患者の状態を報告し、前記報告を受けた医療専門家の指示によって、前記患者に対する医療的処理を行うことを特徴とする請求項11に記載の患者管理装置。
【請求項13】
前記自動処理部は、
前記患者の状態に関する報告書を作成し、前記作成された報告書を患者端末に伝送することを特徴とする請求項11に記載の患者管理装置。
【請求項14】
前記自動処理部は、
臨床決定支援システム(CDSS)を利用し、前記患者に対する医療的処理を自動的に行うことを特徴とする請求項11に記載の患者管理装置。
【請求項15】
前記処理部は、
前記モニタリングの結果、前記収集された情報が、前記患者の健康状態が正常ではないことを示すイベントに該当しなければ、前記患者に対する医療的処理を自動的に行うことを特徴とする請求項9に記載の患者管理装置。
【請求項16】
患者についての情報を収集する段階と、
前記収集された情報が、前記患者の健康状態が正常ではないことを示すイベントに該当するか否かをモニタリングする段階と、
前記モニタリング結果に基づいて、選択的に前記患者についての追加情報を収集する段階と、
前記情報及び前記追加情報のうち、少なくとも一つに基づいて専門家に依頼する段階と、
前記専門家が前記患者に措置を取ることができるように詳細情報を提供する段階と、
前記専門家が直接的に患者に措置を取るか、またはシステムで患者に措置を取る段階と、
を含む患者管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−88890(P2010−88890A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233698(P2009−233698)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】