説明

患者回路における抵抗マッチング

所定の治療アルゴリズムに従って、被験者(12)の気道に加圧された気体を供給するように構成されたシステム。そのシステムは、加圧された呼吸可能な気流を生成する圧力発生器(16)及びその加圧された呼吸可能な気流をその圧力発生器から被験者の気道へ搬送する回路(14)を含む。加圧された気体を、所定の治療アルゴリズムに従って、被験者の気道へ供給することを促すために、その回路の気流に対する抵抗は、その回路の全体の抵抗が所定のレベルに又はその近くにあるように補足される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2008年12月11日に出願された、本文献に参考として取り入れられる米国特許仮出願第61/121,589号の優先権の利益を、米国特許法第119条(e)の下で主張する。
【0002】
本発明は、被験者に気体を供給するように構成された回路において、その回路の全体の抵抗を、治療アルゴリズムが占めると推定される抵抗のレベルに対応する所定のレベルにもっていくために、気流に対する抵抗を補足することに関する。
【背景技術】
【0003】
加圧された呼吸可能な気流を被験者に供給するシステムは、知られている。これらのシステムにおいて、回路は、一般的に、圧力発生器からの気体を被験者の気道へと運ぶ。これらの回路は、その被験者の個々の好みに従って構成することができる。例えば、接触面器具(interface appliance)(例えば、マスク)、回路の長さ、その回路の物理的な柔軟性、及び/又はその回路の他の特徴が、被験者によって構成されることが可能である。一般的に、異なる回路構成は、気流に対して異なる抵抗を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、システムは、加圧された呼吸可能な気流を、所定の治療アルゴリズムに従って被験者に供給する。そのアルゴリズムは、時間と共にその被験者に供給される気体の1つ又はそれ以上のパラメータ(例えば、圧力、流速、構成、温度、湿度など)に影響を与える。その被験者に供給される気体のパラメータのいくつかは、圧力発生器と被験者の気道との間の回路内において、その回路内の抵抗が原因で変化することから、いくつかの従来のシステムが、その回路内の抵抗を占める。通常、これは、気体が圧力発生器によって放出されるときに、その気体のパラメータを調整するためにその圧力発生器を制御するステップを含み、その回路の抵抗を明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様は、圧力発生器から被験者の気道への気体の供給を可能にするように、その圧力発生器とその被験者の気道との間に気体流路を定める回路に関する。1つの実施形態において、その回路は、接触面器具、導管、及び1つ又はそれ以上の気流の制限機構を含む。その接触面器具は、被験者の気道へ気体を供給し、そこから気体を受け取るように構成され、その接触面器具は、導管接触面開口部と1つ又はそれ以上の被験者接触面開口部との間に、流路を形成する。その1つ又はそれ以上の被験者接触面開口部は、気体を、その被験者の気道と接触面器具の内部との間でつなぎ、その接触面器具によって形成される導管接触面開口部と1つ又はそれ以上の被験者接触面開口部との間の流路は、気流に対して第1抵抗を有する。その導管は、第1開口部と第2開口部との間において流路を形成し、その第1開口部は、圧力発生器から気体を受け取り、その導管によって形成される流路内の気体は、第2開口部を通してその接触面器具の導管接触面開口部へと送られ、第1開口部と第2開口部との間の導管によって形成される流路は、気流に対して第2抵抗を有する。その1つ又はそれ以上の流量制限機構は、その回路内に配置され、補足抵抗をその回路内の気流に対して供給する。その回路内の気流に対する全体の抵抗は、少なくとも部分的には、第1抵抗、第2抵抗及び補足抵抗の集合の関数であり、1つ又はそれ以上の流量制限機構は、その補足抵抗が、回路内の気流に対する全体の抵抗を所定の抵抗に増加させるように構成されている。
【0006】
本発明のもう1つの態様は、圧力発生器から被験者の気道への気体の供給を可能にするように、その圧力発生器と被験者の気道との間において気体流路を定める回路を供給する方法に関する。1つの実施形態において、その方法は、圧力発生器から被験者の気道へと気体を供給するための流路を形成する回路を構成するステップを含み、その回路は、接触面器具及び導管を含む。その接触面器具は、被験者の気道へと気体を供給し、そこから気体を受け取るように構成され、導管接触面開口部と1つ又はそれ以上の被験者接触面開口部との間に流路を形成する。その1つ又はそれ以上の接触面開口部は、気体を、被験者の気道と接触面器具との間で搬送し、その導管接触面開口部と1つ又はそれ以上の被験者接触面開口部との間に接触面器具によって形成された流路は、気流に対して第1抵抗を有する。その導管は、第1開口部と第2開口部との間において流路を形成し、その第1開口部は、圧力発生器から気体を受け取り、その導管によって形成される流路内の気体は、第2開口部を通して接触面器具の導管接触面開口部へと搬送され、第1開口部と第2開口部との間の導管によって形成される流路は、気流に対して第2抵抗を有する。その方法は、その回路の気流に対する全体の抵抗を、それが所定の抵抗に達するように補足するステップをさらに含み、その回路の全体の抵抗を補足するステップは、その回路内に1つ又はそれ以上の流量制限機構を含むステップを含み、その1つ又はそれ以上の流量制限機構は、回路の全体の抵抗を所定の抵抗に増やす、その回路内の気流に対する補足抵抗を供給する。
【0007】
本発明のもう1つの態様は、圧力発生器から被験者の気道への気体の供給を可能にするように、その圧力発生器と被験者の気道との間において気体流路を定める回路に関する。1つの実施形態において、その回路は、被験者の気道へと気体を供給し、そこから気体を受け取るように、その被験者の気道に回路を結合させるための手段を含む。その結合させる手段は、気流に対する第1抵抗;圧力発生器とその結合させる手段との間で気体を搬送する手段;を有し、その気体を搬送する手段は、気流に対する第2抵抗;その回路内で気流を制限する手段;を有し、その気流を制限する手段は、その回路内の気流に対して補足抵抗を供給し;その回路内における気流に対する全体の抵抗は、少なくとも部分的に、第1抵抗、第2抵抗及び補足抵抗の集合の関数であり、その気流を制限する手段は、その補足抵抗が、その回路内の気流に対する全体の抵抗を所定の抵抗に増やすように構成されている。
【0008】
本発明のこれら及び他の目的、特徴及び特性、及び関連する構造の要素及び部品の組み合わせの操作及び機能並びに製造の経済は、付属の図表を参照し、以下の記載及び添付の請求項を考慮することによって明らかになるはずであり、それらの全てが、本命最初の一部分を形成する。類似の参照符号は、様々な図における対応する部分を示す。しかし、図表は、説明及び記載のみが目的であり、本発明の制限の定義としては意図していないことは、明らかに当然のことである。明細書及び請求項において使用されるように、単一形を表す用語及び「前記」を表す用語は、その文脈が明確に指示をしない場合は、複数の指示対象を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、被験者の気道への加圧された気流を供給するように構成されたシステム10を説明する図である。
【図2】複数の異なる接触面器具に対する流れ対抵抗のグラフである。
【図3】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、加圧された呼吸可能な気流が被験者に供給されるときの流れ対圧力を示すグラフである。
【図4】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、加圧された気流を被験者の気道へ供給するように構成されたシステム10を示す図である。
【図5】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、加圧された気流を被験者の気道へ供給するように構成されたシステム10を示す図である。
【図6】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、加圧された気流を被験者の気道へ供給するように構成されたシステム10を示す図である。
【図7】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、気流に対して様々な抵抗を有する抵抗モジュールを説明する図である。
【図8】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、圧力発生器と被験者の気道との間において流路を定める回路を供給する方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0010】
図1は、治療の目的で、被験者12の気道に加圧された気流を供給するように構成されている。例えば、システム10は、陽圧呼吸(Positive Airway Pressure(PAP))治療の一部分、換気療法の一部分、及び/又は他の療法の目的で、被験者の気道へ加圧された気流を供給してよい。1つの実施形態において、システム10は、1つ又はそれ以上の回路14及び圧力発生器16を含む。
【0011】
回路14は、圧力発生器16と被験者12の気道との間に気体流路を定める。そのようにして、回路14は、圧力発生器16から被験者12の気道へと加圧された気流を供給するように構成されている。1つの実施形態において、回路14は、1つ又はそれ以上の接触面器具18、導管20及び接続モジュール22を含む。
【0012】
接触面器具18は、被験者12の気道へ気体を供給し、そこから気体を受け取るように構成されている。接触面器具18は、導管接触面開口部24と1つ又はそれ以上の被験者接触面開口部26との間において流路を形成する(例えば、図1において示されるように1つ、鼻カニューレの場合は2つ、など)。導管接触面開口部24は、接触面器具18の内部と残りの回路14との間にで気体を搬送し、被験者接触面開口部26は、被験者12の気道と接触面器具18の内部との間で気体を搬送する。接触面器具18は、回路14と被験者12の気道との間で気体を搬送するための侵襲的又は非侵襲的のいずれか一方であるアプライアンスを含んでもよい。例えば、接触面器具18は、鼻マスク、鼻/口マスク、顔マスク、鼻カニューレ、気管内チューブ、LMA、気管チューブ、及び/又は他の接触面器具を含んでもよい。
【0013】
導管接触面開口部24と被験者接触面開口部26との間に形成される流路は、図1においてR1として表される気流に対する抵抗を有し、それは、本文献では第1抵抗として呼ばれる。その流路の気流に対する抵抗は、流路の全域にわたる圧力の低下に関して定量化されてよい。それから分かるように、接触面器具18の特定の実施形態の抵抗は、接触面器具18の物理的特性の関数である。例えば、接触面器具18の特定の実施形態の抵抗は、被験者接触面開口部26の数のうちの1つ又はそれ以上、被験者接触面開口部26及び導管接触面開口部24のサイズ、接触面器具18によって形成される流路の形状、導管接触面開口部24と被験者接触面開口部26との間の距離、及び/又は、接触面器具18の特定の実施形態の他の物理的特性に依存してもよい。
【0014】
導管20は、第1開口部28と第2開口部30との間に流路を形成する。第1開口部28は、圧力発生器16から気体を受け取る。導管20によって形成される流路内の気体は、第2開口部30を通して導管接触面開口部24へと搬送される。1つの実施形態において、導管20は柔軟性を持つ。第1開口部28と第2開口部30との間に形成された流路は、気流に対する抵抗を有し、それは、本文献では第2抵抗として呼ばれ、図1においてR3として表されている。第3抵抗は、導管20の物理的特性の関数である。例えば、その第3抵抗は、導管20によって形成される流路の長さ、導管20の断面形状及び/又は面積、導管20の壁の円滑度、及び/または導管20の物理的特性のうち1つ又はそれ以上の関数であってよい。
【0015】
接続モジュール22は、導管20によって形成される流路を、接触面器具18によって形成される流路に接続するように構成されている。そのようにして、接続モジュール22は、第1開口部32と第2開口部34との間において流路を形成する。一般的に、接触面器具18を使用することをより簡単にするために、接続モジュール22は、使用中に接続モジュール22によって形成される流路を屈曲及び/又は回転させる、肘の屈曲及び/又は回転を含んでもよい。1つの実施形態において、接続モジュール22は、被験者12によって回路14(例えば、大気)の中へと吐き出される気体を排出するように作動する1つ又はそれ以上の排出開口部又はバルブを含む。当然のことながら、1つの実施形態において、回路14は、接続モジュールを含まない。この実施形態において、導管20は、接触面器具18に直接接続してもよい。
【0016】
第1開口部32と第2開口部34との間において形成される流路は、ここで第2抵抗として呼ばれる気流に対する抵抗を有し、図1にR2として表されている。接続モジュール22の特定の実施形態の抵抗は、接触面接続モジュール22の物理的特性の関数である。例えば、導管モジュール22の特定の実施形態の抵抗は、排出開口部の数、任意の排出開口部の位置、導管20によって形成される流路の形状、導管モジュール22の断面形状及び/又はサイズ、導管モジュール22によって形成される流路の長さ、及び/又は接触面器具18の他の物理的特性のうちの1つ又はそれ以上に依存してもよい。
【0017】
気流に対する抵抗は追加の特性である。そのようなものとして、回路14の気流に対する全体の抵抗は図1に示され、個々の構成要素の抵抗の集合から決定することができる。例えば、図1に示される実施形態に対して、回路14の気流に対する全体の抵抗は、第1抵抗、第2抵抗及び第3抵抗の合計として決定してもよい。
【0018】
図1に示される回路14は、単肢回路(single-limbed circuit)である一方、これは、限定することを目的としていない。本文献で考察される原理は、双肢回路(dual-limbed circuit)(1つのブランチ(branch)が吐き出された気体を排出するように構成されている)を用いて当業者によって実施可能である。
【0019】
圧力発生器16は、回路14によって被験者12の気道へ供給するための加圧された呼吸可能な気流を生成するように構成されている。圧力発生器16によって生成される加圧された呼吸可能な気流の1つ又はそれ以上のパラメータは、治療の目的で、圧力発生器16によって制御されてもよい。例えば、圧力発生器は、圧力、流速、構成、及び/又はその加圧された呼吸可能な気流の他のパラメータのうち1つ又はそれ以上を制御してもよい。
【0020】
気体源36は、圧補助装置38が被験者12に供給される加圧された呼吸可能な気流を生成する、気体の集まり又は複数の集まりを含む。気体源36は、例えば、周囲の大気、加圧気体のタンク、壁の気体源、及び/又は他の呼吸可能な気体の集まりなどの呼吸気体の集まりの如何なる供給を含んでもよい。気体源36からの呼吸気体は、空気、酸素、酸素混合気、気体の形(例えば、酸化窒素、噴霧された、など)であってよい呼吸気体と薬剤との混合物、及び/又は他の如何なる呼吸可能な気体であってよい。
【0021】
圧補助装置38は、その圧補助装置38から回路14へと放出された呼吸可能な気流の1つ又はそれ以上を制御するための1つ又はそれ以上の機構を含む。例えば、圧補助装置38は、バルブ、送風機、ピストン、ベローズ(bellows)、及び/又は呼吸可能な気流の1つ又はそれ以上のパラメータを制御するための他の機構のうち1つ又はそれ以上を含んでもよい。
【0022】
1つの実施形態において、圧補助装置38は、被験者12へ治療的有用性を提供する所定のアルゴリズムに従って、加圧された呼吸可能な気流の1つ又はそれ以上のパラメータを制御する。非限定的な例によって、圧補助装置38は、呼吸作用を促し、被験者12の気道を支え、被験者12によって呼吸される気体の構成を調整するように、及び/又は他の治療の目的によって、呼吸可能な気体の圧力及び/又は流速の1つ又はそれ以上を制御してもよい。
【0023】
上記に述べたように、回路14内の気流に対する抵抗は、気体が回路に導入される導管20の第1開口部28と気体が回路14と被験者12との間で搬送される患者接触面器具18の患者接触面開口部26との間における圧力低下をもたらす。この圧力低下は、流れの関数である。説明の方法によって、図2は、異なる抵抗を持つ接触面器具を含む回路における流れ対圧力低下のグラフである。より高い抵抗を持つアプライアンス(例えば、鼻カニューレ・システム、鼻孔ピロー(pillow)・接触面など)は、より高い流れにおいて回路の全域にわたって比較的高い圧力定価を示すグラフによって表される。座標系として、圧補助装置は、20cmH2Oの圧力において、約120LPMの流れを生成する。図2に見られるように、典型的な作動レベルにある回路内の圧力の損失は、ささいではない。さらに、異なる構成を持つ回路によってもたらされる損失における相対的な相違もまた重要である。
【0024】
図3は、気体が圧力発生器を出るときにその圧力及び気流に影響を与える
に従って、圧力発生器によって生成される加圧された気流における単一の呼吸サイクルに関して流れ対時間を示すグラフである。同じ軸において、被験者の気道へ加圧された気流を供給する接触面器具での圧力対時間が、3つの分離された回路構成に対して示されている。その3つの回路構成は、高抵抗構成、低抵抗構成及び中抵抗構成を含む。図3に見られるように、その回路の相対的な抵抗レベルは、相対回路抵抗が加圧された呼吸可能な気流を生成することによって説明されない場合、被験者が経験する圧力レベルに大きく影響し得る。
【0025】
一般的に、回路の全体の抵抗は、その回路を形成する構成要素(例えば、接触面器具、導管、接続モジュールなど)の個々の抵抗の関数である。通常、これらの構成要素は、被験者が、その被験者の好みに適した回路を構成することを可能にするように、交換可能である。例えば、その被験者は、より長い又はより短い導管を含んでもよく、その被験者は、個人的な好みに基づいて接触面器具としてマスク又は鼻カニューレを含んでもよく、及び/又は、そうでなければ個人的な好みに基づいた構成要素を持つ回路14を構成してもよい。
【0026】
いくつかの従来型のシステムは、回路のカスタマイズによって生じる回路抵抗の可変性を無視する。これらのシステムは、この推定が有効でない可能性があっても、所定の値であることを推定し、ある程度までは、その被験者に加圧された呼吸可能な気流の供給に(例えば、図2及び3において実演されているように)影響を与えてよい。他の従来型のシステムにおいて、被験者によって回路に含めるために選択された構成部品によって生じる全体の回路抵抗における変動を説明するように、その全体の抵抗の測定がされ、次に、圧力発生器によって生成される加圧された呼吸可能な気流のパラメータが、その測定された抵抗に基づいて調整される。しかし、この方法における回路抵抗を説明することによって、その圧力発生器の制御が比較的複雑になり、回路抵抗の測定における不正確さに影響を受けやすいかもしれない。
【0027】
図4は、回路14を形成するのに使用される構成要素に特有の圧補助装置38によって生成される、加圧された呼吸可能な気流のパラメータに対して調整をせずに回路抵抗が占められる、システム10の実施形態を示す。この実施形態において、気体が圧補助装置38を出るときに加圧された呼吸可能な気流を調整して、特有の回路構成を占めるよりもむしろ、回路14の全体の抵抗が所定のレベルに上昇する。
【0028】
回路14の全体の抵抗は、1つ又はそれ以上の流量制限機構を回路14に含むことによって、所定のレベルに上昇させられる。その1つ又はそれ以上の流量制限機構は、全体の回路抵抗を補足する目的で、その回路14内に備えられる。非限定的な例によって、1つ又はそれ以上の流量制限機構は、伸張した長さ、増加又は減少した直径、不定形な断面、表面仕上げ、回転又は屈曲部、コルゲーション(corrugation)、圧力ピックオフ(pressure pick-off)がインライン(in-lining)した内腔ホース、増加又は減少した排出ガス抜き、及び/又は、他の機構のうち1つ又はそれ以上を含んでもよい。
【0029】
1つの実施形態において、少なくとも1つ又はそれ以上の流量制限機構が、以前に考察された回路14の構成要素の1つ又はそれ以上と一体に備えられている。例えば、図4において、導管20が、回路14の抵抗を補足するように、1つ又はそれ以上の流量制限機構が備えられた補足抵抗の量は、導管20の他の物理的特性に基づいて製造時に決定してもよい。例えば、導管20が比較的短い、及び/又は比較的大きい断面積を有する場合、導管20の区分40に含まれる1つ又はそれ以上の流量制限機構は、比較的大きい補足抵抗を有するように形成される。
【0030】
同様に、導管20が比較的長い、及び/又は比較的小さい断面積を有する場合、その1つ又はそれ以上の流量制限機構は、比較的小さい補足抵抗を有するように形成される。この方法では、異なる物理的特性(例えば、異なる長さ、柔軟性、断面など)を有する導管のセットが、共通の抵抗(例えば、従来型の回路抵抗及び区分40によって供給される補足抵抗)を有するように製造することができる。従って、どの導管のセットを被験者12が回路14に含めるために選択しても、回路14の全体の抵抗は影響を受けない。
【0031】
回路14の以前考察された構成要素の1つ又はそれ以上と一体に備えられた1つ又はそれ以上の流量制限機構のもう1つの例として、図4において、接触面器具18が、回路14の全体の抵抗を補足するように、1つ又はそれ以上の流量制限機構が形成される区分42を含むとして描かれている。接触面器具18の区分42に含むべき補足抵抗の量は、1つ又はそれ以上の流れを制限する構造のおかげで、抵抗に影響を与える接触面器具18の他の物理的特性に基づいて製造時に決定される。接触面器具18の物理的特性が、接触面器具18の抵抗を比較的低くする場合(例えば、口‐鼻マスクに対して)、接触面器具18の区分42に含まれる1つ又はそれ以上の流量制限機構は、比較的大きい補足抵抗を有するように形成される。
【0032】
同様に、接触面器具18の物理的特性が、接触面器具18の抵抗を比較的大きくする場合(例えば、鼻カニューレに対して)、接触面器具18の区分42に含まれる1つ又はそれ以上の流量制限機構は、比較的小さい補足抵抗を有するように形成される。従って、多様な異なるタイプの接触面器具のいずれかを含む回路に対して、その回路に対する抵抗は、いまだに同じである(例えば、従来の回路抵抗及び区分42によって供給される補足抵抗)。
【0033】
当然のことながら、区分40及び42だけが、流量制限機構が回路14の抵抗を補足するように配置されてもよい回路14の区分ではない。その代わりに、これらの2つの区分は、例としてのみ供給されている。当業者は、圧補助装置38によって生成される加圧された気流を、所定のアルゴリズムによって影響を受ける被験者12の気道での又はその近くのレベルにある被験者12の気道へと供給することを促すために、流量制限機構が、その抵抗回路14を所定のレベルに補足するように配置されてもよい、回路14の複数の他の区分を認識するであろう。
【0034】
図5は、加圧された呼吸可能な気流の生成に対して、回路14を形成するのに使用される構成要素に特定の調整を行わずに、圧補助装置38によって生成される加圧された呼吸可能な気流のパラメータに対する全体の回路抵抗の影響が説明されるシステム10の実施形態を示す。図5に示される実施形態において、回路14の全体の抵抗は、回路14を形成するのに使用される個々の構成要素に関わらず所定のレベルに補足される。特に、回路14の全体の抵抗は、選択可能に1つ又はそれ以上の抵抗モジュール44を回路14の中に挿入することによって、所定のレベルの上昇し、各抵抗モジュールは、それらに付属する補足抵抗を有する。
【0035】
所定の抵抗モジュール44は、第1開口部46と第2開口部48との間に流路を形成する。1つ又はそれ以上の流量制限機構は、第1開口部46と第2開口部48との間における抵抗モジュール44によって形成される流路において配置される。その1つ又はそれ以上の流量制限機構は、延長した長さ、増加又は減少した直径、不定形な断面、表面仕上げ、回転又は屈曲部、コルゲーション、及び/または他の機構の1つ又はそれ以上を含んでもよい。
【0036】
1つの実施形態において、個々の抵抗モジュール44は、それらに付属する異なる補足抵抗を有し、被験者12は、被験者12が回路14内に含めるために選択した他の構成要素に対応する抵抗モジュール44(1つ又は複数の)を、回路14の中へ挿入する。例えば、被験者12が比較的小さい抵抗を持つ(例えば、口‐鼻マスク)回路14内に接触面器具18を含む場合、被験者12は、抵抗モジュール44の1つを比較的大きい補足抵抗(又は、2つ又はそれ以上の抵抗モジュール44の適切な組み合わせ)を有する回路14へ挿入してもよく、それによって、回路14の全体の抵抗が、所定のレベルに達することが保証される。もう1つの例として、被験者12が比較的大きい抵抗を持つ回路14(例えば、鼻カニューレ)内に接触面器具18を含む場合、被験者12は、抵抗モジュール44の1つを比較的小さい補足抵抗を有する回路14内に挿入し、その回路14に所定のレベルの全体の抵抗を供給する。
【0037】
1つの実施形態において、抵抗モジュール44は、それらが共に使用されるべき回路構成部品の種類の記載と共に、被験者12に与えるように備えられている。例えば、比較的高い補足抵抗を有する抵抗モジュール44は、この抵抗モジュール44が、口‐鼻マスク・システムを含むマスクを持つ回路に含まれるべきであることを示すインストラクション及び/又はしるしと共に、被験者12に供給されてよい。同様に、いくらか低い補足抵抗を有する抵抗モジュール44は、この抵抗モジュール44が、鼻マスク・システムを含むマスク(口‐鼻マスク・システムよりも低く、鼻カニューレよりも高い抵抗を有する)を持つ回路において含まれるべきだと示すインストラクション及び/又はしるしと共に、被験者に供給されてもよい。供給された抵抗モジュール44に付属しているインストラクション及び/又はしるしに従うことによって、被験者12は、所定のレベルの抵抗にある又はそれに近い全体の抵抗を有する回路を構成することが可能である。その代わりに、これは、加圧された気流の被験者12への供給を、改善された精度を持つ適切なアルゴリズムに従って促進する。
【0038】
図6は、加圧された呼吸可能な気流の生成に対して、回路14を形成するのに使用される構成要素に特定の調整を行わずに、圧補助装置38によって生成される加圧された呼吸可能な気流のパラメータに対する全体の回路抵抗の影響が説明されるシステム10の実施形態を示す。図6に示される実施形態において、その回路14の全体の抵抗は、調整可能な補足抵抗を有する抵抗モジュール44によって所定のレベルに補足される。その補足抵抗は、抵抗モジュール44の流路内においてより大きい又はより小さい抵抗を供給するように操作することができる1つ又はそれ以上の流量制限機構を供給することによって調整可能になる。例えば、その1つ又はそれ以上の流量制限機構は、調整可能なバルブ開口部サイズ、移動可能なピストン、曲がり、及び/または他の流れを制限する機構を含んでもよい。抵抗モジュール44の補足抵抗は、自動的及び/又は手動で調整可能であってよい。
【0039】
1つの実施形態において、抵抗モジュール44の補足抵抗は、回路14内の気体の1つ又はそれ以上のパラメータに基づいて、自動的に調整される。この実施形態において、1つ又はそれ以上のセンサー(非表示)が、回路14内の気体の1つ又はそれ以上のパラメータ(例えば、流速、圧力など)を監視する。その1つ又はそれ以上によって生成される情報は、抵抗モジュール44の補足抵抗が、回路14の全体の抵抗を所定の抵抗レベルに(又はその近くに)もっていくように、抵抗モジュール44の流路内において1つ又はそれ以上の流量制限機構を操作するように使用される。その流量制限機構の適切な操作を決定するため及び/又はその流量制限機構の自動的な操作を制御するために必要な処理機能は、圧補助装置38の一部であるプロセッサ(非表示)又は圧補助装置38から分離された外部のプロセッサによって供給されてもよい。
【0040】
1つの実施形態において、抵抗モジュール44の補足抵抗は、よりパッシブ(passive)な方法で自動的に調整される。例として、図7は、回路14内の圧力が、抵抗モジュール44の1つ又はそれ以上の流量制限機構を操作するように実装されている抵抗モジュール44の実施形態を示す。図7に示される実施形態において、抵抗モジュー44は、第1開口部44と第2開口部48との間における流路とつながるピストン・チャンバー54及び抵抗モジュール44の表面に第1開口部46及び第2開口部48から離れて形成されたチャンバー開口部52を形成する。抵抗モジュール44は、さらに、チャンバー52内にスライド可能なように配置されたピストン54を含む。ピストン54の断面は、チャンバー50内に配置されたピストン54の端部で先が細くなっている。ピストン54は、チャンバー50の中の下に(例えば、スプリング荷重によって)付勢されている。この付勢及びピストン54の先が細くなっているおかげで、ピストン54の位置は、回路14内の圧力が上下すると変化する。さらに具体的には、回路14内の圧力が増加すると、ピストン54がチャンバー50から出され、それによって抵抗モジュール44の補足抵抗が減少する。同様に、回路14内の圧力が減少すると、ピストン54は、チャンバー50内にさらに移動し、抵抗モジュール44の補足抵抗を増加させる。
【0041】
回路14に接続された接触面器具(例えば、図1における接触面器具18)が比較的高い抵抗を有する場合(例えば、鼻カニューレ)、回路14内の圧力は、比較的高い抵抗を有する(その接触面器具の高い抵抗による)。対照的に、回路14に接続された接触面器具が比較的低い抵抗を有する場合(例えば、口‐鼻マスク)、回路14内の圧力は、比較的低い(例えば、接触面器具の低い抵抗による)。従って、高い抵抗を持つ接触面器具に対し、回路14内の圧力は、その接触面器具が低い抵抗を有する場合、チャンバー50から回路14内の圧力よりも遠くへ抵抗モジュール44のピストン54を移動させる。これは、抵抗モジュール44の補足抵抗が、接触面器具の抵抗が比較的低い場合においてより大きく、接触面器具の抵抗が比較的高い場合により低い。従って、回路14の全体抵抗を、接触面器具の相対抵抗(及び/又は回路14の他の構成要素)に関わらずに、所定のレベルで又はその近くで全体の抵抗のレベルを維持するために補足する。
【0042】
図6に戻ると、1つの実施形態において、抵抗モジュール44の補足抵抗は、手動で調整可能である。この実施形態において、抵抗モジュール44は、抵抗モジュール44における1つ又はそれ以上の流量制限機構を操作するための、被験者12によって手動でかみ合わせられるコントロール(非表示)を含む。そのコントロールは、各々が異なるレベルの補足抵抗に対応する複数のコントロール設定を含んでもよい。場合によっては、そのコントロールは、その複数のコントロール設定にインデックスが付けられる。被験者12による補足抵抗の適切な調整を促すために、1つに実施形態において、被験者12には、回路14に挿入するために選択された構成要素に基づいて、抵抗モジュール44がどのコントロール設定に設定されるべきかをその被験者12に知らせるインストラクション及び/又はしるしが供給される。
【0043】
図8は、圧力発生器から被験者の気道へ気体を供給することを可能にするために、その圧力発生器と被験者の気道との間に流路を定める回路を供給する方法56を示す。以下に提示される方法56の操作は、例示的であることを目的とする。いくつかの実施形態において、方法56は、記載されていない1つ又はそれ以上の追加の操作で遂行してもよく、及び/又は考察された1つ又はそれ以上の操作無しで遂行してもよい。さらに、方法20の操作の順番は、図8において示され、以下の記載は、限定することを目的としない。
【0044】
操作58において、回路は、圧力発生器から被験者の気道まで気体を供給するための流路を形成するように構成されている。その回路は、導管、接触面器具、及び/又は接続モジュールの1つ又はそれ以上を含んでよい。1つの実施形態において、その回路は、回路14(図1及び4‐6に示される)に類似の又は同一の回路である。
【0045】
操作60において、その回路は、加圧された呼吸可能な気流を生成するように構成された圧力発生器に接続されている。その圧力発生器は、気体源及び/又は圧補助装置の1つ又は両方を含んでもよい。1つの実施形態において、その圧力発生器は、圧力発生器16(図1及び4‐6に示され、上記に記載)と同一の又は類似の圧力発生器である。
【0046】
操作62において、その回路の全体の抵抗は、その気流に対する全体の抵抗が所定の抵抗に達するように補足される。その所定の抵抗は、圧力発生器が、加圧された呼吸可能な気流を生成することにおいて占める抵抗のレベルであってよい。場合によっては、操作62は、その回路によって形成された流路内において1つ又はそれ以上の流量制限機構を配置するステップを含む。その1つ又はそれ以上の流量制限機構は、その回路と一体で形成されるか、あるいは、その回路の中に選択的に挿入されてもよい。1つの実施形態において、操作62は、抵抗モジュール44(図4‐7に示され、上記に記載)と同一の又は類似の回路の中へ、抵抗モジュールを選択的に挿入するステップを含む。
【0047】
操作64において、圧力発生器によって生成された加圧された呼吸可能な気流は、その回路の中を通って被験者に供給される。
【0048】
本発明は、現在最も実践的且つ望ましい実施形態であると考えられているかに基づいて、説明の目的で詳しく記載されてきたが、当然のことながら、そのような詳細は、その目的だけのためであり、本発明は、開示された実施形態に限定されない。しかし、対照的に、本発明は、添付の請求項の要旨及び範囲内にある改良形及び均等の配置を含むことを意図している。例えば、当然のことながら、可能な程度までは、任意の実施形態の1つ又はそれ以上の特徴を、他の任意の実施形態の1つ又はそれ以上の特徴と組み合わせることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力発生器と被験者の気道との間において、該圧力発生器から該被験者の気道まで気体を供給することを可能にするために気体流路を定める回路であり:
被験者の気道に気体を供給し、該被験者の気道から気体を受け取るように構成された接触面器具であり、導管接触面開口部と1つ又はそれ以上の被験者接触面開口部との間において流路を形成し、該1つ又はそれ以上の被験者接触面開口部は、該被験者の気道と該接触面器具の内部との間で気体の搬送をし、該接触面器具によって前記導管接触面開口部と前記1つ又はそれ以上の被験者接触面開口部との間に形成される流路は、気流に対して第1抵抗を有する、接触面器具;
第1開口部と第2開口部との間に流路を形成する導管であり、該第1開口部は、圧力発生器から気体を受け取り、該導管によって形成される流路は、前記第2開口部を通して前記接触面器具の導管接触面開口部へとつながり、該導管によって前記第1開口部と前記第2開口部との間に形成され流路は、気流に対する第2抵抗を有する、導管;及び
前記回路内に配置された流量制限機構であり、該回路内の気流に対して補足抵抗を供給し、該回路内の気流に対する全体の抵抗は、少なくとも部分的に、前記第1抵抗、前記第2抵抗及び前記補足抵抗の集合の関数であり、前記流量制限機構は、該補足抵抗が、前記回路内の全体の抵抗を所定の抵抗に増加させるように構成されている、流量制限機構;
を含む回路。
【請求項2】
前記1つ又はそれ以上の流量制限機構が、前記接触面器具に一体に形成された、少なくとも1つの流量制限機構を含む、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記接触面器具に一体に形成された1つ又はそれ以上の流量制限機構は、前記導管接触面開口部において又は該導管接触面開口部の近くに形成される、請求項2に記載の回路。
【請求項4】
請求項1に記載の回路であり、第1モジュール開口部と第2モジュール開口部との間に流路を形成する取り外し可能な抵抗モジュールをさらに含み、該取り外し可能な抵抗モジュールは、該第1モジュール開口部と該第2モジュール開口部との間の流路において配置された前記1つ又はそれ以上の流量制限機構のうち少なくとも1つを有し、取り外し可能な抵抗モジュールは、前記回路内の気流に対する全体の抵抗を増加させるために、該回路の中に選択可能に挿入することが可能である、回路。
【請求項5】
前記取り外し可能な抵抗モジュールは、前記第1モジュール開口部を前記導管の第1開口部に、切り離し可能なようにかみ合わせることによって前記回路の中にさらに選択可能に挿入することが可能である、請求項4に記載の回路。
【請求項6】
前記取り外し可能な提供モジュールは、前記第1モジュール開口部を前記接触面器具の導管接触面開口部に、切り離し可能なようにかみ合わせることによって前記回路の中にさらに選択可能に挿入することが可能である、請求項4に記載の回路。
【請求項7】
前記取り外し可能な提供モジュールは、前記第2モジュール開口部を前記導管の第2開口部に、切り離し可能なようにかみ合わせることによって前記回路の中にさらに選択可能に挿入することが可能である、請求項6に記載の回路。
【請求項8】
請求項4に記載の回路であり、前記導管によって形成される流路を前記接触面器具によって形成される流路に接続させる接続モジュールをさらに含み、該接続モジュールは、該回路から前記被験者によって吐き出された気体を排出するように構成された1つ又はそれ以上の排出開口部を形成し、気流に対する第3抵抗を有し、前記回路内の気流に対する全体の抵抗は、少なくとも部分的に、前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、及び前記補足抵抗の集合の関数である、回路。
【請求項9】
前記取り外し可能な抵抗モジュールは、前記第1モジュール開口部を前記接続モジュールに切り離し可能なようにかみ合わせることによって、前記回路の中へ選択可能に挿入することが可能である、請求項8に記載の回路。
【請求項10】
複数の取り外し可能な抵抗モジュールをさらに含み、該取り外し可能な抵抗モジュールの各々は、前記回路の中に選択可能に挿入することが可能であり、前記1つ又はそれ以上の流量制限機構のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の回路。
【請求項11】
圧力発生器と被験者の気道との間において、該圧力発生器から該被験者の気道まで気体を供給することを可能にするために気体流路を定める回路を供給する方法であり:
圧力発生器から前記被験者の気道まで気体を供給するための流路を形成する回路を構成するステップであり:
被験者の気道に気体を供給し、該被験者の気道から気体を受け取るように構成された接触面器具であり、導管接触面開口部と1つ又はそれ以上の被験者接触面開口部との間に流路を形成し、該1つ又はそれ以上の被験者接触面開口部は、該被験者の気道と該接触面器具の内部との間で気体を搬送させ、該接触面器具によって該導管接触面開口部と前記1つ又はそれ以上の被験者接触面開口部との間に形成される流路は、気流に対する第1抵抗を有する、接触面器具;及び
第1開口部と第2開口部との間に流路を形成する導管であり、該第1開口部は、圧力発生器から気体を受け取り、該導管によって形成される流路内の気体は、前記接触面器具の導管接触面開口部に前記第2開口部を通して搬送され、前記第1開口部と該第2開口部との間の導管によって形成される流路は、気流に対する第2抵抗を有する、導管;
を含むステップ;及び
気流に対する前記回路の全体の抵抗を、該気流に対する回路の全体の抵抗が、所定の抵抗に達するように補足するステップであり、該回路の全体の抵抗を補足するステップは、1つ又はそれ以上の流量制限機構を含み、該1つ又はそれ以上の流量制限機構は、該回路の全体の抵抗を前記所定の抵抗に増加させる補足抵抗を該回路内の気流に対して供給する、ステップ;
を含む方法。
【請求項12】
前記回路を圧力発生器に接続するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記圧力発生器を、気体が該圧力発生器から前記回路を通して前記被験者に供給されるように操作するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ又はそれ以上の流量制限機構は、前記接触面器具に一体に形成された少なくとも1つの流量制限機構を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記接触面器具に一体に形成された少なくとも1つの流量制限機構は、前記導管接触面開口部において又は該導管接触面開口部の近くに形成される気流の制限を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であり、1つ又はそれ以上の流量制限機構を前記回路内に含むステップは、該回路の中に取り外し可能な抵抗モジュールを選択可能に挿入するステップをさらに含み、該取り外し可能ン抵抗モジュールは、第1モジュール開口部と第2モジュール開口部との間に流路を形成し、該第1モジュール開口部と該第2モジュール開口部との間の流路に配置された前記1つ又はそれ以上の流量制限機構の少なくとも1つを有する、方法。
【請求項17】
前記取り外し可能な抵抗モジュールは、前記第1モジュール開口部を前記導管の第1開口部に、少なくとも部分的に切り離し可能なようにかみ合わせることによって、前記回路の中へ選択可能に挿入することが可能である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記取り外し可能な抵抗モジュールは、前記第1モジュール開口部を前記接触面器具の導管接触面開口部に、少なくとも部分的にかみ合わせることによって、選択可能に挿入される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記取り外し可能な抵抗モジュールは、前記第2モジュール開口部を前記導管の第2開口部に、少なくとも部分的にかみ合わせることによって、さらに選択可能に挿入される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法であり、前記回路は、前記導管によって形成される流路を前記接触面器具によって形成される流路に接続される接続モジュールをさらに含み、該接続モジュールは、前記被験者によって前記回路から吐き出される気体を排出するように構成された1つ又はそれ以上の排出開口部を形成し、気流に対する第3抵抗を有し、前記回路内の気流に対する全体の抵抗は、少なくとも部分的に、前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、及び前記補足抵抗の集合の関数である、方法。
【請求項21】
前記取り外し可能な抵抗モジュールは、前記第1モジュール開口部を前記接続モジュールに、切り離し可能なようにかみ合わせることによって、前記回路の中に選択可能に挿入される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
圧力発生器と被験者の気道との間に、該圧力発生器から該被験者の気道に気体を供給することを可能にするように気体流路を定める回路であり:
被験者の気道に気体を供給し、該被験者の気道から気体を受け取るように前記回路を該被験者の気道に結合させる手段であり、気流に対する第1抵抗を有する、手段;
圧力発生器と前記結合させる手段との間で気体を搬送する手段であり、気流に対する第2抵抗を有する、手段;及び
前記回路内における気流を制限する手段であり、該気流を制限手段は、該回路内の気流に対して補足抵抗を供給し、該回路内の気流に対する全体の抵抗は、少なくとも部分的に、前記第1抵抗、前記第2抵抗及び前記補足抵抗の集合の関数であり、該気流を制限する手段は、該補足抵抗が、該回路内の気流に対する全体の抵抗を所定の抵抗に増加させるように構成された、手段;
を含む回路。
【請求項23】
前記回路内の気流を制限する手段は、前記結合させる手段に一体に形成された少なくとも1つの流量制限機構を含む、請求項22に記載の回路。
【請求項24】
前記結合させる手段に一体に形成された前記少なくとも1つの流量制限機構は、該結合させる手段における開口部に又は該開口部の近くに形成された気流の制限を含み、前記気体を搬送する手段からの気体は、該開口部を通り抜けて該結合させる手段に入る、請求項23に記載の回路。
【請求項25】
前記回路内の気流に対する全体の抵抗を増加させるために、該回路の中に選択可能に挿入することが可能である回路抵抗を増加させる手段をさらに含む、請求項22に記載の回路。
【請求項26】
前記回路抵抗を増加させる手段は、前記搬送する手段に切り離し可能なようにかみ合わせることが可能である、請求項25に記載の回路。
【請求項27】
前記回路抵抗を増加させる手段は、前記結合させる手段に切り離し可能なようにかみ合わせることが可能である、請求項25に記載の回路。
【請求項28】
前記回路抵抗を増加させる手段は、前記搬送する手段に切り離し可能なようにかみ合わせることが可能である、請求項25に記載の回路。
【請求項29】
請求項25に記載の回路であり、前記搬送する手段を前記結合させる手段に接続する手段をさらに含み、該接続する手段は、前記被験者によって前記回路から吐き出される気体を排出する手段を含み、該接続する手段は、気流に対する第3抵抗を有し、該回路内の気流に対する全体の提供は、少なくとも部分的に、前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、及び前記補足抵抗の集合の関するである、回路。
【請求項30】
前記回路抵抗を増加させる手段は、前記接続する手段に切り離し可能なようにかみ合わせることが可能である、請求項29に記載の回路。
【請求項31】
前記回路抵抗を増加させる手段は、複数の取り外し可能な抵抗モジュールを含み、該取り外し可能な抵抗モジュールの各々は、前記回路の中に選択可能に挿入することが可能である流路を形成し、少なくとも1つの流量制限機構を含む、請求項25に記載の回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−511370(P2012−511370A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540268(P2011−540268)
【出願日】平成21年11月21日(2009.11.21)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055246
【国際公開番号】WO2010/067234
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)