説明

情報処理システム、情報処理方法及びプログラム

【課題】買物予定商品の商品情報を容易に取得できるようにする。
【解決手段】携帯端末200は、画角に捉えたちらしの画像データを撮像し、ちらしの画像データに基づいて、ちらしに対するユーザによる商品の指定動作を検知する。次に、携帯端末200は、指定動作の対象となった商品に係る画像データを取得し、買物管理サーバ100に送信する。買物管理サーバ100は、ちらしに掲載されている各商品に係る画像データを蓄積する。そして、買物管理サーバ100が、携帯200から商品に係る画像データを受信し、各商品に係る画像データとマッチングすることによりユーザの指定した商品を特定し、ユーザとの対応付けを行う。次に、買物管理サーバ100は、ユーザに対応付けられた商品に関する商品情報を取得し、携帯端末200に送信する。携帯端末200は、商品情報を示すコンピュータグラフィック画像データを現実空間に整合するよう重畳表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現実空間の映像とコンピュータグラフィックス画像データとを合成して重畳表示させる拡張現実技術を利用した情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
目的地までの道案内や作業時における作業手順の提示等、様々な分野でナビゲーション技術が利用されている。ナビゲーション技術とは、ある行為を遂行し易くするよう支援を行う技術であるため、出来るだけ直感的に理解できるような仕組みが以前から求められている。そのような仕組みの一つとして、文字や画像等のコンピュータで管理されているデータを、現実の環境へ重畳表示させ、現実の環境に補足的な情報を与える拡張現実と呼ばれる技術を利用したナビゲーション技術が存在する。
【0003】
テーマパークやショッピングモールにおいて、お目当てのアトラクションへのルートや店側が推す商品の陳列情報を拡張現実(Augmented Reality、以下AR)を利用して3次元的にナビゲーションする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、撮影時の携帯情報端末の位置姿勢を演算し、携帯情報端末にて撮影した画像に写っているマーカを用いて、当該マーカに予め関連付けられた所定の情報を撮影した画像上に重畳表示する技術である。なお、ARとは文字、図形、静止画、動画等のコンピュータで管理されたデータ(以下、コンピュータグラフィックス画像データ)を、現実の環境へ重畳表示させ、補足的な情報を与える技術である。
【0004】
また、買物予定の商品を予め携帯端末のリストに登録しておき、リストに登録された商品の近くを歩くと、当該商品の商品情報が携帯端末に表示される技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−48674号公報
【特許文献2】特開平10−198731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される技術においては、ナビゲーション情報の中には、店側にとってはお勧めの情報であっても、ユーザにとっては必要のない情報が含まれていることもある。これに対して、特許文献2に開示される技術は、予めリストに登録しておいた買物予定の商品の商品情報を携帯端末に表示させることができるが、リスト登録時にすぐに買物に行くとは限らないので、買物に行く時に買物予定の商品の在庫が切れていたり、買物予定の商品の価格が変動している可能性がある。
【0007】
更に、商品の価格や在庫状況のような、常に状況が変化しうる環境において、直感的に理解できるようにするには、情報の得られるタイミングや情報の種類等に関して限りなく現実に近く、即時に知覚できるような状態で提示することが求められていた。そこで、本発明の目的は、任意のタイミングで買物予定商品の商品情報や案内情報を容易に取得できるように支援することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報処理システムは、透過型或いは非透過型のディスプレイを備えた拡張現実感提示装置と、ちらしに掲載される各商品に関する商品情報を管理する管理装置とを、ネットワークを介して接続する情報処理システムであって、前記拡張現実感提示装置は、前記拡張現実感提示装置のユーザが購入予定の商品を指定する際に、画角に捉えた前記ちらしの画像データを撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された前記ちらしの画像データに基づいて、前記ちらしに対する前記ユーザによる商品の指定動作を検知する検知手段と、前記検知手段により検知された指定動作の対象となった前記商品に係る画像データを取得する第1の取得手段と、前記第1の取得手段により取得された前記商品に係る画像データを前記管理装置に対して送信する第1の送信手段とを有し、前記管理装置は、前記ちらしに掲載されている各商品に係る画像データを蓄積するちらし情報蓄積手段と、前記拡張現実感提示装置の前記第1の送信手段から前記商品に係る画像データを受信し、前記商品に係る画像データを、前記ちらし情報蓄積手段に蓄積されている各商品に係る画像データとマッチングすることにより前記ユーザの指定した商品を特定し、前記ユーザと前記特定した商品との対応付けを行う特定手段と、前記ユーザに対応付けられた商品に関する商品情報を取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段により取得された商品情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信する第2の送信手段とを有し、前記拡張現実感提示装置は、前記ディスプレイに、前記管理装置の前記第2の送信手段から送信された商品情報を示すコンピュータグラフィック画像データを、現実空間に整合するよう重畳表示する提示手段を更に有することを特徴とする。
本発明の情報処理方法は、透過型或いは非透過型のディスプレイを備えた拡張現実感提示装置と、ちらしに掲載される各商品に関する商品情報を管理する管理装置とを、ネットワークを介して接続する情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、前記拡張現実感提示装置は、前記拡張現実感提示装置のユーザが購入予定の商品を指定する際に、画角に捉えた前記ちらしの画像データを撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップにより撮像された前記ちらしの画像データに基づいて、前記ちらしに対する前記ユーザによる商品の指定動作を検知する検知ステップと、前記検知ステップにより検知された指定動作の対象となった前記商品に係る画像データを取得する第1の取得ステップと、前記第1の取得ステップにより取得された前記商品に係る画像データを前記管理装置に対して送信する第1の送信ステップとを有し、前記管理装置は、前記拡張現実感提示装置から前記商品に係る画像データを受信し、前記商品に係る画像データを、ちらし情報蓄積手段において蓄積される前記ちらしに掲載されている各商品に係る画像データとマッチングすることにより前記ユーザの指定した商品を特定し、前記ユーザと前記特定した商品との対応付けを行う特定ステップと、前記ユーザに対応付けられた商品に関する商品情報を取得する第2の取得ステップと、前記第2の取得ステップにより取得された商品情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信する第2の送信ステップとを有することを特徴とする。
本発明のプログラムは、透過型或いは非透過型のディスプレイを備えた拡張現実感提示装置と、ちらしに掲載される各商品に関する商品情報を管理する管理装置とを、ネットワークを介して接続する情報処理システムによって実行される情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記拡張現実感提示装置のコンピュータに、前記拡張現実感提示装置のユーザが購入予定の商品を指定する際に、画角に捉えた前記ちらしの画像データを撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップにより撮像された前記ちらしの画像データに基づいて、前記ちらしに対する前記ユーザによる商品の指定動作を検知する検知ステップと、前記検知ステップにより検知された指定動作の対象となった前記商品に係る画像データを取得する第1の取得ステップと、前記第1の取得ステップにより取得された前記商品に係る画像データを前記管理装置に対して送信する第1の送信ステップとを実行させ、前記管理装置のコンピュータに、前記拡張現実感提示装置から前記商品に係る画像データを受信し、前記商品に係る画像データを、ちらし情報蓄積手段において蓄積される前記ちらしに掲載されている各商品に係る画像データとマッチングすることにより前記ユーザの指定した商品を特定し、前記ユーザと前記特定した商品との対応付けを行う特定ステップと、前記ユーザに対応付けられた商品に関する商品情報を取得する第2の取得ステップと、前記第2の取得ステップにより取得された商品情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信する第2の送信ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、任意のタイミングで買物予定商品の商品情報や案内情報を容易に取得できるように支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る買物ナビゲーションシステムの構成を概略的に示す図である。
【図2−1】本発明の実施形態に係る買物管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図2−2】本発明の実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成を示す図である。
【図3−1】本発明の実施形態に係る買物ナビゲーションシステムにおける、購入予定商品の登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図3−2】本発明の実施形態に係る買物ナビゲーションシステムにおける、購入予定商品の商品情報の提示処理と現在地から店舗までのナビゲーション処理とを示すフローチャートである。
【図4】ユーザがちらしに掲載される購入予定商品を指差し、その状態を携帯端末の撮像部の画角に捉えた状態を示す図である。
【図5】商品情報のコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成した表示例を示す図である。
【図6】ユーザの購入予定商品であるリンゴの商品情報が3店舗分取得できた場合のAR表示の例を示す図である。
【図7】ちらし情報DBのデータベース構造の例を模式的に示す図である。
【図8】ユーザ情報DBのデータベース構造の例を模式的に示す図である。
【図9】商品情報DBのデータベース構造の例を模式的に示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る買物ナビゲーションシステムの構成を概略的に示す図である。
【図11−1】本発明の他の実施形態に係る買物ナビゲーションシステムにおける、購入予定商品の登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図11−2】本発明の他の実施形態に係る買物ナビゲーションシステムにおける、購入予定商品の商品情報の提示処理と現在地から店舗までのナビゲーション処理とを示すフローチャートである。
【図12】買物リストの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る買物ナビゲーションシステムの構成を概略的に示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る買物ナビゲーションシステムは、買物管理サーバ100と携帯端末200とを備え、互いに無線通信回線を介して通信可能に接続されている。
【0013】
ユーザは、ちらし300を閲覧し、ちらし300に掲載される商品から購入予定商品を選択する。次にユーザは選択した購入予定商品を指差し、その状態を携帯端末200の撮像部の画角に捉えることで、購入予定商品を指差しした状態の画像データが撮像部によって生成される。携帯端末200は、撮像部によって生成された画像データから購入予定商品の画像データを検出する。購入予定商品の画像データの検出方法としては、例えば、指差しした状態における指の形状パターンを幾つか用意しておき、画像データ内にそれらの指の形状パターンと一致又は類似する画像データが検出された場合、当該画像データを指と認識し、その指の向きに当該指から一定の距離以内に存在するオブジェクトを購入予定商品として検出する方法等が考えられる。
【0014】
携帯端末200は、購入予定商品の画像データを検出すると、購入予定商品の画像データを買物管理サーバ100に対して送信する。買物管理サーバ100は、携帯端末200から購入予定商品の画像データを受信すると、商品マッチング部106において、ちらし情報DB102に格納される、ちらし300に掲載されている各商品の画像データと、携帯端末200から受信した購入予定商品の画像データとの一致性を判定し、購入予定商品がちらし300に掲載されている商品であるか否かを判定する。購入予定商品がちらし300に掲載されている商品である場合、登録/照会部105は、購入予定商品とユーザとを対応付けてユーザ情報DB101に登録する。これにより、ユーザの購入予定商品が買物管理サーバ100において登録される。
【0015】
購入予定商品が買物管理サーバ100において登録された後、ユーザがその購入予定商品の価格情報や在庫情報の推移を知りたい場合には、再度ちらし300に対して携帯端末200をかざし、携帯端末200の撮像部の画角に購入予定商品を捉えるようにする。これにより、携帯端末200から購入予定商品の画像データが買物管理サーバ100に対して送信される。買物管理サーバ100の商品マッチング部106は、携帯端末200から受信される画像データを解析することにより、当該画像データがちらし300に掲載されている商品の画像データであることを検知する。そして登録/照会部105は、その商品がユーザの購入予定商品であると判定する。そして商品情報検索部107は、購入予定商品の最新(現在)の販売価格や在庫情報等の商品情報を取得し、携帯端末200に対して送信する。携帯端末200は、購入予定商品の最新の商品情報を示すコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成してディスプレイ上に表示する。このとき、商品情報を示すコンピュータグラフィックス画像データは、商品情報が購入予定商品と関連していることを把握しやすくするために、購入予定商品の近傍に表示されるように現実空間の映像との合成が行われる。
【0016】
地図情報検索部108は、携帯端末200の現在地情報を取得するとともに購入予定商品を販売している店舗の住所情報を取得し、現在地情報で示される位置と住所情報で示される位置とを含む地図情報を地図情報DB104から取得する。そして、地図情報検索部108は、取得した地図情報を用いて、携帯端末200の現在地から購入予定商品を販売している店舗までの経路を案内するための案内情報を生成し、携帯端末200に対して送信する。携帯端末200は、案内情報を用いて、現在地から購入予定商品を販売している店舗までの経路を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成して表示する。これにより、携帯端末200の撮像部の画角に街頭を捉えることにより、ユーザは街頭の現実空間の映像にコンピュータグラフィックス画像データによる経路案内が合成された画像を携帯端末200のディスプレイ上で確認しながら、店舗まで移動することができる。
【0017】
本実施形態においては、携帯端末200のディスプレイ上において現実空間の映像に整合する位置にコンピュータグラフィックス画像データを表示することにより、拡張された現実感を提示している。以下では、このような拡張された現実感を与えるコンピュータグラフィックス画像データの表示を、AR(Augmented Reality)表示と称することがある。なお、HMDには、非透過型やビデオ透過型、光学透過型等様々な方式がある。合成表示(AR表示)とは、いずれかの方式によってHMDのレンズ部分に映し出される現実空間の映像に対し、整合する位置にコンピュータグラフィックス画像データを重畳表示することであって、例えば、光学透過型方式であれば、シースルーで見る現実空間の映像に対して重畳表示され、ビデオ透過型であれば、ビデオカメラで撮影した現実空間の映像に対して重畳表示される。
【0018】
また、上記の携帯端末200は、撮像部によって撮影された現実空間の映像をディスプレイに表示し、表示された現実空間の映像にコンピュータグラフィックス画像データを合成表示する携帯端末型のAR表示デバイスを想定しているが、本実施形態に適用可能なAR表示デバイスはこれに限定されない。例えば、ユーザの頭部に装着される眼鏡型のAR表示デバイスであって、光学的に透過してレンズ部分に映し出される現実空間の映像に対して整合する位置にコンピュータグラフィックス画像データを表示するAR表示デバイス(HMD)であってもよいし、移動車両の運転席の視線方向に設置され、光学的に透過して映し出される現実空間の映像にコンピュータグラフィックス画像データを合成表示するようなヘッドアップディスプレイ型のAR表示デバイスであってもよい。
【0019】
また、現実空間の映像に整合させてコンピュータグラフィックス画像データを表示させる際に、現実空間の映像のオブジェクトとコンピュータグラフィックス画像データとの座標合わせが行われる。座標合わせの手法としては、携帯端末200の位置(緯度、経度)と姿勢(方向、仰角)とに基づいて携帯端末200を所持するユーザが撮像部越しに現実空間のどこを見ているかを推定し、推定した位置に整合するようにコンピュータグラフィックス画像データを合成してもよいし、現実空間のオブジェクトにマーカを付けておき、そのマーカを撮像部で撮影し、撮影された画像データから当該マーカの位置を検出し、検出した位置と整合するようにコンピュータグラフィックス画像データを合成してもよい。さらに、撮像部で捉えた現実空間の画像データを解析することにより現実空間のオブジェクトの位置を検出し、検出した位置と整合するようにコンピュータグラフィックス画像データを合成してもよい。
【0020】
図2−1は、本実施形態に係る買物管理サーバ100のハードウェア構成を示す図である。CPU1001は、システムバスに接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。ROM1003又はHD(ハードディスク)1009には、CPU1001の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム、例えば図3−1及び図3−2に示す処理のうちの買物管理サーバ100が実行する処理のプログラム等が記憶されている。
【0021】
なお、図2−1の例では、HD1009は買物管理サーバ100の内部に配置された構成としているが、他の実施形態としてHD1009に相当する構成が買物管理サーバ100の外部に配置された構成としてもよい。また、本実施形態に係る例えば図3−1及び図3−2に示す処理を行うためのプログラムは、フレキシブルディスク(FD)やCD−ROM等、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され、それらの記録媒体から供給される構成としてもよいし、インターネット等の通信媒体を介して供給される構成としてもよい。
【0022】
RAM1002は、CPU1001の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU1001は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM1002にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0023】
HD1009やFD1008は、外部メモリとして機能する。CPU1001は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM1002にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0024】
ディスクコントローラ1007は、HD1007やFD1008等の外部メモリへのアクセスを制御する。通信I/Fコントローラ1006は、インターネットやLANと接続し、例えばTCP/IPによって外部との通信を制御するものである。
【0025】
ディスプレイコントローラ1010は、ディスプレイ1011における画像表示を制御する。
【0026】
KBコントローラ1004は、KB(キーボード)1005からの操作入力を受け付け、CPU1001に対して送信する。なお、図示していないが、KB1005の他に、マウス等のポインティングデバイスもユーザの操作手段として本実施形態に係る買物管理サーバ100に適用可能である。
【0027】
図1に示す登録/照会部105、商品マッチング部106、商品情報検索部107、地図情報検索部108は、例えばHD1009内に記憶され、必要に応じてRAM1002にロードされるプログラム及びそれを実行するCPU1001によって実現される構成である。また、ユーザ情報DB101、ちらし情報DB102、商品情報DB103、地図情報DB104は、HD1009における一部記憶領域に相当する構成である。
【0028】
図2−2は、本実施形態に係る携帯端末200のハードウェア構成を示す図である。CPU2001は、システムバスに接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。ROM2003には、例えば図3−1及び図3−2に示す処理のうちの携帯端末200が実行する処理のプログラム等が記憶されている。なお、図3−1及び図3−2に示す処理を行うためのプログラムは、インターネット等の通信媒体を介して供給される構成としてもよい。
【0029】
RAM2002は、CPU2001の主メモリ、ワークメモリ等として機能する。CPU2001は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM2002にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。通信I/Fコントローラ2005は、インターネットやLANと接続し、例えばTCP/IPによって外部との通信を制御するものである。
【0030】
撮像部2004は、光学レンズを介して入射され、撮像素子に結像される被写体像を電気信号に変換し、動画像データ又は静止画像データを出力する。ディスプレイコントローラ2006は、ディスプレイ2007における画像表示を制御する。本実施形態においてディスプレイ2007は液晶ディスプレイを採用しているものとする。
【0031】
図3−1は、本実施形態に係る買物ナビゲーションシステムにおける、購入予定商品の登録処理の流れを示すフローチャートである。先ずユーザは、ちらし300に掲載される購入予定商品を指差し、その状態を携帯端末200の撮像部2007の画角に捉える。これにより、ステップS101において、撮像部2007は画角に捉えた画像データを生成し、携帯端末200はこの画像データを解析することにより、指差しによって指定された購入予定商品の画像データを検出する。ステップS102において、携帯端末200は、ステップS101にて検出した購入予定商品の画像データを買物管理サーバ100に対して送信する。
【0032】
図4は、ユーザがちらし300に掲載される購入予定商品を指差し、その状態を携帯端末200の撮像部2007の画角に捉えた状態を示す図である。ユーザはちらし300に掲載される商品のうち、リンゴを購入予定商品に選択して指差ししており、図4の例では、携帯端末200の撮影部はこの状態を画角に収め、ちらし300上の購入予定商品(リンゴ)をユーザが指差した状態の映像がディスプレイ2007に表示されている。従って、図4の例では、リンゴの画像データが購入予定商品の画像データとして検出されることになる。なお、上述した方法以外に、例えば、ユーザがちらし上のリンゴの周りを囲むように指を動かし、それを撮像部2007の画角に捉えることによって購入予定商品を指定してもよい。この場合、携帯端末200は、ユーザの指の軌道を検知し、その軌道内に収まっている商品を購入予定商品として判定する。以上のような購入予定商品の指定方法を採用することで、簡便に購入予定商品の指定することが可能となる。
【0033】
ステップS201において、買物管理サーバ100は、購入予定商品の画像データを携帯端末200から受信する。ステップS202において、商品マッチング部106は、ちらし情報DB102からちらし300に掲載されている各商品の画像データを取得し、携帯端末200から受信した購入予定商品の画像データと比較する。ステップS203において、商品マッチング部106は、購入予定商品の画像データとちらし300に掲載されている商品の画像データとの一致性を判定することにより、購入予定商品はちらし300に掲載されている商品であるか否かを判定する。この一致性の判定は、購入予定商品の画像データとちらし300に掲載されている商品の画像データとのパターンマッチングを行い、双方が一致又は類似していると判定された場合に、購入予定商品はちらし300に掲載されている商品であると判定する。購入予定商品がちらし300に掲載されている商品と判定された場合、処理はステップS204に移行する。一方、購入予定商品がちらし300に掲載されている商品ではないと判定された場合、処理はステップS201に戻り、新たな購入予定商品の画像データの受信を待つ。
【0034】
図7は、ちらし情報DB102のデータベース構造の例を模式的に示す図である。図7において、ちらし情報DB102は、ちらし300に掲載されている各商品のID(商品ID)と画像データとを対応付けて管理している。ステップS201において、買物管理サーバ100が例えばリンゴの画像データを携帯端末200から受信した場合、ステップS203において、商品マッチング部106は、購入予定商品の画像データとちらし300に掲載されている各商品の画像データとを比較した結果、購入予定商品の画像データは701のリンゴの画像データと一致又は類似していると判定し、購入予定商品はリンゴであると判定する。
【0035】
ステップS204において、登録/照会部105は、購入予定商品と判定された商品の画像データに対応付けてある商品IDを、商品マッチング部106を介してちらし情報DB102から取得する。また、登録/照会部105は、ステップS201で受信された購入予定商品の画像データのヘッダ情報から送信元のユーザIDを取得する。そして、登録/照会部105は、ユーザIDと購入予定商品の商品IDとを対応付けてユーザ情報DB101に対して登録する。
【0036】
図8は、ユーザ情報DB101のデータベース構造の例を模式的に示す図である。図8において、ユーザ情報DB101は、ユーザID及び購入予定商品IDを対応付けて管理している。例えば、購入予定商品の商品IDが"1011"であり、購入予定商品の画像データのヘッダ情報からユーザID"aaa"を取得することができた場合、801のレコードに示すように、ユーザID"aaa"及び購入予定商品ID"1011"が対応付けて管理される。
【0037】
図3−2は、本実施形態に係る買物ナビゲーションシステムにおける、購入予定商品の商品情報の提示処理と現在地から店舗までのナビゲーション処理とを示すフローチャートである。例えばユーザが既に買物管理サーバ100に登録してある購入予定商品の最新の価格情報や在庫情報等を把握したい場合に、再度ちらし300に掲載される購入予定商品に対して携帯端末200をかざし、撮像部2007の画角に購入予定商品を捉える。これにより、ステップS103において、携帯端末200の撮像部2007は購入予定商品の画像データを生成する。ステップS104において、携帯端末200は、購入予定商品の画像データを買物管理サーバ100に対して送信する。
【0038】
ステップS205において、買物管理サーバ100は、携帯端末200から購入予定商品の画像データを受信する。ステップS206において、商品マッチング部106は、ちらし情報DB102からちらし300に掲載されている各商品の画像データを取得し、携帯端末200から受信した購入予定商品の画像データと比較する。ステップS207において、商品マッチング部106は、購入予定商品の画像データとちらし300に掲載されている商品の画像データとの一致性を判定することにより、購入予定商品はちらし300に掲載されている商品であるか否かを判定する。購入予定商品がちらし300に掲載されている商品と判定された場合、処理はステップS213に移行する。一方、購入予定商品がちらし300に掲載されている商品と判定されなかった場合、処理はステップS205に戻る。
【0039】
ステップS213において、登録/照会部105は、購入予定商品と判定された商品の画像データに対応付けてある商品IDを、商品マッチング部106を介してちらし情報DB102から取得する。また、登録/照会部105は、ステップS205にて受信された画像データのヘッダ情報から送信元のユーザIDを取得する。ステップS208において、登録/照会部105は、ステップS213にて取得した商品IDが上記ユーザIDと対応付けてユーザ情報DB101で管理されているか否かを判定する。商品IDと上記ユーザIDとが対応付けてあった場合、処理はステップS209に移行する。一方、商品IDと上記ユーザIDとが対応付けてない場合、処理はステップS205に戻る。
【0040】
ステップS209において、商品情報検索部107は、ステップS213で取得された商品IDに該当する商品情報を商品情報DB103から検索し、携帯端末200に対して送信する。
【0041】
図9は、商品情報DB103のデータベース構造の例を模式的に示す図である。図9において、商品情報DB103は、商品ID、商品名、価格(価格1、価格2、・・・)、店舗、在庫量及び商品属性が対応付けて管理している。商品属性としては、当該商品が食品であれば、生産地、生産日等が管理され、当該商品が衣服であれば、色、サイズ等が管理される。なお、商品情報DB103で管理されるデータは、図1に図示されていないPOSシステム(Point Of Sales system)と連携し、任意のタイミングで更新されていてもよい。例えば、ステップS213において取得された商品IDが"1011"である場合、ステップS209では、図9に示す商品情報DB103から901のレコードが検索され、レコード901に登録される商品情報が携帯端末200に送信される。なお、商品情報に含まれる価格及び在庫量に関しては、最新の情報が携帯端末200に対して送信される。商品情報DB103において、ちらし300に掲載された当該商品の価格が始めの価格(価格1)として登録され、価格が更新される度に価格が追加登録されていく(価格2、価格3、・・・)。ステップS209では、このように登録された価格の履歴から、最後に登録された価格が携帯端末200に対して送信される。これにより、携帯端末200では購入予定商品の最新(現在)の価格が表示されることになる。なお、商品情報DB103において、価格の履歴を管理しておき、価格自体は上書きされ、最新の価格のみが管理される方式でもよい。また、商品情報DB103において、在庫量は所定のタイミングで上書きされ、最新の在庫量のみが管理される。従って、ステップS209においては最新の在庫量が携帯端末200に対して送信される。これにより、携帯端末200では購入予定商品の最新の在庫量が表示されることになる。
【0042】
ステップS105において、携帯端末200は、買物管理サーバ100から商品情報を受信する。ステップS106において、携帯端末200は、受信した商品情報のコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成して表示する。図5は、商品情報のコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成した表示例を示す図である。図5の例においては、購入予定商品の近傍に、商品情報501を示すコンピュータグラフィックス画像データと経路案内を要求するための操作スイッチであるタグ502を示すコンピュータグラフィックス画像データが表示されている。
【0043】
ステップS110において、携帯端末200は、経路案内(ナビゲーション)の要求があったか否かを判定する。即ち、携帯端末200はタグ502が操作されたか否かを判定する。タグ502が操作された場合、処理はステップS107に移行する。一方、タグ502が操作されてない場合、処理は終了する。ステップS107において、携帯端末200は、買物管理サーバ100に対して経路案内の要求を発行する。
【0044】
ステップS210において、買物管理サーバ100は、携帯端末200から経路案内の要求を受け付ける。ステップS211において、地図情報検索部108は、携帯端末200の現在地情報を取得するとともに、購入予定商品を販売している店舗情報を商品検索部107から取得する。なお、携帯端末200の現在地はGPS(Global Positioning System)を使用することにより取得することが可能である。また、図9には図示していないが、商品情報DB103は商品を販売している店舗の住所情報を含み、地図情報検索部108は、商品情報検索部107を介して商品情報DB103から購入予定商品を販売している店舗の住所情報を取得するものとする。ステップS211において、地図情報検索部108は、携帯端末200の現在地情報により示される位置と購入予定商品を販売している店舗の住所情報により示される位置とを含む地図情報を検索する。ステップS212において、地図情報検索部108は、検索した地図情報を用いて、携帯端末200の現在地から購入予定商品を販売している店舗までの経路を案内するための案内情報を生成し、携帯端末200に対して送信する。
【0045】
ステップS108において、携帯端末200は、案内情報を買物管理サーバ100から受信する。ステップS109において、携帯端末200は、受信した案内情報を用いて、携帯端末200の現在地から購入予定商品を販売している店舗までの経路を案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像に合成してディスプレイ2007に表示する。
【0046】
上述した実施形態においては、ユーザは登録しておいた買物予定商品の商品情報を知りたくなった場合には、ちらし上の買物予定商品に対して所定の指定動作を行い、これを撮像部2004の画角に捉えることで、当該買物予定商品の最新の在庫量や価格等の商品情報を容易に得ることができる。また、ユーザ情報DB801に対してユーザIDと購入予定商品の商品IDとの対応付けが登録される際に、当該購入予定商品の商品情報を携帯端末200に通知できるようにするためには、図3−1のステップS204の後に図3−2のステップS209を実行すればよい。即ち、買物管理サーバ100は、ステップS204においてユーザIDと購入予定商品の商品IDとの対応付けをユーザ情報DB801に対して登録すると、続くステップS209において当該商品IDに該当する商品情報を商品情報DB103から検索し、携帯端末200に対して送信する。このようにすることで、ユーザIDと購入予定商品の商品IDとの対応付けの登録時に、当該購入予定商品の商品情報を携帯端末200に通知することが可能となる。
【0047】
なお、上述した実施形態では、ユーザが購入予定商品の商品情報の提示処理において、再度ちらし300に対して携帯端末200をかざす必要があったが、これに限らない。再度ちらし300に対して携帯端末200をかざす必要がない他の実施形態について、上述した実施形態とは異なる点を中心に説明する。
【0048】
図10は、他の実施形態に係る買物ナビゲーションシステムの構成を概略的に示す図である。図10に示されるように、本実施形態のシステムは、上述の実施形態のシステムと比較して、ユーザ情報DB101を買物管理サーバ100に備えておらず、代わりに、買物リスト201を携帯端末200に備えている。なお、買物リスト201とは、購入予定の商品の商品IDを記録したファイルであり、例えば図12に示すように、商品画像や商品名等と対応付けて管理されている。
【0049】
図11−1は、本実施形態に係る買物ナビゲーションシステムにおける、購入予定商品の登録処理の流れを示すフローチャートである。図3−1と比較して、ステップS1101が追加され、ステップS204が削除された代わりにステップS1201が追加されている。
【0050】
ステップS1201において、登録/照会部105は、購入予定商品と判定された商品の画像データに対応付けられた商品IDを、商品マッチング部106を介してちらし情報DB102から取得する。そして、取得した商品IDを携帯端末200へ送信する。
【0051】
ステップS1101において、携帯端末200より商品IDを受信する。そして、受信した商品IDをROM2003に記憶する。
【0052】
次に、図11−2は、本実施形態に係る買物ナビゲーションシステムにおける、購入予定商品の商品情報の提示処理と現在地から店舗までのナビゲーション処理とを示すフローチャートである。図3−2と比較して、図3−2のステップS103及びステップS104が削除された代わりにステップS1102が追加されている。また、図3−2のステップS205からステップS208が削除された代わりにステップS1202が追加されている。以下、上述した実施形態との相違点を主眼において本実施形態について説明する。
【0053】
例えばユーザが既に図11−1のステップS1101にて携帯端末200に登録した購入予定商品の最新の価格情報や在庫情報等を把握したい場合に、図11−2のステップS1102において、携帯端末200は、当該商品の商品IDを買物管理サーバ100へ送信する。当該商品の商品IDの特定方法としては、例えば、買物リストが図12に示すように携帯端末200に表示されており、買物リストに表示された商品名をタップすると当該商品名に対応する携帯端末200に登録されている商品IDが選択され、買物管理サーバ100へ送信される。
【0054】
ステップS1202において、買物管理サーバ100は、商品IDを取得する。以降は、図3−2と同様のステップS209の処理へと移行する。本実施形態の構成によれば、ユーザは購入予定商品の在庫情報や価格情報を取得する際に、ちらし30を必要としないため、より容易に取得することが可能になる。
【0055】
なお、上述した実施形態では、ユーザがちらし300に掲載される商品から購入予定商品を選択すると、その購入予定商品を販売している店舗における当該購入予定商品の商品情報をAR表示するようにしているが、これに限らない。例えば、ユーザの購入予定商品が複数店舗で販売されていることもあり、このような場合、上述のステップS209において、当該商品を販売している複数店舗における商品情報が検索され、それら商品情報をAR表示することもできる。即ち、ちらし情報DB102において、複数店舗のちらしの商品の画像データと商品IDとの対応付けを管理しておき、購入予定商品の画像データと一致又は類似する商品の画像データが複数存在し、それら全ての画像データに対応付けられている各商品IDのうちの何れか一つと、購入予定商品の画像データのヘッダに記録されるユーザIDとの組み合わせがユーザ情報DB101に存在する場合、上記各商品IDに該当する全ての商品情報が商品情報DB103から取得されるようにしてもよい。或いは、ちらし情報DB102より、購入予定商品の画像データと一致又は類似する画像データに対応する商品ID全てを特定する方式でもよい。或いは、図7には図示していないが、 ちらし情報DB102において、商品名を管理する列を追加し、購入予定商品の画像データと一致又は類似する商品の商品名と同一或いは類似の商品名が、列"商品名"にて管理されている商品の商品ID全てを特定する方式でもよい。或いは、購入予定商品の画像データではなく、携帯端末200より受信した商品IDに対応付けて管理されている商品名或いは商品の画像データと一致又は類似する商品の商品ID全てを特定する方式でもよい。そして、取得された全ての商品情報が買物管理サーバ100から携帯端末200に対して送信され、携帯端末200では、購入予定商品に関して、複数の店舗の商品情報をAR表示することができる。
【0056】
図6は、ユーザの購入予定商品であるリンゴの商品情報が3店舗分取得できた場合のAR表示の例を示す図である。図6において、601、602、603は夫々、A店舗、B店舗、C店舗のリンゴに関する商品情報であり、各店舗における現在のリンゴの価格や在庫量等を示している。これにより、ユーザはちらしを発行したA店舗以外のリンゴの商品情報を参照することができる。例えば、仮にA店舗以外の店舗でA店舗より安い価格でリンゴを販売している場合や、A店舗で在庫がなくなっており、他店舗で在庫が残っていた場合、他店舗でリンゴを買うように買物先を変更してもよい。この場合、ステップS110において、携帯端末200は、商品情報がAR表示された複数店舗のうち、どの店舗の商品に関するタグ604が操作されたか否かを判定し、次に、ステップS107において、携帯端末200は、買物管理サーバ100に対して、当該店舗までの経路案内の要求を発行する。なお、図6には、経路案内を要求するための操作スイッチであるタグ604の店舗の選択形態がプルダウンメニューで表示されているが、これ以外も可能である。例えば、複数店舗夫々のタグを設けてもよいし、ユーザが発声した店舗名を認識する音声認識を用いてもよい。
【0057】
また、A店舗で当初リンゴを購入する予定だったが、他店舗でA店舗より安い価格でリンゴを販売している場合や、A店舗では在庫がなくなり、他店舗では在庫がある場合において、買物管理サーバ100が自動的にそれを検知して携帯端末200に対して当該多店舗へナビゲートするための案内情報を生成し、携帯端末200に対して送信するようにしてもよい。このとき、買物物理サーバ100は、ステップS211及びステップS212において、上述のステップS209において検索された複数店舗における商品情報について任意のタイミングで比較し、所定のルールに基づいた案内情報を生成する。当該ルールは、ROM1003又はHD(ハードディスク)1009に記憶されており、例えば、現在地とステップS209において検索された複数店舗のうち、距離が最も近い店舗へのルートを案内する、或いは、ステップS209において検索された複数店舗のうち最も在庫が多い店舗へのルートを案内する、或いは、ステップS209において検索された複数店舗の各ルートにおける人の混雑状況を示す情報を別途取得し、最もスムーズに通りやすいルートを案内する等が考えられる。なお一つのルールを固定的に適用するのではなく、複数のルールを組み合わせて適用させたり、組み合わせを動的に変更して適用させたりしてもよい。例えば、最初は「距離が最も近い店舗へのルートを案内する」というルールを適用することによってA店舗への案内情報が生成され、携帯端末200においてAR表示された情報に基づきユーザがA店舗へ向かっている途中で、買物管理サーバ100が商品情報DB103を参照して商品の在庫が無い事を把握した場合、別のルール「最も在庫が多い店舗へのルートを案内する」に基づいて、買物管理サーバ100が、新たな案内情報を生成し、携帯端末200においてAR表示される。また、現在地から店舗までの経路を案内するだけでなく、店舗内において目当ての商品が陳列されている場所までを案内するようにしてもよい。さらに、ユーザが目当ての商品の周辺まで辿り着いているが商品を見つけられない場合は、携帯端末200の姿勢検知機能によって姿勢を検知し、ユーザが見るべき方向を案内してもよい。
【0058】
また、携帯端末200に対してAR表示される情報の他の例として、現在ユーザが見ているちらしに過去に登録した商品が掲載されているというアラーム、当該商品の値引き価格や値引き期間等がある。即ち、ユーザにとって定期的に必要となる例えば粉ミルクやティッシュ等の消耗品を図3−1で説明した方法で一度登録しておくと、以降発行されるちらしにユーザが携帯端末200をかざし、ちらし内に登録した商品が掲載されていると、それを図3−2で説明した方法(ステップS205〜S208)で検知し、ステップS209と同様の処理により、アラームと当該商品の値引き価格や値引き期間等を携帯端末200に送信すればよい。これにより、ユーザが携帯端末200越しにちらしを見た状態でアラーム等の情報がAR表示されることになる。
【0059】
また、本発明の他の実施形態として、買物管理サーバ100がユーザの嗜好に応じた商品をちらしから自動的に選択し、選択した商品や当該商品を扱っている店舗をユーザに対して案内してもよい。具体的には、買物管理サーバ100に対して、ユーザのマスタ情報を登録しておく。マスタ情報として登録される情報として、個人の趣向(品質重視であるか否か、旬の物重視であるか否か、アレルギーがあるか否か、一週間の目標食費、一日の目標カロリー、同じ材料且つ途中まで同じ料理手順で品数を増やしたいか否か、近場で買い物を済ませたいか否か)、家族の趣向(父:油控え目、子供:肉中心、大人:辛口カレー、子供:甘口カレー)、料理の履歴(料理を成功したか失敗したか、食べ残し履歴、家族の反応)が挙げられる。また、買物管理サーバ100は、各店舗のちらし情報を取得する。ちらし情報の取得方法としては、各店舗のサイトの電子ちらしデータから商品の画像、価格等を取得したり、新聞の折り込みちらしをカメラで撮影し、撮影により得られた画像データから商品の画像、価格等を取得したりする方法が挙げられる。なお、ちらし情報は複数の店舗のちらし情報を取得するようにしてもよい。例えば、スーパーマーケットであるA店舗からはカレーの具材に関するちらし情報を取得し、格安酒店である店舗Bからは調味料に関するちらし情報を取得すること等が考えられる。一方、ユーザは携帯端末200上で料理番組、レストラン紹介番組、料理研究家のブログ、お勧め料理のレシピを見て、画面上で例えば「美味しそう」というボタンを操作すると、携帯端末200は画像認識、音声認識、文字認識等を行い、この解析結果とマスタ情報及びちらし情報とを引き合わせ、食材及び販売店舗を選定する。
【0060】
買物管理サーバ100は、このようにして選定された食材及び販売店舗に基づいて、携帯端末200の現在地から販売店舗までの経路を案内するための案内情報を生成し、携帯端末200に対して送信する。携帯端末200では、案内情報を用いて、現在地から販売店舗まで案内するコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像と合成して表示する。これにより、ユーザの嗜好に合った食材を購入できる店舗までの経路が自動的に案内される。また、販売店舗内にユーザが移動し、携帯端末200を店舗内でかざすと、食材が置いてある棚が写った現実空間の映像に対し、当該食材の価格、在庫量、生産地等の商品情報を示すコンピュータグラフィックス画像データを合成して表示してもよいし、もし、棚の位置を指し示す矢印表示のコンピュータグラフィックス画像データを現実空間の映像に合成表示してもよい。
【0061】
また、ユーザが実際に購入した食材の履歴をマスタ情報に登録し、次回の食材の選択の際に利用してもよい。さらに、購入した食材の履歴を家計簿の一部の情報として出力するようにしてもよい。
【0062】
上述した実施形態では、購入予定商品の登録時や購入予定商品の商品情報の取得時において、購入予定商品の画像データを撮像部2004で撮影し、当該画像データを携帯端末200から買物管理サーバ100に対して送信するようにしているが、これに限定されない。即ち、ちらし上に商品に対応するマーカが掲載されている場合、撮像部2004でマーカを撮影し、当該マーカの画像データを携帯端末200から買物管理サーバ100に対して送信してもよい。買物管理サーバ100は、マーカと商品との対応付けを管理しており、受信したマーカの画像データを解析することにより、当該マーカに対応する購入予定商品を識別する。そして、買物管理サーバ100は、ちらし情報DB102に格納されるちらし300に掲載されている各商品のIDと購入予定商品のIDとを比較し、一致する商品がある場合、当該購入予定商品はちらしに掲載されている商品であると判定し、ユーザ情報DB101にユーザと購入予定商品とを対応付けて管理する。
【0063】
また、当該購入予定商品の商品情報を得たい場合には、同じくユーザは撮像部2004で当該購入予定商品に対応するマーカを撮影し、当該マーカの画像データを携帯端末200から買物管理サーバ100に対して送信する。買物管理サーバ100は、受信したマーカの画像データを解析することにより、当該マーカに対応する購入予定商品を識別する。そして、買物管理サーバ100は、ちらし情報DB102に格納されるちらし300に掲載されている各商品のIDと購入予定商品のIDとを比較する。一致する商品がある場合、買物管理サーバ100は、当該購入予定商品のIDとユーザとの対応付けがユーザ情報DB101に登録されているか否かを判定する。当該購入予定商品のIDとユーザとの対応付けがユーザ情報DB101に登録されている場合、当該購入予定商品は当該ユーザが過去に指定したものであると判定される。従って、買物管理サーバ100は、当該ユーザの携帯端末200に対して当該購入予定商品の商品情報を送信する。以上のように、ちらしに掲載されている各商品に対応するマーカを使用することによっても同様に、任意のタイミングで購入予定商品の商品情報を容易に得ることが可能である。
【0064】
なお、上述の実施形態において、ちらしを例に説明したが、街中に貼られたポスターやTVのCM等あらゆる広告媒体についても、同様に実施可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0065】
100:買物管理サーバ、200:携帯端末、300:ちらし、101:ユーザ情報DB、102:ちらし情報DB、103:商品情報DB、104:地図情報DB、105:登録/照会部、106:商品マッチング部、107:商品情報検索部、108:地図情報検索部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過型或いは非透過型のディスプレイを備えた拡張現実感提示装置と、ちらしに掲載される各商品に関する商品情報を管理する管理装置とを、ネットワークを介して接続する情報処理システムであって、
前記拡張現実感提示装置は、
前記拡張現実感提示装置のユーザが購入予定の商品を指定する際に、画角に捉えた前記ちらしの画像データを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された前記ちらしの画像データに基づいて、前記ちらしに対する前記ユーザによる商品の指定動作を検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された指定動作の対象となった前記商品に係る画像データを取得する第1の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された前記商品に係る画像データを前記管理装置に対して送信する第1の送信手段とを有し、
前記管理装置は、
前記ちらしに掲載されている各商品に係る画像データを蓄積するちらし情報蓄積手段と、
前記拡張現実感提示装置の前記第1の送信手段から前記商品に係る画像データを受信し、前記商品に係る画像データを、前記ちらし情報蓄積手段に蓄積されている各商品に係る画像データとマッチングすることにより前記ユーザの指定した商品を特定し、前記ユーザと前記特定した商品との対応付けを行う特定手段と、
前記ユーザに対応付けられた商品に関する商品情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段により取得された商品情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信する第2の送信手段とを有し、
前記拡張現実感提示装置は、
前記ディスプレイに、前記管理装置の前記第2の送信手段から送信された商品情報を示すコンピュータグラフィック画像データを、現実空間に整合するよう重畳表示する提示手段を更に有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記拡張現実感提示装置の前記撮像手段は、前記ちらしに商品に対応するマーカが掲載されている場合、前記商品に係る画像データとして、当該商品に対応するマーカの画像データを撮像し、
前記管理装置は、前記マーカと前記ちらしに掲載される各商品との対応関係を管理し、前記管理装置の前記特定手段は、前記拡張現実感提示装置から受信した前記商品に対応するマーカの画像データを解析することにより、前記ユーザの指定した商品を特定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記管理装置の前記第2の取得手段は、前記ユーザに対応付けられた商品に関する最新の在庫情報を、当該商品に関する商品情報として取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記管理装置の前記第2の取得手段は、最後に登録された商品情報を取得し、前記管理装置の前記第2の送信手段は、当該最後に登録された商品情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記管理装置の前記特定手段は、更に、前記管理装置に備えられたデータベースに、前記ユーザと前記特定した商品との対応付けを登録し、
前記管理装置の前記第2の取得手段は、前記拡張現実感提示装置から、前記ちらしに掲載される商品に係る画像データを受信した場合、当該画像データのヘッダに記録される前記ユーザに係るユーザ情報と当該画像データとの組み合わせが、前記データベースに登録される前記ユーザと前記特定した商品との対応付けと一致するか否かを判定し、一致した場合、前記ユーザに対応付けられる商品に関する商品情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記管理装置の前記第2の送信手段は、前記ユーザ情報と前記画像データとの組み合わせと、前記データベースに登録される前記ユーザと前記特定した商品との対応付けとが一致した場合、前記ちらしに掲載された前記商品が前記データベースにおいて過去に登録された商品であることを通知するための情報も、前記拡張現実感提示装置に対して送信することを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記管理装置の前記第2の取得手段は、前記ユーザの個人情報に応じた商品を選択し、当該商品に関する商品情報を取得し、前記管理装置の前記第2の送信手段は、当該商品に関する商品情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記管理装置は、所定のルールに基づいて、前記案内情報を生成することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記所定のルールは、複数のルールのうちから動的に選択されるルールであることを特徴とする請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記複数のルールは、前記拡張現実感提示装置の現在地から前記商品を販売するまでの店舗までの距離に係るルールと、前記商品の在庫に係るルールとを含むことを特徴とする請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記拡張現実感提示装置は、
前記拡張現実感提示装置の姿勢を検知する検知手段を更に有し、
前記拡張現実感提示装置の前記提示手段は、前記検知手段により検知された前記拡張現実感提示装置の姿勢に基づいて、前記商品の陳列場所に関してユーザが見るべき方向を提示することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
透過型或いは非透過型のディスプレイを備えた拡張現実感提示装置と、ちらしに掲載される各商品に関する商品情報を管理する管理装置とを、ネットワークを介して接続する情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
前記拡張現実感提示装置は、
前記拡張現実感提示装置のユーザが購入予定の商品を指定する際に、画角に捉えた前記ちらしの画像データを撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップにより撮像された前記ちらしの画像データに基づいて、前記ちらしに対する前記ユーザによる商品の指定動作を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにより検知された指定動作の対象となった前記商品に係る画像データを取得する第1の取得ステップと、
前記第1の取得ステップにより取得された前記商品に係る画像データを前記管理装置に対して送信する第1の送信ステップとを有し、
前記管理装置は、
前記拡張現実感提示装置から前記商品に係る画像データを受信し、前記商品に係る画像データを、ちらし情報蓄積手段において蓄積される前記ちらしに掲載されている各商品に係る画像データとマッチングすることにより前記ユーザの指定した商品を特定し、前記ユーザと前記特定した商品との対応付けを行う特定ステップと、
前記ユーザに対応付けられた商品に関する商品情報を取得する第2の取得ステップと、
前記第2の取得ステップにより取得された商品情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信する第2の送信ステップとを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
透過型或いは非透過型のディスプレイを備えた拡張現実感提示装置と、ちらしに掲載される各商品に関する商品情報を管理する管理装置とを、ネットワークを介して接続する情報処理システムによって実行される情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記拡張現実感提示装置のコンピュータに、
前記拡張現実感提示装置のユーザが購入予定の商品を指定する際に、画角に捉えた前記ちらしの画像データを撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップにより撮像された前記ちらしの画像データに基づいて、前記ちらしに対する前記ユーザによる商品の指定動作を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにより検知された指定動作の対象となった前記商品に係る画像データを取得する第1の取得ステップと、
前記第1の取得ステップにより取得された前記商品に係る画像データを前記管理装置に対して送信する第1の送信ステップとを実行させ、
前記管理装置のコンピュータに、
前記拡張現実感提示装置から前記商品に係る画像データを受信し、前記商品に係る画像データを、ちらし情報蓄積手段において蓄積される前記ちらしに掲載されている各商品に係る画像データとマッチングすることにより前記ユーザの指定した商品を特定し、前記ユーザと前記特定した商品との対応付けを行う特定ステップと、
前記ユーザに対応付けられた商品に関する商品情報を取得する第2の取得ステップと、
前記第2の取得ステップにより取得された商品情報を前記拡張現実感提示装置に対して送信する第2の送信ステップとを実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−77328(P2013−77328A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−5401(P2013−5401)
【出願日】平成25年1月16日(2013.1.16)
【分割の表示】特願2011−61375(P2011−61375)の分割
【原出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000191076)新日鉄住金ソリューションズ株式会社 (136)