説明

情報処理システム

【課題】オペレータの入力操作に問題がある項目及び入力方法を明確にして、オペレータの入力操作の習熟度を詳細に評価できる機能を備える情報処理システムを提供する。
【解決手段】受注データ入力部に、操作部が出力する操作情報から、オペレータがどのような入力方法を実行したかを調べる入力情報解析部と、オペレータがある入力項目の入力を完遂するまでに要した経過時間を計測するタイマを設けて、操作履歴データベースに入力方法と経過時間を記録する。受注データベースに蓄積されている受注データと、操作履歴データベースに蓄積されている操作履歴データを参照して、入力効率を算出することで、入力項目毎に採点し、オペレータの入力操作の習熟度を詳細に評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
より詳細には、顧客情報等を登録し管理する情報処理システムにおいて、データ入力担当者(以下「オペレータ」と略す)の入力効率を算出し、オペレータの入力操作に関する成績を作成して、オペレータの評価や教育等に利用する、情報処理システムの付加機能に関する。
【背景技術】
【0002】
御中元或は御歳暮のシーズンになると、百貨店やスーパー等の小売店舗ではギフト商品の配送受付を行う。この、ギフト商品の配送受付を効率良く遂行するために、ギフト商品受付配送管理システムが存在する。出願人はギフト商品受付配送管理システムを設計し、販売している。
ギフト商品受付配送管理システムは、周知のクライアント・サーバシステムで構成される。複数の端末がサーバに接続され、各々の端末をオペレータが操作し、顧客の情報等を入力し、サーバに登録する。
ギフト商品受付配送管理システムを小売店舗に導入する際には、事前にオペレータに操作教育を行う。オペレータにはアルバイトを採用する事が多く、事前の操作教育のみでは各オペレータの受付入力操作の技能に差が出やすい。
端末の入力作業は手作業なので、オペレータの入力作業の習熟度が、入力作業にかかる時間に影響する。そして、この時間は顧客の心象にも影響する。迅速な入力作業は顧客に好印象をもたらす一方、逆に入力作業に長時間を要すると顧客の抱く心象が悪化するだけでなく、顧客の受付処理の歩留まりを悪化させる。したがって、オペレータの入力作業の習熟度を向上させることは、ギフト商品受付配送管理システムを運用する小売店舗にとって重要な課題である。そしてそのために、各々のオペレータが、入力作業に対してどの程度習熟しているのかを詳細に分析することが必要になる。
【0003】
なお、本発明に関係すると思われる先行技術文献を特許文献1に示す。この特許文献1の詳細については後述する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−198484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のギフト商品受付配送管理システムには、オペレータの入力操作の習熟度を評価する機能が備わっていない。このため、オペレータの入力操作の習熟度を評価する方法としては、オペレータが入力した注文の配送伝票の枚数や、タイムカードで管理される入力作業時間で評価する方法が採られていた。つまり、単位時間当たりの入力件数である。しかし、これらの手法では件数単位(レコード単位)でしか評価をしておらず、各項目(フィールド単位)についてどの程度習熟しているのか、或は様々な入力方法に対するオペレータの得手不得手は全く考慮されていない。
【0006】
ギフト商品受付配送管理システムの入力方法とは、例えば、顧客の氏名を登録する場合は、新規入力では端末に装備されているかな漢字変換プログラムを操作して登録する一方、登録済み顧客のデータを呼び出す場合は顧客氏名の読み仮名で検索したり、登録されている電話番号で検索する等の操作方法がこれに該当する。また、商品の入力方法では、商品コードをテンキーで入力する他、商品名を直接入力したり、商品名の読み仮名で検索する等が挙げられる。
こういった多様な入力方法についても、これまでの評価方法ではオペレータの得手不得手が全く判らなかった。
すなわち、従来のギフト商品受付配送管理システムでは、オペレータが「どの項目」の「どの入力方法」に問題があるかが、評価できていない。
【0007】
オペレータの技能評価を効率よく実施する例として、特許文献1記載の「操作の技能評価装置」がある。この公知例は、機器の操作手順や操作の重要度をルールとして保管し、オペレータの機器操作の技能を入力したデータと保管したルールを用いて計算し評価する、というものである。この公知例の技術をギフト商品受付配送管理システムに適用すると、オペレータの受付入力操作のルール毎の評価が可能となり、オペレータに対して操作方法を教育する際の効率の向上が図れる。
しかし、特許文献1記載の公知例では、受付入力操作を完了した後に受付入力に誤りがあることが判明し、受注データを修正する場合に、初回入力時の入力誤りを評価に反映することができない。ギフト商品受付配送管理システムでは、受付入力完了後に関連部署や顧客からの指摘で入力内容の誤りに気付くことが多く、初回入力時の入力誤りを評価に反映することが必要である。
【0008】
本発明はかかる課題を解決し、オペレータの入力操作に問題がある項目及び入力方法を明確にして、オペレータの入力操作の習熟度を詳細に評価できる機能を備える情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理システムは、オペレータのデータ入力行為に起因する入力データを生成すると共に、オペレータが入力操作に要した時間及び入力手順よりなる操作履歴情報を生成するデータ入力部と、入力データを記録する主情報データベースと、操作履歴情報を記録する操作履歴データベースと、入力データ及び操作履歴情報に基づく入力効率を算出する入力効率計算部と、入力効率を記録する入力操作評価データベースとを有する。
【0010】
データ入力部に、操作情報からオペレータがどのような入力方法を実行したかを調べる機能を設けて、操作履歴データベースに入力方法と入力に要した経過時間を記録した。主情報データベースに蓄積されている受注データと、操作履歴データベースに蓄積されている操作履歴データを参照して、入力効率を算出することで、入力項目毎に採点することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、オペレータの入力操作に問題がある項目及び入力方法を明確にして、オペレータの入力操作の習熟度を詳細に評価できる機能を備える情報処理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態である、ギフト商品受付配送管理システムの機能ブロック図である。
【図2】受注データ入力部の機能ブロック図である。
【図3】操作履歴データを格納する操作履歴データベースの構造を示す図である。
【図4】入力難易度マスタの構造を示す図である。
【図5】総合評価マスタの構造を示す図である。
【図6】受付入力操作評価データベースの構成を示す図である。
【図7】クライアントの受注データ入力部の受注入力処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】依頼主宛名入力処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】依頼主宛名入力画面の一例である。
【図10】受注サーバの入力効率計算部の入力効率計算処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】評価情報表示部によって作成され、表示部に表示される、評価情報表示画面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[システム構成]
図1は、本発明の一実施形態である、ギフト商品受付配送管理システムの機能ブロック図である。
ギフト商品受付配送管理システム101は、一般的なクライアント・サーバシステムである。受注サーバ102とクライアント103はそれぞれネットワークインターフェース(以下「ネットワークI/F」)104及び105を通じてネットワーク接続されている。図1では図示していないが、複数のクライアント103が受注サーバ102に接続可能である。
【0014】
クライアント103はネットワークOSがインストールされている周知の一般的なパソコンであり、クライアント103の機能を実現するプログラムが読み込まれ、実行されることで、図1に示すクライアント103としての機能ブロックが実現される。
受注サーバ102もネットワークOSがインストールされている一般的なコンピュータであり、受注サーバ102の機能を実現するプログラムが読み込まれ、実行されることで、図1に示す受注サーバ102としての機能ブロックが実現される。受注サーバ102は、クライアント103の台数が少なく、受注サーバ102の負荷が軽い場合はパソコンで代用することも十分可能である。
【0015】
受注サーバ102はデータベースサーバである。データベースマネージャ114は、オペレータマスタ110、受注データベース115、操作履歴データベース117、入力難易度マスタ119、受付入力操作評価データベース120、総合評価マスタ123、顧客データベース125及び商品マスタ126に対し、データの入出力を司る。また、データベースマネージャ114は、受注データベース115及び操作履歴データベース117に対して後述する排他制御を行い、一意性を担保するための受注コードを生成する。
【0016】
クライアント103は主に三つの機能で構成される。一つは受注データ入力部106であり、もう一つは受注データ修正部107であり、もう一つは評価情報表示部108である。オペレータ認証部109は、使用者識別情報ともいえるオペレータコードの入力を受けて、受注サーバ102に備わっているオペレータマスタ110を参照し、クライアント103を使用するオペレータの個人認証を実行する。
【0017】
オペレータのみが使用するクライアント103の場合、受注データ入力部106とオペレータ認証部109が機能していればよい。つまり、受注データ入力部106はオペレータの為の機能ブロックである。
データ修正担当者のみが使用するクライアント103の場合、受注データ入力部106はなくてもよいが、その代わりに、受注データ修正部107とオペレータ認証部109が機能する必要がある。つまり、受注データ修正部107はデータ修正担当者の為の機能ブロックである。
オペレータを統率する管理職クラスの担当者のみが使用するクライアント103の場合、受注データ入力部106及び受注データ修正部107はなくてもよいが、その代わりに、評価情報表示部108とオペレータ認証部109が機能する必要がある。つまり、評価情報表示部108は管理職クラスの担当者の為の機能ブロックである。
【0018】
[受注データ入力部106]
オペレータ認証部109によって受注サーバ102及びクライアント103から正当なオペレータであることの認証を受けたオペレータは、表示部111に表示される入力画面を見ながら操作部112を操作して、顧客から依頼されたギフト商品の受付内容を受注データ入力部106から入力する。
オペレータが一件分の受注データの入力を完遂すると、受注データ入力部106は受注データを出力する。受注データはネットワーク113を通じてデータベースマネージャ114が受信する。データベースマネージャ114は異なる複数の受注データが同時刻に格納されないようにするために、受注データベース115に対して周知の排他制御を行い、受信した受注データに、リアルタイムクロック(「Realtime Clock」、以下「RTC」と略)116を参照して得た現在日時と、受注データの一意性を担保するための受注コードを付加して、受注データベース115に保管する。
受注データベース115は、オペレータが入力する情報を保管する、主情報データベースともいえる。
【0019】
本実施形態のギフト商品受付配送管理システム101において、受注データベース115内の受注データは、受注コードによって一意性が保たれる構成になっている。
データベースマネージャ114は、受注データベース115に受注データを格納する際、異なる複数の受注データが同時刻に格納されないよう、また複数の受注データに同じ受注コードが付与されないようにするために、周知の排他制御を行う。
【0020】
また、受注データ入力部106は、オペレータが操作部112を用いて受付入力操作した際の操作履歴データも受注データと同時に出力する。この操作履歴データは、データベースマネージャ114によって受注コードが付加された上で、操作履歴データベース117に保管される。
【0021】
データベースマネージャ114は、操作履歴データベース117に操作履歴データを格納する際、異なる複数の操作履歴データが同時刻に格納されないよう、また複数の操作履歴データに同じ受注コードが付与されないようにするために、周知の排他制御を行う。
つまり、データベースマネージャ114は受注データベース115と操作履歴データベース117にそれぞれ排他制御を行い、クライアント103から受信した受注データと操作履歴データに共通の受注コードを付与して、受注データを受注データベース115へ、操作履歴データを操作履歴データベース117に記録する。
【0022】
一件分の受注データが受注データベース115に保管されると、入力効率計算部118が起動する。入力効率計算部118は、受注データベース115に保管されている受注データと、操作履歴データベース117に保管されている操作履歴データと、入力難易度マスタ119に保管されている入力効率算出用データを用いて、当該一件分の受注データにおける各項目の入力効率を算出し、算出した入力効率を受付入力操作評価データベース120に保管する。
【0023】
図2は、受注データ入力部106の機能ブロック図である。
オペレータが行う受付入力操作の種類は大別して、依頼主宛名入力、届先宛名入力、商品入力、包装方法入力、配送方法入力に分けられる。入力フォーム作成部201は、これら各項目について一画面の入力画面を作成して表示部111に表示すると共に、操作部112から出力される操作情報を表示部111に表示する。
操作部112が出力する操作情報は入力情報解析部202にも入力される。入力情報解析部202は、オペレータの操作情報から、どの項目がどのような入力方法で入力されたかを検出すると共に、入力フォーム作成部201がある項目を入力するための入力画面を表示した時点から、オペレータが当該項目の入力を完遂した時点迄の経過時間を取得する。入力情報解析部202は、入力フォーム作成部201から入力画面を表示したことを示すトリガを受けると、タイマ203を起動する。そして、オペレータが当該項目の入力を完遂するためのエンターキー或は表示部111に表示される登録ボタンをマウス等で押したことを検出すると、タイマ203を停止し、タイマ203から経過時間を取得する。
入力情報解析部202は、ネットワークI/F104及び105を通じて一件分の受注データを受注データベース115に出力すると同時に、項目毎の操作履歴データとその経過時間を操作履歴データベース117に出力する。
【0024】
[操作履歴データベース117]
図3は、操作履歴データを格納する操作履歴データベース117の構造を示す図である。
宛名入力操作履歴テーブル301は、オペレータコードフィールド、受注コードフィールド、顧客区分フィールド、入力方法フィールド及び経過時間フィールドよりなる。
オペレータコードフィールドには、オペレータの使用者識別情報であるオペレータコードが格納される。
受注コードフィールドには、データベースマネージャ114が受注データを受注データベース115へ格納する際に付与した受注コードが格納される。
この受注コードフィールドの値で、操作履歴インデクステーブルと宛名入力操作履歴テーブル301との紐付けを行う。
【0025】
顧客区分フィールドには、当該顧客の種類、つまり新規顧客か既存顧客かを示すフラグ情報が格納される。図3では解りやすさの為にフラグ情報の内容である「新規顧客」を記述している。
入力方法フィールドには、宛名入力の方法を示す入力方法コードが格納される。入力方法コードは「手入力」「顧客データベース検索」「電話帳データベース検索」の三つの値が存在する。図3では解りやすさの為に入力方法コードの内容である「手入力」を記述している。
経過時間フィールドは、タイマ203によって計測した、宛名入力に掛かった経過時間が格納される。
【0026】
商品入力操作履歴テーブル302は、オペレータコードフィールド、受注コードフィールド、商品種類フィールド、抱合せ有無フィールド、商品種別フィールド、入力方法フィールド及び経過時間フィールドよりなる。
オペレータコードフィールド、受注コードフィールド及び経過時間フィールドは、前述の宛名入力操作履歴テーブル301のそれと同一である。
商品種類フィールドには、商品の種類を示す商品種類コードが格納される。
抱合せ有無フィールドには、当該商品に抱き合わせて販売される商品があるか否かを示すフラグ情報が格納される。図3では解りやすさの為にフラグ情報の内容である「無」を記述している。
【0027】
商品種別フィールドには、当該商品の種別がカタログ登録商品であるか否かを示すフラグ情報が格納される。図3では解りやすさの為にフラグ情報の内容である「カタログ登録商品」を記述している。
入力方法フィールドには、商品入力の方法を示す入力方法コードが格納される。入力方法コードの内容は「手入力」「商品DB検索(「商品データベース検索」の略)」の二つの値が存在する。図3では解りやすさの為に入力方法コードの内容である「商品DB検索」を記述している。
【0028】
包装方法入力操作履歴テーブル303は、オペレータコードフィールド、受注コードフィールド、用途フィールド、名入れ方法フィールド、包装方法フィールド及び経過時間フィールドよりなる。
オペレータコードフィールド、受注コードフィールド及び経過時間フィールドは、前述の宛名入力操作履歴テーブル301のそれと同一である。
【0029】
用途フィールドには、この受注データに対応する商品の用途を示す用途コードが格納される。用途コードの内容は「御中元」「御歳暮」等である。図3では解りやすさの為に用途コードの内容である「御歳暮」を記述している。
名入れ方法フィールドには、この受注データに対応する商品を発送する顧客の氏名の記述方法を示す名入れ方法コードが格納される。名入れ方法コードの内容は「単独」「2連名」「3連名」等である。図3では解りやすさの為に名入れ方法コードの内容である「3連名」を記述している。
包装方法フィールドには、この受注データに対応する商品を包装する包装方法を示す包装方法コードが格納される。包装方法コードは「一括包装」「簡易包装」等である。図3では解りやすさの為に包装方法コードの内容である「簡易包装」を記述している。
【0030】
配送方法入力操作履歴テーブル304は、オペレータコードフィールド、受注コードフィールド、配送日時指定有無フィールド、配送業者指定有無フィールド及び経過時間フィールドよりなる。
オペレータコードフィールド、受注コードフィールド及び経過時間フィールドは、前述の宛名入力操作履歴テーブル301のそれと同一である。
配送日時指定有無フィールドには、この受注データに対応する商品を配送する際の日時指定の有無を示すフラグ情報が格納される。図3では解りやすさの為にフラグ情報の内容である「無」を記述している。
配送業者指定有無フィールドには、この受注データに対応する商品を配送する際の配送業者の指定の有無を示すフラグ情報が格納される。図3では解りやすさの為にフラグ情報の内容である「無」を記述している。
【0031】
以上の説明から明らかなように、操作履歴データを格納する操作履歴データベース117は、各項目に対応する操作履歴テーブルよりなる。
各々の操作履歴テーブルは、受注コードフィールドの受注コードで紐付けされるので、受注コードを特定することで受注データ一件分に対応する操作履歴データを取得することが出来る。
【0032】
[受注データ修正部107]
図1に戻り、ギフト商品受付配送管理システム101の説明を続ける。
受付入力操作完了後に、配送センター等の関連部署から受注データの誤りを指摘されたり、顧客から届いた商品が異なる等の問い合わせを受けたりして受注データの修正が必要となった場合には、データ修正担当者がクライアント103を操作する。オペレータ認証部109によって受注サーバ102及びクライアント103から正当なデータ修正担当者であることの認証を受けたデータ修正担当者は、誤りが含まれている当該受注データを受注データ修正部107で修正し、受注データベース115を更新する。
このとき、修正した受注データの受注コードと、修正した入力項目の入力項目名と、RTCから取得した現在日時情報が修正データベース124へ保管される。
一件分の受注データの修正が修正データベース124に保管されると、修正回数登録部121が起動する。修正回数登録部121は、修正データベース124に保管されている修正データと、受注データベース115に保管されている受注データを用いて、当該一件分の受注データにおける各項目の修正回数を計数し、計数した修正回数を受付入力操作評価データベース120に保管する。
【0033】
[受注データ修正部107]
管理職クラスの担当者は、任意のタイミングで各オペレータの入力操作の技能を確認したいと思った時、クライアント103を操作する。
オペレータ認証部109によって受注サーバ102及びクライアント103から正当な管理職クラスの担当者であることの認証を受けた管理職クラスの担当者は、評価情報表示部108の機能を用いて受付入力操作評価データベース120に保管されている受付入力操作評価データを表示部111に表示する。その際、総合評価計算部122は総合評価マスタ123を参照して、オペレータ毎の総合評価データを作成し、評価情報表示部108に算出した総合評価データを送る。
【0034】
前述の通り、オペレータが行う受付入力操作の種類は大別して、依頼主宛名入力、届先宛名入力、商品入力、包装方法入力、配送方法入力に分けられる。これら入力項目の種類に応じた入力操作について最適な入力効率を算出できるように、システム管理者は事前に各入力操作のパターンと入力難易度を入力難易度マスタ119内のテーブルに登録しておく。システム稼動前にのみ行い、頻繁に更新される可能性が低いこれらマスタテーブルのデータ登録作業は、データベースマネージャ114に標準的に添付されているデータベース操作ツールで行うこととなる。
【0035】
[入力難易度マスタ119]
図4は、入力難易度マスタ119の構造を示す図である。
入力難易度マスタ119は、宛名入力難易度マスタ401、商品入力難易度マスタ402、包装方法入力難易度マスタ403、配送方法入力難易度マスタ404というマスタテーブルの集合体である。
これらマスタテーブルは、各項目の入力方法に対応する入力難易度を示す指標であり、後述する入力効率を入力効率計算部118で算出する根拠となる。
【0036】
宛名入力難易度マスタ401は、顧客区分フィールド、入力方法フィールド及び入力難易度フィールドよりなる。
顧客区分フィールドは、宛名入力操作履歴テーブル301の顧客区分フィールドと同じである。当該顧客の種類、つまり新規顧客か既存顧客かを示すフラグ情報が格納される。
入力方法フィールドは、宛名入力操作履歴テーブル301の入力方法フィールドと同じである。宛名入力の方法を示す入力方法コードとして、「手入力」「顧客データベース検索」「電話帳データベース検索」の三つの値のいずれかが格納される。
入力難易度フィールドには、当該レコードに記される顧客区分フィールドの値と、入力方法フィールドの値の組み合わせが、どの程度の入力難易度であるかを示す数値データが格納される。
【0037】
図4の宛名入力難易度マスタ401の場合、顧客区分フィールドの値が「既存顧客」のレコードの、入力方法フィールドの値は、「顧客データベース検索」と「電話帳データベース検索」のいずれかだけである。同様に、顧客区分フィールドの値が「新規顧客」のレコードの、入力方法フィールドの値は「手入力」だけである。入力難易度フィールドの値は、その入力形態の難易度の数値を示す。「顧客データベース検索」には最も難易度が易しい「3」が、「電話帳データベース検索」には次に難易度が易しい「5」が、「手入力」は最も難易度が高い「9」という値が、それぞれ割り当てられる。
【0038】
以下同様に、商品入力難易度マスタ402は、商品入力操作履歴テーブル302と対応する商品種類フィールド、抱合せ有無フィールド、商品種別フィールド、入力方法フィールドと、入力難易度フィールドよりなる。
同様に、包装方法入力難易度マスタ403は、包装方法入力操作履歴テーブル303と対応する用途フィールド、名入れ方法フィールド、包装方法フィールドと、入力難易度フィールドよりなる。
同様に、配送方法入力難易度マスタ404は、配送方法入力操作履歴テーブル304と対応する配送日時指定有無フィールド、配送業者指定有無フィールドと、入力難易度フィールドよりなる。
【0039】
[入力効率の計算]
入力効率計算部118は、受注データベース115から受注データを取得し、操作履歴データベース117から項目毎の入力方法と経過時間を取得する。次に、入力難易度マスタ119を参照して入力難易度を取得する。そして、取得したデータに基づいて以下の式で入力効率を算出し、受付入力操作評価データベース120に保管する。
【0040】
【数1】

【0041】
上記式(1)を見て判るように、入力効率とは、入力項目毎に付与される「どれだけ効率良く入力作業を完遂したか」を示す値である。そして、この入力効率は後述する総合評価とは異なり、修正回数を考慮していない数値である。つまり、仮に誤った情報を入力したとしても、短時間に多くの入力作業を行えば、入力効率は高い数値を示す。
【0042】
入力項目が依頼主宛名入力と届け先宛名入力の場合の入力効率の算出手順を説明する。
入力効率計算部118は、受注データベース115から、入力された宛名の文字データを取得する。
次に、操作履歴データベース117の宛名入力操作履歴テーブル301から顧客区分を取得する。
次に、宛名入力操作履歴テーブル301から入力方法を取得する。
この時点で、新規顧客の場合は手入力になるので、入力された宛名の文字データの文字数を計数して、入力文字数を得る。そうでない場合、入力文字数は「0」とする。
【0043】
次に、宛名入力難易度マスタ401を参照し、顧客区分と、入力方法によって決定される入力難易度を取得する。
次に、宛名入力操作履歴テーブル301から宛名入力の経過時間を取得する。
最後に、前述の式(1)を用いて入力効率を算出する。
【0044】
入力項目が商品入力の場合の入力効率の算出手順を説明する。
入力効率計算部118は、受注データベース115から、入力された商品の文字データを取得する。
次に、操作履歴データベース117の商品入力操作履歴テーブル302から、商品種数、抱合せ有無及び商品種別を取得する。
次に、商品入力操作履歴テーブル302から入力方法306を取得する。
この時点で、入力方法が手入力の場合は、入力された商品の文字データの文字数を計数して、入力文字数を得る。そうでない場合、入力文字数は「0」とする。
【0045】
次に、商品入力難易度マスタ402を参照し、商品種数と、抱合せ有無と、商品種別と、入力方法とによって決定される入力難易度を取得する。
次に、商品入力操作履歴テーブル302から商品入力の経過時間を取得する。
最後に、前述の式(1)を用いて入力効率を算出する。
【0046】
入力項目が包装方法入力の場合の入力効率の算出手順を説明する。
入力効率計算部118は、操作履歴データベース117の包装方法入力操作履歴テーブル303から、用途、名入れ方法及び包装方法を取得する。
次に、包装方法入力難易度マスタ403を参照し、用途と、名入れ方法と、包装方法によって決定される入力難易度を取得する。
次に、包装方法入力操作履歴テーブル303から包装方法入力の経過時間を取得する。
最後に、前述の式(1)を用いて入力効率を算出する。
包装方法には直接文字入力を行う項目が存在しないので、入力文字数は常に「0」となる。
【0047】
入力項目が配送方法入力の場合の入力効率の算出手順を説明する。
入力効率計算部118は、操作履歴データベース117の配送方法入力操作履歴テーブル304から、配送日時指定有無及び配送業者指定有無を取得する。
次に、配送方法入力難易度マスタ404を参照し、配送日時指定有無と、配送業者指定有無によって決定される入力難易度を取得する。
次に、配送方法入力操作履歴テーブル304から配送方法入力の経過時間を取得する。
最後に、前述の式(1)を用いて入力効率を算出する。
配送方法も包装方法と同様に、直接文字入力を行う項目が存在しないので、入力文字数は常に「0」となる。
【0048】
[修正回数の登録]
一件分の受注データの修正が修正データベース124に保管されると、修正回数登録部121が起動する。
修正回数登録部121は、修正データベース124の最新レコードから、修正された受注データの受注コードを取得して、受注データベース115に保管されている一件分の受注データを特定し、修正された入力項目を特定する。そして、当該一件分の受注データにおける各項目の修正回数を計数し、計数した修正回数を受付入力操作評価データベース120に保管する。
[総合評価マスタ123]
図5は、総合評価マスタ123の構造を示す図である。
総合評価マスタ123は、入力項目フィールドと、修正重み係数フィールドよりなる。
入力項目フィールドには、オペレータが入力した項目の項目コードが格納される。図5では解りやすさの為に項目名を記述している。
修正重み係数フィールドには、総合評価計算部122が総合評価の計算に用いる、入力項目毎の修正重み係数が格納される。
【0049】
[受付入力操作評価データベース120]
図6は、受付入力操作評価データベース120の構成を示す図である。
受付入力操作評価データベース120は、オペレータコードフィールドと、入力項目フィールドと、受注コードフィールドと、入力効率フィールドと、修正回数フィールドと、総合評価フィールドと、操作履歴テーブルの一部のフィールドと同じフィールドの集合よりなる。
【0050】
オペレータコードフィールド及び受注コードフィールドは、前述の宛名入力操作履歴テーブル301のそれと同一である。
入力項目フィールドには、オペレータが入力した項目の項目コードが格納される。図5では解りやすさの為に項目名を記述している。
入力効率フィールドには、入力効率計算部118によって算出された入力効率が格納される。
修正回数フィールドには、修正回数登録部121によって計数された修正回数が格納される。
総合評価フィールドには、総合評価計算部122によって算出された総合評価が格納される。
【0051】
総合評価フィールドの右隣には、顧客区分フィールド、入力方法フィールド、商品種数フィールド、抱合せ有無フィールド、商品種別フィールド、用途フィールド、名入れ方法フィールド、包装方法フィールド、配送日時指定有無フィールド、配送業者指定有無フィールドが連なる。これらフィールドは、図3の操作履歴データベース117に含まれる操作履歴テーブルの、図4に示す入力難易度マスタ119と対応する、入力難易度を決定するフィールドが列挙されている。操作履歴データベース117から引き写されるこれらフィールドの値は、評価情報表示部108がオペレータの特定の入力項目における詳細な情報を表示するためのデータとして利用される。
【0052】
図6を見て判るように、受付入力操作評価データベース120のレコードは、一件分の受注データに含まれる全ての入力項目について、入力効率、修正回数総合評価が記録されている。
受付入力操作評価データベース120をオペレータコードで絞り込めば、あるオペレータの総合評価の推移を見ることができる。勿論、総合評価の平均値も容易に算出できる。
更に、受付入力操作評価データベース120をオペレータコードと入力項目で絞り込めば、あるオペレータの特定の入力項目に関する総合評価の推移を見ることができる。また、当該入力項目の総合評価の平均値も算出できる。
【0053】
また、受付入力操作評価データベース120を入力項目で絞り込めば、特定の入力項目に関する総合評価の推移を見ることができる。更に、入力項目毎に総合評価の平均値を算出して比較すると、どの入力項目の難易度が高いか等の全体的傾向を把握することも可能である。
【0054】
[総合評価の計算]
入力効率計算部118は、受注データベース115から受注データを取得し、操作履歴データベース117から項目毎の入力方法と経過時間を取得する。次に、入力難易度マスタ119を参照して入力難易度を取得する。そして、取得したデータに基づいて以下の式で入力効率を算出し、受付入力操作評価データベース120に保管する。
総合評価計算部122115は、受付入力操作評価データベース120の各レコードについて、入力効率605と修正回数606を取得する。
次に、総合評価マスタ123から該当する入力項目の修正重み係数803を取得し、以下の式で総合評価607を算出し、算出結果を受付入力操作評価データベース120に保管する。
【0055】
総合評価=入力効率−(修正回数×修正重み係数) (2)
【0056】
上記式(2)を見て判るように、総合評価は、入力効率に対して修正回数を考慮した値である。入力された情報に誤りがあれば、その分入力効率から点数を引く、という思想である。
「オペレータが早く且つ正確に入力すること」を究極目標として、「どれだけ早く且つ正確に入力できたか」を入力項目毎に点数化することが、本実施形態のギフト商品受付配送管理システム101に付加された機能である。
【0057】
[受注データ入力部106の動作]
図7は、クライアント103の受注データ入力部106の受注入力処理の流れを示すフローチャートである。
クライアント103の受注データ入力部106は、オペレータが操作部112を操作することによって処理を開始すると(S701)、先ず依頼主宛先入力処理を行う(S702)。
次に、受注データ入力部106は入力された依頼主が新規顧客であったか否かを確認し(S703)、新規顧客である場合は(S703のYES)、依頼主住所入力処理を行う(S704)。
【0058】
ステップS703で入力された依頼主が新規顧客でない場合(S703のNO)、又はステップS704を実行した後、受注データ入力部106は商品入力処理を行う(S705)。
【0059】
次に、受注データ入力部106は届先宛名入力処理を行う(S706)。
そして、受注データ入力部106は入力された届先が新規届先であったか否かを確認し(S707)、新規届先である場合は(S707のYES)、届先住所入力処理を行う(S708)。
【0060】
ステップS707で入力された届先が新規届先でない場合(S707のNO)、又はステップS708を実行した後、受注データ入力部106は配送方法入力処理を行う(S709)。
次に、受注データ入力部106は包装方法入力処理を行う(S710)。
【0061】
最後に、受注データ入力部106は受注データと操作履歴データを受注サーバ102に送信する。すると、データベースマネージャ114は受注コードを付加して、受注データを受注データベース115へ、操作履歴データを操作履歴データベース117に記録して(S711)、一連の処理を終了する(S712)。
【0062】
次に、図7のステップS702、S704、S705、S706、S708、S709及びS710にて行われる入力処理の詳細を説明する。これらの全てのステップの入力処理の動作の流れは共通するので、一例としてステップS702の依頼主宛名入力処理を例示する。
図8は、依頼主宛名入力処理の詳細を示すフローチャートである。
処理を開始すると(S801)、入力フォーム作成部201は依頼主の宛名を入力するための入力フォームである、依頼主宛名入力画面を表示部111に表示する(S802)。そして、入力フォーム作成部201が依頼主宛名入力画面を表示部111に表示したことを示すシグナルが入力情報解析部202に伝わると、入力情報解析部202はタイマ203を起動する(S803)。
【0063】
これ以降はループ処理である。
入力情報解析部202は、オペレータが操作部112を操作することで操作部112から生じる操作情報を待つ(S804)。
次に、入力情報解析部202は当該操作情報が依頼主宛名をする指示であるか判断する(S805)。
入力情報解析部202は、操作情報が依頼主宛名の読み仮名の検索の指示であると判断したら(S805のYES)、図示しないRAM内に読み仮名検索フラグを設け、その値を論理の「真」に設定し(S806)、再度操作情報の入力を待つ(S804)。
【0064】
ステップS805で、操作情報が依頼主宛名の読み仮名の検索の指示ではないと判断したら(S805のNO)、入力情報解析部202は次に当該操作情報が依頼主宛名を電話番号で検索する指示であるか判断する(S807)。
入力情報解析部202は、操作情報が依頼主宛名の電話番号による検索の指示であると判断したら(S807のYES)、図示しないRAM内に電話番号検索フラグを設け、その値を論理の「真」に設定し(S808)、再度操作情報の入力を待つ(S804)。
【0065】
なお、ステップS806とステップS808は排他的に動作する。一旦読み仮名検索にて依頼主を特定したとしても、その後修正するために電話番号で検索した場合は、一旦上げた(論理の「真」に設定した)読み仮名検索フラグを下ろして(論理の「偽」に設定し直して)、電話番号検索フラグを上げる(論理の「真」に設定する)。逆もまた然りである。
【0066】
ステップS807で、操作情報が依頼主の電話番号による検索の指示ではないと判断したら(S807のNO)、入力情報解析部202は次に当該操作情報が確定ボタンを押す等の、依頼主宛名を確定する、つまり依頼主宛名入力を終了する指示であるか判断する(S809)。確定操作でない場合(S809のNO)は、操作情報は文字入力や複数候補の選択操作等の操作情報なので、再度ステップS804に戻る。
【0067】
ステップS809で確定操作であった場合(S809のYES)、入力情報解析部202はタイマ203を停止して、タイマ203が計時した経過時間を取得する(S810)。そして、一連の処理で得られた入力データ、入力方法(読み仮名検索フラグ及び電話番号検索フラグの論理値)及び経過時間を、図示しないRAMや一時ファイル等に一時的に記憶して(S811)、一連の処理を終了する(S812)。
【0068】
図9は依頼主宛名入力画面の一例である。
表示部111に表示される依頼主宛名入力画面901には、依頼主氏名入力欄902、依頼主読み仮名入力欄903、電話番号入力欄904の他、読み仮名検索ボタン905、電話番号検索ボタン906、確定ボタン907、そしてキャンセルボタン908が設けられている。
【0069】
読み仮名を依頼主読み仮名入力欄903に入力して読み仮名検索ボタン905を押すと、当該読み仮名のレコードが顧客データベース125に存在する場合は、依頼主氏名入力欄902に依頼主の氏名が、電話番号入力欄904に依頼主の電話番号が表示される。そして、この時に読み仮名検索フラグが論理の「真」になり、電話番号検索フラグは論理の「偽」になる。
【0070】
一方、電話番号を電話番号入力欄904に入力して電話番号検索ボタン906を押すと、当該電話番号のレコードが顧客データベース125に存在する場合は、依頼主氏名入力欄902に依頼主の氏名が、依頼主読み仮名入力欄903に依頼主の読み仮名が表示される。そして、この時に電話番号検索フラグが論理の「真」になり、読み仮名検索フラグは論理の「偽」になる。
【0071】
以上の説明で明らかなように、入力情報解析部202は、操作部112から出力される操作情報を監視して、操作情報が入力方法を決定する情報である場合はその旨を示すフラグを立てる。そして、入力データと共に一時的に記憶する。このような処理が、図7のステップS702、S704、S705、S706、S708、S709及びS710にて行われ、その結果、ステップS710を終了すると、各々のステップの入力データが集積されて受注データとなり、各々のステップの入力方法等が蓄積されて操作履歴データとなる。
【0072】
[入力効率計算部118の動作]
図10は、受注サーバ102の入力効率計算部118の入力効率計算処理の流れを示すフローチャートである。
受注サーバ102の入力効率計算部118は、クライアント103の受注データ入力部106から受注データ及び操作履歴データがデータベースマネージャ114を通じて受注データベース115及び操作履歴データベース117に記録されることに呼応して処理を開始すると(S1001)、先ず受注データベース115から受注データを取得する(S1002)。そして、取得した受注データのうち、顧客氏名や住所等の文字列データについては入力文字数を計数し、選択項目については選択項目数を算出する(S1003)。
【0073】
次に、入力効率計算部118は操作履歴データベース117から操作履歴データを取得し、各項目の入力方法と経過時間を取得する(S1004)。
次に、入力効率計算部118は入力難易度マスタ119を参照し、入力項目毎に受注データと入力方法で入力難易度マスタ119を絞り込み、入力項目毎に入力難易度を取得する(S1005)。
ステップS1005で入力効率を算出するための要素は全て揃ったので、入力効率計算部118は項目毎に入力効率を算出し(S1006)、算出した入力効率を受付入力操作評価データベース120に格納して(S1007)、一連の処理を終了する(S1008)。
【0074】
[評価情報の表示]
図11(a)及び(b)は、評価情報表示部108によって作成され、表示部111に表示される、評価情報表示画面である。
【0075】
図11(a)は、複数のオペレータを対象とする評価情報表示画面である。
評価情報表示部108は、操作部112から様々な操作情報を受けて、受付入力操作評価データベース120からオペレータの受付入力操作を評価するためのデータである入力項目フィールドと、受注コードフィールドと、入力効率フィールドと、修正回数フィールドと、総合評価フィールドからデータを取得し、オペレータ毎の入力操作に関する総合評価情報を表示する。また、各項目についてソートして、オペレータコードの順位を表示し直すことで、入力項目毎のオペレータの順位を見ることもできる。
【0076】
図11(b)は、特定のオペレータを対象とする評価情報表示画面である。
評価情報表示部108は、レーダチャート形式で、特定のオペレータの入力項目毎の入力効率や総合評価607の分布と、修正回数のランキング等を表示できる。
【0077】
本実施形態では以下の応用例が可能である。
(1)ギフト商品受付配送管理システム101は、webベースのシステムとして構成することもできる。この場合、受注サーバ102はwebサーバとして構成され、受注データ入力部106、受注データ修正部107、評価情報表示部108及びオペレータ認証部109はwebサーバのcgiとして受注サーバ102内に設けられることとなる。
【0078】
(2)図3の操作履歴データベース117の各テーブルを構成するフィールドのうち、受注データベースと重複するフィールドは受注コードで受注データベースと紐付けすることで省略することができる。具体的には、以下のとおりである。
・宛名入力操作履歴テーブル301、商品入力操作履歴テーブル302、包装方法入力操作履歴テーブル303及び配送方法入力操作履歴テーブル304に共通して存在するオペレータコードフィールド
・宛名入力操作履歴テーブル301の顧客区分フィールド
・商品入力操作履歴テーブル302の商品種類フィールド、抱合せ有無フィールド及び商品種別フィールド
・包装方法入力操作履歴テーブル303の用途フィールド、名入れ方法フィールド及び包装方法フィールド
・配送方法入力操作履歴テーブル304の配送日時指定有無フィールド及び配送業者指定有無フィールド
【0079】
本実施形態では、ギフト商品受付配送管理システム101を開示した。
受注データ入力部106に、操作部が出力する操作情報から、オペレータがどのような入力方法を実行したかを調べる入力情報解析部と、オペレータがある入力項目の入力を完遂するまでに要した経過時間を計測するタイマを設けて、操作履歴データベースに入力方法と経過時間を記録した。
【0080】
受注データベースに蓄積されている受注データと、操作履歴データベースに蓄積されている操作履歴データを参照して、入力効率を算出することで、入力項目毎に採点することができる。したがって、オペレータの入力操作に問題がある項目及び入力方法が明確になり、オペレータの入力操作の習熟度を詳細に評価できる。このことは転じて、オペレータに対してどの入力操作を重点的に教育すれば良いかが判断できるようになる。また、受注データ入力部106のデータ入力機能を改善して、より高速に、より誤り率の低い入力操作へバージョンアップする必要の有無を判断する為の確実な情報を提示することができる。
【0081】
更に、修正データベースに修正回数を蓄積させ、修正回数と入力効率から総合評価を算出することで、オペレータの入力操作に問題がある項目及び入力方法が明確になり、オペレータの入力操作の習熟度を詳細に評価できる。このことは転じて、オペレータに対してどの入力操作を重点的に教育すれば良いかが判断できるようになる。
【0082】
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
【符号の説明】
【0083】
101…ギフト商品受付配送管理システム、102…受注サーバ、103…クライアント、104…ネットワークインターフェース、106…受注データ入力部、107…受注データ修正部、108…評価情報表示部、109…オペレータ認証部、110…オペレータマスタ、111…表示部、112…操作部、113…ネットワーク、114…データベースマネージャ、115…受注データベース、116…リアルタイムクロック、117…操作履歴データベース、118…入力効率計算部、119…入力難易度マスタ、120…受付入力操作評価データベース、121…修正回数登録部、122…総合評価計算部、123…総合評価マスタ、124…修正データベース、125…顧客データベース、126…商品マスタ、201…入力フォーム作成部、202…入力情報解析部、203…タイマ、301…宛名入力操作履歴テーブル、302…商品入力操作履歴テーブル、303…包装方法入力操作履歴テーブル、304…配送方法入力操作履歴テーブル、306…入力方法、401…宛名入力難易度マスタ、402…商品入力難易度マスタ、403…包装方法入力難易度マスタ、404…配送方法入力難易度マスタ、605…入力効率、606…修正回数、607…総合評価、803…修正重み係数、901…依頼主宛名入力画面、902…依頼主氏名入力欄、903…依頼主読み仮名入力欄、904…電話番号入力欄、905…読み仮名検索ボタン、906…電話番号検索ボタン、907…確定ボタン、908…キャンセルボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータのデータ入力行為に起因する入力データを生成すると共に、前記オペレータが入力操作に要した時間及び入力手順よりなる操作履歴情報を生成するデータ入力部と、
前記入力データを記録する主情報データベースと、
前記操作履歴情報を記録する操作履歴データベースと、
前記入力データ及び前記操作履歴情報に基づく入力効率を算出する入力効率計算部と、
前記入力効率を記録する入力操作評価データベースと
を有する情報処理システム。
【請求項2】
更に、
前記主情報データベースに記録された前記入力データを修正するデータ修正部と、
前記データ修正部によって行われた前記入力データの修正回数を前記入力操作評価データベースに記録する修正回数登録部と、
前記入力操作評価データベースに格納されている前記入力効率及び前記修正回数に基づいて総合評価を算出して前記入力操作評価データベースに記録する総合評価算出部と、
前記総合評価を前記オペレータ毎に表示する評価情報表示部と
を有する、請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
更に、
前記入力手順の種類に応じて難易度を設定する入力難易度マスタと
を備え、
前記入力効率計算部は、前記入力難易度マスタを参照して前記難易度を前記入力効率の算出に用いる、
請求項2記載の情報処理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−108770(P2012−108770A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257777(P2010−257777)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000153443)株式会社日立情報制御ソリューションズ (359)